JP3204024B2 - リーチ式フォークリフトの駆動制御装置 - Google Patents

リーチ式フォークリフトの駆動制御装置

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JP3204024B2
JP3204024B2 JP03891195A JP3891195A JP3204024B2 JP 3204024 B2 JP3204024 B2 JP 3204024B2 JP 03891195 A JP03891195 A JP 03891195A JP 3891195 A JP3891195 A JP 3891195A JP 3204024 B2 JP3204024 B2 JP 3204024B2
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vehicle speed
rear wheel
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和男 石川
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  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リーチ式フォークリフ
トの駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、滑りやすい路面での発進時のスリ
ップを防止する為に前輪と後輪の両方を駆動制御するリ
ーチ式フォークリフトが、第一の従来技術である特開平
5−162995号公報に示す様に提案されている。
【0003】このリーチ式フォークリフトは、一対の前
輪用モータに対応した前輪用チョッパ回路を有する制御
回路をチョッパ制御する事により、該前輪用モータが駆
動制御されて前輪が回転する。又、後輪用チョッパ回路
を有する制御回路をチョッパ制御する事により、後輪モ
ータが駆動制御されて操舵を兼ねる後輪が回転する。
【0004】従って、アクセルレバーを操作すると、そ
の操作量に基づいて駆動制御回路は前輪用及び後輪用制
御回路をチョッパ制御し、前輪及び後輪を常に回転させ
てリーチ式フォークリフトを駆動制御する様になってい
る。
【0005】その結果、車両が滑り易い路面を発進する
際、スリップの防止を図ると共に、車両の発進を円滑に
行う事ができる。しかしながら、この第一の従来技術に
は以下に述べる様な第一の問題点があった。
【0006】即ち、前記リーチ式フォークリフトにおい
ては、常に前輪及び後輪用モータが駆動制御される構成
となっているので、後輪用モータのみが駆動制御される
リーチ式フォークリフトに比べて前輪の磨耗が早く、ラ
ンニングコストの増加につながる。又、車両に搭載され
たバッテリの消費電力も前輪用モータを駆動させる分だ
け大きくなり、稼働時間が低下してしまう。
【0007】そこで、以上の様な問題点を解決する手段
として、例えば第二の従来技術である特願平5−308
378号に記載されている方法がある。即ち、リーチ式
フォークリフトの発進時には、前輪及び後輪用モータを
両方共回転し駆動させ、発進後の走行時には後輪用モー
タのみを回転し駆動させ、前輪用モータは駆動させず、
前輪を従動輪とする。従って、第二の従来技術によれ
ば、第一の従来技術に比べて、前輪の磨耗、及びバッテ
リの消費電力を軽減する事ができる。
【0008】一方、第一の従来技術においては、前述し
た第一の問題点の他に、以下に示す様な第二の問題点が
更にあった。即ち、第一の従来技術では前輪用モータ及
び後輪用モータを各々別々のチョッパ回路を含む制御回
路でチョッパ制御する為、回路構成や制御内容が複雑と
なり、コストアップや、信頼性及びメンテナンス性の低
下に繋がる。
【0009】又、リーチ式フォークリフトの種類によっ
ては、更に左右の前輪用モータ二つを独立して別々の制
御回路でチョッパ制御する事もあり、その場合には前述
した問題点が一層顕著となる。
【0010】そこで、以上の様な第二の問題点を解決す
る手段として、例えば第三の従来技術である特願平5−
308377号に記載されている方法がある。即ち、三
つの前記各モータを直流電源に対して並列に接続し、そ
の並列回路に対して直列に接続した唯一のチョッパ回路
を含む制御回路で三つの該各駆動モータを同時にチョッ
パ制御する。従って、制御回路の回路構成や制御内容が
簡素となり、前述した第二の問題点が解決できる。
【0011】よって、以上に述べた内容から明らかな様
に、第二の従来技術と第三の従来技術を組み合わせれ
ば、第一の問題点と第二の問題点を同時に解決する事が
可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前項に
記載した第二の従来技術と第三の従来技術を組み合わせ
た構成には、未だ以下に示す様な問題点があった。
【0013】即ち、前記構成においては、第二の従来技
術で述べた様に、リーチ式フォークリフトが発進時にの
み、後輪と前輪の全てを駆動させる。従って、車両が発
進時か否かを判別する手段が必要となるが、同従来技術
ではその手段として、前輪の回転速度を検出し、それを
基に車両速度を算出した上、予め一義的に設定した車両
速度のしきい値と比較し、該車両速度が該しきい値を下
回った場合には発進時、上回った場合には走行時と判断
する様にしていた。
【0014】ところで、車両が発進する為には、車両重
量に比例する走行抵抗以上の駆動力を必要とする。又、
スリップは、駆動力が駆動輪の輪重と摩擦係数の積より
大きい時に発生する。
【0015】即ち、輪重が低下した場合や、輪重が十分
有っても路面が油濡等のような低μ状態にある場合に
は、極めて容易にスリップが発生する。
【0016】従って、スリップが発生すると、実際の車
両速度が車両速度しきい値に到達する前であっても、上
記算出方法に基づく車両速度は、しきい値に達したとし
て前輪駆動が解除され、発進不能になることがあった。
【0017】本発明は、以上に述べた様な問題点を解決
するものであり、種々の路面状態にには左右されず、常
時リーチ式フォークリフトの確実且つスムーズな発進を
容易に可能にした、低コストで高性能なリーチ式フォー
クリフトの駆動制御装置を提供する事を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為に
請求項1記載のリーチ式フォークリフトの駆動制御装置
では、車両前方の左右両側に設けられたレグと、該レグ
に設けられた前輪と、該前輪を駆動する前輪用モータ
と、該車両の下部に設けられた後輪と、該後輪を駆動す
る後輪用モータと、該後輪を操舵する操舵装置とから成
るリーチ式フォークリフトの駆動制御装置において、該
前輪用モータを作動させる電気エネルギー供給経路を開
閉する手段と、車両速度を検出する手段と、車両速度の
しきい値を可変で設定する手段と、車両速度を検出する
該手段により検出した速度が、車両速度のしきい値を可
変で設定する該手段により予め設定されたしきい値を越
えたか否かを判断する手段と、しきい値を越えたか否か
を判断する該手段により車両速度が該しきい値を越えて
いないと判断した時に、前輪用モータを作動させる電気
エネルギー供給経路を開閉する該手段により電気エネル
ギー供給経路を開き前輪を駆動可能とする一方、車両速
度が該しきい値を越えたと判断した時には、前輪用モー
タを作動させる電気エネルギー供給経路を開閉する該手
段により電気エネルギー供給経路を閉じ、前輪を駆動不
能な従動輪とする処理手段とを有する様にしている。
【0019】請求項2記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置では、車両速度のしきい値を可変で設定す
る前記手段が、車両の運転席に設けられ、入力機能を備
えた液晶表示装置を有する様にしている。
