JP3202005U - 鉄道レール用クランプとそれを用いたクランプ式レールボンド - Google Patents

鉄道レール用クランプとそれを用いたクランプ式レールボンド Download PDF

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【課題】扱いが容易ではない溶接作業やロウ接作業を必要とすることなく、また経時的に緩み易いネジを用いることなく、しかも確実に且つ簡単にレールに対してクランプすることができ、電気接続を確保することができる鉄道レール用クランプとそれを用いたクランプ式レールボンドの提供を課題とする。【解決手段】金属製帯状厚肉の鉄道レール用クランプ1であって、クランプ胴部10と、クランプ頭部20と、クランプ尾部30とからなり、クランプ頭部20には、屈曲折返し部22を構成することで、鉄道レールの下部フランジの圧入を受け入れる受入れ隙間23を構成すると共に、係止段部21を構成し、クランプ尾部30には係止段部31を構成している。【選択図】 図1

Description

本考案は鉄道レール用クランプとそれを用いたクランプ式レールボンドに関する。
鉄道の線路である鉄道レールには、電車を走らせるために、また信号を送るために電流を流す必要がある。そして鉄道レールの各1本の長さには限りがあることから、レールの継ぎ目を電気接続する必要がある。このレールの継ぎ目を電気接続するのに用いられる接続器具はレールボンドと称されている。
レールに電気を流し易くするためには、レールを機械的に締め付けるだけでは不十分である。レールに付着した錆等の影響で電気抵抗が大きくなり、完全な電気回路を構成できないことがある。レールボンドはレール継目の電気抵抗をできるだけ少なく、レールとレールを結ぶ機能を必要とする。
レールボンドには、鉄道レールへの取り付け方によって、溶接方式、ロウ付け方式、ボルト・ナット方式等がある。
実開昭63−73860号公報 実公平1−27571号公報 特開平7−320839号公報 特開2001−210397号公報 特開2004−92349号公報 特開2008−171567号公報 特開2013−108262号公報
上記特許文献1には、ボルト・ナットを用いて、レールボンドを鉄道レールに取り付ける構成が開示されている。しかしながらボルト・ナットでレールボンドを鉄道レールに取り付ける方式は、特に振動の多い鉄道レールにおいては、ボルト・ナットが経時的に緩み易く、安定した電気接続を保証できないという問題がある。
上記特許文献2には、溶接ろう材を用いて、レールボンドをレールに溶接して取り付ける構成が開示されている。しかしながら溶接による取り付けは、溶接技術者を要し、また溶接用の電源や溶接設備を伴う作業となり、レールに熱ひずみ等の悪影響をもたらす問題がある。
上記特許文献3には、ハンダ(ロウ)を用いて、レールボンドを鉄道レールに取り付ける構成が開示されている。しかしながらハンダ(ロウ)でレールボンドを鉄道レールに取り付ける方式は、接合面を清浄にする作業を必要とし、また加熱装置を必要とするなど、作業が必ずしも容易ではない問題がある。
上記特許文献4には、ボルト・ナットとロウとによる組み合わせで、レールボンドを鉄道レールに取り付ける構成が開示されている。しかしながら前記特許文献1及び特許文献3の場合と同様の問題がある。
上記特許文献5には、テルミット剤を用いて、レールボンドをレールに溶接して取り付ける構成が開示されている。しかしながらテルミット剤を点火するような溶接による取り付けは、前記特許文献2の場合と同様の問題がある。
上記特許文献6には、レールボンドの端子をハンダでレール頭部の側面に接合させる構成が開示されている。またクランプ装置を用いて前記端子をレールに押しつけるようにして接合するように構成している。しかしながらハンダを用いる方式は、前記特許文献3の場合と同様の問題がある。また用いられるクランプ装置は、あくまでレールボンドの端子がレールにハンダ接合されるまでの補助的な押圧手段である。勿論、このクランプ手段を長期に亘って使用する場合には、使用している固定ネジの経時的な緩みが生じ易い問題ある。
上記特許文献7には、レールボンドの端子と接触して該端子をレール腹部に押圧する板バネと、該板ばねの基端部をレール底部に固定する固定部とを備えた構成が開示されている。しかしながら前記固定部をレールに固定する手段にボルト・ナットを用いており、前記特許文献1の場合と同様の問題がある。
そこで本考案は上記従来技術の問題を解消し、扱いが容易ではない溶接作業やロウ接作業を必要とすることなく、また経時的に緩み易いネジを用いることなく、しかも確実に且つ簡単にレールに対してクランプすることができ、電気接続を確保することができる鉄道レール用クランプとそれを用いたクランプ式レールボンドの提供を課題とする。
