JP3199009U - サーマルヘッド - Google Patents

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壽文 中谷
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Abstract

【課題】サーマルヘッドと感熱媒体との接触によって発生するダストの溜まりを抑制して、印刷画質の向上を図ることができるサーマルヘッドを提供する。【解決手段】相対的に移動する感熱媒体Pと接触領域R1で接触しつつ感熱媒体に対して画像に応じた加熱を行うサーマルヘッドであって、凸状に湾曲した曲面部を有する基板10と、曲面部の接触対応領域R2に設けられ、感熱媒体の相対移動方向と直交する向に並ぶ複数の発熱部20と、複数の発熱部と接続される配線パターン30と、曲面部の表面の接触対応領域に設けられ、第1方向に延在する突条部40と、複数の感熱媒体、配線パターンおよび突条部を覆う保護膜50を備え、突条部40は、接触対応領域における複数の発熱部20の並ぶ位置から感熱媒体の接触終了の位置EPまでの間に設けられ、突条部の厚さは、発熱部と配線パターンとが重なる部分の厚さよりも薄い。【選択図】図1

Description

本考案は、相対的に移動する感熱媒体と接触して感熱媒体に画像に応じた加熱を行うサーマルヘッドに関する。
感熱媒体に熱を加えることで印刷を行うサーマルヘッドは、画素ごとに設けられた複数の発熱部が基板上に並んで設けられている。このサーマルヘッドは、感熱媒体を送りながらサーマルヘッドの発熱部を制御して、画素データに応じた加熱を行うことで感熱媒体に画像を印刷することができる。
特許文献1には、電極抵抗を増大させることなくヘッドの小型化を実現でき、印刷傷を防止可能なサーマルヘッドが記載されている。このサーマルヘッドでは、発熱抵抗体と個別電極、コモン電極およびコンタクト導体との間に生じる段差を抑制し、耐摩耗保護層の表面に研磨くずが溜まりにくくなるようにしている。
特許文献2には、保護層の剥離や基板のカケを防止して、耐摩耗性および耐湿性を向上させたサーマルヘッドが記載されている。このサーマルヘッドでは、基板のグレーズ層上の端部に形成した補強層に、少なくとも一つの孔部を設けた構成になっている。これにより、保護層の固着強度を増大させて、耐摩耗性および耐湿性を向上させている。
特許文献3には、保護層の表面段差を低減して印刷品質の向上を図るサーマルヘッドが記載されている。このサーマルヘッドでは、印刷媒体の走行方向と直交する方向の表面段差をなくす補助段差部を設けられている。これにより、印刷媒体からの加重が発熱部、共通電極および補助段差部で均一になって、印刷媒体への圧痕が低減される。
特開2006−95943号公報 特開平7−132630号公報 特開2010−167756号公報
しかしながら、前記従来例では、サーマルヘッドと感熱媒体とが接触しつつ相対的に移動する場合、この接触によって感熱媒体からダストが発生してサーマルヘッドの表面に溜まることがある。ダストが溜まることで感熱媒体とダストとの擦れによって印刷傷が発生するという問題がある。
本考案は、サーマルヘッドと感熱媒体との接触によって発生するダストの溜まりを抑制して、印刷画質の向上を図ることができるサーマルヘッドを提供することを目的としている。
本考案は、感熱媒体と接触する基板と、前記基板に設けられて前記感熱媒体の相対移動方向と直交する第1方向に並ぶ複数の発熱部と、前記基板に設けられてそれぞれの前記発熱部に接続された配線パターンとを有するサーマルヘッドにおいて、
前記基板では、前記感熱媒体が対向する接触対応領域に、前記感熱媒体との相対移動方向に曲率を有して凸状に形成された曲面部が設けられ、
前記接触対応領域に、複数の前記発熱部と、複数の前記配線パターンと、前記第1方向に直線状に延びる突条部と、が設けられて、前記発熱部と前記配線パターンおよび前記突条部が保護膜で覆われており、
前記突条部は、前記接触対応領域において、前記発熱部から前記感熱媒体の接触終了の対応位置までの間に設けられ、前記突条部の厚さが、前記発熱部と前記配線パターンとが重なる部分の厚さよりも薄いことを特徴とするものである。
本考案は、前記保護膜の前記突条部を覆う表面に第1表面凸部が形成されている。
また、本考案は、前記保護膜の前記発熱部と前記配線パターンとが重なる部分を覆う表面に第2表面凸部が形成されており、前記第2表面凸部よりも前記第1表面凸部の高さ寸法が低い。
