JP3204090U - 核融合発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】核融合発電を比較的容易に実現することができる核融合発電装置を提供する。【解決手段】高圧容器11が、5万気圧以上で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられている。電気分解手段12が、二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解可能に設けられている。燃焼手段13が、発生する熱により高圧容器11の内部の二重水素と三重水素との核融合反応を誘起するよう、高圧容器11の内部で、電気分解手段12により発生した水素ガスと酸素ガスとを混合して燃焼可能に設けられている。発電手段14が、核融合反応により発生する反応熱を利用して発電を行うようになっている。【選択図】図1

Description

本考案は、核融合発電装置に関する。
核融合発電は、夢のエネルギーといわれながら、技術的問題からいまだに実現していない。核融合反応は、軽い核種同士が融合して、より重い核種になる核反応であり、核種同士が融合する際に大きなエネルギーが解放される。核融合反応のうち最も反応させやすいのは、二重水素(デューテリウム、D)と三重水素(トリチウム、T)とを用いた反応(D−T反応)である。このD−T反応では、二重水素と三重水素とを核融合させるための臨界プラズマ条件として、温度1億℃以上、密度100兆個/cmで、1秒間以上の閉じ込めが必要とされている(例えば、特許文献1参照)。
なお、本考案者は、水素を製造可能な高圧水素タンクを開発している(例えば、特許文献2参照)。この高圧水素タンクは、内部に高圧の流体を貯蔵可能なタンク本体と、タンク本体の内部を2つの区画に仕切る仕切部材と、給水手段と電気分解手段と制御手段とを有し、タンク本体は、一方の区画に給水口および排出口を有し、他方の区画に排気口を有し、仕切部材は、少なくとも一部に各区画に接する固体高分子電解質膜を有し、一方の区画の内部圧力より他方の区画の内部圧力が高くなったとき、その圧力差により作動して排出口を塞ぐよう構成された閉塞手段を有し、給水手段は、給水口から一方の区画に所定の圧力で水を供給可能に設けられ、電気分解手段は、固体高分子電解質膜の両面のうち、一方の区画に接する面に陽極を有し、他方の区画に接する面に陰極を有し、他方の区画に水素ガスを貯めるよう、給水手段により一方の区画に水を供給しながら、陽極と陰極との間に電圧を印加して電気分解可能に設けられ、制御手段は、他方の区画の内部圧力が高くなってあらかじめ設定した設定圧力になったとき、電気分解手段の電気分解と給水手段による水の供給とを停止するよう構成されている。
特開平10−282276号公報 特許第5685748号公報
上述のように、核融合発電はいまだ実現しておらず、従来の考え方とは異なる新たな視点に立った技術の開発が求められている。
本考案は、核融合発電を比較的容易に実現することができる核融合発電装置を提供することを目的としている。
本考案者は、特許文献2に記載の水素を製造可能な高圧水素タンクの考え方を一部応用することにより、核融合発電を実現可能であることに想到し、本考案に至った。
すなわち、本考案に係る核融合発電装置は、5万気圧以上で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられた高圧容器と、二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解可能に設けられた電気分解手段と、発生する熱により前記高圧容器の内部の二重水素と三重水素との核融合反応を誘起するよう、前記高圧容器の内部で、前記電気分解手段により発生した水素ガスと酸素ガスとを混合して燃焼可能に設けられた燃焼手段と、前記核融合反応により発生する反応熱を利用して発電を行う発電手段とを、有することを特徴とする。
本考案に関連する核融合発電方法は、二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解する工程と、前記電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスとを5万気圧以上の圧力にし、二重水素と三重水素とを含む5万気圧以上の重水中で混合して燃焼させ、その燃焼により発生した熱により、前記二重水素と前記三重水素との核融合反応を誘起させる工程と、前記核融合反応により発生した反応熱を利用して発電を行う工程とを、有することを特徴とする。
