JP3203903B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置

Info

Publication number
JP3203903B2
JP3203903B2 JP24396293A JP24396293A JP3203903B2 JP 3203903 B2 JP3203903 B2 JP 3203903B2 JP 24396293 A JP24396293 A JP 24396293A JP 24396293 A JP24396293 A JP 24396293A JP 3203903 B2 JP3203903 B2 JP 3203903B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
element isolation
isolation region
well
sio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24396293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0774238A (ja
Inventor
信夫 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP24396293A priority Critical patent/JP3203903B2/ja
Publication of JPH0774238A publication Critical patent/JPH0774238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3203903B2 publication Critical patent/JP3203903B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Element Separation (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置、特に半導
体装置の素子分離領域に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CMOS等の半導体装置において、素子
分離は素子活性領域を電気的に分離し絶縁することであ
り、半導体装置の素子密度を決める上で重要な技術であ
る。通常、この素子分離を行なうための構成は、基板へ
不純物を注入することと、その上に厚い酸化膜を積層す
ることにより形成される。この半導体装置の素子分離領
域を形成する方法として、Si3 4 膜からなる耐酸化
性膜をマスクとして用いるLOCOS(Local O
xidation of Silicon)法が知られ
ている。
【0003】以下、この従来のLOCOS法を図13を
用いて説明する。
【0004】シリコン基板21上の表面に、熱酸化によ
るSiO2 膜22とCVDによるSi3 4 膜23をこ
の順で形成した後、素子領域となる部分にフォトレジス
トを形成し、このフォトレジストをマスクとして素子分
離領域に素子間寄生チャネル防止用のイオン注入を行な
う。その後、このフォトレジストをSi3 4 膜エッチ
ングのマスク材として使用して素子領域にSi3 4
を残し、その後フォトレジストを除去する。この状態
で、例えば1000℃の温度でO2 /H2 O雰囲気中で
酸化すると、Si3 4 膜は耐酸化性のために素子領域
は酸化されず、図中の24の開口部のみ酸化される。こ
の素子領域の酸化後、耐酸化材として用いられたSi3
4 膜を除去し、下地の薄いSiO2 膜をエッチングす
れば、素子領域にのみシリコン基板が露出し、SiO2
膜25からなる素子分離領域が形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
従来のLOCOS法による素子分離では以下の問題点を
有している。
【0006】素子分離領域のSiO2 膜上に配線部が形
成されると、この配線部はゲート電極の役割をし、この
配線部に流れる電圧が素子分離領域のSiO2 膜のしき
い値電圧以上となると、SiO2 膜下のシリコン基板が
反転して電流が流れ、素子分離が行なわれなくなるとい
う問題点がある。前記問題点を解決するために、従来素
子分離領域のSiO2 膜の膜厚を厚くすることが行なわ
れているが、この素子分離領域のSiO2 膜の膜厚を増
加させることは、以下の問題点を有している。
【0007】(1)素子分離領域のSiO2 膜の膜厚の
増加により、素子領域との間で段差が生じて半導体素子
の平坦性を欠く。
【0008】(2)素子分離領域のSiO2 膜の膜厚を
厚くすると、SiO2 膜の成長がSi3 4 膜の下方に
侵入して、いわゆるバーズビーク(鳥のくちばし)状の
酸化膜形成が助長され、マスク寸法とできあがり寸法と
の差が大きくなる。
【0009】また、素子領域にMOSFETを形成した
場合には、前記(2)のバーズビークによりトランジス
タのチャネル幅が縮小して、トランジスタのしきい値が
上昇する狭チャネル現象を引き起こすという問題点も有
している。
【0010】そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなさ
れたものであって、前記従来の素子分離の有する問題点
を解決し、半導体装置において素子分離領域を形成する
際に、設計寸法通りのトランジスタを形成でき、かつ高
い平坦性を有ることができる半導体装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化膜及び窒
化膜を順に形成してなるMNOS型の素子によって素子
分離領域を形成する半導体装置であって、素子分離領域
は、酸化膜及び窒化膜がpウエル及びnウエルの各ウエ
ル上で分離して形成され、pウエル上に形成される酸化
膜と窒化膜の界面とnウエル上に形成される酸化膜と窒
化膜の界面がそれぞれ異なる極性の電荷を蓄積される。
また、pウエル及びnウエル上に形成される酸化膜の膜
厚は共に3.0nm以下であり、pウエル上に形成され
るMNOS型の素子に正バイアスを印加することによっ
てpウエル上に形成される酸化膜と窒化膜の界面にマイ
ナス電荷を蓄積し、nウエル上に形成されるMNOS型
の素子に負バイアスを印加することによってnウエル上
に形成される酸化膜と窒化膜の界面にプラス電荷を蓄積
する。また、pウエル及びnウエル上に形成される酸化
膜の膜厚は共に3.0nmを超えるものであり、pウエ
ル上に形成されるMNOS型の素子に負バイアスを印加
することによってpウエル上に形成される酸化膜と窒化
膜の界面にマイナス電荷を蓄積し、nウエル上に形成さ
れるMNOS型の素子に正バイアスを印加することによ
ってnウエル上に形成される酸化膜と窒化膜の界面にプ
