JP3200204B2 - Iii−v族単結晶の製造方法 - Google Patents
Iii−v族単結晶の製造方法Info
- Publication number
- JP3200204B2 JP3200204B2 JP32504492A JP32504492A JP3200204B2 JP 3200204 B2 JP3200204 B2 JP 3200204B2 JP 32504492 A JP32504492 A JP 32504492A JP 32504492 A JP32504492 A JP 32504492A JP 3200204 B2 JP3200204 B2 JP 3200204B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- single crystal
- pulling
- crystal
- melt
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高圧下で液体封止引上
法により、III−V族単結晶を引上げて製造する方法
に係わり、特に、GaP 単結晶の製造に好適する。
法により、III−V族単結晶を引上げて製造する方法
に係わり、特に、GaP 単結晶の製造に好適する。
【0002】
【従来の技術】GaAs,GaPやInP などの高分解化合物半導
体結晶の製造方法の一例として、液体封止引上法(Liqui
d Encapsulation Czocholalski法以下LEC 法と記載す
る) が知られている。
体結晶の製造方法の一例として、液体封止引上法(Liqui
d Encapsulation Czocholalski法以下LEC 法と記載す
る) が知られている。
【0003】このLEC 法は、図1に示すように、周囲に
加熱体1を配置したるつぼサセプタ(Sucepter)2内に原
料収納用るつぼ3を設置し、ここに製造する単結晶用原
料ならびに封止剤B 2 O 3 などを投入する。
加熱体1を配置したるつぼサセプタ(Sucepter)2内に原
料収納用るつぼ3を設置し、ここに製造する単結晶用原
料ならびに封止剤B 2 O 3 などを投入する。
【0004】このるつぼ3は容器4内に配置後、容器4
を加圧した不活性ガスで置換し、加熱源によりるつぼ3
を加熱して原料などを溶融する。次ぎに原料融液5を覆
う液体封止剤6を貫通して種結晶7を回転しながら接触
後、その周りに単結晶8を成長させる。
を加圧した不活性ガスで置換し、加熱源によりるつぼ3
を加熱して原料などを溶融する。次ぎに原料融液5を覆
う液体封止剤6を貫通して種結晶7を回転しながら接触
後、その周りに単結晶8を成長させる。
【0005】種結晶7は上軸シャフト9に、るつぼサセ
プタ2は下軸シャフト10に取付け、シャフト9、10
の回転により種結晶7ならびに原料融液5が回転するこ
とにより単結晶8が成長する。
プタ2は下軸シャフト10に取付け、シャフト9、10
の回転により種結晶7ならびに原料融液5が回転するこ
とにより単結晶8が成長する。
【0006】なお、容器4には、熱シ−ルド11、高圧
容器4に設置する貫通部をシ−ルする高圧シ−ル12な
らびにるつぼ底部に温度測定用熱伝対13を設置する。
容器4に設置する貫通部をシ−ルする高圧シ−ル12な
らびにるつぼ底部に温度測定用熱伝対13を設置する。
【0007】このような構造の設備により単結晶8を引
上げるが従来は、成長結晶の縦方向中央部から最後尾に
かけて多結晶が発生する。この多結晶の生じ易さは、引
上げの界面形状と関係があることが、最近の研究により
判明した。
上げるが従来は、成長結晶の縦方向中央部から最後尾に
かけて多結晶が発生する。この多結晶の生じ易さは、引
上げの界面形状と関係があることが、最近の研究により
判明した。
【0008】ここで、界面形状の典型的な2例を示す
と、一つは”M字型”とでも呼ぶものであり、もう一つ
は、”U字型”である。
と、一つは”M字型”とでも呼ぶものであり、もう一つ
は、”U字型”である。
【0009】前者は、結晶成長時の固液界面を結晶径方
向から見ると図2に示すように中央部aが下凸となり、
その中心から外周部に向かうbはゆるやかに上向きやが
て下向きに転じてそのまま外周部まで達し、LEC 法によ
る結晶成長での典型的な育成界面の形状である。
向から見ると図2に示すように中央部aが下凸となり、
その中心から外周部に向かうbはゆるやかに上向きやが
て下向きに転じてそのまま外周部まで達し、LEC 法によ