【0020】請求項3記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置では、車両速度を検出する前記手段が、後
輪回転速度を検出する手段と、後輪回転速度を検出する
該手段により検出した後輪回転速度から車両速度を算出
する手段とを有する様にしている。
【0021】請求項4記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置では、前記前輪用モータ及び前記後輪用モ
ータの電力をチョッパ制御する手段を有する様にしてい
る。
【0022】請求項5記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置では、電気エネルギー供給経路が開き前輪
が駆動可能となっている時の、前輪用モータと後輪用モ
ータに印加する電力のデューティ比を調節する前記手段
により調節可能なデューティ比の上限値を、車両速度の
前記しきい値に応じて可変にする手段と、調節可能なデ
ューティ比の該上限値を、電気エネルギー供給経路が閉
じ前輪が駆動不能な従動輪となっている時の、前輪用モ
ータと後輪用モータに印加する電力を調節する前記手段
により調節可能な電力のデューティ比の上限値以下にす
る手段とを有する様にしている。
【0023】
【作用】請求項1記載のリーチ式フォークリフトの駆動
制御装置によれば、リーチ式フォークリフトが、状況に
応じて予め調整し設定した車両速度のしきい値を下回っ
た時には前輪を駆動可能とする一方、車両速度の該しき
い値を上回った時には前輪を駆動不能な従動輪とする。
【0024】請求項2記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置によれば、車両速度の前記しきい値を運転
席において、液晶表示装置により入力、視認する。請求
項3記載のリーチ式フォークリフトの駆動制御装置によ
れば、後輪回転速度を検出し、該後輪回転速度から車両
速度を算出する。
【0025】請求項4記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置によれば、後輪用モータと前輪用モータ
を、それらに印加される電力をチョッパ制御することに
よって作動する。
【0026】請求項5記載のリーチ式フォークリフトの
駆動制御装置によれば、前輪が駆動可能となっている時
の前輪用モータと後輪用モータに印加する電力のデュー
ティ比の上限値を、車両速度のしきい値に応じて変更す
る。又、デューティ比の前記上限値を、前輪が駆動不能
な従動輪となっている時の後輪用モータに印加する電力
のデューティ比の上限値よりも低くする。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図を参照し
ながら説明する。図1〜図3に示す様に、リーチ式フォ
ークリフトにおける車両1の前面側には、左右一対のレ
グ2L,2Rが延出して設けられ、そのレグ2L,2R
の間に前後方向に移動可能なマストMが配設されてい
る。そして、マストMの前面側には左右一対のフォーク
Fが設けられ、このフォークFはマストMに沿って上下
に昇降する様になっている。
【0028】前記レグ2L,2Rの後端外側には、各々
左右前輪用モータ5L,5Rが設けられている。又、該
レグ2L,2Rの前端外側には、各々、左右ギアボック
ス3L,3Rを介して前記左右前輪用モータ5L,5R
から駆動伝達可能に接続された左右前輪4L,4Rが、
回動可能に配設されている。
【0029】図2に示す様に、車両1の下部左側には操
舵輪と駆動輪を兼ねる後輪7が設けられ、同じく右側に
はキャスタホイール8が配設されている。又、図3に示
す様に、車両1の内部には前記後輪7を回転駆動する後
輪用モータ9が配設されている。図3及び図4に示す様
に、前記後輪用モータ9の回転軸17には、リブ19が
一定間隔で設けられたブレーキディスク16が貫設さ
れ、更に該リブ19の外面に極僅かな一定間隔を保つ様
に、例えば磁気式サイン波ジェネレータである後輪回転
速度センサ6が設けられている。前記後輪回転速度セン
サ6は、前記回転軸17と一体で回転する前記ブレーキ
ディスク16の前記リブ19が通り過ぎる度に発生する
磁束変化を捕らえ、サイン波電圧に変換し、前記後輪7
の回転速度Rとして後述するコントローラ23に出力す
る。
【0030】従って、回転速度を間接的に表す信号が得
られれば、前記後輪回転速度センサ6は磁気式サイン波
ジェネレータには限定はされず、例えばパルス電圧を発
生する磁気式パルスジェネレータであっても良いし、或
いはエンコーダの様なタイプであっても良い。
【0031】該後輪用モータ9からは、ドライブユニッ
ト20を介して駆動力が前記後輪7に伝達される。更
に、前記ドライブユニット20の上端には、ドライブユ
ニットギア10が水平に固定され、該ドライブユニット
20、前記後輪用モータ9、及び前記後輪7が、該後輪
7の操舵方向に一体回動可能になっている。
【0032】ステアリングシャフト18の先端にはステ
アリングギア21が、前記ドライブユニットギア10と
噛み合い可能に設けられている。又、前記ドライブユニ
ットギア10には、操舵角センサ11の検出ギア11a
が、噛み合い可能に設けられている。
【0033】前記後輪7は、前記車両1の運転席Wに設
けられたハンドルHの回転量に基づいて図示しない操舵
用モータが駆動され、前記ステアリングシャフト18を
回転させ、前記ステアリングギア21、及び前記ドライ
ブユニットギア10を介して操舵される様になってい
る。そして、その時の操舵角θが前記操舵角センサ11
により検出され、後述するコントローラ23へ出力され
る。
【0034】図3に示す様に、前記車両1の前記運転席
Wには走行操作手段としてのアクセルレバー12が設け
られている。又、前記アクセルレバー12にはポテンシ
ョメータ13が設けられ、該アクセルレバー12の操作
量Sを検出し、後述するコントローラ23へ出力する。
更に、アクセルレバー12には、操作方向スイッチ14
が設けられ、該アクセルレバー12の操作方向を検出
し、車両1の進行方向Dとして後述するコントローラ2
3へ出力する。
【0035】同じく、前記運転席Wには、後述する車両
速度しきい値Eを予め設定する入力機能を有し、且つ設
定状態を表示できる、例えば液晶表示装置15が設けら
れている。作業者は、表示部15cで視認しながら、入
力キー15a,15bを用い、予め使用する路面状況に
合わせた車両速度しきい値Eを適宜選択し、設定する。
【0036】尚、図3では便宜上、3,4,5,6 K
m/hの4種類の車両速度しきい値Eを図示している
が、これに限定されるものでは無く、他の設定値、或い
は種類数であっても勿論良い。
【0037】又、前記車両速度しきい値Eの入力手段
は、前記液晶表示装置15に限定されるものでは無く、
同様の入力、表示機能を有していれば他の手段であって
も良い。例えば、液晶表示部に直接タッチ式の入力キー
を設けたり、或いはLEDを用いた表示部を設けてやっ
ても良い。
【0038】前記液晶表示装置15で設定された前記車
両速度しきい値Eは、後述するコントローラ23へ出力
される。車両1の内部には、前記左右前輪用モータ5
L,5R、及び前記後輪用モータ9を駆動制御する為の
駆動制御装置20が設けられている。
【0039】次に、前記駆動制御装置20の電気的構成
について以下に述べる。図1に示す様に、前記駆動制御
装置20は、後輪駆動回路部21、前輪駆動回路部2
2、及びコントローラ23とから構成され、これらは直
流電源としてのバッテリ24に接続されている。
【0040】後輪駆動回路部21は後輪用モータ9の駆
動が成される回路であって、該後輪用モータ9は一方の
端子側が回生用コンタクタ25を介して、他方の端子側
がスイッチング素子としてのメイントランジスタ28等
を介し、各々バッテリ24の−側と+側に接続されてい
る。
【0041】界磁巻線9bには、後輪前進用コンタクタ
26、及び後輪後進用コンタクタ27が接続されてい
る。そして、両コンタクタ26,27の相補的な切り替
