JP3202032U - スライドファスナ付き介護用衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業効率が良く、破損の可能性が低いスライド移動規制手段を有するスライドファスナ付き介護用衣服を提供する。【解決手段】スライドファスナ付き介護用衣服は、把持可能な引手31を有するスライダ30bと、スライダ30bによって開閉される線ファスナ部30aとを有するスライドファスナ30が設けられたスライドファスナ付き介護用衣服であり、スライダ30bの閉め止まり位置部分近傍に、スライダ30bの引手31を収容可能な筒状部材34と、スライダ30b及び筒状部材34を覆い隠すことが可能な被覆部材36とが設けられている。【選択図】図2

Description

本考案は、スライドファスナが設けられたスライドファスナ付き介護用衣服に関するものである。
従来、痴呆症等の症状を有する被介護者が自分で勝手に脱衣してしまうことを防止するため、上下一体に形成された介護用つなぎ服が用いられている(特許文献1)。従来の介護用つなぎ服100は、図4に示すように、襟部102近傍から右脚の裾部104に亘って設けられた正面スライドファスナ110と、右脚の裾部104から左脚の裾部106に亘って設けられた股部スライドファスナ112とを備えている。正面スライドファスナ110は、開かれることにより前身頃を左右に分断させ、介護用つなぎ服100の被介護者に対する着脱を可能にするように構成されている。股部スライドファスナ112は、開かれることにより介護用つなぎ服100の股部分を開口させ、オムツ等の交換を可能にするように構成されている。
従来の介護用つなぎ服100では、正面スライドファスナ110及び股部スライドファスナ112の閉め止まり位置部分近傍R,Rにフラップ114,116が設けられており、正面スライドファスナ110及び股部スライドファスナ112のスライダ120,136(図5及び図6参照)を隠すよう構成されている。しかしながら、フラップ114,116でスライダ120,136を隠すのみでは、被介護者がフラップ114,116と衣服表面との間に指を挿入し、スライダを勝手に移動させてしまうおそれがある。このため、従来、例えば図5及び図6に示すように、閉め止まり位置部分近傍R,Rにあるスライド120,136の移動を規制する種々の手段が講じられている。なお、図5及び図6では、正面スライドファスナ110の閉め止まり位置部分近傍Rの構成のみを図示しているが、股部スライドファスナ112の閉め止まり位置部分近傍Rにも同様の構成が採用されている。
従来の第1の例に係るスライド移動規制手段は、図5に示すように、スライダ120の引手122の開口124に取り付けられた環状の紐部材126と、フラップ114の内面に取り付けられた雌型ホック128と、衣服表面に取り付けられた雄型ホック130とからなる。この第1の例に係るスライド移動規制手段は、雄型ホック130を囲うよう紐部材126を配置した状態で雌型ホック128と雄型ホック130とを嵌合させ、紐部材126を雌型ホック128及び雄型ホック130の間に引っ掛けることで、スライダ120の移動を規制するよう構成されている。
従来の第2の例に係るスライド移動規制手段は、図6に示すように、互いに重なり合うように設けられた第1フラップ114a及び第2フラップ114bと、第1フラップ114aの外面に取り付けられた雄型ホック132と、第2フラップ114bの内面に取り付けられた雌型ホック134と、雄型ホック132を囲うことが可能な大きさを有する引手138が取り付けられたスライダ136とからなる。この第2の例に係るスライド移動規制手段は、雄型ホック132を囲うよう引手138を配置した状態で雄型ホック132と雌型ホック134とを嵌合させ、引手138を雄型ホック132及び雌型ホック134の間に引っ掛けることで、スライダ136の移動を規制するよう構成されている。
実用新案登録第3162589号公報
しかしながら、従来の第1の例に係るスライド移動規制手段では、紐部材126が柔軟で、意図せぬ形状に変形することがあるため、フラップ114を閉じて雌型ホック128と雄型ホック130とを嵌合させる作業中、常に紐部材126を一方の手で押さえ付けておく必要がある。このため、従来の第1の例に係るスライド移動規制手段では、雌型ホック128と雄型ホック130とを嵌合させる作業が煩雑であり、作業効率が悪いという問題がある。また、従来の第1の例に係るスライド移動規制手段では、雌型ホック128と雄型ホック130との間に紐部材126が巻込まれるおそれがあり、このように紐部材126が巻込まれた場合には、雌型ホック128及び雄型ホック130が破損するおそれがあるという問題がある。
