JP3196801B2 - 透水性筐体、およびその製造方法 - Google Patents

透水性筐体、およびその製造方法

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JP3196801B2 JP23204394A JP23204394A JP3196801B2 JP 3196801 B2 JP3196801 B2 JP 3196801B2 JP 23204394 A JP23204394 A JP 23204394A JP 23204394 A JP23204394 A JP 23204394A JP 3196801 B2 JP3196801 B2 JP 3196801B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
【0001】この発明は、成形素材に特徴を有する浸透
性筐体に関するものであり、湖底や側溝等に溜まるヘド
ロや掘削現場等から排出されるベントナイト泥水等のス
ラリー(汚泥水)、即ち、懸濁物質を含んだ水分の多い
状態のもの(一般に含水率は、98%〜99%程度の低
濃度の汁粉状のもの)から水だけを分離させてしまう
か、あるいは、分離ではなく、単に雨水等を溜めて徐々
に周辺に放出するようにすることを可能とする新規な構
造の透水性筐体と、そのための新規な製造方法とを提供
しようとするものである。
【0002】
【従来技術】戦後の驚異的な復興で、我が国は諸外国も
羨む経済発展を遂げ、生活にはかなりのゆとりが生じて
きている。その結果、人々は、暖冷房の効いたマンショ
ンから、3ナンバーの車に乗って、郊外のグルメ店にう
まいものを食べに出掛ける余裕も出てきている。このよ
うに、人々の生活実態は確かに豊かさを増してきている
ものの、人々を取り巻く環境整備の点では、今なお、諸
外国に遅れを取っている部分も少なくなく、今後は、そ
れら生活基盤の充実化が求められることとなる。
【0003】折しも、我が国は、世界経済の中で、一人
貿易収支の大巾黒字を続け、その不均衡是正策として、
公共事業投資を主軸とした内需拡大政策が強く求められ
ており、茲に来て、例えば未着工地方高速道路の繰り上
げ建設等全国高速道路網の早期実現化等に代表される土
木事業関連大型プロジェクト、およびそれらに関連した
公共事業が次々に予算化されて着工段階に移され始める
一方、人々の普段の生活に深い係わりを持つ居住地域の
整備、特に下水道の完備、拡充や、ゴミ処理問題等に代
表される公害防止関連事業の推進等も、いよいよ本格化
されていく兆しを見せている。
【0004】こうした事業の推進には、経済負担面での
措置だけではなく、技術的に配慮しなければならない事
項も数多く付いて回ることになる。例えば、土木事業関
連大型プロジェクトにおけるコンクリート施工工事で
は、その工事の遂行に当り、安全対策、騒音防止対策等
といった幾つかの保安事項の一つとして、スラリー処理
の問題を解決しなければならない。即ち、大型コンクリ
ート工事では、多くの場合、支持地盤の強化策として、
杭内工事と、その前工事としてのボーリング工事とを伴
う結果、それら工事を円滑ならしめるために粘土水ある
いはベントナイト液といった、言わば掘鑿のための潤滑
液を大量に使用することとなり、それらは、工事現場の
周辺に垂れ流しにしてしまうことが厳しく規制されてい
る。
【0005】そのため、それらを集めて水分を蒸発さ
せ、スラッジとして取り扱うことができるようにしなけ
ればならず、未だそのための有効な手段が見付かってい
ないことから、現場に携わる工事関係者にとって、それ
らの対策が何時も悩みの種となっている。これと同様な
悩みは、港湾等の浚渫工事に伴うヘドロ処理の場合や、
身近なところでは、側溝掃除で掬い上げられる汚泥処理
の場合等にも見受けられることである。
【0006】一方、居住地域を始め、都市空間の整備事
業についても、その遂行に当ってこれまでになかった新
たな問題に対処しなければならなくなってきている。即
