JP3200968U - 免震レール構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】レール・ローラー組み合わせ構造の免震レール構造体であって、レールの端部領域と、レールの端部領域以外の中央部領域とで、制震力の程度を、急緩に異ならせるという二段階の免震機能を発揮させて、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を実現することができる免震レール構造体を提供する。【解決手段】免震レール構造体は、下部レール2と、対向配置される上部レール12と、下部レール2と上部レール12の交差領域に配置されるローラー群を備えるローラー支持軸枠体21とを有し、下部レール2、上部レール12の端部外壁部領域に傾斜制動片部71A、71Bを設け、ローラー支持軸枠体21に傾斜制動片部71A、71Bから制震力を受ける補助制動ローラー51aを設けて補助制動機構部81を構成し、長周期地震動が発生した際にはローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制振と補助制動機構部81による制震を行うようにした。【選択図】図1

Description

本考案は、免震レール構造体に関し、詳しくは、レールとローラーとを組み合わせた基本構造の免震レール構造体であって、レールの端部領域と、レールの端部領域以外の中央部領域とで制震力の程度を急緩に異ならせ、長周期地震動に対しても優れた制震機能を発揮する斬新な免震レール構造体に関するものである。
従来、各種機械、設備、精密機器、美術彫刻物等の各種被免震物を地震動による損壊から防止するために、レール・ローラー組み合わせ構造の免震レール構造体を採用した各種の免震装置が開発され、実用化されている。
本願出願人は、先に、特許文献1として出願公開されているように、中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面とした一対の下部レールを平行配置に、かつ、上向きに突設した床面等に設置される基台と、中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面とした一対の上部レールを平行配置に、かつ、下向きで前記一対の下部レールと直交する配置に突設し、前記基台の上方でこの基台と対向配置される被免震物載置用の架台と、前記対向配置される基台と架台との間で、前記一対の下部レール、一対の上部レールにより囲まれる空間領域に配置されるとともに、一対の下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、一対の上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支したローラー支持軸枠体と、を有する構成からなり、レールとローラーとを組み合わせた構造の摩擦制震力、復元力による免震機能を具備する免震レール構造体を採用した免震装置を提案している。
特開2015−48937号公報
本考案は、特許文献1に係る免震装置における免震レール構造体の構成を更に斬新に改良したレール・ローラー組み合わせ構造の免震レール構造体であって、レールの端部領域と、レールの端部領域以外の中央部領域とで制震力の程度を、急緩に異ならせるという二段階の制震機能を発揮させ、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を実現することができる免震レール構造体を提供せんとするものである。
本考案に係る免震レール構造体は、中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面を有し、このレール面を上向きとして設置される下部レールと、中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面を有し、このレール面を下向きとして前記下部レールの上方でこの下部レールと直交する状態で対向配置される上部レールと、前記対向配置される前記下部レール、前記上部レールの交差領域に配置されるとともに、下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震力、前記各レールの傾斜面による復元力を受けるローラー支持軸枠体と、を有する免震レール構造体であって、前記下部レールの端部外壁部領域、及び前記上部レールの端部外壁部領域に配置した各々前記各レール面と同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面の端部側に至るほどレール面からの突出長が大となる端部傾斜レール面を有する傾斜制動片部と、前記ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う外側、及び上部レールに沿う外側に各々配置されるとともに、前記ローラー支持軸枠体が前記下部レールの両端部領域、又は前記上部レールの両端部領域に変位したとき、対応する前記傾斜制動片部の端部傾斜レール面に転接してこの端部傾斜レール面から制震力を受ける補助制動ローラーと、を備える補助制動機構部を設け、長周期地震動が惹起し振幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において端部傾斜レール面を有する傾斜制動片の当該端部傾斜レール面と、前記補助制動ローラーとの転接でもって制震できるように構成したとともに、前記長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動以外が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成し、前記二段階の制震機能を具有しつつ円滑な免震動作を行うように構成したことを最も主要な特徴とする。