る結晶成長での典型的な育成界面の形状である。
【0010】これに対して”U字型”の界面形状が発生
する場合は、結晶成長時の固液界面を結晶の径方向から
見ると、図3に示すように中央部cが凸で、中心から外
周部に向かうにつれて常に緩やかに上向きのままであ
る。
する場合は、結晶成長時の固液界面を結晶の径方向から
見ると、図3に示すように中央部cが凸で、中心から外
周部に向かうにつれて常に緩やかに上向きのままであ
る。
【0011】このような”U字型”方式は、単結晶の直
胴部における多結晶化を制御することを目指して発展し
てきた。
胴部における多結晶化を制御することを目指して発展し
てきた。
【0012】一方、特開平2−120297号公報は、
封止剤B 2 O 3 にIII族またはV族元素の酸化物、珪
酸塩またはりん酸塩の一種または複数種を添加すること
により、封止剤B 2 O 3 を不透明の状態とすることを要
旨とする。
封止剤B 2 O 3 にIII族またはV族元素の酸化物、珪
酸塩またはりん酸塩の一種または複数種を添加すること
により、封止剤B 2 O 3 を不透明の状態とすることを要
旨とする。
【0013】更に、特開平3−197386号公報で
は、原料融液と種結晶の界面を含む封止剤B 2 O 3 中に
リング状の反射板14(図4参照)を設置する方法が採
られている。
は、原料融液と種結晶の界面を含む封止剤B 2 O 3 中に
リング状の反射板14(図4参照)を設置する方法が採
られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明の通り、”
M字型”の固液界面形状により形成する単結晶では、直
胴部後半部分において多結晶化し易いのに対して、”U
字型”の界面形状により形成する単結晶では、直胴部後
半部分おいて多結晶化し難いという知見が得られた。
M字型”の固液界面形状により形成する単結晶では、直
胴部後半部分において多結晶化し易いのに対して、”U
字型”の界面形状により形成する単結晶では、直胴部後
半部分おいて多結晶化し難いという知見が得られた。
【0015】また、GaP 単結晶を封止剤B 2 O 3 を利用
するLEC 法により引上げるに際しては、るつぼ3に所定
量の封止剤B 2 O 3 とGaP 多結晶を設置後容器内に配置
して加熱源の稼働により溶融する。しかし、通常カ−ボ
ン製加熱源を使用するので、GaP の融点付近に到達する
には多少の時間が必要になる。ここで、引上げに適する
温度にるつぼ3を調整後、引上工程に移行するが、容器
に付随する回転機構を稼働するのは勿論である。しか
し、このような封止剤B 2 O 3 だけを使用する際には、
その表面に被膜は形成されないことを付記する。
するLEC 法により引上げるに際しては、るつぼ3に所定
量の封止剤B 2 O 3 とGaP 多結晶を設置後容器内に配置
して加熱源の稼働により溶融する。しかし、通常カ−ボ
ン製加熱源を使用するので、GaP の融点付近に到達する
には多少の時間が必要になる。ここで、引上げに適する
温度にるつぼ3を調整後、引上工程に移行するが、容器
に付随する回転機構を稼働するのは勿論である。しか
し、このような封止剤B 2 O 3 だけを使用する際には、
その表面に被膜は形成されないことを付記する。
【0016】また、前記公開公報により開示された技術
では、界面形状がU字型化しており、単結晶長も伸びる
ので、LEC 法III−V族単結晶長尺化にとって極めて
重要な技術である。しかし、封止剤B 2 O 3 中にリング
状の反射板を設置するには、特別な設備が必要になり、
特別な設備でなく浮力により浮かべる時にはリング状の
反射板が時々刻々と微妙に変化する。
では、界面形状がU字型化しており、単結晶長も伸びる
ので、LEC 法III−V族単結晶長尺化にとって極めて
重要な技術である。しかし、封止剤B 2 O 3 中にリング
状の反射板を設置するには、特別な設備が必要になり、
特別な設備でなく浮力により浮かべる時にはリング状の
反射板が時々刻々と微妙に変化する。
【0017】更に封止剤B 2 O 3 に不純物を添加して不
透明とするには、市販品でなく別に造ることが必要とな
り手間が要りコストアップの基になる。その外には、育
成する単結晶中に封止剤B 2 O 3 中不純物が混入する恐
れがある。
透明とするには、市販品でなく別に造ることが必要とな
り手間が要りコストアップの基になる。その外には、育
成する単結晶中に封止剤B 2 O 3 中不純物が混入する恐
