JP3197985B2 - ヒータ制御装置 - Google Patents

ヒータ制御装置

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JP3197985B2
JP3197985B2 JP13191793A JP13191793A JP3197985B2 JP 3197985 B2 JP3197985 B2 JP 3197985B2 JP 13191793 A JP13191793 A JP 13191793A JP 13191793 A JP13191793 A JP 13191793A JP 3197985 B2 JP3197985 B2 JP 3197985B2
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  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Of Temperature (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、被加熱物の温度を検
出して該温度が許容範囲内に収まるように制御するヒー
タ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被加熱物の温度を検出して該温度が許容
範囲内に収まるようにヒータ制御装置を用いてヒータを
制御する場合に、被加熱物の温度管理上最も重要な部分
に出来るだけ近接してサーミスタ等の温度センサを設
け、フィードバックされた温度情報に応じてヒータを制
御することが望ましい。
【0003】しかしながら、温度センサを設けた測定点
は必ずしもヒータに近いとは限らず、例えば画像形成装
置のトナーを用紙上に熱定着する定着ローラの場合、最
も重要な表面温度を管理するために温度センサを定着ロ
ーラの表面に接触させて測定する一方、ヒータはローラ
表面を均一に加熱するため中心軸上に設けているよう
に、ヒータと温度センサとが離れている場合の方が多
い。
【0004】そのため、ローラ本体の熱伝導特性によっ
てヒータの出力変化と温度情報の変化との間に遅れが生
じ、フィードバック制御を行なうことにより熱伝導特性
による周期と、ローラの熱容量,ヒータの熱出力等によ
る振幅とをもった温度変化すなわち温度サイクルが発生
して許容範囲を外れることがある。
【0005】ヒータの出力を制御する方法の一つとし
て、測定温度が目標温度を超えるとヒータをオフし、目
標温度より下るとヒータをオンにするという温度サイク
ルに合せたオン/オフ制御は、構成も制御も簡単である
が温度振幅が大きく、許容範囲を広く設定しないと範囲
を外れることが多い。
【0006】そのため、例えば特開平4−119384
号公報に示されたように、ヒータオン時間の長い時は測
定温度を比較する基準となる設定温度を目標温度より低
く設定し、短かくなるにつれて設定温度を目標温度に近
づけることにより、オーバシュートを減少させる提案が
あった。
【0007】また、ヒータの出力を制御する他の方法と
して、測定温度と目標温度との差に応じてPID制御を
行なうことにより、温度振幅を抑制してオーバシュート
やアンダシュートを防止し、許容範囲を狹く設定した精
密な温度管理が可能な制御方法も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−119384号公報に示された提案はオーバシュー
ト減少には有効であっても、アンダシュートに対しては
効果がないから許容範囲を大幅に狹めることは出来なか
った。また、PID制御は性能の点で優れているが制御
が複雑であり、相当なコストアップを招くという問題が
ある。
【0009】さらに、いずれの場合でも計算の規準とな
る比例,微分,積分の各定数を決定するのに各構成部品
のバラツキも考慮しなければならず、各定数の最適値の
決定に多大の時間と人手を要し、例えば定着ローラの材
質や寸法を変更すると、その都度これらの定数を再決定
しなければならない。従って、多くの機種が生産されて
いる場合に、製造上あるいは保守のための管理が大変で
あり、そのコストも無視出来ないものがあった。
【0010】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、上述のようなヒータ制御装置が被加熱物の熱的
条件の変化に対しても安定かつ正確に動作し、しかもコ
ストが変らないことを目的とする
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、被加熱物の温度を検出して該温度が予め
設定した許容範囲内に収まるようにヒータに印加する最
大電圧,最大電流又は最大電力に対する印加電圧,印加
電流又は印加電力の比を制御するヒータ制御装置におい
て、許容範囲内に該許容範囲より狭く設定した適温域を
挾んで温度が適温域より高い高温域と低い低温域とに交
互にある状態の温度サイクルを繰り返している時に、温
度がそれぞれ高温域にある間を高温サイクル、該高温サ
イクルに続く適温域にある間を下降適温サイクル、低温
域にある間を低温サイクル、該低温サイクルに続く適温
域にある間を上昇適温サイクルとして、下降適温サイク
ル及び上昇適温サイクルの各持続時間である下降適温時
間及び上昇適温時間をそれぞれ検出する時間検出手段を
設け、それぞれ次のようにしたものである。
【0012】すなわち、高温サイクルとそれに続く下降
適温サイクルとからなる第1の制御サイクルにおける第
1の制御デューティを時間検出手段により検出された前
回の下降適温時間と前回の第1の制御デューティとに応
じて決定する第1のデューティ決定手段と、低温サイク
ルとそれに続く上昇適温サイクルとからなる第2の制御
サイクルにおける第2の制御デューティを時間検出手段
により検出された前回の上昇適温時間と前回の第2の制