ラス電荷を蓄積する。
【0012】また、本発明は、酸化膜及び窒化膜を順に
形成してなるMNOS型の素子によって素子分離領域を
形成する半導体装置であって、素子分離領域は、膜厚が
3.0nm以下の第1の酸化膜と、この第1の酸化膜と
窒化膜との界面に蓄積された電荷により形成される第1
素子分離領域と、膜厚が3.0nmを超える第2の酸化
膜と、この第2の酸化膜と窒化膜との界面に蓄積された
電荷により形成される第2素子分離領域とを備える。ま
た、第1素子分離領域と第2素子分離領域は、pウエル
及びnウエルをまたがって連続して形成され、第1素子
分離領域はpウエル上に形成され、第2素子分離領域は
nウエル上に形成され、第1素子分離領域及び第2素子
分離領域に正バイアスの印加によって、第1素子分離領
域の酸化膜と窒化膜の界面にマイナス電荷を蓄積し、第
2素子分離領域の酸化膜と窒化膜の界面にプラス電荷を
蓄積する。また、第1素子分離領域と第2素子分離領域
は、pウエル及びnウエルをまたがって連続して形成さ
れ、第1素子分離領域はnウエル上に形成され、第2素
子分離領域はpウエル上に形成され、第1素子分離領域
及び第2素子分離領域に負バイアスの印加によって、第
1素子分離領域の酸化膜と窒化膜の界面にプラス電荷を
蓄積し、第2素子分離領域の酸化膜と窒化膜の界面にマ
イナス電荷を蓄積する。
【0013】そして、本発明のMNOS型の素子の有す
る酸化膜と窒化膜の界面の電荷は、MNOS型の素子に
印加する電圧により蓄積することができるものである。
【0014】なお、本発明において、MNOS型の素子
は、シリコン基板上に極めて薄いSiO2 膜とSi3
4 膜とPolySi膜からなる3層膜により構成される
ものである。
【0015】
【作用】本発明によれば、MNOS型の素子を有する半
導体装置において、少なくも膜厚が3.0nm以下の酸
化膜と、その酸化膜と窒化膜の界面に蓄積された電荷に
より素子分離領域を構成するものであり、この蓄積電荷
により素子分離領域の素子分離反転電圧を高め、素子分
離の機能を向上させることができる。そして、この電荷
は、MNOS型の素子に電圧を印加することにより蓄積
することができるものであり、酸化膜の膜厚が3.0n
m以下の場合には、印加した電圧の極性と逆極性の電荷
を蓄積することができる。
【0016】また、本発明によれば、MNOS型の素子
を有する半導体装置において、少なくも膜厚が3.0n
m以下の第1の酸化膜と、膜厚が3.0nmを超える第
2の酸化膜と、第1の酸化膜と窒化膜の界面及び第2の
酸化膜と窒化膜の界面に蓄積された電荷により半導体装
置素子分離領域を構成するものであり、この蓄積電荷に
より素子分離領域の素子分離反転電圧を高め、素子分離
の機能を向上させることができる。そして、この電荷
は、MNOS型の素子に電圧を印加することにより蓄積
することができるものであり、第1の酸化膜と窒化膜の
界面及び第2の酸化膜と窒化膜の界面に対して同極性の
電圧を印加し、膜厚が3.0nm以下の第1の酸化膜の
界面では印加した電圧の極性と逆極性の電荷を蓄積し、
酸化膜の膜厚が3.0nmを超える第1の酸化膜の界面
では印加した電圧の極性と同極性の電荷を蓄積すること
ができる。
【0017】そして、この蓄積電荷により素子分離領域
の素子分離反転電圧を高め、これにより半導体装置に電
流が流れるために必要な反転電圧を高くして素子分離の
機能を向上させる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照しながら詳
細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものでは
ない。
【0019】〔実施例1〕図1は、本発明の実施例1の
半導体装置の断面図、及び製造工程を説明する図であ
る。
【0020】(実施例1の半導体装置の構成)はじめ
に、実施例1の半導体装置の構成を、図1の(c)に示
す実施例1の半導体装置の断面図を用いて説明する。な
お、ここでは、p型シリコン層1の基板にpウェル5と
nウェル6上が形成されるCMOSを例にして説明す
る。
【0021】本発明の半導体装置の素子分離領域に用い
る半導体素子は、MNOS(Metal Nitrid
e Oxide Semiconductor)型の素
子により構成される。一般に、このMNOS型素子は、
シリコン基板上に極めて薄いSiO2 膜を形成し、さら
にその上にSi3 4 膜を設け、さらに多結晶シリコン
(以下、PolySi膜という)を設けた3層膜により
構成される。
【0022】図1の(c)において、pウェル5及びn
ウェル6上には素子分離領域100と素子領域200が
形成され、素子領域200は素子分離領域100により
電気的に分離されている。そして、この素子分離領域1
00は、前記MNOS型素子により構成され、pウェル
5側、nウェル6側から順にSiO2 膜2、Si3 4
膜3、及びPolySi膜4を積層して構成され、さら
にその上に絶縁膜としてのSiO2 膜8を設け、その上
に配線用のAl膜9を配し、さらにその上に保護膜とし
てSiN膜10を設けることにより半導体装置を構成し
ている。そして、本発明の実施例1の半導体装置におい
ては、素子分離領域100を構成するSiO2 膜2の膜
厚tを3.0nm以下とし、SiO2 膜2とSi3 4
膜3の界面に電荷が蓄積した構成とするものである。
【0023】(実施例1の作用)素子分離領域におい
て、従来、基板表面の不純物の高濃度化、あるいはゲー
ト酸化膜厚の増加により素子分離を行なっているのに対
して、実施例1の構成の半導体装置では、素子分離領域
の素子分離反転電圧を増加させることにより素子分離を
行なう点で相違している。素子分離領域のPolySi
膜に印加される電圧が、素子分離領域のSiO2 膜のし
きい値電圧以上となると、SiO2 膜下のシリコン基板
が反転して電流が流れ、素子分離領域の電気的絶縁が損
なわれて素子分離が行なわれなくなる。そこで、本発明
ではこのSiO2 膜のしきい値電圧を上昇させることに
より、シリコン基板が反転する素子分離反転電圧を高
め、これにより素子分離の機能を向上させるものであ
る。そして、本発明においては、前記素子分離反転電圧
を高めるために、MNOS型素子におけるSiO2 膜と
Si3 4 膜の界面に蓄積した電荷によってフラットバ
ンド電圧を上昇させるものである。以下、(a)SiO
2 膜とSi3 4 膜の界面への電荷の蓄積、(b)蓄積
電荷によるフラットバンド電圧のシフト、(c)フラッ
トバンド電圧のシフトによる素子分離反転電圧の上昇に
ついて順に説明する。なお、以下では主にp型半導体を
例にして説明する。
【0024】(a)SiO2 膜とSi3 4 膜の界面へ
の電荷の蓄積:p型半導体のSiO2 膜とSi3 4
の界面への電荷の蓄積は、PolySi側に正バイアス