請求項1記載の考案によれば、長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において、補助制動機構部を構成する傾斜制動片の端部傾斜レール面と、補助制動ローラーとの転接でもって制震し、また、前記長周期地震動が惹起し振幅の大きな地震動以外、例えば、震幅の小さい地震動が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成しているので、上部レール、下部レールの端部領域と、端部領域以外の中央部領域とで制震力の程度を、急緩に異ならせるという二段階の制震機能を発揮させ、震幅の小さい地震動は勿論のこと、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を行うことができる免震レール構造体を実現し、提供することができる。
請求項2記載の考案によれば、請求項1記載の考案と同様な構成で、かつ、前記傾斜制動片部を弾性体製とした構成の基に、請求項1記載の考案と同様な効果を奏する免震レール構造体を実現し、提供することができる。
請求項3記載の考案によれば、請求項2記載の考案と同様な基本構成で、かつ、弾性体製の傾斜制動片部を前記下部レール、上部レールの各端部領域に2個ずつ合計8個設けるとともに、ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う二つの側壁片の外側、及び上部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々補助制動ローラーを設けて補助制動機構部とした構成の基に、請求項1記載の考案の場合と同様に、上部レール、下部レールの端部領域と、端部領域以外の中央部領域とで制震力の程度を、急緩に異ならせるという二段階の制震機能を発揮させ、震幅の小さい地震動は勿論のこと、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を行うことができる免震レール構造体を実現し、提供することができる。
図1は本考案の実施例に係る免震レール構造体の概略平面図である。 図2は本実施例に係る免震レール構造体の概略正面図である。 図3は本実施例に係る免震レール構造体の概略右側面図である。 図4は本実施例に係る免震レール構造体におけるローラー支持軸枠体を示す概略拡大平面図である。 図5は本実施例に係る免震レール構造体におけるローラー支持軸枠体を示す概略拡大正面図である。 図6は本実施例に係る免震レール構造体における下部レールの端部及び傾斜制動片部を示す概略拡大平面図である。 図7は本実施例に係る免震レール構造体における下部レールの端部及び傾斜制動片部を示す概略拡大正面面図である。 図8(a)は本実施例に係る免震レール構造体における下部レールの端部領域での免震機能の説明図である。図8(b)は図8(a)における端部傾斜レール面72aと補助制動ローラー51aの部分を抽出して示す説明図である。
本考案は、レールの端部領域と、レールの端部領域以外の中央部領域とで制震力の程度を、急緩に異ならせるという二段階の制震機能を発揮させ、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を実現することができる免震レール構造体を提供するという目的を、中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面を有し、このレール面を上向きとして設置される金属製の下部レールと、中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面を有し、このレール面を下向きとして前記下部レールの上方でこの下部レールと直交する状態で対向配置される金属製の上部レールと、前記対向配置される前記下部レール、前記上部レールの交差領域に配置されるとともに、下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震力、前記各レールの傾斜面による復元力を受けるローラー支持軸枠体と、を有する免震レール構造体であって、前記下部レールの端部外壁部領域、及び前記上部レールの端部外壁部領域に配置した各々前記各レール面と同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面の端部側に至るほどレール面からの突出長が大となる端部傾斜レール面を有する弾性体製の傾斜制動片部と、前記ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う外側、及び上部レールに沿う外側に各々配置されるとともに、前記ローラー支持軸枠体が前記下部レールの両端部領域、又は前記上部レールの両端部領域に変位したとき、対応する前記傾斜制動片部の端部傾斜レール面に転接してこの端部傾斜レール面から制震力を受ける補助制動ローラーと、を備える補助制動機構部を設け、長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において端部傾斜レール面を有する傾斜制動片の当該端部傾斜レール面と、前記補助制動ローラーとの転接でもって制震できるように構成したとともに、前記長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動以外が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成し、前記二段階の制震機能を具有しつつ円滑な免震動作を行うようにしたことにより実現した。
以下、本考案の実施例に係る免震レール構造体について、添付の図1乃至図8を参照して詳細に説明する。
なお、以下説明する本実施例の免震レール構造体1の具体的使用態様としては、例えばこの免震レール構造体1を免震エリアにおいて所定の間隔で例えば四角形配置で4箇所配置し、各免震レール構造体1の下部には平坦な基台を配置して各免震レール構造体1を固定配置し、各免震レール構造体1の上部レール12上には平坦な架台を固定連結して、この架台上に適宜の被免震物を設置して、この被免震物に対する免震機能を発揮させる構成を挙げることができる。
