JP2002030484A - グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法 - Google Patents

グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料的に安定で、安定した製造が可能である
と共に、青味の少ない低彩度のグレー系着色材を得るこ
とが可能な、グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム
材及びアルミニウム合金材並びにその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 アルミニウム材又はアルミニウム合金材
に、陽極酸化皮膜を形成した後、電解着色法により濃ブ
ロンズ色に着色し、しかる後、粒径が0.1μm以上、
0.5μm未満の白色顔料を0.01〜0.5質量%含
有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長5
70nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔
料を0.001〜0.3質量%含有する淡黄〜淡赤系の
半透明塗料を用いて電着塗装を施す。このような方法に
より、電解着色法により濃ブロンズ色に着色した陽極酸
化皮膜と、その上に製膜された淡黄〜淡赤系の半透明電
着塗膜とからなるグレー系色複合皮膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレー系色複合皮
膜を有するアルミニウム材及びアルミニウム合金材並び
にその製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウム
材及びアルミニウム合金材に、耐食性、耐候性、装飾性
を損なうことなく、低彩度のグレー系色を有する陽極酸
化−電着塗装複合皮膜を生成させる電着塗装方法及び電
着塗装物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム材及びアルミニウム合金材
の着色方法には、合金発色法、電解発色法、二次電解着
色法、三次電解着色法、染色法、塗装法等、種々の方法
があるが、耐食性や耐候性等の性能面やコスト面、さら
には製造上の安定性等の問題から、一般的には二次電解
着色法が使用されている。しかしながら、二次電解着色
法による着色はアンバー色、ブロンズ色、ブラック色等
の黄味系統から茶系統の発色に限られ、低彩度のグレー
系色の発色は困難である。ところが、近年、建材あるい
はエクステリア関係において、落ち着いたグレー系色の
商品の要望が高まってきており、低コストかつ耐食性や
耐候性等の性能面も良好なグレー系色の商品の開発が望
まれていた。
【0003】アルミニウム材及びアルミニウム合金材の
グレー系着色法としては、合金組成に発色因子を持たせ
ることにより陽極酸化皮膜生成過程でグレー系に発色さ
せる合金発色法や、陽極酸化皮膜の構造を制御してグレ
ーに発色させる電解着色発色法、さらには、陽極酸化皮
膜生成工程と金属塩による電解着色工程の間にさらに電
解工程を行なう三次電解着色法、染色法、静電塗装法、
粉体塗装法等が挙げられるが、これらの手法はいずれも
コスト面や製造上の安定性や性能面での制約が多く、ポ
ピュラーな手法にはなりえていない。
【0004】近年、低コストかつ耐食性や耐候性の性能
面も良好なグレー系色の着色法として、不透明有色電着
塗装によるグレー系色着色法、及び二次電解着色による
下地色と半透明有色電着塗装との組み合わせによるグレ
ー系色着色法が開発されている。前者の不透明有色電着
塗装による着色は、色の安定性は高いものの、電着塗料
そのものの色が固定されてしまい、色替えを行なうには
塗料そのものを変更しなくてはならず、汎用性の少ない
手法である。
【0005】一方、後者の二次電解着色による下地色と
半透明有色電着塗装の組み合わせによる手法は、例えば
特許第2938781号公報では、黒色陽極酸化皮膜の
下地と粒径0.5〜10μmで0.01〜0.5質量%
の白色顔料を含有する電着塗料による白色塗膜の組み合
わせにより、青系グレー色の複合皮膜を形成する方法が
開示されている。しかしながら、この着色方法では顔料
の粒径が比較的大きい範囲に設定されており、顔料分の
凝集による沈降が発生し易く、液の安定性を保つことが
難しい。また、黒色陽極酸化皮膜と半透明白色塗膜の組
