JP3584896B2 - 結晶性シリコン膜の形成方法及び結晶性シリコン膜の形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置における各画素に設けられるTFT(薄膜トランジスタ)スイッチ等の材料として用いられたり、集積回路、太陽電池等に用いられる結晶性シリコン、そのような結晶性シリコン膜の形成方法及びその方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、結晶性シリコン膜の形成方法として、CVD法、特に熱CVD法が多用されている。CVD法により結晶性シリコン膜を形成するためには、通常、被成膜物品の温度を800℃程度以上に保つ必要がある。また、真空蒸着法、スパッタ蒸着法等のPVD法も用いられるが、この場合も、該膜を結晶性を有するものにするためには、通常、被成膜物品の温度を700℃程度以上に保つ必要がある。
【0003】
また近年では、各種CVD法、PVD法により比較的低温下でアモルファスシリコン膜を形成した後、後処理として、800℃程度以上の熱処理若しくは600℃程度で20時間程度以上の長時間にわたる熱処理を施したり、レーザアニール処理を施して、該膜を結晶性シリコン膜とすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように、各種CVD法、PVD法により直接結晶性シリコン膜を形成する方法によっては、例えば液晶表示装置のガラス基板として比較的安価な低融点ガラスを用い、この基板上にTFTを形成するために結晶性シリコン膜を形成しようとするとき、かかる低融点ガラスを700℃や800℃に保つと、溶融したり歪みが生じる等する。このようにCVD法やPVD法で直接結晶性シリコン膜を形成する手法では耐熱性が比較的低い材質からなる物品上への成膜が困難である。
【0005】
また、前記の熱処理やレーザアニール処理を後処理として行い結晶性シリコン膜を得る方法は、直接結晶性シリコン膜を形成する方法に比べて、1工程多いため生産性が悪い。なお、レーザアニール処理はレーザ照射装置が高価であるとともに、大面積で均一性の良い膜が得られないという欠点もある。
そこで、本発明は、比較的低温下で、生産性良く形成される結晶性シリコン膜、並びに比較的低温下で生産性良く膜形成できる結晶性シリコン膜の形成方法及び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明者らは研究を重ね、シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ化し、該プラズマの下で結晶性シリコン膜を形成するにあたり、該物品にイオンビームを照射し、このとき、プラズマから高エネルギ粒子(高速イオン、高速電子等)が該被成膜物品に入射するのを抑制し、或いはさらに該物品へのイオンビームの入射エネルギを低いレベルに制御することにより、シリコン成長面にダメージを与えず、その結晶成長を促すことができるという知見を得た。
【0007】
前記知見に基づき先ず、次の(a)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)の装置を提供する。
(a) シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する方法であって、該プラズマを該物品周縁部に対向する位置に形成するとともに、該物品表面にイオンビームを照射して膜形成する結晶性シリコン膜の形成方法。
(イ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該プラズマ励起用エネルギ供給手段は該プラズマを該被成膜物品周縁部に対向する位置に形成できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
【0008】
前記(a)の方法及び(イ)の装置によると、被成膜物品の周縁部に対向する位置にプラズマを形成することにより、該プラズマからの高速イオン(数100eV以上のエネルギを持つイオン)や高速電子の被成膜物品への直接入射が抑制され、シリコン成長面にダメージを与えず欠陥の少ない良質な結晶性を有するシリコン膜の成長が促される。それとともに該物品表面にイオンビームを照射し、そのイオン種及びイオン加速エネルギを適宜選択或いは調整することにより、表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が得られ、シリコン原子の移動乃至マイグレーション(migration)が促進されて、被成膜物品上に良好な結晶性を有するシリコン膜が形成される。
【0009】
この場合、比較的低温下でシリコンを結晶化させることができる。
また、1工程でこのような結晶性を有するシリコン膜が得られるため、成膜後の熱処理を省略することができ、生産性が良好である。
さらに、イオンビーム照射を行うことにより、膜と被成膜物品との界面部分処理時、成膜中及び成膜後の表面処理時のいずれの時においても、イオン種を選択し、或いはイオン加速エネルギを調整し、或いはこれらの組み合わせにより、膜応力制御、結晶性制御、結晶粒径制御、結晶配向制御、膜密着力制御等を行うことができる。なお、プラズマCVDにおいてプラズマ励起による反応種のエネルギは数eV〜数100eVという広範囲に及ぶため、単なるプラズマCVDではこのような制御を行い難い。
【0010】
また、前記知見に基づき次の(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)及び(ヘ)の結晶性シリコン膜の形成装置を提供する。
(ロ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリング状の電極を含むものであり、該イオンビーム照射手段は該リング状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
(ハ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向する筒状の電極を含むものであり、該イオンビーム照射手段は該筒状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
(ニ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するコイル状の電極を含むものであり、該イオンビーム照射手段は該コイル状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
