JP3199794B2 - 内燃機関の暖間始動方法及び装置 - Google Patents
内燃機関の暖間始動方法及び装置Info
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Description
始動を行うべきかどうかを決定する内燃機関の暖間始動
方法及び装置に関するものである。
の燃料供給装置における気泡がある。従って燃料調量装
置は内燃機関へ本来望ましい燃料だけでなく、ガスも供
給する。ガスが存在することによって減少される燃料量
をできるだけ多くするために、暖間始動においては、燃
料調量装置は内燃機関へ供給される燃料量を多くするよ
うに駆動される。他の始動、従って燃料供給装置に気泡
があることを前提としない始動は、以下においてはまと
めて冷間始動と称する。しかし、実際には冷間始動の場
合でも広い範囲の変形が可能であって、特に冷間始動は
エンジン温度に従って変化される。
の表現に用いることが多い。それは点火をオンにした時
点からスターターを駆動する時点までの期間と考えるこ
とができる。
うかを決定する従来知られている方法では、始動前にエ
ンジン温度が測定される。この温度がエンジンしきい温
度より低い場合には、冷間始動が行われ、そうでない場
合には暖間始動が行われる。この方法は、燃料供給装置
の蒸気の気泡は、エンジンがエンジン温度に関係した所
定の最低熱量を貯えたときにしか形成できないことに基
づいている。通常、しきい温度は約96〜97℃であ
る。まず全負荷のもとで約90℃で駆動されていたエン
ジンが遮断されると、2、3分以内で上述のしきい温度
を越え、そのすぐ後には温度は通常約110℃に達す
る。それに対して燃料供給装置のエンジンブロックに取
り付けられている部分の時間特性は、著しく長く、温度
はまずそれよりは低い。通常温度最大値が約90〜11
5℃であると、時定数の値は約10〜30分である。し
かしこの値は具体的には燃料供給装置がエンジンブロッ
クにどのように取り付けられているかによって著しく異
なる。
れていたエンジンが遮断され、2、3分後に再始動され
ると、すでに説明したように、暖間始動を行うべきかど
うかを判断するしきい温度を越える。それに従って燃料
供給装置は燃料を増大させるように駆動され、燃料の代
わりに供給される気泡に対する補償を行う。しかし上述
の例においては、実際には多くの燃料がエンジンに供給
される。というのは燃料供給装置は上述の短い期間内に
はわずかしか温まらず、気泡は形成されず、あるいはわ
ずかな体積の気泡しか形成されないからである。しかし
エンジンに余り多くの燃料が供給されると、場合によっ
てはエンジンはまったく始動せず、あるいは急速に止ま
ってしまう。
部分的に避けるために、暖間始動時付加的に行われる燃
料供給装置の駆動を吸気系内の空気温度に関係させるよ
うにすることが知られている。この空気温度もエンジン
を遮断した後に上昇し、特にエンジン温度の上昇の時定
数よりも長く燃料供給装置の温度上昇の時定数よりも長
いことが多い時定数で上昇する。暖間始動の条件は満た
されているが、吸気温度がまだかなり低いことが検出さ
れた場合には、エンジンが止まっていたのはわずかな時
間だけであって、従ってわずかな気泡しか形成できなか
ったと考えられる。従って吸入空気温度が高くそれによ
ってエンジンの静止が長かったことが示される場合とは
異なり、燃料供給装置はわずかしか駆動されない。
関係させる上述の方法を用いる場合にも、内燃機関を始
動させる際にまだ問題が生じる。
し、暖間始動が必要であることを確実に判断できるよう
にすることである。
決するために、内燃機関において暖間始動を行うべきか
どうかを決定する内燃機関の暖間始動方法において、始
動前に始動吸気温度(TA)、すなわち内燃機関の電源
をいれたときの吸気系の空気温度を測定し、始動吸気温
度(TA)を吸気しきい温度(SW_TA)と比較し
(s2)、始動エンジン温度(TM)を測定し、始動エ
ンジン温度(TM)をエンジンしきい温度(SW_T
M)と比較し(s4)、内燃機関を遮断する際に遮断吸
気温度(TA_ALT)を検出し、始動吸気温度と遮断
吸気温度の差(TDIFF)を計算し(s1)、始動吸
気温度が吸気しきい温度を越え、始動エンジン温度がエ
ンジンしきい温度を超え、かつ始動吸気温度と遮断吸気
温度の差が差のしきい値より大きくなったときに(s
5)、暖間始動を起動させる構成を採用した。
な点はエンジン温度が燃料供給装置の温度より著しく急
速に上昇しかつ下降することと関係がある、という認識
に立脚している。すなわち、エンジン温度が予め90℃
からほぼ110℃まで上昇した後に、例えば内燃機関を
