JP3198068B2 - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JP3198068B2
JP3198068B2 JP08799097A JP8799097A JP3198068B2 JP 3198068 B2 JP3198068 B2 JP 3198068B2 JP 08799097 A JP08799097 A JP 08799097A JP 8799097 A JP8799097 A JP 8799097A JP 3198068 B2 JP3198068 B2 JP 3198068B2
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capacitor
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昭 中山
芳樹 牧野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封口体を改良した高
信頼性電解コンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサは、陽極箔と陰極箔をセ
パレータ紙を介在させて巻回したコンデンサ素子に電解
液を含浸し、この電解液を含浸させたコンデンサ素子を
金属ケースに収納し、金属ケースを弾性封口体により密
封して形成されている。従来、電解コンデンサの電解液
としてはエチレングリコールを主溶媒としたものが広く
使われており、弾性封口体としては、天然ゴム(N
R)、スチレンブタジエン(SBR)、エチレンプロピ
レンターポリマー(EPT)等の素材のものが用いられ
てきた。
【0003】近年では、広温度範囲における信頼性が要
求されるようになり、電解液の溶媒も N,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)やγ−ブチロラクトン(GBL)
が使用されるようになってきている。ところが、DMF
やGBLは揮発性が高く、従来の弾性封口体では電解液
が蒸気として透過してしまうため、信頼性を維持できな
かった。そこで、より気密性の高いイソブチレン・イソ
プレンゴム(IIR)が使用されるようになった。しか
しIIRは耐熱性に問題がある。IIRの加硫方法とし
ては、イオウ加硫、キノイド加硫、樹脂加硫等があり、
このうちでは樹脂加硫のものが耐熱性において優れてい
るが、樹脂加硫IIRにおいても長時間高温中に放置す
ると軟化してきてしまうという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】最近ではIIRの耐熱
性を改善するために特開昭55−15862号公報に示
されているように、イソブチレン、イソプレン、ジビニ
ルベンゼンの3成分共重合体をポリマーとして過酸化物
加硫した架橋化IIRが提案されている。この架橋化I
IRは樹脂加硫のものに比べて耐熱性は良好である。し
かし、逆に最も重要な気密特性において劣るため、高温
長時間のコンデンサ試験を行うと電解液の透過散逸によ
る特性変化が大きくなってしまうという欠点があった。
また、高温長寿命用のコンデンサには電解液も高信頼性
のものを用いる必要があり、γ−ブチロラクトンと有機
酸の4級アンモニウム塩との組合せによる低比抵抗電解
液が使用されるようになってきている。しかし、この4
級アンモニウム塩を用いた電解液と、架橋化IIRによ
る封口体を組合せた電解コンデンサについては、高温で
の寿命試験を行うと、封口体のリード線貫通孔付近から
電解液が漏出してきてしまうという新たな問題点がみつ
かった。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、耐熱性、気密性および耐薬品性に優れた弾性
封口体を使用することにより、電解液の漏出を防止でき
る高信頼性電解コンデンサを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決する手段】上記目的による本発明では、電
解液を含浸したコンデンサ素子を金属ケースに収納し、
弾性封口体により密封した電解コンデンサにおいて、前
記電解液が、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、電解コ
ンデンサに使用した場合にアルカリ性を示すものであ
り、前記弾性封口体が、イソブチレン、イソプレンおよ
びジビニルベンゼンの3成分共重合体を主ポリマーと
し、それに少なくともマグネシアを主ポリマー100部
に対して1〜50部配合して過酸化物加硫した素材のも
のであることを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。イソブチレン、イソプレン、ジ
ビニルベンゼンの3成分共重合体をポリマーとして過酸
化物加硫すると、ジビニルベンゼンの二重結合が解けて
C−Cボンドの架橋を形成するので従来の単なるIIR
よりも耐熱性が向上する。この架橋化IIRにマグネシ
ア(MgO)を配合すると、加硫促進剤として作用し、
架橋密度が上がるので気密性を改良することができる。
また、マグネシアの量が多くなると充填剤的な働きをす
るので、ゴム硬度を上昇させることができる。
【0008】4級アンモニウム塩を使った電解液と接す
ると架橋化IIRであっても膨潤して気密性が低下し、
長時間のコンデンサ寿命試験を行うとリード線貫通孔付
近から電解液が漏出することがあった。γ−ブチロラク
トンを主溶媒とし、有機酸の4級アンモニウム塩を溶質
とする電解液は、電解コンデンサに使用した場合にアル
カリ性を呈するが、上記電解液の漏出対策として、発明
者らは、このアルカリ性の電解液に対して封口体をアル
カリ性にすれば、電解液から封口体への攻撃が低減さ
れ、もって電解液の漏出を防止できることを発見した。
マグネシアの配合は前述の作用の他に架橋化IIRをア
ルカリ性にする作用も奏するので、本発明によれば耐熱
性、気密性および耐薬品性の良好な弾性封口体を提供す
ることができる。実際に2gのゴムを粉末にし100g
の純水に浸漬して30分沸騰水抽出した後のpHを測定
すると、マグネシア未配合のものが6.78に対して、
ポリマー100部に対してマグネシア10部配合したも
のは9.99であった。
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。 〔実施例1〕イソブチレン、イソプレン、ジビニルベン
ゼンの3成分共重合体からなるポリマー100部に対
し、マグネシアを2部配合し、ジクミルパーオキサイド