え動作により、界磁巻線9bに流れる磁界電流の方向が
変化し、前記後輪用モータ9が正逆転される様になって
いる。
【0042】前記メイントランジスタ28はそのコレク
タ端子が前記後輪前進用コンタクタ26、及び前記後輪
後進用コンタクタ27に接続され、エミッタ端子が前記
バッテリ24の−側に接続されている。従って、前記メ
イントランジスタ28は後輪用モータ9に対して直列に
接続されている。そして、そのベース端子には、前記コ
ントーラ23からの公知のチョッパ信号が入力される。
尚、前記メイントランジスタ28は、バイポーラトラン
ジスタ、SIT、或いはFET等の何れのタイプであっ
ても良い。但し、SIT、或いはFETの場合には、前
記コレクタ端子はドレイン端子に、前記エミッタ端子は
ソース端子に、前記ベース端子はゲート端子に変わる。
【0043】フライホイールダイオード29は、そのア
ノードが界磁巻線9bの後輪前進用コンタクタ26側に
接続され、カソードがバッテリ24の+側に接続されて
いる。又、フライホイールダイオード30は、そのアノ
ードが界磁巻線9bの後輪後進用コンタクタ27側に接
続され、カソードがバッテリ24の+側に接続されてい
る。
【0044】全電流センサ31は、後輪用モータ9と回
生用コンタクタ25との間に接続され、バッテリ24か
ら供給される全電流Itを検出して、前記コントローラ
23に出力する様になっている。
【0045】尚、前記全電流センサ31で検出される前
記全電流Itは、左右前輪モータ用コンタクタ41,4
0がオンし、左右前輪4L,4Rが駆動可能となってい
る場合には、前記左右前輪用モータ5L,5R、及び前
記後輪用モータ9の両方に流れる電流を意味するが、該
両コンタクタ40,41がオフし、左右前輪4L,4R
が駆動不能となっている場合には、後輪用モータ9にの
み流れる電流を意味する事になる。
【0046】即ち、前記全電流センサ31は、左右前輪
4L,4Rが駆動可能となっている場合には、左右前輪
用モータ5L,5R、及び前輪用モータ9の両方に流れ
る全電流を検出するセンサとして機能し、左右前輪4
L,4Rが駆動不能となっている場合には、後輪用モー
タ9に流れる電流を検出するセンサとして機能する。
【0047】回生用トランジスタ32は、そのコレクタ
がバッテリ24の+端子に接続され、エミッタが回生用
抵抗33を介して電機子9aの後輪前進用コンタクタ2
6、及び後輪後進用コンタクタ27側に各々接続されて
いる。
【0048】回生用ダイオード34は、そのカソードが
回生用コンタクタ25の電機子9a側に接続され、アノ
ードがバッテリ24の−側に接続されている。公知のス
ナバ回路36は、メイントランジスタ28のコレクタ・
エミッタ間に並列に接続されている。
【0049】前輪駆動回路部22は、左右前輪用モータ
5L,5Rの駆動が成される回路であって、右前輪用モ
ータ5R、及び左前輪用モータ5Lはマグネット型直流
モータであり、各々電機子5La,5Ra、及び界磁マ
グネット5Lb,5Rbから構成されている。前記右前
輪用モータ5Rは開閉手段としての右モータ用コンタク
タ40と直列に接続され、前記左前輪用モータ5Lは同
じく開閉手段としての左モータ用コンタクタ41と直列
に接続されている。
【0050】又、前記右モータ用コンタクタ40と前記
右前輪用モータ5R、及び前記左モータ用コンタクタ4
1と左前輪用モータ5Lは並列に接続されている。左右
前輪用モータ5L,5Rへの電気エネルギー供給経路を
開閉する手段である前記両コンタクタ40,41は、コ
ントローラ23からの制御信号を受けてオン・オフ制御
され、左右前輪4L,4Rの駆動・非駆動が切り替えら
れる。
【0051】更に、この両端には前輪前進用コンタクタ
42、及び前輪後進用コンタクタ43が接続されてい
る。そして、両コンタクタ42,43の相補的な切り替
え動作により、電機子5La,5Raに流れる電流の方
向が変化し、右前輪用モータ5R、及び左前輪用モータ
5Lが正逆転する様になっている。
【0052】そして、右前輪用モータ5R、及び左前輪
用モータ5Lは、前輪前進用コンタクタ42、及び前輪
後進用コンタクタ43を介して一端が前記電機子9aの
全電流センサ31側に接続され、他端が前記メイントラ
ンジスタ28のコレクタ側に接続されている。従って、
後輪用モータ9、右前輪用モータ5R、及び左前輪用モ
ータ5Lは、バッテリ24に対して並列に接続されてい
る。
【0053】前輪電流センサ46は、前輪前進用コンタ
クタ42、前輪後進用コンタクタ43間と、電機子9a
の回生用コンタクタ25側との間に接続されている。前
輪電流センサ46は、左右前輪用モータ5L,5Rに供
給される前輪電流Ifを検出して前記コントローラ23
に出力する様になっている。
【0054】フライホイールダイオード44は、そのア
ノードが右前輪用モータ5R、及び左前輪用モータ5L
の前輪前進用コンタクタ42側に接続され、カソードが
前記電機子9aの回生用コンタクタ25側に接続されて
いる。又、フライホイールダイオード45は、そのアノ
ードが右前輪モータ用コンタクタ40、及び左前輪モー
タ用コンタクタ41の前輪後進用コンタクタ43側に接
続され、カソードが前記電機子9aの回生用コンタクタ
25側に接続されている。
【0055】又、コントローラ23は、バッテリ24の
+・−の各端子間に接続されている。前記コントローラ
23の電気的構成を、図6を用いて以降に示す。
【0056】コントローラ23は、制御部(以降CPU
という)50、及び記憶部51を有している。記憶部5
1には、CPU50を作動させる為の制御プログラムが
記憶されている。この制御プログラムは、操作量S、操
舵角θ、進行方向D、回転速度R、車両速度しきい値
E、全電流It、及び前輪電流Ifに基づいて、前記各
コンタクタ25,26,27,40,41,42,43
の開閉を指示するプログラムを有している。又、回生用
トンジスタ32のオン・オフを指示する為のプログラム
を有している。更に、操作量Sに基づいてメイントラン
ジスタ28を駆動するチョッパ信号を生成する為のプロ
グラムを有している。
【0057】記憶部51には、図7,8に示す、ポテン
ショメータ13が検出したアクセルレバー12の操作量
Sに対するチョッパ信号の目標デューティ比を決定する
為のマップが記憶されている。両マップの内、図7のマ
ップは、後述する、フォークリフトの発進時(以降、発
進モードと呼ぶ)、即ち左右前輪4L,4R、及び後輪
7が共に駆動される時(後述するスイッチバック時を除
く;以降同じ)における、前記操作量Sと目標デューテ
ィ比M1の相関関係を表している。
【0058】同様に、図8のマップは、後述する、発進
終了後(以降、標準モードと呼ぶ)、即ち後輪7のみが
駆動される時における、前記操作量Sと目標デューティ
比M2の相関関係を表している。そして、前記回転速度
R及び前記車両速度しきい値Eに基づいて、後に詳述す
る制御プログラムにより、前記両モードの何れかが判別
され、各々に対応するこの二つのマップが使い分けられ
る。
【0059】発進モードのマップでは、操作量Sで調節
可能な目標デューティ比M1の上限値が、前記液晶表示
装置15により予め設定される前記車両速度しきい値E
の値に応じて可変される様になっている。例えば、前記
車両速度しきい値Eが図7に示す3,4,5,6Km/
hの4種類である場合(前述した様に、これらの値は便
宜上記載したものであり、限定はされない)、該車両速
度しきい値Eの値が大きい程、前記上限値も大きくなる
様に設定されるが、各前記車両速度しきい値Eに対応す
る具体的な前記上限値は、予め実験・計算により求めら
れている。
【0060】同時に、発進モードのマップでの、操作量
Sで調節可能な目標デューティ比M1の上限値は、前記
車両速度しきい値Eに係わらず、標準モードのマップで
の同様の目標デューティ比M2の上限値以下となる様に
設定されている。
【0061】又、記憶部51には、図9,10に示す、
