JP3200651U - 中空糸膜モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】ハウジングケースの製造設備を簡素化することが可能で、ハウジングケースの寸法誤差が小さい中空糸膜モジュールを得る。【解決手段】複数の中空糸膜2が束ねられてなる中空糸膜束3と、中空糸膜束3を収容する筒状のハウジングケース5と、ハウジングケース5の両端のそれぞれの近傍に1つずつ設けられ、該ハウジングケース5の内部に連通して流体を通過させる1対のノズル5c、5dとを有する中空糸膜モジュール1において、ハウジングケース5を、一方のノズル5cと一体的に成形されてハウジングケース5の一端側となる第1成形部材5aと、他方のノズル5bと一体的に成形されてハウジングケース5の他端側となる第2成形部材5bとから構成する。第1成形部材5aと第2成形部材5bとは、ハウジングケース5の筒軸方向内の中間位置で互いに接合する。【選択図】図1

Description

本考案は、複数の中空糸膜が束ねられてなる中空糸膜束を備えた中空糸膜モジュールに関するものであり、特に、中空糸膜束を収容するハウジングケースの構造に関するものである。
半導体製造や食品工業等の分野において、気液吸収、脱気、ろ過用等の用途で、複数の中空糸膜を束ねてなる中空糸膜束をハウジングケース(ケーシング)内に収容した中空糸膜モジュールが広く用いられている。
上記ハウジングケースは、多くの場合、合成樹脂や金属等から円筒等の筒状に形成され、その両端の近傍には、被処理液や、あるいは中空糸膜束による処理後の流体を通すノズルがそれぞれ設けられる。なお、上記の「近傍」とは、ハウジングケースの端部からハウジングケースの長さ方向中央側にある程度の長さ離れた位置を意味するものであり、特定の数値で規定されるものではない。また筒状のハウジングケースの両端には、被処理液や、あるいは中空糸膜束による処理後の流体を通す管路を備えたキャップが装着される。
従来、例えば中空糸膜を透析膜として利用する医用の小型中空糸膜モジュールにおいては、1対のノズルと共に一体成型されたハウジングケースが用いられることもある。つまりこの場合、ハウジングケースは1つの成形部材から構成される。なお特許文献1には、そのようなハウジングケースの一例が示されている。
他方、半導体製造や食品工業等の分野において用いられる、ある程度大きな中空糸膜モジュールにおいては、1対のノズルの一方と一体成型された筒状部材と、1対のノズルの他方と一体成型された筒状部材と、これら2つの筒状部材の間に配される直管状の筒状部材とが互いに接合されて、ハウジングケースが構成されることが多い。つまりこの場合、ハウジングケースは3つの成形部材から構成される。特許文献2には、そのようなハウジングケースの一例が示されている。
特開2013−208608号公報 特開2012−045453号公報
上述した1つの成形部材から構成されるハウジングケースは、ある程度大型に形成することは難しい。したがって、この種のハウジングケースを、半導体製造や食品工業等の分野で用いられる一般的な中空糸膜モジュールに適用するのは困難である。
他方、3つの成形部材から構成されるハウジングケースは大型に形成することも容易であるが、3つの成形部材を形成するために各々専用の製造設備が必要となるので、中空糸膜モジュールのコストアップを招く。また、3つの成形部材を接合して形成されるハウジングケースは、全体の寸法誤差が大きくなりがちである。
本考案は上記の事情に鑑みてなされたものであり、ハウジングケースの製造設備を簡素化することが可能で、ハウジングケースの寸法誤差が小さい中空糸膜モジュールを提供することを目的とする。
本考案による中空糸膜モジュールは、
複数の中空糸膜が束ねられてなる中空糸膜束と、
上記中空糸膜束を収容する筒状のハウジングケースと、
上記ハウジングケースの両端のそれぞれの近傍に1つずつ設けられ、該ハウジングケースの内部に連通して流体を通過させる1対のノズルとを有する中空糸膜モジュールにおいて、
ハウジングケースが、1対のノズルの一方と一体的に成形されてハウジングケースの一端側となる第1成形部材と、1対のノズルの他方と一体的に成形されてハウジングケースの他端側となる第2成形部材とからなり、