御デューティとに応じて決定する第2のデューティ決定
手段とを設けたものである。
【0013】または、高温サイクル及び下降適温サイク
ルにおける高温制御デューティ及び下降制御デューティ
を時間検出手段により検出された前回の下降適温時間と
それぞれ前回の高温制御デューティ及び下降制御デュー
ティとに応じて決定する第3のデューティ決定手段と、
低温サイクル及び上昇適温サイクルにおける低温制御デ
ューティ及び上昇制御デューティを時間検出手段により
検出された前回の上昇適温時間とそれぞれ前回の低温制
御デューティ及び上昇制御デューティとに応じて決定す
る第4のデューティ決定手段とを設けてもよい。
【0014】さらに、上記のヒータ制御装置において、
第1,第2のデューティ決定手段によりそれぞれ決定さ
れた第1,第2の制御デューティ、或いは第3,第4の
デューティ決定手段によりそれぞれ決定された高温,下
降,低温,上昇の各制御デューティに応じて、ヒータに
印加する電圧,電流又は電力を制御するデューティ制御
手段を設けてもよい。
【0015】上記デューティ制御手段として、上記の各
制御デューティに応じてヒータに印加する電力を予め設
定した温度サイクルより十分短かいサイクルでオン/オ
フ制御するためのオン時間又はオフ時間を決定して制御
するオン/オフ制御手段を設けるとよい。あるいは、上
記デューティ制御手段として、上記の各制御デューティ
に応じてヒータに印加する交流電力の位相角を制御する
位相角制御手段を設けてもよい。
【0016】
【作用】この発明によるヒータ制御装置は、上述した構
成により、時間検出手段が下降適温時間及び上昇適温時
間をそれぞれ検出し、ヒータに印加する最大電圧,電流
又は電力に対する印加電圧,電流又は電力の比である制
御デューティについて、第1及び第2のデューティ決定
手段が、前回の第1及び第2の制御デューティを前回の
下降適温時間及び上昇適温時間に応じてそれぞれ修正す
ることにより、第1及び第2の制御サイクルにおける第
1及び第2の制御デューティを決定する。
【0017】あるいは、第3及び第4のデューティ決定
手段が、前回の高温,下降の各制御デューティ及び低
温,上昇の各制御デューティを前回の下降適温時間及び
上昇適温時間に応じてそれぞれ修正することにより、高
温,下降の各制御デューティ及び低温,上昇の各制御デ
ューティを決定する。
【0018】したがって、被加熱物の熱的条件が変化し
ても、許容範囲内に収まるまでの時間が多少変化するだ
けで安定かつ正確に動作し、さらに時間の経過と共に温
度サイクルの振幅が減少して許容範囲より狹く設定した
適温域に近づいてゆくという効果がある。しかも、当初
のプログラム作製の費用を除けば、コストアップの要因
がない。
【0019】さらに、上記のように各制御デューティが
決定されたことによりそれらの各制御デューティに応じ
て、デューティ制御手段がそれぞれ対応するサイクル毎
にヒータに印加する電圧,電流又は電力を制御する。ま
たは、オン/オフ制御手段がオン時間又はオフ時間を決
定して、ヒータに印加する電力を温度サイクルより十分
短かいサイクルでオン/オフ制御する。または、ヒータ
に交流電力を印加する場合には、位相角制御手段が交流
電力の位相角を制御する。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して具
体的に説明する。図1は、この発明によるヒータ制御装
置の一実施例の構成を示す図である。
【0021】図1に示したヒータ制御装置1は、デュー
ティ決定手段であり時間検出手段でもあるCPU2と、
CPU2が出力する制御デューティ信号に応じて電源3
から入力する直流又は交流電力のデューティを制御する
デューティ制御手段であるデューティ制御装置4とから
構成されている。
【0022】デューティ制御装置4によりデューティを
制御された電力は、被加熱物である定着ローラ5の中心
軸上にあるヒータ6に印加され、定着ローラ5を加熱す
る。矢示したように時計方向に回転する定着ローラ5の
表面に圧接するように固定的に設けられた温度センサ7
は、定着ローラ5の表面温度を検出し、温度信号をCP
U2に出力する。
【0023】定着ローラ5の材質は、肉厚が薄く熱伝導
特性が良過ぎると表面温度が均一にならず、悪過ぎると
ヒータ6の熱出力の変化に対する表面温度の変化の遅れ
が大きくなるので、適当な熱伝導特性が得られるように
肉厚に応じた熱伝導度のものが選択される。従って、検
出された表面温度の変化の遅れをあまり小さくすること
は出来ない。
【0024】また、遅れがあるため、定着ローラ5の熱
容量に対してヒータ6の熱出力が大き過ぎると温度サイ
クルの振幅が大きくなり、小さ過ぎると目標温度に到達
しない。従って、ヒータ6の熱出力すなわち印加電圧の
デューティを最適に制御しなければならない。そのた
め、CPU2は温度センサ7から入力する温度信号に応
じて制御デューティを決定する。
【0025】図2は、CPU2がデューティ決定手段と
して制御デューティを決定する第1実施例を示す線図で
あり、それぞれ時間を横軸にとって図2の(A)は定着
ローラ5の表面温度Cの温度サイクルの、同図の(B)
はヒータ6に印加される電力(電圧,電流でもよい)の
デューティのそれぞれ一例を示す。
【0026】図2の(A)は縦軸に温度をとり、目標温
度Ccをそれぞれ中心として許容範囲と、それより狹い
上限Ct,下限Cbの適温域が設定されている。図2の
(B)は縦軸に電力のデューティをとり、上限及び下限
をそれぞれ%表示で100及び0としている。
【0027】表面温度Cが適温域の下限Cb以下にある
低温サイクルの期間をTu、下限Cbを越えて上限Ct
に達する上昇適温サイクルの期間をTr、上限Ct以上
にある高温サイクルの期間をTo、上限Ctを切って下
限Cbに達する下降適温サイクルの期間をTfとし、T
