JP3203520B2 - 漏洩検査装置における多目的気密装置 - Google Patents

漏洩検査装置における多目的気密装置

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JP3203520B2
JP3203520B2 JP05549891A JP5549891A JP3203520B2 JP 3203520 B2 JP3203520 B2 JP 3203520B2 JP 05549891 A JP05549891 A JP 05549891A JP 5549891 A JP5549891 A JP 5549891A JP 3203520 B2 JP3203520 B2 JP 3203520B2
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茂 奥山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多目的気密装置に係り、
特にヘリウム等の検査流体による漏洩検査、真空乾燥及
びパージ等に使用する、新規な多目的気密装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の気密装置1としては、例
えば、図4に示されているような構成のものが知られて
いる。図示されているように、リング状に形成された基
台2上には、複数の密閉容器3が載置されている。各密
閉容器3は、例えば上下に分割可能に形成され、それぞ
れの内部にワークを収納するようになっている。また、
上記リング状の基台2の中心位置には、ロータリーバル
ブ4が設けられており、各密閉容器3には該ロータリー
バルブ4に臨むように、それぞれノズル5が取り付けら
れている。各ノズル5は、上記ロータリーバルブ4から
放射線状に延出されたスプールパイプ6とそれぞれ接続
され、これらの系は各接続部においてシールされ気密的
に保持されている。
【0003】上記ロータリーバルブ4は、例えば図5に
示されているように、固定フランジ7と回転フランジ8
とを当接させ、該回転フランジ8を回転させて、これに
形成された弧状溝9を、上記固定フランジ7に形成され
た弧状溝10と連通させることにより、流体を給排する
ようになっている。
【0004】従って、一台のロータリーバルブ4の周り
に複数の密閉容器3を配置し、各密閉容器3に流体を給
排するため、上記固定フランジ7及び回転フランジ8
に、上記密閉容器3の数に相当する複数の弧状溝(図示
せず)が同芯円状に多重に形成されている。
【0005】このように構成された気密装置1を使用し
て例えばワークの漏洩検査を行う場合、各密閉容器3内
にヘリウム等の検査流体を充填したワークを収納してお
き、上記ロータリーバルブ4の固定フランジ7或いは回
転フランジ8に排気装置11を接続して、該ロータリー
バルブ4を介して各密閉容器3内を高真空にし、該ロー
タリーバルブ4に接続したディテクタ(図示せず)で、
上記ワークに充填された検査流体の漏洩の有無を検出し
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の気密
装置1にあっては、一台のロータリーバルブ4を介して
複数の密閉容器3に流体を給排しているため、ヘリウム
等の検査流体によりワークの漏洩検査を行う際、装置全
体を漏洩検査装置として使用しなければならず、一部の
密閉容器3をワークの真空乾燥及びパージ等の他の目的
に使用することはできなかった。
【0007】また、一台のロータリーバルブ4によって
複数の密閉容器3に流体を給排するには、上記固定フラ
ンジ7及び回転フランジ8に、複数の弧状溝を同芯円状
に多重に形成しなければならないので、ロータリーバル
ブ4及びその周りの配管の構造が複雑になるという問題
があった。
【0008】本発明の目的は、上記課題に鑑み、複雑な
構造のロータリーバルブを使用することなく、簡単な操
作で、ヘリウム等の検査流体による漏洩検査、真空乾燥
及びパージ等に、多目的に使用することができる気密装
置を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明に係
る漏洩検査装置における多目的気密装置によれば、ワー