第1成形部材と第2成形部材とが、ハウジングケースの筒軸方向内の中間位置で互いに接合されてハウジングケースが構成されていることを特徴とするものである。
なお、上記第1成形部材と第2成形部材の互いに接合する部分は、一方の接合部分が筒内周側に位置し、他方の接合部分が筒外周側に位置する状態に組み合わせて接合されていることが望ましい。
また、上記一方の接合部分と他方の接合部分の少なくとも1つの先端部は、接合相手となる接合部分に対して斜めに向かい合う面取り面を有する形状とされていることが望ましい。
また上記のノズルは、流体が通過する直管状部分と、この直管状部分の先端側に形成されたフランジ状部分とを有し、そしてノズル内面が、上記直管状部分の内周面からフランジ状部分の外面にかけて円滑に連続する形状とされていることが望ましい。
本考案による中空糸膜モジュールは、第1成形部材および第2成形部材の2つの成形部材からハウジングケースが構成されたものであるので、3つ以上の成形部材から構成されるハウジングケースを用いる中空糸膜モジュールと比べれば、成形部材を形成するための製造設備が簡素化され、また、ハウジングケースの全体の寸法誤差が小さく抑えられるものとなる。
本考案の一実施形態による中空糸膜モジュールを示す側断面図 上記中空糸膜モジュールを示す一部破断斜視図 上記中空糸膜モジュールにおける第1成形部材と第2成形部材との接合部分を示す一部破断斜視図 上記中空糸膜モジュールにおけるキャップとハウジングケースとの固定装着部分を示す側断面図 図4の構造を拡大して示す側断面図 上記中空糸膜モジュールにおけるノズルの部分を示す一部破断斜視図 上記中空糸膜モジュールにおけるノズルと配管との接続構造を示す一部破断斜視図 本考案の一実施形態による中空糸膜モジュールを用いたろ過装置の概略構成を示す図 第1成形部材と第2成形部材との接合部分の別の例を示す概略図 第1成形部材と第2成形部材との接合部分のさらに別の例を示す概略図 第1成形部材と第2成形部材との接合部分のさらに別の例を示す概略図 第1成形部材と第2成形部材との接合部分のさらに別の例を示す概略図
以下、本考案の中空糸膜モジュールの一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る中空糸膜モジュールは、上下水道、食品工業、一般工業、医療、理化学といった様々な分野で利用され得るものである。
図1および図2はそれぞれ、本実施形態に係る中空糸膜モジュール1を示す側断面図および一部破断斜視図である。これらの図に示される通り本実施形態に係る中空糸膜モジュール1は、複数の中空糸膜2が束ねられてなる中空糸膜束3と、この中空糸膜束3を収容する筒状、一例として円筒状のハウジングケース5とを備えるものである。なお図2は、中空糸膜モジュール1を、ハウジングケース5の筒軸(中心軸)を含む面で切断した状態を示しており、ここでは、半分に切断された状態の中空糸膜束3を2点鎖線で示している。
ハウジングケース5の両端開口には、配管が接続される管路10a,11aが形成された配管接続用のキャップ10,11が配設されている。これらのキャップ10,11は、それぞれナット13によってハウジングケース5に固定装着されている。ナット13は、ハウジングケース5の両端部の外周面に形成された雄ネジ5nに螺合している。このナット13が締められると、キャップ10,11とハウジングケース5との間に配されたOリング12により、該Oリング12の内側と外側とが液密にシールされる。すなわち、ハウジングケース5とキャップ10,11とで画成される内部空間と、ハウジングケース5およびとキャップ10,11の外側の空間との間が液密にシールされる。なお、Oリング12が配置されている部分の構造については、後に詳しく説明する。
また、ハウジングケース5の一端、他端に近い部分には、ノズル5c,5dがそれぞれ形成されている。これら1対のノズル5c,5dは、ハウジングケース5の長手方向に直交する方向に突き出すように設けられており、それぞれハウジングケース5の内部に連通して流体を通過させる。
図1に示されるように、中空糸膜束3の両端面においては、各々開口を有する複数の中空糸膜2が配列され、中空糸膜2の相互の間がポッティング材で充填されて接着部20が形成されている。
上記構成において、キャップ10,11の管路10a,11aから流入した流体は、接着部20が形成されていることにより、中空糸膜2同士の間に漏れることなく、各中空糸膜2の中空部だけを通過する。そして、2つの接着部20の間の各中空糸膜2の外表面から滲み出した流体が、ノズル5c,5dから流出する。または、ノズル5c,5dから流入した流体が、2つの接着部20の間の各中空糸膜2の外表面から染み込み、各中空糸膜2の中空部を通過した流体が、キャップ10,11の管路10a,11aから流出する。
中空糸膜2としては、精密ろ過膜、限外ろ過膜等を用いることができる。中空糸膜の素材は特に限定されず、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンテン)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられ、また、これらの複合素材も使用できる。
中空糸膜2の内径は50μm〜3000μmであり、好ましくは500μm〜2000μmである。内径が小さい場合、圧損が大きくなり、ろ過に悪影響を及ぼすため、中空糸膜2の内径は50μm以上とすることが好ましい。また、内径を大きくした場合、紡糸時に膜の形状を保持することが困難になるため、3000μm以下とすることが好ましい。また、中空糸膜2の内表面の平均孔径は1〜50μmが好ましく、阻止孔径は0.1〜1μmが好ましい。
他方、中空糸膜束3の中空糸膜2の本数は、例えばハウジングケース5の内径が150mmの場合で2500本程度、ハウジングケース5の内径が250mmの場合で5000本程度とされる。
なお、各中空糸膜2の両端部には、各中空糸膜2の外表面側に樹脂を含浸させて形成された樹脂含浸部が設けられている。そのような樹脂含浸部を設けることで、ポッティング材が中空糸膜2の細孔を通じて中空部へ侵入し、中空糸膜2の中空部が閉塞することを防止できる。さらに、中空糸膜モジュール1のろ過もしくは逆洗による洗浄を行う際、接着部20の先端が中空糸膜2の付け根近傍の外表面に接触することで中空糸膜2の付け根近傍が損傷することを防止できる。
次に図3も参照して、ハウジングケース5の詳細な構造について説明する。本実施形態におけるハウジングケース5は、例えば共に合成樹脂から形成された第1成形部材5aと第2成形部材5bとから構成されている。第1成形部材5aは一方のノズル5cと一体的に成形されて、ハウジングケース5の一端側(図1および図2中で上端側)を構成し、第2成形部材5bは他方のノズル5dと一体的に成形されて、ハウジングケース5の他端側(図1および図2中で下端側)を構成している。
図3は、第1成形部材5aと第2成形部材5bとの接合部分の断面形状を示している。この図3に示される通り第1成形部材5aは、その他の円筒状部分と比べて厚さが1/2よりやや薄い接合部分5eを有し、また第2成形部材5bは、同じく、その他の円筒状部分と比べて厚さが1/2よりやや薄い接合部分5fを有している。接合部分5eと接合部分5fとは、それぞれ円筒状のハウジングケース5の筒外周側、筒内周側に位置するようにして組み合わされ、そしてその状態で互いに接合されている。
両接合部分5e,5fは、ハウジングケース5の筒軸方向(図1中の上下方向)内の中間位置で互いに接合されている。この「中間位置」とは、ハウジングケース5の両端の間の部分を意味するものであって特に限定されるものではない。ただし通常は、両接合部分5e,5fの筒軸方向中央位置が、ハウジングケース5の筒軸方向中央位置と一致する状態で両接合部分5e,5fが接合される。なお接合部分5e,5fの筒軸方向長さは、例えばハウジングケース5の長さが800mm、内径が230mm程度の場合で、一般には25〜30mm程度とされる。
両接合部分5e,5fは、例えば溶剤形の接着剤、すなわち接合部分5e,5fを構成する合成樹脂と同等の合成樹脂を溶剤に溶解させたタイプの接着剤を用いて接合されている。より詳しく説明すれば、接合部分5eの接合部分5f側を向く内周面5gと、接合部分5fの接合部分5e側を向く外周面5hとが接合される。図3では接着領域を、ドットを付した領域5mとして示している。この接着領域5mは、接着剤および、接合部分5e,5fの接着剤によって溶融した一部からなる領域である。上述のように、接合部分5eと接合部分5fとを、それぞれハウジングケース5の筒外周側、筒内周側に位置するようにして組み合わせ、接合する構造は、十分に高い接合強度を有するものとなる。
なお、両接合部分5e,5fの接合は、溶剤形の接着剤に限らず、その他のタイプの接着剤を用いてなされてもよいし、さらには、接着剤を用いない超音波溶着等の手法によってなされてもよい。
ここで、一方の接合部分5eの先端部は、接合相手となる接合部分5fの外周面5hに対して斜めに向かい合う面取り面5kを有する形状とされている。この「斜めに向かい合う」とは、接合部分5eおよび5fの断面形状で考えたとき、外周面5hがハウジングケース5の長さ方向に延びる向きに対して、上記先端部が傾斜していることを意味する。このような面取り面5kを設けることにより、面取り面を形成しない場合と比べると、合成樹脂から接合部分5eを成形した後に残る成形歪、および接合部分5eを接合部分5fと接合したときの接合歪がそれぞれ1か所から2か所に分散されるので、接合部分5eの強度を高く保つことができる。
なお本実施形態においては、接合部分5fの方にも、上記面取り面5kと向かい合う面取り面5sが形成されている。また、接合部分5fの先端部にも上記面取り面5kと同じような面取り面5tが形成され、それに対応して接合部分5eにも、面取り面5tと対面する面取り面5uが形成されている。以上の面取り面5s,5tおよび5uを形成したことにより、上に述べたのと同様に、接合部分5e,5fの強度を高く保つことができるという効果が得られる。
以上述べたようにハウジングケース5を、ノズル5cと一体的に形成された第1成形部材5aおよび、ノズル5dと一体的に形成された第2成形部材5bの2つの部材から構成すれば、従来なされていたようにハウジングケース5を3つの場合から構成する場合と比べて、ハウジングケース5を製造するための設備が簡素化される、各部材を接合して形成した後のハウジングケース全体の寸法誤差を小さく抑えることができる、という効果が得られる。
次に図4および図5を参照して、キャップ10,11がハウジングケース5に固定装着される部分の構造について詳しく説明する。なお、ここでは、一方のキャップ10とハウジングケース5との固定装着部分の構造について説明するが、別のキャップ11側の構造も同じであるので、その構造についての説明は省略する。
ハウジングケース5を構成する第1成形部材5aの端部(第2成形部材5bと反対側の端部)において、その内周面には、例えば合成樹脂から形成された整流筒30が接合されている。整流筒30の接合は、例えば接着剤を用いた接着によってなされる。この整流筒30の、第1成形部材5aの内方側、つまりハウジングケース5の筒軸方向中央側の先端は、ノズル5cの内端と向かい合う延設部30aとされている。
整流筒30の内周面には、ハウジングケース5の筒軸方向に繰り返す環状凹部と環状凸部とが設けられている。これらの環状凹部および環状凸部の断面形状は、一例として鋸歯状とされている。そして、これらの環状凹部および環状凸部の上に充填される形で、ポッティング材31が配設されている。ポッティング材31は前述した通り、複数の中空糸膜2の各々の端部において該中空糸膜2同士を接着固定して、図1に示した接着部20を構成している。
上述のようにポッティング材31が、環状凹部および環状凸部の上に充填される形で配設されていれば、ポッティング材31がハウジングケース5から、ハウジングケース筒軸方向に離脱してしまうことを防止できる。その効果は、上記環状凹部および環状凸部の表面を梨地加工した面としておけば、より確実なものとなる。
なお、本実施形態では整流筒30がハウジングケース5の(より具体的には第1成形部材5aの)内周面に接合されているので、ポッティング材31は整流筒30の内周面の間において充填されている。本明細書では、このようにポッティング材31が、ハウジングケース5の内周面に固定された何らかの部材の内周面まで充填されている場合も、また、そのような部材が設けられずにポッティング材31が直接的にハウジングケース5の内周面まで充填されている場合も、同様に「ポッティング材がハウジングケースの内周面まで充填されている」と言うこととする。
さらに、本実施形態では整流筒30の内周面に上記環状凹部および環状凸部が設けられているが、整流筒30のような部材が設けられずに、ハウジングケース5の内周面に上記環状凹部および環状凸部が設けられてもよい。本明細書では、それらのいずれの場合でも「ハウジングケースの内周面に、ハウジングケースの筒軸方向に繰り返す環状凹部と環状凸部とが設けられる」と言うこととする。
図5に拡大図示するように、ポッティング材31のキャップ10側を向く端面には、この端面を一周する環状溝31aが形成されている。また、ポッティング材31の上記端面側を向くキャップ10の面には、環状溝31aと向かい合う環状溝10cが形成されている。そして図4に示すように、上記環状溝31aと環状溝10cとの間にOリング12が収容されている。環状溝31aおよび環状溝10cの各断面形状は、Oリング12の外形に倣って、円弧の一部をなす形状とされている。それによりOリング12は、環状溝31aおよび環状溝10cに緊密に収容されるようになる。
上記の通りにOリング12を配した状態で、前述したようにナット13が第1成形部材5aの雄ネジ5nに螺合され、そしてナット13が締められると、Oリング12により、該Oリング12の内側と外側とが液密にシールされる。すなわち、ハウジングケース5を構成する第1成形部材5aとキャップ10とで画成される内部空間と、第1成形部材5aおよびキャップ10の外側の空間とが液密にシールされる。
以上説明のように、ポッティング材31側とキャップ10側に各々環状溝31a、10cを形成して、それらの環状溝31a、10cの間にOリング12を収容させる構成によれば、例えば国際公開WO2013/136903に示されるように2つの平面の間にOリングを配置する場合と比べて、Oリングによるシール性がより確実なものになる、さらには、上記平面とOリングとの間に微小な隙間が生じることを防止できる、という効果が得られる。なお、上記の微小な隙間が生じていると、被処理水に含まれる微小な固形物成分がその隙間に入り込んで、そこに留まってしまうので、中空糸膜モジュール1のサニタリー性が損なわれることになる。
特に本実施形態では、環状溝31aおよび環状溝10cの各断面形状が、Oリング12の外形に倣って円弧の一部をなす形状とされ、それによりOリング12が環状溝31aおよび環状溝10cに緊密に収容されているので、上記微小な隙間が生じる可能性が極めて低くなっている。それにより本実施形態の中空糸膜モジュール1は、十分に高いサニタリー性を備えたものとなっている。
なお本実施形態では、キャップ10の内面が、第1成形部材5aに近づくに連れて次第に径が拡大するテーパ面となっている。そしてこのテーパ面とポッティング材31の端面とが、間にOリング12の周面のみを介して連なっている状態となっている。つまり、Oリング12の内側において、キャップ10の内面とポッティング材31の端面との間に、凹んだ部分や隙間は存在しない状態となっている。そこで、中空糸膜モジュール1を用いて被処理水をろ過する際、特にキャップ10側から被処理水を導入して、ろ過水をノズル5cから排出させる際に、被処理水に含まれる固形物成分が上記凹んだ部分や隙間に入り込んで、そこに留まってしまうことを防止できる。
ここで、ポッティング材31としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、オレフィン系ポリマー、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂等の高分子材料が好ましく、これらの高分子材料のいずれかでもよいし、複数の高分子材料を組み合わせて用いるようにしてもよい。また、ポッティング材31は、ろ過時に加圧によって生ずる一次側と二次側の差圧に耐え得る耐圧性を有することが必要であり、そのためには適度な硬度を有している必要がある。
次に図6および図7を参照して、第1成形部材5aに設けられているノズル5cの形状について説明する。なお、第2成形部材5bに設けられているノズル5dの形状は、ノズル5cの形状と同じであるので、ここではノズル5cの形状について説明し、ノズル5dに関する説明は省略する。
ノズル5cは、流体が通過する直管状部分と、この直管状部分の先端側に形成されたフランジ状部分5qとを有する、ラッパ管状のものとされている。そしてノズル5cの内面5pは、上記直管状部分の内周面から、フランジ状部分5qの外面(図6中で上面)にかけて円滑に連続する形状とされている。また、上記フランジ状部分5qの外面には、ガスケットとしての例えばOリング(図示せず)を収容する環状溝5rが形成されている。
上記構成のノズル5cには、図7に示すように配管40が接続される。この配管40もノズル5cと同様にフランジ状部分40aを有するものである。配管40をノズル5cに接続する際には、フランジ状部分40aとフランジ状部分5qとが間に上記Oリングを介して突き合わされ、そして公知のサニタリークランプ41によって締結される。それにより、ノズル5cと配管40とが、互いに連通する状態に接続される。
なおサニタリークランプ41は、連結部41aによって互いに開閉し得る状態に連結された2つの挟持部41bおよび41cと、挟持部41bおよび41cの各先端部に連続して形成された締結部41dおよび41fと、締結部41dおよび41fに形成された図示外の雌ネジに螺合し得る締結ボルト41gとを有するものである。挟持部41bおよび41cはそれぞれ内周面に、突き合わされたフランジ状部分40aおよびフランジ状部分5qの周縁部を挟持する図示外の内周溝を有している。
配管40をノズル5cに接続する際には、まず挟持部41bおよび41cが開いた状態とされ、それらの各内周溝に、フランジ状部分40aおよびフランジ状部分5qの周縁部が入り込むようにして挟持部41bおよび41cが閉じられる。次いで、締結部41dおよび41fの上記雌ネジに螺合させた締結ボルト41gが締められることにより、フランジ状部分40aとフランジ状部分5qとが互いに強く押し付けられ、配管40がノズル5cと連通した状態に接続される。
上述した通り、ノズル5cの内面5pは、直管状部分の内周面からフランジ状部分5qの外面にかけて円滑に連続する形状とされていて、その形状のままノズル5cが配管40と接続される。つまり、配管40を接続する上で、別の配管要素が組み合わされてノズル5cや配管40の内面に凹凸が形成されたりしないので、また、この接続を行うためにノズル5cや配管40の内面に特に接触する必要も無いので、ノズル5cと配管40とが高いサニタリー性を保って接続されるようになる。
次に、本実施形態に係る中空糸膜モジュール1をろ過装置100に設置した態様の一例について図8を参照して説明し、さらに、本実施形態に係る中空糸膜モジュール1を用いたろ過方法について説明する。なお、このろ過装置100においては、一例として内圧ろ過でのクロスフローろ過方式を想定している。
ろ過装置100は、中空糸膜モジュール1のキャップ11の管路11aに接続されて被処理水を供給する供給配管101と、キャップ10の管路10aに接続されて循環水を送り出す循環配管102とを備えている。さらに、供給配管101や循環配管102の途中には、圧力計Pi,Poや弁101a,102aなどが配設されている。また、ろ過装置100は、ろ過水の流路となる上部ろ過水排出管103と下部ろ過水排出管104とを備えている。上部ろ過水排出管103や下部ろ過水排出管104はろ過水の合流管105に接続されており、合流管105は外部の配管(図示せず)に連絡している。なお、合流管105には、圧力計Pfや弁105aなどが配設されている。
中空糸膜モジュール1は縦に配置され、上側のノズル5cが上部ろ過水排出管103に接続され、下側のノズル5dが下部ろ過水排出管104に接続される。
被処理水は、供給配管101から管路11aを通じて所定の圧力で中空糸膜モジュール1に導入される。被処理水は、各中空糸膜2の中空部に導入され、中空糸膜2でろ過され、そのろ過水は各中空糸膜2の外表面から滲み出す。ろ過水は、上部ろ過水排出管103または下部ろ過水排出管104を通って合流管105に排出され、外部配管を通じて採取される。一方で、中空糸膜2を透過した被処理水は、循環水としてキャップ10の管路10aから排出され、循環配管102に送り出される。なお、上記とは反対に、被処理水を管路10a側から導入し、管路11a側に排出するようにしてもよい。
次に図9〜図12を参照して、第1成形部材5aと第2成形部材5bとを接合する構造の別の例について説明する。なおこれらの図9〜図12は各々、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bの、中空糸膜束3を収容する円筒状部分の筒壁の断面形状を示すものである。
図9の例では、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bの、接合する相手側を向く先端面の断面形状が、筒軸方向(図中で左右方向)に対して斜めにカットされた形状とされており、これらの先端面同士が接着等によって接合される。
図10の例では、第1成形部材5aの第2成形部材5b側を向く先端面の断面形状が湾曲した凸面とされる一方、第2成形部材5bの第1成形部材5a側を向く先端面の断面形状が湾曲した凹面とされている。そして、上記凸面と凹面とが互いに組み合う状態にして、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bの先端面同士が接着等によって接合される。
図11の例では、第1成形部材5aの第2成形部材5b側を向く先端面の断面形状が凸の台形状とされる一方、第2成形部材5bの第1成形部材5a側を向く先端面の断面形状が凹の台形状とされている。そして、上記凸の台形状部分と凹の台形状部分とが互いに組み合う状態にして、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bの先端面同士が接着等によって接合される。
図12は超音波接合に適した例を示している。この例では、同図(A)に示すように、第1成形部材5aの第2成形部材5b側を向く先端面の断面形状が山形とされる一方、第2成形部材5bの第1成形部材5a側を向く先端面の断面形状も山形とされている。そして、上記山形の部分が互いに突き合う状態にして、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bを超音波接合すると、第1成形部材5aおよび第2成形部材5bが同図(B)に示すように接合される。
1 中空糸膜モジュール
2 中空糸膜
3 中空糸膜束
5 ハウジングケース
5a 第1成形部材
5b 第2成形部材
5c,5d ノズル
5e,5f 接合部分
5k 面取り面
5p ノズルの内面
5q ノズルのフランジ状部分
5r,10c,31a 環状溝
10,11 キャップ
10a,11a 管路
12 Oリング
13 ナット
20 接着部
30 整流筒
31 ポッティング材
40 配管
41 サニタリークランプ

Claims (4)

  1. 複数の中空糸膜が束ねられてなる中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束を収容する筒状のハウジングケースと、
    前記ハウジングケースの両端のそれぞれの近傍に1つずつ設けられ、該ハウジングケースの内部に連通して流体を通過させる1対のノズルとを有する中空糸膜モジュールにおいて、
    前記ハウジングケースが、前記1対のノズルの一方と一体的に成形されてハウジングケースの一端側となる第1成形部材と、前記1対のノズルの他方と一体的に成形されてハウジングケースの他端側となる第2成形部材とからなり、
    前記第1成形部材と前記第2成形部材とが、ハウジングケースの筒軸方向内の中間位置で互いに接合されて該ハウジングケースが構成されていることを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 前記第1成形部材と前記第2成形部材の互いに接合する部分が、一方の接合部分が筒内周側に位置し、他方の接合部分が筒外周側に位置する状態に組み合わせて接合されている請求項1記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記一方の接合部分と前記他方の接合部分の少なくとも1つの先端部が、接合相手となる接合部分に対して斜めに向かい合う面取り面を有する形状とされている請求項2記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記ノズルが、流体が通過する直管状部分と、この直管状部分の先端側に形成されたフランジ状部分とを有し、
    ノズル内面が、前記直管状部分の内周面からフランジ状部分の外面にかけて円滑に連続する形状とされている請求項1から3いずれか1項記載の中空糸膜モジュール。
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