また、従来の第2の例に係るスライド移動規制手段では、スライダ136の引手138が大型となるため、洗濯時等に破損するおそれがあるという問題がある。
そこで、本考案は、作業効率が良く、破損の可能性が低いスライド移動規制手段を有するスライドファスナ付き介護用衣服を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するため、本考案に係るスライドファスナ付き介護用衣服は、把持可能な引手を有するスライダと、該スライダによって開閉される線ファスナ部とを有するスライドファスナが設けられたスライドファスナ付き介護用衣服であって、前記スライダの閉め止まり位置部分近傍に、該スライダの前記引手を収容可能な筒状部材と、該スライダ及び該筒状部材を覆い隠すことが可能な被覆部材とが設けられていることを特徴とする。
本考案に係るスライドファスナ付き介護用衣服は、上下一体に形成された介護用つなぎ服であるとしても良い。
この場合において、前記スライドファスナは、前身頃の襟部から一方の脚の裾部に亘って設けられた正面スライドファスナを備え、前記正面スライドファスナのスライダの閉め止まり位置部分近傍に、前記筒状部材及び前記被覆部材が設けられることが好ましい。
また、前記スライドファスナは、一方の脚の裾部から他方の脚の裾部に亘って設けられた股部スライドファスナを備え、前記股部スライドファスナのスライダの閉め止まり位置部分近傍に、前記筒状部材及び前記被覆部材が設けられることが好ましい。
本考案によれば、作業効率が良く、破損の可能性が低いスライド移動規制手段を有するスライドファスナ付き介護用衣服を提供することができる。
本考案の一実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服を概略的に示す正面図である。 図2(a)は、筒状部材にスライダの引手を収容させていない状態におけるスライダの閉め止まり位置部分近傍を概略的に示す部分拡大図であり、図2(b)は、筒状部材にスライダの引手を収容させた状態におけるスライダの閉め止まり位置部分近傍を概略的に示す部分拡大図であり、図2(c)は、フラップを閉じた状態におけるスライダの閉め止まり位置部分近傍を概略的に示す部分拡大図である。 本実施形態に係る筒状部材の概略構成を示す斜視図である。 従来の介護用つなぎ服を示す正面図である。 従来の第1の例に係るスライド移動規制手段を示す正面図である。 従来の第2の例に係るスライド移動規制手段を示す正面図である。
以下、本考案を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る考案を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが考案の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1は、図1に示すように、肩部20から右脚の裾部22及び左脚の裾部24に亘る前面を形成する前身頃12と、肩部20から両脚の裾部22、24に亘る背面を形成する後身頃部(図示せず)と、右腕及び左腕の袖を形成する左右一対の袖部14,16と、襟を形成する襟部18とを形成する複数の生地が縫合されることにより、上下一体に形成された介護用つなぎ服である。
本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1の前身頃12には、従来の介護用つなぎ服と同様に、襟部18から一方の脚の裾部(本実施形態では右脚の裾部22)に亘って、正面スライドファスナ30が設けられている。また、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1の前身頃12の股部分には、従来の介護用つなぎ服と同様に、右脚の裾部22から左脚の裾部24に亘って、股部スライドファスナ32が設けられている。
正面スライドファスナ30は、図1及び図2に示すように、前身頃12の襟部18から右脚の裾部22に亘って設けられた線ファスナ部30aと、線ファスナ部30aに沿って移動可能に設けられたスライダ30bとを有している。スライダ30bは、図2に示すように、線ファスナ部30aに沿って移動可能なスライダ本体(図示せず)と、スライダ本体に取り付けられ、把持可能に構成された引手31とを有している。
