JP3196632B2 - 結晶性シリコン膜の形成方法及び装置 - Google Patents

結晶性シリコン膜の形成方法及び装置

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JP3196632B2 JP02240596A JP2240596A JP3196632B2 JP 3196632 B2 JP3196632 B2 JP 3196632B2 JP 02240596 A JP02240596 A JP 02240596A JP 2240596 A JP2240596 A JP 2240596A JP 3196632 B2 JP3196632 B2 JP 3196632B2
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浩哉 桐村
茂明 岸田
潔 緒方
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Nissin Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置にお
ける各画素に設けられるTFT(薄膜トランジスタ)ス
イッチ等の材料として用いられたり、集積回路、太陽電
池等に用いられる結晶性シリコン、そのような結晶性シ
リコン膜の形成方法及びその方法を実施するための装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、結晶性シリコン膜の形成方法とし
て、CVD法、特に熱CVD法が多用されている。CV
D法により結晶性シリコン膜を形成するためには、通
常、被成膜物品の温度を800℃程度以上に保つ必要が
ある。また、真空蒸着法、スパッタ蒸着法等のPVD法
も用いられるが、この場合も、該膜を結晶性を有するも
のにするためには、通常、被成膜物品の温度を700℃
程度以上に保つ必要がある。
【0003】また近年では、各種CVD法、PVD法に
より比較的低温下でアモルファスシリコン膜を形成した
後、後処理として、800℃程度以上の熱処理若しくは
600℃程度で20時間程度以上の長時間にわたる熱処
理を施したり、レーザアニール処理を施して、該膜を結
晶性シリコン膜とすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように、各種CVD法、PVD法により直接結晶性シリ
コン膜を形成する方法によっては、例えば液晶表示装置
のガラス基板として比較的安価な低融点ガラスを用い、
この基板上にTFTを形成するために結晶性シリコン膜
を形成しようとするとき、かかる低融点ガラスを700
℃や800℃に保つと、溶融したり歪みが生じる等す
る。このようにCVD法やPVD法で直接結晶性シリコ
ン膜を形成する手法では耐熱性が比較的低い材質からな
る物品上への成膜が困難である。
【0005】また、前記の熱処理やレーザアニール処理
を後処理として行い結晶性シリコン膜を得る方法は、直
接結晶性シリコン膜を形成する方法に比べて、1工程多
いため生産性が悪い。なお、レーザアニール処理はレー
ザ照射装置が高価であるとともに、大面積で均一性の良
い膜が得られないという欠点もある。そこで、本発明
は、比較的低温下で、生産性良く形成される結晶性シリ
コン膜、並びに比較的低温下で生産性良く膜形成できる
結晶性シリコン膜の形成方法及び装置を提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者らは研究を重ね、シリコン系ガスを含む原料
ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で結晶性シリコン
膜を形成するにあたり、該物品にイオンビームを照射
し、このとき、プラズマから高エネルギ粒子(高速イオ
ン、高速電子等)が該被成膜物品に入射するのを抑制
し、或いはさらに該物品へのイオンビームの入射エネル
ギを低いレベルに制御することにより、シリコン成長面
にダメージを与えず、その結晶成長を促すことができる
という知見を得た。
【0007】前記知見に基づき先ず、次の(a)の結晶
性シリコン膜の形成方法及び(イ)の装置を提供する。 (a) シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用
エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成
膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する
方法であって、該プラズマを該物品周縁部に対向する位
置に形成するとともに、該物品表面にイオンビームを照
射して膜形成する結晶性シリコン膜の形成方法。 (イ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給
手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段
に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上
に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜
物品にイオンビームを照射するための手段を備えてお
り、該プラズマ励起用エネルギ供給手段は該プラズマを
該被成膜物品周縁部に対向する位置に形成できるもので
ある結晶性シリコン膜の形成装置。
【0008】前記(a)の方法及び(イ)の装置による
と、被成膜物品の周縁部に対向する位置にプラズマを形
成することにより、該プラズマからの高速イオン(数1
00eV以上のエネルギを持つイオン)や高速電子の被
成膜物品への直接入射が抑制され、シリコン成長面にダ
メージを与えず欠陥の少ない良質な結晶性を有するシリ
コン膜の成長が促される。それとともに該物品表面にイ
オンビームを照射し、そのイオン種及びイオン加速エネ
ルギを適宜選択或いは調整することにより、表面励起、
結晶性向上、結晶配向制御等の効果が得られ、シリコン
原子の移動乃至マイグレーション(migration)が促進さ
れて、被成膜物品上に良好な結晶性を有するシリコン膜
が形成される。
【0009】この場合、比較的低温下でシリコンを結晶
化させることができる。また、1工程でこのような結晶
性を有するシリコン膜が得られるため、成膜後の熱処理
を省略することができ、生産性が良好である。さらに、
イオンビーム照射を行うことにより、膜と被成膜物品と
の界面部分処理時、成膜中及び成膜後の表面処理時のい
ずれの時においても、イオン種を選択し、或いはイオン
加速エネルギを調整し、或いはこれらの組み合わせによ
り、膜応力制御、結晶性制御、結晶粒径制御、結晶配向
制御、膜密着力制御等を行うことができる。なお、プラ
ズマCVDにおいてプラズマ励起による反応種のエネル
ギは数eV〜数100eVという広範囲に及ぶため、単
なるプラズマCVDではこのような制御を行い難い。
【0010】また、前記知見に基づき次の(ロ)、
(ハ)、(ニ)、(ホ)及び(ヘ)の結晶性シリコン膜
の形成装置を提供する。 (ロ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加
によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品
を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形
成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照
射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被
成膜物品の周縁部に対向するリング状の電極を含むもの
であり、該イオンビーム照射手段は該リング状電極の開
口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できる
