JP3198552B2 - 複合酸化物薄膜の形成方法 - Google Patents
複合酸化物薄膜の形成方法Info
- Publication number
- JP3198552B2 JP3198552B2 JP25567191A JP25567191A JP3198552B2 JP 3198552 B2 JP3198552 B2 JP 3198552B2 JP 25567191 A JP25567191 A JP 25567191A JP 25567191 A JP25567191 A JP 25567191A JP 3198552 B2 JP3198552 B2 JP 3198552B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- composite oxide
- oxide thin
- substrate
- forming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Insulating Bodies (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
の複合酸化物(チタン酸鉛)薄膜を簡便に形成する方法
に関する。
体材料、圧電体材料、焦電体材料として優れた性質を有
し、超音波センサ、コンデンサ、アクチュエ−タ、焦電
型赤外線センサ、不揮発性メモリーなどの種々のデバイ
スに幅広く利用されており、さらに多くの分野への応用
が試みられている。そして、チタン酸鉛をこれらのデバ
イスに応用する場合、その特性を有効に利用するため
に、チタン酸鉛を薄膜として用いることが一般的であ
る。
の形成方法としては、スパッタ蒸発したターゲット物質
を基板上に沈着させて薄膜を形成するスパッタ法(例え
ば、特公昭62−41311号公報)、薄膜材料である
有機金属気体の熱分解,酸化,還元,重合などにより、
薄膜組成を基板上に沈着させて薄膜を形成する化学蒸着
法(CVD法)(例えば、特開昭63−178408号
公報)、真空中で薄膜材料を加熱蒸発させ、蒸発粒子を
基板上に沈着させる真空蒸着法(例えば、特開平1−7
4778号公報)、クラスタをプラズマ中でイオン化し
てから加熱蒸着させるクラスタイオンビーム法(例え
ば、特開平1−222046号公報)、薄膜材料を基板
に塗布し、これを焼成して薄膜を形成する塗布焼付け法
(例えば、特開昭60−236404号公報)、及び融
液からの薄膜形成法(例えば、特開昭60−84712
号公報)などの方法がある。
膜の形成方法において、スパッタ法やCVD法などの気
相法は、複雑で高価な装置を必要とし、また、高温下で
成膜するため、基材として用いることが可能な材料が制
約されるという問題点がある。さらに、原料ガスの流れ
の中に基材をさらして成膜するため、複雑な形状の基材
には成膜することができず、また、基材の形状によって
は基材の裏面にまで成膜することができないというよう
な問題点がある。
り返して成膜することから、その工程が煩雑であるこ
と、複雑な形状の基材には成膜できないことなどの重大
な問題点を包含している。
法は、基材の材質が著しく制約され、その用途が限定さ
れるという問題点がある。
であり、煩雑な工程によらず、また、基材を構成する材
料の種類や形状に制約されることなく、基材の表面に、
均一で緻密なチタンと鉛の複合酸化物薄膜を形成するこ
とが可能なチタンと鉛の複合酸化物薄膜の形成方法を提
供することを目的とする。
め、発明者等は、種々の実験、検討を行い、六フッ化チ
タン酸イオンとホウ酸イオンが共存するとチタン酸化物
であるチタニアが生成するが、同時に鉛イオンを共存さ
せると、鉛とチタンの複合酸化物が生成することを知
り、この発明を完成するに至った。すなわち、この発明
の複合酸化物薄膜の形成方法は、鉛イオン、六フッ化チ
タン酸イオン及びホウ酸イオンを含有する水溶液に基材
を浸漬することにより、該基材の表面にチタンと鉛の複
合酸化物薄膜を形成することを特徴とする。
チタン酸イオン,ホウ酸イオンを、それぞれPb2+,T
iF6 2-,BO3 2-に換算して、 Pb2+ :0.01〜1000mM/l TiF6 2-:0.01〜 500mM/l BO3 2- :0.03〜3000mM/l の範囲で含有させることが好ましい。
の範囲にすることが好ましい。
0℃〜900℃で熱処理を行うことにより、ペロブスカ
イト型のPbTiO3薄膜を得ることができる。
いては、水溶液中に六フッ化チタン酸イオン、ホウ酸イ
オン、及び鉛イオンが共存し、鉛とチタンの複合酸化物
が生成する。この複合酸化物は、イオン濃度が大きいと
きは、水溶液中で核形成し、沈殿を生じるが、水溶液の
温度やイオン濃度などが所定の条件下にある場合には、
水溶液中に浸漬された基材の表面や容器の内壁に不均一
核形成を行う。したがって、所定のイオン濃度の水溶液
を調製し、その温度を調節すること、すなわち、イオン
濃度と水溶液の温度を適度に制御することにより、基材
の表面にチタンと鉛の複合酸化物薄膜を容易に形成する
ことができる。
示して、この発明の特徴をさらに詳しく説明する。