れがある。
【0018】本発明は、このような事情により成された
もので、特に、封止剤B 2 O 3 中にリング状の反射板
と、不透明な封止剤B 2 O 3 と同じ状態を極めて容易な
方法で達成可能な新規なGaP 単結晶の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
もので、特に、封止剤B 2 O 3 中にリング状の反射板
と、不透明な封止剤B 2 O 3 と同じ状態を極めて容易な
方法で達成可能な新規なGaP 単結晶の製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】B 2 O 3 を液体封止剤と
して用い、液体封止チョコラルスキ−法によりV族をP
とする単結晶を製造するに当たり,多結晶原料の溶融
後、るつぼ内のV族がPから成る溶融液の表面がV族がP
から成るIII−V族化合物の融点より最低 25 ℃以
上の温度で 30 分以上保持してから、溶融液温度を適温
に下げて、結晶引上げを行うことに本発明に係わるII
I−V族単結晶の製造方法の特徴がある。更にまた、前
記多結晶原料の溶融後、るつぼ内のV族がP から成るI
II−V族化合物の表面がその融点より最低 50 ℃以上
の温度で 60 分以上保持してから、溶融液温度を適温に
下げて、結晶引上げを行う点にも特徴がある。
して用い、液体封止チョコラルスキ−法によりV族をP
とする単結晶を製造するに当たり,多結晶原料の溶融
後、るつぼ内のV族がPから成る溶融液の表面がV族がP
から成るIII−V族化合物の融点より最低 25 ℃以
上の温度で 30 分以上保持してから、溶融液温度を適温
に下げて、結晶引上げを行うことに本発明に係わるII
I−V族単結晶の製造方法の特徴がある。更にまた、前
記多結晶原料の溶融後、るつぼ内のV族がP から成るI
II−V族化合物の表面がその融点より最低 50 ℃以上
の温度で 60 分以上保持してから、溶融液温度を適温に
下げて、結晶引上げを行う点にも特徴がある。
【0020】
【作用】封止剤B 2 O 3 を用い、LEC 法によりGaP 単結
晶を製造するに当たり、GaP 単結晶の引上げに先行し
て、るつぼに充填したGaP 多結晶原料を溶融する工程を
設ける。GaP 多結晶原料の融点より十分に高い温度に長
時間保持すると封止剤B 2O 3 が不透明になりかつ表面
に透明度の悪い被膜が形成されるとの知見を得た。この
ような封止剤B 2 O 3 の不透明化と、封止剤B 2 O 3 に
不透明な被膜が形成される現象はGaAs単結晶の引上げに
は見られず、V族がP より成るIII−V族化合物固有
な現象と思われる。
晶を製造するに当たり、GaP 単結晶の引上げに先行し
て、るつぼに充填したGaP 多結晶原料を溶融する工程を
設ける。GaP 多結晶原料の融点より十分に高い温度に長
時間保持すると封止剤B 2O 3 が不透明になりかつ表面
に透明度の悪い被膜が形成されるとの知見を得た。この
ような封止剤B 2 O 3 の不透明化と、封止剤B 2 O 3 に
不透明な被膜が形成される現象はGaAs単結晶の引上げに
は見られず、V族がP より成るIII−V族化合物固有
な現象と思われる。
【0021】引上げ工程中の封止剤B 2 O 3 が不透明な
状態であればある程、引上げ工程が終了して室温までの
冷却後に濃い黄褐色をしていることから、不透明化の原
因はP化合物の形成によるものと判断できる。封止剤B
2 O 3 表面に生ずる被膜は、反射板としての役割を果た
し、また、不透明化は、特開平2−120297に開示
した不透明なB 2 O 3 と同様な役割を果たすことが期待
できる。
状態であればある程、引上げ工程が終了して室温までの
冷却後に濃い黄褐色をしていることから、不透明化の原
因はP化合物の形成によるものと判断できる。封止剤B
2 O 3 表面に生ずる被膜は、反射板としての役割を果た
し、また、不透明化は、特開平2−120297に開示
した不透明なB 2 O 3 と同様な役割を果たすことが期待
できる。
【0022】次ぎに実際の引上工程においては、封止剤
B 2 O 3 表面に形成する被膜は、引上げが進行して結晶
の肩部が封止剤B 2 O 3 を抜ける時に付着被膜が一緒に
引上げられる(図4参照)。
B 2 O 3 表面に形成する被膜は、引上げが進行して結晶
の肩部が封止剤B 2 O 3 を抜ける時に付着被膜が一緒に
引上げられる(図4参照)。
【0023】しかし、封止剤B 2 O 3 表面に形成する被