本実施例に係る免震レール構造体1は、中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面2aを有し、このレール面2aを上向きとして床面等に設置される上向きコの字状で細長形態の金属製の下部レール2と、中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面12aを有し、このレール面下向きとして前記下部レール2の上方でこの下部レール2と直交する状態で対向配置される被免震物載置用の下向きコの字状で細長形態の金属製の上部レール12と、前記対向配置される前記下部レール2、前記上部レール12の交差領域に配置されるとともに、下部レール2に沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レール2のレール面2aに転接するローラー群を回転可能に軸支し、上部レール12に沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レール12のレール面12aに転接するローラー群を回転可能に軸支したローラー支持軸枠体21と、詳細は後述する補助制動機構部81を構成する補助制動ローラー群と、を有している。
前記下部レール2のレール面2aは、平行配置の一対構成となっており、同様に、前記上部レール12のレール面12aも平行配置の一対構成となっている。
前記下部レール2を配置した方向をX−X方向、上部レール12を配置した方向をY−Y方向として以下に補助制動機構部81を中心に詳細な説明を行う。
前記下部レール2の両端部外壁部領域には前記補助制動機構部81を構成する各々一対ずつ(合計4個)の傾斜制動片部71Aを設け、前記上部レール12の両端部外壁部領域にも補助制動機構部81を構成する各々一対ずつ(合計4個)の傾斜制動片部71Bを設けている。
ここに、端部外壁部領域とは、前記下部レール2の一方及び他方の端部側において、前記下部レール2の長さと過去に発生した地震の震幅データを考慮し領域の寸法を決める。前記上部レール12側においても同様である。
前記傾斜制動片部71Aは、前記下部レール2における端部外壁部領域において、レール面2aと同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面2aの端部側に至るほどレール面2aからの上方への突出長が大となる端部傾斜レール面72aを有する弾性体製の傾斜制動板72を、ボルト74、ナット75を用いて前記下部レール2の4箇所にわたる端部外壁部領域に各々固着することにより取り付けている。
この場合、前記傾斜制動片部71Aは、図6、図7に示すように、前記傾斜制動板72を2枚の補助板73a、73bで挟み込む構造として傾斜制動板72の端部傾斜レール面72aのみが上述したように突出する状態で端部外壁部領域に固着する構造としている。
同様に、前記傾斜制動片部71Bは、前記上部レール12における端部外壁部領域において、レール面12aと同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面12aの端部側に至るほどレール面12aからの下方への突出長が大となる端部傾斜レール面72aを有する上述した場合と同様な傾斜制動板72を、ボルト74、ナット75を用いて前記上部レール12の4箇所にわたる端部外壁部領域に各々固着することにより取り付けている。
前記傾斜制動片部71Bにおいても、前記傾斜制動片部71Aの場合と同様に補助板73a、73bで挟み込む構造としている。
次に、前記ローラー支持軸枠体21について図4、図5を参照して詳述する。
前記ローラー支持軸枠体21は、前記した通り対向配置される前記下部レール2、上部レール12の交差領域に配置されている。
前記ローラー支持軸枠体21は、例えば平面視正方形状を呈しつつ例えば四角筒状に形成した支持軸枠本体20を具備し、この支持軸枠本体20における前記下部レール2に沿う(X−X方向の)二つの側壁片20a、20bの外側に各々前記下部レール2のレール面2aに転接する片側3個ずつ合計6個のローラー群を回転可能に軸支している。
また、前記ローラー支持軸枠体21は、支持軸枠本体20における前記上部レール12に沿う(Y−Y方向の)二つの側壁片20c、20dの外側に各々前記上部レール12のレール面12aに転接する片側3個ずつ合計6個のローラー群を回転可能に軸支している。
前記ローラー支持軸枠体21の支持軸枠本体20及び各ローラー群の構造について更に詳述する。
前記支持軸枠本体20には、前記下部レール2に沿う(X−X方向の)二つの側壁片20a、20b各々の外側に、前記レール面2a、2aに転接するローラー32a、32b、32cを片側3個ずつ合計6個構成として各々配置している。
更に、前記支持軸枠本体20には、前記各ローラー32aの外側に位置して補助制動機構部81を構成し、前記ローラー32aと同径の補助制動ローラー51aを片側1個ずつ配置し、前記傾斜制動板72の端部傾斜レール面72aに転接させるように構成している。
すなわち、前記一方の側壁片20aの外側に補助制動ローラー51aを前記ローラー32aの外側に配置している。
同様に、前記他方の側壁片20bの外側においても、補助制動ローラー51aを前記ローラー32aの外側に配置している。
なお、前記ローラー32aと前記補助制動ローラー51aとを同一のローラーで形成するようにしてもよい。また、前記ローラー32aと前記補助制動ローラー51aとの径を異ならせる構造としてもよい。
前記支持軸枠本体20には、前記各ローラー33aの外側に位置して補助制動機構部81を構成し、前記ローラー33aと同径の補助制動ローラー52aを片側1個ずつ配置し、前記傾斜制動板72の端部傾斜レール面72aに転接させるように構成している。