遮断した15分後にはエンジン温度は例えば97℃のし
きい温度より低くなることがある。このような場合に、
まだしきい温度を越えている場合には、燃料供給装置は
冷間始動の場合よりもずっとながく駆動されることにな
る。というのはその期間の吸気温度は比較的高い値を示
すからである。しかしエンジンしきい温度をすこしでも
下回ると、誤って冷間始動が行われる。
動を行うべきであるということを検出する。というのは
吸気温度がまだ高い値にあるからである。エンジン温度
の代わりに吸気温度をしきい値と比較して、暖間始動を
行うべきかどうかを決定することの利点は、吸気温度の
時間的特性は、エンジン温度の時間的特性にくらべてず
っとよく燃料供給装置の時間的特性と一致することであ
る。暖間始動を行うべきであると決定された場合には、
燃料供給装置の実際の駆動は、従来技術の場合と同様
に、従って好ましくは吸気温度を考慮して行われる。
場合には、暖間始動が起動されることが示された。上述
の本発明の基本的な実施例においては、この起動は、実
際に暖間始動を行うことと同一視される。しかし特に好
ましくは、上述の条件と他の条件が組み合わせられる。
その場合には、上述のステップで行われる起動が他の条
件によって再び取り消されるので、起動にも拘らず、暖
間始動は行われない。
動エンジン温度とエンジンしきい値との比較との組合せ
である。しかしその場合にはエンジンしきい温度は従来
よりも著しく低く選択することができ、例えば90℃以
下に選択される。エンジン温度がこの低いしきい温度よ
り下にある場合には、基本的には、エンジンの熱量が燃
料供給装置を加熱して気泡を形成させるにはまだ充分で
ないと見ることができる。その場合には、始動吸気温度
と吸気しきい温度との比較によって暖間始動の起動が示
されている場合でも、暖間始動は行われない。
る。特にエンジンが予め少しの時間全負荷で駆動されて
いる場合にはアイドリング時においてもこのしきい温度
を越えることがわかっている。このような場合、暖間始
動は必要でないことが多いことが明らかにされている。
というのは吸気温度を吸気しきい温度以上にするために
必要とされた期間内に、エンジンが大幅に冷却されて、
それにより燃料供給装置を加熱してそこに気泡を形成さ
せるのに充分な熱量を供給できないからである。その場
合にはエンジンが遮断された後に、吸気温度がさらに上
昇することはない。従って好ましくは内燃機関が遮断さ
れた時に遮断吸気温度が検出され、始動前に遮断吸気温
度と始動吸気温度の差が計算され、その差が差のしきい
値以下である場合には、暖間始動は行われない。
は吸気しきい温度は周囲温度に従って補正される。補正
を行うべきか、行う場合にはどの程度かを決定する基準
として、基準温度、例えば15℃を用いることができ
る。周囲温度が例えば+/−10℃の範囲にある場合に
は、補正は行われない。それより低い温度あるいは高い
温度の場合には、試験台で定められる量吸気しきい温度
の変更が行われる。
センサは用いられない。この種のセンサをさらに用意す
ることは、コスト的には認められないことである。そも
そも付加的なセンサを使用しようとする場合には、この
種のセンサを燃料供給装置に取り付けることが好まし
く、それによってこの装置の温度から燃料内に気泡が形
成されていることを直接判断できなければならない。上
述した理由から、多くの内燃機関の制御に他の温度セン
サを付けることは認められないので、本発明の好ましい
実施例によれば、内燃機関の駆動時の最も低い吸気温度
が検出される。この温度が周囲温度を表す良好な値とな
っていると仮定される。周囲温度が一日が経過するうち
に比較的大きく変動した場合でも、最低温度はまだエン
ジンが駆動される間の温度範囲の良好な値となってい
る。吸気しきい温度を変更すべきかどうか、もしそうで
あればどちらの方向に変更すべきかを決定するには、こ
の温度範囲を評価すれば充分である。
めに、内燃機関において暖間始動を行うべきかどうかを
決定する内燃機関の暖間始動装置において、始動吸気温
度、すなわち内燃機関の電源を入れたときの吸気系の空
気温度を測定する温度センサ(12)と、始動エンジン
温度(TM)を測定する手段と、 始動吸気温度(TA)
を吸気しきい温度(SW_TA)と比較する手段(s
2、13)と、始動エンジン温度(TM)をエンジンし
きい温度(SW_TM)と比較する手段(s4、13)
と、内燃機関を遮断する際に遮断吸気温度(TA_AL
T)を検出する手段と、始動吸気温度と遮断吸気温度の
差(TDIFF)を計算する手段(s1)とを備え、始
動吸気温度が吸気しきい温度を越え、始動エンジン温度
がエンジンしきい温度を超え、かつ始動吸気温度と遮断