左右前輪用モータ5L,5Rと後輪用モータ9に印加さ
れる電圧に対する全電流しきい値を決定する為のマップ
が記憶されている。両マップの内、図9のマップは、前
記標準モードにおける、後輪用モータ9に印加される電
圧と全電流しきい値L4の相関関係を表している。同様
に、図10のマップは、前記発進モードにおける、左右
前輪用モータ5L,5R、及び後輪用モータ9に印加さ
れる電圧と全電流しきい値L6の相関関係を表してい
る。そして、前記回転速度R及び前記車両速度しきい値
Eに基づいて、後に詳述する制御プログラムにより、前
記両モードの何れかが判別され、各々に対応するこの二
つのマップが使い分けられる。
【0062】尚、標準モードにおける前記電圧と、発進
モードにおける前記電圧とが同一時に、両該電圧が一定
電圧(2V弱)以下では発進モードのマップに従う前記
全電流しきい値L6の値は、同じく標準モードのマップ
に従う前記全電流しきい値L4の値より高い。一方、前
記一定電圧以上では、その逆になる。これは、後に詳述
するが、発進モードにおいて、前記一定電圧以下では十
分な駆動力を確保し、前記一定電圧以上では駆動力過多
によるスリップ発生を防止する為である。
【0063】CPU50には、前記ポテンショメータ1
3が検出したアクセルレバー12の操作量SがA/D変
換機52を介して入力される。同様に、CPU50に
は、前記操作方向スイッチ14の進行方向Dが入力され
る。同様に、CPU50には、前記操舵角センサ11が
検出した操舵角θがA/D変換機53を介して入力され
る。同様に、CPU50には、前記後輪回転速度センサ
6が検出した回転速度Rがフィルター54を介してノイ
ズ除去された上、図示しないコンパレータを介してパル
スに変換後、入力される。同様に、CPU50には、前
記液晶表示装置15により設定された前記車両速度しき
い値Eが入力される。
【0064】又、CPU50は、前記回転速度Rに基づ
いてその時の車両速度を算出して、前記車両速度しきい
値Eと比較し、車両が発進時か否かを判別する。前記車
両速度がゼロ(停止した状態)から、前記車両速度しき
い値Eに到達するまでの間を発進時と見なし、それ以外
の時は走行時と見なす。即ち、車両速度が前記車両速度
しきい値E以上の時は勿論、該車両速度しきい値E以下
であっても、一度該車両速度しきい値Eを越えてから再
度下回った場合は、完全に停止してから再度発進しない
限りは走行時と見なす。
【0065】CPU50には、前記前輪電流センサ46
が検出した前輪電流Ifがノイズ除去用のフィルタ6
1、及びA/D変換器62を介して入力される。尚、前
輪電流Ifは、フィルタ61を介して比較器63にも入
力される。比較器63は、この前輪電流Ifと前輪過電
流制限値設定回路(以降、前輪OCL設定回路と呼ぶ)
64で設定した過電流制限値(以降、前輪OCL値と呼
ぶ)とを比較する。
【0066】前輪OCL値は、マグネット型モータであ
る左右前輪用モータ5L,5Rのマグネットが減磁され
ない為の最大許容電流であって、予め試験又は計算で求
め設定したものである。そして、前輪OCL設定回路6
4には、左右前輪用モータ5L,5Rの何れか一方が駆
動している時の前輪OCL値L5Sと、左右前輪用モー
タ5L,5Rが両方駆動している時の前輪OCL値L5
Wの二種類が設定されている。
【0067】前輪OCL設定回路64は、左右前輪用モ
ータ5L,5Rの何れか一方が駆動している時には前輪
OCL値L5Sを、左右前輪用モータ5L,5Rが両方
駆動している時には前輪OCL値L5Wを比較器63に
出力する様になっている。そして、比較器63は、前輪
電流Ifと前輪OCL値L5S(或いはL5W)とを比
較し、前輪駆動電流Ifの方が大きい時、Hレベルの第
一の制限信号S1をCPU50に出力する。
【0068】又、CPU50には、前記全電流センサ3
1が検出した全電流Itがノイズ除去用のフィルタ6
5、及びA/D変換器66を介して入力される。尚、全
電流Itは、フィルタ65を介して比較器67にも入力
される。比較器67は、この全電流Itと前後輪過電流
制限値設定回路(以降、前後輪OCL設定回路と呼ぶ)
68で設定した過電流制限値(以降、前後輪OCL値と
呼ぶ)L3とを比較する。
【0069】前後輪OCL値L3は、メイントランジス
タ28の破壊を防止する為の最大許容電流であって、予
め試験又は計算で求め設定したものである。前後輪OC
L設定回路68は、前後輪OCL値L3を比較機67に
出力する様になっている。そして、比較機67は、全電
流Itと前後輪OCL値L3とを比較し、全電流Itの
方が大きい時、Hレベルの第二の制限信号S2をCPU
50に出力する。
【0070】記憶部51には、図11に示す、図7のマ
ップに従って決定される操作量Sに対応する目標デュー
ティ比M1に到達するまでの増加率を決定するデューテ
ィ比の経時増加パターンが少なくとも2種類以上(図1
1では8種類)設定されたマップが記憶されている。使
用されるデューティ比の経時増加パターンは、運転席W
に設けられた図示しない選択手段により、二種類以上の
前記デューティ比の経時増加パターンの中から、状況に
適した一つが予め作業者により選択される。CPU50
は、前記回転速度Rから算出した車両速度と前記車両速
度しきい値Eから発進時と判断した時にのみ、予め選択
された図11のマップ中のデューティ比の経時増加パタ
ーンに従って、目標デューティ比M1に対する割合を1
00%、即ち目標デューティ比M1まで増加させる制御
信号を出力する。
【0071】CPU50は、後輪前進用及び後輪後進用
コンタクタ26,27、前輪前進用及び前輪後進用コン
タクタ42,43、右前輪及び左前輪モータ用コンタク
タ40,41、及び回生用コンタクタ25をオン・オフ
する為の図示しない励磁コイルを駆動する為の駆動信号
を各々のコイル駆動回路69a〜69gに出力する。以
降にその内容を詳述する。
【0072】CPU50は、発進モードと判断した時
に、前記両コンタクタ41,40をオンする為の駆動信
号を、コイル駆動回路69e,69fに出力する。一
方、それ以外の時、即ち標準モードと判断した時には、
オフする為の駆動信号を同様に出力する。前記駆動信号
を受けて、コイル駆動回路69e,69fは、前記両コ
ンタクタ40,41をオン・オフする。即ち、左右前輪
4L,4Rは、前者の時には駆動可能となり、後者の時
には駆動不能な従動輪となる。
【0073】ところで、発進時とは、前述した様に、車
両速度がゼロから前記車両速度しきい値Eに到達するま
での間である。よって、CPU50が、発進時と判断し
た時、左右前輪4L,4Rが駆動可能となった後、車両
速度が上昇して前記車両速度しきい値E以上になると、
左右前輪4L,4Rは駆動不能な従動輪に切り替わる。
その後、車両速度が減速し、再び前記車両速度しきい値
Eを下回る事があっても、完全に停止してから再度発進
しない限りは、発進時とは見なさず、従って再び左右前
輪4L,4Rが駆動可能に切り替わる事は無い。
【0074】CPU50は、左右前輪モータ用コンタク
タ41,40をオン・オフさせる為にコイル駆動回路6
9e,69fに出力する駆動信号を前記前輪OCL設定
回路64に出力する。そして、前輪OCL設定回路64
はこの両駆動信号の有無によって、前輪OCL値L5
S,L5Wの何れか一方を比較機63に出力する様にな
っている。即ち、前輪OCL設定回路64は両コンタク
タ40,41がオンされる場合には前輪OCL値L5W
を、何れか一方のみがオンされる場合には前輪OCL値
L5Sを出力する。
【0075】CPU50は、前記標準モードにおいて
は、図8に示すマップに従って、アクセルレバー12の
操作量Sに対する目標デューティ比M2のチョッパ信号
をアンド回路70を介して前記メイントランジスタ28
のベース端子に出力する様になっている。又、CPU5
0は、前記発進モードにおいては、図7に示すマップに
従って、アクセルレバー12の操作量に対する目標デュ
ーティ比M1のチョッパ信号をアンド回路70を介して
