JP3201776B2 - ラクトンポリオール組成物およびその製造方法 - Google Patents

ラクトンポリオール組成物およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラクトンポリオール組成
物およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発
明は重合反応所要時間を短縮させることを可能とするラ
クトンポリオール組成物およびポリラクトンポリオール
組成物の製造方法に関する。ポリラクトンポリオール組
成物はエラストマー、接着剤、合成皮革、インキバイン
ダー、繊維などのポリウレタン重合体および塗料用原料
として非常に有用なものである。また、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アク
リロニトリル−スチレン樹脂、エポキシ樹脂などに強靭
性、加工性などを付与するための改質剤あるいはウレタ
ンアクリレート樹脂原料などに利用されている。
【0002】
【従来の技術】従来、ラクトンモノマーの開環付加重合
反応は触媒存在下、アルコールその他各種の活性水素を
有する化合物を開始剤として行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、開始剤
となる化合物の製造方法が変更されたり、特別な精製法
で精製された場合、このような開始剤を使用して触媒存
在下ラクトンモノマーの開環付加重合反応を行なっても
長時間かかることがあることが判明した。これはたとえ
加熱温度などを上昇させたり触媒の量を増加させたりし
ても改善されない。本発明者らはラクトンモノマーの開
環付加重合反応において長時間かかる原因が開始剤中に
従来はほとんどの場合に含まれていた微量な副生物にあ
ることを見出だし、本発明を完成させた。
【0004】
【発明の構成】すなわち、本発明は「重合触媒と共に、
一種または二種以上のプロトン酸および/またはルイス
酸を含有することを特徴とするポリラクトンポリオール
組成物」および「重合触媒と共に、一種または二種以上
のプロトン酸および/またはルイス酸を添加することに
より、ラクトンの開環付加重合反応を促進させることを
特徴とするポリラクトンポリオール組成物の製造方法」
である。
【0005】本発明において、ラクトンの開環付加重合
反応を促進させる効果がある酸としては次に述べるプロ
トン酸およびルイス酸が挙げられる。まず、プロトン酸
の例を以下に列挙する。すなわち、硝酸、硫酸、燐酸、
亜燐酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カ
プロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等のC1〜18
の飽和有機酸類、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢
酸、ソルビン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸
等のC3〜18の不飽和有機酸およびそのダイマー酸
類、桂皮酸、安息香酸、サリチル酸等のC1〜18のア
ルキル基、アルケニル基置換芳香族有機酸、シュウ酸、
アジピン酸、マロン酸、パルミチン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のC2〜
18の多塩基酸類およびその部分エステル化合物、ラウ
リル硫酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸等のC1〜18のアルキル硫酸C2〜18の
アルケニル硫酸およびC6〜24のアルキルフェニル硫
酸類、ジメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、
ジフェニルホスフィン酸、ジメチルホスホン酸、ジエチ
ルホスホン酸、ジフェニルホスホン酸等のC1〜18の
アルキル基C2〜18のアルケニル基およびC6〜24
のアルキルフェニル基を有するホスフィン酸およびホス
ホン酸類、ジメチルホスファイト、ジエチルホスファイ
ト、ジフェニルホスファイト、ジメチルホスフェート、
ジエチルホスフェート、ジフェニルホスフェート、2−
エチルヘキシルホスフェート等のC1〜18のアルキル
基C2〜18のアルケニル基およびC6〜24のアルキ
ルフェニル基を有する亜燐酸エステルおよび燐酸エステ
ル類などである。
【0006】中でも飽和および不飽和脂肪酸はラクトン
の開環付加重合を促進させる効果が大きく、特に有用な
ものの一つである。なお、本反応を促進させるプロトン
酸とは、下記式のように化合物固有の酸解離定数pka
に従い、プロトンを放出するブレンステッドの酸の総称
である。
【0007】次に、ルイス酸の例を以下に列挙する。す
なわち、三塩化アルミニウム・トリメチルアルミニウム
などのハロゲン化アルミニウムおよび有機アルミニウ
ム、四塩化チタンなどのハロゲン化チタン、三塩化鉄な
どのハロゲン化鉄、四塩化スズなどのハロゲン化スズ、
三フッ素化ホウ素などのハロゲン化ホウ素などである。
【0008】酸の添加量は0.05〜1%、好ましくは
0.1〜0.5%である。0.05%より少ない時は反
応時間短縮の効果が少なくなり、1%より多いときは本
反応によって生成するラクトン付加物の酸価が高くな
り、製品の反応性が大きく変わってくるなど、品質的に
問題となりうるおそれがある。酸の添加が、ラクトン開
環付加重合反応の促進にどのような反応機構できいてい
るのかは現在のところ明らかではないが、微量の酸の存
在が、本反応のラクトン重合触媒をなんらかの形で活性