吸気温度の差が差のしきい値より大きくなったときに
(s5)、暖間始動を起動させる構成も採用している。
細に説明する。
されることによって開始される。それからステップs1
からs6を通過し、通過後に内燃機関が回転する。これ
らのステップについては以下で詳細に説明する。
の空気温度、すなわち吸気温度が継続的に測定される。
ステップs7において最低の吸気温度TA_MINが検
出される。これはそのとき測定された吸気温度を内燃機
関の始動以来検出された最も低い吸気温度と比較するこ
とによって行われる。新しく測定された吸気温度が記憶
されている最低温度より低い場合には、新しい吸気温度
がT_MINとして格納される。そうでない場合は、既
に格納されている値が保持される。この工程は繰り返
し、すなわちステップs8において点火のオフが検出さ
れるまで行われる。
検出されるとすぐに、ステップs9において最後に測定
された吸気温度の値が値TA_ALTとして格納され
る。それぞれ測定された吸気温度がそのまま以後の処理
のために格納される場合には、点火がオフにされた後に
格納された値が保持されるように考慮するだけで充分で
ある。このことがステップs9において、同様に値TA
_MINが保持されているようにする。その後処理は終
了される。
MINは第1のステップs1で点火がオンにされた後に
メモリから読み出される。さらにステップs1において
は、エンジン温度TMとその時の吸気温度TAが測定さ
れる。値TAとTA_ALTから後の処理ステップで必
要になる差値TDIFF=TA−TA_ALTが形成さ
れる。さらに吸気温度のしきい値SW_TAが最低吸気
温度TA_MINと基準温度TA_Bとの偏差に従って
補正される。
度SW_TAは40℃であって、基準温度TA_Bは1
5℃である。TA_MINが5℃から25℃の範囲にあ
る場合、従って基準温度の+/−10℃の範囲で移動す
る場合には、吸気しきい温度は変更されない。その上及
びその下においては、吸気しきい温度はTA_MINが
5℃変化する毎にそれぞれ1℃高くないしは低くされ
る。それぞれの内燃機関の最適な値は、試験台で暖間始
動が実際に最適なように行われるように決定される。
出され、測定されあるいは計算されるとすぐに、ステッ
プs2において吸気温度TAが上述の吸気しきい温度S
W_TAと比較される。吸気温度が吸気しきい温度を越
えない場合には、ステップs3において冷間始動が行わ
れ、その後機関が回転し、すでに説明したステップs7
からs9が続く。吸気温度が吸気しきい温度より低いと
いう状態は、内燃機関がちょっと前に初めてオンにされ
たか、あるいはかなりの時間前にオフにされていて、吸
気温度が最初は高くなっていたがその後吸気しきい温度
より低くなったことを示している。その場合には燃料供
給装置も冷却されていて、場合によってその間に形成さ
れた気泡は液化して燃料に戻っていると考えられる。
い温度を越えていることが検出された場合には、ステッ
プs4においてエンジン温度TMもそれに関連するしき
い値、すなわちエンジン温度しきい値SW_TMを越え
ているかどうかが判断される。越えていない場合には、
ステップs3において冷間始動が行われる。エンジンし
きい温度はさらに吸気温度を調べているので低く選ぶこ
とができ、それにより暖間始動が頻繁に行なわれるとい
う危険は発生することはない。本実施例においては、し
きいエンジン温度は89℃である。この温度を越えない
場合には、内燃機関に蓄積されている熱量が少ないの
で、燃料供給装置内で気泡を形成するほど全体構成を暖
めることができないと考えることができる。従ってこの
場合には冷間始動が行われる。
の条件も満たされた場合には、ステップs5において上
述の差TDIFFが差のしきい値SW_TDIFFを越
えたかどうかが判断される。越えていない場合には、ス
テップs3において冷間始動が行われ、そうでない場合
にはステップs6において暖間始動が行われる。その場
合に暖間始動は通常のように吸気温度に従って行われる
が、このことは本発明に関しては重要ではない。という
のは吸気温度は、そもそも暖間始動を行うべきかどうか
を決定する条件であるからである。
であって、すなわちステップs5において点火をオンに
した時に測定された吸気温度TAが、最後に点火をオフ
にした際に測定された吸気温度TA_ALTより少なく
とも5℃は高いかどうかが判断される。この条件がない
場合には全負荷後のアイドリングからごく僅かオフにさ
れた場合にも暖間始動へ進むことになる。全負荷後のア
イドリングの場合には、エンジンは幾分冷却されるが、
吸気温度は顕著に上昇するので、吸気しきい温度SW_
TAを越えることは明瞭である。その場合にはオフにし