oとTfとからなる第1の制御サイクル及びTuとTr
からなる第2の制御サイクルである期間をそれぞれTo
c及びTucとする。各期間毎にそれぞれ順に添字を付
して示す。
【0028】最初にヒータ電源をオンにして、表面温度
Cが上限Ctに達するまでの初期のTuc0は、CPU
2は制御デューティDを予めメモリしておいた第2の制
御デューティDuの初期値Du0=100として急速に
ヒートアップさせる。時間検出手段であるCPU2は温
度センサ7から入力する温度信号を検出して、表面温度
Cが下限Cbに達した時から時間Tr0のカウントを開
始する。
【0029】表面温度Cが上限Ctに達すると、CPU
2はカウントを停止してその値Tr0を上昇適温サイク
ル期間Trとしてメモリすると共に、制御デューティD
を予めメモリしておいた第1の制御デューティDoの初
期値Do0=0に切換えて、ヒータ6をオフにする。
【0030】次に、第2のデューティ決定手段であるC
PU2は、例えばTrとしてメモリされたTr0で予め
設定されていた修正定数Kuを割った値を、Duとして
メモリされていた初期値Du0から(=100)から減
算してDu1を計算し、次の第2の制御デューティDu
としてメモリする。
【0031】表面温度Cがオーバシュートしてピークに
達したのち下り始め上限Ctに達すると、CPU2は時
間のカウントを開始し、下限Cbに達するとカウントを
停止してその値Tf0を下降適温サイクル期間Tfとし
てメモリすると共に、制御デューティDを先にメモリし
た制御デューティDu1に切換えて、ヒータ6に印加す
る電力のデューティをアップする。
【0032】次に、第1のデューティ決定手段でもある
CPU2は、TfとしてメモリされたTf0で予め設定
されていた他の修正定数Koを割った値を、Doとして
メモリされていた初期値Do0(=0)に加えてDo1
を計算し、次の第1の制御デューティDoとしてメモリ
する。以下同様にして、順に制御サイクルTuc,To
cにおける制御デューティDu,Doが修正されてゆ
く。
【0033】一般に、予め修正定数Ku,Koを設定
し、制御デューティの初期値をDu0=100,Do0
=0としておいて、第nサイクルの上昇及び下降適温サ
イクルの期間Tr(n)及びTf(n)をカウントすれ
ば、次の第(n+1)サイクルの各制御サイクルTu
c,Tocにおける制御デューティDu(n+1),D
o(n+1)は数1により求められる。
【0034】
【数1】 Du(n+1)=Du(n)−Ku/Tr(n) Do(n+1)=Do(n)+Ko/Tf(n)
【0035】したがって、図2の(B)に示したよう
に、第1,第2の制御サイクルToc,Tucにおける
第1,第2の制御デューティDo,Duは、それぞれ0
及び100からスタートして、当初未知であった最適な
デューティDcに急速に近づいてゆく。それにつれて、
適温域に対するオーバシュート,アンダシュートの各ピ
ーク値と共に高温,低温サイクルの期間To,Tuが減
少し、上昇,下降適当サイクルの期間Tr,Tfが長く
なってゆく。
【0036】制御デューティDo,DuがDcに近づく
のに要する時間は修正定数Ko,Kuによって決まり、
修正係数が小さければ時間が延び、大きければ短かくな
るが、大き過ぎると修正過剰によるハンチングを起す恐
れがある。修正係数を過大に設定しなければ、定着ロー
ラ5やヒータ6等の製造上のバラツキはいうまでもな
く、熱的条件が相当異なる定着ローラに適用しても、多
少時間が変化するだけで他には問題がない。
【0037】いずれにしても、適当域は温度センサ7の
検出精度が許すかぎり許容範囲より狹く設定出来るか
ら、表面温度Cが繰返し高温域や低温域に出ていても、
許容範囲内に収まるまでの時間は遙かに短い。従って、
最適デューティDcに近づく時間に多少の変化があって
も問題にはならない。
【0038】図3は、CPU2が制御デューティを決定
する第2実施例を示す線図であり、図3の(A)及び
(B)は図2の(A)及び(B)にそれぞれ対応し、記
号もほぼ同一であるから詳しい説明は省略する。
【0039】図3に示した第2実施例が第1実施例と大
きく異なる所は、下降適温サイクルにおける下降制御デ
ューティ及び上昇適温サイクルにおける上昇制御デュー
ティを、それぞれ高温サイクルにおける高温制御デュー
ティ及び低温サイクルにおける低温制御デューティと分
離して、CPU2がそれぞれ独立に決定することであ
る。
【0040】一般に、予め修正定数Ku,Kr,Ko,
Kfを設定し、制御デューティの初期値をそれぞれ例え
ばDu0=100,Dr0=75,Do0=0,Df0
=25としておいて、第nサイクルの上昇及び下降適温
サイクルの期間Tr(n)及びTf(n)をカウント
し、次の第(n+1)サイクルの各サイクルにおける制
御デューティDu(n+1),Dr(n+1),Do
(n+1),Df(n+1)を数2により求める。
【0041】
【数2】 Du(n+1)=Du(n)−Ku/Tr(n) Dr(n+1)=Dr(n)−Kr/Tr(n) Do(n+1)=Do(n)+Ko/Tf(n) Df(n+1)=Df(n)+Kf/Tf(n)
【0042】このように、第3及び第4のデューティ決
定手段であるCPU2が、1温度サイクル内の4つの各
サイクルの制御デューティをそれぞれ互いに独立に修正
してゆくことにより、第1実施例よりも細かく温度を制
御することが出来る。
【0043】特に、各制御デューティがそれぞれ最適な
デューティDcに近づいて、高温,低温サイクルの期間
To,Tuが減少し、上昇,下降適温サイクルの期間T
r,Tfが長くなってゆくにつれて、長くなったTr,
Tfの制御デューティDr,Dfが重要になるから、第
1実施例よりも安定な動作が期待できる。例えば、コス
トが安く検出精度の低い温度センサ7を用いた場合や、
許容範囲が厳しく設定された場合等、許容範囲に比べて