前記メイントランジスタ28のベース端子に出力する様
になっている。
【0076】又、CPU50は、車両1が前記発進モー
ドと判断した時に、操舵角センサ11が検出した操舵角
θに基づいて左右前輪モータ用コンタクタ41,40を
オン・オフ制御する。即ち、車両1が右旋回し、操舵角
θが左に33°以上の右旋回となった時、CPU50は
右前輪モータ用コンタクタ40をオフさせる為の信号を
コイル駆動回路69eに出力する様になっている。そし
て、CPU50は、右前輪用モータ5Rの電源を遮断し
フリー状態にして、右前輪4Rが従動輪となる様にす
る。
【0077】同様に、車両1が左旋回し、操舵角θが右
に40°以上の左旋回となった時、CPU50は左前輪
モータ用コンタクタ41をオフさせる為の信号をコイル
駆動回路69fに出力する様になっている。そして、C
PU50は左前輪用モータ5Lの電源を遮断しフリー状
態にして、左前輪4Lが従動輪となる様にする。
【0078】この発進時における旋回の制御は、右旋回
では内輪となる右前輪4Rが外輪となる左前輪4Lより
旋回速度が遅くなり、左旋回では逆に内輪となる左前輪
4Lが外輪となる右前輪4Rより旋回速度が遅くなる。
その結果、旋回速度が小さい内輪側のモータは電機子電
流が増大し、旋回速度が大きい外輪側のモータは電機子
電流が減少する。そこで、本実施例では内輪側のモータ
の電機子電流が許容電流を超えない様にすると共に、外
輪側のモータの電機子電流が減少し駆動能力の低下を防
止する様にしている。
【0079】本実施例では、予め試験して右前輪4Rと
左前輪4Lの旋回速度比が60%以下になった時、内輪
側のモータの電源を遮断する様にしている。即ち、旋回
速度比が60%以下となる操舵角θは、右旋回の場合に
は左に33°以上、左旋回の場合には右に40°以上で
ある。尚、右旋回時と左旋回時とでその操舵角が相違す
るのは、図2に示す様に後輪7が車両1に対して左側に
偏在している為、右旋回と左旋回の各場合における、右
前輪4Rの旋回半径と左前輪4Lの旋回半径が、各々違
っているからである。
【0080】尚、前述した操舵角センサ11で検出した
操舵角θに基づく一連の制御は、前記発進モードでのみ
成され、前記標準モードでは行われない。即ち、標準モ
ードにおいては、前述した、両コンタクタ40,41が
オフされ、左右前輪4L,4Rが駆動不能な従動輪に維
持される制御が優先される。
【0081】一方、発進モードにおいては、逆に前述し
た操舵角センサ11で検出した操舵角θに基づく制御が
優先される。よって、発進モードにおいては、操舵角θ
が左に33°未満、或いは右に40°未満の時には、左
右前輪4L,4Rの両方が駆動可能となるが、操舵角θ
が左に33°以上、或いは右に40°以上の時には、操
舵角センサ11で検出した操舵角θに基づく制御に従っ
て、左右前輪4L,4Rの一方のみが駆動可能となり、
他方は従動輪となる。
【0082】車両1が前進駆動している場合において、
アクセルレバー12を前進方向から中立位置を介して後
進方向に操作すると、CPU50はスイッチバック操作
と判断する。この時、CPU50は後輪前進用及び後輪
後進用コンタクタ26,27を後輪用モータ9が後進駆
動される向きに切り替える。尚、後進駆動している場合
においても同様であり、アクセルレバー12を後進方向
から中立位置を介して前進方向に操作しても、CPU5
0はスイッチバック操作と判断する。
【0083】スイッチバック操作が行われると、CPU
50は、右前輪及び左前輪モータ用コンタクタ40,4
1がオン、即ち発進モードの時には、該両コンタクタ4
0,41をオフし、一方該両コンタクタ40,41がオ
フ、即ち標準モードの時には、該両コンタクタ40,4
1をそのままオフの状態に維持する。つまり、CPU5
0は、スイッチバック操作と判断した時には、標準モー
ド・発進モードの如何を問わず、前記両コンタクタ4
0,41をオフにする。
【0084】同時にCPU50は、その時の車両速度が
回生制動可能な速度にあるか否かを判断する。尚、回生
制動可能な車両速度は、予め試験・実験等で求めたもの
である。そして、今の車両速度が回生制動可能な速度内
にある時、CPU50は回生用コンタクタ25をオフ
し、回生制動を行わせる。
【0085】CPU50は、メイントランジスタ28及
び回生用トランジスタ32をオンさせて公知の予備励磁
を行い、予備励磁が終了するとメイントランジスタ28
及び回生用トランジスタ32をオフさせる。CPU50
はこの予備励磁に基づいて回生電流を発生させる様にな
っている。
【0086】この回生電流は全電流センサ31にて検出
され、その回生電流値はCPU50に出力される。そし
て、回生電流が予め定めた許容電流値以上になった時、
CPU50はメイントランジスタ28をチョッパ制御し
て回生電流を抑える。この許容電流値は予め記憶部51
に図示しないマップとして記憶されている。このマップ
は、その時のアクセルレバー12のスイッチバック操作
における操作量Sに対する回生電流の許容電流値の相関
関係を表したものであり、操作量Sに比例して許容電流
値が大きくなる様になっている。
【0087】車両速度が回生制動のできない速度になる
と、CPU50はプラギング制動に移る。CPU50
は、コイル駆動回路69a,69bを介して後輪用モー
タ9が後進駆動する様に後輪前進用及び後輪後進用コン
タクタ26,27を切り替えると共に、コイル駆動回路
69c,69dを介して左右前輪用モータ5L,5Rが
後進駆動する様に、前輪前進用及び前輪後進用コンタク
タ42,43を切り替える。
【0088】又、CPU50は、コイル駆動回路69g
を介して、回生用コンタクタ25をオンする。そして、
CPU50は、その時のアクセルレバー12のスイッチ
バック操作における操作量Sに対するデューティ比でメ
イントランジスタ28をチョッパ制御する様になってい
る。即ち、CPU50は、後輪用モータ9を逆転させ、
後進駆動してプラギング制動を実行する。尚、スイッチ
バック操作をした時、回生制動が出来ない車両速度の場
合には、CPU50は回生制動を行う事無く、直ちにプ
ラギング制動の為の制御を開始する。
【0089】ところで、本実施例では、回生制動・プラ
ギング制動の何れの制動時においても、後輪用モータ9
のみ作用させているが、これに限定はされず、例えば、
両制動時において、左右前輪用モータ5L,5R、後輪
用モータ9の両方を作用させても良い。但し、この場合
は、右前輪及び左前輪モータ用コンタクタ40,41を
オンにする制御が必要となるのは言うまでも無い。
【0090】尚、回生制動とプラギング制動を共に、左
右前輪用モータ5L,5R、後輪用モータ9の両方につ
いて作用させれば、制動力は上がるが、回路構成が複雑
になるという問題がある。
【0091】比較機74は、前記A/D変換器66にて
デジタル変換された全電流Itと、CPU50から出力
される前記した図9,図10に示すマップに基づく全電
流しきい値L4、又はL6とを比較する。
【0092】即ち、発進モードにおいては、CPU50
は図10に示すマップに基づいて、その時の左右前輪用
モータ5L,5R、及び後輪用モータ9に印加される電
圧に対応する全電流しきい値L6を比較器74に出力す
る。比較器74は全電流Itと前記全電流しきい値L6
とを比較し、全電流Itの方が大きい時にのみ、Hレベ
ルの第三の制限信号S3を出力する。
【0093】同様に、標準モードにおいては、CPU5
0は図9に示すマップに基づいて、その時の後輪用モー
タ9に印加される電圧(標準モードでは、前述した様に
左右前輪用コンタクタ41,40がオフになっているの
で、電圧は左右前輪用モータ5L,5Rには印加されな
い。)に対応する全電流しきい値L4を比較器74に出
力する。比較器74は全電流Itと前記全電流しきい値
L4とを比較し、全電流Itの方が大きい時にのみ、H
レベルの第三の制限信号S3を出力する。
【0094】アンド回路70は、ノット回路71、及び
オア回路72,73を介して、前記第一、及び第二の制