た瞬間にすでに条件s2とs4が満たされることがあ
り、あるいはいずれにしてもオフの後短い時間内に満た
される。その場合にステップs5の条件が暖間始動を阻
止する。
になってから吸気温度がまだ少なくとも5℃上昇してい
ない場合には、臨界量燃料を蒸発させるのに充分な熱が
まだ燃料供給装置に供給されていない確率が大きいこと
である。この条件は、点火をオフにしてからの時間が短
すぎて、TDIFFだけ温度上昇をもたらすことができ
ない場合、あるいはエンジンの熱容量がこれだけ上昇さ
せるのにもはや充分でない場合に満たされる。
及びs5を通過することによって、暖間始動を行うべき
かどうかが判断される。これらは直列に結合されている
ので、ステップs2、s4及びs5の順序は任意であ
る。
ている温度センサにより吸気系の空気温度を測定する代
わりに、燃料供給装置の温度を良好に測定すべきである
が、そのためには特別な温度センサが必要となる。温度
測定素子を吸気系の、温度定数が燃料供給装置の温度定
数にできるだけ良好に適合する箇所に取り付けると効果
的である。
の吸気系11に温度センサ12が配置されている。この
温度センサから出力信号が制御装置14の比較器13へ
供給される。比較器は測定された温度をしきい温度と比
較して、比較信号をシーケンス制御装置15へ供給す
る。シーケンス制御装置は本実施例においては図1に示
す流れを実施して、エンジン10の始動の際に噴射弁装
置16を通常の噴射時間で、あるいは暖間始動の場合に
は延長された噴射時間で駆動する。
によれば、燃料に気泡が形成されるような温度条件のと
きには、暖間始動が確実に開始され、一方、始動吸気温
度と遮断吸気温度の差が差のしきい値以下のときのよう
に気泡を形成させるのに充分な熱が燃料供給装置に供給
されないようなときは、始動吸気温度が吸気しきい温度
を越え、始動エンジン温度がエンジンしきい温度を超え
ても、暖間始動が行なわれないので、不必要に暖間始動
が行なわれるのを防止することができる。
かを決定するために、種々の条件、特に始動吸気温度と
吸気しきい温度を比較する方法を説明するフローチャー
ト図である。
を決定する装置を示す概略的なブロック図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 内燃機関において暖間始動を行うべきか
どうかを決定する内燃機関の暖間始動方法において、 始動前に始動吸気温度(TA)、すなわち内燃機関の電
源をいれたときの吸気系の空気温度を測定し、 始動吸気温度(TA)を吸気しきい温度(SW_TA)
と比較し(s2)、始動エンジン温度(TM)を測定し 、始動エンジン温度(TM)をエンジンしきい温度(SW
_TM)と比較し(s4)、 内燃機関を遮断する際に遮断吸気温度(TA_ALT)
を検出し 、始動吸気温度と遮断吸気温度の差(TDIFF)を計算
し(s1) 、始動吸気温度が吸気しきい温度を越え、始動エンジン温
度がエンジンしきい温度を超え、かつ始動吸気温度と遮
断吸気温度の差が差のしきい値より大きくなったときに
(s5)、暖間始動を起動させる ことを特徴とする内燃
機関の暖間始動方法。 - 【請求項2】 内燃機関が駆動されている時に最低吸気
温度(TA_MIN)を検出し、最低吸気温度が、吸気しきい温度の補正を行なうかどう
かの基準となる基準温度より所定の温度だけ大きくなっ
たとき、前記吸気しきい温度を増大させる ことを特徴と
する請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 内燃機関において暖間始動を行うべきか
どうかを決定する内燃機関の暖間始動装置において、 始動吸気温度、すなわち内燃機関の電源を入れたときの
吸気系の空気温度を測定する温度センサ(12)と、始動エンジン温度(TM)を測定する手段と 、始動吸気温度(TA)を吸気しきい温度(SW_TA)
と比較する手段(s2、13)と、 始動エンジン温度(TM)をエンジンしきい温度(SW
_TM)と比較する手段(s4、13)と 、内燃機関を遮断する際に遮断吸気温度(TA_ALT)
を検出する手段と 、始動吸気温度と遮断吸気温度の差(TDIFF)を計算
する手段(s1)とを備え 、始動吸気温度が吸気しきい温度を越え、始動エンジン温
度がエンジンしきい温度を超え、かつ始動吸気温度と遮
断吸気温度の差が差のしきい値より大きくなったときに
(s5)、暖間始動を起動させる ことを特徴とする内燃
機関の暖間始動装置。
Applications Claiming Priority (2)
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