適温域を余り狹く設定出来ない時には、第2実施例の効
果が大きい。
【0044】なお、第1及び第2実施例は、修正定数を
適温サイクルの時間で割って修正量を計算したが、この
発明はこの例に限定されるものではなく、時間が短かい
ほど修正量が大きく、長いほど小さくなるようにすれば
よい。例えば、時間の自乗あるいは平方根で修正定数を
割ってもよい。
【0045】図1に示したデューティ制御手段であるデ
ューティ制御装置4は、このようにして温度サイクルを
構成する各サイクル毎にCPU2が出力する制御デュー
ティに応じて、電源3から入力する直流又は交流電力の
電圧又は電流したがって電力を制御するものであり、電
圧又は電流をアナログ制御してもよく、図4に示すよう
に、電力をオン/オフ制御又は位相角制御してもよい。
【0046】図4の(A)に示した第1実施例であるデ
ューティ制御装置4aはFET10からなり、そのゲイ
トにはCPU2から出力される制御デューティ信号であ
る温度サイクルより十分短かいサイクルで制御デューテ
ィに応じてオンデューティが変化する駆動パルスが抵抗
R1を介して入力する。FET10のソース及びドレイ
ンには、直流電源3aとヒータ6との直列回路が接続さ
れ、ゲイトに入力する駆動パルスに応じて直流電力をオ
ン/オフ制御することによりオン/オフ制御手段として
作用する。
【0047】図4の(B)に示した第2実施例であるデ
ューティ制御装置4bは、ゼロクロス検出回路11とト
ライアック12とにより構成され、ゼロクロス検出回路
11は交流電源3bから供給される交流電圧のゼロクロ
ス点を検出してCPU2に出力し、トライアック12は
CPU2から出力される制御デューティ信号であるトリ
ガパルスに応じて、半サイクル毎にヒータ6に供給され
る交流電力をオンにする。
【0048】デューティ制御装置4bがオン/オフ制御
手段として作用する場合は、交流半サイクルが温度サイ
クルに比べて極めて短かいから、CPU2は連続する半
サイクル何個分かだけオンになるようにそれぞれゼロク
ロスから殆んど位相差のないタイミングでトリガパルス
を出力し、それに続く半サイクル何個分かだけオフにな
るようにトリガパルスを出力しない。
【0049】CPU2が制御デューティに応じて、それ
ぞれ半サイクルのオンにする個数とオフにする個数とを
決定することにより、デューティ制御装置4bは制御デ
ューティに応じた交流電力のオン/オフ制御を行なうこ
とになる。
【0050】デューティ制御装置4bが位相角制御手段
として作用する場合は、CPU2が交流半サイクル毎に
それぞれゼロクロスから制御デューティに応じて遅らせ
た位相でトリガパルスを出力し、トライアック12はト
リガパルスが入力してから次のゼロクロスまで交流電力
をオンにすることにより、交流電力の位相角制御が行な
われる。
【0051】図5は、負荷に印加する交流電力の位相角
制御手段を備えた負荷制御装置の一例の構成を示す回路
図である。図5に示した負荷制御装置20はCPU21
と、交流電源22が負荷23に印加する交流電圧のゼロ
クロスを検出するゼロクロス検出回路24と、位相角制
御手段である位相角制御回路25と、瞬時値検出手段を
構成する電圧検出回路26及び電流検出回路27とから
なっている。
【0052】CPU21は負荷23に印加する電圧又は
電流が、予め設定した一定の電圧値又は電流値になる
(定電圧制御又は定電流制御)ように、あるいは負荷2
3の状態を図示しないセンサ例えばヒータならば温度セ
ンサ、ランプならばフォトセンサ等により検出して、そ
の状態を一定に保つために修正した電圧値又は電流値に
なる(定状態制御)ように、位相角制御のタイミングを
決定すると共に異常判定手段としても作用する。
【0053】位相角制御回路25は、メインのトライア
ック30と、トライアック30をトリガするための発光
部31aと双方向受光部31bからなるフォトトライア
ック31と、抵抗,コンデンサからなるサージアブソー
バ32と、抵抗R2,R3やチョークコイルL,コンデ
ンサCやフューズFuとにより構成されている。
【0054】ゼロクロス検出回路24が検出した交流電
圧半サイクル毎のゼロクロスから、CPU21が位相差
制御のためのタイミングをとってトリガ信号が出力され
ると、フォトトライアック31の発光部31aが発光
し、その光を受けて双方向受光部31bがオンに反転す
る。
【0055】トライアック30がオンになるまでは負荷
23に電流が流れないから、トライアック30の両端子
間には交流の電圧瞬時値がそのまま印加されているが、
フォトトライアック31の双方向受光部がオンになった
時に、電圧瞬時値が抵抗R2,R3で分圧されてトライ
アック30のトリガ端子に印加されるから、トライアッ
ク30がオンに反転して位相差制御された交流電力が負
荷23に印加される。
【0056】電圧検出回路26は、1次側が負荷23に
並列に接続されたトランスTと、ブリッジ整流回路DB
1と、抵抗R4,R5からなる分圧器とにより構成され
ている。負荷23の端子間電圧はトランスTにより変圧
され、ブリッジ整流回路DB1で整流されたのち抵抗R
4,R5により分圧されて、CPU21のアナログ入力
端子に入力する。
【0057】電流検出回路27は、負荷23に直列に接
続された電流検出用の抵抗R6と、ブリッジ整流回路D
B2と、発光部33a,受光部33bからなるフォトカ
プラ33と、発光部33aと直列回路を形成してブリッ
ジ整流回路DB2の出力側に接続される抵抗R7と、受
光部33bと直列回路を形成する抵抗R8とにより構成
されている。
【0058】負荷23に流れる電流に応じて抵抗R6の
両端子間に発生した電圧は、ブリッジ整流回路DB2で
整流されたのち抵抗R7を介してフォトカプラ33の発
光部33aを発光させる。その発光量に応じてフォトカ
プラ33の受光部33bを流れる電流による抵抗R8の