本考案のサーマルヘッドでは、発熱部と配線パターンとが重なる部分で保護層の表面に形成される第2表面凸部と感熱媒体との接触摩擦で感熱媒体の表面が削られるなどしてダストが形成されている。しかし発熱部よりも感熱媒体の送り方向下流側において、保護膜の表面に突条部に基づく僅かな第1表面凸部(膨らみ)が形成されているため、前記ダストが感熱媒体の移動とともに第1表面凸部に当たって拡散されることになり、基板の接触対応領域にダストの溜まりが発生するのを抑制できるようになる。
本考案のサーマルヘッドでは、前記突条部は、前記発熱部と同じ抵抗材料で形成されていることが好ましい。また、前記突条部の厚さが、前記発熱部の厚さと実質的に等しいことが好ましい。この構成では、突条部を複数の発熱部と同一工程で設けることができる。
本考案では、前記突条部の厚さは、前記配線パターンの厚さよりも薄いことが好ましい。これにより、突条部によって形成される保護層の第1表面凸部の突出高さをダストの拡散に適した高さに設定することができる。
本考案は、前記突条部が、前記感熱媒体の接触終了の対応位置よりも、前記発熱部に近い位置に設けられていることが好ましい。
突条部が発熱部に近い位置に設けられていると、保護層の表面の第2表面凸部で発生したダストを、その下流側の直近に位置する第1表面凸部で拡散できる効果を高くできる。
本考案によれば、発熱部と配線パターンとの重なり部において保護層の表面に形成される第2表面凸部と感熱媒体との摩擦によって発生するダストを、突条部で形成される保護層の第1表面凸部で拡散させることができるようになり、基板の接触対応領域にダストの溜まりが発生しにくなる。
(a)は、本考案の実施形態に係るサーマルヘッドを示す部分断面図、(b)は、主要部の拡大断面図である。 本考案の実施形態に係るサーマルヘッドを示す部分平面図である。 サーマルヘッドと感熱媒体との接触状態を示す説明図である。 (a)は、実施例1に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する部分平面図、(b)は、印刷後の感熱媒体の平面写真である。 (a)は、比較例1に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する部分平面図、(b)は、印刷後の感熱媒体の平面写真である。 (a)は、比較例2に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する部分平面図、(b)は、印刷後の感熱媒体の平面写真である。 (a)は、実施例1の表面粗さの測定線図を一部拡大した拡大図、(b)は、前記測定線図を補正した拡大補正図である。 実施例1に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。 実施例2に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。 実施例3に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。 比較例1に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。 比較例2に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。 参考例3に係るサーマルヘッドの印刷後の写真である。
以下、本考案の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
(サーマルヘッドの構成)
図1(a)および(b)は、本実施形態に係るサーマルヘッドの構成を例示する模式断面図である。図1(a)にはサーマルヘッドの部分断面図が示され、図1(b)には図1(a)に示すA部の拡大断面図が示されている。
図2は、本実施形態に係るサーマルヘッドの構成を例示する模式平面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るサーマルヘッド1は、相対的に移動する感熱媒体Pと接触領域R1で接触しながら、感熱媒体Pに画像に応じた加熱を行うものである。感熱媒体Pは、例えば加熱温度および加熱時間によってシアン、イエロー、マゼンタなどの異なる発色が生じるカラー画像印刷用の感熱紙である。本実施形態では、サーマルヘッド1に対して感熱媒体Pが移動しながら印刷を行う場合を例とする。
サーマルヘッド1は、凸状に湾曲した曲面部11を有する基板10と、曲面部11の表面11aに設けられる複数の発熱部20と、複数の発熱部20と接続される配線パターン30と、曲面部11の表面11aに設けられる突条部40と、保護膜50とを備える。