を印加することにより行なわれる。図2はMNOS型素
子のエネルギーバンド構造を示しており、図3はMNO
S型素子の電荷状態を示す図である。p型半導体上に設
けられたMNOS型素子のPolySi膜側に正バイア
スを印加すると、MNOS型素子の最下層のSiO2
の膜厚が3.0nm以下の薄い場合には、トンネル効果
により電子がこのSiO2 膜を通過し、Si3 4 膜、
及びSiO2 膜とSi3 4 膜の界面へ電荷が蓄積さ
れ、マイナスにチャージされる。この電荷の蓄積は、S
3 4 膜あるいはSiO2 膜とSi3 4 膜の界面に
ある捕獲中心において行なわれる。電荷が蓄積される
と、図4の電荷が蓄積された場合のMNOS型素子のエ
ネルギーバンド構造に示すように、マイナスチャージに
よってPolySi側に負バイアスを印加したときと同
じ効果が生じて(図の矢印参照)、エネルギーバンドが
湾曲する。
【0025】(b)蓄積電荷によるフラットバンド電圧
の上昇:図5は蓄積電荷がある場合のフラットバンド電
圧を説明するためのエネルギーバンド構造図であり、図
5の(a)は前記図4に示すようにSi3 4 膜、Si
2 膜とSi3 4 膜の界面における電荷の蓄積により
エネルギーバンドが湾曲している。このエネルギーバン
ドの湾曲を補正するために、p型半導体上に設けられた
MNOS型素子のPolySi側に印加するのに必要な
電圧がフラットバンド電圧Vfbであり、このときのフ
ラットバンド電圧Vfbのフラットバンドシフト量ΔV
fbは次式(1)により表され、Si3 4 の膜厚の関
数となる。
【0026】 ΔVfb=Φms−(ε0 ×ε(SiO2 ))-1×Qtrap×t(Si3 4 ) ×ε(SiO2 )/ε(Si3 4 ) …(1) =Φms−Qtrap×t(Si3 4 )/(ε0 ×ε(Si3 4 ) なお、上式において、Φmsは仕事関数差、ε0 は真空
の誘電率、ε(SiO2)はSiO2 の比誘電率、ε
(Si3 4 )はSi3 4 の比誘電率、Qtrapは蓄積
電荷密度、t(Si3 4 )はSi3 4 の膜厚であ
り、第1の項は仕事関数差による項であり、第2の項は
蓄積電荷による項である。
【0027】これに対して、図6は蓄積電荷が無い場合
のフラットバンド電圧を説明するためのエネルギーバン
ド構造図であり、このエネルギーバンド構造は、前記正
バイアスを印加した場合に対して、バイアスを印加せず
従って電荷が蓄積されていない状態である。この場合の
エネルギーバンドの湾曲は仕事関数差によるものであ
り、前記式(1)の蓄積電荷による項を有していない。
p型半導体の場合、正のバイアスを印加してマイナスの
電荷を蓄積した場合と蓄積電荷が無い場合とを比較する
と、このマイナスの電荷が蓄積されている場合ではQ
trapは負の値であるため、フラットバンド電圧Vfbは
蓄積電荷によりプラス方向にシフトする。
【0028】なお、ここで、大きなフラットバンドシフ
ト量ΔVfbを得るためには、Si3 4 の膜厚t(S
3 4 )を厚くすればよいが、半導体装置の平坦性と
トレードオフの関係にあるため、Si3 4 の膜厚は半
導体装置に応じた膜厚に設定されることになる。
【0029】なお、n型半導体の場合には、負のバイア
スを印加してプラスの電荷を蓄積し、これによりフラッ
トバンド電圧Vfbは蓄積電荷によりマイナス方向にシ
フトする。図8はMNOS型素子のn型半導体に負バイ
アスを印加したときのエネルギーバンド構造を示してお
り、図9はMNOS型素子に負バイアスを印加したとき
の電荷状態を示す図であり、図10は正の電荷が蓄積さ
れた場合のMNOS型素子のエネルギーバンド構造であ
り、プラスチャージによってPolySi側に正バイア
スを印加したときと同じ効果が生じて(図の矢印参
照)、エネルギーバンドが湾曲する。
【0030】(c)フラットバンド電圧のシフトによる
素子分離反転電圧の上昇:素子分離反転電圧は、MOS
ダイオードの反転しきい値に対応しており、一般にp型
半導体のMOSダイオードの反転しきい値Vthは次式
によって表され、フラットバンド電圧Vfbの増加によ
り上昇する関係にある。
【0031】Vth=2φf +Vfb+QB /C0 なお、φf はフェルミポテンシャル差、QB は空乏層内
の電荷、C0 は酸化膜の容量である。従って、p型半導
体の素子分離反転電圧は、フラットバンド電圧Vfbを
プラス方向にシフトすることにより上昇させることがで
き、SiO2 膜のしきい値電圧を上昇させることによ
り、シリコン基板が反転する素子分離反転電圧を高め、
これにより素子分離の機能を向上させる。
【0032】また、n型半導体の場合には、MOSダイ
オードの反転しきい値Vthは次式によって表され、フ
ラットバンド電圧Vfbのマイナス方向の増加により、
マイナス方向に上昇する関係にある。
【0033】 Vth=−2|φf |+Vfb−QB /C0 従って、n型半導体の場合の素子分離反転電圧は、負の
バイアス印加によるプラス電荷の蓄積によって、フラッ
トバンド電圧Vfbをマイナス方向にシフトさせること
によりマイナス方向に上昇させることができ、SiO2
膜のしきい値電圧を上昇させることにより、シリコン基
板が反転する素子分離反転電圧を高め、これにより素子
分離の機能を向上させる。
【0034】(実施例1の製造工程):次に、本発明の
実施例1の構成の半導体装置を形成する製造工程につい
て図1を用いてp型シリコン基板を例として説明する。
【0035】まず、p型シリコン基板1上にpウェル5
及びnウェル6を形成する。そして、800℃、O2
2 雰囲気で全面を酸化し、3.0nmのSiO2 膜2
を形成し、その上に60nmのSi3 4 膜3、100
nmのリンドープPolySi膜4の3層膜を減圧CV
D法により順次堆積する。その後、素子分離領域100
にのみ前記3層膜が残るようにパターニングする。なお
この際、pウェル5とnウェル6にまたがる3層膜は分
離するようにパターニングする(図1の(a)の工
程)。次に、900℃、O2 雰囲気で酸化し、15nm
のSiO2 膜8をゲート酸化膜として形成した後、ゲー
ト電極用の400nmのリンドープPolySi膜7を
パターニングし、イオン注入、熱処理によりn拡散層、
p拡散層をそれぞれ形成する。例えば、このn拡散層の
形成ではAsイオンを100keV、3×1015cm-2
の条件によりイオン注入を行い、p拡散層の形成ではB
2 イオンを50keV、5×1015cm-2の条件によ
りイオン注入を行い、900℃で60分の熱処理により
活性化して形成する(図1の(b)の工程)。
【0036】次に、層間絶縁膜としてSiO2 膜を減圧
CVD法で形成した後、コンタクトホールのパターニン
グを施し、配線としてAl膜9をスパッタ法で堆積し、
パターニングする。この際、pウェル5上の素子分離領
域のPolySi膜4は1つのパッドに配線し、nウェ