端子間電圧は、CPU21の他のアナログ入力端子に入
力する。
【0059】電圧検出回路26,電流検出回路27と共
に瞬時値検出手段を構成するCPU21は、予め交流電
源22から入力する交流電力のサイクルより十分短かく
設定したサイクルで電圧検出回路26,電流検出回路2
7から入力している電圧値,電流値をサンプリングして
A/D変換し、それぞれ電圧瞬時値,電流瞬時値として
メモリする。
【0060】このように構成された負荷制御装置20に
よって負荷23に印加される電力を制御する場合に、考
えられる異常は以下に示すA,B,C,Dに大別され
る。即ち、〔A〕負荷23の断線(接触不良を含む)、
〔B〕負荷23のショート(配線ショートを含む)、
〔C〕トライアック30の不作動(オンにならない、フ
ォトトライアック31等トリガ系の故障を含む)、
〔D〕トライアック30のショートの4種類である。
【0061】
【表1】
【0062】表1は、電力オフ(通電抑制)又はオン
(通電)の状態で電圧瞬時値(V)又は電流瞬時値
(I)を検出値とした場合に、それぞれ〔A〕負荷断
線,〔B〕負荷短絡,〔C〕TR(トライスタ)オフ,
〔D〕TR短絡の異常が発生した時の検出値の状態を、
正常な場合〔N〕の検出値の状態と比較して示した表で
ある。なお、Vn及びInは電力オンで正常な時に検出
される電圧瞬時値及び電流瞬時値である。
【0063】すなわち、電力オフの時に、〔N〕正常で
あればV,Iはそれぞれ殆んどゼロであるが、異常原因
が〔A〕であれば、トライアック30のオフ時のインピ
ーダンスに比べても負荷のインピーダンスが遙かに大き
くなるためV≒VnでI=0になる。また、原因が
〔B〕であればV=0でI≒0になる。原因が〔C〕で
あればV,Iはそれぞれ殆んどゼロであり、原因が
〔D〕であれば、V,Iとも電力オンの時と同様にそれ
ぞれVn,Inになる。
【0064】一方、電力オンの時に、〔N〕正常であれ
ばV,IはそれぞれVn,Inであるが、原因が〔A〕
であればV=VnでI=0になり、原因が〔B〕であれ
ばV=0でIは重大事故を招くほど過大になる。原因が
〔C〕であればV,Iとも殆んどゼロになり、原因が
〔D〕であればV,IはそれぞれVn,Inになる。
【0065】図6及び図7は、それぞれ表1に示した電
力オフ及び電力オン(トリガ位相角0,デューティ10
0%)の時の〔N〕正常な場合、並びに〔A〕負荷断
線,〔B〕負荷短絡,〔C〕TRオフ,〔D〕TR短絡
の異常が発生した場合の、それぞれ電圧瞬時値V,電流
瞬時値Iの検出値の一例を示す波形図である。
【0066】図6及び図7に示した検出値は、V,Iい
ずれもブリッジ整流回路DB1,DB2により両波整流
されて正の値になっている。なお、一部の図において破
線で示した波形は、図7の〔N〕に示したVn又はIn
である。また、≒0(殆んどゼロ)の波形は、眞のゼロ
と区別するため、やや誇張して示したものである。
【0067】
【表2】
【0068】表2は、表1に示した検出値が得られた場
合に、それから異常が検出出来るか否か、異常を検出し
た場合にその原因が特定出来るか否かを示す表であり、
電力オフ又はオンの状態で、或いはオフ及びオンの状態
を参照して、それぞれV又はIあるいはV及びIの検出
値を用いた場合について示している。
【0069】表2において、×は正常状態と全くあるい
は殆んど同じで異常を検出出来ない場合、二重丸は異常
を検出して原因も特定出来る場合である。乃至は異
常は検出出来るが原因が特定出来ない場合で、それぞれ
原因がは〔A〕か〔D〕か、は〔B〕か〔C〕か、
は〔A〕か〔C〕かであることは分るが、そのいずれ
であるか特定出来ない場合である。
【0070】すなわち、電力オフの時に、Vだけを検出
すれば〔B〕又は〔C〕による異常を検出出来ず、
〔A〕又は〔D〕による異常は検出出来るがいずれが原
因であるか特定出来ない。Iだけを検出すれば〔A〕又
は〔B〕又は〔C〕による異常を検出出来ず、〔D〕に
よる異常だけ検出するから原因特定は可能である。V及
びIを検出すれば〔A〕又は〔D〕による異常を検出し
て原因を特定出来るが、〔B〕又は〔C〕による異常は
検出出来ない。
【0071】また、電力オンの時に、Vだけを検出すれ
ば〔A〕又は〔D〕による異常を検出出来ず、〔B〕又
は〔C〕による異常は検出出来るが原因の特定は出来な
い。Iだけを検出すれば〔A〕又は〔B〕又は〔C〕に
よる異常を検出することが出来、特に〔B〕による異常
ははっきり特定することが出来るが、〔A〕又は〔C〕
による異常の原因は特定出来ず、〔D〕による異常は検
出出来ない。V及びIを検出すれば、〔A〕乃至〔C〕
による異常の検出と原因の特定は出来るが、〔D〕によ
る異常はやはり検出出来ない。
【0072】したがって、従来のように電力オフ又は電
力オンの状態で異常の有無を検出すれば、電力オフの時
であれば電圧瞬時値Vをチェックすることにより〔A〕
の負荷断線と〔D〕のトライアックショートによる異常
は検出出来、さらに電流瞬時値Iもチェックすればその
原因を特定出来るが、〔B〕の負荷ショートと〔C〕の
トライアックオフによる異常は検出も出来ない。
【0073】また、電力オンの時であれば電流瞬時値I
をチェックすることにより、〔B〕による異常検出と原
因特定及び〔A〕又は〔C〕による異常検出が可能であ
り、電圧瞬時値Vもチェックすれば〔A〕又は〔C〕の
原因特定も可能になるが、〔D〕のトライアックショー
トによる異常は検出も出来ない。
【0074】図8は、電圧瞬時値V及び電流瞬時値Iの
サンプリングの一例を示す波形図であり、図8の
(A),(B)は、それぞれCPU21が出力するトリ
ガ信号とCPU21が瞬時値を検出するタイミングを示
し、同図の(C)は、電圧瞬時値V又は電流瞬時値Iを
示している。
【0075】すなわち、負荷23に或るデューティで電
力を印加している時に、CPU21は交流電力のサイク