この正面スライドファスナ30は、線ファスナ部30aの襟部18側の端部(上端部)から右脚の裾部22側の端部(下端部)に向けてスライダ30bを移動させることにより線ファスナ部30aを開くことが可能で、かつ、線ファスナ部30aの下端部から上端部に向けてスライダ30bを移動させることにより線ファスナ部30aを閉じることが可能に構成されている。以上の構成を備える正面スライドファスナ30によれば、スライダ30bによって線ファスナ部30aを開くことにより、前身頃12を左右に分断させ、スライドファスナ付き介護用衣服1の被介護者に対する着脱を可能にすることができる。
股部スライドファスナ32は、正面スライドファスナ30と同様に、把持可能な引手を有するスライダ(図示せず)と、スライダによって開閉される線ファスナ部32aとを有している。この股部スライドファスナ32は、右脚の裾部22側の端部から左脚の裾部24側の端部に向けてスライダを移動させることにより線ファスナ部32aを開くことが可能で、かつ、左脚の裾部24側の端部から右脚の裾部22側の端部に向けてスライダを移動させることにより線ファスナ部32aを閉じることが可能に構成されている。以上の構成を備える股部スライドファスナ32によれば、スライダによって線ファスナ部32aを開くことにより、スライドファスナ付き介護用衣服1の股部分を開口させ、オムツ等の交換を可能にすることができる。
正面スライドファスナ30のスライダ30bの閉め止まり位置近傍R及び股部スライドファスナ32のスライダの閉め止まり位置近傍Rには、図2(a)〜図2(c)に示すように、それぞれ、スライダ30bの引手31を収容可能な筒状部材34(スライド移動規制手段)と、スライダ30b及び筒状部材34を覆い隠すことが可能な被覆部材36,38とが設けられている。なお、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1において、股部スライドファスナ112の筒状部材(図示せず)及び被覆部材38は、正面スライドファスナ110の筒状部材34及び被覆部材36と概ね同様の構成を採用することが可能であるため、その説明を省略する。
筒状部材34は、図2(a)、図2(b)及び図3に示すように、閉め止まり位置に到達した状態のスライダ30bの引手31と整合する位置に取り付けられた円筒状の布部材からなり、スライダ30bの引手31を収容可能な径及び長さを有している。この筒状部材34は、帯状の布部材をループ状にして、その一端部34a及び他端部34bを衣服表面とホック付き布部材40との間に挿入した状態で、補強布部材40を衣服表面に縫合することで、取り付けられている。筒状部材34は、図2(b)に示すように、閉め止まり位置に到達した状態(図2(a)の状態)のスライダ30bの引手31が収容されることで、スライダ30bの移動を規制するよう構成されている。
被覆部材36は、図2(a)〜図2(c)に示すように、矩形状の布部材からなるフラップ部材であり、線ファスナ部30aに沿った側縁部が前身頃12に縫合されることにより、スライダ30b及び筒状部材34を露出させた状態(図2(a)及び図2(b)の状態)と、スライダ30b及び筒状部材34を覆い隠した状態(図2(c)の状態)との間において開閉移動可能に構成されている。被覆部材36の内面には、衣服表面に縫合された補強布部材40に取り付けられた雄型ホック42と嵌合可能な雌型ホック44が取り付けられている。雌型ホック44は、特別な操作(例えば、図2(c)に示す外面側の中央部44aを押圧する操作や、中央部44aにマグネットを磁着させる操作等)が無ければ雄型ホック42との嵌合が解除されないロック機能付きのホックであることが好ましい。
以上のとおり、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1は、把持可能な引手31を有するスライダ30bと、スライダ30bによって開閉される線ファスナ部30aとを有するスライドファスナ30が設けられたスライドファスナ付き介護用衣服1であって、スライダ30bの閉め止まり位置部分近傍R,Rに、スライダ30bの引手31を収容可能な筒状部材34と、スライダ30b及び筒状部材34を覆い隠すことが可能な被覆部材36とが設けられている。
このようなスライドファスナ付き介護用衣服1によれば、筒状部材34にスライダ30bの引手31を挿入し、スライダ30bの移動を規制すると共に、これらスライダ30b及び筒状部材34を被覆部材36によって覆い隠すことができるため、痴呆症等の症状を有する被介護者が自分で勝手に脱衣してしまうことを防止することができる。
