JP3202467U - 天井点検口 - Google Patents
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Abstract
【課題】離れた位置から安全に開放することができる天井点検口及び解除具を提供する。【解決手段】外枠10と、外枠10の内側で外枠連結辺14と内枠連結辺31とが回転自在に連結されることにより旋回可能である内枠30とを備えている。内枠30はその内周縁で天井ボード材を保持し、ロック装置38を有することで閉じた状態においてロック状態に、開いた状態において解除状態となる。ロック装置38はこれを解除し得る突出操作部を有している。突出操作部は内枠30が閉じた状態において、離れた位置からロック装置38を操作できるように室内側に突出して設けられている。解除状態となって内枠30が開いたときに、その開く方向と反対方向のバネ力を作用させる安全バネ50が、外枠10と内枠30との間に設けられている。【選択図】図2
Description
本考案は、天井点検口に関するものである。
近年の地震被害とこれから発生が想定される地震被害とにより、建物の耐震基準が高くなってきている。この基準が高くなったことを受けて、床からの高さが6メートル超となるような多数の人が集まるホールの天井など、脱落によって重大な危害を生ずるおそれのある天井(以下、特定天井という)について、天井裏を目視することによる定期的なメンテナンスが義務付けられるようになった。従来、天井裏を点検するに際しては、天井に設けられた天井点検口を開放することにより行っており、このような天井点検口として、たとえば、特許文献1に記載されたようなものがある。
特許文献1に記載された天井点検口は、平面視四角形状の外枠と、内周縁で天井ボード材を保持する平面視四角形状の内枠とが、内枠の一辺に取り付けられたヒンジに対して外枠の一辺が引っ掛けられることにより、回転自在に連結されているものである。内枠は、この連結する辺を支点にして旋回することができ、内枠が旋回降下したときに天井点検口が開放状態となる。内枠におけるヒンジが取り付けられる辺と向かい合う辺には、ロック装置が設けられている。内枠が旋回上昇して外枠と重なり合ったときにはこのロック装置がかかり、内枠は外枠に重なった状態で固定され、天井点検口は閉鎖状態となる。ロック装置は、板バネからなるもので、その上部に内枠と結合する結合部を有し、これより下方の中間部に撓み部を有し、その下部に外枠の内周縁に引っ掛かって内枠を支える引掛部を有し、その下端には前記撓み部を撓ませてロック装置を解除し得る操作板部を有している。この操作板部は、その広い面を、天井点検口が閉鎖状態において天井面と平行となるように構成されている。ロック装置を解除するには、操作板部を手指で押すことにより天井面に沿ってスライドさせる。そうすると、撓み部が撓んで板バネが縮まり、これにより引掛部が外枠の内周縁から外れてロック装置が解除される。ロック装置が解除されれば、内枠はその自重により旋回降下して天井点検口が開放される。
特許文献1に記載された天井点検口は、ロック装置を解除するのに、人の手指によって、操作板部を天井面に沿ってスライドさせて行う必要がある。そのため、床からの高さが6メートル超となる特定天井にこのような天井点検口を設けた場合は、ロック装置の解除に際して、点検者の手指が届くように特定天井に達するような足場を組まなければならない。しかし、足場を組んでの作業は、効率が悪いという問題がある。また、ロック装置が解除されると内枠はその自重に従って勢いよく開き、内枠が開ききった際には天井点検口の負担となる。内枠が勢いよく開くのを防止するには、天井点検口を開放する際に内枠を手で支えながらロック装置を解除すればよいが、この場合でも足場を組むことが避けられないうえ、高所において複雑な作業を行うのは危険である。
そこで本考案は、床から高い位置の天井に設けられた点検口を、床面上からの作業によって安全に開放することができるようにすることを目的とする。
この目的を達成するため本考案は、
天井の開口部に設けられた外枠と、この外枠の内側に設けられて上下方向に旋回可能であることにより開閉可能な内枠と、を備える天井点検口であって、
前記内枠は、ロック装置を有し、
