JP3199530B2 - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP3199530B2
JP3199530B2 JP21857693A JP21857693A JP3199530B2 JP 3199530 B2 JP3199530 B2 JP 3199530B2 JP 21857693 A JP21857693 A JP 21857693A JP 21857693 A JP21857693 A JP 21857693A JP 3199530 B2 JP3199530 B2 JP 3199530B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録媒体に記録を行う記
録装置に関し、特にインクジェット記録方式に好適に利
用し得る記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】今日、情報の出力装置としての記録装置
は種々開発されているが、その中でもインクジェット記
録方式は装置の小型化が容易であり、且つ記録速度の高
速化及び低騒音化が可能であることから広く使用されて
いる。
【0003】従来、インクジェット記録方式を用いた記
録装置においては、図9に示すように、記録位置におけ
る記録ヘッド51のインク吐出面と記録媒体52の記録面と
の距離を精度良く保つために、記録位置よりも記録媒体
搬送方向下流側にある排出ローラ対53a,53bの搬送速
度を、記録媒体搬送方向上流側にある搬送ローラ対54
a,54bの搬送速度よりも若干速く設定して、記録位置
において記録媒体52に適度なテンションを付与した状態
で搬送することにより、記録位置での記録媒体52の浮き
を防止するようにしている。
【0004】また、記録媒体52の先端が排出ローラにニ
ップされる前の状態において、記録媒体52の浮きを防止
するために、押さえ板55を設けている。この押さえ板55
は、記録動作に応じて図9の矢印方向へ回動し、記録媒
体52を押さえるものである。
【0005】前記押さえ板55は、図9に示すように、退
避している状態にあっては記録媒体52の搬送ガイドとな
る。即ち、記録媒体52の先端が多少カールしていたとし
ても、記録媒体52の先端は前記押さえ板55によって排出
ローラ対53a,53bのニップ部へと誘導され、また排出
ローラ対53a,53bが図9の矢印方向へ回転しているた
めに、記録媒体52は排出ローラ対53a,53bのニップ部
へスムーズに誘導される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記記録
装置にあっては、記録媒体52として普通紙等のインクに
対して速乾性のものを使用した場合は問題ないが、OH
P用紙等のインクに対して遅乾性のものを使用した場合
には記録媒体52に付着したインクが乾燥する前に、その
記録面に押さえ板55や排出ローラ53aが接触することに
なり、記録媒体52の記録面を汚してしまう。
【0007】従って、前記インクに対して遅乾性の記録
媒体52を使用する場合には、図10に示すように排出ロー
ラ対53a,53bを離隔すると共に、押さえ板55を退避さ
せ排出ローラ53a及び押さえ板55が記録媒体52の記録面
に接触しないようにすることが考えられる。
【0008】しかし、前記図10のようにした場合、記録
媒体52は押さえ板55によって押さえられず、また排出ロ
ーラ対53a,53bによってニップされないために、記録
媒体52が上側にカールしている場合には、その先端が排
出ローラ対53a,53b間にスムーズに進入せずに、ジャ
ムしてしまうおそれがあった。
【0009】本発明は従来の前記課題を解決するもので
あり、その目的とするところは、インクに対して遅乾性
の記録媒体を使用した場合でも画像に乱れを生ずること
なく、且つシートジャムを起こすことのない記録装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の代表的な構成は、インクジェット記録ヘッド
と対向する記録位置に配されたプラテンと、該プラテン
上から記録媒体を排出するための排出ローラ対と、前記
記録位置から下流側に配され記録媒体を該プラテンに押
圧するための押さえ板と、を有し、記録媒体の記録面側
に当接する排出ローラが記録媒体の両端に接する排出端
ローラと該両端を除く中央部に接する排出中ローラとで
あって、インク定着速度の異なる記録媒体へインクジェ
ット記録を行う記録装置において、記録媒体の搬送モー
ドを速乾モードと遅乾モードとのいずれかに設定する設
定手段と、記録媒体を前記排出ローラ対で挟持するまで
排出ローラ対の回転駆動を行った後に、前記速乾モード
の場合には前記押さえ板による記録媒体の前記プラテン
への圧接と前記排出ローラ対による記録媒体の挟持搬送
とを行い、前記遅乾モードの場合には記録媒体から前記
押さえ板及び前記排出中ローラを離隔させる搬送制御手
