JP3204839B2 - 架線走行装置 - Google Patents

架線走行装置

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JP3204839B2
JP3204839B2 JP9736694A JP9736694A JP3204839B2 JP 3204839 B2 JP3204839 B2 JP 3204839B2 JP 9736694 A JP9736694 A JP 9736694A JP 9736694 A JP9736694 A JP 9736694A JP 3204839 B2 JP3204839 B2 JP 3204839B2
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正章 多胡
裕行 阿部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線や配電線等の架
線に吊り下がって走行し、架線や付帯物を保守・点検す
る架線走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線、配電線および通信線等の架線
は、一般に、その架設場所の地形に従い、また、建築物
などを避けるために鉄塔に掛け渡される。このため架線
は鉄塔を折点にして、上下左右に折り曲げて架設される
ことがある。このような架線の保守・点検に使用される
架線走行装置においては、例えばその台車が上下左右に
屈曲して姿勢を変えるための動作軸が数多く設けられ、
鉄塔を通過するときには、複数の動作軸を屈曲させて、
折れ曲がる架線に対応して乗り移り、連続に架線の点検
走行ができるようになっていた。
【0003】一方、鉄道に沿って架設される配電線や給
電線では、急峻な折れ曲がりはなく、最大でも5度程度
であり、更に、保守・点検のときに損傷区間が凡そ分か
っている場合もある。従って、このような場合には、電
線の折れ曲がりに対応する動作軸がなくても、小型、軽
量で架線への吊り下げが容易な架線走行装置が望まれ
る。
【0004】このような要請に応えるために、発明者
は、先に特願平3−305918号で以下に述べるよう
な架線走行装置を出願した。この架線走行装置は、図8
に示すように、装置本体1に設けられた前後及び中間の
3つの駆動輪2a,2b,2cで架線3を交互に挟んで
吊り下がって走行するものである。
【0005】具体的には、上記装置本体1は、駆動輪2
aが先端部に回転自在に設けられた台車1a及びこの台
車1aの基端部に図示しない軸を介して屈曲自在に設け
られた台車1bからなる2連台車構造とされる。そし
て、この台車1bの基端部には車輪駆動手段としてのD
Cモータ4が設けられており、このDCモータ4の駆動
軸(図示しない)には上記駆動輪2bが設けられてい
る。
【0006】また、このDCモータ4の駆動軸は、スプ
ロケット、チェーンベルト(図示しない)を介して上記
駆動輪2a,2cの軸に接続しており、これら駆動輪2
a,2cも上記駆動輪2bとともに回転駆動するように
なっている。
【0007】上記台車1bの基端部の側面突起部には、
ロッド6…を介してギア箱7が固定されている。このギ
ア箱7には軸8が貫通しており、この軸8の両端には、
アーム9を介してバランサ10が固定されている。ま
た、台車1bには、DCモータ11が設けられ、このD
Cモータ11の駆動軸は上記軸8に連結している。
【0008】上記台車1bの基端部の側面突起部には、
屈曲復元機構としてL字形の取付金具12がその中央部
にピン12aを介して回動自在に設けられ、その取付金
具12の先端部には引張りバネ13の一端が取付けられ
ている。この引張りバネ13の他端は、上記台車1aの
基端部の側面に設けられたピン14に固定されている。
引張りバネ13により、上記台車1が直線方向に伸長す
るように、すなわち駆動輪2a,2c及び2bが架線3
を挟む方向に付勢される。
【0009】上記台車1aの中間部には、台車1aに対
して回動自在に設けられたアーム15を介して架線点検
装置としての凹字状の探傷センサ16がその凹部を架線
3に遊嵌させて設けられている。
【0010】このような架線走行装置においては、架線
走行をする場合、例えば架線3に使用される懸垂碍子な
どのような架線3の支持設備などによる障害物を通過し
て走行するには、バランサ10を動かして重心を移動
し、架線3に対する釣合いの姿勢を変えて、装置本体を
架線周りに反転させて障害物を避けて通る。
【0011】障害物を乗り越える際、乗り越え抵抗が少
なくなるように、台車1bに対して台車1aを屈曲させ
て障害物を乗り越え、その後引張りバネ13の力で、装
置本体1が直線方向に伸長する方向に復元する。また、
障害物通過時間には、アーム15を回動することによっ
て、探傷センサ16を架線3から外す。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような架
線走行装置においては、障害物を通過する場合、バラン
サ10を動かして重心を移動し、架線3に対する釣合い
の姿勢を変えて、装置自体を架線周りに反転させるた
め、バランサ10動作時に各駆動輪2a,2b,2cに
加わる重さが変化し、これら各駆動輪2a,2b,2c
で架線3を挟むのに必要な台車1b,1aの屈曲の復元
力も変化する。
【0013】このため、例えば、ある姿勢で必要な屈曲
の復元力が得られる程度の比較的大きい弾性係数を有す
るバネを引張りバネ13として用いると、他の姿勢では
この復元力は余剰となる場合がある。すなわち障害物を
乗り越えるのに負担となる場合がある。
【0014】従って、障害物を乗り越えるための大きな
走行推力、すなわち、通常走行時に必要な走行推力より
大きな推力が得るためのより大きなモータ4が必要であ
るという問題があった。また、乗り越えるための走行力
をアップすることは、通常の架線走行時に余分なエネル
ギを消失し、連続走行距離が短くなるという問題もあっ
た。
【0015】また、上述したように比較的弾性係数が大
きいバネを使用した場合には、架線走行装置の架線3へ
の着脱時に、その屈曲状態を維持するための大きな力を
必要とした。このため、架線走行装置の架線3への着脱
が容易でなく、また、架線走行装置も架線着脱用のジグ
もそのような力に対応した機構及び構造とするため重量
が増し、取扱いが不便になるという問題が生じた。
【0016】さらに、架線走行装置の特定箇所に探傷セ
ンサ16を設けているため、障害物を乗越える時には、
探傷センサ16を電線から外すので、障害物の前後に保
守・点検ができない箇所が残るという問題があった。
【0017】そこで本発明は、架線走行装置の屈曲復元
力の調整を適切に行うことができ、また架線の付帯設備
等の障害物の乗越えや、架線への着脱を容易に行うこと
ができ、さらに障害物の前後も保守点検を行うことがで
きる架線走行装置を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、装置本体に架線を挟んで交互に並ぶ状態に設けた前
後及び中間の駆動輪で該架線に吊り下がりながら走行
し、且つその走行途中の障害物に達すると装置本体が屈
曲復元機構に抗し屈曲すると共に姿勢制御用のバランサ
を変位させて架線周りに旋回しながら該障害物を回避し
て乗り越えて行く構成の架線走行装置において、装置本
体を、中間台車と、この前後部にそれぞれ台車屈曲支持
軸を介し屈曲自在に連結した前後一対の台車とからなる
三連台車構造とし、これら台車に前後及び中間の駆動輪
を一個ずつ設けると共に、それらを回転駆動する車輪駆
動手段を設け、且つ屈曲復元機構を、中間台車に一端側
を支持し他端側を中間台車に対し垂直方向に付勢動作可
能に案内支持した弾性体と、この弾性体の他端側にそれ
ぞれ一端を枢支連結し他端を前後の台車に連結した前後
一対のリンクとから構成したものである。
【0019】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
架線走行装置において、装置本体の中間台車に、モータ
により回転するバランサ軸とこのバランサ軸の回転をバ
ランサに伝達する機構を備えた姿勢制御用のバランサ変
位駆動機構と、このバランサ変位駆動機構のバランサ軸
にカムを取り付け、このカムの回転によりそのカムの外
周形状に応じて屈曲復元機構の弾性体の一端を変動せし
めるカム機構を備えたものである。
【0020】請求項3記載の本発明は、装置本体に架線
を挟んで交互に並ぶ状態に設けた前後及び中間の駆動輪
で該架線に吊り下がりながら走行すると共に、装置本体
に架線点検装置を備えて走行しながら架線を点検し、且
つその走行途中の障害物に達すると装置本体が屈曲復元
機構に抗し屈曲すると共に姿勢制御用のバランサを変位
させて架線周りに旋回しながら障害物を回避して乗り越
えて行く構成の架線走行装置において、架線点検装置
を、装置本体の中間部に基端側を枢着して本体の前後端
方に揺動可能に設けた揺動アームと、この揺動アームの
先端側に支持された架線点検手段と、揺動アームを揺動
させて架線点検手段を装置本体の後方の架線位置と前方
の架線位置とに選択的に移動させるアーム駆動手段とを
備えたものである。
【0021】
【0022】
【作用】このような構成の請求項1記載の本発明におい
ては、中間台車に対して、台車屈曲支持軸を介し前後台
車が屈曲すると、その屈曲角度に応じて屈曲復元機構の
弾性体の他端が一対のリンクを介して中間台車に対して
垂直方向に移動し、その弾性体が縮小する。これによ
り、この弾性体の付勢力が一対のリンクを介して中間台
車及び前後台車に伝達し、この台車には、その屈曲がも
との状態に復元する屈曲復元力が、台車の屈曲角度に応
じて生じる。すなわち、この屈曲復元力は、台車の屈曲
角度が比較的小さいときはほぼ一定となり、屈曲角度が
大きくなると急峻に小さくなる。
【0023】請求項2記載の本発明においては、走行中
に障害物等に達すると、バランサ変位駆動機構を動作さ
せて姿勢を制御してその障害物を回避する。このとき、
バランサ変位駆動機構の動作に連動してカムが駆動し、
このカムに倣って屈曲復元機構のカム倣い機構が駆動し
て、弾性体の一端が移動する。この移動に応じて弾性体
の付勢力が一対のリンクを介して中間台車及び前後台車
に伝達し、この台車に作用する屈曲復元力が、カムの外
形に倣って変化する。すなわち、この屈曲復元力は台車
の姿勢に応じて変化する。
【0024】請求項3記載の本発明においては、通常走
行時は架線点検装置を装置本体の後方の架線に位置させ
て架線点検を行う。このとき、装置本体が障害物まで至
ると、架線走行装置自身の略長さ分だけ後退する。
【0025】そして、揺動アームを揺動し、架線点検装
置を前方の架線に移動し、続いて、架線走行装置自身の
略長さ分だけ進行する。こうして、架線の障害物の手前
の部分について架線点検を行う。
【0026】次に、バランサを駆動して姿勢を変化させ
て、装置本体が障害物を回避した後、再度揺動アームを
揺動させて、架線点検装置を後方の架線位置に戻す。そ
して、通常走行による架線点検を行う。
【0027】
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本実施例の概略構成を示す側面図で、1
9は装置本体である。この装置本体19は、中間台車2
2b、及びこの中間台車22bの前後部にそれぞれ台車
屈曲支持軸27a,27を介し屈曲自在に連結した前
後一対の前後台車22a,22cからなる三連台車構造
で構成される。
【0029】また、これら前後台車22a,22c及び
中間台車22bに、それぞれ一個ずつ設けられた前後駆
動輪21a,21c、中間駆動輪21bを備えている。
これら前後駆動輪21a,21c、中間駆動輪21b
は、架線20を挟んで交互に並んでおり、装置本体19
は、これら前後駆動輪21a,21c、中間駆動輪21
bで架線20に吊り下がりながら走行するようになって
いる。
【0030】上記中間台車22bの中間部には、図2及
び図3にも示すように、その一方の側面に車輪駆動手段
としてのDCモータ29が、その駆動軸29aを側面か
ら突き出した状態で固定されている。また、このDCモ
ータ29の駆動軸29aの先端には上記中間駆動輪21
bが取り付けられ、駆動軸29aの途中は中間台車22
bに軸受を介して軸支されている。
【0031】また、この駆動軸29aの中間部には、平
歯車30bが取り付けられ、この平歯車30bはその両
側に位置する平歯車30a,30cに噛み合っている。
これら平歯車30a,30cは、それぞれ台車屈曲支持
軸27a,27cの中間部に取り付けられている。
【0032】この台車屈曲支持軸27a,27cの一端
は、中間台車22bの両端部に軸受を介して軸支されて
おり、他端は中間台車22bの側面に突き出している。
これら台車屈曲支持軸27a,27cの中間部は、中間
台車22bの基端に軸受を介して軸支されている。ま
た、台車屈曲支持軸27a,27cの中間部のさらに先
端側は前後台車22a,22cの基端に軸受を介して軸
支している。さらに、台車屈曲支持軸27a,27cの
先端には、スプロケット32a,32cが取り付けられ
ている。
【0033】上記前後台車22a,22cの先端には、
それぞれこの台車22a,22cと直角方向に片持梁状
に突き出た車軸31a,31cが一対の軸受を介して回
転自在に設けられ、この車軸31a,31cの基端には
スプロケット28a,28cが固定されている。これら
スプロケット28a,28cと前後台車22a,22c
の基端のスプロケット32a,32cにはチェーン33
a,33cが巻き付けられている。
【0034】また、これら車軸31a,31cの先端に
は、それぞれ前後輪21a,21cが取り付けられてい
る。これら前後輪21a,21c及び中間駆動輪21b
には、それぞれ外周に断面U字状の溝が形成されてい
る。そして、通常走行時には、前後輪21a,21cは
その溝の下面に嵌合した架線20の上面に押圧されると
ともに、中間駆動輪21bはその溝の上面に嵌合した架
線20の下面に押圧されるようになっている。
【0035】上記装置本体19には、その中間台車22
bに対する前後台車22a,22cの屈曲に対して屈曲
復元力(すなわち台車22を直線方向に伸長させる力)
を作用させる屈曲復元機構23が設けられている。
【0036】この屈曲復元機構23は、弾性体46a,
46cを収納する断面コ字形に形成された弾性体収納部
40を備える。この弾性体収納部40は、上記中間台車
22bの一方の側面に、この中間台車22bの下方に突
出して取り付けられている。
【0037】この弾性体収納部40内には、図4に示す
ように、その上下に一対のガイドロッド41a,41c
が掛け渡されている。このガイドロッド41a,41c
には、下部摺動台42及びこの下部摺動台42に離間し
て設けられた上部摺動台43がこれらガイドロッド41
a,41cに沿って図中実線矢印の方向に摺動自在に挿
入されている。
【0038】具体的には、下部摺動台42及び上部摺動
台43には、それぞれ円筒状の一対のロッド挿入部44
a,44c及び45a,45cが形成され、これらロッ
ド挿入部44a,44c及び45a,45cに、ガイド
ロッド41a,41cが挿入している。
【0039】また、これらロッド挿入部44a,44
c、45a,45c及びガイドロッド41a,41cに
は、上記下部摺動台42と上部摺動台43との間に、そ
れぞれ弾性体46a,46cが介挿している。
【0040】この弾性体46a,46cとしては、例え
ばコイルバネやゴム等を使用する。なお、ここでは一対
の弾性体を使用しているが、1つの弾性体でもよく、ま
た3つ以上の弾性体を使用してもよい。
【0041】この上部摺動台43の上部には、カム機
が設けられている。このカム機構は、例えばカム48と
ローラ55で構成され、図6に示すように、前記カム4
8は後述するバランサ軸47の途中に取り付けられ、こ
カム48の外周に前記上部摺動台43の上部に取り付
けた前記ローラ55が当接するようになっている。
【0042】上記下部摺動台42には、一対のリンク5
1a,51cの一端がピン50a,50cを介して回動
自在に取り付けられている。これらリンク51a,51
cの他端は、それぞれ前後台車22a,22cの略中間
部に、ピン52a,52cを介して回動自在に取り付け
られている。
【0043】前後台車22a,22cが中央台車22b
に対して屈曲し、図4中の位置Aになった場合には、こ
れらリンク51a,51cのピン52a,52cには、
弾性体46a,46cの付勢力が同図の実線矢印M1 に
示すようにあらわれる。これにより、前後台車22a,
22cは、実線矢印N1 方向、すなわち中央台車22b
に対して開く方向に屈曲復元力(モーメント)が生じ
る。
【0044】具体的には、この屈曲復元力は、台車屈曲
支持軸27a,27c周りのモーメントであり、弾性体
46a,46cの付勢力に基づいてリンク51a,5
1cのピン52a,52cに作用する力(実線矢印M1
)に、台車屈曲支持軸27a,27cからピン52
a,52cまでの水平方向の距離Xをかけ合わせたもの
としてあらわれる。
【0045】このため、前後台車22a,22cが位置
Bまで屈曲した場合、台車屈曲支持軸27a,27cか
らピン52a,52cまでの水平方向の距離Xが零にな
る。これにより、台車屈曲支持軸27a,27c周りの
屈曲復元力(モーメント)は零となる。
【0046】そして、さらに前後台車22a,22cが
屈曲し、同図中の位置Cになった場合、弾性体46a,
46cの付勢力は同図の実線矢印M2 に示すようにあら
われる。このとき、台車屈曲支持軸27a,27cから
ピン52a,52cまでの距離は、台車屈曲支持軸27
a,27cに対して上記距離Xとは反対方向に距離Yと
してあらわれる。これにより、前後台車22a,22c
は、実線矢印N2 方向、すなわち中央台車22bに対し
て閉じる方向に屈曲復元力(モーメント)が生じる。
【0047】このような前後台車22a,22cの中央
台車22bに対する屈曲角度θと、屈曲復元力(モーメ
ント)との関係を図5の実線グラフaに示す。同図中、
二点鎖線グラフbは、図8に示す従来の架線走行装置が
通常走行する場合のバネ12の復元力と、台車1bに対
する台車1aの屈曲角度との関係を示すものである。
【0048】この実線グラフaに示すように、前後台車
22a,22cが例えば位置Aにある場合、すなわち屈
曲角度が通常の走行姿勢にあるときの角度から、台車屈
曲支持軸27a,27cからピン52a,52cまでの
距離が零となる屈曲角度までは、屈曲復元力は僅かな屈
曲角度では略一定となるが、屈曲角度が大きくなると、
急峻に減少する。これは、距離Xの減少率がθの増加に
基づくことに起因する。
【0049】そして、前後台車22a,22cが位置B
にある場合、すなわち台車屈曲支持軸27a,27cか
らピン52a,52cまでの水平方向の距離Xが零とな
る屈曲角度では、屈曲復元力も零となり、この時点から
さらに屈曲すると、屈曲復元力は逆方向に生じるように
なる。
【0050】これに対し、図8に示す従来の架線走行装
置においては、二点鎖線グラフbに示すように、屈曲角
度が大きくなるにつれて、屈曲復元力も単純に増加とな
ってしまう。
【0051】なお、屈曲角度が比較的小さい場合の屈曲
復元力は、リンク51a,51cのピン50a,50
c、52a,52cの位置と、弾性体46a,46cの
弾性係数を適切に選択することによって、略一定にする
ことができる。
【0052】上記装置本体19には、図6にも示すよう
に、バランサ65a,65cを変位することによって、
その装置本体19の重心を移動させて架線20に対する
釣合いの姿勢を変えるためのバランサ変位駆動機構24
が設けられている。
【0053】このバランサ変位駆動機構24は、バラン
サ軸47を駆動するDCモータを備える。具体的には、
このDCモータ61は、図2にも示すように、上記中間
台車22bの側面に、その駆動軸を中間台車22bの直
角方向に向けた状態で、前記車輪駆動用のDCモータ2
9に並んで取り付けられている。但し、DCモータ61
は図6の紙面の前面に突き出して設けられているが、説
明の便宜上、その直角方向に記載している。
【0054】上記DCモータ61の駆動軸の先端には、
ウォーム62が取り付けられ、このウォーム62は、上
記バランサ軸47の中間部に取り付けられたウォームギ
ア63と噛み合っている。
【0055】バランサ軸47は、その両端部が中間台車
22bに設けた一対の軸受回転自在に軸支されてい
る。そして、前記バランサ軸47は、その両端が前記軸
受を貫通し、さらに、前記中間台車22bの両端に取り
付けた傘歯車64a,64cを貫通して突き出し、その
両端にそれぞれ中間アーム68a,68cを取り付け
いる。前記傘歯車64a,64cの回転部は前記バラン
サ軸47に取り付けられ、バランサ軸47の回転によっ
て回転するようになっている。
【0056】そして、前記中間アーム68a,68c内
には回転駆動軸66a,66cが回転自在に設けられ、
その回転駆動軸66a,66cの一端には前記傘歯車6
4a,64cと歯合する傘歯車が取り付けられ、また、
他端には一端にバランサ65a,65cを取り付けた先
端アーム67a,67cの他端が固定されている。な
お、前記バランサ65a,65cの構成は従来と同様で
あるため、詳細な説明は省略する。
【0057】前記バランサ軸47の中間部には、前記
ム48が取り付けられている。このカム48は、前記バ
ランサ軸47の回転により回転し、その外周形状によっ
て前記ローラ55を押圧し、これにより、前記上部摺動
台43を上下動させて前記弾性体46a,46cの付勢
力を調整するようになっている。また、前記バランサ軸
47の回転によって前記中間アーム68a,68cが一
体に回転するとともにその内部に設けた回転駆動軸66
a,66cが傘歯車64a,64cを介して回転しこれ
によりバランサ65a,65cが回転駆動軸66a,6
6cを中心に回動するようになっている。
【0058】例えば、バランサ軸47を図中実線矢印の
方向に回転した場合には、傘歯車64a,64cが回転
し、それによって回転駆動軸66a,66cが図中実線
矢印の方向に回転するとともに前記中間アーム68a,
68cがバランサ軸47を中心にそのバランサ軸47と
同一方向に回動するので、前記バランサ65a,65c
はバランサ軸47の周囲を回転しつつ回転駆動軸66
a,66cの周囲を回転するという動作を行うことにな
る。そして、バランサ軸47の回転によりカム48も回
転する。
【0059】このとき、カム48の外周形状に応じて、
その外周に当接しているローラ55を介して上部摺動台
43が上下に摺動し、これにより上部摺動台43と下部
摺動台42との距離変化し、弾性体46a,46cの
付勢力変化するようになる
【0060】上記装置本体19には、図7にも示すよう
に、架線20を点検する架線点検装置25が設けられて
いる。この架線点検装置25は、揺動アーム73を駆動
するための揺動アーム駆動手段としてのDCモータ71
を備える。具体的には、このDCモータ71は、上記中
間台車22bに取り付けられ、その駆動軸には、揺動ア
ーム73の基端が取り付けられている。また、この揺動
アーム73の先端には架線点検装置としての探傷センサ
72の基端部がピンを介して回転自在に取り付けられて
いる。
【0061】この探傷センサ72のピンには、リンク7
4の一端が回転自在に取り付けられており、このリンク
74の他端は平行リンク75の一端が回転自在に取り付
けられている。この平行リンク75の他端は中間台車2
2bに回転自在に取り付けられている。この平行リンク
75は探傷センサ72の姿勢を維持するためのものであ
る。ここでは、中間台車22b及びリンク74を平行リ
ンク75で連結しているが、この平行リンク75の代わ
りに歯付ベルトで連結してもよい。
【0062】これら中間台車22b、揺動アーム73、
リンク74及び75は、4連リンク機構を構成する。上
記探傷センサ72は凹字状をなしている。この探傷セン
サ72は、その凹部を架線20に遊嵌して、架線20の
傷等を検出するようになっている。また、探傷センサ7
2は、DCモータ71を駆動することにより、図中実線
矢印に示すように、揺動アーム73を揺動することによ
り、架線走行装置の前方架線探傷及び後方架線探傷を選
択的に自由に切り換えることができるようになってい
る。
【0063】架線走行装置には、制御手段としての制御
部(図示しない)が設けられ、この制御部は以下に示す
探傷センサ72の駆動制御を行うようになっている。す
なわち、通常走行時は探傷センサ72を進行方向に対し
て後方の架線20に位置させて後方架線探傷を行わせ
る。このとき、架線走行装置の前後駆動輪21aが障害
物まで至ると、架線走行装置自身の略長さ分だけ後退さ
せる。
【0064】そして、揺動アーム73を揺動させて、探
傷センサ72を前方の架線20に位置させる。続いて、
架線走行装置自身の略長さ分だけ進行させ、架線20の
障害物の手前の部分について前方架線探傷を行わせる。
次に、バランサ65a,65cを駆動して姿勢を変化さ
せて、障害物を回避する。
【0065】このように障害物を回避した後、すなわち
前後駆動21a,21cが障害物を越えると、再度揺
動アーム73を揺動させて、探傷センサ72を後方の架
線20の位置に移動させる。そして、通常走行による架
線20の後方架線探傷を行わせる。このように、探傷セ
ンサ72は、揺動アーム73を揺動することによって、
装置本体19の前方の架線位置と、後方の架線位置とを
選択的に移動するようになっている。
【0066】なお、以上の動作は、作業者が離隔地から
操作して行ってもよい。架線走行装置には、上記揺動ア
ーム73とバランサ65a,65cとの相互の移動重複
位置に、その揺動アーム73とバランサ65a,65c
とのどちらか一方が存在しているか否かを検出する位置
検出手段と、この位置検出手段が揺動アーム73とバラ
ンサ65a,65cとのどちらか一方の存在を検出して
いるとき他方が前記移動重複位置に移動するのを阻止す
る制御手段とが設けられている。
【0067】上記位置検出手段は、例えば揺動アーム7
3がバランサ65aと重なる位置にあることを検出する
センサ(図示しない)、及び揺動アーム73がバランサ
65cと重なる位置にあることを検出するセンサ(図示
しない)で構成される。
【0068】また、制御手段は、これらセンサの検出出
力により、バランサ65a,65cと揺動アーム73と
が干渉せずに動作するように機能させる電気回路等のハ
ードウエア又はプログラム等のソフトウエアから構成さ
れた動作許可機能を備えている。
【0069】このような構成の本実施例においては、3
つの駆動輪21a,21b,21cで架線20を交互に
挟んで吊り下がる。そして、例えば前後駆動輪21cを
先頭に走行する。このとき、探傷センサ72は後方に位
置させて、走行しながら架線20を点検する。
【0070】そして、架線20の途中に碍子等の障害部
分があると、バランサ65a,65cを駆動して、姿勢
を変化させることによってこの障害部分を回避して走行
する。
【0071】このような架線20の障害部分を回避する
とき、走行中、前後駆動輪21cが障害部分に当接する
と、前後台車22cが中央台車22bに対して屈曲しは
じめる。これにより、屈曲復元機構23の下部摺動台4
2は、リンク51a,51cを介して移動しはじめる。
すなわち、下部摺動台42は、部摺動台43に接近す
る方向に摺動する。
【0072】このため、弾性体46a,46cは縮小
し、図5に示すような屈曲復元力が作用し、台車22が
直線方向に伸長しようとする。例えば、その障害部分が
比較的小さいものである場合には、通過する際の屈曲角
度が少ないため、その屈曲復元力も比較的大きい。これ
は、図5中の位置Aの場合に相当する。
【0073】これに対し、その障害部分が比較的大きい
ものである場合には、台車22の屈曲角度は、さらに大
きくなる。ところが、屈曲復元力はある部分から急峻に
減少し、障害物を乗り越えるときには、屈曲復元力が非
常に小さくなる。
【0074】次に、架線20から架線走行装置を取り外
す際には、台車22の屈曲角度を大きくする。このと
き、位置Bに相当する屈曲角度を越えると、屈曲復元力
は逆向きに作用するようになる。すなわち、台車22を
屈曲させる方向に作用する。
【0075】また、障害物を乗り越えるときには、バラ
ンサ軸47を回動してバランサ65a,65cを駆動
る。そして、バランサ軸47の回動に伴ってカム48
回動し、このカム48の外周形状に応じてローラ55が
上下動し、カム48の長径の部位がローラ55に当接し
ているときには屈曲復元機構23の上部摺動台43は下
部摺動台42の方向に摺動する。これにより、弾性体4
6a,46cは縮小し、屈曲復元力の初期値が、例え
ば、m1からm2に変化し、図5に点線のグラフc示す
ような屈曲復元力が作用し、台車22が直線方向に伸長
しようとする。
【0076】このように、カム48の外周形状に応じ
て、架線周りの姿勢に対応した屈曲復元力の初期値(m
1 ,m2 )が変化する。すなわち、架線走行装置の屈曲
復元力は、架線周りの走行姿勢に応じて変化する。この
ような場合、図5に点線のグラフc示すように、カム
48を適切な外周形状にして屈曲復元力の初期値を低下
すれば、障害物を通過する際の僅かな屈曲角度に対する
屈曲復元力も低下する。
【0077】ところで、走行しながら探傷センサ72に
よる架線20の保守点検を行う。すなわち、通常走行
時、進行方向に対して後方の架線20に位置させて後方
架線探傷を行う。
【0078】これに対し、架線20の障害物回避時に
は、次のような動作を行う。すなわち、前方の前後駆動
輪21aが障害物まで至ると、架線走行装置自身の略長
さ分だけ後退し、探傷センサ72を前方の架線20に位
置させる。続いて、架線走行装置自身の略長さ分だけ進
行し、架線20の障害物の手前の部分について前方架線
探傷を行う。
【0079】次に、バランサ軸47を回動してバランサ
65a,65cを駆動し姿勢を変化させて前方の前後駆
動輪21a、中間駆動輪21b、後方の前後駆動輪21
cの順に障害物を越える。そして、後方の前後駆動輪2
1cが障害物を越えると、探傷センサ72を後方の架線
20の位置に戻して、通常走行による架線20の後方架
線探傷を行う。
【0080】このように、台車22を中間台車22b及
び前後台車22a,22cで構成し、前後台車22a,
22cを中間台車22bに対して、屈曲復元機構23の
リンク51a,51cを介して連動する機構にしたこと
から、架線20の障害物を通過するとき、架線20に対
する中間台車22bの傾き(ピッチング)は、連動しな
い機構とした場合の半分になる。これにより、バランサ
65a,65cの揺動(ピッチング)も抑制することが
でき、障害物通過時の周囲の設備との地絡も防止でき
る。また、台車22の屈曲が片方の台車屈曲支持軸27
a,27cに偏ることはない。
【0081】また、屈曲復元機構23のリンク51a,
51cの一端を前後台車22a,22cに連結するとと
もに、他端を弾性体46a,46cの下部摺動台42に
連結するため、台車22の屈曲角度に応じて、弾性体4
6a,46cが縮小することにより、台車22の屈曲復
元力を変化させることができる。
【0082】これにより、架線走行時、台車22が僅か
に屈曲した場合には、ほぼ一定の屈曲復元力で台車22
を略直線方向に維持できる。また、架線20の障害物通
過時には、台車22の屈曲角度が大きくなると、屈曲復
元力は急峻に減少するため、障害物の乗り越える抵抗を
少なくすることができる。
【0083】これに対し、台車22の屈曲角度をさらに
大きくすれば、屈曲復元力は所定屈曲角度から台車22
を屈曲する方向に作用する。これにより、例えば架線2
0から架線走行装置を容易に脱着することができる。ま
た、架線20から架線走行装置を着脱する際に、屈曲を
維持する力を必要とせず、架線着脱用のジグも軽微なも
ので足りる。
【0084】また、屈曲復元機構23のリンク51a,
51cのピン52a,52c、50a,50cを台車屈
曲支持軸27a,27cに対して適切に配置し、弾性体
46a,46cの弾性係数を適切に選択すればよいた
め、台車22の屈曲復元力の適切な調整が容易にでき
る。また、このような調整のための追加機能を設ける必
要もない。
【0085】また、バランサ軸47の途中にカム48を
取り付け、このカム48の駆動に応じて屈曲復元機構2
3の上部摺動台43を摺動するため、架線走行装置の架
線周りの姿勢変化に応じて屈曲復元力を変化させること
ができる。
【0086】また、カム48を適切な外周形状にするこ
とによって、架線走行装置の架線周りの姿勢に対して屈
曲復元力を容易に調整することができる。これにより、
架線走行装置の架線周りの姿勢に対する屈曲復元力を、
常に必要最小限にすることもできる。また、このような
調整のための追加機能を設ける必要もない。
【0087】さらに、上述した屈曲復元機構23及びカ
ム機の構成は簡単で軽量化が図れ、架線着脱用のジグ
の構成も簡単で軽量化が図れるため、架線走行装置全体
の重量増加を極力抑制することができる。これにより、
架線20への脱着等の取扱いを容易にすることができ
る。
【0088】また、架線点検装置25を中間台車22
b、揺動アーム73、リンク74及び75の4連リンク
機構で構成したため、探傷センサ72の姿勢を架線20
に対して一定に保持することができる。これにより、探
傷センサ72が揺動アーム73に対して揺動していて
も、探傷センサ72を架線走行装置の前後の架線20に
着脱することができる。
【0089】さらに、動作許可機能を設け、バランサ6
5a,65cの動作に干渉しないように、揺動アーム7
3の動作を行うため、たとえ、作業者の誤操作によるバ
ランサ65a,65cと揺動アーム73との干渉を防止
することができる。
【0090】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、以
下のような効果を奏する架線走行装置を提供できるもの
である。すなわち、架線走行装置の屈曲復元力の調整を
適切に行うことができ、少ない抵抗で架線の障害物を容
易に乗り越えることができる。これにより、架線の障害
物を乗り越えるための走行推力(通常走行に必要なもの
よりも大きなモータ)を必要とせず、架線走行時にも余
分なエネルギを消失することもない。
【0091】従って、連続走行距離を長くすることがで
きる。さらに、架線走行装置の架線への着脱時、屈曲状
態を維持する力を必要とせず、従って容易に着脱を行う
ことができ、架線走行装置に取り付けるための架線着脱
用のジグも軽微にできる。このため、架線走行装置自体
の重量増加を抑制することができ、架線からの着脱等の
取扱いも容易になる。
【0092】また、架線走行装置の前後の架線に架線点
検装置を位置させることができるため、障害物の前後の
保守点検も可能となり、未保守未点検部分を残すことは
なく保守点検を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の外観の概略構成を示す側面
図。
【図2】同実施例の外観の概略構成を示す上面図。
【図3】図1に示す装置本体の概略構成を示す上面図。
【図4】図1に示す屈曲復元機構の概略構成を示す側面
図。
【図5】図1に示す台車の屈曲復元力と屈曲角度との関
係を示す図。
【図6】図1に示すバランサ変位駆動機構と屈曲復元機
構との関係を説明する図。
【図7】図1に示す架線点検装置の概略構成を示す図。
【図8】従来の架線走行装置の外観の概略構成を示す斜
視図。
【符号の説明】
19…装置本体 20…架線 21a,21c…前後駆動輪 21b…中間駆動輪 22a,22c…前後台車 22b…中間台車 23…屈曲復元機構 24…バランサ変位駆動機構 25…架線点検装置 27a,27b…台車屈曲支持軸 29…DCモータ 41a,41c…ガイドロッド 43…上部摺動台 46a,46c…弾性体 51a,51c…リンク 55…ローラ 65a,65c…バランサ 71…DCモータ 73…揺動アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 佳延 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 1/02 315

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体に架線を挟んで交互に並ぶ状態
    に設けた前後及び中間の駆動輪で該架線に吊り下がりな
    がら走行し、且つその走行途中の障害物に達すると装置
    本体が屈曲復元機構に抗し屈曲すると共に姿勢制御用の
    バランサを変位させて架線周りに旋回しながら該障害物
    を回避して乗り越えて行く構成の架線走行装置におい
    て、 前記装置本体を、中間台車と、この前後部にそれぞれ台
    車屈曲支持軸を介し屈曲自在に連結した前後一対の台車
    とからなる三連台車構造とし、これら台車に前記前後及
    び中間の駆動輪を一個ずつ設けると共に、それらを回転
    駆動する車輪駆動手段を設け、且つ前記屈曲復元機構
    を、前記中間台車に一端側を支持し他端側を該中間台車
    に対し垂直方向に付勢動作可能に案内支持した弾性体
    と、この弾性体の他端側にそれぞれ一端を枢支連結し他
    端を前記前後の台車に連結した前後一対のリンクとから
    構成したことを特徴とする架線走行装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の架線走行装置において、
    装置本体の中間台車に、モータにより回転するバランサ
    軸とこのバランサ軸の回転をバランサに伝達する機構を
    備えた姿勢制御用のバランサ変位駆動機構と、このバラ
    ンサ変位駆動機構のバランサ軸にカムを取り付け、この
    カムの回転によりそのカムの外周形状に応じて屈曲復元
    機構の弾性体の一端を変動せしめるカム機構を備えたこ
    とを特徴とする架線走行装置。
  3. 【請求項3】 装置本体に架線を挟んで交互に並ぶ状態
    に設けた前後及び中間の駆動輪で該架線に吊り下がりな
    がら走行すると共に、装置本体に架線点検装置を備えて
    走行しながら架線を点検し、且つその走行途中の障害物
    に達すると装置本体が屈曲復元機構に抗し屈曲すると共
    に姿勢制御用のバランサを変位させて架線周りに旋回し
    ながら該障害物を回避して乗り越えて行く構成の架線走
    行装置において、 前記架線点検装置を、前記装置本体の中間部に基端側を
    枢着して該本体の前後端方に揺動可能に設けた揺動アー
    ムと、この揺動アームの先端側に支持された架線点検手
    段と、前記揺動アームを揺動させて架線点検手段を装置
    本体の後方の架線位置と前方の架線位置とに選択的に移
    動させるアーム駆動手段とを備えて構成したことを特徴
    とする架線走行装置。
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