膜は、引上工程中常に存在していない。即ち、封止剤B
2 O 3 表面上の被膜は、結晶の引上げが進行して、その
肩部が溶融封止剤B 2 O 3 表面から抜出る時に、その肩
部に付着した被膜が一緒に引上げられるので、後の引上
工程では、被膜なしの状態(第4図参照)で進行する。
この段階では、るつぼ内に単結晶が形成されているた
めに封止剤B 2 O 3 融液の深さが以前より大きくなって
おり(第4図参照)、固液界面形状の”U字型”効果は
結晶成長初期に較べると大きくなっている。従って溶融
封止剤B 2 O 3表面に不透明な被膜が存在しなくても引
上げる単結晶の固液界面形状は”U字型”化されている
ので多結晶化が抑制できる。
膜は、引上工程中常に存在していない。即ち、封止剤B
2 O 3 表面上の被膜は、結晶の引上げが進行して、その
肩部が溶融封止剤B 2 O 3 表面から抜出る時に、その肩
部に付着した被膜が一緒に引上げられるので、後の引上
工程では、被膜なしの状態(第4図参照)で進行する。
この段階では、るつぼ内に単結晶が形成されているた
めに封止剤B 2 O 3 融液の深さが以前より大きくなって
おり(第4図参照)、固液界面形状の”U字型”効果は
結晶成長初期に較べると大きくなっている。従って溶融
封止剤B 2 O 3表面に不透明な被膜が存在しなくても引
上げる単結晶の固液界面形状は”U字型”化されている
ので多結晶化が抑制できる。
【0024】また、GaP 多結晶原料の溶融後、GaP の融
点より十分高い温度で長時間保持することにより、封止
剤B 2 O 3 表面に不透明な被膜を十分に形成させると共
に封止剤B 2 O 3 融液を一層不透明化することができ
る。これにより引上げ単結晶の固液界面の形状を”U字
型”化して、直胴部途中での多結晶化不良を大幅に減ら
すことができる。
点より十分高い温度で長時間保持することにより、封止
剤B 2 O 3 表面に不透明な被膜を十分に形成させると共
に封止剤B 2 O 3 融液を一層不透明化することができ
る。これにより引上げ単結晶の固液界面の形状を”U字
型”化して、直胴部途中での多結晶化不良を大幅に減ら
すことができる。
【0025】
【実施例】本発明に係わる実施例を図面を参照して説明
する。本実施例は、(100) 方位のGaP 単結晶の製造であ
り、図1に示した単結晶引上装置を利用して行われる。
する。本実施例は、(100) 方位のGaP 単結晶の製造であ
り、図1に示した単結晶引上装置を利用して行われる。
【0026】4″Φの石英るつぼ3に多結晶GaP 1kg
と、液体封止剤として機能する B2O 3 240grをチ
ャ−ジして、直胴部の平均直径が56mmΦとなるよう
にした。また引上工程は各条件(後述する)で3回ずつ
行った。引上げ中の温度制御は、るつぼ底部に取付けた
熱伝対13をモニタ−として利用し、加熱源1パワ−の
増減によるるつぼ底部の温度変化は、GaP 融液や B2 O
3 の温度変化にほぼ対応する。
と、液体封止剤として機能する B2O 3 240grをチ
ャ−ジして、直胴部の平均直径が56mmΦとなるよう
にした。また引上工程は各条件(後述する)で3回ずつ
行った。引上げ中の温度制御は、るつぼ底部に取付けた
熱伝対13をモニタ−として利用し、加熱源1パワ−の
増減によるるつぼ底部の温度変化は、GaP 融液や B2 O
3 の温度変化にほぼ対応する。
【0027】実験は、以下の5条件により行った。
【0028】1.多結晶 GaPの溶融完了後、るつぼ底部
の温度を引上工程時の適温( GaP融液表面の中央部分
は、 GaP融点に近い値になっている)より25℃程度高
い温度に上げてから徐々に温度を下げながら引上げ用適
温を探って引上工程を行う。
の温度を引上工程時の適温( GaP融液表面の中央部分
は、 GaP融点に近い値になっている)より25℃程度高
い温度に上げてから徐々に温度を下げながら引上げ用適
温を探って引上工程を行う。
【0029】2.多結晶 GaPの溶融完了後、るつぼ底部
の温度を引上用適温より25℃程度高い温度で30分間
保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探って
引上工程を行う。
の温度を引上用適温より25℃程度高い温度で30分間
保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探って
引上工程を行う。
【0030】3.多結晶 GaPの溶融完了後、るつぼ底部