化していると考える。
【0009】本発明に用いられる重合触媒としてはフッ
素を除くハロゲン化第1スズ系化合物、有機チタン化合
物が用いられる。ハロゲン化第1スズ系化合物として塩
化第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズが用いられ
るが中でも塩化第1スズが好ましい。有機チタン系化合
物としてテトラエチルチタネート、テトラブチルチタネ
ート、テトラプロピルチタネートが用いられるが中でも
テトラブチルチタネートが好ましい。触媒の添加量は1
〜1000ppm、好ましくは5〜100ppmであ
る。触媒の添加量が1000ppmを越える場合には生
成物の着色が著しく、かつこれを原料として用いて得ら
れた製品中に金属分が多量に含まれることになり、製品
の貯蔵安定性、耐久性などに悪影響を及ぼすことが多
い。また触媒の添加量が1ppmより少ない場合には上
記のような問題は少ないが、反応速度が著しく遅くなる
ので好ましくない。
【0010】本発明の製造方法に適用可能な開始剤とし
ては、例えばメタノール、エタノール、ブタノールなど
の脂肪族アルコールおよびセロソルブ、カルビトールな
どのグリコールモノエーテルを含む一価アルコール、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレン
グリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
ロール、ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチルー1,3−ペンタ
ンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ド
デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
などの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
などの三価以上の多価アルコール、ヒドロキシアルキル
アクリル酸エステル、ヒドロキシアルキルメタクリル酸
エステル、アリルアルコールなどのヒドロキシル基を含
有する反応性モノマーあるいはこれらの重合体、エピ−
ビス型エポキシ樹脂などの活性OH基を有する化合物な
どがある。
【0011】次に本発明の製造方法により製造されるポ
リラクトンポリオールのもうひとつの成分であるラクト
ン類(環状エステル化合物)について詳しく説明する。
本発明に用いられるラクトン類としては、例えばγ−ブ
チロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクト
ン、ξ−エナントラクトン、η−カプリロラクトンある
いはそれらの環置換体などが挙げられるが、特に好まし
い環状エステル化合物は、炭素数4〜8のものである。
中でもε−カプロラクトンが種々の理由から好ましいモ
ノマーである。開始剤とラクトン類との反応比率は目的
とするポリラクトンポリオールのグレードによって適宜
選択される。たとえば、そのまま成形物として使用され
るようなグレードの高分子量のものを重合する場合には
ラクトンモノマー中に微量存在している水分をそのまま
開始剤として用いて重合が行われるのでわざわざ開始剤
を添加する必要はない。むしろラクトンモノマーをさら
に脱水処理して高分子量のグレードのものを製造する場
合もある。また開始剤とラクトン類との開環付加重合を
行うには、常圧で50℃ないし230℃、好ましくは8
0℃ないし220℃で行う。50℃以下では反応速度が
著しく遅く、230℃を越えると解重合や熱分解が生じ
て酸価が高くなるので好ましくない。また、例えば、不
飽和二重結合のような熱に敏感な反応性置換基を有する
開始剤を用いてラクトンを開環付加重合させる場合、予
め安定剤などを添加して開始剤自身の副反応を防止する
こともできる。
【0012】反応は、未反応のラクトンが1%以下であ
ることをガスクロマトグラフ分析法などによって確認し
た後に停止する。得られたポリラクトンポリオールは常
温で白色のワックス状の固体物質、あるいは液体物質で
ある。
【0013】
【発明の効果】本発明の製造方法により、ラクトンの開
環付加重合に要する時間を大きく短縮できることが明ら
かとなった。また、本発明のポリラクトンポリオール組
成物を用いてポリウレタンを製造する場合、本発明の方
法によって得られたポリラクトンポリオールの酸価がや
や上がるため、有機イソシアネートとのウレタン化反応
の反応性を上げることもできる。つぎに実施例と比較例
を挙げて、本発明の内容を具体的に説明するが、これら
によって本発明が限定されるものではない。実施例およ
び比較例中に示されている水酸基価はJIS K−15
57に定められた方法に基づき、無水フタル酸−ピリジ
ン法で測定した値である。同様に酸価はアセトン溶剤を
使用して中和滴定によって得られた値である。なお、例
中の部数はいずれも重量部を表す。
【0014】(実施例1) 撹拌装置、温度計、ガス導入管、コンデンサーをセット
した四ツ口フラスコにエチレングリコール32部、ε−
カプロラクトン970部、酢酸1.90部、テトラブチ
ルチタネート0.005部をそれぞれ仕込み、窒素気流
下、170℃で開環付加重合反応させたところ、およそ
4時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラ
クトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロ
ラクトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は1.
