JP3197025U - 固定子及び組立法 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却管をしっかりと取り付けることが可能になり、モータの作動中の騒音の発生及び破損の恐れが軽減される電動機固定子の固定子円板及び電動機の固定子を提供する。【解決手段】一組の凹部212A、212Bを備え、各凹部212A、212Bは、冷却管を受容するように構成されている。固定子円板200Aは、固定子円板を別の固定子円板と整列させるための1つ又は複数の位置決め部材218Aを備え、1つ又は複数の位置決め部材は、固定子円板200Aが別の相似形の固定子円板200Bに対して回転されて、円板200A、200Bの冷却管を受容する凹部212B、222Aが整列されると、2つの円板200A、200Bの位置決め部材218A、218Bが互いに部分的にのみ整列されるように、固定子円板200Aに配置されている。【選択図】図2
Description
本考案は、電動機に関するものであり、具体的には固定子の冷却に関するものである。
電動機(電動モータ)において、回転可能な回転子(ロータ)が、固定された固定子(ステータ)の内部/周囲に配置される。軸受内の摩擦力のような回転に関連する機械損、巻線の抵抗を貫流する電流の影響を受ける銅損、及び磁束によって生じる鉄損は、作動中の発熱の原因になる。過熱を避けるため、及びモータの効率を向上させるために、モータの冷却手段を備える必要がある。
モータを冷却するために、液体冷却及び/又は気体冷却を用いることができる。米国特許出願公開第2009/0160269号明細書には、冷却管を固定子に配置する方法が開示されている。
冷却手段の配置における課題は、冷却管を適切に取り付ける方法であり、モータが作動しているときの騒音及び管の破損を避けるために、冷却管を適切に取り付ける必要がある。
固定子の溝に冷却管を固定するために、接着剤を使用することが知られている。しかし、接着剤は、冷却管と固定子との間の金属接触を破壊するか、又は少なくとも弱めるため、冷却効果が低下する。
冷却流路をモータの本体に直接鋳造することも知られている。しかし、そのような解決法は、費用効率が良くない。
したがって、本考案の目的は、上述の欠点を軽減するために、方法及びその方法を実行するための装置を提供することである。
本考案の目的は、独立請求項で述べていることによって達成される。本考案の好ましい実施例は、従属請求項で開示される。
本考案により、冷却管を電動機の固定子にしっかりと取り付けることが可能になり、それによって、モータの作動中の騒音の発生及び破損の恐れが軽減される。
以下において、本考案を、添付の図面を参照しながら好ましい実施例を用いてより詳細に説明する。
図1は、従来技術の固定子100を示す。固定子内には、スロット102が備えられ、周囲に導線が巻回されて巻線を形成するようになっている。巻線に回転する電力が与えられると、かご形巻線及び/又は永久磁石を備える回転子を回転させる、回転磁界が得られる。
固定子は、固定子円板を含む固定子セグメント106が積層されて構成されている。例えば溶接によってセグメントを互いに付着させるために、帯104を備えることもできる。図1の固定子は、冷却手段と関連付けられていない。
図2は、固定子セグメント又は円板が積層された200A、200Bなどの、固定子200の冷却の一実施例を示す。固定子は、好ましくは互いに相似形の、数十又は数百の固定子円板を備えることができる。
図2において、U字状の凹部212が、固定子円板200A、200Bの外縁部に設けられている。各凹部に対して、液体又は気体などの冷却媒体を搬送するために、冷却管214が設置される。この図はまた、それぞれの円板200A、200Bの位置決め部材218A、218Bも示している。この図において、凹部212A及び212Bは、互いに対応している。すなわち、これらの凹部が互いに整列されると、2つの円板200A、200Bは、互いに完全に整列される。2つの円板が互いに完全に整列されると、2つの円板の全ての位置決め部材もまた、互いに完全に整列される。
図2の状態において、円板200Bは、相互に対応する凹部212A及び212Bが互いに整列されなくなるように、反時計方向に回転される。しかし、凹部212Bは、円板200Aの次の凹部、すなわち222Aと整列されるようになる。凹部212B及び222Aが互いに整列されると、2つの凹部及び他の固定子円板の対応する凹部によって形成される一直線の冷却流路に、冷却管を設置することが可能になる。
全ての冷却管が、円板の凹部によって形成されるそれぞれの冷却流路に設置されると、円板の相互の位置決めが開始される。位置決めに先立って、位置決め部材218A、218Bは、互いに整列されなくなる。また、固定子円板の巻線スロットも、互いに整列されなくなる。図2は、それぞれの円板200A及び200Bの2つの対応するスロット216A及び216Bを示し、この2つのスロットは、管220が冷却流路に設置されると、整列されなくなる。