本考案の鉄道レール用クランプは、鉄道レールの下部を構成する下部フランジに対して、取り外し可能にクランプして電気接続をなす金属製帯状厚肉の鉄道レール用クランプであって、
前記鉄道レールの下部フランジの下面側を横断するように配置されるクランプ胴部と、該クランプ胴部の長手方向先端側に一体形成されてなるクランプ頭部と、前記クランプ胴部の長手方向末端側に一体形成されてなるクランプ尾部とからなり、
前記クランプ頭部には、前記クランプ胴部の長手方向先端側を屈曲状態に折り返してなる屈曲折返し部を構成することで、前記鉄道レールの下部フランジのフランジ端部の圧入を受け入れる受入れ隙間を構成すると共に、前記下部フランジのフランジ端部のそれ以上の侵入を阻止する係止段部を構成し、
前記クランプ尾部には、前記クランプ頭部の係止段部に対応して下部フランジの他方の端部を係止する係止段部を構成していることを第1の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第1の特徴に加えて、クランプ頭部における受入れ隙間は、前記クランプ頭部の係止段部よりも末端側において最も狭くなるように構成され、更に屈曲折返し部の折返し末端に向けて広くなるように構成されていることを第2の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第1又は第2の特徴に加えて、クランプ尾部の係止段部は、鉄道レールの下部フランジの幅に応じて複数段に構成されていることを第3の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第1〜第3の何れかの特徴に加えて、クランプ胴部とクランプ頭部とクランプ尾部とからなる鉄道レール用クランプの全体がバネ鋼で構成されていることを第4の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第1〜第4の何れかの特徴に加えて、クランプ頭部の屈曲折返し部の上面側に、鉄道レール用クランプ同士を電線を介して電気接続するための電線接続固定手段を構成していることを第5の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第5の特徴に加えて、電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の径に応じて、複数径の電線端子受入れ溝と、該電線端子受入れ溝に受け入れられた電線端子を機械的に押圧固定する押圧具を備えていることを第6の特徴としている。
また本考案の鉄道レール用クランプは、上記第5の特徴に加えて、電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の端子をネジ固定するネジ固定手段であることを第7の特徴としている。
また本考案のクランプ式レールボンドは、上記第1〜第7の何れかの特徴の鉄道レール用クランプを一対用い、該一対の鉄道レール用クランプ同士を電線で電気接続してなる、鉄道レールのレール間電気接続用のクランプ式レールボンドであることを第8の特徴としている。
請求項1に記載の鉄道レール用クランプによれば、金属製帯状厚肉の鉄道レール用クランプはクランプ胴部、その長手方向先端側に一体形成されたクランプ頭部、及び長手方向末端側に一体形成されたクランプ尾部とからなる。鉄道レール用クランプの鉄道レールへのクランプ作業は、クランプ胴部を、鉄道レールの下部フランジに対して、該下部フランジを横断するように下面側から宛がいながら、クランプの頭部の屈曲折返し部を鉄道レールの下部フランジの端部に噛み込ませ、その状態で更に屈曲折返し部の受入れ隙間に鉄道レールの下部フランジの端部を圧入させる。圧入された下部フランジの端部は、クランプ頭部の係止段部に達したところで、それ以上の侵入を阻止されて止まる。このとき下部フランジの前記端部に対応する他方の端部がクランプ尾部の係止段部に嵌り込み、係止される。これによって鉄道レール用クランプは、クランプ頭部によって鉄道レールの下部フランジに噛み込んで機械的固定と電気接続を完成し、且つクランプ頭部の係止段部とクランプ尾部の係止段部との間に鉄道レールの下部フランジを下面側から係止する。
よって請求項1に記載の鉄道レール用クランプによれば、鉄道レール用クランプを鉄道レールの下部フランジの端部に圧入することで機械的に強固な結合と電気接続とを達成できる。また溶接やロウ付け等に必要な加熱設備や加熱原の必要がなく、溶接作業やロウ付け作業に要する専門性、熟練性も作業者に要求されない。
しかも金属製で帯状厚肉の鉄道レール用クランプを、そのクランプ頭部の屈曲折返し部に鉄道レールの下部フランジを圧入することで、鉄道レールとの強固な結合を達成しているので、ネジ固定のような場合と比べても、振動等による緩みを生じることがない。
更に鉄道レール用クランプは、一対の係止段部間で鉄道レールの下部フランジに係止するので、この一対の係止段部によって鉄道レール用クランプが前記下部フランジに対して圧入方向に相対的にズレ動くのが規制される。よって鉄道レールに噛み込込んだ鉄道レール用クランプの噛み込みの緩みが生じる余地が前記一対の係止段部で阻止され、電気接続が不良となるような緩みが生じることなく、強固な結合が保証される。
請求項2に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項1に記載の構成による作用効果に加えて、クランプ頭部の受入れ隙間は、クランプ頭部の係止段部よりも末端側において最も狭くなるように構成され、更に屈曲折返し部の折返し末端に向けて広くなるように構成されている。よって鉄道レール用クランプは、クランプ頭部の屈曲折返し部の広くなった折返し末端において、容易に鉄道レールの下部フランジの端部に対して噛み込み準備ができ、そのまま鉄道レール用クランプを鉄道レールの下部フランジに対して進出させてゆくことで、下部フランジへの噛み込みとそれに続く圧入を達成することができる。圧入は金属製帯状厚肉の鉄道レール用クランプにおいて、そのクランプ頭部の屈曲折返し部の弾性変形と一部塑性変形を伴うため、鉄道レールとの強固な結合が可能となる。
請求項3に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項1又は2に記載の構成による作用効果に加えて、クランプ尾部の係止段部は、鉄道レールの下部フランジの幅に応じて複数段に構成されているので、下部フランジの幅寸法が異なる複数種類の鉄道レールに対しても適用することができる。
請求項4に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項1〜3の何れかに記載の構成による作用効果に加えて、鉄道レール用クランプの全体がバネ鋼で構成されているので、該バネ鋼が保持する弾力性を利用して、圧入された鉄道レールとの長期に亘る強固な結合を確保することができる。
請求項5に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項1〜4の何れかに記載の構成による作用効果に加えて、クランプ頭部の屈曲折返し部の上面側に、鉄道レール用クランプ同士を電線で介して電気接続するための電線接続固定手段を構成しているので、この電線接続固定手段により鉄道レール用クランプ同士を電気接続することで、容易にクランプ式レールボンドを構成することができる。
請求項6に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項5に記載の構成による作用効果に加えて、電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の径に応じて、複数径の電線端子受入れ溝と、該電線端子受入れ溝に受け入れられた電線端子を機械的に押圧固定する押圧具を備えているので、使用する電線の径に応じて、その径に対応する電線端子受入れ溝を選び、その選ばれた電線端子受入れ溝に使用する電線の端子を入れ、上から押圧具で機械的に押圧して固定することができる。
よって鉄道レール用クランプへの電線の固定を電線の径に対応して、且つ溶接等を用いることなく確実に固定することができる。
請求項7に記載の鉄道レール用クランプによれば、上記請求項5に記載の構成による作用効果に加えて、電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の端子をネジ固定するネジ固定手段であるので、該ネジ固定手段により、電線を鉄道レール用クランプにネジ固定することで鉄道レール用クランプ同士を容易に電気接続することができる。
請求項8に記載のクランプ式レールボンドによれば、請求項1〜7の何れかに記載の鉄道レール用クランプを一対用い、該一対の鉄道レール用クランプ同士を電線で電気接続してなる、鉄道レールのレール間電気接続用のクランプ式レールボンドであるので、該クランプ式レールボンドを用いて、その一対の鉄道レール用クランプで鉄道レールの一対のレールに圧入して取り付けることで、容易にレール間の電気接続を行うことができる。
本考案の鉄道レール用クランプの第1の実施形態を示す全体斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第1の実施形態を示す平面図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第1の実施形態を示す正面図である。 本考案のクランプ式レールボンドの実施形態を示す斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプを鉄道レールにクランプして固定する操作を説明する図で、(A)は固定操作開始時での状態を示す図、(B)はクランプが完了した状態を示す図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第2の実施形態を示す全体斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第3の実施形態を示す全体斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第4の実施形態を示す全体斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第5の実施形態を示す全体斜視図である。 本考案の鉄道レール用クランプの第6の実施形態を示す全体斜視図である。
以下の図面を参照して、本考案の鉄道レール用クランプ及びクランプ式レールボンドを説明し、本考案の理解に供する。しかし、以下の説明は本考案の実用新案登録請求の範囲に記載の考案を限定するものではない。
図1〜図5を参照して、鉄道レール用クランプの第1の実施形態を説明する。
鉄道レール用クランプ1は、金属製とし、より詳しくは高級バネ鋼を用いている。その機械的性質はJISG480に相当する。鉄道レール用クランプ1の表面は、通電性を良くするため、亜鉛メッキを施している。しかし亜鉛粉配合の塗装であってもよい。
この鉄道レール用クランプ1は、鉄道レール100に取り付いて、その間の電気接続をなすものである。
鉄道レール用クランプ1はクランプ胴部10と、クランプ頭部20と、クランプ尾部30とからなる。クランプ頭部20には後述する屈曲折返し部22が構成されているが、全体としては帯状で、厚肉に構成されている。
前記クランプ胴部10は、ほぼ直線的な帯状厚肉体と言える形状をしており、鉄道レール100の下部フランジ110の下面側を横断するように配置される。
クランプ胴部10の上面10aはほぼ平面で、取り付けられた際に鉄道レール100の下部フランジ110の下面に宛がわれた状態となる。
前記クランプ頭部20は、前記クランプ胴部10の長手方向先端側に、係止段部21を介して一体形成されている。またクランプ頭部20は、その全体がクランプ胴部10の下面10bの位置よりも上方に浮き上がった状態に構成されている。クランプ胴部10の下面10bは地面に接する一方、クランプ頭部20は地面に接しないのがよい。
クランプ頭部20には、前記係止段部21よりも先端側、即ち前記クランプ胴部10の長手方向先端側の前記係止段部21に続く先端側に、屈曲状態に折り返してなる屈曲折返し部22が構成されている。
前記屈曲折返し部22は、例えば厚みの1.5〜1.8倍程度の曲率半径で折り返し、これによって屈曲折返し部22に構造的な弾性変形能を持たせている。勿論、前記曲率半径はその数値に限定されるものではない。
屈曲折返し部22を構成することで、クランプ頭部20に前記鉄道レール100の下部フランジ110のフランジ端部111の圧入を受け入れる受入れ隙間23を構成している。
前記受入れ隙間23は、前記クランプ頭部20の係止段部21よりも末端側の位置に最小隙間部23aが位置するように構成されている。そして、この最小隙間部23aから前記屈曲折返し部22の折返し末端22aに向けて広くなるように構成されている。
前記受入れ隙間23の最小隙間部23aの隙間寸法は、少なくとも鉄道レール100の下部フランジ110の厚み寸法よりも小さい寸法としている。これによって、鉄道レール100の下部フランジ110が前記最小隙間部23aを介して受入れ隙間23に圧入される構成にされている。
また前記屈曲折返し部22は、前記最小隙間部23aの位置を境として、より末端側へ向けて前記クランプ胴部10との隙間が拡大していくように構成されている。これによって屈曲折返し部22の折返し末端22aにおいて、鉄道レール100の下部フランジ110のフランジ端部111を受け入れ易くし、よってフランジ端部111への噛み込みが容易になるように構成している。
前記最小隙間部23aの隙間寸法を鉄道レール100の下部フランジ110の厚みに対してどの程度小さくするかについては、屈曲折返し部22の弾性変形能や塑性変形能に応じて、予め実験を経て適当な値が定められることになる。
ちなみに、第1の実施形態に示す鉄道レール用クランプ1は、幅が約25mm、厚みが約15mm、長さが約205mm、クランプ頭部20の高さが約60mm、屈曲折返し部22の外径の曲率半径が約25mm、最小隙間部23aの隙間が約10mmに調整されている。
前記クランプ尾部30は、前記クランプ胴部10の長手方向末端側に連続して一体形成されている。このクランプ尾部30は、クランプ胴部10の末端側から上向きに傾斜した状態に形成することで、前記クランプ胴部10の下面10bの位置よりも上方に浮き上がった状態に構成されている。
前記クランプ胴部10の末端側から上向きに傾斜して構成されたクランプ尾部30には、係止段部31が構成されている。この係止段部31は、前記クランプ頭部20の係止段部21に対応して、鉄道レール100の下部フランジ110の他方のフランジ端部112に係止されるものである。
前記係止段部31は、本実施形態では、複数の段31a、31b、31cから構成されている。鉄道レール100の種類に応じて異なる寸法の幅を持つ下部フランジ110に対応するためである。本実施形態では3段31a、31b、31cであるから、3種類の下部フランジ110に対して適用できる。
一番低い位置にある段31aはクランプ胴部10の上面10aと面一の面から立ち上がる構成にされている。
一対の係止段部21、31を鉄道レール100の下部フランジ110の両フランジ端部111、112に係止させることで、鉄道レール100の下部フランジ110に取り付けられた鉄道レール用クランプ1が、長手方向にズレ動かないようにすることができる。これによって、鉄道レール100に噛み込み圧入させたクランプ頭部20が、抜け落ち方向に動くのを係止させることができる。
図4を参照して、一対の鉄道レール用クランプ1、1を用いて、これらを電線40で電気接続することで、クランプ式レールボンド2を構成することができる。具体的には、電線40の両端子41、41をそれぞれ鉄道レール用クランプ1、1に固定することで電気接続すればよい。
電線40は被覆線とし、電線端子41、41の鉄道レール用クランプ1、1への固定は溶接、ロウ接、ネジ固定、その他の手段による電線接続固定手段50を用いることができる。
図4に示す実施形態では、電線端子41を電線接続固定手段50の溶接51によってクランプ頭部20の上面に固定している。
クランプ式レールボンド2は、電気接続したい一対の鉄道レール100、100に対して取付けられ、前記一対の鉄道レール100、100間を電気接続する。即ち、クランプ式レールボンド2の一方の鉄道レール用クランプ1を一方の鉄道レール100の下部フランジ110に圧入、固定して電気接続し、クランプ式レールボンド2のもう一方の鉄道レール用クランプ1をもう一方の鉄道レール100の下部フランジ110に圧入、固定して電気接続する。これによって、一対の鉄道レール100、100間における通電が可能となる。
図5を参照して、クランプ式レールボンド2に用いる鉄道レール用クランプ1を鉄道レール100へ圧入、固定して、クランプをなし、電気接続を完成させる仕方について説明する。なお図5においては、鉄道レール用クランプ1に電線40を示していないが、クランプ式レールボンド2の一部として電線40が電気接続された鉄道レール用クランプ1である。
先ず図5の(A)に示すように、鉄道レール用クランプ1のクランプ胴部20を、鉄道レール100の下部フランジ110に対して横断するようにして、下面側から軽く宛がいながら、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の折返し末端22aを、下部フランジ110のフランジ端部111に当接するように宛がう。そしてこの状態でハンマーH等の殴打手段を用いてクランプ頭部20を叩いて、該クランプ頭部20の屈強折返し部22をフランジ端部111に噛み込ませ、更に殴打を続けて、下部フランジ110がクランプ頭部20の受入れ隙間23の内部へと圧入されて行くようにする。
図5の(B)に示すように、下部フランジ110のフランジ端部111がクランプ頭部20の受入れ隙間23内の係止段部21にまで圧入されると、それ以上の進出が阻止される。このとき、下部フランジ110の他方の端部112が、対応するクランプ尾部30の係止段部31に嵌り込んで係止される。これによって下部フランジ110は、クランプ頭部20の係止段部21とクランプ尾部30の係止段部31の最前の段31aとの間に係止される。言い換えれば、鉄道レール用クランプ1が両係止段部21、31で下部フランジ110に係止された状態となり、鉄道レール用クランプ1が下部フランジ110に対して、その横断方向(短手方向)にズレ動くのが防止される。これによって下部フランジ110に圧入されたクランプ頭部20が逆方向に戻るのが防止される。
前記鉄道レール用クランプ1の係止は、下部フランジ110の寸法に応じて、係止段部21と係止段部31の中間の段31bや最後の段31cとの間に係止されてもよい。
係止段部31の各段31a、31b、31cと係止段部21との間隙寸法は、予め鉄道レール100の下部フランジ110の横断寸法に合わせて、丁度嵌り込む寸法にしている。ただし、この間隙寸法は圧入を前提とするようなきつい寸法である必要はない。強固に圧入、固定されて電気接続を完成するのは、あくまでクランプ頭部20の屈曲折返し部22と下部フランジ110との圧入よる接触である。
図6を参照して、鉄道レール用クランプ1に電線接続固定手段50を予め備えた第2の実施形態を示す。この電線接続固定手段50は、電線受入れ本体52と、押圧具53とからなる。
前記電線受入れ本体52は、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の上面側に溶接により一体に固定して構成することができる。
電線受入れ本体52には、その上面側に、受け入れ径の異なる複数の受入れ溝52aが構成されており、太さの異なる複数の電線40に対応できるようになされている。
また電線受入れ本体52には、前記受入れ溝52aに受け入れられた電線40を上から押圧して不動に固定するため、押圧具53を貫通させて保持するための一対の貫通穴52bが構成されている。具体的には、前記受入れ本体52の前記複数の受入れ溝52aの両側に立ち上がる両側壁52cに一対の貫通穴52bを設け、この一対の貫通穴52bにバネ板からなる押圧具53を貫通させることで、受入れ溝52a内に保持された電線40を上から押圧して固定する。
図7を参照して、鉄道レール用クランプ1の第3の実施形態では、電線接続固定手段50として、前記図6で示した電線受入れ本体52とは少し構成の異なる電線受入れ本体54と、押圧具55を備えている。前記電線受入れ本体54は、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の上面側に溶接により一体に固定して構成することができる。
前記電線受入れ本体54には、その上面側に、受け入れ径の異なる複数の受入れ溝54aが構成されており、太さの異なる複数の電線40に対応できるようになされている。
一方、前記押圧具55は、バネ性の三角櫛状体として構成されている。そしてこの押圧具55を受け入れて保持するための一対の櫛受け部54bが、前記電線受入れ本体54に構成されている。具体的には、前記受入れ本体54の前記複数の受入れ溝54aの両側に立ち上がる両側壁54cに一対の櫛受け部54bを設け、この一対の櫛受け部54bにバネ性の三角櫛状体からなる押圧具55を挟み込むことで、受入れ溝54a内に保持された電線40を上から押圧して固定する。
図8を参照して、鉄道レール用クランプ1の第4の実施形態を示す。この第4の実施形態では、電線接続固定手段50として、ネジ固定手段56を備えている。該ネジ固定手段56は、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の上面側に構成されるネジ穴56a、該ネジ穴56aに対してねじ込まれるボルト56bとから構成され、その他、必要に応じて、座金56c、周り止め座金56dを含んで構成される。
電線40の端子41(穴あき)にボルト56bを貫通させ、また座金56c、56dを介在させた状態で、前記ネジ穴56にねじ込むことで、電線40の接続固定ができる。
図9を参照して、鉄道レール用クランプ1の第5の実施形態を示す。この第5の実施形態では、電線接続固定手段50として、前記図8に示すものと同系統のネジ固定手段57を備えている。このネジ固定手段57は、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の上面側に設けられる電線受入れ本体57aと該電線受入れ本体57aに構成されるネジ穴57bとを有する。前記電線受入れ本体57aは溶接により前記屈曲折返し部22の上面側に一体固定して構成することができる。
本実施形態では、電線端子41を雄ネジ状に構成した電線40を用いる。電線40の端子41をネジ穴57bにねじ込むことで、容易に電線40の鉄道レール用クランプ1への接続固定ができる。