ルより十分短かいサイクルで電圧瞬時値V及び電流瞬時
値Iを検出する。次にCPU21は、トライアック30
の通電抑制サイクル中(トリガ信号の前)及び通電サイ
クル中(トリガ信号の後)のサンプルのうちのそれぞれ
1個(又は数個)を選択し、電力オフ及びオン時のサン
プルとしてそれぞれのタイミングにおけるVn,Inと
比較して異常の有無及び異常があればその原因特定の判
別を行なう。
【0076】いうまでもなく、Vn,Inはサンプリン
グのタイミングの関数であるから、タイミングに応じた
Vn,Inを予め計算した表を記憶しておき、V及びI
がそれぞれピークになるタイミング(負荷がヒータ,ラ
ンプ等リアクタンス分を含まない場合はゼロクロスから
90°遅れ)の近傍、さもなければトリガ信号になるべ
く近いタイミングでサンプルを採り、表からVn又はI
nをサーチする。
【0077】あるいは、負荷に実際上の最大(又は最
小)デューティ電力が印加される時のトリガ信号の前
(又は後)に電力オフ(又はオン)時のサンプリングタ
イミングを設定すると共に、各タイミングにおけるV
n,Inを計算しておいて、サンプリングされたV,I
とVn,Inとを比較するようにしてもよい。
【0078】表2に示した電力オフ&オンの欄は、この
ようにして電力オフ(通電抑制サイクル)及び電力オン
(通電サイクル)の時にサンプリングされた検出値によ
って総合判定した場合の結果を示したものである。
【0079】すなわち、電圧V又は電流Iのいずれかを
検出した場合でも、〔A〕乃至〔D〕の原因のうちのい
ずれかによって異常が発生すれば、すべて検出すること
が出来る。Vだけを検出すれば、原因が又はである
ことは分るが、〔A〕か〔D〕か又は〔B〕か〔C〕か
を特定することは出来ない。Iだけを検出すれば、原因
が〔B〕又は〔D〕であればいずれかを特定することが
出来、あるいは〔A〕か〔C〕かを特定出来なくても、
であることは分る。
【0080】このように、電圧V又は電流Iのいずれか
一方を検出しただけでも異常はもれなく検出することが
出来る。電圧Vを検出すれば、個々の原因までは特定出
来なくとも、原因がかかは分るから全くどれが原因
か分らない場合に比べれば事後の対策は遙かに簡単にな
る。
【0081】特に電流Iを検出すれば、重大事故を招き
易い負荷又はトライアックのショートによる異常の原因
は特定出来るから、事後の対策を迅速に行なうことが出
来る。また、原因がであっても、〔A〕負荷断線の有
無は容易にチェック出来るから、オペレータ又はサービ
スマンは簡単に〔A〕か〔C〕かを特定することが出来
る。
【0082】さらに、電圧V及び電流Iを共に検出すれ
ば、〔A〕乃至〔D〕の原因のうちのいずれかによって
発生した異常は、表2の最下段に示したように、すべて
検出すると共にその原因を特定することが出来るから、
その効果は極めて大きい。この場合に、電圧Vと電流I
のサンプリングが同時である必要はないから、交互にサ
ンプリングするとよい。
【0083】以下、図5に示した回路図を用いて、負荷
制御装置の他の例について説明する。この例はCPU2
1の作用が異なるだけで、回路自体は変らない。したが
って、符号は上記の例と同一であり、個々の回路及び素
子についての詳しい説明は省略する。
【0084】CPU21は共に検出手段を構成する電圧
検出回路26,電流検出回路27からそれぞれフィード
バックされた電圧値,電流値をサンプリングして得られ
た電圧瞬時値,電流瞬時値又はその積である電力瞬時値
を、交流半サイクル毎に積分してそれぞれ平均的な電圧
値,電流値又は電力量としてメモリする。
【0085】また、CPU21はメモリされた電圧値又
は電流値が、予め設定した値又は負荷の状態に応じて修
正された値からズレた場合に、位相角制御のタイミング
即ち位相角を変える。この時に、計算する手段であるC
PU21は、旧位相角とその変化分又は新位相角から位
相角が変った後の電圧値,電流値又は電力量を計算して
予測し、あるいは新旧の電圧値,電流値,電力量の差を
とってそれらの変化分を求める。
【0086】次に、異常判別手段であるCPU21は、
位相角が変った後に検出された電圧値,電流値又は電力
量あるいはそれらの変化分と、対応するそれぞれの予測
値とを比較する。比較すべき項目は上記のすべて(6項
目)である必要はなく、そのうちの1項目又は2項目で
もよい。
【0087】比較した結果、検出された値とその予測値
との差がそれぞれの項目について予め設定した許容誤差
内であれば正常であると判別する。検出された値が予測
値からの許容誤差範囲を超えて小さいか大きければ異常
発生と判別する。
【0088】
【表3】
【0089】表3は、電力オンの状態でそれぞれ平均値
な電圧値V,電流値I,電力量Pを検出値(Y)とした
時に、表1に示した〔N〕及び〔A〕乃至〔D〕による
異常に検出回路の異常が発生した検出異常〔E〕を加え
て、検出値の状態を示した表である。
【0090】なお、各検出値(予測値もほぼ同じ)の変
化分は、それぞれの検出値と同じ傾向を示すので省略し
ている。また、Vn,In,Pn及びVmx,Imx,
Pmxは、それぞれ正常な状態〔N〕における現在の位
相角(又はデューティ)及び位相角ゼロ(デューティ1
00%)の時の平均的な電圧値V,電流値I,電力量P
を示している。
【0091】表3に示した検出値の状態が表1に示した
電力オンの場合と異なる所は、主として表1が瞬時値で
あるのに表3は平均値であることによるものであり、例
えば〔A〕負荷断線による電圧値V及び〔D〕TR短絡
による電圧値V,電流値Iは、通電サイクル中の瞬時値
はVn,Inであるが、平均値は通電抑制サイクル中の
瞬時値も積分するため、原因が〔A〕ならばVn<V<
Vmxであり、〔D〕ならばVmx,Imxになる。
【0092】
【表4】
【0093】表4は、表3に示した各検出値の状態を参