(ホ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリジタノコイル型の電極を含むものであり、該イオンビーム照射手段は該リジタノコイル型電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
(ヘ) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該電力印加手段が該被成膜物品の周縁部に対向するリング状のマイクロ波導入用のアンテナを含むものであるとともに、該マイクロ波導入用アンテナの外周部に対し磁場形成手段を備え、さらに該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備え、該イオンビーム照射手段は該マイクロ波導入用アンテナの開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
【0011】
なお、以上説明した結晶性シリコン膜の形成装置に関して、「被成膜物品の周縁部に対向するリング状電極、筒状電極、コイル状電極、リジタノコイル型電極及びマイクロ波導入用アンテナ」において、該電極やアンテナが被成膜物品の周縁部に対向する状態には、それらが文字通り被成膜物品周縁部に対向している場合だけでなく、被成膜物品の周縁部に対向する位置にプラズマを形成できるようにその周縁部に臨む位置、その周縁部に関係する位置等に配置されている場合も含まれる。この点については、以下に説明する結晶性シリコン膜の形成方法、及び結晶性シリコン膜の形成装置においても同様である。
【0012】
前記(ロ)〜(ヘ)の装置によると、いずれも被成膜物品の周縁部に対向する電極への電力印加により原料ガスをプラズマ化させるため、被成膜物品の周縁部に対向する位置にプラズマが形成され、前記(a)の方法及び前記(イ)の装置の場合と同様に、被成膜物品を高温に加熱しないで、比較的低温下で該物品上に良好な結晶性を有するシリコン膜を形成できる。その他の作用・効果等も前記(a)の方法、(イ)の装置の場合と同様である。
【0013】
前記リング状電極を用いる(ロ)の装置、筒状電極を用いる(ハ)の装置、コイル状電極を用いる(ニ)の装置において、プラズマ励起用の電力印加電源としては代表例として高周波電源を挙げることができる。
また、前記リジタノコイル型電極を用いる(ホ)の装置においては、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを得るために、普通には、プラズマ励起用の電力印加電源としてマイクロ波電力印加電源を用い、前記リジタノコイル型電極はその外周部に対し磁場形成手段を有することができる。
【0014】
なお、マイクロ波導入用アンテナを用いる前記(ヘ)の装置において、原料ガスのプラズマ化にあたり、マイクロ波電力印加に加えて磁場を形成するのは、マイクロ波電力印加によりガスをプラズマ化させる場合、高周波電力印加による場合より高真空度下でプラズマを安定維持することが困難であるが、このようにマイクロ波導入用アンテナの外周から磁場を形成することで低圧下(高真空度下)でもプラズマを形成維持し易いからである。
【0015】
また、前記(ロ)、(ハ)、(ニ)の装置において、前記被成膜物品周縁部に対向する電極の外周部から磁場を入れる磁場形成手段を備え、前記原料ガスのプラズマ化とともに低圧下でプラズマを安定維持させるための磁場を形成してもよい。このとき、低圧下でのプラズマの形成が容易になる。
【0016】
また、前記知見に基づき次の(b)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(ト)の装置を提供する。
(b) シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する方法であって、該物品表面近傍の真空度を1×10−3Torr〜1×10−8Torrとするとともに、該物品表面にイオンビームを照射して膜形成する結晶性シリコン膜の形成方法。
(ト) 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するための手段を備えており、該原料ガス供給手段は該被成膜物品表面近傍の真空度が1×10−3Torr〜1×10−8Torrになるように該原料ガスを供給できるものである結晶性シリコン膜の形成装置。
【0017】
前記(b)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(ト)の装置によると、被成膜物品表面近傍の真空度を1×10−3Torr〜1×10−8Torrという高い真空度(低圧)とすることにより、該物品表面へのイオンビームの照射を可能とし、そのイオン種及びイオン加速エネルギを適宜選択或いは調整することにより、表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が得られ、シリコン原子のマイグレーションが促進されて、被成膜物品上に良質な結晶性を有するシリコン膜が形成される。
【0018】
また、1×10−3Torr〜1×10−8Torrという高真空下でガスをプラズマ化させるため、気相反応が抑制されて不要なダストパーティクルの生成が少なくなり、被成膜物品表面への不純物の付着が抑制され、良質な結晶性シリコン膜が得られる。また、高真空下でガスをプラズマ化させるため、膜形成に寄与するラジカルの拡散域が広がり、それだけ大面積の被成膜物品上にも良質の結晶性シリコン膜を形成することができる。さらに、結晶性シリコン膜形成工程において成膜を行う容器内面等への膜付着が少なく、それだけクリーニング等のメンテナンスが容易になる。
【0019】
その他の作用・効果は、前記(a)の方法及び前記(イ)の装置と同様である。
また、前記(a)の方法及び前記(イ)〜(ヘ)の装置においても、前記被成膜物品表面近傍の真空度を1×10−3Torr〜1×10−8Torrとしてもよく、このとき良質な結晶性シリコン膜を一層効率良く得ることができる。
【0020】
また、前記知見に基づき次の(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(チ)の装置も提供する。