段と、を有することを特徴とする
【0011】
【作用】前記構成にあっては、記録手段による記録位置
よりも記録媒体の搬送方向下流側において、記録媒体が
挟持部材によって挟持された後に、記録媒体を挟持して
回転する排出回転体と、前記記録媒体の記録面側を押さ
える押さえ部材とが記録媒体から離隔する。このため、
記録媒体先端部のカールによるジャム発生等が防止さ
れ、記録媒体の搬送をスムーズに行うことが可能とな
る。
【0012】
【実施例】
〔第一実施例〕次に本発明の第一実施例に係る記録装置
について図面を参照して具体的に説明する。尚、図1は
前記記録装置の要部斜視説明図、図2は装置全体の断面
構成説明図である。
【0013】{全体構成}先ず図2を参照して装置の全
体構成を概略説明すると、カセット1内に積載された記
録媒体(普通紙,OHP用紙等)としての記録シート2
のうち、最上部の一枚をピックアップローラ3によって
分離給送し、上ガイド4aと下ガイド4bとの間へ送り
出す。この記録シート2を搬送ローラ対5,6によって
前記記録シート2の支持部材であるプラテン7上へ搬送
し、記録手段8によって所定記録を行った後、排出ロー
ラ対9,10で排出トレイ11上へ排出する如く構成してい
る。
【0014】尚、前記排出ローラ9及び後述する押さえ
板は搬送制御手段である切換手段12により、退避可能に
構成されている。
【0015】次に前記各部の構成について具体的に説明
する。
【0016】(搬送ローラ対)搬送ローラ対は図1及び
図2に示すように搬送上ローラ5と搬送下ローラ6とか
らなり、下ローラ6には図示しない駆動伝達系を介して
駆動力が伝達され、上ローラ5は軸13を中心に回動可能
なアーム14の一端に取り付けられ、図2に示す如くアー
ム14の他端に取り付けられた引張スプリング15の付勢に
より下ローラ6に圧接する如く構成されている。従っ
て、下ローラ6が駆動回転すると上ローラ5が従動回転
し、両ローラ5,6によって記録シート2をプラテン7
上へと搬送する。
【0017】尚、前記搬送下ローラ6は図示しないシー
トセンサからの信号により、記録シート2が給送されて
きたのを検出すると駆動回転し、記録動作に応じて間欠
回転する。
【0018】また、図1に示すように上ローラ5の軸16
の両端には板金を折り曲げたシート押さえ板17aが回動
可能に取り付けられ、端部に取り付けられた引張スプリ
ング18の付勢により矢印a方向へ常に付勢されている。
また記録位置よりもシート搬送方向下流側にも同様に板
金を折り曲げたシート押さえ板17bが回動可能に取り付
けられ、図示しない引張スプリングによって押さえ板17
aと同様に付勢されている。
【0019】(記録手段)本実施例における記録手段8
は、記録ヘッドからインクを吐出して記録するインクジ
ェット記録方式を用いている。即ち、この記録ヘッドは
微細な液体吐出口(オリフィス)、液路及びこの液路の
一部に設けられるエネルギー作用部と、該作用部にある
液体に作用させる液滴形成エネルギーを発生するエネル
ギー発生手段を備えている。
【0020】このようなエネルギーを発生するエネルギ
ー発生手段としてはピエゾ素子等の電気機械変換体を用
いた記録方法、レーザー等の電磁波を照射して発熱さ
せ、該発熱による作用で液滴を吐出させるエネルギー発
生手段を用いた記録方法、あるいは発熱抵抗体を有する
発熱素子等の電気熱変換体によって液体を加熱して液体
を吐出させるエネルギー発生手段を用いた記録方法等が
ある。
【0021】その中でも熱エネルギーによって液体を吐
出させるインクジェット記録方法に用いられる記録ヘッ
ドは、記録用の液滴を吐出して吐出用液滴を形成するた
めの液体吐出口(オリフィス)を高密度に配列すること
ができるために高解像度の記録をすることが可能であ
る。その中でも電気熱変換体をエネルギー発生手段とし
て用いた記録ヘッドは、コンパクト化も容易であり、且
つ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上
が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十二分に
活用出来、高密度実装化が容易で、製造コストも安価な
ことから有利である。
【0022】また前記記録手段8はインクタンクと一体
的に構成された記録ヘッド8aが、キャリッジ8bに着
脱自在に搭載されている。前記キャリッジ8bはガイド
レール8cに沿ってスライド可能に取り付けられ、図示
しない駆動手段によって記録シート2の幅方向(図1の
矢印Z方向)に往復移動する。従って、前記キャリッジ
8bの往復移動と同期して前記記録ヘッド8aから記録
信号に応じてインクを吐出することにより、記録シート
2にインク像を記録するのである。
【0023】尚、前記キャリッジ8bの下部には押圧コ
ロ8dが取り付けられており、キャリッジ8bがホーム
ポジションから移動すると、前記コロ8dが記録位置を