ル6上の素子分離領域のPolySi膜4は別の1つの
パッドに配線する(図1の(c)の工程)。
【0037】その後、パッシベーション膜としてプラズ
マSiN膜10等を堆積しパターニングした後、400
℃で30分、H2 雰囲気の熱処理する。その後、pウェ
ル5上の素子分離領域のPolySi膜4に対して+3
0Vで2分の正バイアスの電圧ストレスを印加すること
により、pウェル5上の素子分離領域のSi3 4 /S
iO2 界面にマイナスチャージを蓄積して、素子分離反
転電圧を大きくし、nウェル6上の素子分離領域のPo
lySi膜4に対して−30Vで2分の負バイアスの電
圧ストレスを印加することにより、nウェル6上の素子
分離領域のSi3 4 /SiO2 界面にプラスチャージ
を蓄積して、素子分離反転電圧を大きくする。
【0038】なお、ウェハプロセス工程中において、素
子分離領域のPolySi膜に電圧を印加し電荷を蓄積
すると、熱処理工程中において蓄積電荷が変化する恐れ
があるため、素子分離領域のPolySi膜への電圧印
加、及び電荷蓄積は、ウェハプロセス終了後に行なう。
例えば、実験結果によれば、900℃の熱処理により蓄
積電荷が抜けて初期状態となる。
【0039】(実施例1特有の効果)本発明の実施例1
では、p型シリコン基板上及びn型シリコン基板上に形
成されたMNOS型素子の素子分離反転電圧の上昇を、
そのMNOS型素子の最下層のSiO2 膜の膜厚を異な
らせることなく同一としたままで、印加するバイアスの
正負を異ならせることにより可能とできる。
【0040】〔実施例2〕次に、本発明の実施例2につ
いて説明する。図12は、本発明の実施例2の半導体装
置の断面図、及び製造工程を説明する図である。
【0041】(実施例2の半導体装置の構成)はじめ
に、実施例2の半導体装置の構成を、図12(c)に示
す実施例2の半導体装置の断面図を用いて説明する。な
お、ここでは、実施例1の同様にp型シリコン層11の
基板にpウエル15とnウエル16が形成されるCMO
Sを例にして説明する。
【0042】本発明の半導体装置の素子分離領域に用い
る半導体素子は、MNOS型の素子により構成され、図
12の(c)において、例えばpウェル15上には素子
分離領域110と素子領域210が形成され、素子領域
210は素子分離領域110により電気的に分離されて
いる。そして、この素子分離領域110は、前記MNO
S型素子により構成され、pウェル15側から順にSi
2 膜12−2、Si3 4 膜13、及びPolySi
膜14を積層して構成され、さらにその上に絶縁膜とし
てのSiO2 膜18を設け、その上に配線用のAl膜1
9を配し、さらにその上に保護膜としてSiN膜20を
設けることにより半導体装置を構成している。また、n
ウェル16上にも素子分離領域120と素子領域220
が形成され、素子分離領域120は前記素子分離領域1
10と同様の構成により形成される。
【0043】そして、実施例2においては、pウエル1
5側の素子分離領域110を構成するSiO 膜12
−2の膜厚tを3.0nm以下の薄い膜とし、SiO
膜12−2とSi 膜13の界面に負の電荷
を蓄積した構成とし、また、nウエル16側の素子分離
領域120を構成するSiO 膜12−1の膜厚tを
3.0nmを超える膜厚(例えば、3.5nm以上)の
厚い膜とし、SiO膜12−1とSi 膜1
3の界面に正の電荷を蓄積した構成とするものである。
【0044】(実施例2の作用)素子分離領域におい
て、実施例2の構成の半導体装置では、素子分離領域の
素子分離反転電圧を増加させることにより素子分離を行
なう点において従来のものと相違する点で前記実施例1
と同様であり、前記実施例1とは、pウェル側の素子分
離領域とnウェル側の素子分離領域のSiO2 膜の膜
厚、及びSiO2 膜とSi3 4 膜の界面に蓄積される
電荷の点で相違している。
【0045】本発明の実施例2においては、素子分離領
域における素子分離の作用は前記実施例1と同様であ
り、SiO2 膜のしきい値電圧を上昇させることによ
り、シリコン基板が反転する素子分離反転電圧を高めて
素子分離の機能を向上させるものであり、前記素子分離
反転電圧を高めるために、MNOS型素子におけるp型
とn型のシリコン基板に対するSiO2 膜の膜厚を異な
らせ、同一の極性の電圧を印加し、その膜厚の相違によ
りSiO2 膜とSi3 4 膜の界面に蓄積する電荷の極
性を異ならせ、さらにこの蓄積電荷によってフラットバ
ンド電圧を上昇させるものである。以下、(a)SiO
2 膜とSi3 4 膜の界面への電荷の蓄積、(b)蓄積
電荷によるフラットバンド電圧のシフト、(c)フラッ
トバンド電圧のシフトによる素子分離反転電圧の上昇に
ついて順に説明する。
【0046】(a)SiO2 膜とSi3 4 膜の界面へ
の電荷の蓄積:p型半導体側の素子分離領域110のS
iO2 膜12−2の膜厚tを3.0nm以下の薄い層と
し、n型半導体側の素子分離領域120のSiO2 膜1
2−1の膜厚tを3.0nm以上の厚い層とする構成に
おいて、電荷の蓄積は両素子分離領域のPolySi側
に正バイアスを印加することにより行なわれる。
【0047】p型半導体側の素子分離領域110のSi
2 膜12−2の膜厚tを3.0nm以下の薄い層とし
た場合は、前記図2〜4に示すように、p型半導体のM
NOS型素子のPolySi膜側への正バイアスの印加
により、トンネル効果により電子がこのSiO2 膜を通
過し、Si3 4 膜、及びSiO2 膜とSi3 4 膜の
界面へ負の電荷が蓄積され、マイナスにチャージされ
る。このマイナスチャージによってPolySi側に負
バイアスを印加したときと同じ効果が生じてエネルギー
バンドが湾曲する。
【0048】一方、n型半導体側の素子分離領域120
のSiO2 膜12−1の膜厚tを3.0nm以上の厚い
層とした場合には、SiO2 膜を直接トンネリングする
電荷が減少し、PolySi膜の電極から注入される電
荷が支配的となる。従って、正バイアスを印加した場合
には、トンネリングによるマイナスの電荷よりも電極か
らのプラスの電荷が多くなる。
【0049】(b)蓄積電荷によるフラットバンド電圧
のシフト:図5の(a)に示すようにSi3 4 膜、S
iO2 膜とSi3 4 膜の界面への電荷の蓄積によりエ
ネルギーバンドが湾曲する。このエネルギーバンドの湾
曲を補正するために、PolySi側に印加するのに必
要な電圧がフラットバンド電圧Vfbであり、このとき
のフラットバンド電圧Vfbのフラットバンドシフト量
ΔVfbは前記実施例1に示した式(1)により表さ
れ、Si3 4 の膜厚の関数となる。
【0050】これに対して、図6はバイアスを印加せ
ず、従って電荷が蓄積されていない状態である。この場
合のエネルギーバンドの湾曲は仕事関数差によるもので
