JP3233467U - 箱罠 - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実に獣を捕獲する仕組みや構造を備えつつ安全・安心にも配慮された改良型の箱罠を提供する。【解決手段】獣を捕獲するための箱罠1000において、ロック状態において、開状態とされる落下式扉1100に一端が係止されて、落下式扉を開状態で維持するように箱罠の上面上方で張架された扉吊下ワイヤー1200と、箱罠の上面に設けられ、ロック状態において扉吊下ワイヤーの他端が係止され、獣の箱罠内への侵入に伴い落下式扉を落下させて箱罠を閉じさせるトリガー構造1300と、を備え、トリガー構造は、扉吊下ワイヤーが支点に係止された第一のトリガーピンと、第一のトリガーピンと直角に配置された第二のトリガーピンと、トリガーワイヤーの一端に係止されて、トリガーワイヤーの張力が増大した場合に第二のトリガーピンのロックを解除する第三のトリガーピンと、を備える。【選択図】図1

Description

本考案は、猪等の獣を捕獲するための箱罠に関する。
従来、猪等の野生の獣を捕獲するための種々の箱罠が用いられてきている。そして、そのような箱罠の構造や機構は、従来に比較すると現在では次第に改良されてきており、高度な付加価値が付けられたり、より容易で使いやすくなってきている。例えば、下記特許文献1には、設置現場において誰でも工具を使わずに、すばやく組立・分解することができる耐久強度に富む箱罠(檻)に関する技術思想が開示されている。また、下記特許文献2には、人が野生獣捕獲用箱罠に閉じ込められた場合に安易に脱出できる非常脱出扉を設置した箱罠の技術思想が開示されている。
特開2017−184670号公報 実用新案登録第3220739号公報
従来、より確実に箱罠内に獣を捕獲する仕組みや構造を備える箱罠でありながら、安全・安心にもさらに配慮された改良型の箱罠の余地が多分にあった。
本考案は、このような問題点に鑑み為されたものであり、より確実に下りないに獣を捕獲する仕組みや構造を備えつつ安全・安心にも配慮された改良型の箱罠を提案することを目的とする。
本考案にかかる獣を捕獲するための箱罠は、ロック状態において、開状態とされる落下式扉に一端が係止されて、落下式扉を開状態で維持するように箱罠の上面上方で張架された扉吊下ワイヤーと、箱罠の上面に設けられ、ロック状態において扉吊下ワイヤーの他端が係止され、獣の箱罠内への侵入に伴い扉吊下ワイヤーの張架を解除することで、落下式扉を落下させて箱罠を閉じさせるトリガー構造と、を備え、トリガー構造は、扉吊下ワイヤーと並行に、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置され、扉吊下ワイヤーに引っ張られて回動した場合には扉吊下ワイヤーが脱抜されるように扉吊下ワイヤーが支点に係止された第一のトリガーピンと、第一のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、第一のトリガーピンと直角に配置されて、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置された第二のトリガーピンと、第二のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、箱罠内に張られたトリガーワイヤーが箱罠の側面外壁から上面に沿って延伸されてその一端に係止されて、トリガーワイヤーの張力が増大した場合にトリガーワイヤーに引っ張られてその他端を支点として、箱罠の上面に並行な面内で回動することで第二のトリガーピンの押圧を解除することで、ロック解除動作とする第三のトリガーピンと、を備え、第一のトリガーピンの回動面と第二のトリガーピンの回動面と第三のトリガーピンの回動面とは互いに直交している関係であることを特徴とする。
より確実に下りないに獣を捕獲する仕組みや構造を備えつつ安全・安心にも配慮された改良型の箱罠を実現できる。
