JP3202949B2 - アルミニウムおよびアルミニウム合金の着色皮膜形成方法 - Google Patents

アルミニウムおよびアルミニウム合金の着色皮膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、サッシや
パネルなどの建築材料の素材として用いられるアルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金の着色方法に係わり、さ
らに詳しくは、このようなアルミニウム系材料の表面に
形成された陽極酸化皮膜を赤茶けたり青みを帯びたりす
ることのないほとんど無彩色のグレーであって、しかも
塗料の種類を変えることなく、白に近いライトグレーか
ら黒に近いダークグレーに至る種々の濃淡度合いのグレ
ーに容易に着色することができるアルミニウムおよびア
ルミニウム合金の着色皮膜形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム系材料の着色方法として
は、基材に陽極酸化処理を施したのち、ニッケルやコバ
ルト,錫などの金属塩を含む水溶液中で交流、あるいは
直流電解する電解着色処理が知られている。さらに、金
属塩濃度や電流密度,電解時間などのばらつきによって
生じがちな色調差を解消したり、電解着色処理だけでは
得られない色調に着色したりするために、電解着色処理
ののちさらに電着塗装を施すことも行われている。
【0003】すなわち、特開平8−246191号公報
には、例えばL* 値で表される明度が26以下というほ
とんど黒色に近い色に電解着色された陽極酸化皮膜に、
白色顔料を含有する塗料を用いた電着塗装を施すことに
よって、青味を帯びたグレーの複合皮膜を形成する方法
が開示されている。
【0004】また、特開平9−41194号公報には、
電解着色処理が施されていない陽極酸化皮膜(シルバー
皮膜)、あるいは電解着色処理を施した陽極酸化皮膜
に、黒色顔料を含有するクリヤ塗料による電着塗装を施
すことによって、明度の高いグレー塗膜を有する着色ア
ルミニウム材が得られることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の着色方法のうち、特開平8−246191号公
報に記載された着色方法においては、下地の陽極酸化皮
膜が黒色に近い低明度に電解着色された場合には青色を
帯びたグレーとなる一方、高明度に電解着色された場合
には下地の着色皮膜の色変化(高彩度化)に影響されて
下地色を帯びた高彩度のグレーとなり、いずれにしても
無彩色のグレーに着色することができないという問題点
がある。また、特開平9−41194号公報に記載され
た着色方法においては、下地の陽極酸化皮膜が高明度
(シルバー皮膜)の場合には無彩色に近いグレーとなる
ものの、酸化皮膜が中明度あるいは低明度に電解着色さ
れた場合には、やはり下地の色変化に影響されて無彩色
のグレーに着色することができないという問題点があっ
て、これらの問題点を解決し、下地の陽極酸化皮膜を電
解着色による色変化に左右されることなく純粋なグレー
に着色できるようにすることが、ライトグレーからダー
クグレーに至る種々の濃淡バリエーションの無彩色グレ
ーの外観色調を備えたアルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金部材を得るための課題となっていた。
【0006】
【発明の目的】本発明は、従来のアルミニウムおよびア
ルミニウム合金の着色皮膜形成方法における上記課題に
着目してなされたものであって、電解着色皮膜をその色
変化に影響されることなく、その明度に応じた所望の濃
淡度を備えた無彩色グレーに着色することができ、例え
ば1種類の塗料によって、ライトグレーからダークグレ
ーまで種々の濃淡度合いの無彩色グレーに着色された複
合着色皮膜を得ることができるアルミニウムおよびアル
ミニウム合金の着色皮膜形成方法を提供することを目的
としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
るアルミニウムおよびアルミニウム合金の着色皮膜形成
方法においては、アルミニウムまたはアルミニウム合金
に陽極酸化処理を施したのち電解着色処理を施し、ある
いは陽極酸化処理ののち電解着色処理を施すことなく、
* 値で30以上の任意の明度とした陽極酸化皮膜に、
樹脂固形分に対して0.7〜1.2wt%の白色顔料と
0.03〜0.08wt%の黒色顔料を含有する半透明
の灰色塗料による電着塗装を施す構成としたことを特徴
としており、このようなアルミニウムおよびアルミニウ
ム合金の着色皮膜形成方法の構成を前述した従来の課題
を解決するための手段としている。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係わるアルミニウムおよ