挟んで両側にあるシート押さえ板17a,17bの折曲部17
a1,17a2に乗り上げると共に、キャリッジ8bの重量に
よってシート押さえ板17aをスプリング18の付勢に抗し
て回転させて図2に示す如く記録シート2に圧接させ
る。尚、記録位置よりも記録シート搬送方向下流側のシ
ート押さえ板17bは切換手段12によって回動して記録シ
ート2と圧接するが、その構成については後述する。
【0024】これによって、記録シート2がプラテン7
に押し付けられると共に、前記記録シート2と記録ヘッ
ド面との距離が一定に保たれる。
【0025】(排出ローラ対) 排出ローラ対は図1及び図2に示すように排出上ローラ
9と排出下ローラ10とからなり、前記記録手段8による
記録位置よりもシート搬送方向下流側に設けられてい
る。排出下ローラ10には図示しない駆動伝達系を介して
駆動力が伝達される。一方、排出上ローラ9は図1で明
らかなように長手方向(記録シートの幅方向)に3分割
され、排出される記録シート2の幅方向中央部に圧接可
能な中ローラ9aと、記録シート2の幅方向両端部を圧
接可能な挟持部材としての端ローラ9b,9cとで構成
されている。
【0026】前記中ローラ9a及び端ローラ9b,9c
は何れもアーム19,20,21の一端に回動自在に取り付け
られ、このアーム19,20,21が軸22を中心にして回動可
能に取り付けられ、更に他端において図2に示すように
それぞれ引張スプリング23で付勢され、排出下ローラ10
に圧接して従動回転可能になっている。
【0027】従って、排出下ローラ10を駆動回転するこ
とにより記録後の記録シート2が両ローラ対9,10によ
って排出される。尚、前記排出下ローラ10の回転周速度
は搬送下ローラ6の回転周速度よりも数%速くなるよう
に設定されており、記録後の記録シート2に弛みが生じ
ないようになっている。
【0028】(切換手段)次に切換手段12について説明
すると、これは記録位置よりも記録シート2の搬送方向
下流側において、使用する記録シート2(普通紙,OH
P用紙等)の種類に応じて、前記記録シート2の記録面
側に位置する回転部材としての中ローラ9a及びシート
押さえ板17bを記録シート2の記録面から離隔するもの
である。
【0029】その構成は、図1及び図2に示すように、
X軸方向に長く、Y軸方向に短い長円軸部12a1を有する
軸12aが装置本体フレームに回動可能に取り付けられ、
その軸端にはギア12bが固着されている。
【0030】そして前記ギア12bは、図1及び図3
(a)に示すように、軸12c1を中心に回動可能なギア部
材12cと噛合している。このギア部材12cは引張スプリ
ング12dによって図1の時計回り方向に付勢されると共
に、レバー部12c2がモータ12eによって回動可能な偏心
カム12fに当接している。
【0031】従って、モータ12eが駆動して偏心カム12
fが回転すると、レバー部12c2が押し上げられてギア部
材12cが回転し、これとギア12bで噛合した軸12aが回
転する。この軸12aは長円軸部12a1が水平の状態では、
図2に示すように、中ローラ9aを支持しているアーム
19に接触しない。従って、中ローラ9aはスプリング18
の付勢によって記録シート2に圧接する。
【0032】一方、軸12aが前記状態から90°回転して
垂直の状態になると、図3(b)に示すように、長円軸
部12a1が中ローラ9aを支持しているアーム軸を押し下
げる。このためアーム軸が回転して中ローラ9aが排出
ローラ10から離隔し、記録シート2に離隔するようにな
る。
【0033】また前記長円軸部12a1が垂直状態になる
と、図3(c)に示すように、レバーギア12gを押し下
げる。このレバーギア12gは軸12g1を中心に回動可能で
あり、ギア部12g2がアイドラギア12hを介してギア12i
と噛合している。このギア12iは、図1に示すように、
下流側シート押さえ板17bに固着されており、ギア12i
が回転することによってシート押さえ板17bが回転す
る。これによって、シート押さえ板17bは、図3(c)
に示すように、キャリッジ移動領域から退避し、キャリ
ッジ8が移動しても記録シート2に接触しなくなる。
【0034】前記切換手段12は、記録シート2としてイ
ンクに対して速乾性のものを使用した場合と、遅乾性の
ものを使用した場合とで切り換えるものであり、図示し
ない切換スイッチを速乾モードにすると前記長円軸部12
a1が水平状態になるように、また遅乾モードにすると前
記長円軸部12a1が垂直状態になるようにカムモード12e
が駆動し、前記記録シート2の種類に応じてシート搬送
動作が異なるようになっている。
【0035】次に前記のように記録シート2の種類に応
じて搬送モードを異ならせるシート搬送制御構成を説明
する。図4は制御系のブロック図であり、24は制御部で
あって、CPU24a、ROM24b、RAM24cからな
る。
【0036】CPU24aは中央演算処理装置であり、後