(c)シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギの供給によりプラズマ化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する方法であって、該物品表面にイオン照射量を制御してイオンビームを照射するとともに、該プラズマのポテンシャルを制御することで該物品表面に入射するイオンビームのエネルギを制御して膜形成する結晶性シリコン膜の形成方法。
(チ)成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えている結晶性シリコン膜の形成装置。
【0021】
イオン源から100eV以下のイオンを引き出すことは空間電荷の働きから非常に困難であるところ、前記(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(チ)の装置によると、100eV以下の低エネルギのイオンビームを制御性良く、且つ、効率良く被成膜物品に照射することが可能となり、イオンビーム照射による表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨げず、シリコン原子のマイグレーションを促進し、被成膜物品上に良質な結晶性を有するシリコン膜を得ることができる。
【0022】
通常のイオンビーム照射において、イオン源の加速電圧を例えば約100Vにしてイオンを引き出す場合、イオン源の出口付近の正の空間電荷が低エネルギのイオンの引き出しを抑制し、十分な量のイオンを被成膜物品に照射し難い。一方、前記(c)の形成方法及び(チ)の装置では、イオン源からのイオンの引き出しは加速電圧を100V以上で行い(例えば100V〜200Vで引き出し)、プラズマからの電子の供給により正の空間電荷を緩和し、十分な量のイオンを被成膜物品に照射することともに、プラズマ励起用エネルギ供給手段(より具体的にはプラズマ励起用電源等)に直流バイアスをかけることでプラズマポテンシャルを正に持ち上げ、該プラズマ中を通過するイオンのエネルギを減じ、被成膜物品に低エネルギのイオンビームをエネルギの精度良く、且つ、効率良く大量に照射することが可能になる。すなわち、イオン源の加速電圧とプラズマポテンシャルの両者を制御することで、照射イオンのエネルギを低いレベルに制御してイオン照射効果をあげることが可能となる。
【0023】
その他の作用・効果は、前記(a)の結晶性シリコン膜の形成方法及び前記(イ)の装置の場合と同様である。
前記(チ)の装置において、前記プラズマポテンシャル制御手段としては、プラズマ励起用エネルギ供給手段(高周波電源又はマイクロ波電源が好ましい)に接続されたフィルター及び直流バイアス印加手段等を採用できる。なお、プラズマ励起用エネルギ供給手段が光を照射するものである場合は、このようなフィルターを省略することができる。
【0024】
また、前記(a)及び(b)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)〜(ト)の装置においても、前記プラズマのポテンシャルを制御することで前記被成膜物品表面に入射するイオンビームのエネルギを制御することができ、このとき、良質な結晶性を有するシリコン膜を一層効率良く形成することができる。
【0025】
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前記イオンビームのイオン種として、不活性ガス(ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス等)、反応性ガス(水素(H2 )ガス、フッ素(F2 )ガス、フッ化水素(HF)ガス等)及びシリコン系ガス(モノシラン(SiH4 )ガス、ジシラン(Si2 H6 )ガス等の水素化シリコンガス、四フッ化シリコン(SiF4 )ガス等のフッ化シリコンガス、四塩化シリコン(SiCl4 )ガス等の塩化シリコンガス等)のうち少なくとも一種のガスのイオンを用いることができる。
【0026】
前記不活性ガスイオンを照射するときには、結晶化のための物理的励起制御が可能となる。また、前記反応性ガス及び前記シリコン系ガスのうち水素(H)又は(及び)フッ素(F)を含むものを用いるときには、水素原子、フッ素原子が膜中のアモルファス相のシリコン原子と結合してこれを気化し、シリコンの結晶化が促進されるとともに、シリコン−シリコンネットワーク中のダングリングボンドや膜中欠陥が低減され、一層良質な結晶性を有するシリコン膜を形成することができる。
【0027】
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前記イオンビームを被成膜物品に対し10eV〜100eV程度、より好ましくは20eV〜100eV程度の低エネルギで照射することが考えられ、このとき、イオンビームを被成膜物品に照射することによる表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨げることなく一層良質な結晶性を有するシリコン膜を形成することができる。
【0028】
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、前記プラズマの原料ガスとして、前記イオンビームのイオン種源となるガスとして例示した前記シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又は前記シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと前記反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを用いることができる。
【0029】
なお、イオン源内からイオンの原料ガスが成膜を行う容器内に拡散してくるため、イオンビーム照射に用いるイオンの原料ガスとしてシリコン系ガスを用いるときには、プラズマの原料ガスとして別途シリコン系ガスを成膜容器内に導入することを省略することができる。
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法及び(イ)〜(チ)の装置において、原料ガス供給手段及び供給される原料ガスをプラズマ化するプラズマ励起用エネルギ供給手段を共に制御することで、換言すれば原料ガスの供給量及び該ガスをプラズマ化させるエネルギの大小や量を制御することで、
前記プラズマからのイオンが前記被成膜物品表面に入射しないようにすること、
前記プラズマから前記被成膜物品表面に入射するイオンのエネルギを0eVより大きく500eV以下とすること、
又は、
前記プラズマを前記被成膜物品の表面近傍又は該物品周縁部近傍に限定的に形成し、前記被成膜物品表面に前記プラズマから低エネルギのラジカル種を優先的に拡散させること