クを収納するための分割可能な密閉容器と、この密閉容
器に進退自在に設けられ、外部に進出したときに開放
内部に後退したときに閉成する少なくとも一つの弁体
と、弁体を覆うように上記密閉容器に気密的に当接され
る連通ノズルを備えた密閉中継ユニットと、中継ユニッ
ト内から連通ノズル内へ進退自在に設けられ、弁体を密
閉容器の外部へ引き出すことにより該弁体を開放させる
ための開放手段と、密閉中継ユニットの連通ノズルに接
続された給排ノズルとからなり、該給排ノズルに、密閉
容器に収納した例えばワーク内に充填した検査流体の漏
洩を検出するためのリークディテクタ、密閉容器及び中
継ユニット内を真空引きするための排気装置及び密閉容
器と中継ユニット内をパージするためのパージラインを
接続することにより、達成される。
【0010】
【作用】上記構成によれば、密閉容器を分割して、その
内部にワークを収納し、この密閉容器に、これに取り付
けられた弁体を覆うように密閉中継ユニットの連通ノズ
ルを気密的に当接させる。この状態で、上記中継ユニッ
ト内から連通ノズル内へチャッキング装置を進出させ、
このチャッキング装置を上記弁体に係合して、これを進
出させ開放させる。これにより、密閉容器の内部と中継
ユニットの内部とは連通される。
【0011】従って、上記中継ユニットの給排ノズル
に、ワーク内に充填した検査流体の漏洩を検出するため
のリークディテクタ、密閉容器及び中継ユニット内を真
空引するための排気装置、及び密閉容器及び中継ユニッ
ト内をパージするためのパージライン等を接続すれば、
上記中継ユニットの連通ノズルを密閉容器に気密的に当
接させ、上記チャッキング装置で弁体を開放するだけの
簡単な操作で、それぞれの目的に応じた作業を行うこと
ができることになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る多目的気密装置の好適な
一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は本発明に係る多目的気密装置の系統
図を示すものであり、図2はその要部を示す平面図であ
る。図示されているように、無端状の基台20上には、
複数の密閉容器21が載置されており、この無端状の基
台20はこれら密閉容器21を載置したまま回転移動す
るように駆動手段(図示せず)を備えている。各密閉容
器21は両端が閉塞された円筒体を呈しており、ワーク
Wを収納すべく、上部容器21aと下部容器21bとに
分割可能に形成されている。これら上部容器21aと下
部容器21bとの接続部には、シールパッキン22が介
設されており、これらが一体化されたときに密閉される
ようになっている。本実施例にあっては、上記密閉容器
21を両端が閉塞された円筒体にて形成されているが、
これに限らず、例えば中空直方体等の他の形状に形成し
ても良い。また、密閉容器21は必ずしも上下方向に分
割可能に形成する必要はなく、一体化したときに密閉さ
れれば横方向に分割可能に形成しても良い。
【0014】さらに、各上部容器21aには、上記密閉
容器21を分割あるいは一体化させるための昇降手段2
3がそれぞれ備えられており、この昇降手段23は上記
無端状の基台20の回転移動と共回りするように、これ
に支持されている。この昇降手段23は、本実施例にあ
っては、例えば、油圧あるいは空気圧等の圧力流体によ
り駆動される第1のシリンダ装置24によって構成され
ている。このシリンダ装置24は、第1の流体給排ライ
ン25a,25bを介して圧力ポンプ26に接続されて
いる。この第1の流体給排ライン25a,25bには、
圧力流体の給排を切り換えるための第1の切換弁27が
介設されており、該第1の切換弁27には流体貯留タン
ク64が接続されている。本実施例にあっては、上記昇
降手段23をシリンダ装置24にて形成したが、これに
限らず、例えば、ボールネジとナット等の機構を採用し
ても良く、また上記密閉容器21に昇降手段24を備え
ないで、作業性は劣るが天井クレーン等を使用しても良
い。
【0015】また、各下部容器21bの側壁には、二つ
の弁体28が進退自在にそれぞれ取り付けられている。
弁体28は一端が閉塞された円筒体にて形成され、その
閉塞部28aは円板状を呈し、円筒部28bからその径