15mgKOH/g、水酸基価は57.1mgKOH/
gであった。
【0015】(実施例2) 実施例−1と同様の装置にトリメチロールプロパン13
6部、ε−カプロラクトン870部、アジピン酸2.3
7部、テトラブチルチタネート0.005部を仕込み、
窒素気流下、150℃で開環付加重合反応させたとこ
ろ、およそ12時間でガスクロマトグラフ分析法による
ε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満とな
り、ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた生成
物の酸価は1.43mgKOH/g、水酸基価は16
9.2mgKOH/gであった。
【0016】(実施例3) 実施例−1と同様の装置にエチレングリコール32部、
ε−カプロラクトン970部、三塩化アルミニウム4.
31部、塩化第1スズ0.02部を仕込み、窒素気流
下、130℃で開環付加重合反応させたところ、およそ
10時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロ
ラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプ
ロラクトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は
1.26mgKOH/g、水酸基価は56.3mgKO
H/gであった。
【0017】(実施例4) 実施例−1と同様な装置に2−ヒドロキシエチルメタク
リレート481部、ε−カプロラクトン422部、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル4.5部、メタクリル酸
3.69部、反応溶液内に塩化第1スズ0.05部を仕
込み、酸素存在下90℃で開環付加重合させたところ、
およそ19時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−
カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポ
リカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートを得た。得られた生成物の酸価は3.88mgKO
H/g、水酸基価は222.8mgKOH/gであっ
た。
【0018】(実施例5) 実施例−1と同様の装置にネオペンチルグリコール53
部、ε−カプロラクトン948部、硫酸3.17部、テ
トラブチルチタネート0.005部を仕込み、窒素気流
下160℃で開環付加重合反応させたところ、およそ5
時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラク
トンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロラ
クトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は1.7
8mgKOH/g、水酸基価は57.3mgKOH/g
であった。
【0019】(実施例6) 実施例−1と同様な装置にε−カプロラクトン880
部、AOGR24(炭素数12と14のα−オレフィン
グリコール混合物OH価466.5、ダイセル化学工業
(株)の商品名)120部、プロピオン酸2.34部、
反応溶液内にテトラブチルチタネート0.005部を仕
込み、窒素存在下170℃で開環付加重合させたとこ
ろ、およそ6時間でガスクロマトグラフ分析法によるε
−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、
ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた生成物の
酸価は1.52mgKOH/g、水酸基価は57.5m
gKOH/gであった。
【0020】(実施例7) 実施例−1と同様の装置にヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールエステル102部、ε−カプロラクト
ン898部、酪酸2.79部、塩化第1スズ0.005
部を仕込み、窒素気流下170℃で開環付加重合反応さ
せたところ、およそ5時間でガスクロマトグラフ分析法
によるε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満
となり、ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた
生成物の酸価は1.82mgKOH/g、水酸基価は5
7.4mgKOH/gであった。
【0021】(実施例8) 実施例−1と同様な装置にε−カプロラクトン954
部、2−メチル−1,3−プロパンジオール46部、安
息香酸3.80部、反応溶液内にテトラブチルチタネー
ト0.001部を仕込み、窒素存在下170℃で開環付
加重合させたところ、およそ6時間でガスクロマトグラ
フ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含有率が
1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを得た。
得られた生成物の酸価は1.38mgKOH/g、水酸
基価は54.3mgKOH/gであった。
【0022】(実施例9) 実施例−1と同様の装置にアラルダイト6071(チバ
社製、エポキシ樹脂の商品名)800部、ε−カプロラ
クトン200部、シュウ酸2.85部、テトラブチルチ
タネート0.005部を仕込み、窒素気流下170℃で
開環付加重合させたところ、およそ4時間でガスクロマ
トグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含
有率が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを
得た。得られた生成物の酸価は1.48mgKOH/
g、水酸基価は192.3mgKOH/gであった。
【0023】(実施例10) 実施例−1と同様な装置に分子量400のポリプロピレ
ングリコール(商品名PPG DIOL−400三井日
曹ウレタン製)200部、ε−カプロラクトン800
部、イソフタル酸2.69部、反応溶液内にテトラブチ
ルチタネート0.01部を仕込み、窒素存在下175℃
で開環付加重合させたところ、およそ8時間でガスクロ
マトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの
含有率が1%未満となり、ポリエーテルポリカプロラク
トンジオールを得た。得られた生成物の酸価は1.52
mgKOH/g、水酸基価は58.1mgKOH/gで
あった。
【0024】(実施例11) 実施例−1と同様の装置にスチレンアリルアルコール共
重合樹脂550部、トルエン50部、塩化第1スズ0.