本考案に関連する核融合発電方法は、本考案に係る核融合発電装置により好適に実施することができる。本考案に係る核融合発電装置は、以下の原理に基づいて、核融合反応を起こすことができる。すなわち、酸素と水素の混合気体である酸水素ガスは、電気分解を利用することにより高圧でも製造可能である。これを燃焼させれば理想気体とみなせる高温のプラズマ状態になるので、1気圧での水素分子の密度は1cm当たり0.00009gであるため、10万気圧の水圧の下で製造して燃焼すれば、水素プラズマの密度を、0.00009×100,000=9g/cmにすることができる。水素分子1モルは2gであるため、9gの水素プラズマの数は、(9÷2)×6×1023(アボガドロ数)×2=5.4×1024=5.4×1010×100兆個となる。従って、実際に核融合反応に関与する水素分子がごく少量だとしても、臨界プラズマ条件の密度条件(100兆個/cm)を十分に満たしている。
また、酸水素ガスの燃焼温度は、1気圧で2,000〜3,000℃であり、プラズマ状態になっているが、高圧の酸水素ガスを燃焼させれば、そのエネルギー密度は上昇する。つまり、ボイル・シャルルの法則により、圧力×体積=一定なので、圧力の上昇に比例して反応する粒子の密度が高くなり、その粒子が燃焼すればエネルギー密度も高くなる。このため、10万気圧の酸水素ガスの燃焼温度は、2,000〜3,000℃×100,000=2〜3億℃になると考えられる。従って、臨界プラズマ条件の温度条件(温度1億℃以上)も十分に満たしている。また、酸水素ガスの燃焼は継続して行えるため、臨界プラズマ条件の時間条件(1秒間以上)も満たすことができる。
このように、酸水素ガスの燃焼を利用することにより、核融合反応に必要な臨界プラズマ条件を全て満たすことができ、核融合反応を起こすことができると考えられる。なお、上記の計算は10万気圧の場合について行ったが、5万気圧以上であれば、臨界プラズマ条件を満たすことは明らかである。
以上の原理に基づけば、本考案に係る核融合発電装置は、二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解して発生した水素ガスと酸素ガスとを、二重水素と三重水素とを含む5万気圧以上の重水中で混合して燃焼させることにより、D−T反応を誘起することができる。このD−T反応により発生した反応熱を利用することにより、発電を行うことができ、核融合発電を実現することができる。
本考案に係る核融合発電装置で、核融合反応が誘起される重水の圧力はできるだけ低いことが好ましく、例えば5万気圧〜10万気圧程度が好ましい。また、核融合反応で発生した反応熱を利用して、いかなる方法で発電を行ってもよいが、例えば、熱交換を利用して反応熱で外部の流体を加熱し、加熱された高温の流体でタービンを作動することにより発電を行ってもよい。なお、核融合反応を続けるためには、酸水素ガスの燃焼を継続して行う必要があるが、核融合反応の反応熱が発生するため、核融合反応が一旦始まってしまえば、核融合反応が誘起される重水の圧力を5万気圧よりも低くしてもよい。
本考案に係る核融合発電装置で、高圧容器は5万気圧〜10万気圧程度の圧力に耐えられるだけの厚みを有する圧力壁に囲まれていることが好ましい。また、その圧力壁は、核融合反応により発生する中性子を遮断可能であることが好ましい。
本考案に係る核融合発電装置で、前記電気分解手段は、前記高圧容器の内部の重水を電気分解可能に、前記高圧容器の内部に設けられていてもよい。また、電気分解手段は、高圧容器の内部の重水とは別の重水を電気分解可能であってもよい。この場合、例えば、5万気圧より低い所定の圧力で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられた収納容器と、5万気圧以上のガスを収納可能に設けられた1対の高圧タンクとを有し、前記電気分解手段は、前記収納容器の内部の重水を電気分解可能に、前記収納容器の内部に設けられ、各高圧タンクは、それぞれ前記収容容器の内部で前記電気分解手段により発生した水素ガスと酸素ガスとを、5万気圧以上の圧力にして収納可能、かつ、収納された前記水素ガスと前記酸素ガスとを前記高圧容器の内部に供給可能に設けられていてもよい。この場合、5万気圧より低い圧力で電気分解を行うことができる。また、水素ガスおよび酸素ガスの圧力を、5万気圧以上に一度に高める必要はなく、収納容器と各高圧タンクの2段階で高めることができる。これにより、圧縮ポンプ等の圧力を高める装置として、比較的安価なものを使用することができるとともに、その装置の故障を抑制することもでき、コストを低減することができる。