ち、これまでの都市空間の整備といえば、区画整理に伴
う道路舗装率を高めると共に、簡易なU字溝を配し、屋
根面や舗装面等に降り注ぐ雨水を全てU字溝に集めて流
し去ってしまい、都市空間内に水溜まりが発生してぬか
るんでしまうのをなくすことだけに重点を置いた整備に
終始してきた結果、雨水の地中への還元が殆どなされ
ず、自然環境の保全あるいは地下水利用等の面で様々な
問題を生じ始め、今後更に都市空間が拡がっていくこと
を勘案すると一層その傾向が助長されて弊害をより大き
くしてしまうことが予想されることから、既に、それら
の問題に対処するために、透水性の舗装材等の開発が進
められ、一部では実施化されているところもある。
【0007】この発明では、以上のような情況に鑑み、
透水性素材の開発に取り組み、幾多の試行錯誤を重ねな
がら、成形性に秀れ、安価であって、場合によっては焼
却処分も可能となるセメント・籾殻混練物に着目し、鋭
意開発、研究を進めてきた結果、遂にそれらの課題を十
分に解決できる新規な構造からなる透水性筐体と、その
製造方法とを実現化することに成功したものであって、
以下では、その構成を、具体的な実施例と共に詳細に説
明しようとするものである。
【0008】
【発明の構成】この発明の透水性筐体は、基本的に次の
とおりの構成を要旨とするものである。即ち、セメント
と乾燥籾殼との嵩容積比を、略1:1から1:3前後の
範囲に規制した混合割合にすると共に、水セメント比を
略40〜60%前後の範囲に押さえることができるよう
にして、セメントペーストを形成し、該セメントペース
トと適量の乾燥籾殼とを混合、撹拌してセメント・籾殼
混練物を形成した上、適宜高さと平面形状とを有する筒
状成形型枠内において、それらセメント・籾殻混練物を
圧縮比1.1〜1.4の範囲内で加圧、養生して適宜肉
厚で柱状中空部を有する成形体を形成する一方、他の成
形型枠内において、前記成形体と同様の条件としたセメ
ント・籾殼混練物によって、成形体内部の柱状中空部を
閉鎖可能とする形状で適宜肉厚の平板体を形成し、該平
板体を成形体に組み合わせ、成形体内部の柱状中空部の
少なくとも下端開放口を閉鎖、一体化して有底中空部と
してなる透水性筐体である。
【0009】セメントは、特別な場合を除き、その目
的、用途、経済性からして普通ポルトランドセメントを
採用すればよく、また、籾殻は、脱穀後のものを良く乾
燥させ、できるだけ屑となったものを除いて半球状ある
いは桃割れ状のものが主体となるよう篩に掛けてから採
用するようにするのが望ましく、両者の配合割合は、嵩
容積比で前者1に対し、後者が1〜3前後の範囲内に収
まる割合値の中から、必要となる材質強度、コンクリー
トに対する付着性、透水性、外観等に応じて最適な割合
値を選択、採用することとなる。
【0010】上記のとおりの配合割合で決定された量の
セメントに対し、水セメント比で略40〜60%前後に
収まる量の水を加え、よく混合、攪拌して均質なセメン
トペーストを作り上げる。その際、目的、用途に応じて
必要があれば公知のセメント用着色剤を予めセメントに
適量混入しておき、所望する色に着色されたセメントペ
ーストを形成するようにする。その後、セメントペース
トあるいは着色されたセメントペーストの中に、決定さ
れた量の籾殻を投入して十分に混練した上、型枠とする
のに適した大きさ、形状に枠組みされた製造型枠中に順
次流し込んでいく。この発明では、セメントペーストに
対して決められた量の籾殻を後から混入、攪拌するよう
にする順序が、均質な透水性を有し、所定の材質強度を
達成とするこの発明の透水性筐体を完成させる上で、必
要不可欠な条件となる。
【0011】更に、この発明で重要な構成は、上記のよ
うにして流し込まれた成形型枠内の籾殻混練セメントペ
ーストを、1.1〜1.4、最適には1.25辺りの圧
縮比で適宜手段で圧縮、成型されたものとしなければな
らないことである。即ち、製造型枠中に流し込まれたも
のの容積を1とした場合、成型、養生後に得られる製品
容積が、0.7〜0.9の範囲内、特に0.8辺りに圧
縮された程度ものとなるようにして成型するようにす
る。これら条件は、筐体の側壁部分を構成する成形体部
分、および、底板用の成形体部分、あるいは底板用、蓋
用の成形体部分となる平板体の何れにも共通して必要と
される。
【0012】
【関連する他の発明】以上のような構成からなる透水性
筐体に関連し、この発明には、次のような構成からなる
筐体の製造方法が包含されている。即ち、適宜高さ寸法
と平面形状とを有する筒状成形型枠の下方開口部を閉鎖
状として立設し、その内部中心部に、前記筒状成形型枠
よりも高い背丈とした筒状または柱状の内型を立設、固
定した後、セメントと乾燥籾殼との嵩容積比を、略1:
1から1:3前後の範囲に規制した混合割合にすると共
に、水セメント比を略40〜60%前後の範囲に押さえ
ることができるようにして、セメントペーストを形成
し、該セメントペーストと適量の乾燥籾殼とを混合、撹
拌して形成したセメント・籾殼混練物の所定量を、筒状
成形型枠と筒状または柱状の内型との間の空隙部に流し
込み、空隙部内セメント・籾殼混練物の充填具合を平均
化した上、内型をガイドとして適宜肉厚の筒状加圧体を
強制挿入して、空隙部内セメント・籾殼混練物が、筒状
成形型枠内周面方向に圧縮比1.1〜1.4の範囲で加
圧されるようにしたまま所定期間養生し、脱型すること
により、適宜肉厚で柱状中空部を有する成形体を形成す
る一方、他の成形型枠内において、前記成形体と略同様
の条件としたセメント・籾殼混練物によって、成形体内
部の柱状中空部を閉鎖可能とする形状で適宜肉厚の平板
体を形成した上、該平板体を、成形体内部の柱状中空部
の少なくとも下端開放口に当接、一体化させてしまうこ
とにより、成形体内部の柱状中空部を有底中空部となる
ようにした透水性筐体を製造する方法である。
【0013】筒状成形型枠は、形成すべきこの発明の透
水性筐体の外形形状に相当する平面形、例えば正方形や
長方形といった矩形形状の外、多角形、円形、楕円形そ
の他等といった平面形で、側面形が柱状あるいは円錘台
状のものに形成され、内側からの加圧に耐えるだけの強
度を有する、例えば大断面の給排水用塩ビパイプや鋼管
等を利用したり、あるいは専用のものとしてプラスチッ
クスあるいは鋼材で形成したものを採用する。そして、
それらの高さは、形成すべき筐体の単位高さ以上のも
の、望ましくは、その整数倍以上のものとし、脱型後に
筐体単位高さに相当する長さに切断して所望高さのもの
に分割、形成してしまうことができるようなものとすれ
ば、一度に複数個を製造することも可能となる。
【0014】内型は、筒状または柱状のもので、上記し
た筒状成形型枠よりも長いサイズで、平面形が同筒状成
形型枠内に収まる形状、最も一般的には、それに相似し
た小型の平面形のものとする外、他の平面形、例えば筒
状成形型枠のそれが正方形で、該内型のそれが円形、あ
るいはその逆等といった組み合わせとなるようなものと
することも可能である。
【0015】一方、筒状加圧体は、同中空部が上記した
内型に丁度被冠する、換言すれば内型が丁度嵌挿できる
形状、サイズのもので、上記した筒状成形型枠と内型と
の間に形成される筒状空間部の肉厚の1〜3割以上の肉
厚を有したものであって、少なくとも内型の長さ以上の
ものに形成されていなければならず、しかもその先端
(下端)が外表面側から斜めに削られた尖鋭端部に形成
され、筒状成形型枠と内型との間に充填したセメント・
籾殻混練物と内型との間に強制的に圧入され易くした形
状ものとされ、全体として、強制圧入にも耐え得るだけ
の強度を有する、例えば肉厚鋼材等によって形成される
ようにするのが望ましい。
【0016】以上のようにして用意された筒状成形型枠
を、適宜下台上に垂直に立設し、その内部中心部に内型
が移動しないようにして、これまた垂直に立設した後、
両者によって形成される円筒状の空隙部に、前記したこ
の発明の基本的な構成からなるセメント・籾殻混練物を
満遍なく流し込む。その後、筒状加圧体を、その尖鋭先
端部側から内型に被冠状とし、同上端から力を加えて下
方に押し込むようにすると、該筒状加圧体は、内型を案
内としてその先端が下台に当接するまで下降し、その過
程で該筒状加圧体の肉厚部分でセメント・籾殻混練物
が、略均等に筒状成形型枠内面方向に向けて加圧される
から、この筒状加圧体の肉厚を調整することにより、セ
メント・籾殻混練物を、この発明で規制する圧縮比の範
囲内の所望する値のものに適宜加圧することができるも
のである。
【0017】こうして筒状加圧体が差し込まれ、所定の
圧縮比、即ち、1.1〜1.4、望ましくは1.25辺
りの圧縮比で加圧された状態で適宜期間養生して脱型す
れば、内側に所定の中空部を有し、恰も「粟おこし」状
で透水性を有する所定肉厚で内部に柱状中空部の形成さ
れた成形体が完成し、それを所定の長さに輪切り状に切
断する、特に筒状加圧体の尖鋭先端部辺りが当接してい
て他の部分よりも肉厚になっている部分を切断、除去し
た上、筐体単位高さ寸法のものに切断する。なお、この
成形体が筐体単位高さ寸法の整数倍に形成されたものの
場合には、それをその単位高さ寸法毎に順次切断するこ
とにより、この発明の筐体の側壁部分となる成形体が同
時に複数個形成されることとなる。
【0018】他方、上記した側壁部分となる成形体とは
別に、同成形体の底部を閉鎖可能とする平面形の平板状
の成形体を形成可能とする箱型型枠を用意し、その中
に、上記成形体と同様の条件で形成したセメント・籾殻
混練物を流し込む。その際のセメント・籾殻混練物は、
成形すべき底板あるいは蓋の厚さの約1割から3割程度
厚くなるように充填されていなければならない。
【0019】その後、その上から、中央部分が形成すべ
き底板あるいは蓋の平面形に略相当する面積部分だけ裏
面側に屈曲、突出状とされて加圧部に形成された、縦断
面で見た場合、偏平な逆ハット型断面となる上型枠を押
し付け、上記した側壁部分用の成形体と略同様に、この
発明で規制する加圧状態を実現して、底板あるいは蓋用
の平板状の成形体を形成する。この成形体の加圧具合の
調整は、上型枠の裏面側に屈曲、突出状とした加圧部の
突出寸法を適宜サイズのものに決定することによって、
この発明で規制する範囲内のものとすることが可能とな
る。
【0020】上記のようにして形成した側壁部分用の成
形体に対し、先ずその下方開放口に底板用の成形体を当
てがい、両者間にセメントペーストを介在、固化するこ
とによって一体化するようにしてしまえば、側壁、底部
とも略同一条件で形成されたこの発明の有底状の透水性
筐体が実現され、その後、必要があれば蓋用の成形体
で、その上方を塞いでしまうようにする。以下、図面に
示すこの発明を代表する実施例について説明し、この発
明の透水性筐体、およびその製造方法の基本的な構成を
なす技術的思想理解の一助とするものである。
【0021】
【実施例1】この発明の透水性筐体を製造する筒状成形
型枠と内型との組合せ構造が、図1の縦断面図に示され
ている。即ち、略水平状に保たれている下台4の上に、
形成すべき透水性筐体の単位高さの整数倍以上のサイズ
で、略正方形の平面形とした筒状成形型枠1を立設する
と共に、内部に補強壁21,21が配された内型2下端
を、下台4上に突設した位置決め突部42に嵌合させる
ことにより、該内型2を前記筒状成形型枠1の中心部に
立設、固定するようにした後、図2の縦断面図に示され
ているように、所定の配合割合で、規制した範囲内の水
セメント比としたセメント・籾殻混練物Pを成形型枠1
と内型2との間の筒状の空隙部11内に流し込む。図
中、41,41,……は、筒状成形型枠1の位置を固定
するために、下台4表面に複数個形成した規制突起部を
示している。
【0022】その後、図3の縦断面図に示されている状
態にまで筒状加圧体3を強制的に差し込むことになる
が、その際、尖鋭先端部31が形成されていることか
ら、同先端部31側を内型2に被冠させてから、同上端
の押込み部32を、油圧装置(図示せず)等の適宜押込
み装置で押圧すれば、筒状加圧体3は、内型2の外表面
を案内として比較的容易に刺さり込んでいき、最終的
に、セメント・籾殻混練物Pが、圧縮比(成型型枠内に
充填されたままのセメント・籾殻混練物の容積/加圧後
のセメント・籾殻混練物の容積)で略1.1〜1.4の
範囲内、望ましくは1.25程度となる(換言すれば、
成形型枠1と内型2との空間内に流し込まれたままのセ
メント・籾殻混練物Pの厚さを1とした場合、その厚さ
が0.7〜0.9、望ましくは0.8程度に圧縮されて
しまう)ようにした加圧がなされることとなる。この圧
縮比の調整は、筒状加圧体3の肉厚を適宜必要な厚さの
ものに形成するようにして実現されるものである。
【0023】こうして所定の圧縮比で加圧状としたまま
で、所定期間自然養生あるいは蒸気養生して水和反応を
進行させ、先ず筒状加圧体3を上方に抜き去ってしまう
と、以降簡単に成形型枠1、内型2および下台4が脱型
でき、図4に示すとおりの中空部51を有する筒状の成
形体5を得ることができ、その後、同図中に二点鎖線で
示す切断線52,53,……の位置で鋸その他の切断用
具を使用して所定の長さに切断してしまえば、透水性筐
体の側壁部分となる適宜肉厚で内部に柱状中空部61を
有する成形体6,6,……が、同時に複数個形成される
ことになる。
【0024】一方、それと同時並行させて、図示にはし
ていないが、上記側壁部分の成形体6の中空部61下部
の開放口を閉鎖する略正方形平面の底板用の成形体7
を、上記側壁部分の成形体6の場合と略同一の条件下、
即ち、水セメント比を略50%前後としたセメントペー
ストに対し、同セメントペーストに採用したセメントの
容積の約1.25倍程度の容積とした乾燥籾殻を混入、
混練してなるセメント・籾殻混練物Pで、圧縮比(成形
型枠内に充填されたままの状態におけるセメント・籾殻
混練物の容積/加圧後のセメント・籾殻混練物の容積)
が、略1.1〜1.4の範囲内、望ましくは1.25程
度となるようにした加圧、換言すれば、流し込まれたま
まのセメント・籾殻混練物Pの厚さを1とした場合、そ
の厚さが0.7〜0.9、望ましくは0.8程度に圧縮
されてしまうようにした加圧成形によって形成し、図5
の分解斜視図に示されているように、側壁部分用の成形
体6を上、底板用の成形体7を下にし、両者の当接部分
にセメントペースト(図示せず)を塗って組み合わせ、
セメントペーストの乾燥を待って両者を一体化するよう
にすれば、上方に開放口を有する有底中空部の形成され
たこの発明の透水性筐体を製造することができる。
【0025】
【実施例2】図6の斜視図には、上記実施例1と同様に
して形成した側壁用の成形体6と底板用の成形体7とを
一体化してなる透水性筐体を、雨水処理用の浸透桝に採
用した実施例である。側壁用の成形体6の側面適所に、
通孔62,62を形成して配水管9,9を接続するよう
にした上、略底板用の成形体7と同様にして形成した蓋
用の成形体8で側壁用の成形体6の上方開放口を隠蔽し
まうと共に、雨樋10の下端を同通孔81に接続し、側
壁用の成形体6以下を、配水管9,9共々地盤G以下の
地中に埋設状として成るものである。なお、この実施例
では、配水管9,9も、この発明で規制した条件のセメ
ント・籾殻混練物Pを採用し、同様の条件で加圧、成形
した管体を採用した事例としている。その結果、雨樋1
0から送り込まれる雨水および生活排水は、浸透桝内貯
留時および配水管流下時において全てがそのまま放出さ
れず、特に、生活排水内に含まれる浮游物等が漉された
状態で、水だけその何割かが地中に還元されることにな
る。
【0026】
【作用効果】以上のような構成からなるこの発明の透水
性筐体は、規制された混合割合の乾燥籾殻を、規制され
た水セメント比のセメントペーストに混練した上、所定
の範囲内の圧縮比で加圧、養生すれば形成可能なもので
あることから、先ず何よりも素材として殆ど無用な籾殻
を活用していて安価であり、しかもそれは他の素材、例
えば木材チップや木綿等に比較して遥かに腐り難い性質
を具備すると共に、それ自体が半球状の空隙を有した形
状のものであって、単位立方体内に実現し得る空隙率の
点で極めて秀れており、したがって、所定サイズの成形
体を製造するために要するセメントペーストも、この発
明で規制した割合の如く極めて少ない量で済むこととな
り、全体として極めて経済的で耐久性がある上、籾殻特
有の形状からくる複雑な空隙により他の素材では実現で
きない濾過効果および透水性を有し、且つ、比較的軽量
で取り扱い易い透水性筐体の提供が可能になるという秀
れた特徴を有するものとなっている。
【0027】しかも、セメント・籾殻混練物は、半流動
体として取り扱うことができるものであり、成型性に秀
れていて各種サイズ、形状の筐体の製造も容易であり、
適宜必要に応じて着色剤を加えて成型すれば見た目でも
奇麗な筐体とすることもでき、例えば、居住地域回りの
側溝掃除に際して、その汚泥を収容して水分を抜き、ス
ラッジ状として回収、処分するための容器として採用す
る場合等には、カラフルな容器として快適に取り扱うこ
とができる上、素材の特徴から、スラッジを収容したま
ま焼却処分としてしまえば、簡単に容器としての形態を
消滅させ、また、まとめて何処かにそのまま廃棄処分さ
れたとしても、回収したスラッジ共々、長期的には土に
還元されるものとなってしまい、何等公害の心配のない
ものとすることができるという大きな特徴を発揮するこ
ととなる。
【0028】更に、この発明の透水性筐体は、簡単に鋸
等での切断、加工が可能であることから、各部を大きめ
の成形体として形成し、必要な大きさに切断加工して所
定サイズのものとすることができることから、複数個を
同時に製造することを可能にし、それだけ製造効率を高
めることができる特徴も有している。特に、実施例1で
示した成形型枠により製造するようにしたものでは、成
形型枠の構造が簡潔な上、加圧調整も容易なものとなる
ことから、所望する構造のこの発明の透水性筐体を安定
して提供可能とし、上記した効果をより発揮し易いもの
とする効果がでる。
【0029】また、実施例2で示すように、この透水性
筐体は、浸透桝のような用途に採用することによって、
水だけを地中に簡単に還元可能とするものであり、環境
保全および地下水利用の面で如何なくその構造上の特徴
が発揮されることから、益々都市化が進行する将来に向
け、大いに役立つものになることが予想されるものであ
る。
【0030】叙上の如く、この発明の透水性筐体、およ
びその製造方法は、その素材および構造、構成上の特徴
から、製造容易で安価に提供可能なものであり、扱い方
によっては公害問題に繋がり兼ねない湖底や側溝等に溜
まるヘドロや掘削現場等から排出されるベントナイト泥
水等スラリー(汚泥水)の処理や、雨水等の地中への還
元に手軽に採用可能となる秀れた特徴を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明を代表する幾つかの実施例を示してい
る。
【図 1】筒状成形型枠と内型、下台との組合せ構造を
示す縦断面図である。
【図 2】セメント・籾殻混練物を充填した製造段階に
おける縦断面図である。
【図 3】筒状加圧体を差し込んだ加圧段階を示す縦断
面図である。
【図 4】脱型後の筒状の成形体を示す斜視図である。
【図 5】基本的な透水性筐体の分解斜視図である。
【図 6】他の実施例である浸透桝の例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 筒状成形型枠 11 同空隙部 2 内 型 21 同補強壁 3 筒状加圧体 31 同尖鋭先端部 32 同押込み部 4 下 台 41 同規制突起部 42 同位置決め突部 5 筒状の成形体 51 同中空部 52 同仮想切断線 53 同仮想切断線 54 同仮想切断線 55 同仮想切断線 6 側壁用の成形体 61 同中空部 62 同通 孔 7 底板用の成形体 8 蓋用の成形体 81 同通 孔 9 配 水 管 10 雨 樋 G 地 盤 P セメント・籾殻混練物

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメントと乾燥籾殻との嵩容積比を、略
    1:1から1:3前後の範囲に規制した混合割合にする
    と共に、水セメント比を略40〜60%前後の範囲に押
    さえることができるようにして、セメントペーストを形
    成し、該セメントペーストと適量の乾燥籾殼とを混合、
    撹拌してセメント・籾殻混練物を形成した上、適宜高さ
    と平面形状とを有する筒状成形型枠内において、それら
    セメント・籾殼混練物を圧縮比1.1〜1.4の範囲内
    で加圧、養生して適宜肉厚で柱状中空部を有する成形体
    を形成する一方、他の成形型枠内において、前記筒体と
    同様の条件としたセメント・籾殻混練物によって、成形
    体内部の柱状中空部を閉鎖可能とする形状で適宜肉厚の
    平板体を形成し、該平板体を成形体に組み合わせ、成形
    体内部の柱状中空部の少なくとも下端開放口を閉鎖、一
    体化して有底中空部としてなる透水性筐体。
  2. 【請求項2】 セメントと乾燥籾殻との嵩容積比を、略
    1:1から1:3前後の範囲に規制した混合割合にする
    と共に、水セメント比を略40〜60%前後の範囲に押
    さえることができるようにして、セメントペーストを形
    成し、該セメントペーストと適量の乾燥籾殼とを混合、
    撹拌してセメント・籾殻混練物を形成した上、適宜高さ
    と平面形状とを有する筒状成形型枠内において、それら
    セメント・籾殼混練物が圧縮比1.1〜1.4の範囲内
    で成形型枠内周面方向に加圧され、所定期間養生して脱
    型することにより、適宜肉厚で柱状中空部を有する成形
    体を形成する一方、他の成形型枠内において、前記成形
    体と略同様の条件としたセメント・籾殻混練物によっ
    て、成形体内部の柱状中空部を閉鎖可能とする形状で適
    宜肉厚の平板体を形成し、該平板体を成形体に組み合わ
    せ、成形体内部の柱状中空部の少なくとも下端開放口を
    閉鎖、一体化して有底中空部としてなる透水性筐体。
  3. 【請求項3】 適宜高さと平面形状とを有する筒状成形
    型枠の下方開口部を閉鎖状として立設し、その内部中心
    部に、前記筒状成形型枠よりも高い背丈とした筒状また
    は柱状の内型を立設、固定した後、セメントと乾燥籾殻
    との嵩容積比を、略1:1から1:3前後の範囲に規制
    した混合割合にすると共に、水セメント比を略40〜6
    0%前後の範囲に押さえることができるようにして、セ
    メントペーストを形成し、該セメントペーストと適量の
    乾燥籾殻とを混合、撹拌して形成したセメント・籾殼混
    練物の所定量を、筒状成形型枠と筒状または柱状の内型
    との間の空間部に流し込み、空間部内セメント・籾殼混
    練物の充填具合を平均化した上、内型をガイドとして適
    宜肉厚の筒状加圧体を強制挿入して、空間部内セメント
    ・籾殼混練物が、筒状成形型枠内周面方向に圧縮比1.
    1〜1.4の範囲で加圧されるようにしたまま所定期間
    養生し、脱型することにより、適宜肉厚で柱状中空部を
    有する側壁用の成形体を形成する一方、他の成形型枠内
    において、前記成形体と同様の条件としたセメント・籾
    殻混練物によって、成形体内部の柱状中空部を閉鎖可能
    とする形状で適宜肉厚の平板体を形成した上、該平板体
    を、成形体内部の柱状中空部の少なくとも下端開放口に
    当接、一体化させてしまうことにより、成形体内部の柱
    状中空部を有底中空部となるようにした、請求項1また
    は2記載の透水性筐体を製造する方法。
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