照して、検出値YをそれぞれV,I,Pとした場合に検
出された状態から考えられる原因をリストアップしたも
のであり、それぞれY≒0,Y≒Yn,Y≒Ymxと各
中間及びY>Ymxとに分けて示している。
【0094】表4から明らかなように、電圧値V,電流
値I,電力量Pのいずれの1個だけを検出値Yとして
も、Y≒Ynの場合だけが正常であり、原因が〔A〕乃
至〔E〕のいずれかである異常が発生すれば、原因の特
定は別として、すべて異常と判別することが出来る。
【0095】〔E〕検出異常は、Y≒Yn以外のすべて
の場合にその原因の一つと考えられるから、他の原因よ
りも特定が難かしい。しかしながら、電圧値V及び電流
値Iを共に検出値とすれば、電圧検出回路26と電流検
出回路27とが同時に異常になることは殆んど考えられ
ないから、いずれか一方が正常であれば他の検出が異常
と判別出来る。
【0096】すなわち、V≒VnでI≠In又はI≒I
nでV≠Vnであれば、それぞれ電流検出回路27又は
電圧検出回路26が異常であると特定することが出来、
V≠VnでI≠Inであれば検出回路以外の異常と判別
して、表4から〔E〕を除いて考えることが出来る。
【0097】表4から〔E〕を除いた後、I>Imxで
あれば原因を〔B〕負荷短絡と特定し、さもなければ
〔B〕でないと判別して、表4から〔B〕を除く。次
に、V≒0であれば原因は〔C〕TRオフと特定し、さ
もなければ表4から〔C〕も除く。次に、I≒0であれ
ば原因は〔A〕負荷断線、V≒Vmx又はI≒Imxで
あれば原因は〔D〕TR短絡とそれぞれ特定することが
出来る。
【0098】図9は、以上説明した異常発生の検出とそ
の原因特定のルーチンをサブルーチン形式で示すフロー
図であり、ステップ番号はSを付して示している。図9
に示したルーチンがスタートすると、先ずステップ1で
位相角が変更されたか否かを判定して否ならばリターン
し、変更されていればステップ2に進んでVn,Inの
予測値を計算する。
【0099】次にステップ3で電圧値V≒Vnであるか
否かを判定して否ならばステップ6にジャンプし、V≒
Vnであればステップ4に進んで、電流値I≒Inであ
るか否かを判定する。I≒Inであれば正常と判定して
リターンし、否ならばステップ5に進んで原因が〔E〕
検出異常のうち電流検出異常であると特定してステップ
17の異常処理にジャンプする。
【0100】ステップ3からステップ6にジャンプする
と、電流値I≒Inであるか否かを判定し、I≒Inで
あればステップ7に進んで原因が〔E〕検出異常のうち
電圧検出異常であると特定してステップ17にジャンプ
する。否ならばステップ8に進んでI>Imxであるか
否かを判定し、I>Imxであればステップ9に進んで
原因が〔B〕負荷短絡であると特定してステップ17に
ジャンプする。否であればステップ10に進む。
【0101】ステップ10ではV≒0であるか否かを判
定し、V≒0であればステップ11に進んで原因が
〔C〕TRオフであると特定してステップ17にジャン
プする。否であればステップ12に進んでI≒0である
か否かを判定し、I≒0であればステップ13に進んで
原因が〔A〕負荷断線であると特定してステップ17に
ジャンプする。否であればステップ14に進む。
【0102】ステップ14ではV≒Vmxであるか否か
を判定し、V≒Vmxであればステップ15に進んで原
因が〔D〕TR短絡であると特定してステップ17にジ
ャンプする。否であればステップ16に進んで、上記以
外の極めて稀である予想せざる原因であると判定してス
テップ17に進む。
【0103】ステップ17では、例えば各ステップで特
定された原因をエラーメッセージとして表示又はプリン
トアウトした後、原因に応じて負荷制御装置が含まれる
ホストマシンの停止、あるいは電源オフ等の異常処理を
行なって、重大事故の発生を防止する。
【0104】原因の特定は、このルーチン以外にも種々
考えられるが、このルーチンは表4に示した中間値とい
うようなあいまいな値を使うことなく、比較的はっきり
した値のみによって原因の特定を行なっているから、誤
まった原因を表示する恐れがない点で優れている。
【0105】以上説明したように、予測値を計算するこ
とはCPU21に負担をかけることにはなるが、電圧値
V又は電流値Iのいずれか一方を検出すれば、検出回路
の異常も含めた異常の発生を検出することが出来る。さ
らに、電圧値Vと電流値Iを共に検出すれば、異常検出
のみならずその原因をすべて特定することが出来る。
【0106】また、上記の例では電圧値,電流値の平均
値をCPU21の計算値で求めているが、例えば図5に
示した抵抗R5及びR8(又はR7)に並列にコンデン
サを設けることにより、検出時間は多少遅くなるが計算
によらずに平均値を求めることも出来る。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によるヒ
ータ制御装置は、被加熱物の熱的条件の変化に対しても
安定かつ正確に動作し、しかもコストが変らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるヒータ制御装置の一実施例の構
成を示す図である。
【図2】図1に示したCPUが制御デューティを決定す
る第1実施例を示す線図である。
【図3】CPUが制御デューティを決定する第2実施例
を示す線図である。
【図4】図1に示したデューティ制御装置の第1及び第
2実施例を示す回路図である。
【図5】負荷制御装置の一例の構成を示す回路図であ
る。
【図6】電力オフ時の正常及び異常があった場合の電
圧,電流の一例を示す波形図である。
【図7】電力オン時の正常及び異常があった場合の電
圧,電流の一例を示す波形図である。
【図8】電圧,電流の各瞬時値のサンプリングの一例を
示す波形図である。
【図9】異常検出及び原因特定のルーチンの一例を示す
