JP3202020U - 香炉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コストダウンを図ることが可能であり、使用時の安全性が高く、且つ灰の処理などの手入れや、洗浄に手間のかからない香炉の提供。【解決手段】 香炭が載置される燃焼台座12を有し、燃焼台座12に通気孔16A,16B,16Cが穿設されているとともに、通気孔16A,16B,16Cは下方にいくに従い内径が大きくなるように形成されている。また、燃焼台座12は、その一部若しくは全面に亘って、立体的な模様となる凹凸部若しくは溝部が形成されている。【選択図】 図1

Description

本考案は、斎場・寺院・自宅などでの葬儀や法要の際に参列者が焼香を行う場合に利用可能であるとともに、若しくは葬儀道具用品及び自宅仏壇用の仏具として利用可能な香炉に関する。
一般に、仏式の葬儀や法事等の法要における焼香は、祭壇の上に香炉を設置して会葬者が祭壇に進み出て焼香を行う場合の他、香炉並びに香炭が入った香盒を載せたお盆、又は、これらが収納された焼香箱を利用して会葬者間で順送りしながら行う、回し焼香がある。焼香に使用する香炉は耐熱性を考慮して金属製の香炉が比較的多く使用されている。このような香炉は、通常、プラスチック製の筐体に入れられて焼香箱とともに利用されるが、焼香時、香炉には灰と火種を入れておき、会葬者は着火した火種の上に手指でつまんだお香を振りかけることによって焼香を行う。
従来、香炭を焚く香炉の一例として、実用新案登録第3053290号公報に記載の考案が公知である。同公報記載の香炉は、開口部を有する容器本体、該開口部に着脱可能に設けられた金網部材、該金網部材の内側に布状の酸化触媒等を具備しており、金網部材又は酸化触媒の上に線香又は香炭を載せて燃焼させるようになっている。この考案のメリットは、容器本体の開口部から十分な空気が供給されることによって火が消えないこと、又、酸化触媒による完全燃焼が図られることであるとされている。
実用新案登録第3053290号公報
しかしながら、前述の特許文献1記載の香炉では、完全燃焼を促すべく、白金やパラジウムといった希少金属を素材とする酸化触媒が使用されていることから、結果としてコストの上昇をもたらすとともに構成部材の点数が増加するといった課題がある。
また、香炭などが燃焼する部分は金属製の金網部材で製作されていることから、使用時の燃焼熱が金網部材全体に伝わるため、金網部材全体が熱くなって火傷など不慮の事態を招く可能性も否定できない。香炭の燃焼温度は摂氏700°C程度まで上昇するため、金網部材に加え、容器本体にも相応の耐熱性が要求されることとなる。さらに、使用後には金網部材に付着した灰を洗浄するなどの手間を必要とし、手入れが煩雑となる場合もある。
本考案は前述の諸事情に対処するために提案されたものであって、高価な部品を使用することなくコストダウンを図ることが可能であり、使用時に火傷などの危険が少なく、且つ灰の処理などの手入れや、洗浄に手間のかからない香炉を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、香炭が載置される陶器製の燃焼台座を有し、該燃焼台座に通気孔が穿設されているとともに、該通気孔は下方にいくに従い内径が大きくなるように形成されていることを特徴とする。
請求項2記載の考案は、上記1項において、前記燃焼台座は、その一部若しくは全面に亘って、凹凸部若しくは溝部が形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の考案は、上記1項及び2項において、前記燃焼台座に形成されている凹凸部若しくは溝部は、立体模様を構成していることを特徴とする。
請求項4記載の考案は、上記1項〜3項のうち、いずれか1項において、前記燃焼台座には、上方へ立ち上がる周壁が形成されて容器形状を有するとともに、該周壁には把っ手が設けられていることを特徴とする。
上述のように、各請求項記載の考案によれば、香炭の燃焼時にも割れることがないとともに、使用時には全体として熱くなることがないので、火傷などの不慮の事故を減少させることが可能であり、安全性の向上に寄与する。
また、使用後の燃えかすや灰の処理作業が簡単であることから、使い勝手に優れた香炉を提供するこが可能である。
さらに、金属など他の素材を使用していないので、部品点数の減少等によるコストダウンを図ることができる。
本考案の一実施形態に係る香炉と内箱との関係を示す分解斜視図である。 同じく、本考案の一実施形態に係る香炉について、内箱に収容した状態を示す組立斜視図である。 同じく、本考案の一実施形態に係る香炉を示し、このうち図3(a)は底面図、図3(b)は側面図である。 同じく、本考案の一実施形態に係る香炉が内箱に収納されている状態を示す平面図である。 同じく、本考案の一実施形態に係る香炉が内箱に収納された状態を示しており、詳しくは図4のA−A線に沿った矢視断面図である。 同じく、本考案の一実施形態に係る香炉が内箱に収納された状態であって、詳しくは図4のA−A線に沿った矢視断面図において、燃焼台座上で香炭が燃焼している場合の状況を示す説明図である。
以下、本考案に係る香炉について添付図面を参照して説明する。
図1は本考案の一実施形態に係る香炉の斜視図、図2は本実施形態の香炉の組立斜視図、図3本実施形態の香炉を示し、このうち図3(a)は底面図、図3(b)は側面図、図4は本実施形態の香炉が内箱に収納された状態を示す平面図、図5は図4のA−A線に沿った矢視断面図、図6は香炭の燃焼時の状態を示す断面図である。
図1に示されるように、香炉10は燃焼台座12と、この耐熱容器12を支える支持脚20を具備して構成されている。この香炉10は、燃焼台座12上に、香炭を載置して燃焼させるようになっており、燃焼台座12の素材は700°C前後の高温に耐えうる陶器であり、高温時の割れを防止するため、一定の熱膨張係数以下となるように又、熱伝導係数を低くするために、目の粗い土である志の土(志野土)を素材にして焼き上げられている。