01部を仕込み120℃から150℃まで2時間トルエ
還流下に加熱し、樹脂中に含まれている水41部を除
去した後、ε−カプロラクトン450部、酢酸1.27
部を仕込み、窒素気流下160℃で開環付加重合させた
ところ、およそ8時間でガスクロマトグラフ分析法によ
るε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満とな
り、トルエンで稀釈し、不揮発分70.0%(150
℃、2時間乾燥)の透明樹脂溶液を得た。得られた生成
物の酸価は1.82mgKOH/g、水酸基価は96.
4mgKOH/gであった。スチレンアリルアルコール
共重合樹脂としてはモンサント社製の商品名RJ−10
1を使用した。
【0025】(実施例12) 実施例−1と同様な装置に2−ヒドロキシエチルアクリ
レート504部、ε−カプロラクトン496部、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル5部、アクリル酸4.18
部、反応溶液内にテトラブチルチタネート0.1部を仕
込み、酸素存在下110℃で開環付加重合させたとこ
ろ、およそ7時間でガスクロマトグラフ分析法によるε
−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、
ポリカプロラクトン変性2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートを得た。得られた生成物の酸価は5.72mgKO
H/g、水酸基価は245.8mgKOH/gであっ
た。
【0026】(実施例13) 実施例−1と同様の装置にペンタエリスリトール136
部、ε−カプロラクトン464部、アジピン酸1.42
部、テトラブチルチタネート0.01部を仕込み、窒素
気流下170℃で開環付加重合させたところ、およそ8
時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラク
トンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロラ
クトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は1.5
2mgKOH/g、水酸基価は375.4mgKOH/
gであった。
【0027】(実施例14) 実施例−1と同様な装置にジエチレングリコール53
部、ε−カプロラクトン946部、硝酸1.81部、反
応溶液内にテトラブチルチタネート0.005部を仕込
み、窒素存在下150℃で開環付加重合させたところ、
およそ14時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−
カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポ
リカプロラクトンジオールを得た。得られた生成物の酸
価は1.82mgKOH/g、水酸基価は57.8mg
KOH/gであった。
【0028】(実施例15) 実施例−1と同様の装置にブタノール37部、ε−カプ
ロラクトン963部、酪酸2.79部、テトラブチルチ
タネート0.01部を仕込み、窒素気流下170℃で開
環付加重合させたところ、およそ4時間でガスクロマト
グラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含有
率が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを得
た。得られた生成物の酸価は1.32mgKOH/g、
水酸基価は55.8mgKOH/gであった。
【0029】(実施例16) 実施例−1と同様な装置にネオペンチルグリコール53
部、ε−カプロラクトン947部、フタル酸2.69
部、反応溶液内に塩化第1スズ0.01部を仕込み、窒
素存在下170℃で開環付加重合させたところ、およそ
3時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラ
クトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロ
ラクトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は1.