述のROM24bや入力装置等の外部機器25等からプログ
ラムや各種データを読み出し、必要な演算や判断を行
い、各種制御を行うものである。
【0037】ROM24bは読み出し専用メモリーであ
り、CPU24aが動作するための各種プログラムや文字
コード、ドットパターン記録等に必要な各種データを格
納している。
【0038】RAM24cはリードライトメモリーであ
り、前記CPU24aが命令中のデータや演算結果を一時
貯えておくワーキングエリア、外部機器25等から入力さ
れた各種データを格納しておくバッファエリア、文書等
を保存しておくテキストエリア等からなっている。
【0039】前記制御部24は、インターフェース26を介
して外部機器25からの記録データやシート有無センサ27
からの記録シートの有無信号を入力する。また制御部24
は、ピックアップローラ3や搬送ローラ6を駆動するた
めの搬送モータ28、排出ローラ10を駆動するための排出
モータ29、キャリッジ8bを移動させるためのキャリッ
ジモータ30をそれぞれ駆動するモータドライバ31へ信号
を出力し、記録ヘッド8aを駆動するためのヘッドドラ
イバ32へ信号を出力する。
【0040】更に前記制御部24は、切換手段12を切り換
えるための設定手段である切換スイッチ33からの信号を
入力し、これに応じてカムモータ12eを駆動するモータ
ドライバ31へ信号を出力する。
【0041】次に前記制御系により、速乾性の記録シー
トと、遅乾性の記録シートを使用して記録を行う場合の
シート搬送手順を、図5にのフローチャートを参照して
説明する。
【0042】この装置は記録初期条件として速乾モード
に設定されており、長円軸部12a1は水平状態にある。こ
のため排出ローラ対9,10は、図6に示すように、圧接
しており、また下流側シート押さえ板17bは搬送される
記録シート2の近傍に位置している。
【0043】記録する場合は、まず記録シート2が速乾
性か遅乾性かに応じて切換スイッチを操作して速乾モー
ド又は遅乾モードの何れかに設定する(S1)。そして
記録開始信号を入力すると、搬送モータ28及び排出モー
タ29が駆動して記録シート2を搬送する(S2,S
3)。この記録シート2は先端が排出ローラ対9,10に
よってニップされるまで搬送される(S4,S5)。こ
の搬送量は搬送モータ28の回転量によって検出すること
も可能であり、或いは記録シート2の先端を検出するセ
ンサによって検出することも可能である。
【0044】前記記録シート2が排出ローラ対9,10に
搬送される状態では、図6に示すように、下流側シート
押さえ板17bがシートガイドとして機能し、且つ排出ロ
ーラ対9,10が回転しているために、シート先端が上向
きにカールしていたとしても、該シート2はシート押さ
え板17bにガイドされつつ排出ローラ対9,10間にスム
ーズにニップされる。
【0045】次に記録シート搬送モードが速乾、遅乾の
何れに設定されているかを判別し(S6)、遅乾モード
の場合はカムモータ12eが駆動して長円軸部12a1を垂直
状態にすることにより、図3(b),(c)に示すよう
に、排出中ローラ9a及び下流側シート押さえ板17bが
記録シート2から大きく離隔させ(S7)、記録動作を
行う(S8)。従って、記録後の記録シート2は記録領
域外において排出端ローラ9b,9cが圧接して記録シ
ート2の浮き上がりを押さえるが、記録領域にある中ロ
ーラ9a及びシート押さえ板17bは記録シート2から離
隔しているために記録ヘッド8aから吐出されたインク
が乾燥していないとしても、排出される際に記録シート
2がインク汚れを生ずることはない。
【0046】一方、前記ステップS6において、速乾モ
ードの場合は直接ステップS8へ進んで記録動作を行
う。この場合は前述したように、キャリッジ8bの移動
によってシート押さえ板17bが記録シート2を押さえる
と共に、中ローラ9aが記録シート2の記録面側に圧接
するが、記録ヘッド8aから吐出されたインクは即座に
乾燥するために、画像が乱れることはない。
【0047】尚、記録に際しては搬送ローラ対5,6の
回転周速度よりも排出ローラ対9,10の回転周速度を若
干速く設定してあり、記録シート2の弛み発生を防止し
ている。
【0048】前記の如く記録シート2の種類に応じて搬
送モードを変えるが、記録シート2が遅乾性のもので、
且つシート先端が多少カールしていたとしても、シート
先端は確実に排出ローラ対9,10でニップされるため、
ジャムの発生が防止される。
【0049】〔第二実施例〕前述した第一実施例では記
録シート2の種類に応じて速乾モードと遅乾モードの切
り換えを使用者が設定するようにした例を示したが、第
二実施例として前記モードの切り換えを自動的に行うよ
うにした記録装置の例を示す。
【0050】図7に示す記録装置は、第一実施例と同様
な構成を有するものであるが、この装置はキャリッジ8
bに反射型センサ34を有すると共に、プラテン7は反射