が考えられる。
【0030】
なお、ラジカル種の密度は、プラズマ励起に用いる電力の周波数を調整すること等により制御することができる。
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法において、前記イオンビームのイオン種として前記不活性ガス、前記反応性ガス及び前記シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを用いるとともに、前記プラズマの原料ガスとして前記シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又は前記シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと前記反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを用い、このとき前記被成膜物品表面に到達するプラズマからのシリコン原子数とイオンビームのイオン数との比(Si/i輸送比)を0.1〜100としてもよい。これは、Si/i輸送比が0.1より小さいとイオン量が過剰となり膜欠陥の発生が増加するからであり、100より大きいとイオン照射による結晶化効果が不十分になるからである。
【0031】
なお、被成膜物品表面に到達するシリコン原子数は膜厚をモニタしつつ制御することができ、被成膜物品表面に到達するイオン数はイオン源からのイオンの引き出し電圧を制御したり、イオン源内のプラズマを発生させるための印加電力を制御すること等により制御することができる。
また、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法においては、被成膜物品の温度を室温〜600℃にすることができ、従来に比べてこのような低温下でも良質な結晶性を有するシリコン膜を得ることができる。なお、室温より低温にするときには、形成されるシリコン膜中にアモルファス成分が増加し結晶性が低くなる。
【0032】
さらに、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法においては、より結晶性を高める必要がある場合には、成膜後、後処理として、前記結晶性シリコン膜に300℃〜600℃の熱処理を施すことができる。前記(a)〜(c)の方法により得られるシリコン膜中の水素濃度は1×1021cm−3以下という通常のCVD法により得られるシリコン膜より約2桁低い値にできるため、このように低値として上述の後処理によりボイドの少ない一層良質な結晶性を有するシリコン膜を形成することができる。また、結晶化のために行われる従来の後処理より加熱温度を低くすることができるとともに、加熱時間も短くすることができる。
【0033】
また、前記(イ)、(ト)及び(チ)の装置において、プラズマ励起用エネルギ供給手段としては、高周波電力供給手段、マイクロ波電力供給手段及び光照射手段等を採用することができ、前記(a)〜(c)の結晶性シリコン膜の形成方法において、原料ガスのプラズマ化を、そのような手段のうち適当なものにより行うことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態等を図面を参照して説明する。
図1は、結晶性シリコン膜の形成装置の1例の概略構成を示す図である。
この装置は、プラズマ生成室Cを有し、室Cには真空排気部18が接続されるとともに、原料ガス供給部12が接続されている。原料ガス供給部12には原料ガス源、マスフローコントローラ等が含まれるが、これらについては図示を省略している。また室C内には被成膜物品保持部材11が設置され、保持部材11は被成膜物品10を搬入搬出すべく図示しない駆動部により水平往復動可能で、室C内では被成膜物品加熱用ヒータ9上に配置される。また、保持部材11に保持される被成膜物品10周縁部に対向する位置には、リング状対向電極14aが設置される。該電極14aの開口部は図1中15aで示してある。電極14aには整合器16を介して高周波電源17aが接続されている。また、リング状対向電極14aを挟み、保持部材11に対向する位置にはイオン源2が設けられている。イオン源2にはイオン源用ガス供給部1が接続されているとともに、ガスプラズマ化のために整合器3を介して高周波電源4が接続されている。なお、ガス供給部1にもガス源等が含まれるが、これらは図示を省略している。また、イオン源2は、イオンを引き出すためのここでは3枚の電極(イオン源のプラズマ生成室側から加速電極、減速電極、接地電極)からなるレンズ電極系21を有している。レンズ電極系21とイオン源2との間には加速電源5及び減速電源6が接続されている。なお、イオン源2の励起方法はここでは高周波型を示しているが、この他フィラメント型、マイクロ波型等を採用できる。また、レンズ電極系は3枚電極構造に限定されず1枚〜4枚の電極からなるものでよい。
【0035】
この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成するにあたっては、被成膜物品10を保持部材11により保持してプラズマ生成室C内に搬入しヒータ9上の所定の成膜位置に設置するとともに、室C内を真空排気部18の運転にて所定真空度とする。
次いで、原料ガス供給部12からプラズマ生成室C内にシリコン系ガスを含む原料ガスを導入するとともに、整合器16を介して高周波電源17aからリング状対向電極14aに高周波電力を供給して前記導入したガスをプラズマ化し、図中13で示す位置すなわち被成膜物品10の周縁部に対向する位置にプラズマを形成する。原料ガスとしては、シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス又はシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一種のガスを用いる。
【0036】
それとともにイオン源2にイオン源用ガス供給部1からイオンの原料ガスを導入し、これに整合器3を介して電源4から高周波電力を供給して、図中8で示すイオン源内の位置にプラズマを発生させ、レンズ電極系21に電源5、6により適当な電圧を印加することによりプラズマ8から加速エネルギ10eV〜100eV、より好ましくは20eV〜100eVでイオンを引き出し、リング状対向電極14aの開口部15aを通して被成膜物品10に該イオンビームを照射する。イオンの原料ガスとしては不活性ガス、反応性ガス及びシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを用いる。