基板10は例えばガラスで形成されており、ガラスの基板10の一部に曲面部11が設けられる。曲面部11は凸状に湾曲した表面11aを有している。曲面部11の表面11aにおいて感熱媒体Pの接触領域R1と対応する領域が接触対応領域R2である。ここで、接触領域R1は、感熱媒体Pと接する保護膜50の表面50aにおける接触開始位置SPから接触終了位置EPまでの領域である。また、接触対応領域R2は、接触開始位置SPにおける法線と曲面部11の表面11aとの交差位置から、接触終了位置EPにおける法線と曲面部11の表面11aとの交差までの領域である。
複数の発熱部20、配線パターン30の一部および突条部40は、接触対応領域R2に設けられている。複数の発熱部20は、接触対応領域R2において感熱媒体Pの相対移動方向(図2に示す第2方向D2)と直交する方向(図2に示す第1方向D1)に直線上に並んで設けられている。発熱部20には、通電によって効率的に発熱する材料が用いられる。発熱部20の材料としては、例えば、Ta−SiO、TaNなどの抵抗材料が用いられる。複数の発熱部20のレイアウトについては後述する。
配線パターン30は、複数の発熱部20のそれぞれと接続され、各発熱部20に所定のタイミングで電流を流すための配線である。配線パターン30の一部は発熱部20の一部を覆うように形成される。配線パターン30の材料としては、例えば、Al、Au、Ag、Cuのうち少なくとも1つが用いられる。配線パターン30のレイアウトについては後述する。
突条部40は、曲面部11の表面11aにおける接触対応領域R2に設けられ、第1方向D1に直線上に延在するよう設けられる。突条部40は、発熱部20と同じ抵抗材料で、発熱部20と同じ工程で形成される。すなわち突条部40と発熱部20は、同じ工程で同層に設けられたものである。突条部40は発熱部20および配線パターン30とは離間した独立のパターンとなっている。
複数の発熱部20、配線パターン30および突条部40は、保護膜50によって覆われる。保護膜50の材料としては、例えばSiAlON、SiO、SiONが用いられる。保護膜50は、複数の発熱部20、配線パターン30および突条部40の上に例えばスパッタリングによって形成され、表面50aが研磨されたものである。
このような構成を備えた本実施形態に係るサーマルヘッド1では、突条部40が、接触対応領域R2における複数の発熱部20の並ぶ位置から接触終了位置EPと対応する位置までの間に設けられる。すなわち、突条部40は、接触対応領域R2内において、複数の発熱部20の並ぶ位置よりも感熱媒体Pの送り方向下流側に配置される。ただし、突条部40は、接触終了位置EPと対応する位置よりも、発熱部20に近い位置に設けられることが好ましい。
図1(b)に示すように、突条部40の厚さt1は、発熱部20と配線パターン30とが重なる部分の厚さt2よりも薄くなっている。突条部40の厚さt1は、例えば、配線パターン30の厚さt3よりも薄い。また、突条部40と発熱部20とが同じ抵抗材料により同一工程で形成される場合、突条部40の厚さt1は、発熱部20の厚さt4と実質的に等しくなる。
一例として、突条部40の厚さt1および発熱部20の厚さt4は、約0.2μmである。また、配線パターン30の厚さt3は、約1μmである。発熱部20と配線パターン30とが重なる部分の厚さt2は、約1.2μmである。突条部40の厚さt1は、発熱部20と配線パターン30とが重なる部分の厚さt2の1/2以下が好ましい。
前述のように、保護膜50は、複数の発熱部20、配線パターン30および突条部40の上に例えばスパッタリングによって形成され、表面50aが研磨されて形成される。しかし、下層に発熱部20と配線パターン30および突条部40が存在しているため、保護層50の表面を研磨しても、保護層50の表面50aに凹凸が残存する。保護層50の表面50aでは、突条部40を覆う部分に第1表面凸部が形成され、発熱部20と配線パターン30とが重なる部分を覆う箇所に第2表面凸部が形成される。
第1表面凸部の表面50aからの隆起高さは、0.05〜0.15μm程度であり、実施の形態では、0.1μm程度である。第2表面凸部の表面50aからの隆起高さは、0.2〜0.5μm程度であり、実施の形態では0.3μm程度である。
ここで、発熱部20、配線パターン30および突条部40の平面レイアウトについて説明する。
図2に示すように、複数の発熱部20は、接触対応領域R2の第2方向D2におけるほぼ中央の位置において第1方向D1に向けて並んで配置されている。複数の発熱部20のうち、隣り合う2つの発熱部20aおよび20bを1組として1画素分が構成される。1組の発熱部20aおよび20bの端部にはコンタクト配線33が接続されている。コンタクト配線33は配線パターン30の一部である。なお、1組の発熱部20aおよび20bの端部は図示しない連結部で連結されており、連結部の上にコンタクト配線33が設けられていてもよい。