本考案にかかる箱罠の全体斜視図を説明する図である。 本考案にかかる箱罠のロック状態のトリガー構造を詳細に説明する図である。 本考案にかかる箱罠のロック状態のトリガー構造を詳細に説明する図である。 本考案にかかる箱罠のロック解除状態のトリガー構造を詳細に説明する図である。 落下式扉が獣により予期せずに開状態とされてしまうことを抑止するための、開防止ロック機構について説明する図である。 落下式扉が獣により予期せずに開状態とされてしまうことを抑止するための、開防止ロック機構について説明する図である。 罠内垂落防止用ワイヤーについてより詳細に説明する図である。 罠内垂落防止用ワイヤーについてより詳細に説明する図である。 罠内垂落防止用ワイヤーについてより詳細に説明する図である。 罠内垂落防止用ワイヤーについてより詳細に説明する図である。 第一のトリガーピンの典型例としてのより好ましい長さについて説明する図である。
図1は、本考案にかかる箱罠1000の全体斜視図を説明する図である。図1において、箱罠1000は一対の落下式扉1100(1),1100(2)(適宜に落下式扉1100と総称する、以下同様)を備えておりそのいずれもが開状態、すなわち獣の捕獲待機状態、として示されている。落下式扉1100は、扉吊下ワイヤー1200で吊り上げられており、扉吊下ワイヤー1200は獣が箱罠1000内に入った場合に落下式扉1100を落下させて扉を閉ざすためのトリガー構造1300に連結されている。
落下式扉1100は、ガイドレール1400に沿って上下に移動するように構成されており、落下式扉1100が開とされた状態にも対応するためにガイドレール1400は、箱罠1000の上面の四隅において上方に所定高さまで突出して設けられる。また、落下式扉1100は、その左右一対それぞれの垂直辺に沿って、上方に向けて少し開いて配置された棒状体1610を備える。棒状体1610の下端は落下式扉1100の側辺に溶接固定されている一方、その上端が該側片から少し離間するように外方に開くテーパー配置となる。
また、上下スライド移動中の落下式扉1100の棒状体1610に対応する位置において、逆L字状の蓋体1620がガイドレール1400に備えられている。棒状体1610と、外開配置スペース1620を有する蓋体1620とで、閉じ込められた獣が落下式扉1100を開けて逃げるのを防止するための開防止ロック機構1600を構成している。
また、本考案の箱罠1000は、一端がガイドレール1400の上端に固定係止されて、他端が扉吊下ワイヤー1200の摺動移動可能に係止される、罠内垂落防止用ワイヤー1500を備える。図1に示す例では、罠内垂落防止用ワイヤー1500の他端は輪っか状にされており、当該輪っかの中に扉吊下ワイヤー1200が通される構成を示している。罠内垂落防止用ワイヤー1500により、落下式扉1100が閉状態とされて扉吊下ワイヤー1200が緩み弛んだ状態となっても、扉吊下ワイヤー1200が箱罠1000内に垂れ下がることを防止できるので、箱罠1000内の獣にカジられたり切断されることを防止できる。
また、図2乃至図4は、本考案にかかる箱罠1000のトリガー構造1300を詳細に説明する図である。トリガー構造1300には、第一のトリガーピン1310と第二のトリガーピン1320と第三のトリガーピン1330とが含まれる。図2及び図3に示すロック状態の場合、すなわち落下式扉1100が開状態に維持されている場合に、第一のトリガーピン1310と第二のトリガーピン1320と第三のトリガーピン1330とは下方から上方に向けて順次に重ね合わされて配置される。
図2及び図3から明らかなように第一のトリガーピン1310の支点には、扉吊下ワイヤー1200が引っ掛けられて係止されており、張架された扉吊下ワイヤー1200から引っ張られていることにより、第一のトリガーピン1310にはピンを引き起こして上方へ回動反転させるように付勢されている。なお、第一のトリガーピン1310とは、図に示している一対の第一のトリガーピン1310(1)と第一のトリガーピン1310(2)と、を総称しているものであり、一対の構成を例示している他の符号においても同様であるものとする。