【0037】
これにより、被成膜物品10上に結晶性シリコン膜が形成される。なお、成膜中は、被成膜物品10表面近傍の真空度が1×10−3Torr〜1×10−8Torrの範囲内になるようにプラズマ生成室内の真空度を調整する。また、被成膜物品10の温度はヒータ9によりRT(室温)〜600℃に保つ。
以上説明した方法及び装置によると、被成膜物品10表面近傍の真空度が低く、且つ、プラズマ13は主に物品10の周縁部に対向する位置に形成されるため、プラズマ中の高速イオン及び高速電子の物品10への入射量が少なく、しかも直接入射が抑制され、シリコン成長面にダメージを与えず欠陥の少ない良質のシリコン膜の成長が促される。また、物品10にイオンビームを照射し、その照射のエネルギが100eV以下の低レベルに制御されていることにより、イオンビーム照射による表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が妨げられずシリコン原子のマイグレーションが促進されて、物品10上に良質な結晶性を有するシリコン膜が形成される。
【0038】
また、成膜中はシリコンを結晶化させるために物品10の温度を600℃より高くする必要はない。このことから、例えば液晶表示装置用のガラス基板として比較的低融点の安価なガラスを用い、その上にTFT用等のシリコン膜を形成できる。
また、1工程で結晶性シリコン膜が得られるため、成膜後の熱処理を省略することができ、生産性が良好である。さらに結晶性を向上させる必要があるために熱処理を加える場合にも、300℃〜600℃という従来より低温で、しかも加熱時間も従来(20時間以上)より短くすることができる。
【0039】
また、1×10−3Torr〜1×10−8Torrという高真空度下で原料ガスをプラズマ化させるため、気相反応が抑制されて不要なパーティクルの生成が抑制され、被成膜物品10への不純物の付着が抑制されて良質な結晶性シリコン膜が得られる。また、前記のとおり高真空下で原料ガスをプラズマ化するため、成膜に寄与するラジカルの拡散域が広くなり、大面積の被成膜物品10上にも良質な結晶性シリコン膜を形成することができる。さらにプラズマ生成室C内面等への膜付着が少なく、従って室C内のクリーニングの頻度が少なくて済む。
【0040】
また、図2は結晶性シリコン膜の形成装置の他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図1に示す装置において、リング状対向電極14aに代えて円筒状対向電極14bを採用したものである。その他の構成及び成膜動作は図1の装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
この装置によると、図1に示す装置と同様の効果が得られる。
【0041】
また、図3は結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図1に示す装置において、リング状対向電極14aに代えてコイル状対向電極14cを採用したものである。その他の構成及び成膜動作は図1の装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0042】
この装置によると、図1に示す装置と同様の効果が得られる。
なお、これらの装置において、電極の外周からプラズマ安定維持のための磁場を入れる磁石100(図中二点鎖線で示す)を設けてもよい。
図4は結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置は図1に示す装置において、リング状対向電極14aに代えてリジタノコイル型電極14dを採用し、該電極14dには整合器16及び高周波電源17aに代えてマイクロ波電源17bを接続したものである。リジタノコイル型電極14dはその外周部には電磁石コイル19を有している。なお、ここでは電磁石コイルを採用しているが、永久磁石を採用しても構わない。その他の構成は図1に示す装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0043】
この装置を用いて本発明の結晶性シリコン膜を形成するにあたっては、図1の装置によると同様にし、但し、リング状対向電極14aへの高周波電力の供給によりプラズマを形成するのに代えて、電磁石コイル19により磁場を形成した状態でリジタノコイル型電極14dにマイクロ波電源17bよりマイクロ波電力を供給して、リジタノコイル型電極14dに沿った部分すなわち被成膜物品10の周縁部に対向する位置にプラズマ13を形成する。
【0044】
この方法及び装置によると、図1に示す装置を用いた場合と同様の効果が得られ、さらにリジタノコイル型電極を採用することで、マイクロ波の周波数に無関係にコイルの直径を大きくすることができるため、大口径のプラズマを形成することができ、大面積の被成膜物品上にも容易に成膜を行うことができる。
また、図5は結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置は図1に示す装置において、リング状対向電極14aに代えてリング状のマイクロ波導入用アンテナ14eを採用し、該電極14eに整合器16及び高周波電源17aに代えてマイクロ波電源17bを接続したものである。さらに、プラズマ生成室C外の、アンテナ14eの外周部に対向する位置には、低圧下でプラズマを安定維持するためにプラズマ密度を高くするような磁場を形成できる電磁石コイル19が設けられている。なお、ここでは電磁石コイルを採用しているが、永久磁石を採用しても構わない。その他の構成は図1に示す装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0045】
この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成するにあたっては、図1の装置によると同様にし、但し、リング状対向電極14aへの高周波電力の供給によりプラズマを形成するのに代えて、電磁石コイル19により磁場を形成した状態でアンテナ14eにマイクロ波電源17bよりマイクロ波電力を供給して被成膜物品10の周縁部に対向する位置にプラズマ13を形成する。
【0046】
この装置によると図1に示す装置と同様の効果が得られる。