すなわち、前記Y−Y方向の一方の側壁片20cの外側に補助制動ローラー52aを前記ローラー33aの外側に配置している。
同様に、前記Y−Y方向の他方の側壁片20dの外側においても、補助制動ローラー52aを前記ローラー33aの外側に配置している。
なお、前記ローラー33aと前記補助制動ローラー52aとを同一のローラーで形成するようにしてもよい。また、前記ローラー33aと前記補助制動ローラー52aとの径を異ならせる構造としてもよい。
前記支持軸枠本体20は、その下面側に、4個の下部ガイドローラー61を、所定間隔をもって軸支片63及びネジ64を用いて回転可能に軸支し、上面側に、4個の上部ガイドローラー62を、所定間隔をもって軸支片63及びネジ64を用いて回転可能に軸支している。
下部ガイドローラー61、上部ガイドローラー62の構成により、前記ローラー支持軸枠体21が地震動で下部レール2上でX方向に変位するとき、又は上部レール12の下側でY方向に変位するとき、このローラー支持軸枠体21の安定した変位動作を確保でき、確実な免震機能を発揮させることができる。
次に、本実施例に係る免震レール構造体1の作用、効果について、前記補助制動機構部81の作用を主にして説明する。
例えば前記ローラー支持軸枠体21が、長周期地震動によって、前記上部レール12とともにX−X方向に変位するとき、前記下部レール2の端部領域(例えば図8に示す下部レール2の右側の端部領域)において前記中央の補助制動ローラー51aが、前記傾斜制動板72の端部傾斜レール面72aに転接して、前記ローラー支持軸枠体21を端部傾斜レール面72aの傾斜面状態に応じた急激な制震作用による免震機能を発揮させる。
前記ローラー支持軸枠体21が、長周期地震動によって、X−X方向で下部レール2の左側の端部領域に変位するときは、上述した場合と同様な機能を発揮させることができる。
一方、前記ローラー支持軸枠体21が、長周期地震動によって、前記上部レール12に連動してY−Y方向に変位するときには、前記中央の補助制動ローラー52aが、前記傾斜制動板72の端部傾斜レール面72aに転接して、上述した場合と同様な機能を発揮させることができる。
次に、前記ローラー支持軸枠体21が、例えば小振幅の地震動で前記上部レール12とともにX−X方向に変位するとき、すなわち、前記下部レール2における端部領域以外の中央部領域の範囲で変位するときには、前記中央のローラー32aとその両隣のローラー32b、32cとが、前記レール面2aに転接して、ローラー軸受56とローラー支持軸54の摩擦による制震作用、レール面2aの傾斜面による復元作用により免震機能を発揮させることができる。
前記ローラー支持軸枠体21が、例えば小震幅の地震動で前記上部レール12に連動してY−Y方向に変位する場合も同様である。
以上説明した本実施例の免震レール構造体1によれば、レール・ローラー組み合わせ構造の基に、下部レール2、上部レール12の端部領域と、これらの端部領域以外の中央部領域とで、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震作用と補助制震機構部による制震作用の二段階の制震機能を発揮させ、震幅の小さい地震動は勿論のこと、長周期地震動に対しても円滑なる免震動作を実現することが可能となる。
本考案は、例えば、各種の美術品、精密機器、コンピュータ装置等のような被免震物に対する地震発生時の免震を行うための免震レール構造体として様々な産業分野において広範に利用可能である。
1 免震レール構造体
2 下部レール
2a レール面
2b 垂直片
12 上部レール
12a レール面
12b 垂直片
20 支持軸枠本体
20a 側壁片
20b 側壁片
20c 側壁片
20d 側壁片
21 ローラー支持軸枠体
32a ローラー
32b ローラー
32c ローラー
33a ローラー
33b ローラー
33c ローラー
51a 補助制動ローラー
52a 補助制動ローラー
54 ローラー支持軸
55 抑え板
56 ローラー軸受
61 下部ガイドローラー
62 上部ガイドローラー
63 軸支片
64 ねじ
71A 傾斜制動片部
71B 傾斜制動片部
72 傾斜制動板
72a 端部傾斜レール面
73a 補助板
73b 補助板
74 ボルト
75 ナット
81 補助制動機構部

Claims (3)

  1. 中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面を有し、このレール面を上向きとして設置される下部レールと、
    中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面を有し、このレール面を下向きとして前記下部レールの上方でこの下部レールと直交する状態で対向配置される上部レールと、
    前記対向配置される前記下部レール、前記上部レールの交差領域に配置されるとともに、下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震力、前記各レールの傾斜面による復元力を受けるローラー支持軸枠体と、
    を有する免震レール構造体であって、
    前記下部レールの端部外壁部領域、及び前記上部レールの端部外壁部領域に配置した各々前記各レール面と同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面の端部側に至るほどレール面からの突出長が大となる端部傾斜レール面を有する傾斜制動片部と、
    前記ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う外側、及び上部レールに沿う外側に各々配置されるとともに、前記ローラー支持軸枠体が前記下部レールの両端部領域、又は前記上部レールの両端部領域に変位したとき、対応する前記傾斜制動片部の端部傾斜レール面に転接してこの端部傾斜レール面から制震力を受ける補助制動ローラーと、