びアルミニウム合金の着色皮膜形成方法は、上記したよ
うに、種々の明度に電解着色した陽極酸化皮膜あるいは
電解着色処理を施さないシルバー皮膜に半透明の灰色塗
料による電着塗装を施すことによって、酸化皮膜をその
明度に応じた所望の濃淡度の無彩色グレーに着色するも
のであるが、本発明に係わる着色皮膜形成方法における
陽極酸化処理、および陽極酸化処理ののち必要に応じて
行われる電解着色処理については、従来から行われてい
る通常の方法により実施することができる。
【0009】例えば、陽極酸化処理における電解液とし
ては、硫酸,しゅう酸,クロム酸、あるいは有機酸など
の酸性浴を使用することができる。また、電解着色処理
については、硫酸ニッケル,硫酸コバルト,硫酸銅,硫
酸第1錫などを含む水溶液中で、陽極酸化皮膜を形成さ
せた基材とニッケル板やステンレス鋼板からなる対極と
の間に、交流,直流あるいはパルス電流を通ずることに
よって行われる。
【0010】本発明における電解着色皮膜の明度調整に
ついては、主に、電解着色処理時の通電時間の調整によ
って行うことができる。なお、本発明に係わる着色皮膜
形成方法においては、電解着色処理を行わないことも酸
化皮膜の明度調整の一環として含まれ、電解着色処理を
施す前の最も明度の高い酸化皮膜(いわゆるシルバー皮
膜)に直接電着塗装を施すことによって、電着塗装後の
複合着色皮膜の色調を最も明るいライトグレーとするこ
とができる。
【0011】なお、本発明に係わるアルミニウムおよび
アルミニウム合金の着色皮膜形成方法おいては、L*
で表される電解着色皮膜の明度を30以上とする必要が
ある。これは、L* 値が30未満の場合には、電着塗装
後の複合着色皮膜の色調がほとんど黒色を呈する着色皮
膜によって支配されて濃淡度の調整ができなくなると共
に、複合着色皮膜の色調が青みを帯びるようになること
による。
【0012】電着塗装は、水性塗料を使用するため火災
や環境汚染の危険がなく、複雑な形状の塗装物にも均一
な塗装が可能で、塗着効率が高いなどの利点を有するこ
とから本発明に係わる着色皮膜形成方法に適用される
が、塗装条件や用いる塗料の種類などについてはとくに
限定されず、例えばアクリルメラミン樹脂系を始めとし
て、エポキシエステル樹脂系,ポルエステル樹脂系,ポ
リブタジエン樹脂系などの半透明灰色の艶有り、あるい
は艶消し塗料を使用することができる。
【0013】なお、このときの半透明灰色塗料の具体的
な成分としては、塗料中の樹脂固形分に対して、0.7
〜1.2wt%の白色顔料(例えば、2酸化チタン,酸
化亜鉛,酸化アンチモンなど)と、0.03〜0.08
wt%の黒色顔料(例えば、カーボンブラック,アセチ
レンブラックなど)とを同時添加したものを使用する。
これは、白色顔料の添加量が下限値0.7wt%を下回
った場合には、黒色顔料が下限値0.03wt%に満た
ないときはもとより、0.03〜0.08wt%の範囲
内にあるときでも、クリヤ(透明)塗装に近い塗装感の
ものとなり、下地皮膜の明度変化がそのまま複合着色皮
膜の濃淡変化となって表れるものの、下地皮膜の色変化
をカバーすることができなくなり、下地色を帯びた高彩
度の複合着色皮膜となって無彩色のグレーが得られなく
なり、逆に白色顔料の添加量が上限値1.2wt%を上
回った場合には、黒色顔料が上限値0.08wt%を超
えたときはもとより、上記の範囲内にあるときでも、塗
膜による遮蔽性が高くなって塗装感が強まり、塗料の色
調が支配的となって下地皮膜の明度変化による複合着色
皮膜の濃淡バリエーションが得難くなることによる。
【0014】また、黒色顔料の添加量が下限値0.03
wt%を下回った場合には、白色顔料が上限値1.2w
t%を超えたときはもちろん、0.7〜1.2wt%の
範囲内にあるときでも、複合着色皮膜の色調が塗料中の
白色顔料によって支配され、無彩色グレーの濃淡バリエ
ーションが得難くなり、逆に黒色顔料の添加量が上限値
0.08wt%を上回った場合には、白色顔料が0.7
wt%に満たないときはもちろん、上記の範囲内にある
ときでも、下地色の影響による高彩度の複合着色皮膜と
なって無彩色のグレーが得られなくなると共に、複合着
色皮膜の色調が塗料中の黒色顔料によって支配され、ラ
イトグレー側の濃淡バリエーションが得られなくなるこ
とによる。
【0015】なお、上記した塗料による電着塗膜の厚さ
としては、塗装外観と塗装の作業性の観点から5〜25
μmとすることが望ましい。
【0016】
【発明の作用】本発明に係わるアルミニウムおよびアル
ミニウム合金の着色皮膜形成方法においては、アルミニ
ウムまたはアルミニウム合金に形成された陽極酸化皮膜
に、必要に応じて電解着色処理を施すことによってL*
値で表される明度が30以上の任意の明度としたのち、
樹脂固形分に対して0.7〜1.2wt%の白色顔料
と、0.03〜0.08wt%の黒色顔料を含有する半
透明の灰色塗料による電着塗装を行うようにしており、