限信号S1,S2が入力される様になっている。同様
に、ノット回路71、及びオア回路72を介して、前記
第三の制限信号S3が入力される様になっている。(ノ
ット回路71が設けられているので、Hレベルの制限信
号S1,S2,S3はLレベルの信号に転換され、アン
ド回路70に入力される。)又、操作量Sに基づくチョ
ッパ信号が、CPU50から入力される様になってい
る。
【0095】更に、アンド回路70からは、前述した二
つ(制限信号とチョッパ信号)の入力状態に従って、メ
イントランジスタ28に出力される様になっている。よ
って、前記各制限信号S1,S2,S3の少なく共何れ
か一つが出力された時、アンド回路70は、CPU50
からメイントランジスタ28への前記チョッパ信号を遮
断する。
【0096】即ち、発進モードの場合には、前記制限信
号S1,S2,S3の少なく共何れか一つが出力された
時にメイントランジスタ28へのチョッパ信号が停止さ
れ、一方、標準モードの場合には、前記制限信号S2,
S3の少なく共何れか一方が出力された時にメイントラ
ンジスタ28へのチョッパ信号が停止される。又、停止
されたメイントランジスタ28へのチョッパ信号は、前
記制限信号S1,S2,S3の全ての出力が消失した時
点で再開される。
【0097】以上の様に構成されたリーチ式フォークリ
フトの駆動制御装置の作用について、以下に説明する。
先ず、前記液晶表示装置15により、フォークリフトを
使用する路面状態に最適な前記車両速度しきい値Eを設
定する。この設定に際しては、実際に使用する路面での
発進を試行し、作業者が最適値を決定する。即ち、
【発明が解決しようとする課題】の項で詳述した様に、
フォークに荷を積載しリーチさせた状態の発進では、路
面状態が油濡路面の様な低μ路面の場合、予め設定され
た車両速度のしきい値が低すぎると、実際の車両速度が
該しきい値を越えていないにも係わらず、スリップの発
生により後輪の回転速度が上昇して該しきい値に到達し
てしまい、前輪の駆動が解除される事がある。
【0098】そこで、スリップの発生し易い路面状態で
は前記車両速度しきい値Eを高く設定し、逆にスリップ
の発生しにくい路面状態では低く設定する。その結果、
前者の場合には、実際に車両速度がしきい値に達してい
ないにも係わらず前輪駆動が解除されるのを防止し、後
者の場合には、実際の車両速度がしきい値に達している
にも係わらず前輪駆動が解除されないのを防止する。
【0099】車両1が停止した状態では、CPU50は
標準モードでの制御を行う。即ち、左右前輪用コンタク
タ41,40はコイル駆動回路69e,69fを介して
オフされ、左右前輪4L,4Rは駆動不能に維持され、
後輪9のみが駆動可能となっている。そして、例えば前
進走行を行う為アクセルレバー12を中立位置から前進
方向に操作すると、CPU50はコイル駆動回路69
a,69bを介して後輪用モータ9が前進駆動する様に
後輪前進用及び後輪後進用コンタクタ26,27を切り
替える。同じくCPU50は、コイル駆動回路69e,
69fを介して左右前輪用モータ5L,5Rが前進駆動
する様に前輪前進用及び前輪後進用コンタクタ42,4
3を切り替える。
【0100】又、車両1は停止した状態、即ち車両速度
ゼロからの走行であるので、前記車両速度しきい値Eと
比較した上、CPU50は発進時と判断する。そして、
CPU50はその判断に基づき、直ちに標準モードから
発進モードへ切り換えて制御を行う。即ち、左右前輪用
コンタクタ41,40はコイル駆動回路69e,69f
を介してオンされ、左右前輪4L,4Rが駆動可能にな
る。更に、CPU50はコイル駆動回路69gを介して
回生用コンタクタ25をオンする。
【0101】続いて、CPU50は図7に示した発進モ
ードにおけるマップを選択し、該マップに基づいてその
時のアクセルレバー12の操作量Sに対応するチョッパ
信号の目標デューティ比M1を算出する。
【0102】ところで、図7に示す発進モードにおける
マップでは、前述した様に、予め設定した前記車両速度
しきい値Eの値に応じて、目標デューティ比M1の上限
値を可変にしているが、これは以下の理由による。
【0103】即ち、前記車両速度しきい値Eの値によら
ず、目標デューティ比M1の上限値を単一に固定し設定
する場合、その固定する上限値を図7に示す最小値の3
Km/hに対応する値にしてしまうと、前記車両速度し
きい値Eを例えば最大値の6Km/hにして発進する
時、前記アクセルレバー12の操作量Sを最大にして
も、該車両速度しきい値Eに到達できず、前輪駆動が解
除されない事がある。
【0104】一方、目標デューティ比M1の上限値を図
7に示す最大値の6Km/hに対応する値にしてしまう
と、前記車両速度しきい値Eを例えば最小値の3Km/
hにして発進する時、前記アクセルレバー12の操作量
Sを最大にすると、駆動力過多でスリップを発生しスム
ーズに発進できない事がある。そこで、前記車両速度し
きい値Eの設定値によらず、スムーズに発進し、且つ車
両速度を速やかに該車両速度しきい値Eに到達させ、前
輪駆動を解除できる様にする為、図7のマップに示す通
り、該車両速度しきい値Eの設定値に応じて可変させて
いる。具体的には、前記車両速度しきい値Eの設定値が
高い程、目標デューティ比M1の上限値を高くしてい
る。但し、駆動力過多によりスリップが発生するのを防
止する為、可変する目標デューティ比M1の上限値の最
大値は、図8のマップに示す、標準モード時での目標デ
ューティ比M2の上限値以下となる様にしている。
【0105】更に、CPU50は、図11に示したマッ
プに設定された二種類以上のデューティ比の経時増加パ
ターン中の、予め選択された経時増加パターンに従っ
て、チョッパ信号のデューティ比を、算出した前記目標
デューティ比M1まで増加させながら、そのデューティ
比のチョッパ信号をアンド回路70を介してメイントラ
ンジスタ28に出力する。
【0106】メイントランジスタ28は、このチョッパ
信号に基づいてオン・オフされ、バッテリ24から後輪
用モータ9、及び左右前輪用モータ5L,5Rに駆動電
源が供給される。そして、後輪用モータ9、及び左右前
輪用モータ5L,5Rは回転を開始する。つまり、左右
前輪4L,4R、後輪7の三輪駆動となるので、標準モ
ードでの後輪7のみの一輪駆動に較べて極めて安定した
駆動伝達が成される。
【0107】又、前述した様に前記車両速度しきい値E
は、フォークリフトを予め試行し、使用する路面状況に
合わせて設定してあるので、実際の車両速度が前記車両
速度しきい値Eに達していない内に前輪駆動が解除さ
れ、発進不能になってしまう事は無い。
【0108】尚、発進時に、前述した図11に示したマ
ップによるデューティ比の制御を行う事で、運転者のア
クセル操作技術に頼る事無く、後輪用モータ9への過大
な電源供給を防止し、よりスムーズな発進が可能とな
る。
【0109】又、図11に示したマップによるデューテ
ィ比の制御は、発進時以外、即ち車両速度が前記車両速
度しきい値Eを一度でも超えた場合には、その後車両1
が一旦停止しない限り機能しない。
【0110】更に、前述した様に、図7に示した発進モ
ードのマップでは、操作量Sで調節可能な目標デューテ
ィ比M1の上限値の中の最大のものでも、図8に示した
標準モードのマップでの同様の目標デューティ比M2の
上限値以下に設定されているが、これにより、運転者の
アクセル操作技術に頼る事無く、各モータ5L,5R,
9への急激な電源供給を防止し、発進モードにおいても
標準モードと同様な、スムーズな発進が可能となる。
【0111】後輪用モータ9、左右前輪用モータ5L,
5Rが回転すると、コントローラ23には前輪電流I
f、及び全電流Itが入力される。そして、前輪電流I
fが前輪OCL値L5W(この場合、左右前輪用モータ
5L,5Rが共に駆動している)より大きくなっている
時には比較器64から第一の制限信号S1が、全電流I
tが前後輪OCL値L3より大きくなっている時には比