位置決めを行うために、位置決め帯224のような位置決め構成材が、位置決め部材に突き当てられる。このことは、位置決め部材218A、218Bが互いに整列され、また巻線スロット216A、21Bも互いに整列されるという効果を有する。
しかし、回転に先立って互いに整列されていた凹部212B及び222Aは、互いに整列されなくなる。次いで凹部は、冷却流路に設置された冷却管220を押圧する。この押圧は、冷却管を押しつける方向を示す凹部の矢印で、図2に示される。例えば、凹部222Aが、管を右に押しつける一方で、円板200Bの凹部212Bは、管220を左に押しつける。このようにして、隣接する円板は、円板に反対向きの力を作用させ、それによって管220を所定の位置にしっかりと保持する。
図2が1つの実行方法のみを開示することは明らかであり、開示された多くの特徴は、代替的方法によって実行することができる。例えば、円板を互いに積層するときには、円板の相互の回転を幾つかの方法によって実行することができる。例えば、1つおきの円板が、同じように回転してもよい。したがって、奇数の円板が回転されないままで、偶数の円板が、図2の円板200Bの事例のように、1つの凹部の間隔の角度で反時計方向に回転されてもよい。回転角度はまた、180度又は他の幾らかの適切な角度であってもよい。さらに、回転は、一度に1つの円板ずつ実行される必要はない。或いは、例えば、隣接した5つの円板のような、円板の積層部分(sub−stack)を、同じように回転させてもよい。次の5つの円板を同じように回転させてもよく、以下同様に続く。
各凹部212A及び212Bなどは、固定子円板の外縁をくぼませて設けられる必要はない。或いは、冷却管を受容するための凹部は、円板上の貫通孔であってもよい。その場合、位置決め構成材は、円板の孔に適合するピンであってもよい。またその場合、図2の実施例のように、位置決め構成材は、位置決め構成材を位置決め部材に押しつけて、円板の回転が各円板の整列を達成させることが可能になるように、くさび形状の頭部を有することが好ましい。
固定子円板は、固定子円板を別の固定子円板と整列させるための1つ又は複数の位置決め部材を備え、この1つ又は複数の位置決め部材は、固定子円板が別の相似形の固定子円板に対して回転位置に配置されて、冷却管を受容するための円板の凹部が整列されるときに、2つの円板の位置決め部材が互いに部分的にのみ整列されるように、固定子円板に配置されている。本明細書の「回転位置」は、円板が他の円板と完全には整列されていない状態を意味する。完全に整列された状態では、全ての凹部及び位置決め部材が、互いに整列される。しかし、「回転位置」は、冷却管が凹部に設置されうるように、円板の凹部が整列されることを必要とする。さらに、円板の位置決め部材は、完全には重なり合わず、位置決め部材を整列させるために位置決め構成材が円板の位置決め部材に入れられうるように重なり合う。
位置決め構成材が位置決め部材に入れられた後でこの状態を検証すると、円板内の位置決め部材は、固定子円板が別の相似形の固定子円板に対する回転位置に配置されたときに、各円板の巻線スロットが互いに整列され、冷却管が凹部内に設置され、冷却管を受容している相互に回転された各円板の凹部が冷却管を原則的に反対向きに押圧するように、配置される。
図3には、方法の一実施例を示す。
ステップ300において、固定子に対し積層されるべき複数の相似形の固定子円板が用意される。各固定子円板において、位置決め部材の分布に少なくとも幾らかの不均一性又は非対称性がある。このことにより、2つの相似形の円板を選んだ場合、限られた数の回転位置でのみ、各円板の全ての位置決め部材が互いに完全に整列されることになる。この限られた数の位置は、各円板の位置決め部材の数よりも少ない。そのような回転位置は1つのみであることが好ましい。
ステップ302において、少なくとも幾つかの円板が、他の円板に対して回転される。この回転は、幾つかの方法で実行することができる。この回転は、円板ごとに実行されてもよく、又は円板の積層部分を回転させてもよい。例えば、積層部分は5つの円板を含んでもよい。第1の積層部分が1つの回転位置を有することになり、第2の積層部分が別の回転位置を有することになり、以下同様に続く。
ステップ304において、冷却管が、凹部内に設置される。この段階で、整列した凹部によって形成された冷却流路は、凹部内への冷却管の設置が容易になるように、一直線になる。冷却管が、相互に回転された円板の凹部内に設置されると、円板に設けられた位置決め部材は、互いにずらされるようになる。円板の巻線スロットもまた、この段階で互いにずらされる。