あり、前記式(1)の蓄積電荷による項を有していな
い。負のバイアスを印加してプラスの電荷を蓄積した場
合と蓄積電荷が無い場合とを比較すると、この負のバイ
アスを印加してプラスの電荷が蓄積されている場合で
は、Qtrapは正の値であるためフラットバンド電圧Vf
bは蓄積電荷によりプラス方向にシフトする。
【0051】一方、図7はSiO2 膜の膜厚が厚い場合
のフラットバンド電圧を説明するためのエネルギーバン
ド構造図である。前記したSiO2 膜の膜厚が3.0n
m以下の場合と蓄積電荷の極性が逆となるため、フラッ
トバンド電圧Vfbは蓄積電荷によりマイナス方向にシ
フトする。
【0052】図11はSiO2 膜の膜厚を3.0nmと
5.5nmとした場合の電荷注入量に対するフラットバ
ンド電圧シフトΔVfbを示した図であり、Si3 4
膜の膜厚が20nm、40nm、及び60nmの場合を
示している。なお、PolySi膜の膜厚を400n
m、電流を300pA、面積を0.00212cm2
している。図から、SiO2 膜の膜厚が3.0nmと
5.5nmでは、そのフラットバンド電圧シフトΔVf
bの方向が逆方向となっている。
【0053】従って、SiO2 膜の膜厚を選択すること
により同極性のバイアスを印加した場合でも、フラット
バンド電圧のシフト方向を変更することができる。
【0054】(c)フラットバンド電圧のシフトによる
素子分離反転電圧の上昇:実施例1で示したように素子
分離反転電圧は、p型半導体のMOSダイオードの反転
しきい値Vthは次式によって表され、フラットバンド
電圧Vfbのプラス方向のシフトにより上昇する関係に
ある。
【0055】Vth=2φf +Vfb+QB /C0 また、n型半導体の場合には、MOSダイオードの反転
しきい値Vthは次式によって表され、フラットバンド
電圧Vfbのマイナス方向の増加により、マイナス方向
に上昇する。
【0056】 Vth=−2|φf |+Vfb−QB /C0 従って、SiO2 膜の膜厚が3.0nm以下の場合に
は、正のバイアスの印加によるフラットバンド電圧Vf
bのプラス方向のシフトによって、p型半導体の素子分
離反転電圧はプラス方向に上昇し、SiO2 膜の膜厚が
3.0nmを超えた場合(例えば、3.5nm以上の場
合)には、正のバイアスの印加によるフラットバンド電
圧Vfbのマイナス方向のシフトによって、n型半導体
の素子分離反転電圧はマイナス方向に上昇する。
【0057】従って、SiO2 膜の膜厚を選択すること
により同極性のバイアスを印加した場合でも、素子分離
反転電圧の方向を逆方向に大きくすることができる。
【0058】これらの関係を表にすると、表1に示すも
のとなる。
【0059】
【表1】 (実施例2の製造工程):次に、本発明の実施例2の構
成の半導体装置を形成する製造工程について図9を用い
てp型シリコン基板を例として説明する。
【0060】まず、p型シリコン基板11上にpウェル
15及びnウェル16を形成する。そして、800℃、
2 /N2 雰囲気で全面を酸化し、4nmのSiO2
12を形成し、レジストパターニングをした後、pウェ
ル領域のSiO2 膜のみ1%HF溶液でエッチング除去
を行なう。レジストの除去の後、再度800℃、O2
2 雰囲気で酸化し、pウェル領域に3.0nmのSi
2 膜12−2を形成する。この際、nウェル領域の4
nmのSiO2 膜12−1の膜厚は5.5nmになって
いる。その後、60nmのSi3 4 膜13、100n
mのリンドープPolySi膜14を減圧CVD法によ
り順次堆積して、3層膜を形成する。その後、素子分離
領域にのみ前記3層膜が残るようにパターニングする
(図9の(a)の工程)。
【0061】次に、900℃、O2 雰囲気で酸化し15
nmのSiO2 膜18をゲート酸化膜として形成した
後、ゲート電極用の400nmのリンドープPolyS
i膜17をパターニングし、イオン注入、熱処理により
n拡散層、p拡散層をそれぞれ形成する。例えば、この
N拡散層の形成ではAsイオンを100keV、3×1
15cm-2の条件によりイオン注入を行い、p拡散層の
形成ではBF2 イオンを50keV、5×1015cm-2
の条件によりイオン注入を行い、900℃で60分の熱
処理により活性化して形成する(図9の(b)の工
程)。
【0062】次に、層間絶縁膜としてSiO2 膜を減圧
CVD法で形成した後、コンタクトホールのパターニン
グを施し、配線としてAl膜19をスパッタ法で堆積
し、パターニングする。この際、pウェル15上の素子
分離領域のPolySi膜14は1つのパッドに配線
し、nウェル16上の素子分離領域のPolySi膜1
4は別の1つのパッドに配線する(図9の(c)の工
程)。
【0063】その後、パッシベーション膜としてプラズ
マSiN膜20等を堆積しパターニングした後、400
℃で30分、H2 雰囲気の熱処理する。その後、pウェ
ル15及びnウェル16上の素子分離領域のPolyS
i膜14に対して+30Vで2分の正バイアスの電圧ス
トレスを印加することにより、pウェル15上の素子分
離領域のSi3 4 /SiO2 界面にマイナスチャージ
を蓄積して、素子分離反転電圧を大きくし、nウェル1
6上の素子分離領域のSi3 4 /SiO2 界面にプラ
スチャージを蓄積して、素子分離反転電圧を大きくす
る。
【0064】(実施例2特有の効果)本発明の実施例2
では、p型Si基板上及びn型Si基板上に形成された
MNOS型素子の素子分離反転電圧の上昇を、印加バイ
アスの極性を異ならせることなく、同一極性のバイアス
の印加により行なうことができる。
【0065】〔実施例3〕次に、本発明の実施例3の半
導体装置について説明する。実施例3は、前記実施例1
に対して、MNOS型素子のSiO2 膜の膜厚が3.0
nmを超す(例えば、3.5nm以上)ものとし、正あ
るいは負のバイアスを印加して電荷を蓄積し、これによ
り素子分離反転電圧を高めるものである。
【0066】(実施例3の半導体装置の構成)実施例3
の半導体装置の構成は、前記実施例1の半導体装置の構
成とほぼ同様であり、SiO2 膜の膜厚の点で相違して
いる。以下、前記実施例1と相違している部分について
説明する。
【0067】実施例3の素子分離領域に用いる半導体素
子は、SiO2 膜とSi3 4 膜とPolySi膜の3
層膜からなるMNOS型の素子により構成され、素子分
離領域100を構成するSiO2 膜2の膜厚tが3.0
nmを超すものであり(例えば、3.5nm以上と
し)、正あるいは負のバイアスを印加することによりS
iO2 膜2とSi3 4 膜3の界面に電荷が蓄積した構
成とするものである。
【0068】(実施例3の作用)実施例3は、前記実施
例1と同様に素子分離反転電圧を高めるために、MNO
S型素子におけるSiO2 膜とSi3 4 膜の界面に蓄
積した電荷によってフラットバンド電圧を上昇させるも