第二のトリガーピン1320は、第一のトリガーピン1310を上方から押さえつけるように第一のトリガーピン1310に垂直に配置されて、第一のトリガーピン1310がピンを引き起こされて上方へ回動反転することを防止する。但し、第二のトリガーピン1320それ単体では、何ら固定や付勢されているものではなく、第二のトリガーピン1320のさらに上方に配置される第三のトリガーピン1330からの押圧力を第一のトリガーピン1310に伝達する機能を有するものである。
第三のトリガーピン1330は、第二のトリガーピン1320のさらに上方に、第二のトリガーピン1320に垂直に配置される。第三のトリガーピン1330は水平面内でのみ回動移動が可能なように構成されているので、垂直方向に対しては移動することがない。このため、第三のトリガーピン1330が、第二のトリガーピン1320の上方に位置する限り、第二のトリガーピン1320は上方に回動移動することができず、従って、第一のトリガーピン1310も上方に回動移動することができず、ロック状態が維持される。
第三のトリガーピン1330の支点を構成する一端とは異なる他端には、トリガーワイヤー1340が固定締結されている。トリガーワイヤー1340は、箱罠1000内の例えば中央付近の下面から10cm程度の高さ位置に張架されているものとする。すなわち、箱罠1000内の中央付近にまで侵入した獣が、脚等によりトリガーワイヤー1340を引っ掛けると、トリガーワイヤー1340が引っ張られて(トリガーワイヤー1340の張力が増大して)、第三のトリガーピン1330を引っ張り回動移動させることにより、第三のトリガーピン1330が第二のトリガーピン1320の押圧を解除して、トリガー構造1300のロック解除がされる。
トリガー構造1300のロック解除がされると、図4に示すように扉吊下ワイヤー1200が第一のトリガーピン1310から解放されて自由となるので、落下式扉1100が落下して獣が閉じ込められることとなる。なお、図2乃至図4から理解できるように、第一のトリガーピンの回動面と第二のトリガーピンの回動面と第三のトリガーピンの回動面とは互いに直交しているものとする。第一のトリガーピン1310と第二のトリガーピン1320と第三のトリガーピン1330とは、テコの原理により、より小さな力で動作が可能でありロック機能及びロック解除機能を発揮することができる。
また、図3に示すように、比較的長い第二のトリガーピン1320(1)と比較的短い第二のトリガーピン1320(2)との二本を備えるものとしても良い。これにより、ロック解除の容易さやロック解除に要する時間を調整することが可能となる。
すなわち、比較的長い第二のトリガーピン1320(1)を使用すれば、第三のトリガーピン1330がトリガーワイヤー1340に引っ張られた場合に第二のトリガーピン1320(1)上で摺動移動する距離が長くなるので、ロック解除までに比較的長い時間を要するし、ロック解除により大きなエネルギー(摩擦摺動力×移動距離)を要することになるので比較的ロック解除され難いと言える。このため、地震等の自然環境の変化や他の振動等ノイズに対して誤作動することが少なくなり安定した動作が可能となる。
また、比較的短い第二のトリガーピン1320(2)を使用すれば、第三のトリガーピン1330がトリガーワイヤー1340に引っ張られた場合に第二のトリガーピン1320(2)上で摺動移動する距離が短くなるので、ロック解除までに比較的短い時間を要するものとなり、ロック解除により小さなエネルギー(摩擦摺動力×移動距離)を要することになるので比較的ロック解除され易いと言える。このため、敏速かつ迅速な獣閉じ込め動作が期待でき、トリガーワイヤー1340による獣検知に対して敏感な動作が可能となる。上述した第二のトリガーピン1320は、二本に限定されるものではなく、三本以上としても良いし、一本のみ設けるものとしても良いし、任意の長さのピンを取り換えて差替えて使用できるように構成しても良い。