前記ロック装置は、ロック状態において前記内枠を閉じた状態に保持可能であるとともに、解除状態で前記内枠の開閉動作を許容するものであり、
前記ロック装置は、このロック装置を解除状態とし得る操作部を有し、
前記操作部は、前記内枠が閉じた状態において、離れた位置から前記ロック装置を操作できるように室内側に突出して設けられ、
前記外枠と前記内枠との間に、内枠が自重によって開く方向と反対方向のバネ力を作用させるバネ部材が設けられた
ことを特徴としている。
天井の開口部に設けられた外枠と、この外枠の内側に設けられて上下方向に旋回可能であることにより開閉可能な内枠と、を備える天井点検口であって、
前記内枠は、ロック装置を有し、
前記ロック装置は、ロック状態において前記内枠を閉じた状態に保持可能であるとともに、解除状態で前記内枠の開閉動作を許容するものであり、
前記ロック装置は、このロック装置を解除状態とし得る操作部を有し、
前記操作部は、前記内枠が閉じた状態において、離れた位置から前記ロック装置を操作できるように室内側に突出して設けられ、
前記外枠と前記内枠との間に、内枠が自重によって開く方向と反対方向のバネ力を作用させるバネ部材が設けられた
ことを特徴としている。
本考案によれば、天井点検口のロック装置を解除するための操作部が室内側に突出して設けられており、床面上から操作部を狙ってロック装置を解除することができるので、足場を組んでの作業を要せず、効率良く天井点検口を開放することができる。また、内枠が開く方向と反対方向にバネ力を作用させるようにバネ部材が設けられているので、内枠が勢いよく開くのを防止して、天井点検口に負担をかけることなく安全に作業を行うことができる。
本考案に係る天井点検口の構成として、外枠は、バネ部材の一端を取り付け得る第一取付孔を有し、内枠は、前記バネ部材の他端を取り付け得る第二取付孔を有し、前記第一取付孔または前記第二取付孔のうち少なくとも一方は、それぞれ異なった場所に複数形成されていることが好ましい。これによれば、バネ部材の端部の取付位置を、異なった場所に配置された複数の取付孔から選ぶことができるので、内枠が開いた際におけるバネの伸び長さを調整することができる。そのため、内枠の重さに応じてバネ力を調整することができる。したがって、内枠が重い場合には、バネ力を強くして、内枠が勢いよく開くのを防止して、天井点検口に負担をかけることなく安全に作業を行うことができる。
また、本考案に係る天井点検口は、天井点検口のロック装置を床面上の人の力により操作して解除状態とし得る棒状の解除具を備え、この解除具は、前記ロック装置の操作部に力を作用させてこのロック装置を解除状態とし得る作用部を有するものであるのが好ましい。これによれば、天井点検口のロック装置を人が直接手指によって解除することを要せず、この解除具を用いてロック装置を解除することができる。したがって、特定天井に設けられた天井点検口に対して、特定天井に達する足場を組むことなく、床上からロック装置を解除することができるので、効率良く作業することができる。
また、前記天井点検口の解除具は、天井点検口のロック装置を解除状態としたときに自重によって開く内枠を受け止め得る受止部を有するものであることが好ましい。これによれば、天井点検口のロック装置を解除状態としたときに開く内枠を、解除具によって受け止めることができるので、内枠が勢いよく開くのを防止して、より安全に作業をすることができる。
本考案の実施の形態に係る天井点検口1について図面に基づいて説明する。
図1および図2に示すように、天井点検口1は、床面からの高さが6メートル超となるような吊り天井である特定天井99に設けられる。吊り天井は、たとえば、野縁97と呼ばれるC字断面のC型鋼を複数並べて配置して、その上方から、同じくC型鋼である野縁受96を前記野縁97に対して直交して複数配置することで天井の骨格を格子状に形成して、この野縁受96の複数個所を吊りボルト94で吊り下げるものである。そして、この天井骨格の室内側に天井仕上材98を取り付けることで吊り天井が完成する。天井点検口1は、吊り金具93を介して、別途設けられる取付用野縁受95に固定されることで、吊り天井に設けられる。