また、図6は結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図1に示す装置において、リング状対向電極14aに整合器16及び高周波電源17aからなる直列回路に並列して高周波フィルタF及び直流バイアス電源Bからなる直列回路を接続したものである。その他の構成は図1の装置と同様であり、同じ部品には同じ参照符号を付してある。
【0047】
この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成するにあたっては、図1に示す装置によると同様にし、但し、プラズマ励起のためにリング状対向電極14aに高周波電源17aより高周波電力を供給する際、これに加えて高周波フィルタFを介してバイアス電源Bより正の直流バイアスを印加する。
これにより、プラズマポテンシャルを正に持ち上げ、該プラズマ中を通過するイオンのエネルギを減じ、被成膜物品10に十分な量の低エネルギのイオンを照射することができる。また、高周波フィルタF及びバイアス電源Bを採用しない場合には通常困難である100eV以下の低エネルギのイオンビームの照射をエネルギ精度よく行うことができ、良質な結晶性を有するシリコン膜を効率良く形成することができる。その他は図1に示す装置を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0048】
なお、図2〜図5の装置においても、このように高周波フィルタF及びバイアス電源Bを用いて図7〜図10に示す装置とし、これによりプラズマポテンシャルを制御することで被成膜物品に照射されるイオンビームのエネルギを低レベルに制御することができる。
次に、結晶性シリコン膜形成装置のさらに他の例を図11を参照して説明する。
【0049】
この装置は、成膜室C´を有し、その内部に高周波電極14及びこれに対向する接地電極11´を設置してあり、電極11´は被成膜物品10を支持するホルダを兼ねており、内部に物品加熱用ヒータ9´を内蔵している。成膜室C´は真空排気部18´により所望の真空度に排気でき、ガス供給部12´から成膜用原料ガスを供給できる。
【0050】
高周波電極14には整合器3´を介して高周波電源4´を接続してある。また、成膜室C´には、ホルダ11´上の被成膜物品10に対しイオンビームを照射するためのイオン源2´を付設してある。このイオン源2´は図1に示す装置におけるイオン源2と同構造、作用のものである。
この装置を用いて結晶性シリコン膜を形成するにあたっては、被成膜物品10を成膜室C´内に搬入してホルダ11´に設置する。また、成膜室C´内を真空排気部18´の運転にて排気する一方、ガス供給部12´から成膜室内に原料ガスを導入する。原料ガスの導入を制御することで、或いは原料ガス導入と排気部18´による排気を制御することで、被成膜物品10表面への膜形成圧力を1×10−3Torr〜1×10−8Torrの範囲のものに維持しつつ、また、被成膜物品10の温度を室温〜600℃に保ちつつ、電極14、11´間に高周波電力を印加して成膜用原料ガスをプラズマ化し、さらに、イオン源2´から被成膜物品10へ向けイオンビームをイオン加速エネルギ10eV〜100eV、さらに好ましくは20eV〜100eVで照射し、かくしてこのプラズマ13の下で物品10表面に結晶性シリコン膜を形成する。
【0051】
この装置及び手法によるシリコン膜形成では、既述の図1から図10の各装置による膜形成の場合と同様、比較的低温下で良質の結晶性シリコン膜を得ることができるのであるが、図11の装置による膜形成では、1×10−3Torr〜1×10−8Torrという高真空下でガスをプラズマ化させるため、気相反応が抑制されて不要なダストパーティクルの生成が少なくなり、被成膜物品10表面への不純物の付着が抑制され、良質な結晶性シリコン膜が得られる。また、高真空下でガスをプラズマ化させるため、膜形成に寄与するラジカルの拡散域が広がり、それだけ大面積の被成膜物品上にも良質の結晶性シリコン膜を形成することができる。さらに、結晶性シリコン膜形成工程において成膜を行う容器C´内面等への膜付着が少なく、それだけクリーニング等のメンテナンスが容易になる。
【0052】
次に、図1〜図11の装置を用いて結晶性シリコン膜を形成した具体的実施例及びその結果得られた結晶性シリコン膜の例について説明する。併せて、従来の平行平板型プラズマCVD装置を用いてシリコン膜を形成した比較例についても説明する。
次に、前記実施例1、2、3及び比較例により得られた各シリコン膜について、フーリエ交換赤外分光分析(FT−IR)、X線回折分析(XRD)及びレーザラマン分光分析により水素濃度測定及び結晶性評価を行い、ホール移動度測定を行うことでデバイス特性を評価した。また、後処理として熱処理を施し結晶構造の変化を調べた。
・FT−IR
波数2000cm−1のSi−H(Stretching−band) 吸収ピーク積分強度から膜中の水素濃度を定量分析したところ、実施例1による全ての膜サンプル及び実施例3による膜サンプルは5×1020cm−3以下であり、また実施例2による全ての膜サンプルは3×1020cm−3以下であるのに対し、比較例による膜サンプルは2×1022cm−3であった。このように本発明実施例1、2、3により得られた膜サンプルは比較例によるものより水素濃度が著しく少なく、また、バイアス電圧印加によりプラズマポテンシャルを制御してイオンビーム照射を行った実施例2による膜サンプルは実施例1によるものより水素濃度が少なかった。
・XRD
実施例1、2、3による全ての膜サンプルは、111面(2θ=28.2°)及び220面(2θ=47.2°)からのピークが検出され、シリコン(cubic) の結晶性が確認された。また、これらのピーク強度は実施例2による膜サンプルが実施例1及び3によるものより強かった。一方、比較例による膜サンプルはアモルファス構造であることが確認された。
・レーザラマン分光分析
実施例1による全ての膜サンプル及び実施例3による膜サンプルは、結晶化シリコンによるピーク(ラマンシフト=515〜520cm−1)のピークを検出し、100Å〜2000Åの結晶粒が認められた。また、実施例2による全ての膜サンプルは、500Å〜2000Åの結晶粒が認められた。一方、比較例による膜サンプルはアモルファス構造によるピーク(ラマンシフト=480cm−1)が検出された。
・熱処理
実施例1、2、3及び比較例により得られた各膜サンプルに後処理として500℃、8時間の真空中での熱処理を施したところ、比較例による膜サンプルはアモルファス構造のままで結晶化しなかったが、実施例1、2、3のものでは結晶粒径が増大した。実施例1及び3によるものでは100Å〜2000Åから500Å〜3000Åへ、実施例2によるものでは500Å〜2000Åから1000Å〜3000Åへ結晶粒径が増大した。