により過酸化物加硫してIIRゴムを作製した。 〔実施例2〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア5部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔実施例3〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア10部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔実施例4〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア20部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔実施例5〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア30部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔実施例6〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア40部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔実施例7〕実施例1と同様にして、ポリマー100部
に対してマグネシア50部を配合しIIRゴムを作製し
た。 〔従来例1〕イソブチレン、イソプレン、ジビニルベン
ゼンの3成分共重合体からなるポリマーをジクミルパー
オキサイドにより過酸化物加硫してIIRゴムを作製し
た。 〔従来例2〕イソブチレン、イソプレンポリマーをアル
キルフェノールホルムアルデヒド樹脂により加硫してI
IRゴムを作製した。
【0010】
【表1】
【0011】第1表に作製したIIRゴムの配合および
物性を示した。硬度はJIS K6301のスプリング
式硬さ試験A形により測定し、圧縮永久歪はJIS K
6301の圧縮永久歪試験に準ずる試験片を25%圧縮
した後、100℃の恒温槽中に70時間放置し、次式に
より計算した。
【数1】 ここでtθは試験片の原厚、t1 は試験片の試験後の厚
さ、t2 はスペーサの厚さである。
【0012】第1表によるとマグネシア配合量を増加さ
せることによって、硬度が上昇することがわかる。硬度
が低いとコンデンサ製造時でのリード線のゴム通し工程
で不具合が生じたり、組立の際自動機によるゴムの搬送
に不具合を生じたりする。本発明によれば、マグネシア
を配合することにより硬度を高くできるのでコンデンサ
製造時の作業性を改善することができる。また、圧縮永
久歪については、樹脂加硫の従来例2に比べ過酸化物加
硫の従来例1および本発明実施例は値が低くなってい
る。この値が高いと、コンデンサ製造時に封口した際、
横絞りによる圧力が内側に伝わりにくく封口不良になる
恐れがあるので値は小さいほうがよい。本発明実施例は
マグネシア配合量を変化させても、従来例1と同等の値
を維持できることがわかる。次に実施例1〜7および従
来例1、2で作製したゴムを封口体に用いて、25V1
0μF(φ5mm×11mmL)のコンデンサを作製し
た。
【0013】
【表2】
【0014】この電解コンデンサでの105℃5000
時間の寿命試験を実施した。使用した電解液はγ−ブチ
ロラクトン100部に対し、フタル酸テトラメチルアン
モニウムを15部溶解したものであり、比抵抗100Ω
cmのものである。図1には作製したコンデンサの構造を
示す断面図を示した。1はコンデンサ素子、2は弾性封
口体、3は金属ケース、4はリード線である。第2表に
は5000時間後のコンデンサの重量減少量と電解液の
漏出状況を示し、図2には寿命試験中の重量変化を示し
た。
【0015】過酸化物加硫の従来例1は樹脂加硫の従来
例2より重量減少が大きい。すなわち、ガス透過量が多
くて気密性が悪いが、実施例1〜5までマグネシアの配
合量を増加させるに従って重量減少が改善される。しか
し、30重量部を超えると若干重量減少が大きくなる傾
向がみられる。また、電解液の漏出(液漏れ)について
は、従来例1および2では約半数が液漏れしたのに対
し、実施例1〜7では液漏れは発生しなかった。尚、第
2表には示していないが、マグネシア配合量が一部より
少ないと、液漏れに対する効果が低下してしまうので、
マグネシア配合量は1部以上であることが望ましい。
【0016】図3には寿命試験におけるtanδと容量
変化(ΔC)を示した。図2において重量減少の少ない
ものほど特性変化が小さいことがわかる。尚、マグネシ
アの配合量はゴムポリマー100部に対し、50部を超
えるとゴム製造時の加工性が悪くなり、気密性も低下し
てくるので、50部以下が望ましい。
【0017】以上本発明につき好適な実施例を挙げて種
々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を
施し得るのはもちろんである。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、γ
−ブチロラクトンを主溶媒とし、電解コンデンサに使用
した場合にアルカリ性を示す電解液に対して、封口体も
マグネシアを1〜50部配合してアルカリ性にすること
によって、電解液から封口体への攻撃を低減でき、もっ
て電解液の漏出を防止できる電解コンデンサを提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるコンデンサの断面図であ
る。
【図2】105℃5000時間寿命試験におけるコンデ
ンサ重量変化を示す図である。
【図3】105℃5000時間寿命試験におけるコンデ
ンサの特性変化を示す図である。
【符号の説明】
1 コンデンサ素子 2 弾性封口体 3 金属ケース 4 リード栓
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−194517(JP,A) 特開 平1−114030(JP,A) 特開 平1−114029(JP,A) 特開 昭64−37828(JP,A) 特開 昭61−252621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01G 9/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解液を含浸したコンデンサ素子を金属
    ケースに収納し、弾性封口体により密封した電解コンデ
    ンサにおいて、 前記電解液が、γ−ブチロラクトンを主溶媒とし、電解
    コンデンサに使用した場合にアルカリ性を示すものであ
    り、 前記弾性封口体が、イソブチレン、イソプレンおよびジ
    ビニルベンゼンの3成分共重合体を主ポリマーとし、そ
    れに少なくともマグネシアを主ポリマー100部に対し
    て1〜50部配合して過酸化物加硫した素材のものであ
    ることを特徴とする電解コンデンサ。
JP08799097A 1997-04-07 1997-04-07 電解コンデンサ Expired - Lifetime JP3198068B2 (ja)

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TWI319585B (en) 2002-11-08 2010-01-11 Nippon Chemicon Electrolytic condenser
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