フロー図である。
【符号の説明】
1 ヒータ制御装置 2 CPU(時間検出手段,第1乃至第4のデューティ
決定手段) 4,4a,4b デューティ制御装置(デューティ制御
手段,オン/オフ制御手段,位相角制御手段) 5 定着ローラ(被加熱物) 6 ヒータ 20 負荷制御装置 21 CPU(異常判定手段,計算する手段,異常判別
手段) 23 負荷 25 位相角制御回路(位相角制御手段) 26 電圧検出回路(瞬時値検出手段,検出手段) 27 電流検出回路(瞬時値検出手段,検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/20 G03G 15/20 G05D 23/00 - 23/32

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物の温度を検出して該温度が予め
    設定した許容範囲内に収まるように、ヒータに印加する
    最大電圧,最大電流又は最大電力に対する印加電圧,印
    加電流又は印加電力の比を制御するヒータ制御装置にお
    いて、 前記許容範囲内に該許容範囲より狭く設定した適温域を
    挾んで、前記温度が前記適温域より高い高温域と低い低
    温域とに交互にある状態の温度サイクルを繰り返してい
    る時に、前記温度がそれぞれ前記高温域にある間を高温
    サイクル、該高温サイクルに続く前記適温域にある間を
    下降適温サイクル、前記低温域にある間を低温サイク
    ル、該低温サイクルに続く前記適温域にある間を上昇適
    温サイクルとして、 前記下降適温サイクル及び前記上昇適温サイクルの各持
    続時間である下降適温時間及び上昇適温時間をそれぞれ
    検出する時間検出手段と、 前記高温サイクルとそれに続く前記下降適温サイクルと
    からなる第1の制御サイクルにおける第1の制御デュー
    ティを、前記時間検出手段により検出された前回の下降
    適温時間と前回の第1の制御デューティとに応じて決定
    する第1のデューティ決定手段と、 前記低温サイクルとそれに続く前記上昇適温サイクルと
    からなる第2の制御サイクルにおける第2の制御デュー
    ティを、前記時間検出手段により検出された前回の上昇
    適温時間と前回の第2の制御デューティとに応じて決定
    する第2のデューティ決定手段とを設けたことを特徴と
    するヒータ制御装置。
  2. 【請求項2】 被加熱物の温度を検出して該温度が予め
    設定した許容範囲内に収まるように、ヒータに印加する
    最大電圧,最大電流又は最大電力に対する印加電圧,印
    加電流又は印加電力の比を制御するヒータ制御装置にお
    いて、 前記許容範囲内に該許容範囲より狭く設定した適温域を
    挾んで、前記温度が前記適温域より高い高温域と低い低
    温域とに交互にある状態の温度サイクルを繰り返してい
    る時に、前記温度がそれぞれ前記高温域にある間を高温
    サイクル、該高温サイクルに続く前記適温域にある間を
    下降適温サイクル、前記低温域にある間を低温サイク
    ル、該低温サイクルに続く前記適温域にある間を上昇適
    温サイクルとして、 前記下降適温サイクル及び前記上昇適温サイクルの各持
    続時間である下降適温時間及び上昇適温時間をそれぞれ
    検出する時間検出手段と、 前記高温サイクル及び前記下降適温サイクルにおける高
    温制御デューティ及び下降制御デューティを、前記時間
    検出手段により検出された前回の下降適温時間とそれぞ
    れ前回の高温制御デューティ及び下降制御デューティと
    に応じて決定する第3のデューティ決定手段と、 前記低温サイクル及び前記上昇適温サイクルにおける低
    温制御デューティ及び上昇制御デューティを、前記時間
    検出手段により検出された前回の上昇適温時間とそれぞ
    れ前回の低温制御デューティ及び上昇制御デューティと
    に応じて決定する第4のデューティ決定手段とを設けた
    ことを特徴とするヒータ制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のヒータ制御装置に
    おいて、 前記第1,第2のデューティ決定手段によりそれぞれ決
    定された第1,第2の制御デューティ、或いは前記第
    3,第4のデューティ決定手段によりそれぞれ決定され
    た高温,下降,低温,上昇の各制御デューティに応じ
    て、前記ヒータに印加する電圧,電流又は電力を制御す
    るデューティ制御手段を設けたことを特徴とするヒータ
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のヒータ制御装置におい
    て、 前記デューティ制御手段として、前記第1,第2の制御
    デューティ或いは前記高温,下降,低温,上昇の各制御
    デューティに応じて、前記ヒータに印加する電力を予め
    設定した前記温度サイクルより十分短かいサイクルでオ
    ン/オフ制御するためのオン時間又はオフ時間を決定し
    て制御するオン/オフ制御手段を設けたことを特徴とす
    るヒータ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のヒータ制御装置におい
    て、 前記デューティ制御手段として、前記第1,第2の制御
    デューティ或いは前記高温,下降,低温,上昇の各制御
    デューティに応じて、前記ヒータに印加する交流電力の
    位相角を制御する位相角制御手段を設けたことを特徴と
    するヒータ制御装置。
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