型センサ34の反射光が戻らない黒色に塗装されている。
尚、図7において、27は記録シート2が通過すると軸35
を中心に回動し、記録シート2の有無を検出するシート
有無センサである。
【0051】上記構成において、記録シート2の種類検
出は図8のフローチャートに示す手順によって行われ
る。即ち、記録開始信号を入力すると、搬送モータ28が
駆動して記録シート2を所定量搬送する(S11〜S1
3)。この所定量は、記録シート2の先端が、図7に示
すように、下流側シート押さえ板17bによって押さえら
れる位置に至るまでの搬送量であり、これは搬送モータ
28の駆動量を検出することによって容易に設定し得る。
【0052】次にキャリッジモータ30を駆動してキャリ
ッジ8bをスキャンさせると共に、反射型センサ34から
光照射し、その反射光を検出する。記録シート2が白色
の普通紙であれば、反射光が戻って来る。一方、記録シ
ート2が透明なOHPシートであれば、反射光は黒色の
プラテン7に吸収されて戻ってこない。従って、反射型
センサ34がオンすれば普通紙(速乾性)であり、センサ
34がオフしていればOHPシート(遅乾性)であると判
別し得る。
【0053】尚、記録シート2が搬送されていないとき
も、OHPシートを搬送したときと同様に反射型センサ
34へ反射光は戻ってこないが、このときはシート有無セ
ンサ27がオフ状態にある。従って、シート有無センサ27
によってシート有無を判別し(S15)、センサ27がオフ
しているときはシート無表示を行う(S16)。
【0054】そしてステップS15で、シート有無センサ
27がオンしているときは、反射型センサ34によって記録
シート2の種類を判別する(S17)。即ち、反射型セン
サ34がオフしているときは遅乾モードに設定し(S1
8)、センサ34がオンしているときは速乾モードに設定
する(S19)。すなわち本実施形態にあっては、CPU
24aが設定手段となっている
【0055】前記の如くして記録シート2の種類に応じ
てシート搬送モードを自動的に設定した後、第一実施例
で説明したようなシート搬送動作(図5のステップS2
以下)を行い(S20)、記録を行う。
【0056】このように記録シート2の種類を自動検出
してシート搬送モードを自動設定するようにすれば、使
用者の負担を軽減することが出来る。
【0057】〔他の実施例〕前述した実施例では記録手
段としてインクジェット記録方式を用いたが、記録信号
に応じて電気熱変換体に通電し、前記電気熱変換体によ
って印加される熱エネルギーにより、インクに生ずる膜
沸騰を利用してインクに生ずる気泡の成長,収縮によ
り、インクを吐出口より吐出して記録を行うように構成
すると更に好ましい。
【0058】その代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第 4723129号明細書、同第 4740796号明細書
に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ま
しい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュア
ス型の何れにも適用可能であるが、特にオンデマンド型
の場合には、液体(インク)が保持されているシートや
液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情
報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与え
る少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、
電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッド
の熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信
号に一対一で対応した液体内の気泡を形成出来るので有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介
して液体を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成す
る。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気
泡の成長収縮が行われるので、特に優れた液体の吐出が
達成出来、より好ましい。
【0059】前記パルス形状の駆動信号としては、米国
特許第 4463359号明細書、同第 4345262号明細書に記載
されているようなものが適している。
【0060】尚、前記熱作用面の温度上昇率に関する発
明の米国特許第 4313124号明細書に記載されている条件
を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