天井点検口1は、平面視四角形状の外枠10と、内周縁で天井ボード材Bを支持する内枠30とを備えるものである。なお、説明の便宜のため、天井ボード材Bは図1および2において図示を省略している。この天井ボード材Bが内枠30の内周縁で保持されて内枠30の一部を構成することで、内枠30と外枠10とが重なった状態のときに天井点検口1を閉鎖状態とするように構成されている。
外枠10は、吊り金具93を介して取付用野縁受95に固定されて、天井仕上材98の底面と略面一となるように設けられる。内枠30は、その一辺である内枠連結辺31にヒンジ(図示省略)が取り付けられ、このヒンジに対して外枠10の一辺である外枠連結辺14が引っ掛けられることにより、外枠10と回転自在に連結している。これにより内枠30は、内枠連結辺31を支点に旋回が可能となっている。内枠30には、内枠連結辺31と向かい合う辺である内枠ロック辺32にロック装置38が設けられ、このロック装置38により、内枠30と外枠10とが重なった状態、すなわち天井点検口1の閉鎖状態を維持することができる。このロック装置38が解除されれば、内枠30が内枠連結辺31を支点に旋回降下して、天井点検口1が開放される。この開放時には、内枠30はその自重に従って勢いよく開くので、これを防止するため、天井点検口1には安全バネ50が設けられる。安全バネ50は、その一端が孔付きブラケット36を介して内枠30に取り付けられ、その他端がバネ取付金具22を介して外枠10に取り付けられることで、内枠30が開く方向と反対方向のバネ力を作用させるように設けられている。これにより、内枠30が勢いよく開くのを防止して、天井点検口1に負担をかけることなく安全に作業を行うことができる。
天井点検口1の開放は、解除具60を用いて床上からロック装置38を解除することにより行うことができる。解除具60は、床上から天井99に届く長さの棒材であり、ロック装置38を解除できるとともに解除により旋回降下する内枠30を受け止め得るように構成されている。天井点検口1には前述した安全バネ50が設けられているので、これに加えて解除具60を用いることで、内枠30が勢いよく開くのをより一層防止することができ、より一層安全に作業を行うことができる。
天井点検口1を開放すれば、これに、長棒に取り付けたカメラ等の撮影装置を挿入して天井裏を撮影する。このため、その撮影画像から天井裏の異常の有無を確認することができるので、足場を組んで人が直接に天井裏を目視する必要がない。撮影が終われば、解除具60を用いて内枠30を持ち上げてこれらを閉じ、天井点検口1を閉鎖状態とすることができる。以下、各部材の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、外枠10は、アルミ製の形材を4つ連結させて形成される平面視四角形状の枠体である。形材は、その両端部が平面視45°に形成されるとともに、これら端部が、同じく45°に形成された隣り合う形材の端部と突き合わされて連結されることで、一角が90°の四角形状の外枠10を形成している。以下、枠体(外枠10および内枠30)の中心方向を内方向とし、その反対を外方向として説明する。
外枠10の外周縁の下端には、外方向に突出するフランジである見切り部15が形成されている。この見切り部15が天井仕上材98の底面と接触して、天井点検口1と天井仕上材98との隙間を覆って見えないようにしている。
外枠10の内周縁の下端には、内方向に突出するフランジである内枠支持部16が形成されている。図4に特に示すように、この内枠支持部16に、内枠30に設けられるロック装置38が引っ掛かることで、内枠支持部16が内枠30を支持している。
外枠10の上端には、吊り金具93を取り付けるための吊り下げスライド溝17が形成されている。図4に示すように、この吊り下げスライド溝17は、上向きに開口を有するC字型に形成されるもので、その内側に内側壁18を有し、その外側に外側壁19を有しており、線材をL字型に加工した吊り金具93をスライドさせて取り付けることができる。吊り金具93が吊り下げスライド溝17に取り付けられると、吊り金具93に形成された突起である抜け止め92が吊り下げスライド溝17の上端に引っ掛かって上方に抜けないようになっている。これにより、吊り金具93によって天井点検口1の固定が可能となっている。