み合わせでは、青味が強く出てしまい、本発明の狙いと
する後述するような意味の低彩度のグレーとまではなっ
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルミニウ
ム及びアルミニウム合金材の陽極酸化塗装複合皮膜にお
ける前述した従来の問題を解決すべくなされたものであ
り、塗料的に安定で、安定した製造が可能であると共
に、青味の少ない低彩度のグレー系着色材を得ることが
可能な、グレー系色複合皮膜を有するアルミニウム材及
びアルミニウム合金材並びにその製造方法を提供するこ
とを目的としている。ここで言うところの低彩度のグレ
ー系色とは、L*、a*、b*表色系の内の明度を示すL*
値が33以上であると共に、彩度を示すa*値、b*
(a*値がプラスの場合は赤味方向、マイナスの場合は
緑味方向、b*値がプラスの場合は黄味方向、マイナス
の場合は青味方向の色調)の絶対値が3以下のもので、
かつ、特定の色味が強調されていない色調(例えば、a
*値とb*値の絶対値の差が2以下)のものを言う。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明によれば、電解着色法により濃ブロンズ色に
着色した陽極酸化皮膜と、該陽極酸化皮膜上に製膜さ
れ、粒径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料
を0.01〜0.5質量%含有し、さらに粒径が0.0
1μm〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光
線反射率のピークを有する顔料を0.001〜0.3質
量%含有する淡黄〜淡赤系の半透明塗料を用いて生成さ
れた淡黄〜淡赤系の半透明電着塗膜とからなるグレー系
色複合皮膜を有するアルミニウム材又はアルミニウム合
金材が提供される。
【0008】さらに本発明によれば、アルミニウム材又
はアルミニウム合金材に、陽極酸化皮膜を形成した後、
電解着色法により濃ブロンズ色に着色し、しかる後、粒
径が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.
01〜0.5質量%含有し、さらに粒径が0.01μm
〜0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射
率のピークを有する顔料を0.001〜0.3質量%含
有する淡黄〜淡赤系の半透明塗料を用いて電着塗装を施
すことを特徴とするグレー系色複合皮膜を有するアルミ
ニウム材又はアルミニウム合金材の製造方法も提供され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、(1)陽極酸化
皮膜を形成した後、電解着色法により濃ブロンズ色に着
色する工程と、(2)粒径が0.1μm以上、0.5μ
m未満の白色顔料を0.01〜0.5質量%含有し、さ
らに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570nm
〜700nmに光線反射率のピークを有する顔料を0.
001〜0.3質量%含有する淡黄〜淡赤系の半透明塗
料を用いて電着塗装を施す工程を組み合わせた点に特徴
を有する。ここで濃ブロンズ色とは、例えば前記L*
*、b*表色系の判断基準で示せばL*値は約27〜3
5で表わされる。本発明者らの研究によると、陽極酸化
皮膜を電解着色法により濃ブロンズ色に着色した後、白
色顔料と共に上記特定波長範囲に光線反射率のピークを
有する顔料を組み合わせて含有する淡黄〜淡赤系の半透
明塗料を用いて電着塗装を行なうと、意外にも、特定の
色味が強調されることなく、前記に規定したような青味
の少ない低彩度のグレー系色複合皮膜が得られることを
見出し、本発明を完成するに至ったものである。また、
上記のような特定範囲の粒径の顔料を含有する電着塗料
は、塗料的にも安定で、グレー系色複合皮膜を有するア
ルミニウム材及びアルミニウム合金材の安定した製造が
可能である。
【0010】以下、本発明の方法について詳細に説明す
ると、まず、アルミニウム材又はアルミニウム合金材に
陽極酸化皮膜を形成させる処理方法、さらに電解着色法
により濃ブロンズ色に着色する処理方法については、一
般的な既知の方法により実施できる。すなわち、陽極酸
化皮膜を形成させる工程においては、その電解液に硫
酸、燐酸、クロム酸、蓚酸等の無機酸や有機酸、あるい
はそれらの混酸を使用することができる。その電解液中