ものである結晶性シリコン膜の形成装置。 (ハ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加
によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品
を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形
成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照
射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被
成膜物品の周縁部に対向する筒状の電極を含むものであ
り、該イオンビーム照射手段は該筒状電極の開口部を通
して該被成膜物品にイオンビームを照射できるもので
る結晶性シリコン膜の形成装置。 (ニ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加
によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品
を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形
成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照
射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被
成膜物品の周縁部に対向するコイル状の電極を含むもの
であり、該イオンビーム照射手段は該コイル状電極の開
口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できる
ものである結晶性シリコン膜の形成装置。 (ホ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加
によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品
を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形
成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照
射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被
成膜物品の周縁部に対向するリジタノコイル型の電極を
含むものであり、該イオンビーム照射手段は該リジタノ
コイル型電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビ
ームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装
置。 (ヘ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加
によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品
を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形
成する装置であって、該電力印加手段が該被成膜物品の
周縁部に対向するリング状のマイクロ波導入用のアンテ
ナを含むものであるとともに、該マイクロ波導入用アン
テナの外周部に対し磁場形成手段を備え、さらに該被成
膜物品にイオンビームを照射するための手段を備え、該
イオンビーム照射手段は該マイクロ波導入用アンテナの
開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射でき
るものである結晶性シリコン膜の形成装置。
【0011】なお、以上説明した結晶性シリコン膜の形
成装置に関して、「被成膜物品の周縁部に対向するリン
グ状電極、筒状電極、コイル状電極、リジタノコイル型
電極及びマイクロ波導入用アンテナ」において、該電極
やアンテナが被成膜物品の周縁部に対向する状態には、
それらが文字通り被成膜物品周縁部に対向している場合
だけでなく、被成膜物品の周縁部に対向する位置にプラ
ズマを形成できるようにその周縁部に臨む位置、その周
縁部に関係する位置等に配置されている場合も含まれ
る。この点については、以下に説明する結晶性シリコン
膜の形成方法、及び結晶性シリコン膜の形成装置におい
ても同様である。
【0012】前記(ロ)〜(ヘ)の装置によると、いず
れも被成膜物品の周縁部に対向する電極への電力印加に
より原料ガスをプラズマ化させるため、被成膜物品の周
縁部に対向する位置にプラズマが形成され、前記(a)
の方法及び前記(イ)の装置の場合と同様に、被成膜物
品を高温に加熱しないで、比較的低温下で該物品上に良
好な結晶性を有するシリコン膜を形成できる。その他の
作用・効果等も前記(a)の方法、(イ)の装置の場合
と同様である。
【0013】前記リング状電極を用いる(ロ)の装置、
筒状電極を用いる(ハ)の装置、コイル状電極を用いる
(ニ)の装置において、プラズマ励起用の電力印加電源
としては代表例として高周波電源を挙げることができ
る。また、前記リジタノコイル型電極を用いる(ホ)の
装置においては、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プ
ラズマを得るために、普通には、プラズマ励起用の電力
印加電源としてマイクロ波電力印加電源を用い、前記リ
ジタノコイル型電極はその外周部に対し磁場形成手段を
有することができる。
【0014】なお、マイクロ波導入用アンテナを用いる
前記(ヘ)の装置において、原料ガスのプラズマ化にあ
たり、マイクロ波電力印加に加えて磁場を形成するの
は、マイクロ波電力印加によりガスをプラズマ化させる
場合、高周波電力印加による場合より高真空度下でプラ
ズマを安定維持することが困難であるが、このようにマ
イクロ波導入用アンテナの外周から磁場を形成すること
で低圧下(高真空度下)でもプラズマを形成維持し易い
からである。
【0015】また、前記(ロ)、(ハ)、(ニ)の装置
において、前記被成膜物品周縁部に対向する電極の外周
部から磁場を入れる磁場形成手段を備え、前記原料ガス
のプラズマ化とともに低圧下でプラズマを安定維持させ
るための磁場を形成してもよ い。このとき、低圧下での
プラズマの形成が容易になる。
【0016】また、前記知見に基づき次の(b)の結晶
性シリコン膜の形成方法及び(ト)の装置を提供する。 (b) シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用
エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成
膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する
方法であって、該物品表面近傍の真空度を1×10-3
orr〜1×10-8Torrとするとともに、該物品表
面にイオンビームを照射して膜形成する結晶性シリコン
膜の形成方法。 (ト) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給
手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段
に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上
に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜
物品にイオンビームを照射するための手段を備えてお
り、該原料ガス供給手段は該被成膜物品表面近傍の真空
度が1×10-3Torr〜1×10-8Torrになるよ
うに該原料ガスを供給できるものである結晶性シリコン
膜の形成装置。
【0017】前記(b)の結晶性シリコン膜の形成方法
及び(ト)の装置によると、被成膜物品表面近傍の真空
度を1×10-3Torr〜1×10-8Torrという高
い真空度(低圧)とすることにより、該物品表面へのイ