特に、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1では、作業効率が良く、破損の可能性が低いという特有の利点を有している。すなわち、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1では、筒状部材34にスライダ30bの引手31を挿入するのみでスライダ30bの移動を規制するよう構成されていることから、被覆部材36の雌型ホック44を雄型ホック42に嵌合させる際にスライダ30bの引手31を押さえ付ける作業等を行う必要が一切無く、また、筒状部材34やスライダ30bの引手31が雌型ホック44と雄型ホック42との間に巻き込まれるおそれも一切無い。また、本実施形態に係るスライドファスナ付き介護用衣服1では、従来の第2の例に係るスライド移動規制手段のような大型の引手138を有するスライダ136を用いる必要が無く、既存のスライドファスナを用いることができるため、製造コストを抑えることができると共に、洗濯時等における破損のリスクを抑えることができる。
以上、本考案の好適な実施形態について説明したが、本考案の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態の説明では、スライドファスナ付き介護用衣服1が、正面スライドファスナ30及び股部スライドファスナ32を備えた介護用つなぎ服であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、スライダの閉め止まり位置部分近傍に筒状部材及び被覆部材が設けられたスライドファスナ付き介護用衣服であれば、いかなるタイプの衣服であっても良い。
また、上述した実施形態の説明では、正面スライドファスナ30の線ファスナ部30aの上端部(襟部18側の端部)がスライダ30bの閉め止まり位置であり、股部スライドファスナ32の線ファスナ部32bの右脚の裾部22側の端部がスライダの閉め止まり位置であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。正面スライドファスナ30の線ファスナ部30aの下端部(右脚の裾部22側の端部)がスライダ30bの閉め止まり位置であるとしても良いし、股部スライドファスナ32の線ファスナ部32bの左脚の裾部24側の端部がスライダの閉め止まり位置であるとしても良い。また、正面スライドファスナ30の線ファスナ部30aの中途部(腹部付近)がスライダ30bの閉め止まり位置であるとしても良く、さらに、例えば袖部14,16にスライドファスナが設けられる場合には、袖部14,16の袖口部分がスライダの閉め止まり位置であるとしても良い。
1 スライドファスナ付き介護用衣服、12 前身頃、18 襟部、22 右脚の裾部(一方の脚の裾部)、24 左脚の裾部(他方の脚の裾部)、30 正面スライドファスナ(スライドファスナ)、30a 線ファスナ部、30b スライダ、31 引手、32 股部スライドファスナ(スライドファスナ)、32a 線ファスナ部、34 筒状部材、36,38 被覆部材、R,R スライダの閉め止まり位置部分近傍

Claims (4)

  1. 把持可能な引手を有するスライダと、該スライダによって開閉される線ファスナ部とを有するスライドファスナが設けられたスライドファスナ付き介護用衣服であって、
    前記スライダの閉め止まり位置部分近傍に、該スライダの前記引手を収容可能な筒状部材と、該スライダ及び該筒状部材を覆い隠すことが可能な被覆部材とが設けられている
    ことを特徴とするスライドファスナ付き介護用衣服。
  2. 前記スライドファスナ付き介護用衣服は、上下一体に形成された介護用つなぎ服である
    ことを特徴とする請求項1に記載のスライドファスナ付き介護用衣服。
  3. 前記スライドファスナは、前身頃の襟部から一方の脚の裾部に亘って設けられた正面スライドファスナを備え、
    前記正面スライドファスナのスライダの閉め止まり位置部分近傍に、前記筒状部材及び前記被覆部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項2に記載のスライドファスナ付き介護用衣服。
  4. 前記スライドファスナは、一方の脚の裾部から他方の脚の裾部に亘って設けられた股部スライドファスナを備え、
    前記股部スライドファスナのスライダの閉め止まり位置部分近傍に、前記筒状部材及び前記被覆部材が設けられている
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のスライドファスナ付き介護用衣服。
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