においてアルミニウム材又はアルミニウム合金材を陽極
とし、直流電流、パルス電流、交直重畳電流、あるいは
交流電流を通電することで6μm〜30μmのポーラス
な陽極酸化皮膜を形成させる。
【0011】次に、電解着色工程においては、ニッケル
塩、スズ塩、コバルト塩、等の金属塩や各種有機酸、硫
黄化合物等を含む電解着色液中で、前述の陽極酸化皮膜
を形成させたアルミニウム材又はアルミニウム合金材に
交流電流、直流電流、交直重畳電流、パルス電流を通電
することで濃ブロンズ色に着色を行なう。しかる後、前
記したような電着塗料、すなわち粒径が0.1μm以
上、0.5μm未満の白色顔料を0.01〜0.5質量
%含有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波
長570nm〜700nmに光線反射率のピークを有す
る顔料を0.001〜0.3質量%含有する淡黄〜淡赤
系の半透明塗料を用い、前述の着色陽極酸化皮膜の上に
半透明の電着塗膜を5μm〜30μm形成することで、
低彩度のグレー系色に発色させる。
【0012】本発明において、この淡黄〜淡赤系の半透
明塗料に使用されるベースとなる電着塗料は、アルミニ
ウム材及びアルミニウム合金材上の陽極酸化皮膜上に電
着塗装できるタイプの塗料であれば特に限定されること
はなく、一般的なアクリルメラミン樹脂をはじめ、エポ
キシエステル樹脂系、ポリエステル樹脂系、フッ素樹脂
系等の、透明系あるいは半透明系の艶有り塗料もしくは
艶消し塗料を用いることができる。
【0013】このベース塗料中に、粒径0.1μm以
上、0.5μm未満に調整された白色顔料(二酸化チタ
ン、鉛白、亜鉛華、酸化ジルコニウム等)を0.01〜
0.5質量%含有させ、さらに粒径が0.01μm〜
0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率
のピークを有する顔料を0.001〜0.3質量%添加
した淡黄〜淡赤系の半透明塗料として使用する。
【0014】ここで、粒径が0.5μmを超える顔料を
使用した場合、顔料分の凝集による沈降が発生し易く、
液の安定性を保つことが難しくなるため、本発明では白
色顔料の粒径は0.5μm未満に調整し、好ましくは
0.2μm〜0.4μmに調整する。白色顔料濃度が下
限値の0.01質量%を下回った場合、塗膜隠蔽性が極
端に低くなり、下地である着色陽極酸化皮膜の色がその
まま現れてしまい、グレー系色の発色は望めない。この
低濃度で前述の効果を得ようとした場合、その隠蔽性を
確保する為に極端な塗膜厚を形成させなくてはならず、
塗膜の安定性、さらには経済性でも問題が生じる。一
方、上限値0.5質量%を超えた場合、塗膜隠蔽性が高
くなり、常識的な膜厚(J1S H8602に定められ
るA種、B種、C種、P種)では白くなりすぎ、グレー
系色の発色とはならない。また、顔料濃度が高くなるに
従い塗膜の耐候性も徐々に落ちてゆく傾向にある。本発
明では、以上のことを考慮し、白色顔料濃度を0.01
質量%以上、0.5質量%以下に、好ましくは0.05
質量%以上、0.2質量%以下に調整する。
【0015】また、濃ブロンズ色の着色陽極酸化皮膜上
に半透明白色塗膜を形成しただけでは、その発色は青味
が強く出てしまい、低彩度のグレー系色とはやや質感を
異にする。その解決の為に本発明では、前述の白色顔料
を分散させた電着塗料に、粒径が0.01μm〜0.5
μmで波長570nm〜700nmに光線反射率のピー
クを有する顔料を0.001〜0.3質量%添加するこ
とにより、発色に黄味〜赤味を加え、青系の発色を緩和
すると同時に低彩度のグレー系色を得ることが可能とな
る。
【0016】この波長570nm〜700nmに光線反
射率のピークを有する顔料としては、例えば黄顔料であ
れば黄酸化鉄、亜鉛黄、イソインドレノン等、赤顔料で
あれば鉛丹、ベンガラ、キノアクリドン等の無機系顔
料、有機系顔料を単独であるいは混合して用いることが
できる。この顔料の濃度が上記下限値を下回った場合、
その顔料による発色がほとんど感知できないか、あるい
は測定結果に現われず、添加の効果が著しく低くなる。
一方、上限値を超えた場合、その顔料による発色が強
く、彩度が高くなりすぎ、グレー系色とはやはり質感を
異にする。本発明では、以上のことを考慮し、添加する
粒径が0.01μm〜0.5μmで波長570〜700
nmに光線反射率のピークを有する顔料の濃度を0.0
01質量%以上、0.3質量%以下に、好ましくは0.