【0061】記録ヘッドの構成としては、前述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱
作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する
米国特許第 4558333号明細書、同第 4459600号明細書を
用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0062】また複数の電気熱変換体に対して、共通す
るスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示す
る特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸
収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭
59−138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果
は有効である。即ち、記録ヘッドの形態がどのようなも
のであっても、本発明によれば記録を確実に効率良く行
うことが出来るようになるからである。
【0063】更に、記録装置が記録出来る記録媒体の最
大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘ
ッドに対しても本発明は有効に適用出来る。
【0064】そのような記録ヘッドとしては、複数記録
ヘッドの組合せによって、その長さを満たす構成や、一
体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良い。
【0065】加えて、前述したシリアルタイプのもので
も、キャリッジに固定された記録ヘッド、或いはキャリ
ッジに装着されることで装置本体との電気的な接続や装
置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチッ
プタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的
にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録
ヘッドを用いても良い。
【0066】また本発明の記録装置の構成として設けら
れる、記録ヘッドの回復手段、予備的な補助手段等を付
加することは本発明の効果を一層安定出来るので好まし
いものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッド
に対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧
或いは吸引手段、電気熱変換タイプ或いはこれとは別の
加熱素子或いはこれらの組合せによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。
【0067】またキャリッジに搭載される記録ヘッドの
種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応
して1個のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であって良い。即ち、例えば記録装置の記録モードとし
ては黒色等の主流色のみの記録モードでなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成する複数個の組合せによるかいずれで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも適用し得
る。
【0068】更に加えて、前述した実施例に於いてはイ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化若しくは液化するも
の、或いはインクジェット記録方式ではインク自体を30
℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘
性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般
的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をな
すものであれば良い。加えて、積極的に熱エネルギーに
よる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化
のエネルギーとして使用せしめることで防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録シートに到達する時点で
はすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギーに
よって初めて液化する性質のインクを使用する場合も適
用可能である。
【0069】このような場合のインクは、特開昭54− 5