ステップ306において、円板の位置決め部材内に位置決め構成材が、設置される。このことにより、円板の位置決め部材が互いに整列されるようになり、また円板の巻線スロットも互いに整列されるようになる。
相互に回転された円板が、冷却管に反対向きの力を作用させることによって、凹部によって形成された冷却流路に管がしっかりと固定される、というさらなる効果を奏する。
技術が進歩するにつれて、本考案の概念が様々な方法で実行されうることが、当業者には明白であろう。本考案及びその実施例は、上述の実例に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の範囲内で変化しうる。
Claims (10)
- 一組の凹部(212)を備え、各凹部(212)が冷却管(214)を受容するように構成されている、電動機固定子の固定子円板であって、
前記固定子円板(200A)が、前記固定子円板を別の固定子円板と整列させるための1つ又は複数の位置決め部材(218A)を備え、
前記固定子円板(200A)が別の相似形の固定子円板(200B)に対して回転されて、前記固定子円板(200A、200B)の冷却管を受容する前記凹部(212B、222A)が整列されると、前記2つの円板(200A、200B)の前記位置決め部材(218A、218B)が互いに部分的にのみ整列されるように、前記1つ又は複数の位置決め部材が、前記固定子円板(200A)に配置されていることを特徴とする、固定子円板。 - 前記位置決め部材(218A、218B)が互いに整列されると、同一の冷却管(220)を受容している前記円板の凹部(212B、222A)の対が、前記冷却管(220)を原則的に反対向きに押圧することを特徴とする、請求項1に記載の固定子円板。
- 前記位置決め部材(218A、218B)が、前記固定子円板(200A、200B)の前記位置決め部材(218A、218B)を互いに整列させるための位置決め構成材(224)を受容するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の固定子円板。
- 前記固定子円板が、巻線スロット(102)を備え、2つの前記固定子円板が回転されたときに、前記巻線スロット(102)が、相似形の固定子円板の巻線スロットに対してずらされる一方で、前記円板の前記凹部が、冷却管を受容するために互いに整列されることを特徴とする、請求項1に記載の固定子円板。
- 前記冷却管(220)を受容するための前記凹部(222A)が、前記固定子円板(200A)の外縁の溝であることを特徴とする、請求項1に記載の固定子円板。
- 前記冷却管を受容するための前記凹部が、前記固定子円板の本体における貫通孔であることを特徴とする、請求項1に記載の固定子円板。
- 互いに積層されて固定子を形成する複数の相似形の固定子円板を備え、各固定子円板が一組の凹部を備え、各凹部が冷却管を受容するように構成されている、電動機の固定子であって、
各固定子円板(200A、200B)が、前記固定子円板(200A、200B)を互いに整列させるための1つ又は複数の位置決め部材(218A、218B)を備え、
2つの固定子円板が互いに回転されて、前記固定子円板(200A、200B)の冷却管(220)を受容する前記凹部(222A、212B)が整列されると、前記2つの固定子円板(200A、200B)の前記位置決め部材(218A、218B)が互いに部分的にのみ整列されるように、1つ又は複数の位置決め部材(218A、218B)が、前記固定子円板(200A、200B)に配置されていることを特徴とする、固定子。 - 前記位置決め部材(218A、218B)が、前記位置決め部材(218A、218B)に位置決め構成材(224)を貫入させて前記位置決め部材(218A、218B)を互いに整列させることが可能になるように、部分的に重なり合うことを特徴とする、請求項7に記載の固定子。
- 前記位置決め部材(218A、218B)を互いに整列させるために、前記位置決め構成材(224)が前記位置決め部材(218A、218B)に配置されるときに、相互に回転された前記固定子円板(200A、200B)の前記凹部(222A、212B)が、前記凹部の中に配置された前記冷却管(220)を原則的に反対向きに押圧するように構成されることを特徴とする、請求項8に記載の固定子。
- 前記位置決め構成材(224)を前記固定子円板(200A、200B)の前記位置決め部材(218A、218B)に配置するのに先立って、相互に回転された前記円板の前記巻線スロットが互いにずらされることを特徴とする、請求項7に記載の固定子。
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