溶液の組成(イオン濃度)や水溶液の温度(液温)など
の薄膜形成条件を示す表である。なお、表1において*
印を付した試験番号1及び2は、この発明の範囲外の比
較例の薄膜形成条件を示すものである。
オン濃度になるように、試薬特級の塩化鉛、酢酸鉛、硝
酸鉛、六フッ化チタン酸、及びホウ酸をイオン交換水に
溶解し、浸漬液を調製する。そして、この浸漬液100
mlをポリスチレン容器に入れ、これに10×15×2mm
の大きさのアルミナ焼結体、スライドガラス、及び白金
からなる基板を浸漬してポリスチレン容器を密閉し、表
1に示す液温で12時間から72時間保持して反応を行
わせた。
この発明の範囲外である比較例)以外の試料(基板)に
ついては、基板表面に厚さが約0.5μmで均一なパイ
ロクロア型PbTiO3薄膜が形成されていることが認
められた。そして、これらの基板を300℃〜900℃
で1時間熱処理することにより、ペロブスカイト型Pb
TiO3薄膜を得ることができた。
濃度が0.01mM/l 未満の場合(試験番号1(Pb2+
=0.005mM/l)),及びTiF6 2-イオンの濃度が
0.01mM/l 未満の場合(試験番号2(TiF6 2-=
0.005mM/l))には、基材上に均一な薄膜は形成さ
れない。また、表1には特に示していないが、Pb2+イ
オンが1000mM/l を越えた場合、及びTiF6 2-イオ
ンが500mM/l を越えた場合には、複合酸化物の沈殿
が生じて基板表面に薄膜は形成されない。さらに、BO
3 2-イオンが0.03mM/l 未満の場合、PbTiO3組
成の薄膜は形成されず、また、3000mM/l を越える
とTiO2膜が同時に形成され、PbTiO3単相の薄膜
を得ることができない。
は、Pb2+イオンが0.01〜1000mM/l ,TiF6
2-イオンが0.01〜500mM/l ,BO3 2-イオンが
0.03〜3000mM/l の範囲にあることが望まし
い。
応性が急激に低下して、良好な薄膜を形成しなくなり、
また、水溶液の温度が95℃を越えると気泡が基板表面
に付着し、薄膜の連続性が急激に悪化する。したがっ
て、水溶液の温度は、5℃〜95℃の範囲に調整するこ
とが好ましい。
する場合において、熱処理温度が300℃未満の場合に
は相変態せず、また、900℃を越えると粒成長により
薄膜の平滑性が損われる。したがって、熱処理温度は、
300℃〜900℃の範囲が好ましい。なお、熱処理温
度を、例えば、400℃程度に押さえると、耐熱温度が
低い材料を用いて基材を構成することが可能になり、材
料選択の自由度を向上させることができる。
薄膜を形成する基材として、アルミナ焼結体、スライド
ガラス及び白金からなる基板を用いた場合について説明
したが、この発明は、これら以外の材料からなる基板
や、さらには、基板以外のフォイルなどを基材として、
これにチタンと鉛の複合酸化物薄膜を形成する場合に広
く適用することができる。
複合酸化物薄膜を形成するので、基材が複雑な形状を有
している場合にも、その表面にチタンと鉛の複合酸化物
薄膜を確実に形成することができる。
膜の形成方法は、鉛イオン、六フッ化チタン酸イオン及
びホウ酸イオンを含有する水溶液に基材を浸漬すること
により、該基材の表面にチタンと鉛の複合酸化物薄膜を
形成するようにしているので、水溶液に基材を浸漬する
だけで、容易かつ経済的に、基材表面の広い面積に緻密
で均一な複合酸化物薄膜を形成することができる。
の形状を問わず、基材表面に複合酸化物薄膜を確実に形
成することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 鉛イオン、六フッ化チタン酸イオン及び
ホウ酸イオンを含有する水溶液に基材を浸漬することに
より、該基材の表面にチタンと鉛の複合酸化物薄膜を形
成することを特徴とする複合酸化物薄膜の形成方法。 - 【請求項2】 前記水溶液が、鉛イオン、六フッ化チタ
ン酸イオン,ホウ酸イオンを、それぞれPb2+,TiF
6 2-,BO3 2-に換算して、 Pb2+ :0.01〜1000mM/l TiF6 2-:0.01〜 500mM/l BO3 2- :0.03〜3000mM/l の範囲で含有することを特徴とする請求項1記載の複合
酸化物薄膜の形成方法。 - 【請求項3】 前記水溶液の温度が5℃〜95℃の範囲
にあることを特徴とする請求項1または2記載の複合酸
化物薄膜の形成方法。 - 【請求項4】 複合酸化物薄膜の形成後に、300℃〜
900℃の温度条件下で熱処理を行うことを特徴とする
請求項1,2または3記載の複合酸化物薄膜の形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25567191A JP3198552B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 複合酸化物薄膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25567191A JP3198552B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 複合酸化物薄膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558635A JPH0558635A (ja) | 1993-03-09 |