005質量%以上、0.2質量%以下に調整する。
【0017】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定される
ものでないことはもとよりである。
【0018】実施例1 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%、及び粒径が0.3μmの黄顔料(黄酸化鉄)を
0.05質量%含有するアクリルメラミン系電着塗料中
に浸漬して陽極とし、190Vの直流電圧を120秒通
電し、その表面に17μmの塗膜を形成させた。その
後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、低彩度の
グレー発色複合皮膜が得られた。このサンプルをミノル
タ(株)製色彩色差計CR−200で測色した結果、L
*値=35.9、a*値=0.1、b*値=−0.5であ
った。a*値、b*値が共にほぼ0に近く、特定の色味が
感じられない低彩度のグレー色となった。
【0019】実施例2 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%、及び粒径が0.03μmに調整された赤顔料(キ
ノアクリドン)を0.01質量%含有するアクリルメラ
ミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、190Vの直流
電圧を120秒通電し、その表面に17μmの塗膜を形
成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行
ない、低彩度のグレー発色複合皮膜が得られた。このサ
ンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR−200で測
色した結果、L *値=35.4、a*値=1.1、b*
=−2.7であつた。a*値、b*値共に絶対値で3以下
となっており、b*値が−2.7という青味を示す領域
であるが、a*値が赤味を示す1.1という数値である
ことから、青味を緩和し、温かみのある低彩度のグレー
色となった。
【0020】比較例1 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を12分通電し、L*値=25のブラッ
ク色の着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して
陽極とし、190Vの直流電圧を120秒通電し、その
表面に17μmの塗膜を形成させた。その後、185℃
で30分焼き付け乾燥を行ない、青味の強いグレー発色
複合皮膜が得られた。このサンプルをミノルタ(株)製
色彩色差計CR−200で測色した結果、L *値=3
4.0、a*値=−0.4、b*値=−4.2であつた。
*値が−4.2という強い青味を示す領域となり、低
彩度のグレー色とは質感が異なる色調となった。
【0021】比較例2 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%含有するアクリルメラミン系電着塗料中に浸漬して
陽極とし、190Vの直流電圧を120秒通電し、その
表面に17μmの塗膜を形成させた。その後、185℃
で30分焼き付け乾燥を行ない、青味の強いグレー発色
複合皮膜が得られた。このサンプルをミノルタ(株)製
色彩色差計CR−200で測色した結果、L *値=3
6.2、a*値=0.2、b*値=−2.5であった。a
*値、b*値が共に絶対値で3以下となっているが、b*
値が−2.5という青味を示す領域であり、またa*
がほとんど赤味を示さない0.2という数値であること
から青味が強く、低彩度のグレー色とは質感を異にする
色調となった。
【0022】比較例3 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を12分通電し、L*値=25のブラッ
ク色の着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%、及び粒径が0.03μmの赤顔料(キノアクリド
ン)を0.01質量%含有するアクリルメラミン系電着
塗料中に浸漬して陽極とし、190Vの直流電圧を12
0秒通電し、その表面に17μmの塗膜を形成させた。
その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、青味
の強いグレー発色複合皮膜が得られた。このサンプルを
ミノルタ(株)製色彩色差計CR−200で測色した結
果、L *値=34.1、a*値=0.2、b*値=−4.