また、吊り下げスライド溝17は、バネ取付金具22の取り付けにも用いられる。図3に特に示すように、内側壁18には、案内切り欠き20が形成されている。この案内切り欠き20によって、バネ取付金具22を内方向から吊り下げスライド溝17に案内することができる。内側壁18および外側壁19のそれぞれには、これら内側壁18および外側壁19の一部を折り曲げて、溝側に突き出して形成されるストッパ部21が設けられている。このストッパ部21は、後述するように、バネ取付金具22が安全バネ50の引張力を受けたときにストッパ部21に接触することで、バネ取付金具22の必要以上のスライドを防止することができる。
バネ取付金具22は、安全バネ50の一端を外枠10に取り付けるための取付部材である。図3に示すように、バネ取付金具22は、複数の第一バネ力調整孔24(取付孔の一例)が形成された立板部23を有している。複数の第一バネ力調整孔24は、上下方向に並んで2列形成され、かつ、列ごとに互い違いとなっている。この第一バネ力調整孔24と後述する第二バネ力調整孔37(取付孔の一例)とによって安全バネ50のバネ力を調整することができる。バネ力調整の詳細については後述する。また、バネ取付金具22は、前記立板部23の下方にスライド結合部25を有している。スライド結合部25は、長板材の両端付近を折り曲げることによりそれら両端のそれぞれに脚部26を形成しており、正面視冠状となっている。このスライド結合部25を吊り下げスライド溝17にスライドさせて嵌めることで、バネ取付金具22が外枠10に取り付けられる。また、スライド結合部25における脚部26は、ストッパ受面27をスライド方向に向けて嵌め込まれるもので、このストッパ受面27がストッパ部21と接触する。このストッパ受面27がストッパ部21に接触することにより、バネ取付金具22が必要以上にスライドするのを防止することができる。
図2に示すように、内枠30は、アルミ製の形材を4つ連結させて形成される平面視四角形状の枠体からなる。
内枠30の内周縁の下端には、図4に特に示すように、内方向に突出するフランジであるボード支持部34が形成されている。また、内枠連結辺31に隣り合う両辺である内枠側辺33,33におけるボード支持部34の上方には、L字型断面であるボード抜け止め材35が内方向に突出して設けられている。前記ボード支持部34により天井ボード材Bを支持するとともに、前記ボード抜け止め材に35より天井ボード材Bが上方へ抜けるのを防止することで、内枠30はその内側において、天井ボード材Bを保持することができる。
ボード抜け止め材35には、複数の第二バネ力調整孔37を有する孔付きブラケット36が設けられている。孔付きブラケット36は、これが取り付けられる内枠側辺33,33の長さ方向に長い部材である。第二バネ力調整孔37は、孔付きブラケット36の長さ方向に所定間隔を置いて複数形成されている。前述したように、安全バネ50の一端はバネ取付金具22が有する第一バネ力調整孔24に取り付けられ、安全バネ50の他端はこの第二バネ力調整孔37に取り付けられる。これにより、内枠30が開く方向と反対方向のバネ力を作用させることができ、内枠30が勢いよく開くのを防止することができる。
本実施形態においては、安全バネ50として、引張コイルバネを用いる。引張コイルバネを用いることで、内枠30が開いたときに安全バネ50が伸びた状態となり、内枠30が開く方向と反対方向の引張力が作用する。
このように、安全バネ50は引張力を作用させるので、バネ取付金具22と孔付きブラケット36とを引き寄せるような力がかかるが、バネ取付金具22がストッパ部21に接触することによって、バネ取付金具22が安全バネ50に引っ張られて必要以上にスライドすることがない。
図2に示すように、内枠連結辺31に向かい合う辺である内枠ロック辺32の外側面には、この内枠ロック辺32の長さ方向の中央にロック装置38が設けられている。ロック装置38は、板バネからなるものであり、内枠30が外枠10と重なった時に、この重なった状態を維持して天井点検口1の閉鎖状態を維持するためのものである。図4は、天井点検口1の閉鎖状態における、ロック装置38の断面を示すものである。この図4に示すように、ロック装置38は、内枠30の外側面と接してビス止めされる接合部39と、この接合部39の上端から連続して外方向に真っ直ぐ折り曲げて形成される中間部40と、この中間部40に連続して下方斜めに折り曲げて形成される撓み部41と、この撓み部41に連続して内方向に真っ直ぐ折り曲げて形成されるとともに外枠10の内枠支持部16に引っ掛かり得る引掛部42と、この引掛部42から連続して設けられるとともに内枠30の下端よりも室内側である下方に突き出して形成される突出操作部43と、を有している。突出操作部43の下部には受力部44が設けられている。ロック装置38がロック状態のときに、この受力部44に、前記撓み部41が撓む方向の力を作用させることで、ロック装置38を解除することができる。