方向外方に張り出しており、その中心部にはノブ部28
cがその軸方向外方に突き出して形成されている。ま
た、上記弁体28の円筒部28bには、その軸方向に沿
って数条のスリット(図示せず)が切り込まれている。
そして、この弁体28は上記下部容器21bに形成され
た弁体取付ノズル29内に挿入され、該弁体28の円筒
部28bにはコイルスプリング30が外装されている。
このコイルスプリング30は上記弁体28の開口端部2
8dと弁体取付ノズル29との間に圧縮状態で介設され
ている。さらに、上記弁体28の閉塞部28bの上記弁
体取付ノズル29と当接する部分にはOリング等のシー
ルパッキン31が設けられており、上記コイルスプリン
グ30の伸長により上記弁体取付ノズル29の平面部2
9aに付勢され、上記密閉容器21内をシールするよう
になっている。即ち、上記弁体28はコイルスプリング
30により進退自在に取り付けられ、これが弁体取付ノ
ズル29から外部へ進出したときに、その円筒部28b
に切り込まれたスリットにより上記密閉容器21の内部
が外部と連通されて開放され、該弁体28が弁体取付ノ
ズル29の内部に後退したときに、その閉塞部28bに
設けられたシールパッキン31が弁体取付ノズル29の
平面部29aに付勢されて閉成されるようになってい
る。本実施例にあっては、上記弁体28を下部容器21
bの側壁に取り付けたが、上記上部容器21aに取り付
けても良い。また、上記密閉容器21には、必ずしも二
つの弁体28を取り付ける必要はなく、少なくとも一つ
の弁体28が取り付けられていれば良い。
【0016】そして、上記無端状の基台20の周りに
は、複数の中継ユニット32が設けられている。この中
継ユニット32のユニット本体32aは直方体状のケー
シングによって形成されており、その密閉容器21に臨
んだ側壁には中継ユニット32と密閉容器21とを接続
するための連通ノズル33が備えられている。この連通
ノズル33の先端部側の内径は、上記密閉容器21に取
り付けた弁体28の閉塞部28bの外径よりも大きく形
成されている。さらに、上記連通ノズル33の平面部3
3aには、Oリング等のシールパッキン34が設けられ
ており、上記弁体取付ノズル29の平面部29aに気密
的に当接するようになっている。
【0017】また、この中継ユニット32内には、弁体
28に係合してこれを開放させるためのチャッキング装
置35が設けられている。このチャッキング装置35
は、上記ユニット本体32aに支持された円筒状のロッ
ドガイド36内に設けられており、該ロッドガイド36
は上記連通ノズル33と同軸上で気密的に接続されてい
る。即ち、連通ノズル33及びロッドガイド36は上記
ユニット本体32aを直状に貫通しており、これらのユ
ニット本体32aへの取り付けはシールパッキン37,
38を介してなされている。
【0018】チャッキング装置35は、上記ロッドガイ
ド36内に挿通されるチャックロッド39と、該チャッ
クロッド39の上記連通ノズル33側の端部に取り付け
られたチャック40と、他端部に取り付けられた第2の
シリンダ装置41とから主になっている。このシリンダ
装置41は、例えば油圧あるいは空気圧等の圧力流体に
より駆動されるようになっており、上記ユニット本体3
2aにフレーム41aによって支持固定されている。こ
のシリンダ装置41は、第2の流体給排ライン42a,
42bを介して前記圧力ポンプ26に接続されている。
この第2の流体給排ライン42a,42bには、圧力流
体の給排を切り換えるための第2の切換弁43が介設さ
れており、該第2の切換弁43は前記流体貯留タンク6
4に接続されている。
【0019】第2のシリンダ装置41への圧力流体の給
排により上記チャックロッド39が上記ロッドガイド3
6内を進退して、これにより上記チャック40の爪40
aが開閉するようになっている。具体的には、チャック
40の爪40a同士の間には、コイルスプリング44が
介設されており、このコイルスプリング44により爪4
0aが開く方向に付勢されている。また、各爪40aの
外側にはテーパ部40bが形成され、上記チャックロッ
ド39が上記ロッドガイド36内を進出したときに、上
記爪40aがそのテーパ部40bに案内されて上記連通
ノズル33の拡径部33bまで達すると、チャック40