1組の発熱部20aおよび20bのうちの一方の発熱部20aのコンタクト配線33とは反対側の端部には共通配線32が接続され、他方の発熱部20bのコンタクト配線33とは反対側の端部には個別配線31が接続される。個別配線31および共通配線32は、配線パターン30の一部である。
このような発熱部20の配線パターン30のレイアウトにおいて、図示しない制御部から個別配線31に通電されると、個別配線31と接続された1組の発熱部20aおよび20bが発熱して、感熱媒体Pの画素対応部分を加熱することになる。
突条部40は、接触対応領域R2内に設けられる。突条部40は、第2方向D2における発熱部20の位置から接触終了位置EPと対応する位置までの間に設けられる。具体的には、コンタクト配線33を挟んで発熱部20a,20bと逆の側に配置される。突条部40は、幅W1において第1方向D1に直線状に伸びるパターンである。突条部40は、接触終了位置EPよりも発熱部20a,20bに接近した位置に配置されている。
突条部40の幅W1は、例えば約20〜60μmである。また、突条部40とコンタクト配線33との間隔S1は、約50μmである。コンタクト配線33の幅W3は、約30μmである。
基板10における接触対応領域R2の外側には、ダミーパターン25が設けられていてもよい。本実施形態では、2本のダミーパターン25が設けられている。ダミーパターン25は、基板10の表面よりも保護膜50との密着性が高いため、保護膜50を形成した後に、基板10を切断する際の保護膜50の剥がれを防止する役目を果たす。
図3は、サーマルヘッドと感熱媒体との接触状態を例示する模式図である。
感熱媒体Pは、サーマルヘッド1とプラテン60との間で挟まれながら送られる。感熱媒体Pは、接触開始位置SPからサーマルヘッド1と接触し始め、接触終了位置EPで離れていく。この間、感熱媒体Pはプラテン60から押圧力を受けてサーマルヘッド1に押しつけられながら送られる。サーマルヘッド1の接触開始位置SPから接触終了位置EPまでの接触領域R1は、いわゆるニップ領域であり、接触領域R1における接触長L1は、いわゆるニップ幅である。
発熱部20は、接触長L1のほぼ中央位置に配置される。感熱媒体Pはプラテン60の回転によって送られ、サーマルヘッド1の接触領域R1で接触しながら進んで行く。そして、発熱部20による加熱によって印刷される。感熱媒体Pは順次送られ、接触終了位置EPから下流においてサーマルヘッド1から離れる。
感熱媒体Pとサーマルヘッド1との接触圧力は、接触開始位置SPから中央位置に向けて徐々に高まり、中央位置から接触終了位置EPに向けて徐々に低くなる。この接触によって感熱媒体Pからダストが発生する。
ダストは、主に発熱部20a,20bと配線パターン30との重なり部を覆う保護層50の表面に形成される第2表面凸部と感熱媒体Pとの接触摩擦により感圧媒体Pの表面が削れることで発生しやすい。このダストは、発熱部20a,20bとコンタクト配線33との重なり部を覆う保護層50の表面50aの第2表面凸部よりも下流側に移動し、感熱媒体Pがサーマルヘッド1から離れる接触終了位置EPの付近に溜まりやすい。すなわち感熱媒体Pとサーマルヘッド1との接触圧力が弱まる部分にダストが取り残されやすく、この付近に溜まりやすくなる。
ダストが接触領域R1において、保護層50の表面50aに付着すると、感熱媒体Pとの接触を繰り返すうちに、このダストが保護層50の表面50aに凝集して固着するようになる。ダストが表面50aに凝集して固着すると、その後に新たな感熱媒体Pが接触したときに、固着したダストによって感熱媒体Pの印画面に傷が付けられ、印画面の品質を低下させることになる。
しかしながら、本実施形態では、前記第2表面凸部よりも下流側で且つ接触終了位置EPよりも上流側に突条部40が設けられており、保護膜50の突条部40を覆う表面に僅かに隆起する第1表面凸部(膨らみ)が形成されている。感熱媒体Pの移動によって下流側へ運ばれるダストは、第1表面凸部のわずかな膨らみにより拡散させられ、接触領域R1において表面50aに凝集して固着する現象が生じにくくなる。よって、凝集したダストで新たな感熱媒体Pの印画面に傷が付けられるという課題を解消できるようになる。
ダストの拡散を発生させるため、突条部40の厚さt1は、発熱部20と配線パターン30とが重なる部分の厚さt2よりも薄くしておく。厚さt1が厚さt2以上であると第1表面凸部において感熱媒体Pとの接触圧力が高くなり過ぎるとともに、第2表面凸部と第1表面凸部との間の接触圧力が弱くなり過ぎて、第1表面凸部の上流側にダストが凝集して溜まりやすくなる可能性がある。一方、厚さt1が薄すぎると、保護層50の表面50aの第1表面凸部によるダストの拡散効果が得られなくなる。したがって、厚さt1は、厚さt2よりも薄い範囲でダストの拡散効果を得られる値に設定される。
本実施形態に係るサーマルヘッド1によって、サーマルヘッド1と感熱媒体Pとの接触によって発生したダストの溜まりが抑制され、印画面に傷が付くのを防止でき、印刷画質の向上を図ることができるようになる。
(実施例および比較例)
図4(a)は、実施例1に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する平面図、図4(b)は、実施例に係るサーマルヘッドを用いて印刷した後の感熱媒体の印画面を示す平面写真である。実施例1に係るサーマルヘッド1には突条部40が設けられる。
実施例1に係るサーマルヘッドは、突条部40の厚さt1(t1などの指示箇所は図1(b)参照)および発熱部20の厚さt4が約0.2μm、配線パターン30の厚さt3が約1μm、発熱部20と配線パターン30(コンタクト配線33)とが重なる部分の厚さt2が約1.2μmである。
突条部40の幅W1(W1などの支持箇所は図2参照)は約20μm、突条部40とコンタクト配線33との間隔S1は約50μm、コンタクト配線33の幅W3が約30μmである。
保護膜50の厚さは6μmである。
図7(a)は、保護膜50の表面50aの高さ変化を非接触三次元形状測定装置(三鷹光器(株)製、NH−3N)で測定した測定線図であり、特に突条部40とコンタクト配線30および発熱部20が設けられた部分を拡大して示している。図7は図1と左右が逆向きであり、接触開始位置SPが図示右側にあり、接触終了位置EPが図示左側にある。
図7(a)の線図の傾きを補正し、表面50aの凹凸を強調できるように補正した補正図が図7(b)に示されている。図7(b)に示すように、突条部40が形成されている部分での保護膜50の表面50aの第1表面凸部の隆起高さは約0.1μmであった。またコンタクト配線30と発熱部20とが重ねられている部分での保護膜50の表面50aの第2表面凸部の隆起高さは約0.3μmであった。
実施例1のサーマルヘッド1を用いて印刷を行うと、図4(b)に示すように、感熱媒体P(1)には圧痕がほとんど形成されていないことが確認できる。
図5(a)は、比較例1に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する平面図、図5(b)は、比較例1に係るサーマルヘッドを用いて印刷した後の感熱媒体を示す平面写真である。
図5(a)に示す比較例1のサーマルヘッド100Aには突条部40が設けられていない。また、接触対応領域Rから外れた位置に、保護膜50の剥離を防止するためのダミーパターン25が形成されている。ダミーパターン25は発熱部20と同じ材料で同じ厚さで形成されている。
このサーマルヘッド100Aを用いて印刷を行うと、図5(b)に示すように、感熱媒体P(2)に筋状の圧痕(擦り傷)が形成されていることを確認できる。
図6(a)は、比較例2に係るサーマルヘッドのパターンレイアウトを例示する平面図、図6(b)は、比較例2に係るサーマルヘッドを用いて印刷した後の感熱媒体を示す平面写真である。
図6(a)に示す比較例2のサーマルヘッド100Bには突条部40が設けられていない。また、保護膜50の剥離を防止すためのダミーパターン25と並ぶ第2のダミーパターン26が設けられ、ダミーパターンの幅寸法が実質的に広く設定されている。ただし、これらダミーパターン25,26は、接触対応領域R2の外側に配置されている。
このサーマルヘッド100Bを用いて印刷を行った場合も、図6(b)に示すように、感熱媒体P(3)には筋状の圧痕が形成されていることを確認できる。
図8は、実施例1に係るサーマルヘッド1Aの写真、図9は実施例2に係るサーマルヘッド1Bの写真、図10は実施例3に係るサーマルヘッド1Cの写真である。
実施例2は、突条部40の幅W1が約40μm、実施例3は、突条部40の幅W1が約60μmである。いずれも突条部40とコンタクト配線33との間隔S1は約50μm、コンタクト配線33の幅W3が約30μmであり、これらは実施例1と同じである。
図8、図9、図10はいずれも、実施例1,2,3に係るサーマルヘッド1A,1B,1Cを用いて印刷を行った後の表面状態が示されている。
図8、図9、図10は実施例1,2,3に係るサーマルヘッド1A,1B,1Cの、左部分、中央部分および右部分の表面を部分的に示しているが、いずれの箇所のダストの目立った凝集が発生していない。