JP3198552B2 true JP3198552B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=17282002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25567191A Expired - Lifetime JP3198552B2 (ja) | 1991-09-06 | 1991-09-06 | 複合酸化物薄膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3198552B2 (ja) |
-
1991
- 1991-09-06 JP JP25567191A patent/JP3198552B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0558635A (ja) | 1993-03-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Tani et al. | Lead Oxide Coatings on Sol–Gel‐Derived Lead Lanthanum Zirconium Titanate Thin Layers for Enhanced Crystallization into the Perovskite Structure | |
US5198269A (en) | Process for making sol-gel deposited ferroelectric thin films insensitive to their substrates | |
JP3235145B2 (ja) | チタン酸バリウム薄膜の形成方法 | |
JPH04506791A (ja) | ゾル・ゲル処理による薄膜セラミックの製造 | |
WO2004085718A1 (ja) | 強誘電体膜 | |
JP3198552B2 (ja) | 複合酸化物薄膜の形成方法 | |
US5451426A (en) | Method for formation of barium titanate film | |
JP3586870B2 (ja) | 配向性薄膜形成基板およびその作製方法 | |
JP3191345B2 (ja) | 複合酸化物薄膜の形成方法 | |
US5993901A (en) | Production of thin films of a lead titanate system | |
JP3449617B2 (ja) | 金属酸化物薄膜及びその形成方法 | |
JPH05139745A (ja) | チタン酸ストロンチウム薄膜の形成方法 | |
JP3099568B2 (ja) | チタン酸鉛薄膜の製造方法 | |
JP3099567B2 (ja) | チタン酸ジルコン酸鉛薄膜の製造方法 | |
JP3694901B2 (ja) | 弗素含有金属酸化物被膜及び金属酸化物被膜の製造方法 | |
JP3438509B2 (ja) | セラミックス薄膜及びその製造方法 | |
US3455724A (en) | Processes of preparing vanadium suboxide coatings | |
JP3040004B2 (ja) | 鉛系複合ペロブスカイト型酸化物薄膜の製造方法 | |
JPH0770747A (ja) | 高純度誘電体薄膜形成用ターゲット材 | |
RU2159159C2 (ru) | Способ получения пьезоэлектрической пленки | |
JPH06211523A (ja) | チタン金属とチタン酸ジルコン酸鉛膜を含む複合体の製造方法及び複合体 | |
JPH08330179A (ja) | セラミックコンデンサ | |
JPH0674173B2 (ja) | チタン酸ジルコン酸鉛の製造方法 | |
JP3195827B2 (ja) | 基板上に強誘電体チタン酸ビスマス層を製造する方法 | |
JP3111565B2 (ja) | ジルコン酸鉛膜の形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010515 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080615 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090615 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 11 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615 Year of fee payment: 11 |