が開くようになっている。一方、チャックロッド39が
ロッドガイド36内に後退すると、上記爪40aがその
テーパ部40bに案内されて連通ノズル33の縮径部3
3cまで達することにより、コイルスプリング44を圧
縮して、上記チャック40が閉じるようになっている。
尚、ロッドガイド36にはシールパッキン45が二重に
設けられ、上記チャックロッド39を気密的に支承する
ようになっている。
【0020】ユニット本体32aは、上記密閉容器21
に臨んで中継ユニット32を往復移動させるための移動
基台46上に載置されている。この移動基台46には、
第3のシリンダ装置47が備えられており、このシリン
ダ装置47は、例えば、油圧あるいは空気圧等の圧力流
体により駆動されるようになっいる。このシリンダ装
置47は、第3の流体給排ライン48a,48bを介し
て前記圧力ポンプ26に接続されている。この第3の流
体給排ライン48a,48bには、圧力流体の給排を切
り換えるための第3の切換弁49が介設されており、該
第3の切換弁49は前記流体貯留タンク64に接続され
ている。この第3のシリンダ装置47への圧力流体の給
排により上記移動基台46が中継ユニット32を載置し
て往復移動し、往動したときに、上記中継ユニット32
に備えられた連通ノズル33の平面部33aが上記密閉
容器21に備えられた弁体取付ノズル29の平面部29
aと当接し、上記連通ノズル33の平面部33aに設け
られたシールパッキン34によりこれらの間の気密性が
維持されるようになっている。
【0021】さらに、中継ユニット32のユニット本体
32aには、給排ノズル50が取り付けられ、この給排
ノズル50は上記ロッドガイド36に気密的に接続され
ている。この給排ノズル50には、ティーズ等の配管フ
ィッティング(図示せず)を介して、漏洩検査ライン5
1、真空引ライン52及びパージライン53が接続され
ている。
【0022】漏洩検査ライン51には、第4の切換弁5
4を介してリークディテクタ55が接続されており、予
め前記ワークW内に充填した検査流体の漏洩を検出する
ようになっている。また、上記真空引ライン52の給排
ノズル50側の接続部には、ゲートバルブ56が介設さ
れ、該真空引ライン52は上記密閉容器21及び中継ユ
ニット32内を真空引するための排気装置57に接続さ
れている。さらに、この真空引ライン52は、上記排気
装置57の手前で分岐され、第5の切換弁58を介設し
た補助パージライン52aが接続されている。そして、
上記ゲートバルブ56には、第4の流体給排ライン59
a,59bを介して前記圧力ポンプ26に接続されてい
る。この第5の流体給排ライン59a,59bには、圧
力流体の給排を切り換えるための第6の切換弁60が介
設されており、該第6の切換弁60は前記流体貯留タン
ク64に接続されている。尚、上記ゲートバルブ56に
は、その内部圧力を検出するための検出ゲージ61が備
えられている。さらに、上記パージライン53は、上記
密閉容器21及び中継ユニット32内をパージするため
のラインであり、第7の切換弁62が介設されている。
上記第4の切換弁54、ゲートバルブ56及び第7の切
換弁62を開閉動作させることにより、ヘリウム等の検
査流体による漏洩検査、真空乾燥又はパージのいずれか
の操作が選択できるものである。本実施例にあっては、
一つの給排ノズル50に配管フィッティングを介して、
漏洩検査ライン51、真空引ライン52及びパージライ
ン53を接続したが、上記中継ユニット32に三つの給
排ノズル50を取り付けて、それぞれに漏洩検査ライン
51、真空引ライン52及びパージライン53を接続し
ても良い。そして、その他の目的に使用するラインを給
排ノズル50に接続する場合も同様である。
【0023】尚、本実施例にあっては、図2に示すよう
に密閉容器21を載置して回転移動する無端状の基台2
0の周りに適宜数のマニュプレータ63が設けられてい
る。このマニュプレータ63は、密閉容器21に二つの
弁体28が進退自在に取り付けられているので、いずれ
か一方の弁体28のノブ部28cを把持して引っ張るこ
とにより、該密閉容器21内をパージするときなどに使
用するものである。
【0024】次に、上記第1の実施例における作用を述
べる。上述したように、回転移動する無端状の基台20
上には複数の密閉容器21が載置されており、その周り
には所定数の中継ユニット32が備えられている。上記
密閉容器21は回転移動されることにより、順次、中継
ユニット32に近接あるいは離間されることになる。一
方、中継ユニット32は、上記密閉容器21に臨んで往
復移動する移動基台46上に載置されており、この密閉
容器21に近接あるいは離間されることになる。即ち、
作業対象となる密閉容器21が回転移動して上記中継ユ
ニット32の前に位置されたときに、上記無端状の基台
20を一時停止させる。
【0025】この状態で、本実施例の多目的気密装置の
運転は、例えば、図3に示すフローチャートに従ってな
される。先ず、上記昇降手段23としての第1のシリン
ダ装置24に第1の切換弁27を操作して上記第1の流
体供給ライン25a,25bから圧力流体を給排し、上
部容器21aを上昇させて密閉容器21を上下に分割
し、その内部にワークWを収納する。そして、上記第1
の切換弁27を切り換えて上記第1の流体供給ライン2
5a,25bから圧力流体を逆給排し、上部容器21a
を下降させて密閉容器21を一体化する(図中、ステッ
プA)。
【0026】次に、上記第3のシリンダ装置47に第3
の切換弁49を操作して上記第3の流体給排ライン48
a,48bから圧力流体を給排し、移動基台46を往動
移動させ、これに載置された中継ユニット32を作業対
象となる密閉容器21に近接させる。そして、中継ユニ
ット32に備えられた連通ノズル33の平面部33a
を、上記密閉容器21に備えられた弁体取付ノズル29
の平面部29aに当接させる。このとき、連通ノズル3
3は上記弁体取付ノズル29内に挿通された弁体28を
覆うように、該弁体取付ノズル29に当接されている。
上記連通ノズル33の平面部33aにはシールパッキン
34が設けられているので、これにより上記連通ノズル
33と弁体取付ノズル29との間の気密性が維持される
ものである(図中ステップB)。
【0027】この状態で、上記チャッキング装置35の
第2のシリンダ装置41に第2の切換弁43を操作して
上記第2の流体供給ライン42a,42bから圧力流体
を給排し、上記ロッドガイド36内からチャックロッド
39を進出させ、これにより上記チャック40の爪40
aを上記密閉容器21の弁体28に向かって進出させる
と共に、コイルスプリング44の付勢力でこれを開かせ
る。そして、上記第2の切換弁43を切り換えて、第2
のシリンダ装置41に上記第2の流体供給ライン42
a,42bから圧力流体を逆に給排し、上記ロッドガイ
ド36内にチャックロッド39を後退させ、これにより
上記チャック40の爪40aで弁体28を係合して引っ
張り、これを開放させる。このとき、弁体28の円筒部
28bに外装されたコイルスプリング30は圧縮状態に
なっている。この弁体28の円筒部28bにはスリット
が形成されているので、上記密閉容器21の内部と中継
容器32の内部とは連通されることになる。
【0028】次に、上記パージライン53の第7の切換
弁62を開放して、該パージライン53により上記中継
ユニット32を介して上記密閉容器21内を洗浄する
(図中ステップC)。このとき、上記漏洩検査ライン5
1の第4の切換弁54と、上記真空引ライン52のゲー
トバルブ56とは閉成されている。
【0029】または、上記真空引ライン52のゲートバ
ルブ56を開放して、該真空引ライン52の排気装置5
7により上記中継ユニット32を介して上記密閉容器2
1内に収納されたワークWの真空乾燥を行う(図中、ス
テップD)。このとき、上記パージライン53の第7の
切換弁62と上記漏洩検査ライン51の第4の切換弁5
4とは閉成されている。そして、ワークWの真空乾燥の
完了後、真空引ライン52から分岐された補助パージラ
イン52aの第5の切換弁58を開放して、上記密閉容
器21内をパージする。
【0030】または、密閉容器21内のワークWにヘリ
ウム等の検査流体を充填し(図中、ステップE)、上記
真空引ライン52のゲートバルブ56を開放して、該真
空引ライン52の排気装置57により上記中継ユニット
32を介して密閉容器21内を真空雰囲気にした後(図
中、ステップF)、上記漏洩検査ライン51の第4の切
換弁54を開放して、密閉容器21内の漏れ試料をチャ
ージする(図中、ステップG)。次に、上記漏洩検査ラ
イン51のリークディテクタ55により、上記ワークW
の漏洩検査の合否を判定する(図中、ステップH)。そ
の後、上記パージライン53の第7の切換弁62を開放
して、上記密閉容器21及び中継ユニット32内のガス
排気を行うか(図中、ステップI)、或いは送気クリー
ニングを行った後(図中、ステップJ)、上記ワークW
の合否判定に基づき選別搬出を行うものである(図中、
ステップK)。
【0031】このように、上記第4の切換弁54、ゲー
トバルブ56及び第7の切換弁62を開閉動作させるこ
とにより、ヘリウム等の検査流体による漏洩検査、真空
乾燥又はパージのいずれかの操作が選択できるものであ
る。
【0032】従って、上記中継ユニット32の給排ノズ
ル50に、上記ワークW内に充填した検査流体の漏洩を
検出するためのリークディテクタ55、上記密閉容器2
1及び中継ユニット32内を真空引するための排気装置
57、及び密閉容器21と中継ユニット32内をパージ
するためのパージライン53等を接続すれば、上記中継
ユニット32の連通ノズル33を密閉容器21の弁体取
付ノズル29に気密的に当接させ、上記チャッキング装
置35で弁体28のノブ部28cを引っ張り、これを開
放するだけの簡単な操作で、それぞれの目的に応じた作
業を行うことができることになる。
【0033】このように本実施例にあっては、中継ユニ
ット32を組み込むことにより、多種、多量生産に対応
することができ、単一工程が単純化されるため、装置の
トラブルが少なく、装置のメンテナンスが容易であるの
で、仮にトラブルが生じても短時間の停止で復旧でき、
稼動時間を向上させることができる。
【0034】尚、本実施例にあっては、密閉容器21及
び中継ユニット32をそれぞれ複数個備えているが、基
本的にはそれぞれが少なくとも一つあれば、多目的気密
装置として成立することは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の多目的気密
装置によれば、複雑な構造のロータリーバルブを使用す
ることなく、簡単な操作で、ヘリウム等の検査流体によ
る漏洩検査、真空乾燥及びパージ等の、多目的に使用す
ることができる、という優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多目的気密装置の一実施例を示す
系統図である。
【図2】本発明に係る多目的気密装置の要部を示す平面
図である。
【図3】本発明に係る多目的気密装置の運転の一例を示
すフローチャートである。
【図4】従来の気密装置を示す平面図である。
【図5】従来の気密装置に使用しているロータリーバル
ブを示す断面図である。
【符号の説明】
20・・・無端状の基台、 21・・・密閉容器、 W・・・ワーク、 21a・・・上部容器、 21b・・・下部容器、 22・・・シールパッキン、 23・・・昇降手段、 24・・・第1のシリンダ装置、 25a,25b・・・第1の流体給排ライン、 26・・・圧力ポンプ、 27・・・第1の切換弁、 64・・・流体貯留タンク、 28・・・弁体、 28a・・・弁体の閉塞部、 28b・・・弁体の円筒部、 28c・・・弁体のノブ部、 29・・・弁体取付ノズル、 29a・・・弁体取付ノズルの平面部、 30・・・コイルスプリング、 31・・・シールパッキン、 32・・・中継ユニット、 32a・・・ユニット本体、 33・・・連通ノズル、 33a・・・連通ノズルの平面部、 34・・・シールパッキン、 35・・・チャッキング装置、 36・・・ロッドガイド、 37,38・・・シールパッキン、 39・・・チャックロッド、 40・・・チャック、 41・・・第2のシリンダ装置、 42a,42b・・・第2の流体給排ライン、 43・・・第2の切換弁、 40a・・・チャックの爪、 40b・・・爪のテーパ部、 44・・・コイルスプリング、 45・・・シールパッキン、 46・・・移動基台、 47・・・第3のシリンダ装置、 48a,48b・・・第3の流体給排ライン、 49・・・第3の切換弁、 50・・・給排ノズル、 51・・・漏洩検査ライン、 52・・・真空引ライン、 53・・・パージライン、 54・・・第4の切換弁、 55・・・リークディテクタ、 56・・・ゲートバルブ、 57・・・排気装置、 58・・・第5の切換弁、 59a,59b・・・第4の流体給排ライン、 60・・・第6の切換弁、 61・・・検出ゲージ、 62・・・第7の切換弁、 63・・・マニュプレータ。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを収納するための分割可能な密閉