6847号公報或いは特開昭60− 71260号公報に記載される
ような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は固形
物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向
するような形態としても良い。上述した各インクに対し
て最も有効なものは、前述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0070】更に、前述したインクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末のして用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、更には送受信機能を有するファクシミリ
装置の形態をとるもの等であっても良い。
【0071】
【発明の効果】本発明は前述したように、記録手段によ
る記録位置よりも記録媒体の搬送方向下流側において、
記録媒体が挟持部材によって挟持された後に、記録媒体
を挟持して回転する排出回転体と、前記記録媒体の記録
面側を押さえる押さえ部材とが記録媒体から離隔するよ
うにしたために、記録媒体先端部のカールによるジャム
発生等が防止され、記録媒体の搬送をスムーズに行うこ
とが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に係る記録装置の主要部の
斜視説明図である。
【図2】記録装置の全体断面模式説明図である。
【図3】切換手段の動作説明図である。
【図4】制御系のブロック図である。
【図5】シート搬送手順のフローチャートである。
【図6】記録シートを搬送する途中説明図である。
【図7】シート種類を検出する記録装置の構成説明図で
ある。
【図8】シート種類を検出して搬送モードを自動設定す
る手順のフローチャートである。
【図9】従来技術の説明図である。
【図10】従来技術の説明図である。
【符号の説明】
1…カセット 2…記録シート 3…ピックアップローラ 5,6…搬送ローラ 7…プラテン 8…記録手段 8a…記録ヘッド 8b…キャリッジ 9,10…排出ローラ 9a…排出中ローラ 9b,9c…排出端ローラ 12…切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 29/20 B41J 13/02 B41J 13/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドと対向する記
    録位置に配されたプラテンと、該プラテン上から記録媒
    体を排出するための排出ローラ対と、前記記録位置から
    下流側に配され記録媒体を該プラテンに押圧するための
    押さえ板と、を有し、記録媒体の記録面側に当接する排
    出ローラが記録媒体の両端に接する排出端ローラと該両
    端を除く中央部に接する排出中ローラとであって、イン
    ク定着速度の異なる記録媒体へインクジェット記録を行
    う記録装置において記録媒体の搬送モードを速乾モードと遅乾モードとのい
    ずれかに設定する設定手段と記録媒体を前記排出ローラ対で挟持するまで排出ローラ
    対の回転駆動を行った後に、前記速乾モードの場合には
    前記押さえ板による記録媒体の前記プラテンへの圧接と
    前記排出ローラ対による記録媒体の挟持搬送とを行い、
    前記遅乾モードの場合には記録媒体から前記押さえ板及
    び前記排出中ローラを離隔させる搬送制御手段とを有することを特徴とする記録装置
  2. 【請求項2】 前記設定手段は、記録媒体の種類を判別
    することにより前記速乾モードと遅乾モードとを自動的
    に設定することを特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録装置は、記録手段が信号に応じ
    てインクを吐出して記録を行うインクジェット記録方式
    である請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録装置は、記録手段がインク吐出
    用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
    ていることを特徴とする請求項3記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録装置は、記録手段が前記電気熱
    変換体によって印加される熱エネルギーにより、インク
    に生ずる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させ
    ることを特徴とする請求項4記載の記録装置。
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