較器65から第二の制限信号S2が各々出力される。そ
の結果、アンド回路70により、チョッパ信号のメイン
トランジスタ28への出力は遮断され、左右前輪用モー
タ5L,5R、或いはメイントランジスタ28の保護が
成される。
【0112】同様に、全電流Itが、図10に示すマッ
プに基づいて決定される全電流しきい値L6より大きく
なっている時には、比較器74から第三の制限信号S3
が出力される。その結果、アンド回路70により、チョ
ッパ信号のメイントランジスタ28への出力は遮断さ
れ、アクセルレバー12の操作量Sに応じた最適な駆動
力が確保される。
【0113】そして、チョッパ信号が遮断され、全電流
It、或いは前輪電流Ifが低下し、各制限信号S1,
S2,S3の出力が全て消失すると、再びチョッパ信号
がメイントランジスタ28に出力される。
【0114】ところで、発進モードにおいて、ハンドル
Hを操作し、車両1が右旋回して操舵角θが左に33°
以上になると、CPU50は右前輪モータ用コンタクタ
40をオフする。従って、右前輪用モータ5Rは電源の
供給が遮断されフリー状態となり、右前輪4Rが従動輪
となる。その結果、右旋回によって、旋回速度が小さく
なる事に基づき右前輪用モータ5Rの電機子電流の許容
電流以上に増大するのを未然に防止する。又、右前輪用
モータ5Rの電機子電流の増大に基づいて旋回速度の大
きい左前輪用モータ5Lの電機子電流の減少による駆動
力の低下を未然に防止する事ができる。従って、車両1
のスムーズな右旋回発進が行える。
【0115】同様に、車両1が左旋回して操舵角θが右
に40°以上となると、CPU50は左前輪モータ用コ
ンタクタ41をオフする。従って、左前輪用モータ5L
は電源の供給が遮断されフリー状態となり、左前輪4L
が従動輪となる。その結果、左旋回によって、旋回速度
が小さくなる事に基づき左前輪用モータ5Lの電機子電
流の許容電流以上に増大するのを未然に防止する。又、
左前輪用モータ5Lの電機子電流の増大に基づいて旋回
速度の大きい右前輪用モータ5Rの電機子電流の減少に
よる駆動力の低下を未然に防止する事ができる。従っ
て、車両1のスムーズな左旋回発進が行える。
【0116】やがて、車両速度が上昇し、予め定めた前
記車両速度しきい値Eに到達すると、CPU50は発進
モードから標準モードに切り替える。即ち、CPU50
は、コイル駆動回路69c〜69fを介して、前輪前進
用及び前輪後進用コンタクタ42,43と、左右前輪モ
ータ用コンタクタ41,40をオフする。従って、前輪
駆動回路部22にはバッテリ24からの電源の供給が遮
断され、左右前輪用モータ5L,5Rの回転はフリー状
態となる。その結果、後輪用モータ9にのみバッテリ2
4からの電源供給が行われる。
【0117】又、CPU50は、図8に示した標準モー
ドにおけるマップを選択し、該マップに基づいてその時
のアクセルレバー12の操作量Sに対応するチョッパ信
号の目標デューティ比M2を算出する。
【0118】前述した様に、図8のマップに基づいて調
節可能な目標デューティ比M2の上限値は、図7のそれ
(M1)の上限値の中の最大値以上であり、更に、図1
1のマップに基づく前述の制御も成されない(この制御
は、発進時にのみ成される)ので、前記目標デューティ
比M2に応じた目的の車両速度に速やかに到達させる事
が出来る。
【0119】又、標準モードにおいて、後輪用モータ9
が回転すると、コントローラ23には全電流If(標準
モードにおいては、後輪用モータ9に流れる電流を意味
する)が入力される。そして、全電流Itが前後輪OC
L値L3より大きくなっている時には比較機65から第
二の制限信号S2が出力される。その結果、アンド回路
70により、チョッパ信号のメイントランジスタ28へ
の出力は遮断され、メイントランジスタ28の保護が成
される。
【0120】同様に、全電流Itが、図9に示すマップ
に基づいて決定される全電流しきい値L4より大きくな
っている時には、比較器74から第三の制限信号S3が
出力される。その結果、アンド回路70により、チョッ
パ信号のメイントランジスタ28への出力は遮断され、
アクセルレバー12の操作量に応じた最適な駆動力が確
保される。
【0121】そして、チョッパ信号が遮断され、全電流
Itが低下し、両制限信号S2,S3の出力が全て消失
すると、再びチョッパ信号がメイントランジスタ28に
出力される。
【0122】尚、前述した様に、図9と図10に各々示
した両マップにおいて、標準モードにおける後輪用モー
タ9に印加される電圧と、発進モードにおける後輪用モ
ータ9、及び左右前輪用モータ5L,5Rに印加される
電圧とが同一時に、両該電圧が一定電圧(2V弱)以下
では、発進モードにおけるマップに従う全電流しきい値
L6の値は、同じく標準モードのマップに従う全電流し
きい値L4の値より高い。一方、前記一定電圧以上で
は、その逆になる。この様な設定にしているのは、以下
の理由による。
【0123】即ち、標準モードにおいては、後輪用モー
タ9のみ回転駆動する為、全電流Itは全て後輪用モー
タ9に流れるのに対し、発進モードにおいては、左右前
輪用モータ5L,5R、及び後輪用モータ9の全てが回
転駆動する為、全電流Itは、各モータに分流される。
従って、前記一定電圧以下における両全電流しきい値L
4,L5を同じ値にすると、標準モードの時に較べ、発
進モードの時の各モータ5L,5R,9の駆動力が低下
し、発進に必要な駆動力が確保できなくなるからであ
る。
【0124】一方、前記一定電圧以上においては、駆動
力過多によるスリップの発生を防止し、スムーズな発進
を達成する為、発進モードでの駆動力を標準モードでの
駆動力より低く抑える必要があるからである。
【0125】標準モードにおいて、アクセルレバー12
を前進方向から中立位置を介して後進方向に操作する
と、CPU50は後輪前進用及び後輪後進用コンタクタ
26,27を後進駆動の向きに切り替えると同時に、そ
の時の車両速度が回生制動可能な速度にあるか否かを判
別する。その結果、回生制動可能な速度にあると判断し
た場合に、CPU50は回生用コンタクタ25をオフす
る。
【0126】回生用コンタクタ25がオフされると、C
PU50はメイントランジスタ28及び回生用トランジ
スタ32を制御して、公知の予備励磁を行い、後輪用モ
ータ9に起電力を増大させ、回生電流を発生させる。回
生電流は、バッテリ24の−端子、回生用ダイオード3
4、全電流センサ31、電機子9a、後輪後進用コンタ
クタ27(後進から前進へのスイッチバック操作の場合
には、後輪前進用コンタクタ26になる)、界磁巻線9
b、及びフライホイールダイオード29(後進から前進
へのスイッチバック操作の場合には、フライホイールダ
イオード30になる)を介してバッテリ24の+端子に
流れ、後輪用モータ9の発電エネルギーはバッテリ24
に回生される。
【0127】前述した様に、この回生電流は全電流セン
サ31にて検出され、その回生電流値はCPU50に出
力される。そして、回生電流が予め定めた許容電流値以
上になった時、CPU50はメイントランジスタ28を
チョッパ制御して回生電流を抑える。
【0128】やがて、車両速度が回生制動のできない速
度になると、CPU50はプラギング制動に移る。CP
U50は、後輪用モータ9が後進駆動する様に後輪前進
用及び後輪後進用コンタクタ26,27を切り替えると
共に、前輪前進用及び前輪後進用コンタクタ42,43
を切り替える。又、CPU50は、回生用コンタクタ2
5をオンする。そして、CPU50は、その時のアクセ
ルレバー12のスイッチバック操作における操作量Sに
対するデューティ比でメイントランジスタ28をチョッ
パ制御する。従って、後輪用モータ9が逆転し後進駆動
して、プラギング制動が開始される。
【0129】尚、発進モードにおいて、同様なスイッチ
バック操作が成された場合には、前述した様に、CPU
50が右前輪及び左前輪モータ用コンタクタ40,41
をオフにする制御が行われた後に、標準モードと同様の