の温度を引上げの適温より50℃程度高い温度で30分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。
の温度を引上げの適温より50℃程度高い温度で30分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。
【0031】4.多結晶 GaPの溶融完了後、るつぼ底部
の温度を引上げの適温より50℃程度高い温度で60分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。
の温度を引上げの適温より50℃程度高い温度で60分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。
【0032】5.多結晶 GaPの溶融完了後、るつぼ底部
の温度を引上げの適温より75℃程度高い温度で60分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。なお封止剤 B2 O 3 をチャ−ジする
のは勿論である。
の温度を引上げの適温より75℃程度高い温度で60分
間保持後、徐々に温度を下げながら引上げ用適温を探っ
て引上工程を行う。なお封止剤 B2 O 3 をチャ−ジする
のは勿論である。
【0033】上記条件の中1は従来例であり、2〜5は
多結晶 GaPの溶融完了後高温長時間保持プロセスが入っ
ており、2〜5と進むにつれてより高温でより長時間の
工程になる。各工程の高温・長時間保持後の封止剤 B2
O 3 には、表面に不透明な被膜がまた B2 O 3 融液に濁
り生じていることを確認しかつ、番号が増えるに従って
その程度が増す事実が確認できた。図5には、液状封止
剤 B2 O 3 6の表面に不透明な被膜15(図に点線で表
示)が形成した状態を示しており、また引上げる単結晶
8の肩が液状封止剤6からでていない例である。これに
対して図6は逆に単結晶8の肩が液状封止剤6からでて
おり、不透明な被膜15は、単結晶8の肩に付着して液
状封止剤 B2 O 3 6の表面から除去されて図5のように
液状封止剤6表面に形成されない。次ぎに結果を明らか
にする。先ず単結晶の固液界面について述べると、形成
するM字型の程度を表す量を導入しておく。固液界面
は、図5に示すように基本型としてM字型をしており、
これは固液界面形状が中心から外周方向即ち径方向に見
るとゆるやかに上向きの状態が続いてから下向きに反転
する。
多結晶 GaPの溶融完了後高温長時間保持プロセスが入っ
ており、2〜5と進むにつれてより高温でより長時間の
工程になる。各工程の高温・長時間保持後の封止剤 B2
O 3 には、表面に不透明な被膜がまた B2 O 3 融液に濁
り生じていることを確認しかつ、番号が増えるに従って
その程度が増す事実が確認できた。図5には、液状封止
剤 B2 O 3 6の表面に不透明な被膜15(図に点線で表
示)が形成した状態を示しており、また引上げる単結晶
8の肩が液状封止剤6からでていない例である。これに
対して図6は逆に単結晶8の肩が液状封止剤6からでて
おり、不透明な被膜15は、単結晶8の肩に付着して液
状封止剤 B2 O 3 6の表面から除去されて図5のように
液状封止剤6表面に形成されない。次ぎに結果を明らか
にする。先ず単結晶の固液界面について述べると、形成
するM字型の程度を表す量を導入しておく。固液界面
は、図5に示すように基本型としてM字型をしており、
これは固液界面形状が中心から外周方向即ち径方向に見
るとゆるやかに上向きの状態が続いてから下向きに反転
する。
【0034】この反転部と結晶外周部との距離を、M字
型の程度を表す量としてM型度と名付ける。図7には、
前記条件で引上げた結晶M型度を縦軸に、固化率を横軸
に採り両者の関係を各条件毎に示した。結晶M型度の程
度は、条件1>条件2>条件3>条件4>条件5となる
ことが明らかにされている。従って多結晶原料溶融後の
高温・長時間保持のプロセスは、高温であればある程ま
た長時間であればある程固液界面形状の結晶M型度を抑
制して”U字型”に近ずける効果がある。
型の程度を表す量としてM型度と名付ける。図7には、
前記条件で引上げた結晶M型度を縦軸に、固化率を横軸
に採り両者の関係を各条件毎に示した。結晶M型度の程
度は、条件1>条件2>条件3>条件4>条件5となる
ことが明らかにされている。従って多結晶原料溶融後の
高温・長時間保持のプロセスは、高温であればある程ま
た長時間であればある程固液界面形状の結晶M型度を抑
