JP3200242U - 車両の盗難防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】防犯機能を司る防犯モジュールの各部に故障が発生したときに、その事態を車両のユーザに迅速且つ確実に報知して修理や交換等の対処を促すことができる車両の盗難防止装置を提供する。【解決手段】内蔵バッテリ23、傾斜センサ11及び振動センサ12、GPS受信部14、K−Line25及び3G,4G通信部15のそれぞれの故障の有無を判定し、内蔵バッテリ23、センサ類11、12、GPS受信部14、K−Line25の故障については3G,4G通信部15を利用可能であることから、故障通知を防犯管理センタに送信することで、防犯管理センタからの故障通知メールによりユーザに対し故障発生及び故障箇所を報知する。一方、防犯管理センタとの通信が途絶される3G,4G通信部15の故障については、専用の警告灯26の点灯によってユーザに故障発生を報知する。【選択図】図2
Description
本考案は、車両の盗難防止装置に係り、詳しくは防犯機能を司る防犯モジュールの故障時に車両のユーザに故障発生を報知する盗難防止装置に関する。
この種の盗難防止装置としては、例えば特許文献1に記載のものがある。当該特許文献1の技術は、ローン代金またはリース料金の支払いが滞っている対象車両のエンジン始動を禁止することにより、車両を使用不能として支払いを促すと共に、ローンまたはリース対象者による車両盗難を防止している。
このように特許文献1の技術は、ローンまたはリース対象者による車両盗難を想定したものであるが、第三者による車両盗難の防止にも応用できる。例えば、車両に搭載されたエンジン制御用のECUに対して防犯機能を司る防犯モジュールを接続し、車両の駐車中に防犯モジュールが防犯管理センタと連携して盗難抑止処理を実行する。防犯モジュールは内蔵しているセンサ類等による各種検出情報を3G,4G通信部により携帯電話回線を介して外部の防犯管理センタに送信し、それらの検出情報に基づき防犯管理センタで車両盗難の発生の有無が判定される。例えば車両の駐車中にも拘わらず、傾斜センサにより傾斜角の変化が検出された場合、振動センサにより走行振動が検出された場合、或いはGPS受信部より特定される自車位置が変化した場合に、車両盗難が発生したと判定される。
このような事態が発生すると、防犯管理センタから車両のユーザに盗難確認メールが送信され、車両の運搬等の挙動をユーザが認識していない場合には盗難と見なし、警察への通報等の対処が行われると共に、防犯管理センタに対処必要メールが返信される。この対処必要メールに呼応して防犯管理センタから送信される指令に基づき、例えば車両のクラクションやヘッドライトが作動して周囲への異常報知が行われる。
上記したように車両盗難を防止するための盗難抑止処理は防犯モジュールによって実行されるが、防犯モジュールが故障した場合の対処について、特許文献1の技術では何ら想定されていない。
例えば、防犯モジュールの電源として車載バッテリが利用されると、車両盗難を目的とした配線切断により電力供給が遮断されて防犯モジュールが機能しなくなることから、防犯モジュールには自己電源として内蔵バッテリ(二次電池)を備えている。内蔵バッテリは、エンジン運転中の充電及び駐車中の放電の繰返しにより次第に劣化して容量低下するため、ある時点で車両駐車の終了まで盗難抑止処理を継続できなくなる。
また、傾斜センサや振動センサが故障した場合には、車両の傾斜変化や振動検出に基づき車両盗難を判定できなくなり、同様にGPS受信部が故障した場合には、自車位置情報に基づき車両盗難を判定できなくなる。また、3G,4G通信部が故障した場合には、防犯管理センタとの間の送受信が途絶してしまう。
よって、以上のような種々の故障が発生した場合には防犯モジュールによる正常な盗難抑止処理が望めなくなるが、特許文献1の技術では、その事態が車両のユーザに報知されない。よって、ユーザは防犯機能が正常であると思い込んで修理や交換等の適切な対処を実施せず、防犯モジュールが故障したまま盗難に無防備な状態で車両を使用し続けるという問題がある。