・ホール移動度
比較例による膜サンプルが0.1cm2 /V・sのホール移動度を示したのに対し、実施例1及び3による膜サンプルでは結晶粒径100Åのもので0.5cm2 /V・s、結晶粒径2000Åのもので50cm2 /V・sのホール移動度を示し、実施例2による膜サンプルでは50〜80cm2 /V・sのホール移動度を示した。
【0053】
以上の結果から、実施例1、2、3では平行平板型プラズマCVD装置を用いた比較例によっては得られなかった結晶性シリコン膜が300℃という低温度下で得られたことが分かる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、比較的低温下で、生産性良く膜形成できる良質の結晶性シリコン膜の形成方法及び装置を提供することができる。
さらに説明すると、本発明によると次のような効果が得られる。
▲1▼ 比較的低温下で結晶性シリコン膜が得られるため、例えば低融点ガラスのような耐熱性の低い材質からなる被成膜物品上にも膜形成でき、被成膜物品の選択範囲が広くなる。
▲2▼ 1工程で良質な結晶性シリコン膜が得られるため、成膜後の熱処理を省略することができ、生産性が良好である。
▲3▼ より結晶性を高める必要がある場合にも、後処理として行う熱処理の温度を低くすることができ、また加熱時間も短くすることができる。
▲4▼ プラズマポテンシャルを制御してイオンビームの照射エネルギを制御するので、エネルギ100eV以下の低エネルギのイオンビームを大量にしかもエネルギ精度良く照射することができ、良質な結晶性を有するシリコン膜を一層効率良く形成することができる。
▲5▼ プラズマを被成膜物品周縁部に対向する位置に形成するときは、該物品への不要なダストパーティクルの付着が抑制され、歩留りが向上する。
▲6▼ 被成膜物品表面近傍の真空度を1×10−3Torr〜1×10−8Torrにしてプラズマを形成するときは、膜形成に寄与するラジカルの拡散域が広がり、大面積の被成膜物品上にも結晶性シリコン膜を容易に形成できる。また、気相反応が抑制されて不要なダストパーティクルの生成が少なくなり、良質な結晶性を有するシリコン膜を一層効率良く形成できるとともに、成膜を行う容器内のクリーニング等のメンテナンスの負担が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性シリコン膜の形成装置の1例の概略構成を示す図である。
【図2】結晶性シリコン膜の形成装置の他の例の概略構成を示す図である。
【図3】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図4】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図5】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図6】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図7】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図8】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図9】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図10】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【図11】結晶性シリコン膜の形成装置のさらに他の例の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン源用ガス導入口
2、2´ イオン源
21 レンズ電極系
3、3´、16 整合器
4、4´17a 高周波電源
5 加速電源
6 減速電源
8 イオン源内プラズマ
9、9´ 被成膜物品加熱用ヒータ
10 被成膜物品
11 被成膜物品保持部材
11´ 接地電極兼ホルダ
12、12´ 原料ガス供給部
13 原料ガスプラズマ
14 高周波電極
14a リング状対向電極
14b 円筒状対向電極
14c コイル状対向電極
14d リジタノコイル型電極
14e リング状のマイクロ波導入用アンテナ
15a リング状対向電極14aの開口部
17b マイクロ波電源
18、18´ 真空排気部
19 電磁石コイル
F 高周波フィルタ
B バイアス電源
C、C´ プラズマ生成室
Claims (25)
- シリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給手段によりプラズマ化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する方法であって、該物品表面にイオン照射量を制御してイオンビームを照射するとともに、該プラズマのポテンシャルを制御することで該物品表面に入射するイオンビームのエネルギを制御して膜形成することを特徴とする結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記プラズマを前記物品周縁部に対向する位置に形成する請求項1記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記物品表面近傍の真空度を1×10−3Torr〜1×10−8Torrとする請求項1又は2記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記イオンビームのイオン種として、不活性ガス、反応性ガス及びシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを用いる請求項1、2又は3記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記イオンビームをイオンエネルギ10eV〜100eVで照射する請求項4記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記原料ガスとして、シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又はシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを用いる請求項1、2又は3記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記原料ガスとして、シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又はシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを用いる請求項4又は5記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記プラズマから前記被成膜物品表面に入射するイオンのエネルギを500eV以下とする請求項6又は7記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記被成膜物品表面に到達するプラズマからのシリコン原子数とイオンビームのイオン数との比(Si/i輸送比)を0.1〜100とする請求項7記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 