制して”U字型”に近ずける効果がある。
【0035】次ぎに各条件で引上げた単結晶のシングル
率を図8に示す。この数値は、各条件で3回ずつ行った
値の平均値をプロットしており、シングル率は条件1>
条件2>条件3>条件4>条件5となる。即ち、結晶M
型度の減少と共にシングル率が向上し、条件4、5では
夫々3本の結晶すべてが全部単結晶であった。
率を図8に示す。この数値は、各条件で3回ずつ行った
値の平均値をプロットしており、シングル率は条件1>
条件2>条件3>条件4>条件5となる。即ち、結晶M
型度の減少と共にシングル率が向上し、条件4、5では
夫々3本の結晶すべてが全部単結晶であった。
【0036】各条件の各3回のシングル率を表1にまと
めて記載する。
めて記載する。
【0037】
【表1】 以上のように多結晶原料 GaP溶融後の融液の高温・長時
間保持により固液界面形状の結晶M字型を緩和すること
ができる上に、容易にシングル率を向上することが判明
した。本実施例は、 GaPについて説明したが、V族がP
であるIII−V族化合物例えばInP に対しても、本発
明の製造方法は十分有効であると思われる。
間保持により固液界面形状の結晶M字型を緩和すること
ができる上に、容易にシングル率を向上することが判明
した。本実施例は、 GaPについて説明したが、V族がP
であるIII−V族化合物例えばInP に対しても、本発
明の製造方法は十分有効であると思われる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、 B2 O 3 を液体封止剤として
用いて、多結晶原料の溶融後に原料溶融液を融点より高
温で一定時間保持するだけで、LEC 法によるV族がPで
あるIII−V族化合物単結晶のシングル率を、製造装
置の改良なしで大幅に上げることができる。このように
本発明は、従来の引上げプロセスをわずかに改良するだ
けでシングル率を、大幅に上げることができその効果は
絶大である。
用いて、多結晶原料の溶融後に原料溶融液を融点より高
温で一定時間保持するだけで、LEC 法によるV族がPで
あるIII−V族化合物単結晶のシングル率を、製造装
置の改良なしで大幅に上げることができる。このように
本発明は、従来の引上げプロセスをわずかに改良するだ
けでシングル率を、大幅に上げることができその効果は
絶大である。
【図1】本発明方法に適用する単結晶引上装置の概略を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】LEC 法単結晶の典型的な固液界面形状を示す図
である。
である。
【図3】LEC 法単結晶の典型的な他の固液界面形状を示
す図である。
す図である。
【図4】B2 O 3 に反射板を設置した図である。
【図5】引上げた単結晶の肩が B2 O 3 外にでていない
時に不透明被膜が形成する状態を示す図である。
時に不透明被膜が形成する状態を示す図である。
【図6】引上げた単結晶の肩が B2 O 3 外にでている時
に不透明被膜が形成する状態を示す図である。
に不透明被膜が形成する状態を示す図である。
【図7】M型度と固化率の関係を示す図である。
【図8】条件におけるシングル率を示す図である。
1:加熱源、 2、るつぼサセプタ、 3、るつぼ、 4:容器、 5:溶融液、 6:封止剤 B2 O 3 、 7:種結晶、 8:単結晶、 9:上軸シャフト、 10:下軸シャフト、 11:熱シ−ルド、 12:シ−ル、 13:熱伝対、 14:反射板、 15:不透明膜。
Claims (2)
- 【請求項1】 B 2 O 3 を液体封止剤として用い、液体
封止チョコラルスキ−法によりV族をP とする単結晶を
製造するに当たり,多結晶原料の溶融後、るつぼ内のV
族がP から成る溶融液の表面がV族がP から成るIII
−V族化合物の融点より最低 25 ℃以上の温度で 30 分
以上保持してから、溶融液温度を適温に下げて、結晶引
上げを行うことを特徴とするIII−V族単結晶の製造
方法 - 【請求項2】 前記多結晶原料の溶融後、るつぼ内のV
族がP から成るIII−V族化合物融液の表面がその融
点より最低 50 ℃以上の温度で 60 分以上保持してか
ら、溶融液温度を適温に下げて、結晶引上げを行うこと