本考案はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、防犯機能を司る防犯モジュールの各部に故障が発生したときに、その事態を車両のユーザに迅速且つ確実に報知して修理や交換等の対処を促すことができる車両の盗難防止装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本考案の車両の盗難防止装置は、車両に走行用動力源として搭載されたエンジンの制御を実行するエンジン制御手段と、前記エンジン制御手段に対して電気配線を介して接続され、電源として機能する内蔵バッテリ、前記車両の挙動を検出する車両挙動検出部、外部に設置された防犯管理センタとの間で通信回線を通じて情報を遣り取り可能な通信部、及び前記車両の駐車中において前記車両挙動検出部の検出情報に基づき盗難発生の有無を判定し、盗難発生と判定したときに前記通信部を介して前記防犯管理センタとの間で通信しながら盗難抑止処理を実行する盗難判定部を有する防犯制御手段と、前記車両に設けられて前記通信部の故障を表示する警告手段と、前記防犯制御手段の一部として構成され、前記電気配線、前記内蔵バッテリ、前記車両挙動検出部及び前記通信部のそれぞれの故障の有無を判定し、前記電気配線、前記内蔵バッテリ、前記車両挙動検出部の何れかの故障発生時には、前記通信部を介して前記防犯管理センタに前記車両のユーザへの故障の報知を指令し、前記通信部の故障発生時には、前記警告手段を作動させる故障判定・報知手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成した車両の盗難防止装置によれば、故障判定・報知手段により電気配線、バッテリ、車両挙動検出部及び通信部のそれぞれの故障の有無が判定される。そして、電気配線、バッテリ、車両挙動検出部の何れかの故障発生時には通信部を利用可能であることから、通信部を介して防犯管理センタにユーザへの故障の報知が指令され、その指令に基づき防犯管理センタからユーザに故障発生及び故障箇所が報知される。一方、防犯管理センタとの通信が途絶される通信部の故障発生時には、専用の警告手段が作動してユーザに故障発生が報知される。
従って、何れが故障した場合でも、その事態をユーザが迅速且つ確実に認識して修理や交換等の適切な対処を実施でき、防犯モジュールが故障したまま盗難に無防備な状態で車両を使用し続ける事態が未然に防止される。そして、故障箇所に応じて報知手法を変更しているため、何れの故障の場合でもユーザは故障発生のみならず故障箇所をも認識でき、これにより幅広い故障に対応可能となると共に、ユーザが判断に迷うことなく故障箇所への適切な対処を実施可能となる。
その他の態様として、前記防犯制御手段が、自車位置情報を取得するGPS受信部をさらに有し、該自車位置情報と前記車両の挙動とに基づき盗難発生の有無を判定し、前記故障判定・報知手段が、前記GPS受信部の故障の有無も判定し、GPS受信部の故障発生時には、前記通信部を介して前記防犯管理センタに前記故障の報知を指令するように構成することが好ましい(請求項2)。
このように構成した車両の盗難防止装置によれば、GPS受信部の故障発生時にも、防犯管理センタからユーザに故障が報知されることから、ユーザが修理や交換等の対処を実施可能となる。
本考案の車両の盗難防止装置によれば、防犯機能を司る防犯モジュールの各部に故障が発生したときに、その事態を車両のユーザに迅速且つ確実に報知して修理や交換等の対処を促すことができる。
以下、本考案を2輪オートバイの盗難防止装置に具体化した実施形態を説明する。
図1は本実施形態のオートバイの盗難防止装置を示す全体構成図である。
本実施形態のオートバイ1(以下の説明では、車両と称する場合もある)の盗難防止装置2は、防犯管理センタ17との連携により車両1のユーザを交えて車両盗難等に対処するように構成されている。
図1は本実施形態のオートバイの盗難防止装置を示す全体構成図である。
本実施形態のオートバイ1(以下の説明では、車両と称する場合もある)の盗難防止装置2は、防犯管理センタ17との連携により車両1のユーザを交えて車両盗難等に対処するように構成されている。
基本的に盗難防止装置2はECU3(エンジン制御手段)と防犯モジュール4(防犯制御手段)とで構成されており、ECU3は走行用動力源であるエンジンの制御のようにオートバイ1の走行機能に関わることから、車両1に標準装備されている。
これに対して防犯モジュール4は専ら盗難防止のための装置であるためオプション扱いであり、盗難防止機能を欲するユーザのみがオートバイ1の購入時に防犯モジュール4をオプション選択する。また、盗難防止機能を要しないユーザは防犯モジュール4無しのオートバイ1を購入するが、使用過程において盗難防止機能を欲した場合には、防犯モジュール4を単体で購入して自己のオートバイ1に追加装備可能となっている。
このためECU3は、防犯モジュール4無し仕様では本来のオートバイ1の走行機能(後述する通常モードによる)を奏し、防犯モジュール4有りの仕様ではオートバイ1の走行機能に加えて、防犯モジュール4と協調して盗難防止機能(後述する防犯モードによる)を奏するように構成されている。