この半透明灰色の電着塗料が適度の透光性と遮蔽性とを
備えていることから、酸化皮膜の明暗と電着塗膜の半透
明グレーの色調とが相俟って、電着塗料の明度を変える
ことなく1種類の塗料によって、酸化皮膜がその明度変
化に応じて、ライトグレーからダークグレーに至る種々
の濃淡バリエーションのグレーに着色されることにな
る。また、このとき、酸化皮膜が赤や青、あるいは黄色
味を帯びた高彩度に電解着色されたとしても、適度の遮
蔽性を備えた半透明灰色の電着塗膜によって色変化が隠
蔽され、低彩度の無彩色グレーに着色されることにな
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0018】JIS H 4100に、A6063S−
T5として規定されるアルミニウム合金押出形材を20
℃に保持した5%硝酸水溶液に5分間浸漬することによ
り脱脂洗浄したのち、50℃に保持した水酸化ナトリウ
ム水溶液(50g/L)に8分間浸漬してエッチングを
施した。そののち、20℃の5%硝酸水溶液に2分間浸
漬し、スマット除去を行った。
【0019】次いで、この押出形材に、20℃の硫酸水
溶液(150g/L)中で、100A/m2 の電流密度
で35分間の陽極酸化処理を施し、厚さ9μmの陽極酸
化皮膜を生成させた。
【0020】そして、陽極酸化皮膜の生成した上記押出
形材を陰極に接続し、硫酸ニッケル100g/L,ほう
酸40g/Lを含む水溶液中で25Vの電圧を印加して
電解着色処理を施し、処理時間を調整することによっ
て、ステンカラー,ダークステン,ライトブロンズ,ブ
ロンズ,ダークブロンズ,ブラックブロンズおよび黒の
7水準の明度に着色し、電解着色処理を行わないシルバ
ー皮膜のものと合わせて、都合8水準の明度の酸化皮膜
を備えた形材を準備した。これら押出形材は、さらに5
0000Ω・cmの伝導度を有するイオン交換水による
78℃×10分間の湯洗処理ののち、自然乾燥され、以
下の実施例および比較例に供された。
【0021】これら8種類の酸化皮膜の明度L* ,色度
* ,b* ,および彩度C* を表1に示す。なお、
* ,b* はそれぞれ色の方向を表しており、a* 値が
プラス側になるほど赤味が増し、マイナス側になるほど
緑色が強くなることを示し、b*値についてはプラス側
になるほど黄色味が増し、マイナス側になるほど青味が
増すことを示している。すなわち、a* 値およびb*
がゼロに近いほど彩度C*が小さくなり、赤,青,黄色
などのカラーを帯びない純粋な無彩色であることを示
す。
【0022】なお、本発明に係わるアルミニウムおよび
アルミニウム合金の着色皮膜形成方法において目的とす
る無彩色グレーとは、C* 値で表される彩度が4以下の
ものを言う。
【0023】
【表1】
【0024】実施例 表1に示した8種類の押出形材のうち、L* で表される
明度が30以上の酸化皮膜を備えた押出形材6種を陽極
に接続し、樹脂固形分に対して0.92wt%の白色顔
料(希釈されて電着槽に収納された状態においては希釈
塗料全体に対して0.077wt%)と、0.05wt
%の黒色顔料(同じく希釈塗料に対して0.004wt
%)を含有し、液温20℃に保持したアクリルメラミン
樹脂系艶消し電着塗料中に浸漬して、対極との間に14
0Vの電圧を印加することによって3分間通電したの
ち、水洗し、170℃の炉中で25分間の焼付乾燥を行
うことによって、それぞれ18μmの電着塗膜を有する
複合着色皮膜を得た。
【0025】このようにして得られた複合着色皮膜の色
調測定結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】比較例1 表1に示した8種類の押出形材のうち、L* で表される
明度が30に満たない低明度の酸化皮膜を備えた押出形
材2種に、実施例と同様の電着塗料を用いて、同様の条
件により電着塗装を施し、同様に焼付乾燥を施すことに
よって、同じく18μmの電着塗膜を有する複合着色皮
膜を得たのち、得られた複合着色皮膜の色調を測定し
た。その結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】比較例2 表1に示した8種類の押出形材を樹脂固形分に対して
0.64wt%の白色顔料(希釈されて電着槽に収納さ
れた状態においては希釈塗料に対して0.052wt
%)を含有する液温20℃のアクリルメラミン樹脂系艶
消し電着塗料中に浸漬し、陽極に接続して、実施例と同
様の条件により電着塗装を施したのち、同様に焼付乾燥
を行うことによって、それぞれ18μmの電着塗膜を有
する複合着色皮膜を得た。このようにして得られた複合
着色皮膜の色調測定結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】比較例3 表1に示した8種類の押出形材を樹脂固形分に対して
0.26wt%の黒色顔料(希釈されて電着槽に収納さ
れた状態においては希釈塗料に対して0.022wt
%)を含有する液温20℃のアクリルメラミン樹脂系艶
消し電着塗料中に浸漬し、陽極に接続して、実施例と同
様の条件により電着塗装を施したのち、同様に焼付乾燥
を行うことによって、それぞれ18μmの電着塗膜を有
する複合着色皮膜を得た。このようにして得られた複合
着色皮膜の色調測定結果を表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】以上の結果、L* 値が30以上の明度を備
えた陽極酸化皮膜に、白色顔料と黒色顔料を含む半透明
灰色塗料による電着塗装を施した実施例においては、下
地酸化皮膜の彩度と、電着塗装後の複合着色皮膜の彩度
との関係を示した図1からも明らかのように、下地酸化
皮膜の色調に係わりなく、陽極酸化皮膜が電解着色によ
って高い彩度に着色された場合にも低い彩度の色調を得
ることができ、下地酸化皮膜の明度に応じた濃淡バリエ
ーションを備えた無彩色グレーの複合着色皮膜が得られ
ることが確認された。
【0034】これに対し、実施例と同様の半透明灰色塗
料を使用したとしても、L* 値で表される明度が30未
満というほとんど黒に近い色調に着色された酸化皮膜に
電着塗装を施した比較例1の場合には、着色酸化皮膜に
は明度差があるにも拘らず、電着塗装後の複合着色皮膜
には明度差が表れず、濃淡調整が不可能となると共に、
複合着色皮膜が青味を帯びた色調となって無彩色グレー
が得られなくなることが判明した。
【0035】また、白色顔料のみを含む半透明塗料によ
る電着塗装を施した比較例2においては、電着塗膜があ
る程度の遮蔽性を備えており、下地着色皮膜の彩度が比
較的低いときには彩度変化をカバーすることができるも
のの、下地着色皮膜の彩度が高くなるとカバーできなく
なって一定した無彩色グレーの濃淡バリエーションが得
られず、黒色顔料のみを含む塗料によって電着塗装を施
した比較例3においては、図1からも判るように、下地
着色皮膜の彩度によって電着塗装後の複合着色皮膜の色
調が大きく影響され、下地着色皮膜の彩度変化がほとん
どそのまま複合着色皮膜の彩度となって表れ、無彩色グ
レーの複合着色皮膜は、電解着色を施さないシルバー皮
膜の場合以外には、ほとんど得られないことが確認され
た。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるア
ルミニウムおよびアルミニウム合金の着色皮膜形成方法
は、必要に応じて電解着色処理を施すことによって、L
* 値で表される明度が30以上の任意の明度とした陽極
酸化皮膜に、所定量の白色顔料と黒色顔料を添加した半
透明の灰色塗料による電着塗装を施すものであるから、
電解着色条件の調整によって陽極酸化皮膜を種々の明度
に着色するだけで、電着塗料を変えることなく酸化皮膜
の明度変化に応じた濃淡バリエーションを備えた無彩色
グレーの複合着色皮膜を容易に得ることができ、工程が
簡略化されると共に、多くの電着塗料槽を設ける必要が
なくなることから、設備コストおよび管理コストを低減
することができ、このような複合着色皮膜を備えたアル
ミニウムおよびアルミニウム合金部材を安価に製造する
ことができるという極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるアルミニウムおよびアルミニウ
ム合金の着色皮膜形成方法による複合着色皮膜の彩度に
及ぼす電着塗装前の酸化皮膜彩度の影響を電着塗料成分
の異なる比較例と比較して示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一 宮 眞 人 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニ ウム工業株式会社 内 (72)発明者 野 田 耕 司 富山県高岡市早川70番地 三協アルミニ ウム工業株式会社 内 審査官 鈴木 正紀 (56)参考文献 特開 平9−41194(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/00 C25D 11/20,11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金に
    陽極酸化処理を施したのち電解着色処理を施し、あるい
    は陽極酸化処理ののち電解着色処理を施すことなく、L
    * 値で30以上の任意の明度とした陽極酸化皮膜に、樹
    脂固形分に対して0.7〜1.2wt%の白色顔料と
    0.03〜0.08wt%の黒色顔料を含有する半透明
    の灰色塗料による電着塗装を施すことを特徴とするアル
    ミニウムおよびアルミニウム合金の着色皮膜形成方法。
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