43mgKOH/g、水酸基価は55.8mgKOH/
gであった。
【0030】(比較例1) 実施例−1と同様な装置にエチレングリコール32部、
ε−カプロラクトン970部、テトラブチルチタネート
0.005部をそれぞれ仕込み、窒素気流下170℃で
開環付加重合させたところ、およそ5.5時間でガスク
ロマトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマー
の含有率が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオー
ルを得た。得られた生成物の酸価は0.66mgKOH
/g、水酸基価は56.9mgKOH/gであった。
【0031】(比較例2) 実施例−1と同様な装置にトリメチロールプロパン13
6部、ε−カプロラクトン870部、テトラブチルチタ
ネート0.005部を仕込み、窒素気流下150℃で開
環付加重合させたところ、およそ20時間でガスクロマ
トグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含
有率が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを
得た。得られた生成物の酸価は0.67mgKOH/
g、水酸基価は170.3mgKOH/gであった。
【0032】(比較例3) 実施例−1と同様な装置にエチレングリコール32部、
ε−カプロラクトン970部、塩化第1スズ0.02部
を仕込み、窒素気流下130℃で開環付加重合させたと
ころ、およそ16時間でガスクロマトグラフ分析法によ
るε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満とな
り、ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた生成
物の酸価は0.65mgKOH/g、水酸基価は57.
4mgKOH/gであった。
【0033】(比較例4) 実施例−1と同様な装置に2−ヒドロキシエチルメタク
リレート481部、ε−カプロラクトン422部、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル4.50部、反応溶液内
に塩化第1スズ0.05部を仕込み、酸素存在下90℃
で開環付加重合させたところ、およそ62時間でガスク
ロマトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマー
の含有率が1%未満となり、ポリカプロラクトン変性2
−ヒドロキシエチルメタクリレートを得た。得られた生
成物の酸価は2.26mgKOH/g、水酸基価は22
2.3mgKOH/gであった。
【0034】(比較例5) 実施例−1と同様の装置にネオペンチルグリコール53
部、ε−カプロラクトン948部、テトラブチルチタネ
ート0.005部を仕込み、窒素気流下160℃で開環
付加重合させたところ、およそ7時間でガスクロマトグ
ラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含有率
が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを得
た。得られた生成物の酸価は1.10mgKOH/g、
水酸基価は56.7mgKOH/gであった。
【0035】(比較例6) 実施例−1と同様な装置にε−カプロラクトン880
部、AOGR24(炭素数12と14のα−オレフィン
グリコール混合物OH価466.5、ダイセル化学工業
(株)の商品名)120部、反応溶液内にテトラブチル
チタネート0.005部を仕込み、窒素存在下170℃
で開環付加重合させたところ、およそ9時間でガスクロ
マトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの
含有率が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオール
を得た。得られた生成物の酸価は0.74mgKOH/
g、水酸基価は56.9mgKOH/gであった。
【0036】(比較例7) 実施例−1と同様の装置にヒドロキシピバリン酸ネオペ
ンチルグリコールエステル102部、ε−カプロラクト
ン898部、塩化第1スズ0.005部を仕込み、窒素
気流下170℃で開環付加重合させたところ、およそ7
時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラク
トンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロラ
クトンジオールを得た。得られた生成物の酸価は0.7
5mgKOH/g、水酸基価は55.7mgKOH/g
であった。
【0037】(比較例8) 実施例−1と同様な装置にε−カプロラクトン954
部、2−メチル−1,3−プロパンジオール46部、反
応溶液内にテトラブチルチタネート0.001部を仕込
み、窒素存在下170℃で開環付加重合させたところ、
およそ8時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カ
プロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、ポリ
カプロラクトンジオールを得た。得られた生成物の酸価
は0.56mgKOH/g、水酸基価は55.9mgK
OH/gであった。
【0038】(比較例9) 実施例−1と同様の装置にアラルダイト6071(チバ
社製、エポキシ樹脂の商品名)800部、ε−カプロラ
クトン200部、テトラブチルチタネート0.005部
を仕込み、窒素気流下170℃で開環重合させたとこ
ろ、およそ6時間でガスクロマトグラフ分析法によるε
−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、
ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた生成物の
酸価は0.62mgKOH/g、水酸基価は190.2
mgKOH/gであった。
【0039】(比較例10) 実施例−1と同様な装置に分子量400のポリプロピレ
ングリコール(商品名PPG DIOL−400三井日
曹ウレタン製)200部、ε−カプロラクトン800
部、反応溶液内にテトラブチルチタネート0.01部を
仕込み、窒素存在下175℃で開環付加重合させたとこ
ろ、およそ11時間でガスクロマトグラフ分析法による
ε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満とな
り、ポリエーテルポリカプロラクトンジオールを得た。
得られた生成物の酸価は0.78mgKOH/g、水酸
基価は56.9mgKOH/gであった。
【0040】(比較例11) 実施例−1と同様の装置にスチレンアリルアルコール共
重合樹脂550部、トルエン50部、塩化第1スズ0.