本考案に係る核融合発電装置で、前記電気分解手段は、電解容器と、前記電解容器の内部を2つの区画に仕切る仕切部材と、陽極と陰極と電源とを有し、前記電解容器は、一方の区画の下部に開口を、上部に第1排気口を有し、他方の区画の上部に第2排気口を有し、周囲の重水の圧力と前記他方の区画の内部圧力とが等しくなるよう、前記他方の区画の外壁の一部が、前記他方の区画の内側および外側に向かって変形可能に構成されており、前記仕切部材は、少なくとも一部に各区画に接する固体高分子電解質膜を有し、前記陽極は、前記固体高分子電解質膜の両面のうち、前記一方の区画に接する面に設けられ、前記陰極は、前記固体高分子電解質膜の両面のうち、前記他方の区画に接する面に設けられ、前記電源は、前記一方の区画に酸素ガスを、前記他方の区画に水素ガスを貯めるよう、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して電気分解可能に設けられ、前記燃焼手段は、前記第1排気口から排出される前記酸素ガスと、前記第2排気口から排出される前記水素ガスとを混合して燃焼可能であることが好ましい。
この固体高分子電解質膜を有する場合、電気分解手段で陽極と陰極との間に電圧を印加して電気分解を行うことにより、陽極から酸素ガスと水素イオンとが発生し、酸素ガスは一方の区画に放出され、水素イオンは固体高分子電解質膜を透過して他方の区画側に移動し、陰極で電子を受け取って水素ガスとなり、他方の区画に放出される。電気分解を続けると、他方の区画には水素ガスが徐々に貯まっていくが、電解容器の他方の区画の外壁の一部が、他方の区画の内側または外側に向かって変形するため、周囲の重水の圧力と他方の区画の内部圧力とを等しくすることができる。このため、他方の区画に貯まる水素ガスの圧力を、周囲の重水の圧力と等しくすることができる。また、電解容器の一方の区画の下部に開口を有しているため、一方の区画に貯まる酸素ガスの圧力も、周囲の重水の圧力と等しくすることができる。
なお、固体高分子電解質膜は、製造しようとする水素ガスや、周囲の重水の圧力に耐えるとともに、その圧力でも性能を発揮可能な耐圧性を有していることが好ましい。仕切部材は、一部が固体高分子電解質膜から成っていても、全体が固体高分子電解質膜から成っていてもよい。
本考案によれば、核融合発電を比較的容易に実現することができる核融合発電装置を提供することができる。
本考案の実施の形態の核融合発電装置を示す縦断面図である。 本考案の実施の形態の核融合発電装置の変形例を示す縦断面図である。
以下、図面に基づき、本考案の実施の形態について説明する。
図1および図2は、本考案の実施の形態の核融合発電装置を示している。
図1に示すように、核融合発電装置10は、高圧容器11と電気分解手段12と燃焼手段13と発電手段14とコントローラ15とを有している。
高圧容器11は、5万気圧〜10万気圧で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられている。高圧容器11は、5万気圧〜10万気圧の圧力に耐えられるだけの厚みを有し、核融合反応により発生する中性子を遮断可能な圧力壁に囲まれている。高圧容器11は、圧力壁をできるだけ薄くできるように、縦に細長く形成されており、上部に排出パイプ11aを、下部に供給パイプ11bを有している。また、高圧容器11は、内部の圧力を測定するための圧力センサ21と、供給パイプ11bに取り付けられた高圧ポンプ22とを有している。高圧容器11は、圧力センサ21で圧力を調整しつつ、高圧ポンプ22により、二重水素と三重水素とを含む重水を5万気圧〜10万気圧で封入するようになっている。高圧ポンプ22は、いかなるものであってもよいが、例えば、爆薬を使用してシリンダーを押し込む方式のものでもよい。