制御が動作する。
【0130】以上、本実施例では、前述した様に予め使
用する路面状態に合わせた前記車両速度しきい値Eを設
定する様にしたので、従来技術の様に、実際の車両速度
が該車両速度しきい値Eに到達する前に前輪駆動が解除
され発進不能になったり、逆に実際の車両速度が該車両
速度しきい値Eに到達しているのにも係わらず前輪駆動
が解除されず、バッテリ24の無用な電力消費が成さ
れ、稼働時間が低下したり、左右前輪4L,4Rが早期
磨耗したりする事を防止できる。
【0131】更に、前記液晶表示装置15は表示機能と
入力機能を併せ持ち、視認性が優れているので、設定時
の入力作業は極めて容易である。勿論、作業途中の設定
値の確認、変更も容易である。
【0132】更に、本発明は、安価な前記液晶表示装置
15以外には従来技術に何ら新たな部品を付与する事が
無く、コントローラ23の制御内容を変更する事で容易
に実現可能であり、極めて低コストである。
【0133】更に、発進モードでは、図8のマップに示
す様に、予め設定した前記車両速度しきい値Eの値に応
じて、目標デューティ比M1の上限値を可変にしたの
で、車両速度が該車両速度しきい値Eに到達できず、前
輪駆動が解除されなかったり、駆動力過多によりスリッ
プを発生したりする事を防止し、確実且つスムーズな発
進と、発進モードから標準モードへの速やかな移行を達
成できる。
【0134】ところで、本実施例では、以上に述べてき
た通り、発進時には発進モードに切り替わるという制御
が強制的に成されるが、運転席Wに別途、オン/オフ
スイッチを設け、該制御を無効化するか否かを予め選択
できる様にする事も勿論可能である。
【0135】又、本実施例では、前記アクセルレバー1
2を用いているが、これに限定はされず、例えば、ペダ
ル形式のものであっても良い。更に、本実施例では、前
記メイントランジスタ28のみをチョッパ制御している
が、これには限定はされず、例えば、左右前輪用モータ
5L,5R、後輪用モータ9各々にトランジスタを一つ
づつ設け、チョッパ制御する様にしても良い。
【0136】勿論、本実施例で述べた他の構成について
も、要旨を逸脱しない範囲で他の構成に置き換える事が
可能である。
【0137】
【発明の効果】以上に述べた様に、本発明は、種々の路
面状況には左右されず、常時リーチ式フォークリフトの
確実且つスムーズな発進を容易に可能にした、低コスト
で高性能なリーチ式フォークリフトの駆動制御装置を提
供する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの側面
図である。
【図2】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの概略
上面図である。
【図3】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの概略
上面図である。
【図4】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの後輪
部分の一部正面図である。
【図5】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの駆動
制御装置の回路図である。
【図6】 本発明に係るリーチ式フォークリフトの駆動
制御装置が有するコントローラのブロック図である。
【図7】 コントローラが有する記憶部に記憶された、
発進モードにおける、チョッパ信号の目標デューティ比
を決定するマップである。
【図8】 コントローラが有する記憶部に記憶された、
標準モードにおける、チョッパ信号の目標デューティ比
を決定するマップである。
【図9】 コントローラが有する記憶部に記憶された、
標準モードにおける、全電流しきい値を決定するマップ
である。
【図10】 コントローラが有する記憶部に記憶され
た、発進モードにおける、全電流しきい値を決定するマ
ップである。
【図11】 コントローラが有する記憶部に記憶され
た、発進モードにおける、目標デューティ比に対する割
合を決定するマップである。
【符号の説明】
1…車両、2R…右レグ、2L…左レグ、4R…右前
輪、4L…左前輪、5R…右前輪用モータ、5L…左前
輪用モータ、6…後輪回転速度センサ、7…後輪、9…
後輪用モータ、12…アクセルレバー、15…液晶表示
装置、15a,15b…入力キー、23…コントロー
ラ、40…右前輪モータ用コンタクタ、41…左前輪モ
ータ用コンタクタ、50…CPU、R…回転速度、S…
操作量、E…車両速度しきい値

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方の左右両側に設けられたレグ
    と、該レグに設けられた前輪と、該前輪を駆動する前輪
    用モータと、該車両の下部に設けられた後輪と、該後輪
    を駆動する後輪用モータと、該後輪を操舵する操舵装置
    とから成るリーチ式フォークリフトの駆動制御装置にお
    いて、 該前輪用モータを作動させる電気エネルギー供給経路を
    開閉する手段と、車両速度を検出する手段と、車両速度
    のしきい値を可変で設定する手段と、車両速度を検出す
    る該手段により検出した速度が、車両速度のしきい値を
    可変で設定する該手段により予め設定されたしきい値を
    越えたか否かを判断する手段と、しきい値を越えたか否
    かを判断する該手段により車両速度が該しきい値を越え
    ていないと判断した時に、前輪用モータを作動させる電
    気エネルギー供給経路を開閉する該手段により電気エネ
    ルギー供給経路を開き前輪を駆動可能とする一方、車両
    速度が該しきい値を越えたと判断した時には、前輪用モ
    ータを作動させる前輪駆動回路部を開閉する該手段によ
    り電気エネルギー供給経路を閉じ、前輪を駆動不能な従
    動輪とする処理手段とを有していることを特徴とするリ
    ーチ式フォークリフトの駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 車両速度のしきい値を可変で設定する前
    記手段が、車両の運転席に設けられ、入力機能を備えた
    液晶表示装置を有していることを特徴とする、請求項1
    記載のリーチ式フォークリフトの駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 車両速度を検出する前記手段が、後輪回
    転速度を検出する手段と、後輪回転速度を検出する該手
    段により検出した後輪回転速度から車両速度を算出する
    手段とを有していることを特徴とする、請求項1、或い
    は請求項2記載のリーチ式フォークリフトの駆動制御装
    置。
  4. 【請求項4】 前記前輪用モータ及び前記後輪用モータ
    の電力をチョッパ制御する手段を有していることを特徴
    とする、請求項1、請求項2、或いは請求項3記載のリ
    ーチ式フォークリフトの駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 電気エネルギー供給経路が開き前輪が駆
    動可能となっている時の、前輪用モータと後輪用モータ
    に印加する電力のデューティ比を調節する前記手段によ
    り調節可能なデューティ比の上限値を、車両速度の前記
    しきい値に応じて可変にする手段と、調節可能なデュー
    ティ比の該上限値を、電気エネルギー供給経路が閉じ前
    輪が駆動不能な従動輪となっている時の、前輪用モータ
    と後輪用モータに印加する電力を調節する前記手段によ
    り調節可能な電力のデューティ比の上限値以下にする手
    段とを有していることを特徴とする、請求項4記載のリ
    ーチ式フォークリフトの駆動制御装置。
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