また、車両1の盗難を目的としたECU3や防犯モジュール4の不正交換を防止するための対策として、ECU3及び防犯モジュール4には予め固有のIDがそれぞれ付与されている。そして、ECU3と防犯モジュール4が電気的に接続された当初に互いのIDが紐付けられ、以降のエンジン始動毎に互いのIDを照合した上で、IDの一致を条件としてECU3がエンジン始動を実行するようになっている。なお、電気的に接続された当初とは、購入時に防犯モジュール4をオプション選択する場合には、車両1の組立工程でECU3と防犯モジュール4とが接続されて電源投入された時点であり、使用過程で防犯モジュール4を追加装備した場合には、ユーザによりECU3に防犯モジュール4が接続されて電源投入された時点である。
以下、ECU3及び防犯モジュール4の具体的な構成を図1に基づき説明する。
ECU3は、ID認証部6、モード切換部7、始動可否判定部8から構成されている。ID認証部6は、上記のようなECU3側の固有のIDが予め付与されると共に、その自己のIDを防犯モジュール4側のIDと照合する機能を有している。モード切換部7は、上記したオートバイ1の走行機能のみを実行する通常モードと、走行機能に加えて防犯モジュール4側との協調により盗難防止機能を実行する防犯モードとの何れかを選択的に実行する。始動可否判定部8は、防犯モードでのエンジン始動の際にIDの照合結果に基づきエンジン始動の許可または禁止を判定する機能を奏し、許可判定を下した場合に限って車両1に搭載されたエンジン始動装置9を作動させてエンジンを始動する。
ECU3は、ID認証部6、モード切換部7、始動可否判定部8から構成されている。ID認証部6は、上記のようなECU3側の固有のIDが予め付与されると共に、その自己のIDを防犯モジュール4側のIDと照合する機能を有している。モード切換部7は、上記したオートバイ1の走行機能のみを実行する通常モードと、走行機能に加えて防犯モジュール4側との協調により盗難防止機能を実行する防犯モードとの何れかを選択的に実行する。始動可否判定部8は、防犯モードでのエンジン始動の際にIDの照合結果に基づきエンジン始動の許可または禁止を判定する機能を奏し、許可判定を下した場合に限って車両1に搭載されたエンジン始動装置9を作動させてエンジンを始動する。
車両1に防犯モジュール4が装備されていない場合(ECU3に防犯モジュール4が電気的に接続されてない状態)は、ECU3のモード切換部7が通常モード側に切り換えられ、始動可否判定部8が許可側に切り換えられており、この切換状態が維持される。このためECU3は通常モードに基づきオートバイ1の走行機能のみを実行すると共に、エンジン始動時には防犯モジュール4側とのID照合を行うことなく、無条件でエンジン始動装置9を作動させる。これによりオートバイ1は盗難防止機能を備えないものの、通常通りエンジン始動により走行可能となる。
一方、防犯モジュール4は、ID認証部10、傾斜センサ11(車両挙動検出部)及び振動センサ12(車両挙動検出部)を備えた盗難判定部13、GPS受信部14及び3G,4G通信部15(通信部)から構成されている。ID認証部10は、防犯モジュール4側の固有のIDが予め付与されると共に、その自己のIDをECU3側のIDと照合する機能を有している。盗難判定部13は、防犯管理センタ17との連携により車両1の盗難の有無を判定し、盗難発生時に車両1の持ち去りを回避するための盗難抑止処理を実行する。
GPS受信部14は、GPS衛星からの位置情報データを図示しないGPSアンテナにより受信し、その位置情報データに基づき自車の位置(緯度、経度、標高等)を計算・取得して盗難判定部13及び3G,4G通信部15に出力する。
GPS受信部14は、GPS衛星からの位置情報データを図示しないGPSアンテナにより受信し、その位置情報データに基づき自車の位置(緯度、経度、標高等)を計算・取得して盗難判定部13及び3G,4G通信部15に出力する。
3G,4G通信部15は、防犯管理センタ17との間で3G,4G等の携帯電話回線(通信回線)を通じて情報を遣り取りする機能を有する。詳細については後述するが、GPS受信部14により取得された自車位置情報、傾斜センサ11や振動センサ12の検出情報等の防犯管理センタ17への送信処理、及び防犯管理センタ17からの車両盗難の有無の判定結果等の受信処理が3G,4G通信部15により随時実行される。
防犯管理センタ17は、予め登録された多数の車両1の盗難防止のために所定地域に設置された基地局であり、携帯電話回線を通じて車両盗難の有無の判定やユーザへの車両盗難の通知等を行う。
防犯管理センタ17のID登録部18には、各車両1のECU3及び防犯モジュール4のIDが登録されると共に、その車両1のユーザのIDが登録されている(図では単一車両のIDを示す)。また、車両盗難の有無の判定のために防犯管理センタ17には盗難判定部19が備えられており、この盗難判定部19は、各車両1の防犯モジュール4に備えられた盗難判定部13と同様の機能を奏し、後述するように防犯モジュール4側の盗難判定部13に優先して盗難抑止処理を実行する。
防犯管理センタ17のID登録部18には、各車両1のECU3及び防犯モジュール4のIDが登録されると共に、その車両1のユーザのIDが登録されている(図では単一車両のIDを示す)。また、車両盗難の有無の判定のために防犯管理センタ17には盗難判定部19が備えられており、この盗難判定部19は、各車両1の防犯モジュール4に備えられた盗難判定部13と同様の機能を奏し、後述するように防犯モジュール4側の盗難判定部13に優先して盗難抑止処理を実行する。
上記のように防犯管理センタ17のID登録部18には、ECU3、防犯モジュール4、ユーザの各IDが登録されるため、まず、その登録手順を述べる。
車両1の組立工程或いはユーザによる使用過程での追加装備によりECU3側と防犯モジュール4とが電気的に接続されると、ECU3側と防犯モジュール4側のID認証部6,10とが互いにIDを交わし合い、相手側のIDを自己のIDと紐付けてそれぞれ登録する。ID登録の完了後に、ユーザには防犯管理センタ17へのID登録が勧められ、それに応じてユーザは携帯電話を使用して、購入した車両1を特定可能な車両情報(例えば車台番号)及び自己のメールアドレスを防犯管理センタ17に通知する。防犯管理センタ17のID登録部18では、車両情報及びメールアドレスと共にユーザのIDが登録される。このときのユーザのIDは防犯管理センタ17が一方的に決定してもよいし、ユーザが好みのIDを設定してもよい。
車両1の組立工程或いはユーザによる使用過程での追加装備によりECU3側と防犯モジュール4とが電気的に接続されると、ECU3側と防犯モジュール4側のID認証部6,10とが互いにIDを交わし合い、相手側のIDを自己のIDと紐付けてそれぞれ登録する。ID登録の完了後に、ユーザには防犯管理センタ17へのID登録が勧められ、それに応じてユーザは携帯電話を使用して、購入した車両1を特定可能な車両情報(例えば車台番号)及び自己のメールアドレスを防犯管理センタ17に通知する。防犯管理センタ17のID登録部18では、車両情報及びメールアドレスと共にユーザのIDが登録される。このときのユーザのIDは防犯管理センタ17が一方的に決定してもよいし、ユーザが好みのIDを設定してもよい。
ユーザのID登録が完了すると、防犯管理センタ17では車両情報から車両1を特定した上で該当車両1に対してIDの通知要求が送信される。ID通知要求は車両1側の防犯モジュール4の3G,4G通信部15で受信され、ECU3及び防犯モジュール4の各ID認証部6,10に入力される。各ID認証部6,10は自己のIDを3G,4G通信部15を介して防犯管理センタ17に返信し、それらのIDは既に登録されているユーザのIDと紐付けられた状態でID登録部18に登録される。
これにより、車両1に搭載されたECU3及び防犯モジュール4のそれぞれのIDと、その車両1を所有するユーザのIDとの対応関係を、防犯管理センタ17の盗難判定部19が認識可能となり、以降は該当する車両1の盗難等が発生した場合に当該車両1のユーザへのメール通知が可能となる。
以上のようにして防犯管理センタ17でのID登録が完了すると、防犯管理センタ17から該当車両1に対して防犯モード切換指令が送信される。3G,4G通信部15を介して受信された防犯モード切換指令は防犯モジュール4の盗難判定部13に入力されると共に、ECU3のモード切換部7に入力される。
そして、この防犯モード切換指令に基づき盗難判定部13が作動開始すると共に、モード切換部7が通常モードから防犯モードに切り換えられ、始動可否判定部8がIDの照合結果に基づき切り換えられるようになる。よって、車両1は防犯モードに基づく盗難防止機能を奏し、具体的には、盗難判定部13により盗難抑止処理が開始されると共に、エンジン始動時においてIDの照合結果に基づき始動可否判定部8によりECU3または防犯モジュール4の不正交換等と見なされるとエンジン始動が禁止される。
まず、ID照合に基づくエンジン始動の禁止処理について説明する。
防犯モードにおいて、ECU3側のID認証部6は、エンジン始動毎に防犯モジュール4側のID認証部10から入力されるIDを相手側の登録IDと照合し、IDが一致している場合にはID一致情報を始動可否判定部8に出力し、IDが一致していない場合或いは防犯モジュール4側からIDが入力されない場合(以下、これらを全て含めてIDが一致しない場合と表現する)にはID不一致情報を始動可否判定部8に出力する。
防犯モードにおいて、ECU3側のID認証部6は、エンジン始動毎に防犯モジュール4側のID認証部10から入力されるIDを相手側の登録IDと照合し、IDが一致している場合にはID一致情報を始動可否判定部8に出力し、IDが一致していない場合或いは防犯モジュール4側からIDが入力されない場合(以下、これらを全て含めてIDが一致しない場合と表現する)にはID不一致情報を始動可否判定部8に出力する。
同様に、IDの紐付け後には防犯モジュール4側のID認証部10も、エンジン始動毎にECU3側のID認証部6から入力されるIDを相手側の登録IDと照合し、IDが一致している場合にはID一致情報を始動可否判定部8に出力し、IDが不一致の場合にはID不一致情報を始動可否判定部8に出力する。
ここで、上記のようにECU3側及び防犯モジュール4側のID認証部6,10で共にID一致が判定されるためには、それぞれが正規装置であり、且つ車両1に正常に取り付けられて互いに電気配線(後述するK-Line25)で接続されている必要がある。ECU3または防犯モジュール4の何れかが不正交換された場合には、相手側からIDが入力されるものの正規のIDでないためID不一致となり、何れかの装置3,4の取外しや電気配線の切断等の場合には、相手側からIDが入力されないためID照合自体が不可能となる(以下、これらの場合を全て含めて不正交換等と表現する)。
ECU3の始動可否判定部8は、ECU3及び防犯モジュール4の双方のID認証部6,10からID一致情報をそれぞれ入力したことを条件として許可側に切り換えられる。それ以外の場合(何れか一方または両方がID不一致情報の場合)、始動可否判定部8は禁止側に切り換えられ、これによりエンジン始動が禁止される。このような場合には、ECU3と防犯モジュール4の何れかの不正交換等が発生した見なすことができる。よって、エンジン始動が禁止されることで、不正行為者によりオートバイ1が運転されて持ち去られる車両盗難を未然に防止することができる。
次いで、防犯モードで実行される盗難抑止処理について述べる。本実施形態では、車両1側の制御のみならず防犯管理センタ17での判定処理を加えて実行されるため、以下、その詳細を説明する。
まず、車両1側と防犯管理センタ17との間で通信可能な状況では、防犯モジュール4側の盗難判定部13に優先して防犯管理センタ17側の盗難判定部19により盗難抑止処理が実行される。
まず、車両1側と防犯管理センタ17との間で通信可能な状況では、防犯モジュール4側の盗難判定部13に優先して防犯管理センタ17側の盗難判定部19により盗難抑止処理が実行される。
そのために盗難抑止処理に必要な各種情報は定期的に(例えば5分毎に)車両1側から防犯管理センタ17側に送信される。具体的には車両1側の防犯モジュール4では、傾斜センサ11及び振動センサ12の検出情報が盗難防止装置2を介して3G,4G通信部15に入力されると共に、GPS受信部14により取得された自車位置情報が3G,4G通信部15に入力され、それらの情報がECU3及び防犯モジュール4のIDと共に3G,4G通信部15を介して防犯管理センタ17側に送信される。
防犯管理センタ17の盗難判定部19では、受信したIDに基づき該当車両1を特定した上で、センサ検出情報及び自車位置情報に基づき盗難抑止処理が実行される。まず、該当車両1の盗難発生の有無が判定される。例えば、エンジンを停止させて駐車中のオートバイ1がトラック等に積載されて持ち去られる場合、トラックへの積み込み時にオートバイ1の傾斜が変化し、トラックによる運搬中には走行振動がオートバイ1に及ぶ。また、エンジンが停止中であるにも拘わらず、トラックでの運搬により自車位置が変化する。このため傾斜センサ11により傾斜角の変化が検出された場合、振動センサ12により走行振動が検出された場合、或いは自車位置情報に基づき自車位置が変化した場合に、不正なオートバイ1の運搬と見なされる。盗難発生を示唆する何れの兆候もない場合、盗難判定部19は次の車両1側からの情報を受信するまで待機する。
また、盗難発生の何れかの兆候があるときには、盗難判定部19により盗難の可能性有りを示す仮判定が下される。このときには、車両1側から受信したIDに対応するユーザのIDが盗難判定部19によりID登録部18から読み出され、そのユーザのメールアドレスに盗難確認メールが送信される。盗難確認メールを受信したユーザは、該当車両1の運搬等の挙動を認識しているか否か(自己が行ったものか否か)を判断し、認識している場合には対処不要メールを返信する。また、認識してない場合には対処必要メールを返信すると共に、警察への通報等の対処を行う。
盗難判定部19では、対処不要メールの受信時には盗難発生の仮判定を取り消した上で、次の車両1側からの情報受信まで待機する。対処必要メールの受信時には仮判定を盗難確定の意味を有する本判定に切り換え、車両1側に異常報知指令を送信する。異常報知指令は、防犯モジュール4の3G,4G通信部15を介して盗難判定部13に入力され、盗難判定部13によりオートバイ1のクラクション20a及びヘッドライト20bが作動される。これにより周囲に異常が報知されることから、不正行為者の意欲が削がれて盗難抑止につながる。
なお、このような異常報知の処理と並行して、例えばエンジン出力の低下によって盗難車両の車速を制限したり、或いはエンジン停止中には再始動を禁止したりしてもよい。
なお、このような異常報知の処理と並行して、例えばエンジン出力の低下によって盗難車両の車速を制限したり、或いはエンジン停止中には再始動を禁止したりしてもよい。
一方、車両1側と防犯管理センタ17との通信が途絶した状況では、防犯管理センタ17側の盗難判定部19に代えて車両1側の防犯モジュール4の盗難判定部13により盗難抑止処理が実行される。従って、傾斜変化や振動検出或いは自車位置情報に基づき盗難発生と判定されると、盗難判定部13により適宜クラクション20aやヘッドライト20bを用いて周囲への異常報知が行われる。
また、ユーザの目の前で車両1が持ち去られた場合には、ユーザ側から防犯管理センタ17への車両盗難の通知に基づき、盗難判定部19から車両1側に異常報知指令が送信される。よって、この場合も上記と同様に処理が車両1側で実行されて車両盗難の抑止が図られる。
ところで、[考案が解決しようとする課題]で述べたように、特許文献1の技術では防犯モジュール4が故障した場合を想定していないため、故障発生時には正常な盗難抑止処理が望めなくなり車両盗難を防止不能になるという問題がある。そこで、本実施形態の盗難防止装置2では防犯モジュール4の故障発生時に、その事態を車両1のユーザに報知して修理や交換を促すと共に、その報知手法を故障発生箇所に応じて変更する対策を講じており、以下、その詳細について述べる。
図2は防犯モジュール4の各部を故障発生箇所毎に区分して表した概念図であり、図中のマイコン21が図1に基づき説明したID認証部10及び盗難判定部13として機能すると共に、防犯モジュール4の故障を判定してユーザに通知する故障判定・報知部22としても機能する。マイコン21には内蔵バッテリ23(二次電池)が接続されると共に、上記した傾斜センサ11、振動センサ12、GPS受信部14及び3G,4G通信部15が接続されている。
内蔵バッテリ23は防犯モジュール4の自己電源として機能し、車両1の駐車中には、防犯モジュール4による盗難抑止処理の実行のためにマイコン21等に電力を供給する一方、エンジンの運転中には、車載バッテリ24(車両1の灯火類等の電源として機能)を介してオルタネータから供給される発電電力が充電される。
防犯モジュール4はインタフェースとしてのK-Line25(電気配線)を介してECU3と接続され、ECU3には車両1のインストルメントパネルに設けられた3G,4G通信部15の故障表示用の警告灯26(警告手段)が接続されている。
防犯モジュール4はインタフェースとしてのK-Line25(電気配線)を介してECU3と接続され、ECU3には車両1のインストルメントパネルに設けられた3G,4G通信部15の故障表示用の警告灯26(警告手段)が接続されている。
図3は防犯モジュール4のマイコン21の故障判定・報知部22が実行する故障判定・報知ルーチンを示すフローチャートであり、マイコン21は車両1のイグニションスイッチが投入されているときに当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
まずステップS1で、内蔵バッテリ23の容量が予め設定された所定値未満になったか否かを判定する。例えばバッテリ容量は、特開2000−131404号公報や特開2010−78530号公報に記載されているように、バッテリの満充電時の容量とバッテリの内部抵抗とから推定すればよい。ステップS1の判定がYes(肯定)のときには、ステップS2で内蔵バッテリ23の容量低下(以下、バッテリ故障と称する)の判定を下し、ステップS3で3G,4G通信部15を介してバッテリ故障通知を防犯管理センタ17に送信した後、一旦ルーチンを終了する。
まずステップS1で、内蔵バッテリ23の容量が予め設定された所定値未満になったか否かを判定する。例えばバッテリ容量は、特開2000−131404号公報や特開2010−78530号公報に記載されているように、バッテリの満充電時の容量とバッテリの内部抵抗とから推定すればよい。ステップS1の判定がYes(肯定)のときには、ステップS2で内蔵バッテリ23の容量低下(以下、バッテリ故障と称する)の判定を下し、ステップS3で3G,4G通信部15を介してバッテリ故障通知を防犯管理センタ17に送信した後、一旦ルーチンを終了する。
また、ステップS1の判定がNo(否定)のときにはステップS4に移行し、傾斜センサ11または振動センサ12が故障しているか否かを判定する。オートバイ1の走行中には路面勾配に応じて車両1の傾斜が変化し、走行振動が車体に作用する。車両1が走行中であるにも拘わらず、それらの兆候がセンサ11,12の検出情報から認められない場合には、その側のセンサが故障していると見なす。ステップS4の判定がYesのときにはステップS5で傾斜センサ11または振動センサ12の故障判定を下し、ステップS3で3G,4G通信部15を介してセンサ故障通知を防犯管理センタ17に送信する。
また、ステップS4の判定がNoのときにはステップS6に移行し、GPS受信部14が故障しているか否かを判定する。車両1が走行中であるにも拘わらずGPS受信部14で取得された自車位置が変化しない場合には、GPS受信部14が故障していると見なす。ステップS6の判定がYesのときにはステップS7でGPS受信部14の故障判定を下し、ステップS3で3G,4G通信部15を介してGPS故障通知を防犯管理センタ17に送信する。
また、ステップS6の判定がNoのときにはステップS8に移行し、ECU3との間の通信が途絶しているか否かを判定する。ECU3との間で正常な情報の遣り取りができない場合には、K-Line25の断線や短絡(以下、配線故障と称する)と見なす。ステップS8の判定がYesのときにはステップS9で配線の故障判定を下し、ステップS3で3G,4G通信部15を介して配線故障通知を防犯管理センタ17に送信する。
また、ステップS8の判定がNoのときにはステップS10に移行し、3G,4G通信部15が故障しているか否かを判定する。電波状況が良好であるにも拘わらず送受信不能な場合には、3G,4G通信部15が故障していると見なす。ステップS10の判定がYesのときにはステップS11で3G,4G通信部15の故障判定を下し、ステップS12でECU3に対して警告灯26の点灯指令を出力する。また、ステップS10の判定がNoのときには、そのままルーチンを終了する。
防犯モジュール4からのバッテリ故障通知、センサ故障通知、GPS故障通知、配線故障通知は、ECU3及び防犯モジュール4のIDと共に防犯管理センタ17で受信され、IDに基づき特定された車両1のユーザのメールアドレスに故障箇所を示す故障通知メールが送信される。よって、ユーザは故障通知メールに基づき防犯モジュール4の故障発生及び故障箇所を認識し、内蔵バッテリ23やK-Line25の交換、傾斜センサ11や振動センサ12或いはGPS受信部14の修理や交換等の対処を実施する。また、警告灯26の点灯時には、ユーザは3G,4G通信部15の故障発生を認識し、その修理や交換等の対処を実施する。
なお、防犯モジュール4の3G,4G通信部15が故障すると、防犯管理センタ17側でも車両1側への通信不能に基づき3G,4G通信部15の故障発生を認識できる。そこで、上記のような車両1側での警告灯26の点灯による対処と並行して、防犯管理センタ17の判断に基づき車両1のユーザのメールアドレスに故障通知メールを送信するようにしてもよい。
以上のように本実施形態のオートバイ1の盗難防止装置2では、内蔵バッテリ23、傾斜センサ11や振動センサ12、GPS受信部14、K-Line25及び3G,4G通信部15のそれぞれの故障の有無を判定し、故障発生時には車両1のユーザに対して故障を報知している。従って、何れが故障した場合でも、その事態をユーザが迅速且つ確実に認識して修理や交換等の適切な対処を実施でき、防犯モジュール4が故障したまま盗難に無防備な状態で車両1を使用し続ける事態を未然に防止することができる。
特に本実施形態では、内蔵バッテリ23、傾斜センサ11や振動センサ12、GPS受信部14、K-Line25の故障については3G,4G通信部15を利用可能であることから、故障通知を防犯管理センタ17に送信することで、防犯管理センタ17からの故障通知メールによりユーザに対して具体的な故障発生及び故障箇所を報知し、一方、防犯管理センタ17との通信が途絶される3G,4G通信部15の故障については、専用の警告灯26の点灯によってユーザに3G,4G通信部15の故障発生を報知している。このように故障箇所に応じて報知手法を変更しているため、何れの故障の場合でもユーザは故障発生のみならず故障箇所をも認識でき、これにより幅広い故障に対応できると共に、ユーザが判断に迷うことなく故障箇所への適切な対処を実施することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、2輪オートバイ1の盗難防止装置に具体化したが、これに限るものではない。例えば、3輪オートバイや船舶を対象とした盗難防止装置、或いは発電機に用いられる汎用エンジンを搭載するゴルフカートや除雪機等を対象とした盗難防止装置に具体化してもよい。
また上記実施形態では、防犯モジュール4に自車位置情報を取得するためのGPS受信部14を設けたが、このGPS受信部14は必ずしも備える必要はない。よって、傾斜センサ11及び振動センサ12のみの検出情報に基づき車両盗難の有無を判定するようにしてもよい。
また上記実施形態では、防犯モジュール4に自車位置情報を取得するためのGPS受信部14を設けたが、このGPS受信部14は必ずしも備える必要はない。よって、傾斜センサ11及び振動センサ12のみの検出情報に基づき車両盗難の有無を判定するようにしてもよい。
また上記実施形態では、ECU3と防犯モジュール4とをK-Lineを介して接続したが、これに限るものではなく、例えばK-Lineに代えてCAN(Controller Area Network)等を用いてもよい。
また上記実施形態では、防犯モジュール4をオプション扱いとしてECU3に追加装備可能としたが、これに限るものではなく、ECU3と同様に防犯モジュール4も標準装備としてもよい。
また上記実施形態では、防犯モジュール4をオプション扱いとしてECU3に追加装備可能としたが、これに限るものではなく、ECU3と同様に防犯モジュール4も標準装備としてもよい。
1 オートバイ(車両)
3 ECU(エンジン制御手段)
4 防犯モジュール(防犯制御手段)
11 傾斜センサ(車両挙動検出部)
12 振動センサ(車両挙動検出部)
13 盗難判定部
14 GPS受信部
15 3G,4G通信部(通信部)
17 防犯管理センタ
22 故障判定・報知部
23 内蔵バッテリ
25 K-Line(電気配線)
26 警告灯(警告手段)
3 ECU(エンジン制御手段)
4 防犯モジュール(防犯制御手段)
11 傾斜センサ(車両挙動検出部)
12 振動センサ(車両挙動検出部)
13 盗難判定部
14 GPS受信部
15 3G,4G通信部(通信部)
17 防犯管理センタ
22 故障判定・報知部
23 内蔵バッテリ
25 K-Line(電気配線)
26 警告灯(警告手段)
Claims (2)
- 車両に走行用動力源として搭載されたエンジンの制御を実行するエンジン制御手段と、
前記エンジン制御手段に対して電気配線を介して接続され、電源として機能する内蔵バッテリ、前記車両の挙動を検出する車両挙動検出部、外部に設置された防犯管理センタとの間で通信回線を通じて情報を遣り取り可能な通信部、及び前記車両の駐車中において前記車両挙動検出部の検出情報に基づき盗難発生の有無を判定し、盗難発生と判定したときに前記通信部を介して前記防犯管理センタとの間で通信しながら盗難抑止処理を実行する盗難判定部を有する防犯制御手段と、
前記車両に設けられて前記通信部の故障を表示する警告手段と、
前記防犯制御手段の一部として構成され、前記電気配線、前記内蔵バッテリ、前記車両挙動検出部及び前記通信部のそれぞれの故障の有無を判定し、前記電気配線、前記内蔵バッテリ、前記車両挙動検出部の何れかの故障発生時には、前記通信部を介して前記防犯管理センタに前記車両のユーザへの故障の報知を指令し、前記通信部の故障発生時には、前記警告手段を作動させる故障判定・報知手段と
を備えたことを特徴とする車両の盗難防止装置。 - 前記防犯制御手段は、自車位置情報を取得するGPS受信部をさらに有し、該自車位置情報と前記車両の挙動とに基づき盗難発生の有無を判定し、
前記故障判定・報知手段は、前記GPS受信部の故障の有無も判定し、該GPS受信部の故障発生時には、前記通信部を介して前記防犯管理センタに前記故障の報知を指令する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両の盗難防止装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015003705U JP3200242U (ja) | 2015-07-23 | 2015-07-23 | 車両の盗難防止装置 |
CN201620596170.5U CN205854090U (zh) | 2015-06-19 | 2016-06-17 | 车辆的防盗装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015003705U JP3200242U (ja) | 2015-07-23 | 2015-07-23 | 車両の盗難防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3200242U true JP3200242U (ja) | 2015-10-08 |
Family
ID=78226006
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015003705U Expired - Fee Related JP3200242U (ja) | 2015-06-19 | 2015-07-23 | 車両の盗難防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3200242U (ja) |
-
2015
- 2015-07-23 JP JP2015003705U patent/JP3200242U/ja not_active Expired - Fee Related
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