ロック装置38は、前記接合部39により内枠30に取り付けられるとともに、前記引掛部42が外枠10の内枠支持部16に引っ掛かることで、内枠30が外枠10と重なった状態、すなわち天井点検口1の閉鎖状態を維持することができる。
前記のようなロック状態は、突出操作部43を内方向に押すことにより解除することができる。突出操作部43を内方向に押すと、撓み部41が内方向に撓んで、引掛部42が内枠支持部16から外れてロック装置38のロック状態が解除される。この突出操作部43が内枠30よりも下方に突出していることで、天井点検口1が設けられる特定天井99の6メートル下の床上からこの突出操作部43を狙って、解除具60を当てて押すことにより解除することができる。なお、突出操作部43は、押すことにより操作されるものでなくてもよく、撓み部41が撓む方向に力を作用させて操作されるものであればよい。
突出操作部43は、床上から解除具60を用いて狙える程度に突出していればよい。突出し過ぎると室内側からの景観を損ね好ましくない。逆に、突出が小さいと解除具60によって狙うのが困難となり好ましくない。具体的には、突出する長さが10mmから30mmであり、その幅の長さが25mmから30mmであることが好ましい。この長さによれば、景観を保てるうえ解除具60によって狙いやすい。
解除具60は、床上から特定天井99に達する長さに形成された棒材であり、このような長さであっても撓むことのないように剛性を有する。解除具60を使用する者は、解除具60の基端のハンドル部61を持って、解除具60の先端の解除部62を操作して、ロック装置38を解除することができる。図5は、解除具60の解除部62を示すものであり、(a)はその側面図を示し、(b)はその平面図を示す。図5(a)および(b)に示すように、解除部62は、底面が絞られた略四角錐台となっている。解除部62の一側面は、突出操作部43の受力部44を押すための解除押部63(作用部の一例)であり、解除具60の長さ方向に真っ直ぐに形成されている。この解除押部63で突出操作部43を押すことにより、ロック装置38を解除することができる。
解除押部63に隣り合う両側面のそれぞれは、その上端が庇部64となっている。これら庇部64には、その裏側、すなわち解除具60の基端側に、前記解除押部63側に突出した一対の受爪65(受止部の一例)が設けられる。
受爪65は、側面視略L字状に形成されており、その基端部66が前記庇部64の下裏側において接合され、その先端が解除押部63側に突出した構成となっている。さらに先端には、解除具60のハンドル部の方向に直角に折り曲げられるとともにその角部が滑らかにされた案内部67が形成されている。この受爪65により、ロック装置38が解除されて旋回降下する内枠30を受け止めることができる。
また、解除具60は、ロック装置38をロックする場合、すなわち天井点検口1を閉鎖状態とする場合にも用いることができる。解除部62における両方の庇部64それぞれの表側(上面側)に、一対のロック押部68が設けられており、このロック押部68と内枠10(天井ボード材B)の底面とを接触させて内枠30を持ち上げて、内枠30と外枠10とを重ね合わせることにより天井点検口1を閉鎖状態にする。
このとき、内枠10(天井ボード材B)がロック押部68によって傷つかないために、ロック押部68はゴムなどの緩衝性のある部材から構成されているのが好ましい。
また、図5に示すように、解除部62は内部が空洞の箱状であるのが好ましい。箱状であると、空洞である分、材料費を節約することができるとともに、解除部62を軽量化することができ、解除具60の操作性が向上する。