オンビームの照射を可能とし、そのイオン種及びイオン
加速エネルギを適宜選択或いは調整することにより、表
面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が得られ、
シリコン原子のマイグレーションが促進されて、被成膜
物品上に良質な結晶性を有するシリコン膜が形成され
る。
【0018】また、1×10-3Torr〜1×10-8
orrという高真空下でガスをプラズマ化させるため、
気相反応が抑制されて不要なダストパーティクルの生成
が少なくなり、被成膜物品表面への不純物の付着が抑制
され、良質な結晶性シリコン膜が得られる。また、高真
空下でガスをプラズマ化させるため、膜形成に寄与する
ラジカルの拡散域が広がり、それだけ大面積の被成膜物
品上にも良質の結晶性シリコン膜を形成することができ
る。さらに、結晶性シリコン膜形成工程において成膜を
行う容器内面等への膜付着が少なく、それだけクリーニ
ング等のメンテナンスが容易になる。
【0019】その他の作用・効果は、前記(a)の方法
及び前記(イ)の装置と同様である。また、前記(a)
の方法及び前記(イ)〜(ヘ)の装置においても、前記
被成膜物品表面近傍の真空度を1×10-3Torr〜1
×10-8Torrとしてもよく、このとき良質な結晶性
シリコン膜を一層効率良く得ることができる。
【0020】また、前記知見に基づき次の(c)の結晶
性シリコン膜の形成方法及び(チ)の装置提供する。 (c) シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用
エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成
膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する
方法であって、該物品表面にイオンビームを照射すると
ともに、該プラズマのポテンシャルを制御することで該
物品表面に入射するイオンビームのエネルギを制御して
膜形成する結晶性シリコン膜の形成方法。 (チ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコ
ン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給
手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段
に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上
に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜
物品にイオンビームを照射するための手段及び前記プラ
ズマのポテンシャルを制御するための手段を備えている
結晶性シリコン膜の形成装置。
【0021】イオン源から100eV以下のイオンを引
き出すことは空間電荷の働きから非常に困難であるとこ
ろ、前記(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び
(チ)の装置によると、100eV以下の低エネルギの
イオンビームを制御性良く、且つ、効率良く被成膜物品
に照射することが可能となり、イオンビーム照射による
表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨げ
ず、シリコン原子のマイグレーションを促進し、被成膜
物品上に良質な結晶性を有するシリコン膜を得ることが
できる。
【0022】通常のイオンビーム照射において、イオン
源の加速電圧を例えば約100Vにしてイオンを引き出
す場合、イオン源の出口付近の正の空間電荷が低エネル
ギのイオンの引き出しを抑制し、十分な量のイオンを被
成膜物品に照射し難い。一方、前記(c)の形成方法及
び(チ)の装置では、イオン源からのイオンの引き出し
は加速電圧を100V以上で行い(例えば100V〜2
00Vで引き出し)、プラズマからの電子の供給により
正の空間電荷を緩和し、十分な量のイオンを被成膜物品
に照射することともに、プラズマ励起用エネルギ供給手
段(より具体的にはプラズマ励起用電源等)に直流バイ
アスをかけることでプラズマポテンシャルを正に持ち上
げ、該プラズマ中を通過するイオンのエネルギを減じ、
被成膜物品に低エネルギのイオンビームをエネルギの精
度良く、且つ、効率良く大量に照射することが可能にな
る。すなわち、イオン源の加速電圧とプラズマポテンシ
ャルの両者を制御することで、照射イオンのエネルギを
低いレベルに制御してイオン照射効果をあげることが可
能となる。
【0023】その他の作用・効果は、前記(a)の結晶
性シリコン膜の形成方法及び前記(イ)の装置の場合と
同様である。前記(チ)の装置において、前記プラズマ
ポテンシャル制御手段としては、プラズマ励起用エネル
ギ供給手段(高周波電源又はマイクロ波電源が好まし
い)に接続されたフィルター及び直流バイアス印加手段
を採用できる。なお、プラズマ励起用エネルギ供給手
段が光を照射するものである場合は、このようなフィル
ターを省略することができる。
【0024】また、前記(a)及び(b)の結晶性シリ
コン膜の形成方法及び(イ)〜(ト)の装置において
も、前記プラズマのポテンシャルを制御することで前記
被成膜物品表面に入射するイオンビームのエネルギを制
御することができ、このとき、良質な結晶性を有するシ
リコン膜を一層効率良く形成することができる。
【0025】また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコ
ン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前
記イオンビームのイオン種として、不活性ガス(ヘリウ
ム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(A
r)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)
ガス等)、反応性ガス(水素(H2 )ガス、フッ素(F
2 )ガス、フッ化水素(HF)ガス等)及びシリコン系
ガス(モノシラン(SiH4 )ガス、ジシラン(Si2
6 )ガス等の水素化シリコンガス、四フッ化シリコン
(SiF4 )ガス等のフッ化シリコンガス、四塩化シリ
コン(SiCl4)ガス等の塩化シリコンガス等)のう
ち少なくとも一種のガスのイオンを用いることができ
る。
【0026】前記不活性ガスイオンを照射するときに
は、結晶化のための物理的励起制御が可能となる。ま
た、前記反応性ガス及び前記シリコン系ガスのうち水素
(H)又は(及び)フッ素(F)を含むものを用いると
きには、水素原子、フッ素原子が膜中のアモルファス相
のシリコン原子と結合してこれを気化し、シリコンの結
晶化が促進されるとともに、シリコン−シリコンネット
ワーク中のダングリングボンドや膜中欠陥が低減され、
一層良質な結晶性を有するシリコン膜を形成することが
できる。
【0027】また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコ
ン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前
記イオンビームを被成膜物品に対し10eV〜100e
V程度、より好ましくは20eV〜100eV程度の低
エネルギで照射することが考えられ、このとき、イオン
ビームを被成膜物品に照射することによる表面励起、結
晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨げることなく一層
良質な結晶性を有するシリコン膜を形成することができ
る。
【0028】また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコ
ン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前
記プラズマの原料ガスとして、前記イオンビームのイオ