    容器と、 該密閉容器に進退自在に設けられ、外部に進出したと
    開放し内部に後退したときに閉成する少なくとも一つ
    の弁体と、 該弁体を覆うように上記密閉容器に気密的に当接される
    連通ノズルを備えた密閉中継ユニットと、 該密閉中継ユニット内から上記連通ノズル内へ進退自在
    に設けられ、上記弁体を密閉容器の外部へ引き出すこ
    により該弁体を開放させるための開放手段と、 上記密閉中継ユニットの連通ノズルに接続された給排ノ
    ズルと、からなることを特徴とする、漏洩検査装置にお
    ける多目的気密装置。
  2. 【請求項2】 前記密閉容器が、前記中継ユニットに近
    接あるいは離間される移動基台上に載置されていること
    を特徴とする、請求項1に記載の漏洩検査装置における
    多目的気密装置。
  3. 【請求項3】 前記中継ユニットが、前記密閉容器に近
    接あるいは離間される移動基台上に載置されていること
    を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の漏洩検
    査装置における多目的気密装置。
  4. 【請求項4】 前記密閉容器に、これを分割あるいは一
    体化させるための昇降手段が備えられていることを特徴
    とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の漏洩
    検査装置における多目的気密装置。
  5. 【請求項5】 前記給排ノズルに、前記ワーク内に充填
    した検査流体の漏洩を検出するためのリークディテクタ
    が接続されることを特徴とする、請求項1乃至請求項4
    のいずれかに記載の漏洩検査装置における多目的気密装
    置。
  6. 【請求項6】 前記給排ノズルに、前記密閉容器及び中
    継ユニット内を真空引するための排気装置が接続される
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載の漏洩検査装置における多目的気密装置。
  7. 【請求項7】 前記給排ノズルに、前記密閉容器及び中
    継ユニット内をパージするためのパージラインが接続さ
    れることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれ
    かに記載の漏洩検査装置における多目的気密装置。
  8. 【請求項8】 ワークを収納するための分割可能な複数
    の密閉容器と、 これら複数の密閉容器を載置して回転移動させるための
    無端状の基台と、 各密閉容器に備えられこれを分割あるいは一体化させる
    ための昇降手段と、 各密閉容器に進退自在に設けられ、外部に進出したとき
    に開放し内部に後退したときに閉成する、少なくとも一
    つの弁体と、 該弁体を覆うように上記密閉容器に気密的に当接される
    連通ノズルを備えた所定数の密閉中継ユニットと、 該中継ユニットを載置してこれを上記密閉容器に臨んで
    往復移動させるための進退基台と、 上記中継ユニット内から上記連通ノズル内へ進退自在に
    設けられ、上記弁体を密閉容器の外部へ引き出すことに
    より該弁体を開放させるためのチャッキング装置と、 上記中継ユニットの連通ノズルに接続された給排ノズル
    と、 該給排ノズルを介して接続された、上記ワーク内に充填
    した検査流体の漏洩を検出するためのリークディテクタ
    と、 上記密閉容器及び中継ユニット内を真空引するための排
    気装置及び上記密閉容器と中継ユニット内をパージする
    ためのパージラインと、 からなることを特徴とする、漏洩検査装置における多目
    的気密装置。
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