また、解除押部63は、高摩擦体であるのが好ましい。高摩擦体であると、ロック装置38を解除するため突出操作部43の受力部44に解除押部63を当てたとき、滑ることなく受力部44を押すことができる。また、同様の理由から、この受力部44も高摩擦体であるのが好ましい。
次に、天井点検口1の施工について説明する。
まず、外枠10を天井の開口部に嵌めるとともに、吊り金具93を介して取付用野縁受95に固定する。
内枠連結辺31に取り付けられたヒンジを外枠10に引っ掛けることで、内枠30と外枠10とを回転自在に連結する。これにより内枠30は、内枠連結辺31を支点に旋回が可能となる。内枠30を旋回させて、内枠30と外枠10とを重ね合わせる。このとき、内枠30に設けられたロック装置38の撓み部41を外枠10に設けられた内枠支持部16に接触させて、撓み部41を撓ませながらさらに内枠30を外枠10と重なる方向に旋回させる。内枠30を上昇させていくと、撓み部41が内枠支持部16から外れて、撓み部41は撓んだ状態から元の状態に戻る。これにより、ロック装置38の引掛部42が内枠支持部16に引っ掛かってロックが完了する。
次に、図6に示すように、外枠10の吊り下げスライド溝17にバネ取付金具22をスライドさせて嵌めこむ。図6(a)に示すように、バネ取付金具22を案内切り欠き20から吊り下げスライド溝17に案内する。図6(b)に示すように、バネ取付金具22のストッパ受面27がストッパ部21に接触するまで、バネ取付金具22を吊り下げスライド溝17でスライドさせる。図6(c)に示すように、ストッパ受面27がストッパ部21に接触した後は、バネ取付金具22が有する複数の第一バネ力調整孔24のうちからいずれかを選択して、その選択した第一バネ力調整孔24に安全バネ50の一端を取り付ける。また、孔付きブラケット36が有する複数の第二バネ力調整孔37のうちからいずれかを選択して、その選択した第二バネ力調整孔37に安全バネ50の他端を取り付ける。このとき、安全バネ50の引張力が、バネ取付金具22と孔付きブラケット36とを引き寄せるように作用するが、バネ取付金具22はストッパ部21と接触することにより、その引張り方向に、必要以上にスライドすることはない。
次に天井点検口1の使用について説明する。
天井点検口1は、通常は閉鎖状態であり、天井裏のメンテナンス時に開放される。開放には、解除具60を用いてロック装置38を解除することにより行う。
図1に示すように床上から解除具60を操作して、図7に示すように床上から、解除具60の解除押部63をロック装置38の突出操作部43に当ててこれを内方向に押し込む。これにより、ロック装置38の撓み部41が内方向に撓んで引掛部42が内枠支持部16から外れる。引掛部42が内枠支持部16から外れることで、内枠30はその自重により内枠連結辺31を支点に旋回降下する。内枠30が旋回降下することで天井点検口1が開放する。なお、図7において、外方向から解除具60を近づける際に受爪65が見切り部15に接触した場合でも、滑らかな角部を有する案内部67によって見切り部15を傷つけることなく、解除押部63を突出操作部43に案内することができる。
天井点検口1の開放時は、図8(a)に示すように、外枠10と内枠30とに設けられた安全バネ50が伸びて、内枠30の開き方向と反対方向の引張力を作用させて、内枠30が勢いよく開くのを防止する。
また、図8(b)に示すように、旋回降下する内枠30を解除具60の先端部に設けられた受爪65によって受け止めることができる。これにより、前述した安全バネ50が奏する効果と相まって内枠30が勢いよく開くのをより一層防止することができる。
ここで、天井ボード材Bは、天井点検口1の設置個所に応じて異なるものを採用することができる。天井点検口1は、異なる重さの天井ボード材Bを設けた場合であっても、それぞれの場合に対応して、前述した安全バネ50のバネ力を調整することができる。すなわち、複数の第一バネ力調整孔24と複数の第二バネ力調整孔24とのうちから任意に調整孔を選択して安全バネ50の取付位置を変えることで、バネ力を調整することができる。以下、詳細に説明する。
内枠30が開くときの下向きの回転モーメント(図9における時計まわりの回転モーメント)は、内枠30を構成する天井ボード材Bの重さによって変動する。天井ボード材Bが軽いほど下向きの回転モーメントは小さくなり、重いほど下向きの回転モーメントは大きくなる。