のである。以下、(a)SiO2 膜とSi3 4膜の界
面への電荷の蓄積、(b)蓄積電荷によるフラットバン
ド電圧のシフト、(c)フラットバンド電圧のシフトに
よる素子分離反転電圧の上昇について順に説明する。
【0069】(a)SiO2 膜とSi3 4 膜の界面へ
の電荷の蓄積:p型半導体のSiO2 膜とSi3 4
の界面への電荷の蓄積は、PolySi側に負バイアス
を印加することにより行なわれる。SiO2 膜の膜厚が
3.0nmを超す場合は、膜厚が3.0nm以下の場合
と蓄積電荷の極性が逆となるため、負バイアスを印加す
るとSiO2 膜とSi3 4 膜の界面にはマイナスの電
荷が蓄積される。
【0070】これは、前記実施例1においてSiO2
の膜厚が3.0nm以下の場合に正バイアスを印加した
場合と同じ効果であり、エネルギーバンドが湾曲する。
【0071】一方、n型半導体のSiO2 膜とSi3
4 膜の界面への電荷の蓄積は、PolySi側に正バイ
アスを印加することにより行なわれる。SiO2 膜の膜
厚が3.0nmを超す場合は、膜厚が3.0nm以下の
場合と蓄積電荷の極性が逆となるため、正バイアスを印
加するとSiO2 膜とSi3 4 膜の界面にはプラスの
電荷が蓄積される。これは、前記実施例1においてSi
2 膜の膜厚が3.0nm以下の場合に負バイアスを印
加した場合と同じ効果であり、エネルギーバンドが湾曲
する。
【0072】(b)蓄積電荷によるフラットバンド電圧
の上昇:SiO2 膜とSi3 4 膜の界面への電荷の蓄
積は前記実施例1と同様であるので、この蓄積電荷によ
るフラットバンド電圧の上昇も前記実施例1と同様とな
り、p型半導体の場合には、フラットバンド電圧Vfb
は蓄積電荷によりプラス方向にシフトし、n型半導体の
場合には、フラットバンド電圧Vfbは蓄積電荷により
マイナス方向にシフトする。
【0073】(c)フラットバンド電圧のシフトによる
素子分離反転電圧の上昇:前記実施例1と同様に、p型
半導体の素子分離反転電圧は、フラットバンド電圧Vf
bをプラス方向にシフトすることにより上昇し、n型半
導体の場合には、フラットバンド電圧Vfbのマイナス
方向のシフトにより、マイナス方向に上昇する。
【0074】(実施例3の製造工程):本発明の実施例
3の構成の半導体装置を形成する製造工程は、前記実施
例1とほぼ同様であり、SiO2 膜の膜厚を3.0nm
を超える例えば3.5nm以上として形成する。そし
て、実施例1と同様の処理の後、pウェル5上の素子分
離領域のPolySi膜4に対して−30Vで2分の負
バイアスの電圧ストレスを印加することにより、pウェ
ル5上の素子分離領域のSi3 4 /SiO2 界面にマ
イナスチャージを蓄積して、素子分離反転電圧を大きく
し、また、nウェル6上の素子分離領域のPolySi
膜5に対して+30Vで2分の正バイアスの電圧ストレ
スを印加することにより、nウェル6上の素子分離領域
のSi3 4 /SiO2 界面にプラスチャージを蓄積し
て、素子分離反転電圧を大きくする。
【0075】(実施例3特有の効果)本発明の実施例3
では、p型シリコン基板上及びn型シリコン基板上に形
成されたMNOS型素子の素子分離反転電圧の上昇を、
そのMNOS型素子の最下層のSiO2 膜の膜厚を異な
らせることなく同一としたままで、印加するバイアスの
正負を異ならせることにより可能とできる。
【0076】〔実施例4〕次に、本発明の実施例4の半
導体装置について説明する。実施例4は、前記実施例2
の膜厚とバイアスの極性を異ならせて、p型半導体のM
NOS型素子のSiO 膜の膜厚が3.0nmを超す
(例えば、3.5nm以上)ものとして負バイアスを印
加して電荷を蓄積し、n型半導体のMNOS型素子のS
iO 膜の膜厚が3.0nm以下として負バイアスを
印加して電荷を蓄積し、これによって素子分離反転電圧
を高めるものである。
【0077】(実施例4の半導体装置の構成)実施例4
の半導体装置の構成は、前記実施例2の半導体装置の構
成とほぼ同様であり、SiO2 膜の膜厚と印加電圧の極
性の点で相違している。以下、前記実施例2と相違して
いる部分について説明する。
【0078】実施例4の素子分離領域に用いる半導体素
子は、SiO 膜とSi膜とPolySi膜
の3層膜からなるMNOS型の素子により構成され、素
子分離領域100を構成するp型半導体のMNOS型素
子のSiO 膜の膜厚を3.0nmを超す(例えば、
3.5nm以上)ものとして負バイアスを印加して電荷
を蓄積し、n型半導体のMNOS型素子のSiO
の膜厚を3.0nm以下として負バイアスを印加して電
荷を蓄積した構成とするものである。
【0079】(実施例4の作用)実施例4の素子分離領
域における素子分離の作用は前記実施例と同様であり、
SiO 膜のしきい値電圧を上昇させることにより、
シリコン基板が判定する素子分離反転電圧を高めて素子
分離の機能を向上させるものであり、前記素子分離反転
電圧を高めるために、MNOS型素子におけるp型とn
型のSi基板に対するSiO 膜の膜厚を異ならせる
とともに、その膜厚を前記実施例とは逆にp型半導体で
は厚くし(例えば、3.5nm以上)、n型半導体では
薄くし(例えば、3.5nm以下)、同一の極性の負の
バイアスを印加して、その膜厚の相違によりSiO
膜とSi 膜の界面に蓄積する電荷の正負を異
ならせ、この電荷によってフラットバンド電圧を上昇さ
せるものである。
【0080】以下、(a)SiO2 膜とSi3 4 膜の
界面への電荷の蓄積、(b)蓄積電荷によるフラットバ
ンド電圧のシフト、(c)フラットバンド電圧のシフト
による素子分離反転電圧の上昇について順に説明する。
【0081】(a)SiO2 膜とSi3 4 膜の界面へ
の電荷の蓄積:p型半導体側の素子分離領域110のS
iO2 膜12−2の膜厚tを3.0nmを超す(例え
ば、3.5nm以上)の厚い層とし、n型半導体側の素
子分離領域120のSiO2 膜12−1の膜厚tを3.
0nm以下の薄い層とする構成においては、両素子分離
領域のPolySi側に負バイアスを印加することによ
り行なわれる。
【0082】p型半導体側の素子分離領域110のSi
2 膜12−2の膜厚tが厚い場合には、負バイアスの
印加によりSi3 4 膜、及びSiO2 膜とSi3 4
膜の界面へ負の電荷が蓄積され、マイナスチャージされ
る。
【0083】一方、n型半導体側の素子分離領域120
のSiO2 膜12−1の膜厚tを3.0nm以下の薄い
層とした場合には、トンネル効果により負バイアスの印
加により正の電荷が蓄積されれ、プラスチャージされ
る。
【0084】(b)蓄積電荷によるフラットバンド電圧
のシフト:SiO2 膜とSi3 4膜の界面への電荷の
蓄積は前記実施例2と同様であるので、この蓄積電荷に
よるフラットバンド電圧の上昇も前記実施例2と同様に