前記被成膜物品の温度を室温〜600°Cとする請求項1から9のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 成膜後、後処理として、前記結晶性シリコン膜に300°C〜600°Cの熱処理を施す請求項1から10のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成方法。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスをプラズマ励起用エネルギ供給手段によるエネルギ供給によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えていることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記プラズマ励起用エネルギ供給手段は前記プラズマを前記被成膜物品周縁部に対向する位置に形成できるものである請求項12記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えており、前記電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリング状の電極を含むものであり、前記イオンビーム照射手段は該リング状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えており、前記電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向する筒状の電極を含むものであり、前記イオンビーム照射手段は該筒状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えており、前記電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するコイル状の電極を含むものであり、前記イオンビーム照射手段は該コイル状電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えており、前記電力印加手段は該被成膜物品の周縁部に対向するリジタノコイル型の電極を含むものであり、前記イオンビーム照射手段は該リジタノコイル型電極の開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 成膜用原料ガス供給手段により供給されるシリコン系ガスを含む原料ガスを電力印加手段による電力印加によりプラズマ化し、支持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に結晶性シリコン膜を形成する装置であって、該被成膜物品にイオンビームを照射するためのイオン照射量制御可能の手段及び前記プラズマのポテンシャルを制御するための手段を備えており、前記電力印加手段が該被成膜物品の周縁部に対向するリング状のマイクロ波導入用のアンテナを含むものであるとともに、該マイクロ波導入用アンテナの外周部に対し磁場形成手段を備え、前記イオンビーム照射手段は該マイクロ波導入用アンテナの開口部を通して該被成膜物品にイオンビームを照射できるものであることを特徴とする結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記の被成膜物品に対向する電極の外周から磁場を入れる磁場形成手段を備えている請求項14、15又は16記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記原料ガス供給手段は該被成膜物品表面近傍の真空度が1×10−3Torr〜1×10−8Torrになるように該原料ガスを供給できるものである請求項12から19のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記イオンビーム照射手段が、不活性ガス、反応性ガス及びシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスのイオンを照射できるものである請求項12から20のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記イオンビーム照射手段はイオンエネルギ10eV〜100eVで前記イオンを照射できるものである請求項21記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記原料ガス供給手段が、前記原料ガスとして、シリコン系ガスのうち少なくとも一種のガス、又はシリコン系ガスのうち少なくとも一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一種のガスとを供給できるものである請求項12から22のいずれかに記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記原料ガス供給手段及び前記プラズマ励起用エネルギ供給手段が、共に制御されて、前記プラズマからのイオンが前記被成膜物品表面に入射しないようにできるものである請求項23記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
- 前記原料ガス供給手段及び前記プラズマ励起用エネルギ供給手段が、共に制御されて、前記プラズマから前記被成膜物品表面に入射するイオンのエネルギを500eV以下にできるものである請求項23記載の結晶性シリコン膜の形成装置。
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