図11は、比較例1に係るサーマルヘッド100Aの写真であり、印刷を行った後の表面状態が示されている。比較例1は図5に示したものと同じである。
比較例1に係るサーマルヘッド100Aでは、印刷後に、左部分、中央部分および右部分のそれぞれの箇所にダストDが凝集して固着している。
図12は、比較例2に係るサーマルヘッド100Bの写真であり、印刷を行った後の表面状態が示されている。比較例2は図6に示したものと同じである。
比較例2に係るサーマルヘッド100Bは、印刷後に、左部分、中央部分および右部分のそれぞれの箇所にダストDが凝集して固着している。
図13は、比較例3に係るサーマルヘッド100Cの写真であり、印刷を行った後の表面状態が示されている。比較例3は、保護膜50の剥離を防止するためのダミーパターン25よりも発熱部20に近い位置に2本の第2のダミーパターン26が設けられている。第2のダミーパターン26は発熱部20と同じ材料で同じ厚さに形成されている。ただし2つの第2のダミーパターン26は、いずれも接触対応領域R2の外側に配置されている。
比較例3のサーマルヘッド100Cでも、左部分および右部分のそれぞれにおいて、ダミーパターン25の付近にダストDの凝集が発生している。
以上説明したように、実施例によれば、サーマルヘッドと感熱媒体との接触によって発生するダストDの溜まりを抑制して、印刷画質の向上を図ることができるようになる。
なお、上記に本実施形態およびその実施例を説明したが、本考案はこれらの例に限定されるものではない。例えば、上記ではサーマルヘッド1に対して感熱媒体Pを送る例を示したが、感熱媒体Pに対してサーマルヘッド1を移動させたり、サーマルヘッド1と感熱媒体Pとの両方を移動させて相対的な速度差を設けたりしてもよい。また、前述の各実施形態またはその実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本考案の要旨を備えている限り、本考案の範囲に包含される。
1,100A,100B,100C…サーマルヘッド
10…基板
11…曲面部
11a…表面
20,20a,20b…発熱部
25…ダミーパターン
30…配線パターン
31…個別配線
32…共通配線
33…コンタクト配線
40…突条部
50…保護膜
50a…表面
60…プラテン
D1…第1方向
D2…第2方向
EP…接触終了位置
L1…接触長
P…感熱媒体
R1…接触領域
R2…接触対応領域
SP…接触開始位置

Claims (7)

  1. 感熱媒体と接触する基板と、前記基板に設けられて前記感熱媒体の相対移動方向と直交する第1方向に並ぶ複数の発熱部と、前記基板に設けられてそれぞれの前記発熱部に接続された配線パターンとを有するサーマルヘッドにおいて、
    前記基板では、前記感熱媒体と対向する接触対応領域に、前記感熱媒体との相対移動方向に曲率を有して凸状に形成された曲面部が設けられ、
    前記接触対応領域に、複数の前記発熱部と、複数の前記配線パターンと、前記第1方向に直線状に延びる突条部と、が設けられて、前記発熱部と前記配線パターンおよび前記突条部が保護膜で覆われており、
    前記突条部は、前記接触対応領域において、前記発熱部から前記感熱媒体の接触終了の対応位置までの間に設けられ、前記突条部の厚さが、前記発熱部と前記配線パターンとが重なる部分の厚さよりも薄いことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記保護膜の前記突条部を覆う表面に第1表面凸部が形成されている請求項1記載のサーマルヘッド。
  3. 前記保護膜の前記発熱部と前記配線パターンとが重なる部分を覆う表面に第2表面凸部が形成されており、前記第2表面凸部よりも前記第1表面凸部の高さ寸法が低い請求項2記載のサーマルヘッド。
  4. 前記突条部は、前記発熱部と同じ抵抗材料で形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  5. 前記突条部の厚さが、前記発熱部の厚さと実質的に等しい請求項4に記載のサーマルヘッド。
  6. 前記突条部の厚さは、前記配線パターンの厚さよりも薄い請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
  7. 前記突条部は、前記感熱媒体の接触終了の対応位置よりも、前記発熱部に近い位置に設けられている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のサーマルヘッド。
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