となり、p型半導体の場合には、フラットバンド電圧V
fbは蓄積電荷によりプラス方向にシフトし、n型半導
体の場合には、フラットバンド電圧Vfbは蓄積電荷に
よりマイナス方向にシフトする。
【0085】(c)フラットバンド電圧のシフトによる
素子分離反転電圧の上昇:前記実施例2と同様に、p型
半導体の素子分離反転電圧は、フラットバンド電圧Vf
bをプラス方向にシフトすることにより上昇し、n型半
導体の場合には、フラットバンド電圧Vfbのマイナス
方向のシフトにより、マイナス方向に上昇する。
【0086】従って、SiO2 膜の膜厚を選択すること
により同極性のバイアスを印加した場合でも、素子分離
反転電圧の方向を逆方向に大きくすることができる。
【0087】(実施例4の製造工程):本発明の実施例
4の構成の半導体装置を形成する製造工程は、前記実施
例2とほぼ同様であり、p型半導体のSiO2 膜の膜厚
を厚く形成し、n型半導体のSiO2 膜の膜厚を薄く形
成する。その後、素子分離領域のPolySi膜に−3
0V、2分の電圧ストレスを印加することにより、p型
領域のSi3 4 /SiO2 界面にマイナス電荷を蓄積
し、n型領域のSi34 /SiO2 界面にプラス電荷
を蓄積して、素子分離反転電圧を大きくする。
【0088】(実施例4特有の効果)本発明の実施例4
では、p型シリコン基板上及びn型シリコン基板上に形
成されたMNOS型素子の素子分離反転電圧の上昇を、
印加バイアスの極性を異ならせることなく、同一極性の
バイアスの印加により行なうことができる。
【0089】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能で
あり、それらを本発明の範囲から排除するものではな
い。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
半導体装置において素子分離領域を形成する際に、設計
寸法通りのトランジスタを形成でき、かつ高い平坦性を
有ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の半導体装置の断面図、及び
製造工程を説明する図である。
【図2】MNOS型素子のエネルギーバンド構造を示す
図である。
【図3】MNOS型素子の電荷状態を示す図である。
【図4】電荷が蓄積された場合のMNOS型素子のエネ
ルギーバンド構造を示す図である。
【図5】蓄積電荷がある場合のフラットバンド電圧を説
明するためのエネルギーバンド構造図である。
【図6】蓄積電荷が無い場合のフラットバンド電圧を説
明するためのエネルギーバンド構造図である。
【図7】SiO2 膜の膜厚が厚い場合のフラットバンド
電圧を説明するためのエネルギーバンド構造図である。
【図8】MNOS型素子のn型半導体に負バイアスを印
加したときのエネルギーバンド構造を示し図である。
【図9】MNOS型素子に負バイアスを印加したときの
電荷状態を示す図である。
【図10】正の電荷が蓄積された場合のMNOS型素子
のエネルギーバンド構造である。
【図11】電荷注入量に対するフラットバンド電圧シフ
トΔVfbを示した図である。
【図12】本発明の実施例2の半導体装置の断面図、及
び製造工程を説明する図である。
【図13】従来のLOCOS法を説明する図である。
【符号の説明】
1,11 p型シリコン層 2,8,12,18 SiO2 膜 3,13 Si3 4 膜 4,14 PolySi膜 5,15 pウェル 6,16 nウェル 7,17 ゲートPolySi膜 9,19 Al膜 10,20 SiN膜 100,110,120 素子分離領域 200,210,220 素子領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−27239(JP,A) 特開 平2−98159(JP,A) 特開 平2−273956(JP,A) 特開 平4−348081(JP,A) 「超LSI総合事典」(西沢潤一監 修、垂井康夫編集)第73頁(「MNOS ])の項目参照)(株式会社サイエンス フォーラム 昭和63年3月31日発行) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/76 H01L 21/761 H01L 29/78

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化膜及び窒化膜を順に形成してなるM
    NOS型の素子によって素子分離領域を形成する半導体
    装置であって、 前記素子分離領域は、酸化膜及び窒化膜がpウエル及び
    nウエルの各ウエル上で分離して形成され、pウエル上
    に形成される酸化膜と窒化膜の界面とnウエル上に形成
    される酸化膜と窒化膜の界面がそれぞれ異なる極性の電
    荷を蓄積されることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記酸化膜の膜厚は共に3.0nm以下
    であり、pウエル上に形成されるMNOS型の素子に正
    バイアスを印加することによってpウエル上に形成され
    る酸化膜と窒化膜の界面にマイナス電荷を蓄積し、nウ
    エル上に形成されるMNOS型の素子に負バイアスを印
    加することによってnウエル上に形成される酸化膜と窒
    化膜の界面にプラス電荷を蓄積することを特徴とする請
    求項1記載の半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記酸化膜の膜厚は共に3.0nmを超
    えるものであり、pウエル上に形成されるMNOS型の
    素子に負バイアスを印加することによってpウエル上に
    形成される酸化膜と窒化膜の界面にマイナス電荷を蓄積
    し、nウエル上に形成されるMNOS型の素子に正バイ
    アスを印加することによってnウエル上に形成される酸
    化膜と窒化膜の界面にプラス電荷を蓄積することを特徴
    とする請求項1記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 酸化膜及び窒化膜を順に形成してなるM
    NOS型の素子によって素子分離領域を形成する半導体
    装置であって、 前記素子分離領域は、 膜厚が3.0nm以下の第1の酸化膜と、前記第1の酸
    化膜と窒化膜との界面に蓄積された電荷により形成され
    る第1素子分離領域と、 膜厚が3.0nmを超える第2の酸化膜と、前記第2の
    酸化膜と窒化膜との界面に蓄積された電荷により形成さ
    れる第2素子分離領域とを備えたことを特徴とする半導
    体装置。
  5. 【請求項5】 前記第1素子分離領域と第2素子分離領
    域は、pウエル及びnウエルをまたがって連続して形成
    され、 第1素子分離領域はpウエル上に形成され、第2素子分
    離領域はnウエル上に形成され、 前記第1素子分離領域及び第2素子分離領域に対する正
    バイアスの印加によって、第1素子分離領域の酸化膜と
    窒化膜の界面にマイナス電荷を蓄積し、第2素子分離領
    域の酸化膜と窒化膜の界面にプラス電荷を蓄積すること
    を特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 前記第1素子分離領域と第2素子分離領
    域は、pウエル及びnウエルをまたがって連続して形成
    され、 第1素子分離領域はnウエル上に形成され、第2素子分
    離領域はpウエル上に形成され、 前記第1素子分離領域及び第2素子分離領域に対する負
    バイアスの印加によって、第1素子分離領域の酸化膜と
    窒化膜の界面にプラス電荷を蓄積し、第2素子分離領域
    の酸化膜と窒化膜の界面にマイナス電荷を蓄積すること
    を特徴とする請求項4記載の半導体装置。
JP24396293A 1993-09-02 1993-09-02 半導体装置 Expired - Lifetime JP3203903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24396293A JP3203903B2 (ja) 1993-09-02 1993-09-02 半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24396293A JP3203903B2 (ja) 1993-09-02 1993-09-02 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0774238A JPH0774238A (ja) 1995-03-17
JP3203903B2 true JP3203903B2 (ja) 2001-09-04

Family

ID=17111637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24396293A Expired - Lifetime JP3203903B2 (ja) 1993-09-02 1993-09-02 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3203903B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6376416B1 (en) 1998-07-21 2002-04-23 Japan Polychem Corporation Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
「超LSI総合事典」(西沢潤一監修、垂井康夫編集)第73頁(「MNOS])の項目参照)(株式会社サイエンスフォーラム 昭和63年3月31日発行)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6376416B1 (en) 1998-07-21 2002-04-23 Japan Polychem Corporation Olefin polymerization catalyst and process for producing olefin polymer

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0774238A (ja) 1995-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6344663B1 (en) Silicon carbide CMOS devices
US6483151B2 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
US4935379A (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
US6538278B1 (en) CMOS integrated circuit having PMOS and NMOS devices with different gate dielectric layers
US6849513B2 (en) Semiconductor device and production method thereof
WO1997039485A9 (en) Silicon carbide cmos and method of fabrication
JPH118352A (ja) 半導体集積回路装置及びその製造方法
JPH01205470A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP3203903B2 (ja) 半導体装置
JP2638578B2 (ja) Mos電界効果トランジスタ
JP2838938B2 (ja) 半導体集積回路装置の製造方法
JP3125929B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2970858B2 (ja) 半導体集積回路装置の製造方法
JPH10163338A (ja) 半導体装置とその製造方法
JP2000183177A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH113935A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPS63115361A (ja) 薄膜半導体装置
JP3191313B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2506947B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
JPS60133755A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH0766400A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPS6252470B2 (ja)
JPS6254959A (ja) Mis型半導体装置の製造方法
JPS63115360A (ja) 薄膜半導体装置
JPH0258368A (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010529

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100629

Year of fee payment: 9