図10を参照して、鉄道レール用クランプ1の第6の実施形態を示す。この第6実施形態は、前記図8、図9に示すものと同系統のネジ固定手段58を備えている。このネジ固定手段58は、クランプ頭部20の屈曲折返し部22の上面側に設けられる電線受入れ本体58aと該電線受入れ本体58aから突設して構成される雄ネジ58bとを有する。前記電線受入れ本体58aは溶接により前記屈曲折返し部22の上面側に一体固定して構成することができる。
本実施形態では、電線端子41を雌ネジ状に構成した電線40を用いる。電線40の端子41を雄ネジ58bとネジ結合することで、容易に電線40の鉄道レール用クランプ1への接続固定ができる。
本考案の鉄道レール用クランプ、クランプ式レールボンドは、鉄道レールの電気接続を行う手段として、産業上の利用可能性が大きい。
1 鉄道レール用クランプ
2 クランプ式レールボンド
10 クランプ胴部
10a 上面
10b 下面
20 クランプ頭部
21 係止段部
22 屈曲折返し部
22a 折返し末端
23 受入れ隙間
23a 最小隙間部
30 クランプ尾部
31 係止段部
31a 段
31b 段
31c 段
40 電線
41a 電線端子
50 電線接続固定手段
51 溶接
52 電線受入れ本体
52a 受入れ溝
52b 貫通穴
52c 両側壁
53 押圧具
54 電線受入れ本体
54a 受入れ溝
54b 櫛受け部
54c 両側壁
55 押圧具
56 ネジ固定手段
56a ネジ穴
56b ボルト
56c 座金
56d 周り止め座金
57 ネジ固定手段
57a 電線受入れ本体
57b ネジ穴
58 ネジ固定手段
58a 電線受入れ本体
58b 雄ネジ
100 鉄道レール
110 下部フランジ
111 フランジ端部
112 フランジ端部
H ハンマー

Claims (8)

  1. 鉄道レールの下部を構成する下部フランジに対して、取り外し可能にクランプして電気接続をなす金属製帯状厚肉の鉄道レール用クランプであって、
    前記鉄道レールの下部フランジの下面側を横断するように配置されるクランプ胴部と、該クランプ胴部の長手方向先端側に一体形成されてなるクランプ頭部と、前記クランプ胴部の長手方向末端側に一体形成されてなるクランプ尾部とからなり、
    前記クランプ頭部には、前記クランプ胴部の長手方向先端側を屈曲状態に折り返してなる屈曲折返し部を構成することで、前記鉄道レールの下部フランジのフランジ端部の圧入を受け入れる受入れ隙間を構成すると共に、前記下部フランジのフランジ端部のそれ以上の侵入を阻止する係止段部を構成し、
    前記クランプ尾部には、前記クランプ頭部の係止段部に対応して下部フランジの他方の端部を係止する係止段部を構成していることを特徴とする鉄道レール用クランプ。
  2. クランプ頭部における受入れ隙間は、前記クランプ頭部の係止段部よりも末端側において最も狭くなるように構成され、更に屈曲折返し部の折り返し末端に向けて広くなるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道レール用クランプ。
  3. クランプ尾部の係止段部は、鉄道レールの下部フランジの幅に応じて複数段に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道レール用クランプ。
  4. クランプ胴部とクランプ頭部とクランプ尾部とからなる鉄道レール用クランプの全体がバネ鋼で構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鉄道レール用クランプ。
  5. クランプ頭部の屈曲折返し部の上面側に、鉄道レール用クランプ同士を電線を介して電気接続するための電線接続固定手段を構成していることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の鉄道レール用クランプ。
  6. 電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の径に応じて、複数径の電線端子受入れ溝と、該電線端子受入れ溝に受け入れられた電線端子を機械的に押圧固定する押圧具を備えていることを特徴とする請求項5に記載の鉄道レール用クランプ。
  7. 電線接続固定手段は、鉄道レール用クランプ同士を電気接続するために使用する電線の端子をネジ固定するネジ固定手段であることを特徴とする請求項5に記載の鉄道レール用クランプ。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載の鉄道レール用クランプを一対用い、該一対の鉄道レール用クランプ同士を電線で電気接続してなる、鉄道レールのレール間電気接続用のクランプ式レールボンド。
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