0であつた。b*値が−4.0という強い青味を示す領
域となり、低彩度のグレー色とは質感が異なる色調とな
った。
【0023】比較例4 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.005
質量%、及び粒径が0.03μmの赤顔料(キノアクリ
ドン)を0.01質量%含有するアクリルメラミン系電
着塗料中に浸漬して陽極とし、190Vの直流電圧を1
20秒通電し、その表面に17μmの塗膜を形成させ
た。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、
やや濁ったブロンズ系複合皮膜が得られた。このサンプ
ルをミノルタ(株)製色彩色差計CR−200で測色し
た結果、L *値=29.2、a*値=3.6、b*値=
3.7であつた。b*値が黄味を示す3.7、またa*
が赤味を示す3.6という数値であることから、下地の
濃ブロンズ色よりややL*値のみが変化した濃ブロンズ
色の色調となった。
【0024】比較例5 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%、及び粒径が0.03μmの波長380nm〜56
0nmに光線反射率のピークを有する顔料(青系顔料フ
タロシアニンブルー)を0.01質量%含有するアクリ
ルメラミン系電着塗料中に浸漬して陽極とし、190V
の直流電圧を120秒通電し、その表面に17μmの塗
膜を形成させた。その後、185℃で30分焼き付け乾
燥を行ない、青味の強いグレー発色複合皮膜が得られ
た。このサンプルをミノルタ(株)製色彩色差計CR−
200で測色した結果、L *値=36.2、a*値=−
0.1、b*値=−4.7であった。比較例2に対し、
さらに青系の顔料が添加されていることから、b*値が
−4.7という強い青味を示す領域となり、低彩度のグ
レー色とは質感が異なる色調となった。
【0025】比較例6 常法により脱脂、エッチング、スマット除去されたアル
ミニウム押出材A−6063Sを17W/V%硫酸水溶
液中に浸漬して陽極とし、対極として設けられたアルミ
ニウム陰極との間に1.2A/dm2の電流密度で30
分通電し、その表面に約10μmの陽極酸化皮膜を形成
させた。次いでこれを水洗し、さらに硫酸ニッケル50
g/L、ホウ酸10g/Lを溶解した電解着色液中で1
8Vの交流電圧を10分通電し、L*値=27の濃ブロ
ンズの着色皮膜を得た。次に樹脂固形分を9質量%、粒
径0.3μmの白色顔料(二酸化チタン)を0.09質
量%、及び粒径が0.2μmの黒色顔料(カーボンブラ
ック)を0.05質量%含有するアクリルメラミン系電
着塗料中に浸漬して陽極とし、190Vの直流電圧を1
20秒通電し、その表面に17μmの塗膜を形成させ
た。その後、185℃で30分焼き付け乾燥を行ない、
ブラック色に近い複合皮膜が得られた。このサンプルを
ミノルタ(株)製色彩色差計CR−200で測色した結
果、L *値=29.5、a*値=0.2、b*値=−0.
8であつた。比較例2に対し、さらに黒系の顔料が添加
されていることから、低彩度ではあるが、明度が低くブ
ラック色に近いサンプルとなった。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
陽極酸化皮膜を電解着色法により濃ブロンズ色に着色し
た後、前記した特定の顔料を組み合わせて含有する淡黄
〜淡赤系の半透明塗料を用いて電着塗装を行なうもので
あるため、前記に規定したような特定の色味が強調され
ていない青味の少ない低彩度のグレー系色複合皮膜を安
定して形成することができる。また、本発明で用いる前
記したような特定範囲の粒径の顔料を含有する電着塗料
は、塗料的にも安定で、グレー系色複合皮膜を有するア
ルミニウム材及びアルミニウム合金材の安定した製造が
可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解着色法により濃ブロンズ色に着色し
    た陽極酸化皮膜と、該陽極酸化皮膜上に製膜され、粒径
    が0.1μm以上、0.5μm未満の白色顔料を0.0
    1〜0.5質量%含有し、さらに粒径が0.01μm〜
    0.5μmで波長570nm〜700nmに光線反射率
    のピークを有する顔料を0.001〜0.3質量%含有
    する淡黄〜淡赤系の半透明塗料を用いて生成された淡黄
    〜淡赤系の半透明電着塗膜とからなるグレー系色複合皮
    膜を有するアルミニウム材又はアルミニウム合金材。
  2. 【請求項2】 アルミニウム材又はアルミニウム合金材
    に、陽極酸化皮膜を形成した後、電解着色法により濃ブ
    ロンズ色に着色し、しかる後、粒径が0.1μm以上、
    0.5μm未満の白色顔料を0.01〜0.5質量%含
    有し、さらに粒径が0.01μm〜0.5μmで波長5
    70nm〜700nmに光線反射率のピークを有する顔
    料を0.001〜0.3質量%含有する淡黄〜淡赤系の
    半透明塗料を用いて電着塗装を施すことを特徴とするグ
    レー系色複合皮膜を有するアルミニウム材又はアルミニ
    ウム合金材の製造方法。
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CN103695987A (zh) * 2013-12-19 2014-04-02 广东坚美铝型材厂(集团)有限公司 一种消光半透明蓝色电泳铝型材及其制备方法

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