目の粗い志の土を素材とすることによって耐熱性が向上する他、熱伝導係数を低くすることが可能であることから、使用時の温度上昇の防止、釉薬の付着強度の向上、並びに光沢感のあるツヤを維持することが同時に可能になっている。燃焼台座12には、その各辺から立ち上がる周壁14が形成されているとともに、短辺側には把っ手14A,14Bが設けられている。
図4、図5及び図6に示されるように、燃焼台座12の表面には凹凸状の模様13(本実施形態では菊花紋を組み合わせたもの)が形成され、香炭Xを燃焼台座12に載置した場合に、香炭Xの下方部分に模様13の高低差により隙間が生じるようになっており、燃焼時における空気の通りを確保するようになっている。
さらに、燃焼台座12には、計3つの通気孔16A,16B,16Cが貫通して穿設されている。これらの通気孔16A,16B,16Cは、図5に示されるように、下方にいくに従い内径が大きく形成されていることから、香炭Xの燃焼時に燃焼台座12の下方側との温度差とも相俟って多くの空気を燃焼台座12側へ、図6に示される矢印のように上昇気流として導入することができ、香炭Xの完全燃焼を促すようになっている。
また、通気孔16A,16B,16Cは、香炭Xが燃焼することによって生じる灰を下方へ落下させる働きを同時に有している。
なお、燃焼台座12の表面には、模様13の他、横方向若しくは斜め方向、縦方向の直線状若しくは曲線状の溝を形成し、これらの溝によって香炭と、燃焼台座との間に空気の通り道となる隙間を確保するようにしても良いし、通気孔の位置や数は適宜、選択することが可能である。
本実施形態の香炉10を使用する場合は、図2に示されるように、金属製若しくは防火処理の施された素材からなる中箱30に収容して使用する。この際、図5及び図6に示されるように、香炉10は中箱30内で支持脚20がその底部30Aに接触した状態で収容されるとともに、燃焼台座12上には火種となる香炭Xが着火した状態で置かれ、この香炭X上にお香を振りかけることによって焼香を行う。
焼香は、中箱30を図示しない焼香箱に入れて祭壇の上に設置して行っても良いし、法要などで、焼香箱を会葬者間で順送りして行う回し焼香によっても良い。また、本実施形態の香炉10は、法要などでの使用の他、自宅にて仏壇用の仏具として利用するなど、幅広い用途に対応することができる。
焼香時には、燃焼台座12に、通気孔16A,16B,16Cから空気が導入されるとともに、香炭及びお香と、模様13との間には隙間が形成されていることから、燃焼に必要な空気を十分に確保することが可能であり、灰がなくとも燃焼させることが可能になっている。
使用後は、香炭やお香の燃えかすや灰が残るが、本実施形態の香炉10は陶器を素材としていることから、従来の金網部材を備えた香炉と比較し、灰の始末や洗浄などの手入れを容易に行うことができる。加えて、中箱30に対し、把っ手14A,14Bをつまんで容易に出し入れすることが可能である。
また、香炉10は耐熱性を有し、熱伝導係数も金属などと比較して低いことから、燃焼時に香炉全体の温度上昇を抑制することができ、結果として使用時における火傷などの不慮の事故を未然に防止することが可能である。
本実施形態の香炉10を製造する場合は、先ず、熱膨張係数と熱伝導係数が小さい志の土を原料に、その土中の空気を抜いて均一化する。そして、その志の土を石膏などで形成した型に入れることによって成形する。
さらに、別途成形しておいた把っ手14A,14B、支持脚20などのパーツと一体化させるとともに、通気孔16A,16B,16Cの穿孔後、乾燥させて素焼を行う。その後、絵柄の部分に釉薬をはじく撥水剤を載せて釉薬掛けをしてから本焼成を行う。焼成後は検品などを行って香炉10は完成する。
以上の本実施形態に係る香炉10によれば、耐熱性を有する陶器を素材として使用し、熱膨張係数を一定値以下としているので、香炭の燃焼時における温度上昇に伴う割れを防止することが可能である。また、陶器を素材とすることによって、熱伝導係数が低くなることから、燃焼時に香炉全体が熱くなるといった事がなく、安全性の向上を図る事が可能である。さらに、使用後の後始末や手入れを容易に行うことができ、使い勝手の向上に寄与する。
なお、本実施形態では素材として志野土を使用しているが、志野土の以外の同様な性質を備えた目の粗い他の土を使用しても良い。
本考案によれば、葬儀や法要での使用や、自宅の仏壇に使用する仏具としての利用が可能である。
10 香炉
12 燃焼台座
13 模様(菊花紋)
14A 14B 把っ手
16A 16B 16C 通気孔
20 支持脚
30 中箱
30A 底部
X 香炭

Claims (4)

  1. 香炭が載置される陶器製の燃焼台座を有し、該燃焼台座に通気孔が穿設されているとともに、該通気孔は下方にいくに従い内径が大きくなるように形成されていることを特徴とする香炉。
  2. 前記燃焼台座は、その一部若しくは全面に亘って、凹凸部若しくは溝部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の香炉。
  3. 前記燃焼台座に形成されている凹凸部若しくは溝部は、立体模様を構成していることを特徴とする請求項1及び2に記載の香炉。
  4. 前記燃焼台座には、上方へ立ち上がる周壁が形成されて容器形状を有するとともに、該周壁には把っ手が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか1項に記載の香炉。
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