電気分解手段12は、電解容器23と仕切部材24と陽極25と陰極26とを有している。電解容器23は、縦に細長く形成されており、高圧容器11の内部に、高圧容器11の底部から間隔をあけて配置されている。仕切部材24は、電解容器23の内部を縦方向に2つの区画に仕切るよう設けられている。仕切部材24は、下半分が各区画に接する固体高分子電解質膜24aから成っている。電解容器23は、一方の区画27の下部に開口27aを、上部に第1排気口27bを有し、他方の区画28の上部に第2排気口28aを有している。電解容器23は、第1排気口27bおよび第2排気口28aに、それぞれガス調整弁29a,29bが取り付けられている。電解容器23は、高圧容器11の内部の重水の圧力と他方の区画28の内部圧力とが等しくなるよう、他方の区画28の外壁の下半分が、他方の区画28の内側および外側に向かって変形可能な膜28bで形成されている。
陽極25は、固体高分子電解質膜24aの両面のうち、一方の区画27に接する面に設けられている。陰極26は、固体高分子電解質膜24aの両面のうち、他方の区画28に接する面に設けられている。電気分解手段12は、陽極25と陰極26との間に電圧を印加して、高圧容器11の内部の重水を電気分解可能に設けられている。これにより、電気分解手段12は、電解容器23の一方の区画27に酸素ガスを、他方の区画28に水素ガスを貯めるようになっている。なお、電気分解手段12は、電解容器23の一方の区画27の側面に、余剰の酸素ガスを重水中に排出するための酸素ガス排出口30を有している。
燃焼手段13は、第1排気口27bから排出される酸素ガスと、第2排気口28aから排出される水素ガスとを、電解容器23の上方の高圧容器11の内部で混合して燃焼するよう構成されている。燃焼手段13は、例えば、電気スパークを発生することにより、燃焼させるようになっている。燃焼手段13は、酸素ガスおよび水素ガスの燃焼で発生する熱により、高圧容器11の内部の二重水素と三重水素との核融合反応を誘起するようになっている。
発電手段14は、熱交換器31とガスタービン32と発電機33と復水器34とを有している。熱交換器31は、高圧容器11の排出パイプ11aに接続されており、酸素ガスおよび水素ガスの燃焼や、重水素の核融合反応によって発生した反応熱により高温となった重水を導入可能に設けられている。発電手段14は、熱交換器31により重水の熱で水を加熱して水蒸気を発生させ、発生した水蒸気でガスタービン32を回転させ、その回転により発電機33で発電するようになっている。また、発電手段14は、ガスタービン32を回転させた後の水蒸気を復水器34で水に戻し、熱交換器31に戻して循環させるようになっている。
また、熱交換器31は、排出弁31aを有するガスタンク31bを上部に有し、重水中に残る酸素ガスや重水素ガス、核融合反応で発生したヘリウムガスをガスタンク31bに貯めて、排出弁31aを通して外部に排出するようになっている。また、熱交換器31は、供給パイプ11bに接続された循環パイプ31cを有し、熱交換で熱を奪われた重水を、循環パイプ31cを通して高圧容器11の内部に戻すようになっている。
コントローラ15は、高圧ポンプ22、圧力センサ21、電気分解手段12の陽極25および陰極26、電解容器23の各ガス調整弁29a,29bに接続されている。コントローラ15は、これらの機器や部材に電力を供給するとともに、その動作を制御可能になっている。
次に、作用について説明する。
本考案に関連する核融合発電方法は、核融合発電装置10により実施することができる。本考案の実施の形態の核融合発電装置では、まず、高圧容器11の内部で、電気分解手段12により、二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解する。このとき、電気分解を続けると、他方の区画28に水素ガスが徐々に貯まっていくが、電解容器23の他方の区画28の外壁の一部が膜28bから成り、他方の区画28の内側または外側に向かって変形するため、周囲の重水の圧力と他方の区画28の内部圧力とを等しくすることができる。このため、他方の区画28に貯まる水素ガスの圧力を、周囲の重水の圧力と等しくすることができる。また、電解容器23の一方の区画27の下部に開口27aを有しているため、一方の区画27に貯まる酸素ガスの圧力も、周囲の重水の圧力と等しくすることができる。また、電気分解により発生した水素ガスおよび酸素ガスは、それぞれ電解容器23の他方の区画28と一方の区画27の上部に集められる。ここで、水素ガスの臨界点は、臨界圧力1.3MPa、臨界温度33Kであり、酸素ガスの臨界点は、臨界圧力5MPa、臨界温度154.6Kであるため、これらのガスは液体と気体の性質を併せ持つ超臨界流体になっていると考えられる。
次に、電気分解で発生した水素ガスと酸素ガスとを、燃焼手段13により、重水中で混合して燃焼させる。このとき、水素ガスを酸素ガスより少し多い割合で混合する。水素ガスと酸素ガスとを混合した酸水素ガスを燃焼させると、プラズマ状態の火炎となり、5万気圧〜10万気圧の火炎内を1〜3億℃にすることができる。また、この燃焼は、水素ガス2分子と酸素ガス1分子から水2分子を生成する、分子数が減少する反応であるため、この超高圧では反応が加速すると考えられる。なお、水素ガスと酸素ガスは、燃焼後、重水に戻る。この燃焼により発生した熱により、重水中の水素がプラズマ状態になるとともに、その原子核の衝突によるD−T反応を引き起こすことができる。
この核融合反応によって発生する反応熱により、火炎周囲にある重水が高温になるとともに、電解容器23からの各ガスの噴射圧により、その重水を熱交換器31の内部に押し出すことができる。なお、電気分解で水素ガスや酸素ガスを発生させる量や、ガス調整弁29a,29bで水素ガスや酸素ガスの噴出量を調節することにより、加熱される重水の温度を調節することができる。また、核融合反応により中性子が発生するため、高圧容器11の内壁にリチウムを含ませることにより、中性子線とリチウムとの反応によって希少な三重水素を生成して補充することができる。また、核融合反応により高圧容器11の内部の重水が減少するが、その減少分は、高圧ポンプ22で供給パイプ11bから重水を高圧容器11に送り込むことにより、補充することができる。また、一方の区画27の内部には、燃焼に使用されない余剰の酸素ガスが貯まるが、酸素ガス排出口30からその酸素ガスを重水中に排出し、最終的には、熱交換器31の排出弁31aから外部に排出することができる。
発電手段14では、熱交換器31に運ばれた高温の重水により水を加熱して水蒸気を発生させ、その水蒸気でガスタービン32を回転させて発電することができる。なお、発生した電力の一部は、電気分解に使用してもよい。このように、本考案の実施の形態の核融合発電装置10によれば、D−T反応により発生した反応熱を利用することにより、発電を行うことができ、核融合発電を実現することができる。本考案の実施の形態の核融合発電装置10は、構造が簡単で製造コストを抑制することができるため、従来の他の方式を利用した核融合による発電装置より、遙かに安価に電力を供給することができる。
なお、図2に示すように、核融合発電装置10は、高圧容器11とは別に収納容器51を有し、さらに、互いに対応して設けられた1対の昇圧ポンプ52a,52bと1対の高圧タンク53a,53bとを有していてもよい。この場合、収納容器51は、5万気圧より低い所定の圧力で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能になっている。収納容器51は、高圧容器11とは別に設けられていてもよく、高圧容器11と一体的に設けられていてもよい。電気分解手段12は、収納容器51の内部の重水を電気分解可能に、電解容器23が収納容器51の内部に収納されている。
各昇圧ポンプ52a,52bは、それぞれ電解容器23の一方の区画27および他方の区画28の上部に配置され、電気分解手段12により一方の区画27に発生した酸素ガスと、他方の区画28に発生した水素ガスとを、5万気圧〜10万気圧の圧力にして、それぞれ対応する高圧タンク53a,53bに送るようになっている。各高圧タンク53a,53bは、それぞれ対応する昇圧ポンプ52a,52bから送られてきた、5万気圧〜10万気圧の酸素ガスまたは水素ガスを収納可能になっている。また、各高圧タンク53a,53bは、収納された酸素ガスと水素ガスを、それぞれ第1排気口27bおよび第2排気口28aから各ガス調整弁29a,29bを通して、高圧容器11の内部に供給可能になっている。
また、第1排気口27bには、酸素ガス排出管54が取り付けられ、高圧タンク53aの内部の余剰の酸素ガスを、高圧容器11の内部の重水中に排出するようになっている。また、熱交換器31に接続された循環パイプ31cは、熱交換で熱を奪われた重水を高圧容器11の内部に戻すよう、高圧容器11に直接、接続されている。
図2に示す場合、5万気圧より低い圧力で電気分解を行うことができる。また、水素ガスおよび酸素ガスの圧力を、5万気圧以上に一度に高める必要はなく、収納容器51と各高圧タンク53a,53bの2段階で高めることができる。これにより、高圧ポンプ22や各昇圧ポンプ52a,52bとして、比較的安価なものを使用することができるとともに、それらの故障を抑制することもでき、コストを低減することができる。
10 核融合発電装置
11 高圧容器
11a 排出パイプ
11b 供給パイプ
21 圧力センサ
22 高圧ポンプ
12 電気分解手段
23 電解容器
24 仕切部材
24a 固体高分子電解質膜
25 陽極
26 陰極
27 一方の区画
27a 開口
27b 第1排気口
28 他方の区画
28a 第2排気口
28b 膜
29a,29b ガス調整弁
30 酸素ガス排出口
13 燃焼手段
14 発電手段
31 熱交換器
31a 排出弁
31b ガスタンク
31c 循環パイプ
32 ガスタービン
33 発電機
34 復水器
15 コントローラ

51 収納容器
52a,52b 昇圧ポンプ
53a,53b 高圧タンク
54 酸素ガス排出管

Claims (4)

  1. 5万気圧以上で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられた高圧容器と、
    二重水素と三重水素とを含む重水を電気分解可能に設けられた電気分解手段と、
    発生する熱により前記高圧容器の内部の二重水素と三重水素との核融合反応を誘起するよう、前記高圧容器の内部で、前記電気分解手段により発生した水素ガスと酸素ガスとを混合して燃焼可能に設けられた燃焼手段と、
    前記核融合反応により発生する反応熱を利用して発電を行う発電手段とを、
    有することを特徴とする核融合発電装置。
  2. 前記電気分解手段は、前記高圧容器の内部の重水を電気分解可能に、前記高圧容器の内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載の核融合発電装置。
  3. 5万気圧より低い所定の圧力で、二重水素と三重水素とを含む重水を収納可能に設けられた収納容器と、
    5万気圧以上のガスを収納可能に設けられた1対の高圧タンクとを有し、
    前記電気分解手段は、前記収納容器の内部の重水を電気分解可能に、前記収納容器の内部に設けられ、
    各高圧タンクは、それぞれ前記収容容器の内部で前記電気分解手段により発生した水素ガスと酸素ガスとを、5万気圧以上の圧力にして収納可能、かつ、収納された前記水素ガスと前記酸素ガスとを前記高圧容器の内部に供給可能に設けられていることを
    特徴とする請求項1記載の核融合発電装置。
  4. 前記電気分解手段は、電解容器と、前記電解容器の内部を2つの区画に仕切る仕切部材と、陽極と陰極と電源とを有し、
    前記電解容器は、一方の区画の下部に開口を、上部に第1排気口を有し、他方の区画の上部に第2排気口を有し、周囲の重水の圧力と前記他方の区画の内部圧力とが等しくなるよう、前記他方の区画の外壁の一部が、前記他方の区画の内側および外側に向かって変形可能に構成されており、
    前記仕切部材は、少なくとも一部に各区画に接する固体高分子電解質膜を有し、
    前記陽極は、前記固体高分子電解質膜の両面のうち、前記一方の区画に接する面に設けられ、
    前記陰極は、前記固体高分子電解質膜の両面のうち、前記他方の区画に接する面に設けられ、
    前記電源は、前記一方の区画に酸素ガスを、前記他方の区画に水素ガスを貯めるよう、前記陽極と前記陰極との間に電圧を印加して電気分解可能に設けられ、
    前記燃焼手段は、前記第1排気口から排出される前記酸素ガスと、前記第2排気口から排出される前記水素ガスとを混合して燃焼可能であることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の核融合発電装置。
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