また、図5及び図6は、落下式扉1100が獣により予期せずに開状態とされてしまうことを抑止するための、開防止ロック機構1600について説明する図である。図5と図6から理解できるように、下端が落下式扉1100の側面に溶接固定されて、先端が少し外側にテーパして開いて配置されている棒状体1610の先端が、落下式扉1100の落下に伴い、ガイドレール1400上に設けられた蓋体1625により生成された外開配置スペース1620に入り込むことで、該先端の上方に蓋体1625が位置するものとなる。
これにより、棒状体1610の先端は、蓋体1625の内壁が障害となって、上方への移動が制限される。これにより、棒状体1610が固定されている落下式扉1100も上方への移動が制限されて、開状態となることを抑止できる。また、図5と図6には直接的には明示していないが、落下式扉1100の落下途中においては、棒状体1610の外側面が蓋体1625の内端と接触して摺動しながら落下し、棒状体1610の先端が蓋体1625の内端を超えて落下した瞬間に、棒状体1610の先端が外開配置スペース1620に入り込むものとできる。
図面においては、蓋体1625を逆L字状の態様で例示しているが、これに限定されるものではない。また、図6に示すように、棒状体1610(1)の先端部と棒状体1610(2)の先端部との間に、落下式扉1100の開防止ロック機構1600のロックを解除して扉を上方へ移動させ得る開防止ロック解除ワイヤー1700を懸架しても良い。開防止ロック解除ワイヤー1700を上方または手前へ引っ張ると、各棒状体1610の先端部が互いの間隔を縮めるように中央に引き寄せられて蓋体1625の対応位置から内側へ外れるので、扉を上方に開放することが可能となる。
また、図7乃至図10は、罠内垂落防止用ワイヤー1500についてより詳細に説明する図である。罠内垂落防止用ワイヤー1500は、落下式扉1100の下辺中央に固定された扉吊下ワイヤー1200に対して、これが箱罠1000内に垂れ落ちることを防止する機能を有する。
このため、罠内垂落防止用ワイヤー1500の一端はガイドレール1400の上端に固定される一方、罠内垂落防止用ワイヤー1500の他端は輪っか状に形成されて当該輪っか内に扉吊下ワイヤー1200が挿通される構成とされ、罠内垂落防止用ワイヤー1500が適度に張架される状態に維持される。
このような構成によって、罠内垂落防止用ワイヤー1500の吊り上げ効果で扉吊下ワイヤー1200の垂れ下がりが制約されるものとなり、箱罠1000内へ扉吊下ワイヤー1200が垂れ落ちて獣に噛まれたり損傷を受けることを防止できる。
また、図10に示すように、落下式扉1100と、箱罠1000の上面を構成するメッシュ鋼の落下式扉1100に直近の辺縁部との間(図中に“L”として示している)には、4cm以上で獣が逃げない程度の間隔(例えば8cm以内)とされているので、予期せずに落下式扉1100が落下した場合でも作業者の指爪防止に役立っている。間隔の目安としては人の指の第一関節の長さ以上としておくことが好ましい。さらに、箱罠1000は、直方体の各面ごと六面の面パーツ及び四本のガイドレールの分割パーツとされて持ち運ぶことが可能であり、設置現場で組み立て設置したり撤去することが可能に構成されている。
また、図11は、第一のトリガーピン1310の典型例としてのより好ましい長さについて説明する図である。図11に示すように、第一のトリガーピン1310の長さは最も好ましくは11cmとするものであり、好ましくは9〜13cmであるものとする。第一のトリガーピン1310の長さをより長くしてその先端付近で第二のトリガーピン1320と接触するように構成すれば、テコの原理により、第一のトリガーピン1310に対してより小さな力で第二のトリガーピン1320が押圧できる構成となる。このため、第三のトリガーピン1330もより小さな力で容易に敏感にロック解除されることとなるが、反面においては、ちょっとした地震や風や獣の体当たり等の振動にも反応してロック解除される懸念もある。
一方、第一のトリガーピン1310の長さをより短くしてその先端付近で第二のトリガーピン1320と接触するように構成すれば、テコの原理により、第一のトリガーピン1310に対してより大きな力で第二のトリガーピン1320が押圧する構成となる。このため、第三のトリガーピン1330もより大きな力でようやくロック解除されるものとなるので、ちょっとした地震や風や獣の体当たり等の微々たる振動では反応せずにロック解除されないものとなり安定した動作が期待できる。一方、より大きな力でトリガーワイヤー1340が引っ掛けられて引っ張られた張力が、第三のトリガーピン1330に伝達されるまでロック解除されず落下式扉1100も閉じないので、例えば小さな獣に対しては機敏な捕獲動作が期待できない場合も想定される。
さらに、第一のトリガーピン1310が長くなると回動する場合のモーメントも増大することから、回動して反転するまでにより時間を要することとなって、扉吊下ワイヤー1200の解放までにもより時間を要することとなる。このような観点から、猪を対象とする場合には、第一のトリガーピン1310の長さを好ましくは9〜13cmとし、より好ましくは11cmとすることが適切であることを本考案者は見出した。
本発明の箱罠は、獣を捕獲するための箱罠において、ロック状態において、開状態とされる落下式扉に一端が係止されて、落下式扉を開状態で維持するように箱罠の上面上方で張架された扉吊下ワイヤーと、箱罠の上面に設けられ、ロック状態において扉吊下ワイヤーの他端が係止され、獣の箱罠内への侵入に伴い扉吊下ワイヤーの張架を解除することで、落下式扉を落下させて箱罠を閉じさせるトリガー構造と、を備え、トリガー構造は、扉吊下ワイヤーと並行に、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置され、扉吊下ワイヤーに引っ張られて回動した場合には扉吊下ワイヤーが脱抜されるように扉吊下ワイヤーが支点に係止された第一のトリガーピンと、第一のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、第一のトリガーピンと直角に配置されて、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置された第二のトリガーピンと、第二のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、箱罠内に張られたトリガーワイヤーが箱罠の側面外壁から上面に沿って延伸されてその一端に係止されて、トリガーワイヤーの張力が増大した場合にトリガーワイヤーに引っ張られてその他端を支点として、箱罠の上面に並行な面内で回動することで第二のトリガーピンの押圧を解除することで、ロック解除動作とする第三のトリガーピンと、を備え、第一のトリガーピンの回動面と第二のトリガーピンの回動面と第三のトリガーピンの回動面とは互いに直交している関係であることを特徴とする。
一端を支点として回動するトリガーピンが三層に重ねられた構成を有するトリガー構造であり、その一番上層の第三のトリガーピンが、箱罠内に侵入した獣の体に引っ掛かったトリガーワイヤーにより、箱罠の上面平面内で外側に回動してその下層に位置する第二のトリガーピンへの押圧が解除される。
次に、第三のトリガーピンによる上方からの押圧が解除された第二のトリガーピンは、その下層に位置する第一のトリガーピンからの押圧力により、上方へ勢いよく180°回動して第一のトリガーピンへの押圧が解除される。この時、第三のトリガーピンの回動面と第二のトリガーピンの回動面は直交している関係である。
次に、扉吊下ワイヤーにより引っ張られて上方への回動力が付勢されている第一のトリガーピンが、第二のトリガーピンによる上方からの押圧力が消滅したことに起因して、扉吊下ワイヤー方向へと上方に180°回動する。この時、第一のトリガーピンの回動面と第二のトリガーピンの回動面と第三のトリガーピンの回動面とは互いに直交している関係である。
これにより、スムースかつ確実かつ迅速な箱罠の扉の開閉動作が可能となる。第三のトリガーピンは水平面内のみでの回動が可能に構成されているものであり、上方への動きはできないので、第二のトリガーピンにより下方から上方への押圧力を付勢されても、これを抑止して制止する。しかし、トリガーワイヤーにより引っ張られて回動し、第二のトリガーピンの上方位置から移動すれば、第二のトリガーピンへの抑止・制止が解除されて、第二のトリガーピンが上方へと180°回動されるものとなる。
これに伴い、第二のトリガーピンに上方から抑えられていた第一のトリガーピンが、180°上方へと回動して、第一のトリガーピンに引っ掛けられていた扉吊下ワイヤーが第一のトリガーピンから離間して、落下式扉の落下とともに落下式扉に引っ張られてそちらへ移動する。電源や電気回路や複雑な機構を用いずに、極めてシンプルな構造と動作機構で実現できることから、メンテナンスも容易であり故障や破損の懸念も低減できる。
また、本発明の箱罠は、好ましくは第一のトリガーピンが、対向配置された一対の落下式扉にそれぞれの一端が係止された一対の扉吊下ワイヤーにそれぞれ係止されて対向配置された一対のトリガーピンであることを特徴とする。
これにより、一対の両扉を備える箱罠を実現でき、獣が箱罠内に入った場合のみ一対の両扉を同時に閉めることも可能となる。第一のトリガーピンを二本ともすなわち一対セットとして使用しても良いし、一方の扉は常時閉として片方のみ開けて獣が箱罠内に入った場合には当該片方の扉のみを閉めるように、対応する一本の第一のトリガーピンのみを使用することもできる。いずれの落下式扉を用いるのか、または両方の落下式扉を用いるのかは、設置場所や環境や捕獲対象獣に応じて、利用者が自由に選択して設置するものとできる。
本発明の箱罠は、さらに好ましくは第二のトリガーピンが、選択使用可能に少なくとも長短の差異を有する二本を備えられ、短い第二のトリガーピンは長い第二のトリガーピンよりも第三のトリガーピンと接触摩擦摺動する距離が短いことにより、ロック解除動作が早いことを特徴とする。
これにより、第二のトリガーピンが長ければ長い程、その上方に接触配置される第三のトリガーピンが解除動作しようとする場合の接触摺動距離が長くなるので、落下式扉が閉まるまでに時間を要するものとなることが懸念される。一方、第二のトリガーピンが長ければ長い程、ご作動によって落下式扉が閉まってしまうような不本意な落下式扉の閉動作を回避できると考えられる。
すなわち、獣以外の何らかの事情で一時的にトリガーワイヤーが少し引っ張られたような状態が発生したり、地震や雨やその他の揺動等を生じる自然現象等によって、第三のトリガーピンが解除方向に少し移動したような場合においても、第二のトリガーピンが長ければ、ロック解除されるまでには相当に長い第二のトリガーピン上の距離を第三のトリガーピンが摩擦摺動移動しなければ解除までは至らないことから、確実な獣の捕獲が可能となる。
一方で、獣が箱罠内に入った場合には、その後できるだけ短い時間で落下扉を閉めた方が捕獲確率が上昇する場合も考えられる。獣が箱罠内に入ったことを検知(すなわち獣の体にトリガーワイヤーが引っ掛かった)した後、扉を閉めるまでにあまり時間を要していると、逃げられる虞もある。本考案においては、少なくとも長短二種類の長さの第二のトリガーピンを備えることにより、獣が箱罠内に入ったことを検知(すなわち獣の体にトリガーワイヤーが引っ掛かった)した後、扉を閉めるまでの時間を長く設定したり短く設定したり任意に選択調整できるものとなる。もちろん、長短二種類のみではなく、三種類以上の複数の長さの第二のトリガーピンを備えるものとしても良い。
本発明の箱罠は、さらに好ましくはロック解除状態において、第一のロックピンから脱抜された扉吊下ワイヤーが箱罠内に垂れ落ちないように、落下式扉のガイドレール上端と扉吊下ワイヤーとの間に懸架された罠内垂落防止用ワイヤーを備えることを特徴とする。
扉吊下ワイヤーが獣が閉じ込められている箱罠内に落ち込むと、獣にカジられて噛まれて切断されたり損傷してしまう場合も懸念される。落下式扉が落下して扉が閉められた状態では、扉吊下ワイヤーの張架が解除されて自由状態とされているため、特に箱罠の上面に位置するワイヤー部分が箱罠の隙間から罠内部へ垂れ下がってしまう場合もある。このため、本考案においては、落下式扉のガイドレール上端から罠内垂落防止用ワイヤーを張架して扉吊下ワイヤーを軽く引っ張り上げることで、扉吊下ワイヤーが箱罠の上面の隙間から罠内部へ垂れ下がることを回避できるので好ましい。
本発明の箱罠は、さらに好ましくは箱罠内に閉じ込められた獣が落下式扉を上方へ開けることができないように、落下式扉の開防止ロック機構を備えることを特徴とする。
これにより、箱罠内に閉じ込められている獣が内部から落下式扉を持ち上げて扉を開けて逃げ出すことを防止できる。
本発明の箱罠は、さらに好ましくは開防止ロック機構は、落下式扉の一対の垂直辺に沿って配置されて上端が外方へ拡がり逆ハの字構成とされた一対の棒状体と、箱罠本体の落下式扉の一対の垂直辺に対応するガイドレールに設けられ、落下式扉の落下に伴い棒状体を摺動落下させて棒状体の上端が外側へ開いて配置収納される外開配置スペースと外開配置スペースの棒状体の上端の上方への移動を阻止する蓋体とを備えることを特徴とする箱罠。
これにより、より確実にかつより簡易でシンプルで頑丈な構成で、箱罠内に閉じ込められている獣が内部から落下式扉を持ち上げて扉を開けて逃げ出すことを防止できる。逆ハの字構成とされた一対の棒状体は、外開配置スペースへ配置収納されるまでの間、すなわち落下式扉の略完全な閉状態までの落下途中の間、においては、蓋体の端部から外側への開きが抑制されている。
そして、落下式扉が略完全な閉状態まで落下した場合に、一対の棒状体の先端が蓋体の端部の下方に位置することで、それぞれのガイドレールの外開配置スペースの位置において外側へと開くことができるものとなる。この状態においては、一対の棒状体の先端が、外開配置スペース内においてその上方を蓋体で制限されていることから、上方へ移動できないので従って棒状体が固定されている落下式扉も上方へ移動されないものとなる。
落下式扉に溶接固定された棒状体と、対応するガイドレール位置に設けられた蓋体を含む外開配置スペースと、を設ける簡単でシンプルな構成でありながら、強固な作用効果が期待できるので、メンテナンスや故障等も低減した安定した動作機構を確保することができるので好ましい。
本考案に係る箱罠とその各部分の構成や構造・材料等は、上述の説明及び図面に示す形状・構造・態様・構成等に限定されるものではなく、本考案の射程の範囲内において、当業者の知り得る公知・既知または周知の構成・手法等を用いて適宜変形しアレンジし、モディファイし組み合わせ適用してもよいものである。例えば、第一のトリガーピン1310、第二のトリガーピン1320、第三のトリガーピン1330は、それぞれの長さや重さが異なればそれぞれの回動や回転に関するモーメントも変るので、ロック解除の容易さやロック解除の反応動作時間が変ってくるので、各ピンを適宜に選択交換可能に構成することで、対象とする獣に適切な動作特性を得るものとしても良い。
1000・・箱罠、1100・・落下式扉、1200・・扉吊下ワイヤー、1300・・トリガー構造ク、1310・・第一のトリガーピン、1320・・第二のトリガーピン、1330・・第三のトリガーピン、1340・・トリガーワイヤー、1400・・ガイドレール、1500・・罠内垂落防止用ワイヤー、1600・・開防止ロック機構、1610・・棒状体、1620・・外開配置スペース、1625・・蓋体、1700・・開防止ロック解除ワイヤー。
本発明の箱罠は、さらに好ましくはロック解除状態において、第一のトリガーピンから脱抜された扉吊下ワイヤーが箱罠内に垂れ落ちないように、落下式扉のガイドレール上端と扉吊下ワイヤーとの間に懸架された罠内垂落防止用ワイヤーを備えることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 獣を捕獲するための箱罠において、
    ロック状態において、開状態とされる落下式扉に一端が係止されて、前記落下式扉を開状態で維持するように前記箱罠の上面上方で張架された扉吊下ワイヤーと、
    前記箱罠の上面に設けられ、ロック状態において前記扉吊下ワイヤーの他端が係止され、獣の前記箱罠内への侵入に伴い前記扉吊下ワイヤーの張架を解除することで、前記落下式扉を落下させて前記箱罠を閉じさせるトリガー構造と、を備え、
    前記トリガー構造は、
    前記扉吊下ワイヤーと並行に、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置され、前記扉吊下ワイヤーに引っ張られて回動した場合には前記扉吊下ワイヤーが脱抜されるように前記扉吊下ワイヤーが前記支点に係止された第一のトリガーピンと、
    前記第一のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、前記第一のトリガーピンと直角に配置されて、その一端を支点として上方に回動可能に固定配置された第二のトリガーピンと、
    前記第二のトリガーピンが回動しないように上方から押圧ロックするように、箱罠内に張られたトリガーワイヤーが前記箱罠の側面外壁から上面に沿って延伸されてその一端に係止されて、前記トリガーワイヤーの張力が増大した場合に前記トリガーワイヤーに引っ張られてその他端を支点として、前記箱罠の上面に並行な面内で回動することで前記第二のトリガーピンの押圧を解除することで、ロック解除動作とする第三のトリガーピンと、を備え、
    前記第一のトリガーピンの回動面と前記第二のトリガーピンの回動面と前記第三のトリガーピンの回動面とは互いに直交している関係である
    ことを特徴とする箱罠。
  2. 請求項1に記載の箱罠において、
    前記第一のトリガーピンは、対向配置された一対の落下式扉にそれぞれの一端が係止された一対の扉吊下ワイヤーにそれぞれ係止されて対向配置された一対のトリガーピンである
    ことを特徴とする箱罠。
  3. 請求項1または請求項2に記載の箱罠において、
    前記第二のトリガーピンは、選択使用可能に少なくとも長短の差異を有する二本を備えられ、短い第二のトリガーピンは長い第二のトリガーピンよりも前記第三のトリガーピンと接触摩擦摺動する距離が短いことにより、ロック解除動作が早い
    ことを特徴とする箱罠。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の箱罠において、
    ロック解除状態において、前記第一のロックピンから脱抜された前記扉吊下ワイヤーが箱罠内に垂れ落ちないように、前記落下式扉のガイドレール上端と扉吊下ワイヤーとの間に懸架された罠内垂落防止用ワイヤーを備える
    ことを特徴とする箱罠。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の箱罠において、
    前記箱罠内に閉じ込められた獣が前記落下式扉を上方へ開けることができないように、前記落下式扉の開防止ロック機構を備える
    ことを特徴とする箱罠。
  6. 請求項5に記載の箱罠において、
    前記開防止ロック機構は、
    前記落下式扉の一対の垂直辺に沿って配置されて上端が外方へ拡がり逆ハの字構成とされた一対の棒状体と、
    前記箱罠本体の前記落下式扉の一対の垂直辺に対応するガイドレールに設けられ、前記落下式扉の落下に伴い前記棒状体を摺動落下させて前記棒状体の上端が外側へ開いて配置収納される外開配置スペースと前記外開配置スペースの前記棒状体の上端の上方への移動を阻止する蓋体とを備える
    ことを特徴とする箱罠。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7393064B1 (ja) * 2023-02-21 2023-12-06 房総プラント株式会社 動物捕獲用檻

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