安全バネ50の引張力によって内枠30に及ぼす上向きの回転モーメント(図9における反時計まわりの回転モーメント)は、安全バネ50の取付位置によって変動する(その他、バネ定数等によっても変動する)。孔付きブラケット30における安全バネ50の一端の取付位置が回転の支点(内枠連結辺31)に近いほど上向きの回転モーメントは小さくなり、遠いほど上向きの回転モーメントは大きくなる。また、バネ取付金具22における安全バネ50の他端の取付位置が下方であるほど安全バネ50の伸びの長さが短くなって上向きの回転モーメントが小さくなり、上方であるほど安全バネ50の伸びの長さが長くなって上向きの回転モーメントが大きくなる。
たとえば、天井ボード材Bが重い場合は、下向きの回転モーメントが大きい状態であるので、安全バネ50の一端を回転の支点(内枠連結辺31)から遠くに位置する第二バネ力調整孔37に取り付ける。こうすることで、前記下向きの回転モーメントの大きさに対して上向きの回転モーメントを大きくすることができる。さらに、安全バネ50の他端を複数の第一バネ力調整孔24から選択することで上向きの回転モーメントの大きさを微調整する。内枠30の開きが若干速い場合には、上向きの回転モーメントを若干大きくするために、安全バネ50の他端を上方に位置する第一バネ力調整孔24に取り付ける。こうすることで、回転モーメントを微調整し、内枠30をゆっくり開かせることができる。
たとえば、図9では、上向きの回転モーメントが最も小さくなるような安全バネ50の取付位置を示している。天井ボード材Bが軽い場合には、図9に示すように、安全バネ50の一端を回転の支点(内枠連結辺31)から最も近くに位置する第二バネ力調整孔37に取り付ける。また、安全バネ50の他端をバネ取付金具22の最も下方に位置する第一バネ力調整孔24に取り付ける。こうすることで、安全バネ50が及ぼす上向きの回転モーメントを最も小さくすることができる。なお、どのような取付位置であっても、上向きの回転モーメントは、下向きの回転モーメントよりも小さくなくてはならない。上向きの回転モーメントが下向きの回転モーメントよりも大きいと、ロック装置38が解除状態であっても内枠30がその自重により開くことができないからである。また、回転モーメントは、内枠30の開き角が70°から90°の位置で釣り合うように調整するのが望ましい。開き角が前記のような範囲であると、開放した天井点検口に撮影具を挿入するのに内枠30が妨げとなることがなく、また、解除具60を用いて内枠30を持ち上げることによる天井点検口の閉鎖作業を容易にすることができる。
天井点検口1が開放した後は、開放した点検口に、長棒に取り付けたカメラ等の撮影装置を挿入して天井裏を撮影する。この撮影による天井裏の撮影画像により、天井裏の異常の有無を確認することができる。
図10に示すように、天井点検口1は、開放時に使用した解除具60を用いて閉鎖することができる。すなわち、解除具60の先端部に設けられたロック押部68を天井ボード材Bの底面に接触させて天井ボード材Bを内枠30ごと持ち上げて、内枠30と外枠10とを重ね合わせる。内枠30と外枠10とを重ね合わせたときに、ロック装置38の引掛部42が外枠10の内枠支持部16に引っ掛かり、ロック装置38がロックされる。したがって、天井点検口1が閉鎖状態となる。このとき、ロック押部68がゴム等の緩衝性のある部材からできている場合には、天井ボード材Bを傷つけることなく作業することができる。
99 特定天井
1 天井点検口
10 外枠
17 吊り下げスライド溝
20 案内切り欠き
21 ストッパ部
22 バネ取付金具
24 第一バネ力調整孔
30 内枠
36 孔付きブラケット
37 第二バネ力調整孔
38 ロック装置
43 突出操作部
50 安全バネ
60 解除具
63 解除押部
65 受爪
68 ロック押部
1 天井点検口
10 外枠
17 吊り下げスライド溝
20 案内切り欠き
21 ストッパ部
22 バネ取付金具
24 第一バネ力調整孔
30 内枠
36 孔付きブラケット
37 第二バネ力調整孔
38 ロック装置
43 突出操作部
50 安全バネ
60 解除具
63 解除押部
65 受爪