を特徴とするIII−V族単結晶の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32504492A JP3200204B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | Iii−v族単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32504492A JP3200204B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | Iii−v族単結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172086A JPH06172086A (ja) | 1994-06-21 |
JP3200204B2 true JP3200204B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=18172529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32504492A Expired - Fee Related JP3200204B2 (ja) | 1992-12-04 | 1992-12-04 | Iii−v族単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3200204B2 (ja) |
-
1992
- 1992-12-04 JP JP32504492A patent/JP3200204B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06172086A (ja) | 1994-06-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4652332A (en) | Method of synthesizing and growing copper-indium-diselenide (CuInSe2) crystals | |
EP0751242B1 (en) | Process for bulk crystal growth | |
US5895527A (en) | Single crystal pulling apparatus | |
JP3200204B2 (ja) | Iii−v族単結晶の製造方法 | |
EP0355833B1 (en) | Method of producing compound semiconductor single crystal | |
US5840115A (en) | Single crystal growth method | |
JP2734820B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JP3945073B2 (ja) | 単結晶製造方法 | |
JPS6389497A (ja) | 珪素添加ガリウム砒素単結晶の製造方法 | |
JPH06239686A (ja) | 化合物半導体結晶成長用縦型容器 | |
JPS6385100A (ja) | 珪素添加砒化ガリウム単結晶の製造方法 | |
JPS59131597A (ja) | 高品質ガリウム砒素単結晶の製造方法 | |
JP3132034B2 (ja) | 化合物半導体結晶の育成方法 | |
JPH02217393A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPH0465387A (ja) | 単結晶の育成方法 | |
JPH08104591A (ja) | 単結晶成長装置 | |
JPH0465388A (ja) | 単結晶の育成方法 | |
JPS58151398A (ja) | 3−5族化合物半導体単結晶の引上方法 | |
JPH05163094A (ja) | 化合物半導体結晶の製造方法 | |
JPS63260891A (ja) | シリコン単結晶の製造方法 | |
JPS6018637B2 (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPS63176397A (ja) | 3−5族化合物半導体単結晶の製造方法 | |
JPH02102196A (ja) | 単結晶の引上げ方法 | |
JPS62197397A (ja) | 単結晶の製造法 | |
JPH01290587A (ja) | 化合物半導体単結晶の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |