JP3204778B2 - 電界放出型冷陰極の製造方法 - Google Patents

電界放出型冷陰極の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空マイクロエレクト
ロニクス素子等に用いられる電界放出型冷陰極の製造方
法に係わり、特に溶液エッチングを利用した電界放出型
冷陰極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体の微細加工技術を用いて、
ミクロンサイズの微小で集積可能な真空マイクロエレク
トロニクス素子の実現を目指す研究が行われており、平
面型画像表示装置,超高速マイクロ波素子,パワー素
子,電子線装置等への応用が進められている。
【0003】この真空マイクロエレクトロニクス素子の
キーとなる部分は、電界により電子を放出する電界放出
型冷陰極(マイクロエミッタ)であり、これを作成する
有力な方法として、グレイ(H.F.Gray)等によって提案
された、Siの異方性エッチングを利用する方法があ
る。以下、この方法について図5を参照して簡単に説明
する。
【0004】まず、図5(a)に示すように、Si(1
00)ウェハ51上にエッチングのマスク材となる層5
2(Si02 ,Si3 4 )を形成する。次いで、図5
(b)に示すように、リソグラフィとエッチングによ
り、例えば2.4μm角の正方形のエッチング用マスク
53を作成し、異方性エッチング(KOH15%溶液,
液温40℃で13分間)によって、マスク53の下部の
Siを錐型54に加工する。その後、図5(c)に示す
ように、絶縁層55となるSiO2 等と、ゲート金属層
56となる金属層を順に蒸着する。最後に、図5(c)
に示すように、超音波洗浄などによりエミッタ上部のマ
スク53を除去してマイクロエミッタ57が形成され
る。
【0005】このマイクロエミッタ57は、実際にはS
i{212}面によって囲まれた八角錐形状を有してい
る。例えば、2.4μm角のマスクを使用した場合は、
エミッタの底面の直径は約1.3μm、アスペクト比
(高さと底面半径との比)は約1.0、エミッタ先端の
曲率半径はおよそ70±40nmで、平均値に対して±
60%程度のばらつきがある。
【0006】一方、真空マイクロエレクトロニクス素子
のエミッタに要求される特性として、高いアスペクト
比、エミッタ形状の均一性及び再現性、エミッタ先端の
尖鋭性がある。一般に、真空マイクロエレクトロニクス
素子においては、エミッタに対向してアノード電極を配
置し、アノードをエミッタに対して正の電位にする。こ
の電子放出が低い電圧で起こるためには、エミッタのア
スペクト比が高く、先端が尖鋭である必要がある。ま
た、真空マイクロエレクトロニクス素子として安定な性
能を得るためには、エミッタ形状が均一で、しかも再現
性が良好である必要がある。
【0007】しかしながら、上述したような従来の電界
放出型冷陰極の製造方法においては次のような問題があ
った。即ち、KOH溶液によるエッチングではエミッタ
のアスペクト比は約1.0に止まるため、電界放出型冷
陰極としては甚だ不十分であり、低電圧で電界放出を起
こさせることが困難であった。
【0008】また、KOHを用いたエッチングでは、エ
ッチング速度が速いために、エミッタ先端が最も尖鋭化
した状態でエッチングを終了するように時間で制御する
ことが困難である。そのため、エミッタの先端形状にば
らつきが大きく、しかも尖鋭度及び形状再現性に欠けて
おり、電界放出率の不均一や低下、さらには歩留まりの
悪化といった問題があった。エッチング速度を遅くする
ためにはKOHの濃度を下げればよいのだが、そうする
とSiとKOHの副反応生成物が表面に残存するように
なるため、エッチング速度を下げることが難しかった。
【0009】また、エミッタ先端を鋭くするには、マス
クの大きさを小さくすることが望ましいが、その限界は
リソグラフィの分解能によって制約される。そのため、
鋭いエミッタを製作することができない、という欠点が
あった。
【0010】さらに、半導体微細加工プロセスにおいて
は、アルカリ金属は電子デバイスの特性を劣化させるた
め、可能な限り用いないことが望ましい。しかるに、K
OHにはカリウムイオンが含まれているため、高価な微
細加工プロセスの設備を他のSi半導体デバイスと共用
した場合、当該設備内及び他の電子デバイスへの汚染が
無視できない、という問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の電界放出型冷陰極の製造方法では、高アスペクト比の
エミッタを得るためにはエッチング液の性質による限界
があり、また先端を鋭くしようとしてもリソグラフィの
分解能に制約されるため、高アスペクト比で先端の鋭い
エミッタを得ることができないという問題があった。ま
た、エミッタ形状の均一性や再現性が非常に低く、電界
放出効率の低下や不均一化、歩留まりの低下といった問
題が生じていた。さらに、他のSiプロセスへのカリウ
ムイオンの汚染の懸念もあった。
【0012】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、アスペクト比が高く、
エミッタ形状の均一性、再現性に優れ、リソグラフィに
よって制限される尖鋭度よりもさらに尖鋭な電界放出型
冷陰極を製造することのできる電界放出型冷陰極の製造
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の骨子は、異方性
エッチング液として従来より用いられてきたKOH溶液
に代わって、水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液を
用いたことにある。
【0014】即ち本発明は、先端が尖鋭でアスペクト比
の高い電界放出型冷陰極の製造方法において、面方位
{100}のSi基板上に所望の大きさのエッチングマ
スクを形成したのち、Si基板を水酸化テトラアルキル
アンモニウム溶液によってエッチングし、錐型に加工す
ることを特徴としている。ここで、面方位は{100}
から5°以内であれば多少傾いても同様の性質を持つた
め、使用できる。ここで、本発明の望ましい実施態様と
しては次のものが上げられる。 (1) エッチングマスクとして正方形又は円形のマスクを
用いること。
【0015】(2) 上記のエッチングにより、Si{11
2}面により囲まれた八角錐形状の電界放出型冷陰極を
形成すること。ここでのSi面も{112}面から5°
以内であれば多少傾いていても同様の性質を持つため、
使用できる。
【0016】
【作用】本発明者らは、先端が尖鋭で高アスペクト比の
エミッタ形状が得られる異方性エッチング液として種々
の溶液を用い、鋭意研究及び実験を繰り返したところ、
水酸化テトラアルキルアンモニウムが最も望ましいのを
見出した。
【0017】水酸化テトラアルキルアンモニウム溶液
は、従来用いられてきたKOH溶液に比較して、マスク
下部の{111}結晶軸方向のエッチング速度が速いた
め、リソグラフィ技術によって制約されるマスクの大き
さに対して、よりエミッタ基底部の半径が小さく、先端
が一層尖鋭化したエミッタを得ることができる。しか
も、Siに対するエッチング速度が比較的小さく、エッ
チングの時間制御が容易であるため、高さや先端形状の
均一性に優れた電界放出型冷陰極を再現性良く得ること
も可能になる。従って、Siエッチング液としてKOH
を用いて作成された場合と比較して、高アスペクト比の
電界放出型冷陰極が得られ、電界放出効率を大幅に向上
させることができる。
【0018】また、水酸化テトラアルキルアンモニウム
溶液は、Si半導体微細加工プロセス及びデバイスに対
する汚染の原因となるアルカリ金属、即ちカリウムイオ
ン等を含んでいないため、他のSiプロセスへのカリウ
ムイオンの汚染を招くこともない。
【0019】
【実施例】以下、本発明の詳細を図示の実施例によって
説明する。
【0020】図1は、本発明の第1の実施例に係わる電
界放出型冷陰極の製造工程を示す断面図である。まず、
図1(a)に示すように、Si(100)ウェハ11上
に、ドライ酸化により厚さ約0.1μmのSiO2 層1
2を形成する。次いで、この上にレジストを塗布し、ス
テッパにより2.4μm角の正方形パターンを作成した
後、NH4 ・HF混合溶液によりSiO2 層12のエッ
チングを行い、図1(b)に示すように、正方形のSi
2 マスク13を形成する。
【0021】次いで、レジストを除去した後、水酸化テ
トラメチルアンモニウム22%溶液をエッチング液とし
て、液温30℃で38分間、上記ウェハ11のエッチン
グを行い、図1(c)に示すように、マスク13下部に
錐型のエミッタ原型を完成した。その後、アセトン中5
分間の超音波洗浄によりエミッタ上部のマスク13を除
去して、図1(d)に示すように、エミッタ15を得
た。ここで、水酸化テトラメチルアンモニウム溶液は、
KOHに比較してマスク下部の(111)結晶軸方向の
エッチング速度が速く、一般に{112}面が出易くな
る。
【0022】以上の工程により得られたエミッタは、S
i{112}面によって囲まれた八角錐形状をしてお
り、底面の直径が約0.85μm、アスペクト比が約
2.0、エミッタ先端の曲率半径が50±10nmで、
曲率半径のばらつきはKOHの場合が±60%であるの
に対して±20%程度と大幅に改善された。
【0023】このように本実施例によれば、従来の方法
を用いて作成された場合のアスペクト比1.0に対して
2.0と大幅に向上している。また、均一性,再現性に
ついても、先端形状のばらつきが従来±60%であった
ものが本実施例によれば20%と縮小し、大幅に改善さ
れている。尖鋭度についても、従来と同等以上の値が得
られた。さらに、本実施例の方法では、アルカリ金属が
一切含まれていないため、Si半導体微細加工設備、及
び他のデバイスに対する汚染の恐れはない。
【0024】つまり、Siのエッチング液として水酸化
テトラメチルアンモニウムを用いることにより、アスペ
クト比が高く、エミッタ形状の均一性、再現性に優れ、
リソグラフィによって制限される尖鋭度よりもさらに尖
鋭な電界放出型冷陰極を製造することができ、各種マイ
クロエレクトロニクス素子のエミッタとして使用するに
極めて有効である。
【0025】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。この実施例では、まず、図2(a)に示すよう
に、Si(100)ウェハ(p型,5Ωcm)21上に、
ドライ酸化により厚さ約0.1μmのSiO2 層22を
形成する。次いで、この上にレジストを塗布し、ステッ
パにより2.4μm角の正方形パターンを作成した後、
NH4 ・HF混合液によりSiO2 層22のエッチング
を行い、図2(b)に示すように、正方形のSiO2
スク23を得た。
【0026】次いで、レジスト除去後、水酸化テトラメ
チルアンモニウム5%溶液をエッチング液として、液温
30℃で65分間、上記ウェハ21のエッチングを行
い、図2(c)に示すように、マスク23下部に錐型の
エミッタ原型を形成した。この後、図2(d)に示すよ
うに、絶縁層となるSiO2 層25をCVDにより形成
し、その上にゲート金属層となるMo層26を真空蒸着
した。最後に、アセトン中5分間の超音波洗浄によりマ
スク23を除去して、図2(e)に示すように、エミッ
タ27を得た。
【0027】以上の工程により得られたエミッタは、第
1の実施例と同様にSi{112}面によって囲まれた
八角錐形状をしており、底面の直径が0.95μm、ア
スペクト比が約1.8、エミッタ先端の曲率半径がおよ
そ60±20nmで、そのばらつきはKOHの場合の±
60%に比較して±30%程度と小さくなり改善され
た。本実施例においても第1の実施例と同様、アスペク
ト比及び先端形状の均一性はKOH溶液を用いた場合に
比べて格段に向上している。
【0028】次に、本発明の第3の実施例を説明する。
なお、本実施例方法の基本的な工程は第2の実施例と同
様であるので、工程図としては前記図2を参照すること
にする。
【0029】まず、Si(100)ウェハ31上に、ド
ライ酸化により厚さ約0.1μmのSi3 4 層32を
形成する(図2(a))。この上にレジストを塗布し、ステ
ッパにより直径2.4μmの円形パターンを作成した
後、NH4 ・HF混合液によりSi3 4 層32のエッ
チングを行い、円形のSi3 4 マスク33を得た(図
2(b))。
【0030】次いで、レジスト除去後、水酸化テトラメ
チルアンモニウム35%溶液をエッチング液として、液
温30℃で15分間、上記ウェハ31のエッチングを行
い、マスク33下部に錐型のエミッタ原型34を形成し
た(図2(c))。この後、絶縁層となるSiO2 層35を
CVDにより形成し、その上にゲート金属層となるTa
層36を真空蒸着し(図2(d))、最後にアセトン中5分
間の超音波洗浄によりマスク33を除去してエミッタ3
7を得た(図2(e))。
【0031】以上の工程により得られたエミッタは、底
面の直径が0.92μm、アスペクト比が約1.85、
エミッタ先端の曲率半径がおよそ70±20nmで、そ
のばらつきはKOHの場合の±60%に比較して±30
%程度と小さくなり改善された。本実施例においても第
1の実施例と同様、アスペクト比及び先端形状の均一性
はKOH溶液を用いた場合に比べて格段に向上してい
る。
【0032】以下、上述した作成法と同様の方法で、水
酸化テトラメチルアルミニウム溶液の濃度及び溶液温度
を変化させて作成したエミッタを、実施例4〜実施例1
6とした。 実施例4 …濃度15%,溶液温度30℃ 実施例5 …濃度 5%,溶液温度25℃ 実施例6 …濃度15%,溶液温度25℃ 実施例7 …濃度22%,溶液温度25℃ 実施例8 …濃度35%,溶液温度25℃ 実施例9 …濃度 5%,溶液温度40℃ 実施例10…濃度15%,溶液温度40℃ 実施例11…濃度22%,溶液温度40℃ 実施例12…濃度35%,溶液温度40℃ 実施例13…濃度 5%,溶液温度60℃ 実施例14…濃度15%,溶液温度60℃ 実施例15…濃度22%,溶液温度60℃ 実施例16…濃度35%,溶液温度60℃
【0033】これらの実施例1〜16から得られる、水
酸化テトラメチルアンモニウム溶液の溶液温度を変化さ
せた場合の、エミッタのアスペクト比と水酸化テトラメ
チルアンモニウム溶液濃度との関係を図3に示す。エミ
ッタのアスペクト比は、従来の方法によって作成したエ
ミッタのアスペクト比1.0を基準として表わしてい
る。エッチング時間は、各々の溶液濃度及び溶液温度に
おいて、アスペクト比及び先端形状が最適となる時間を
とっている。
【0034】溶液温度30℃の場合、溶液濃度が5%で
はアスペクト比が1.8、溶液濃度15%ではアスペク
ト比が1.95、溶液濃度が22%ではアスペクト比が
2.0、溶液濃度が35%ではアスペクト比が1.85
となり、全実施例において従来方法に比べて著しいアス
ペクト比の向上が見られ、特に溶液濃度22%において
最大のアスペクト比となった。
【0035】同様に、溶液温度が25℃の場合はアスペ
クト比が1.7〜1.9、溶液温度が40℃の場合はア
スペクト比が1.6〜1.75、溶液温度が60℃の場
合はアスペクト比が1.5〜1.66となり、いずれの
実施例においても従来例を大幅に上回るものであった。
【0036】上述したように、水酸化テトラメチルアン
モニウム溶液を用いた本発明の方法は、従来のKOHを
用いた場合に比べて、エミッタのアスペクト比が高く、
形状の再現性や均一性に優れた、より高性能の電界放出
型冷陰極を製造することが可能であった。
【0037】次に、本発明による電界放出型冷陰極を用
いた平板型画像表示装置について、図4を参照して説明
する。なお、図2と同一部分には同一符号を付して、そ
の詳しい説明は省略する。
【0038】この実施例の平板型画像表示装置40は、
エミッタ27が多数形成されたSi(100)基板21
が、土台となる別の基板41の上に配置され(以下これ
を冷陰極板42と記す)、これに対向して蛍光体43及
びITOからなる透明電極(アノード電極)層44が順
に積層形成されたガラスフェースプレート45が所定の
間隔を設けて配置されており、これらにより真空筐体が
構成されている。
【0039】冷陰極板42には、図4に示すように、カ
ソード電極を兼ねるSi(100)基板21とゲート電
極層26とが、互いに交差するネットワークとして形成
されており、これらの各交点に各画素を形成する冷陰極
形成領域46がそれぞれ設定されている。1画素に対応
する各冷陰極形成領域46は、それぞれ多数、例えば1
00個のエミッタ27を有している。また、ガラスフェ
ースプレート45に形成された蛍光体層43は、各画素
に対応する赤色発光蛍光体層43a、緑色発光蛍光体層
43b、及び青色発光蛍光体層43cにより構成されて
おり、これらは各冷陰極形成領域46にそれぞれ対応し
て設けられている。各蛍光体層43a,43b,43c
は、それぞれ水平方向に順次繰り返し形成されている。
【0040】上述したような平板型画像表示装置40を
用い、画素信号に応じて、ゲート−カソード間に40V
の電圧、及びアノード−カソード間に250Vの電圧を
印加して駆動させたところ、画素の発光輝度に優れると
共に、各画素間の輝度ばらつきの少ない良好な画像を得
ることができた。
【0041】この実施例の平板型画像表示装置において
は、前述した形状均一性に優れたエミッタ27を用いて
いるため、発光輝度のばらつきの少ない画像を安定して
得ることができる。さらに、ここで用いた電界放出型冷
陰極は電子の放出効率に優れているため、低電圧駆動や
消費電力の軽減にも寄与する。
【0042】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、Siの異方性エッチン
グ液として水酸化テトラメチルアンモニウム溶液のみを
用いたが、これを主成分とする溶液であればよい。さら
に、この水酸化テトラメチルアンモニウム溶液の濃度や
液温等の条件は、仕様に応じて適宜定めればよい。ま
た、他の水酸化テトラアルキルアンモニウム、例えば水
酸化テトラエチルアンモニウム溶液や水酸化テトラブチ
ルアンモニウム溶液を単独のエッチング液として使用し
てもよく、これらのエッチング液を混合して使用しても
よい。さらに、エッチングマスクはSiO2 やSi3
4 に何等限定されるものではなく、Siに対して十分な
選択比の得られるものであればよい。
【0043】また、シリコン基板は(100)主面を持
つもの以外でも、他の{100}面方位、例えば(01
0),(-100),(0-10)等でもよい。また、実施
例においては本発明による電界放出型冷陰極を平板型画
像表示装置に適用した例について説明したが、本発明の
電界放出型冷陰極はそれに限らず、例えば超高速マイク
ロ波素子、パワー素子、電子線装置等の各種電子装置に
適用することができる。その他、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電界放出型
冷陰極の製造方法によれば、Siのエッチング液として
水酸化テトラメチルアンモニウムを用いることにより、
アスペクト比が高く、形状の再現性や均一性に優れた尖
鋭なエミッタが安定して得られるため、電界放出率に優
れると共に、そのばらつきを大幅に抑制した、高性能の
電界放出型冷陰極を再現性良く実現することが可能とな
る。また、エッチング液にカリウムイオンを含まないた
め、他のSiプロセスラインに対する汚染がないと言う
効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる電界放出型冷陰
極の製造工程を示す断面図。
【図2】本発明の第2の実施例に係わる電界放出型冷陰
極の製造工程を示す断面図。
【図3】本発明の第1〜16の実施例に基づく、エミッ
タアスペクト比向上率と水酸化テトラメチルアンモニウ
ム溶液の濃度との関係を示す図。
【図4】本発明を平板型画像表示装置に適用した場合の
要部構成を示す斜視図。
【図5】従来の電界放出型冷陰極の製造工程を示す断面
図。
【符号の説明】
11,21,31…Si(100)単結晶基板 12,22…SiO2 熱酸化膜 13,23…エッチング用SiO2 マスク 14,24,34…エミッタ原型となる凸部 15,27,37…エミッタ 25,35…SiO2 絶縁層 26,36…ゲート電極層 32…Si3 4 熱酸化膜 33…エッチング用Si3 4 マスク 40…平板型画像表示装置 41…冷陰極板の土台となる基板 42…冷陰極板 43…蛍光体層 43a…赤色発光蛍光体層 43b…緑色発光蛍光体層 43c…青色発光蛍光体層 44…アノード電極層 45…ガラスフェースプレート
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】面方位{100}のSi基板上にエッチン
    グマスクを形成する工程と、前記基板を水酸化テトラア
    ルキルアンモニウム溶液によってエッチングし錐型に加
    工する工程と、を含むことを特徴とする電界放出型冷陰
    極の製造方法。
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