    を備える補助制動機構部を設け、
    長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において端部傾斜レール面を有する傾斜制動片の当該端部傾斜レール面と、前記補助制動ローラーとの転接でもって制震できるように構成したとともに、
    前記長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動以外が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成し、
    前記二段階の制震機能を具有しつつ円滑な免震動作を行うようにしたことを特徴とする免震レール構造体。
  2. 中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面を有し、このレール面を上向きとして設置される金属製の下部レールと、
    中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面を有し、このレール面を下向きとして前記下部レールの上方でこの下部レールと直交する状態で対向配置される金属製の上部レールと、
    前記対向配置される前記下部レール、前記上部レールの交差領域に配置されるとともに、下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震力、前記各レールの傾斜面による復元力を受けるローラー支持軸枠体と、
    を有する免震レール構造体であって、
    前記下部レールの端部外壁部領域、及び前記上部レールの端部外壁部領域に配置した各々前記各レール面と同一又は各レール面よりも僅かに低い高さ位置から前記レール面の端部側に至るほどレール面からの突出長が大となる端部傾斜レール面を有する弾性体製の傾斜制動片部と、
    前記ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う外側、及び上部レールに沿う外側に各々配置されるとともに、前記ローラー支持軸枠体が前記下部レールの両端部領域、又は前記上部レールの両端部領域に変位したとき、対応する前記傾斜制動片部の端部傾斜レール面に転接してこの端部傾斜レール面から制震力を受ける補助制動ローラーと、を備える補助制動機構部を設け、
    長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において端部傾斜レール面を有する傾斜制動片の当該端部傾斜レール面と、前記補助制動ローラーとの転接でもって制震できるように構成したとともに、
    前記長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動以外が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成し、
    前記二段階の制震機能を具有しつつ円滑な免震動作を行うようにしたことを特徴とする免震レール構造体。
  3. 中央部が最低部分をなしその両側を対称形状の上昇傾斜面としたレール面を有し、このレール面を上向きとして設置される金属製の下部レールと、
    中央部が最高部分をなしその両側を対称形状の下降傾斜面としたレール面を有し、このレール面を下向きとして前記下部レールの上方でこの下部レールと直交する状態で対向配置される金属製の上部レールと、
    前記対向配置される前記下部レール、前記上部レールの交差領域に配置されるとともに、下部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々前記各下部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、上部レールに沿う他の二つの側壁片の外側に各々前記上部レールのレール面に転接する複数のローラーを回転可能に軸支し、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦制震力、前記各レールの傾斜面による復元力を受けるローラー支持軸枠体と、
    を有する免震レール構造体であって、
    前記下部レールの両端部外壁部領域、及び前記上部レールの両端部外壁部領域に配置した各々前記各レール面と均等の高さ位置から前記レール面の端部側に至るほどレール面からの突出長が大となる端部傾斜レール面を有する一対ずつの弾性体製の各傾斜制動片部と、
    前記ローラー支持軸枠体の下部レールに沿う二つの側壁片の外側、及び上部レールに沿う二つの側壁片の外側に各々配置されるとともに、前記ローラー支持軸枠体が前記下部レールの両端部領域、又は前記上部レールの両端部領域に変位したとき、対応する前記傾斜制動片部の端部傾斜レール面に転接して、この端部傾斜レール面から制震力を受ける補助制動ローラーと、を備える補助制動機構部を設け、
    長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動が発生した際には、前記上部レール、下部レールの端部において端部傾斜レール面を有する一対ずつの傾斜制動片の端部傾斜レール面と、前記各補助制動ローラーとの転接でもって制震できるように構成したとともに、
    前記長周期地震動が惹起し震幅の大きな地震動以外が発生した際には、ローラー軸受とローラー支持軸による摩擦で制震するように構成し、
    前記二段階の制震機能を具有しつつ円滑な免震動作を行うようにしたことを特徴とする免震レール構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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