68 ロック押部
Claims (4)
- 天井の開口部に設けられた外枠と、この外枠の内側に設けられて上下方向に旋回可能であることにより開閉可能な内枠と、を備える天井点検口であって、
前記内枠は、ロック装置を有し、
前記ロック装置は、ロック状態において前記内枠を閉じた状態に保持可能であるとともに、解除状態で前記内枠の開閉動作を許容するものであり、
前記ロック装置は、このロック装置を解除状態とし得る操作部を有し、
前記操作部は、前記内枠が閉じた状態において、離れた位置から前記ロック装置を操作できるように室内側に突出して設けられ、
前記外枠と前記内枠との間に、内枠が自重によって開く方向と反対方向のバネ力を作用させるバネ部材が設けられた
ことを特徴とする天井点検口。 - 外枠は、バネ部材の一端を取り付け得る第一取付孔を有し、
内枠は、前記バネ部材の他端を取り付け得る第二取付孔を有し、
前記第一取付孔または前記第二取付孔のうち少なくとも一方は、それぞれ異なった場所に複数形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の天井点検口。 - 請求項1または2に記載の天井点検口のロック装置を床面上の人の力により操作して解除状態とし得る棒状の解除具であって、
前記ロック装置の操作部に力を作用させてこのロック装置を解除状態とし得る作用部を有する
ことを特徴とする解除具。 - ロック装置を解除状態としたときに自重によって開く内枠を受け止め得る受止部を有する
ことを特徴とする請求項3に記載の解除具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015005983U JP3202467U (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 天井点検口 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015005983U JP3202467U (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 天井点検口 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3202467U true JP3202467U (ja) | 2016-02-04 |
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ID=55238125
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015005983U Active JP3202467U (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 天井点検口 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3202467U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017210038A (ja) * | 2016-05-23 | 2017-11-30 | 近畿車輌株式会社 | 蓋体の開機構及び鉄道車両の鴨居 |
JP2018039074A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 学校法人千葉工業大学 | 建築物の天井裏点検方法 |
JP2021156010A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | ナカ工業株式会社 | 点検口 |
-
2015
- 2015-11-26 JP JP2015005983U patent/JP3202467U/ja active Active
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7413118B2 (ja) | 2020-03-27 | 2024-01-15 | ナカ工業株式会社 | 点検口 |
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