01部を仕込み、120℃から150℃まで2時間トル
エン還流下に加熱し、樹脂中に含まれている水41部を
除去した後、ε−カプロラクトン450部を仕込み、窒
素気流下160℃で開環付加重合させたところ、およそ
13時間でガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロ
ラクトンモノマーの含有率が1%未満となり、トルエン
で稀釈し、不揮発分70.0%(150℃、2時間乾
燥)の透明樹脂溶液を得た。得られた生成物の酸価は
0.91mgKOH/g、水酸基価は95.6mgKO
H/gであった.スチレンアリルアルコール共重合樹脂
としてはモンサント社製の商品名RJ−101を使用し
た。
【0041】(比較例12) 実施例−1と同様な装置に2−ヒドロキシエチルアクリ
レート504部、ε−カプロラクトン496部、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル5部、反応溶液内にテトラ
ブチルチタネート0.1部を仕込み、酸素存在下110
℃で開環付加重合させたところ、およそ13時間でガス
クロマトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマ
ーの含有率が1%未満となり、ポリカプロラクトン変性
2−ヒドロキシエチルアクリレートを得た。得られた生
成物の酸価は4.86mgKOH/g、水酸基価は24
7.2mgKOH/gであった。
【0042】(比較例13) 実施例−1と同様の装置にペンタエリスリトール136
部、ε−カプロラクトン464部、テトラブチルチタネ
ート0.01部を仕込み、窒素気流下170℃で開環付
加重合させたところ、およそ11時間でガスクロマトグ
ラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含有率
が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを得
た。得られた生成物の酸価は0.44mgKOH/g、
水酸基価は377.7mgKOH/gであった。
【0043】(比較例14) 実施例−1と同様な装置にジエチレングリコール53
部、ε−カプロラクトン946部、反応溶液内にテトラ
ブチルチタネート0.005部を仕込み、窒素存在下1
50℃で開環付加重合させたところ、およそ22時間で
ガスクロマトグラフ分析法によるε−カプロラクトンモ
ノマーの含有率が1%未満となり、ポリカプロラクトン
ジオールを得た。得られた生成物の酸価は0.40mg
KOH/g、水酸基価は56.2mgKOH/gであっ
た。
【0044】(比較例15) 実施例−1と同様の装置にブタノール37部、ε−カプ
ロラクトン963部、テトラブチルチタネート0.01
部を仕込み、窒素気流下170℃で開環付加重合させた
ところ、およそ5時間でガスクロマトグラフ分析法によ
るε−カプロラクトンモノマーの含有率が1%未満とな
り、ポリカプロラクトンジオールを得た。得られた生成
物の酸価は0.28mgKOH/g、水酸基価は56.
4mgKOH/gであった。
【0045】(比較例16) 実施例−1と同様な装置にネオペンチルグリコール53
部、ε−カプロラクトン947部、反応溶液内に塩化第
1スズ0.01部を仕込み、窒素存在下170℃で開環
付加重合させたところ、およそ4時間でガスクロマトグ
ラフ分析法によるε−カプロラクトンモノマーの含有率
が1%未満となり、ポリカプロラクトンジオールを得
た。得られた生成物の酸価は0.42mgKOH/g、
水酸基価は57.6mgKOH/gであった。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合触媒と共に、一種または二種以上の
    プロトン酸および/またはルイス酸を含有することを特
    徴とするポリラクトンポリオール組成物。
  2. 【請求項2】 重合触媒が、フッ素を除くハロゲン化第
    1スズまたは、有機チタン化合物であることを特徴とす
    請求項1記載のポリラクトンポリオール組成物。
  3. 【請求項3】 重合触媒と共に、一種または二種以上の
    プロトン酸および/またはルイス酸を添加することによ
    り、ラクトンの開環付加重合反応を促進させることを特
    徴とするポリラクトンポリオール組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 重合触媒が、フッ素を除くハロゲン化第
    1スズまたは、有機チタン化合物であることを特徴とす
    る請求項3記載のポリラクトンポリオール組成物の製造
    方法。
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