ン種源となるガスとして例示した前記シリコン系ガスの
うち少なくとも一種のガス、又は前記シリコン系ガスの
うち少なくとも一種のガスと前記反応性ガスのうち少な
くとも一種のガスとを用いることができる。
【0029】なお、イオン源内からイオンの原料ガスが
成膜を行う容器内に拡散してくるため、イオンビーム照
射に用いるイオンの原料ガスとしてシリコン系ガスを用
いるときには、プラズマの原料ガスとして別途シリコン
系ガスを成膜容器内に導入することを省略することがで
きる。また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の
形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、原料ガス
供給手段及び供給される原料ガスをプラズマ化するプラ
ズマ励起用エネルギ供給手段を共に制御することで、換
言すれば原料ガスの供給量及び該ガスをプラズマ化させ
るエネルギの大小や量を制御することで、前記プラズマ
からのイオンが前記被成膜物品表面に入射しないように
すること、前記プラズマから前記被成膜物品表面に入射
するイオンのエネルギを0eVより大きく500eV以
下とすること、又は、前記プラズマを前記被成膜物品の
表面近傍又は該物品周縁部近傍に限定的に形成し、前記
被成膜物品表面に前記プラズマから低エネルギのラジカ
ル種を優先的に拡散させることが考えられる。
【0030】なお、ラジカル種の密度は、プラズマ励起
に用いる電力の周波数を調整すること等により制御する
ことができる。また、前記(a)〜(c)の結晶性シリ
コン膜の形成方法において、前記イオンビームのイオン
種として前記不活性ガス、前記反応性ガス及び前記シリ
コン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを用い
るとともに、前記プラズマの原料ガスとして前記シリコ
ン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又は前記シリコ
ン系ガスのうち少なくとも一種のガスと前記反応性ガス
のうち少なくとも一種のガスとを用い、このとき前記被
成膜物品表面に到達するプラズマからのシリコン原子数
とイオンビームのイオン数との比(Si/i輸送比)を
0.1〜100としてもよい。これは、Si/i輸送比
が0.1より小さいとイオン量が過剰となり膜欠陥の発
生が増加するからであり、100より大きいとイオン照
射による結晶化効果が不十分になるからである。
【0031】なお、被成膜物品表面に到達するシリコン
原子数は膜厚をモニタしつつ制御することができ、被成
膜物品表面に到達するイオン数はイオン源からのイオン
の引き出し電圧を制御したり、イオン源内のプラズマを
発生させるための印加電力を制御すること等により制御
することができる。また、前記(a)〜(c)の結晶性
シリコン膜の形成方法においては、被成膜物品の温度を
室温〜600℃にすることができ、従来に比べてこのよ
うな低温下でも良質な結晶性を有するシリコン膜を得る
ことができる。なお、室温より低温にするときには、形
成されるシリコン膜中にアモルファス成分が増加し結晶
性が低くなる。
【0032】さらに、前記(a)〜(c)の結晶性シリ
コン膜の形成方法においては、より結晶性を高める必要
がある場合には、成膜後、後処理として、前記結晶性シ
リコン膜に300℃〜600℃の熱処理を施すことが
きる。前記(a)〜(c)の方法により得られるシリコ
ン膜中の水素濃度は1×1021cm-3以下という通常の
CVD法により得られるシリコン膜より約2桁低い値に
できるため、このように低値として上述の後処理により
ボイドの少ない一層良質な結晶性を有するシリコン膜を
形成することができる。また、結晶化のために行われる
従来の後処理より加熱温度を低くすることができるとと
もに、加熱時間も短くすることができる。
【0033】また、前記(イ)、(ト)及び(チ)の装
置において、プラズマ励起用エネルギ供給手段として
は、高周波電力供給手段、マイクロ波電力供給手段及び
光照射手段等を採用することができ、前記(a)〜
(c)の結晶性シリコン膜の形成方法において、原料ガ
スのプラズマ化を、そのような手段のうち適当なものに
より行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1は、結晶性シリコン膜の形
成装置の1例の概略構成を示す図である。この装置は、
プラズマ生成室Cを有し、室Cには真空排気部18が接
続されるとともに、原料ガス供給部12が接続されてい
る。原料ガス供給部12には原料ガス源、マスフローコ
ントローラ等が含まれるが、これらについては図示を省
略している。また室C内には被成膜物品保持部材11が
設置され、保持部材11は被成膜物品10を搬入搬出す
べく図示しない駆動部により水平往復動可能で、室C内
では被成膜物品加熱用ヒータ9上に配置される。また、
保持部材11に保持される被成膜物品10周縁部に対向
する位置には、リング状対向電極14aが設置される。
該電極14aの開口部は図1中15aで示してある。電
極14aには整合器16を介して高周波電源17aが接
続されている。また、リング状対向電極14aを挟み、
保持部材11に対向する位置にはイオン源2が設けられ
ている。イオン源2にはイオン源用ガス供給部1が接続
されているとともに、ガスプラズマ化のために整合器3
を介して高周波電源4が接続されている。なお、ガス供
給部1にもガス源等が含まれるが、これらは図示を省略
している。また、イオン源2は、イオンを引き出すため
のここでは3枚の電極(イオン源のプラズマ生成室側か
ら加速電極、減速電極、接地電極)からなるレンズ電極
系21を有している。レンズ電極系21とイオン源2と
の間には加速電源5及び減速電源6が接続されている。
なお、イオン源2の励起方法はここでは高周波型を示し
ているが、この他フィラメント型、マイクロ波型等を採
用できる。また、レンズ電極系は3枚電極構造に限定さ
れず1枚〜4枚の電極からなるものでよい。
【0035】この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成
するにあたっては、被成膜物品10を保持部材11によ
り保持してプラズマ生成室C内に搬入しヒータ9上の所
定の成膜位置に設置するとともに、室C内を真空排気部
18の運転にて所定真空度とする。次いで、原料ガス供
給部12からプラズマ生成室C内にシリコン系ガスを含
む原料ガスを導入するとともに、整合器16を介して高
周波電源17aからリング状対向電極14aに高周波電
力を供給して前記導入したガスをプラズマ化し、図中1
3で示す位置すなわち被成膜物品10の周縁部に対向す
る位置にプラズマを形成する。原料ガスとしては、シリ
コン系ガスのうち少なくとも一種のガス又はシリコン系
ガスのうち少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少
なくとも一種のガスを用いる。
【0036】それとともにイオン源2にイオン源用ガス
供給部1からイオンの原料ガスを導入し、これに整合器
3を介して電源4から高周波電力を供給して、図中8で
示すイオン源内の位置にプラズマを発生させ、レンズ電
極系21に電源5、6により適当な電圧を印加すること
によりプラズマ8から加速エネルギ10eV〜100e
V、より好ましくは20eV〜100eVでイオンを引
き出し、リング状対向電極14aの開口部15aを通し
て被成膜物品10に該イオンビームを照射する。イオン
の原料ガスとしては不活性ガス、反応性ガス及びシリコ
ン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを用い
る。
【0037】これにより、被成膜物品10上に結晶性シ
リコン膜が形成される。なお、成膜中は、被成膜物品1
0表面近傍の真空度が1×10-3Torr〜1×10-8
Torrの範囲内になるようにプラズマ生成室内の真空
度を調整する。また、被成膜物品10の温度はヒータ9
によりRT(室温)〜600℃に保つ。以上説明した方
法及び装置によると、被成膜物品10表面近傍の真空度
が低く、且つ、プラズマ13は主に物品10の周縁部に
対向する位置に形成されるため、プラズマ中の高速イオ
ン及び高速電子の物品10への入射量が少なく、しかも
直接入射が抑制され、シリコン成長面にダメージを与え
ず欠陥の少ない良質のシリコン膜の成長が促される。ま
た、物品10にイオンビームを照射し、その照射のエネ
ルギが100eV以下の低レベルに制御されていること
により、イオンビーム照射による表面励起、結晶性向
上、結晶配向制御等の効果が妨げられずシリコン原子の
マイグレーションが促進されて、物品10上に良質な結
晶性を有するシリコン膜が形成される。
【0038】また、成膜中はシリコンを結晶化させるた
めに物品10の温度を600℃より高くする必要はな
い。このことから、例えば液晶表示装置用のガラス基板
として比較的低融点の安価なガラスを用い、その上にT
FT用等のシリコン膜を形成できる。また、1工程で結
晶性シリコン膜が得られるため、成膜後の熱処理を省略
することができ、生産性が良好である。さらに結晶性を
向上させる必要があるために熱処理を加える場合にも、
300℃〜600℃という従来より低温で、しかも加熱
時間も従来(20時間以上)より短くすることができ
る。
【0039】また、1×10-3Torr〜1×10-8
orrという高真空度下で原料ガスをプラズマ化させる
ため、気相反応が抑制されて不要なパーティクルの生成
が抑制され、被成膜物品10への不純物の付着が抑制さ
れて良質な結晶性シリコン膜が得られる。また、前記の
とおり高真空下で原料ガスをプラズマ化するため、成膜
に寄与するラジカルの拡散域が広くなり、大面積の被成
膜物品10上にも良質な結晶性シリコン膜を形成するこ
とができる。さらにプラズマ生成室C内面等への膜付着
が少なく、従って室C内のクリーニングの頻度が少なく
て済む。
【0040】また、図2は結晶性シリコン膜の形成装置
の他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図1
に示す装置において、リング状対向電極14aに代えて
円筒状対向電極14bを採用したものである。その他の
構成及び成膜動作は図1の装置と同様であり、同じ部品
には同じ参照符号を付してある。この装置によると、図
1に示す装置と同様の効果が得られる。
【0041】また、図3は結晶性シリコン膜の形成装置
のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置
は、図1に示す装置において、リング状対向電極14a
に代えてコイル状対向電極14cを採用したものであ
る。その他の構成及び成膜動作は図1の装置と同様であ
り、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0042】この装置によると、図1に示す装置と同様
の効果が得られる。なお、これらの装置において、電極
の外周からプラズマ安定維持のための磁場を入れる磁石
100(図中二点鎖線で示す)を設けてもよい。図4は
結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成
を示す図である。この装置は図1に示す装置において、
リング状対向電極14aに代えてリジタノコイル型電極
14dを採用し、該電極14dには整合器16及び高周
波電源17aに代えてマイクロ波電源17bを接続した
ものである。リジタノコイル型電極14dはその外周部
には電磁石コイル19を有している。なお、ここでは電
磁石コイルを採用しているが、永久磁石を採用しても構
わない。その他の構成は図1に示す装置と同様であり、
同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0043】この装置を用いて本発明の結晶性シリコン
膜を形成するにあたっては、図1の装置によると同様に
し、但し、リング状対向電極14aへの高周波電力の供
給によりプラズマを形成するのに代えて、電磁石コイル
19により磁場を形成した状態でリジタノコイル型電極
14dにマイクロ波電源17bよりマイクロ波電力を供
給して、リジタノコイル型電極14dに沿った部分すな
わち被成膜物品10の周縁部に対向する位置にプラズマ
13を形成する。
【0044】この方法及び装置によると、図1に示す装
置を用いた場合と同様の効果が得られ、さらにリジタノ
コイル型電極を採用することで、マイクロ波の周波数に
無関係にコイルの直径を大きくすることができるため、
大口径のプラズマを形成することができ、大面積の被成
膜物品上にも容易に成膜を行うことができる。また、図
5は結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略
構成を示す図である。この装置は図1に示す装置におい
て、リング状対向電極14aに代えてリング状のマイク
ロ波導入用アンテナ14eを採用し、該電極14eに整
合器16及び高周波電源17aに代えてマイクロ波電源
17bを接続したものである。さらに、プラズマ生成室
C外の、アンテナ14eの外周部に対向する位置には、
低圧下でプラズマを安定維持するためにプラズマ密度を
高くするような磁場を形成できる電磁石コイル19が設
けられている。なお、ここでは電磁石コイルを採用して
いるが、永久磁石を採用しても構わない。その他の構成
は図1に示す装置と同様であり、同じ部品には同じ参照
符号を付してある。
【0045】この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成
するにあたっては、図1の装置によると同様にし、但
し、リング状対向電極14aへの高周波電力の供給によ
りプラズマを形成するのに代えて、電磁石コイル19に
より磁場を形成した状態でアンテナ14eにマイクロ波
電源17bよりマイクロ波電力を供給して被成膜物品1
0の周縁部に対向する位置にプラズマ13を形成する。
【0046】この装置によると図1に示す装置と同様の
効果が得られる。また、図6は結晶性シリコン膜の形成
装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装
置は、図1に示す装置において、リング状対向電極14
aに整合器16及び高周波電源17aからなる直列回路
に並列して高周波フィルタF及び直流バイアス電源Bか
らなる直列回路を接続したものである。その他の構成は
図1の装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を
付してある。
【0047】この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成
するにあたっては、図1に示す装置によると同様にし、
但し、プラズマ励起のためにリング状対向電極14aに
高周波電源17aより高周波電力を供給する際、これに
加えて高周波フィルタFを介してバイアス電源Bより正
の直流バイアスを印加する。これにより、プラズマポテ
ンシャルを正に持ち上げ、該プラズマ中を通過するイオ
ンのエネルギを減じ、被成膜物品10に十分な量の低エ
ネルギのイオンを照射することができる。また、高周波
フィルタF及びバイアス電源Bを採用しない場合には通
常困難である100eV以下の低エネルギのイオンビー
ムの照射をエネルギ精度よく行うことができ、良質な結
晶性を有するシリコン膜を効率良く形成することができ
る。その他は図1に示す装置を用いた場合と同様の効果
が得られる。
【0048】なお、図2〜図5の装置においても、この
ように高周波フィルタF及びバイアス電源Bを用いて図
7〜図10に示す装置とし、これによりプラズマポテン
シャルを制御することで被成膜物品に照射されるイオン
ビームのエネルギを低レベルに制御することができる。
次に、結晶性シリコン膜形成装置のさらに他の例を図1
1を参照して説明する。
【0049】この装置は、成膜室C´を有し、その内部
に高周波電極14及びこれに対向する接地電極11´を
設置してあり、電極11´は被成膜物品10を支持する
ホルダを兼ねており、内部に物品加熱用ヒータ9´を内
蔵している。成膜室C´は真空排気部18´により所望
の真空度に排気でき、ガス供給部12´から成膜用原料
ガスを供給できる。
【0050】高周波電極14には整合器3´を介して高
周波電源4´を接続してある。また、成膜室C´には、
ホルダ11´上の被成膜物品10に対しイオンビームを
照射するためのイオン源2´を付設してある。このイオ
ン源2´は図1に示す装置におけるイオン源2と同構
造、作用のものである。この装置を用いて結晶性シリコ
ン膜を形成するにあたっては、被成膜物品10を成膜室
C´内に搬入してホルダ11´に設置する。また、成膜
室C´内を真空排気部18´の運転にて排気する一方、
ガス供給部12´から成膜室内に原料ガスを導入する。
原料ガスの導入を制御することで、或いは原料ガス導入
と排気部18´による排気を制御することで、被成膜物
品10表面への膜形成圧力を1×10-3Torr〜1×
10-8Torrの範囲のものに維持しつつ、また、被成
膜物品10の温度を室温〜600℃に保ちつつ、電極1
4、11´間に高周波電力を印加して成膜用原料ガスを
プラズマ化し、さらに、イオン源2´から被成膜物品1
0へ向けイオンビームをイオン加速エネルギ10eV〜
100eV、さらに好ましくは20eV〜100eVで
照射し、かくしてこのプラズマ13の下で物品10表面
に結晶性シリコン膜を形成する。
【0051】この装置及び手法によるシリコン膜形成で
は、既述の図1から図10の各装置による膜形成の場合
と同様、比較的低温下で良質の結晶性シリコン膜を得る
ことができるのであるが、図11の装置による膜形成で
は、1×10-3Torr〜1×10-8Torrという高
真空下でガスをプラズマ化させるため、気相反応が抑制
されて不要なダストパーティクルの生成が少なくなり、
被成膜物品10表面への不純物の付着が抑制され、良質
な結晶性シリコン膜が得られる。また、高真空下でガス
をプラズマ化させるため、膜形成に寄与するラジカルの
拡散域が広がり、それだけ大面積の被成膜物品上にも良
質の結晶性シリコン膜を形成することができる。さら
に、結晶性シリコン膜形成工程において成膜を行う容器
C´内面等への膜付着が少なく、それだけクリーニング
等のメンテナンスが容易になる。
【0052】次に、図1〜図11の装置を用いて結晶性
シリコン膜を形成した具体的実施例及びその結果得られ
結晶性シリコン膜の例について説明する。併せて、従
来の平行平板型プラズマCVD装置を用いてシリコン膜
を形成した比較例についても説明する。 実施例1(図1〜図5の装置による) 被成膜物品 無アルカリガラス基板及び シリコンウエハ<100>のそれぞれ プラズマ励起用電力 周波数13.56MHzの高周波電力(図1〜3) 周波数2.45GHz のマイクロ波電力(図4、5) 原料ガス SiH4 50% H2 50% 真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン 照射エネルギ 10eV〜100eV 成膜温度 300℃ 成膜膜厚 2000Å 実施例2(図6〜図10の装置による) 被成膜物品 無アルカリガラス基板及び シリコンウエハ<100>のそれぞれ プラズマ励起用電力 周波数13.56MHzの高周波電力(図6〜8) 周波数2.45GHz のマイクロ波電力(図9、10) バイアス電圧 50V 原料ガス SiH4 50% H2 50% 真空度 1×10-4Torr イオンビーム イオン種 H2 ガスイオン 照射エネルギ 100eV 成膜温度 300℃ 成膜膜厚 2000Å 実施例3(図11の装置による) 被成膜物品 無アルカリガラス基板及び シリコンウエハ<100>のそれぞれ プラズマ励起用電力 周波数13.56MHzの高周波電力 原料ガス SiH4 50% H2 50% 真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン 照射エネルギ 10eV〜1keV 成膜温度 300℃ 成膜膜厚 2000Å 比較例(平行平板型プラズマCVD装置) 被成膜物品 無アルカリガラス基板及び シリコンウエハ<100>のそれぞれ プラズマ励起用電力 周波数13.56MHzの高周波電力 原料ガス SiH4 50% H2 50% 真空度 2×10-1Torr 成膜温度 300℃ 成膜膜厚 2000Å 次に、前記実施例1、2、3及び比較例により得られた
各シリコン膜について、フーリエ交換赤外分光分析(F
T−IR)、X線回折分析(XRD)及びレーザラマン
分光分析により水素濃度測定及び結晶性評価を行い、ホ
ール移動度測定を行うことでデバイス特性を評価した。
また、後処理として熱処理を施し結晶構造の変化を調べ
た。 ・FT−IR 波数2000cm-1のSi−H(Stretching-band) 吸収
ピーク積分強度から膜中の水素濃度を定量分析したとこ
ろ、実施例1による全ての膜サンプル及び実施例3によ
る膜サンプルは5×1020cm-3以下であり、また実施
例2による全ての膜サンプルは3×1020cm-3以下で
あるのに対し、比較例による膜サンプルは2×1022
-3であった。このように本発明実施例1、2、3によ
り得られた膜サンプルは比較例によるものより水素濃度
が著しく少なく、また、バイアス電圧印加によりプラズ
マポテンシャルを制御してイオンビーム照射を行った実
施例2による膜サンプルは実施例1によるものより水素
濃度が少なかった。 ・XRD 実施例1、2、3による全ての膜サンプルは、111面
(2θ=28.2°)及び220面(2θ=47.2
°)からのピークが検出され、シリコン(cubic)の結晶
性が確認された。また、これらのピーク強度は実施例2
による膜サンプルが実施例1及び3によるものより強か
った。一方、比較例による膜サンプルはアモルファス構
造であることが確認された。 ・レーザラマン分光分析 実施例1による全ての膜サンプル及び実施例3による膜
サンプルは、結晶化シリコンによるピーク(ラマンシフ
ト=515〜520cm-1)のピークを検出し、100
Å〜2000Åの結晶粒が認められた。また、実施例2
による全ての膜サンプルは、500Å〜2000Åの結
晶粒が認められた。一方、比較例による膜サンプルはア
モルファス構造によるピーク(ラマンシフト=480c
-1)が検出された。 ・熱処理 実施例1、2、3及び比較例により得られた各膜サンプ
ルに後処理として500℃、8時間の真空中での熱処理
を施したところ、比較例による膜サンプルはアモルファ
ス構造のままで結晶化しなかったが、実施例1、2、3
のものでは結晶粒径が増大した。実施例1及び3による
ものでは100Å〜2000Åから500Å〜3000
Åへ、実施例2によるものでは500Å〜2000Åか
ら1000Å〜3000Åへ結晶粒径が増大した。 ・ホール移動度 比較例による膜サンプルが0.1cm2 /V・sのホー
ル移動度を示したのに対し、実施例1及び3による膜サ
ンプルでは結晶粒径100Åのもので0.5cm2 /V
・s、結晶粒径2000Åのもので50cm2 /V・s
のホール移動度を示し、実施例2による膜サンプルでは
50〜80cm2 /V・sのホール移動度を示した。
【0053】以上の結果から、実施例1、2、3では平
行平板型プラズマCVD装置を用いた比較例によっては
得られなかった結晶性シリコン膜が300℃という低温
度下で得られたことが分かる。
【0054】
【発明の効果】本発明によると、比較的低温下で、生産
性良く膜形成できる良質の結晶性シリコン膜の形成方法
及び装置を提供することができる。さらに説明すると、
本発明によると次のような効果が得られる。 比較的
低温下で結晶性シリコン膜が得られるため、例えば低融
点ガラスのような耐熱性の低い材質からなる被成膜物品
上にも膜形成でき、被成膜物品の選択範囲が広くなる。
1工程で良質な結晶性シリコン膜が得られるため、
成膜後の熱処理を省略することができ、生産性が良好で
ある。 より結晶性を高める必要がある場合にも、後
処理として行う熱処理の温度を低くすることができ、ま
た加熱時間も短くすることができる。 プラズマを被
成膜物品周縁部に対向する位置に形成するので、該物品
への不要なダストパーティクルの付着が抑制され、歩留
りが向上する。 被成膜物品表面近傍の真空度を1×
10-3Torr〜1×10-8Torrにしてプラズマを
形成するときには、膜形成に寄与するラジカルの拡散域
が広がり、大面積の被成膜物品上にも結晶性シリコン膜
を容易に形成できる。また、気相反応が抑制されて不要
なダストパーティクルの生成が少なくなり、良質な結晶
性を有するシリコン膜を一層効率良く形成できるととも
に、成膜を行う容器内のクリーニング等のメンテナンス
の負担が軽減される。 プラズマポテンシャルを制御
してイオンビームの照射エネルギを制御するときには、
エネルギ100eV以下の低エネルギのイオンビームを
大量にしかもエネルギ精度良く照射することができ、良
質な結晶性を有するシリコン膜を一層効率良く形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性シリコン膜の形成装置の1例の概略構成
を示す図である。
【図2】結晶性シリコン膜の形成装置の他の例の概略構
成を示す図である。
【図3】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図4】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図5】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図6】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図7】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図8】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図9】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の
概略構成を示す図である。
【図10】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例
の概略構成を示す図である。
【図11】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例
の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン源用ガス導入口 2、2´ イオン源 21 レンズ電極系 3、3´、16 整合器 4、4´17a 高周波電源 5 加速電源 6 減速電源 8 イオン源内プラズマ 9、9´ 被成膜物品加熱用ヒータ 10 被成膜物品 11 被成膜物品保持部材 11´ 接地電極兼ホルダ 12、12´ 原料ガス供給部 13 原料ガスプラズマ 14 高周波電極 14a リング状対向電極 14b 円筒状対向電極 14c コイル状対向電極 14d リジタノコイル型電極 14e リング状のマイクロ波導入用アンテナ 15a リング状対向電極14aの開口部 17b マイクロ波電源 18、18´ 真空排気部 19 電磁石コイル F 高周波フィルタ B バイアス電源 C、C´ プラズマ生成室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−41748(JP,A) 特開 平2−115379(JP,A) 特開 昭63−286579(JP,A) 特開 平5−55194(JP,A) 特開 平5−86480(JP,A) 特開 平6−45254(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205 CA(STN) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズ
    マ励起用エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズ
    マに被成膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を
    形成する方法であって、該プラズマを該物品周縁部に対
    向する位置に形成するとともに該物品表面にイオンビー
    ムを照射して該物品表面に結晶性シリコン膜を形成し、
    該成膜後、後処理として、前記結晶性シリコン膜に30
    0℃〜600℃の熱処理を施すことを特徴とする結晶性
    シリコン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記後処理前の結晶性シリコン膜の形成
    にあたり、前記被成膜物品表面近傍の真空度を1×10
    -3 Torr〜1×10 -8 Torrとする請求項1記載の
    結晶性シリコン膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記プラズマのポテンシャルを制御する
    ことで前記被成膜物品に入射するイオンビームエネルギ
    を制御する請求項1又は2記載の結晶性シリコン膜の形
    成方法。
  4. 【請求項4】 前記イオンビームのイオン種として、不
    活性ガス、反応性ガス及びシリコン系ガスのうち少なく
    とも一種のガスのイオンを用いる請求項1、2又は3記
    載の結晶性シリコン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記イオンビームをイオンエネルギ10
    eV〜100eVで照射する請求項4記載の結晶性シリ
    コン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記原料ガスとして、シリコン系ガスの
    うち少なくとも一種のガス、又はシリコン系ガスのうち
    少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一
    種のガスとを用いる請求項1、2又は3記載の結晶性シ
    リコン膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記原料ガスとして、シリコン系ガスの
    うち少なくとも一種のガス、又はシリコン系ガスのうち
    少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一
    種のガスとを用いる請求項4又は5記載の結晶性シリコ
    ン膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記プラズマから前記被成膜物品表面に
    入射するイオンのエ ネルギを500eV以下とする請求
    項6又は7記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 前記被成膜物品表面に到達するプラズマ
    からのシリコン原子数とイオンビームのイオン数との比
    (Si/i輸送比)を0.1〜100とする請求項7記
    載の結晶性シリコン膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 前記後処理前の結晶性シリコン膜の形
    成にあたり、前記被成膜物品の温度を室温〜600°C
    とする請求項1から9のいずれかに記載の結晶性シリコ
    ン膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 成膜用原料ガス供給手段により供給さ
    れるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段によ
    る電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される
    被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリ
    コン膜を形成する装置であって、前記被成膜物品にイオ
    ンビームを照射するための手段を備えており、前記電力
    印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリング状の
    電極を含むものであり、前記リング状電極の外周から磁
    場を入れる磁場形成手段をさらに備えており、前記イオ
    ンビーム照射手段は該リング状電極の開口部を通して該
    被成膜物品にイオンビームを照射できるものであること
    を特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
  12. 【請求項12】 成膜用原料ガス供給手段により供給さ
    れるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段によ
    る電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される
    被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリ
    コン膜を形成する装置であって、前記被成膜物品にイオ
    ンビームを照射するための手段を備えており、前記電力
    印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向する筒状の電極
    を含むものであり、前記筒状電極の外周から磁場を入れ
    る磁場形成手段をさらに備えており、前記イオンビーム
    照射手段は該筒状電極の開口部を通して該被成膜物品に
    イオンビームを照射できるものであることを特徴とする
    結晶性シリコン膜の形成装置。
  13. 【請求項13】 成膜用原料ガス供給手段により供給さ
    れるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段によ
    る電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される
    被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリ
    コン膜を形成 する装置であって、前記被成膜物品にイオ
    ンビームを照射するための手段を備えており、前記電力
    印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するコイル状の
    電極を含むものであり、前記イオンビーム照射手段は該
    コイル状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビ
    ームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シ
    リコン膜の形成装置。
  14. 【請求項14】 前記コイル状電極の外周から磁場を入
    れる磁場形成手段をさらに備えている請求項13記載の
    結晶性シリコン膜の形成装置。
  15. 【請求項15】 成膜用原料ガス供給手段により供給さ
    れるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段によ
    る電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される
    被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリ
    コン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオン
    ビームを照射するための手段を備えており、該電力印加
    手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリジタノコイル
    型の電極を含むものであり、該イオンビーム照射手段は
    該リジタノコイル型電極の開口部を通して該被成膜物品
    にイオンビームを照射できるものであることを特徴とす
    る結晶性シリコン膜の形成装置。
  16. 【請求項16】 成膜用原料ガス供給手段により供給さ
    れるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段によ
    る電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される
    被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリ
    コン膜を形成する装置であって、該電力印加手段が該被
    成膜物品の周縁部に対向するリング状のマイクロ波導入
    用のアンテナを含むものであるとともに、該マイクロ波
    導入用アンテナの外周部に対し磁場形成手段を備え、さ
    らに該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段
    を備え、該イオンビーム照射手段は該マイクロ波導入用
    アンテナの開口部を通して該被成膜物品にイオンビーム
    を照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコ
    ン膜の形成装置。
  17. 【請求項17】前記成膜用原料ガス供給手段は前記被成
    膜物品表面の真空度が1×10 -3 Torr〜1×10 -8
    Torrになるように前記原料ガスを供給できるもので
    ある請求項11から16のいずれかに記載の結晶性シリ
    コン膜の形成装置。
  18. 【請求項18】 前記プラズマのポテンシャルを制御す
    るための手段を備え ている請求項11から17のいずれ
    かに記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
  19. 【請求項19】 前記イオンビーム照射手段が、不活性
    ガス、反応性ガス及びシリコン系ガスのうち少なくとも
    一種のガスのイオンを照射できるものである請求項11
    から18のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成装
    置。
  20. 【請求項20】 前記イオンビーム照射手段はイオンエ
    ネルギ10eV〜100eVで前記イオンを照射できる
    ものである請求項19記載の結晶性シリコン膜の形成装
    置。
  21. 【請求項21】 前記原料ガス供給手段が、前記原料ガ
    スとして、シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガ
    ス、又はシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと
    反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを供給できる
    ものである請求項11から20のいずれかに記載の結晶
    性シリコン膜の形成装置。
  22. 【請求項22】 前記原料ガス供給手段及び前記電力印
    加手段は、共に制御されて、前記プラズマからのイオン
    が前記被成膜物品表面に入射しないようにできるもので
    ある請求項21記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
  23. 【請求項23】 前記原料ガス供給手段及び前記電力印
    加手段は、共に制御されて、前記プラズマから前記被成
    膜物品表面に入射するイオンのエネルギを500eV以
    下にできるものである請求項21記載の結晶性シリコン
    膜の形成装置。
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