JP3087166B2 - 成膜方法及び装置 - Google Patents

成膜方法及び装置

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JP3087166B2 JP08355206A JP35520696A JP3087166B2 JP 3087166 B2 JP3087166 B2 JP 3087166B2 JP 08355206 A JP08355206 A JP 08355206A JP 35520696 A JP35520696 A JP 35520696A JP 3087166 B2 JP3087166 B2 JP 3087166B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜半導体素子の
製造等で用いられる成膜方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性膜の形成を例にとると、CVD
法、特に熱CVD法が多用されている。CVD法によ
り、例えば結晶性シリコン膜を形成するためには、通
常、被成膜物品の温度を800℃程度以上に保つ必要が
ある。また、真空蒸着法、スパッタ蒸着法等のPVD法
も用いられるが、この場合も、該膜を結晶性を有するも
のにするためには、通常、被成膜物品の温度を700℃
程度以上に保つ必要がある。
【0003】また近年では、各種CVD法、PVD法に
より比較的低温下でアモルファスシリコン膜を形成した
後、後処理として、800℃程度以上の熱処理若しくは
600℃程度で20時間程度以上の長時間にわたる熱処
理を施したり、レーザアニール処理を施して、該膜を結
晶性シリコン膜とすることが行われている。しかしなが
ら、前記のように、各種CVD法、PVD法により直接
結晶性シリコン膜を形成する方法によっては、例えば液
晶表示装置のガラス基板として比較的安価な低融点ガラ
スを用い、この基板上にTFTを形成するために結晶性
シリコン膜を形成しようとするとき、かかる低融点ガラ
スを700℃や800℃に保つと、溶融したり歪みが生
じる等する。このようにCVD法やPVD法で直接結晶
性シリコン膜を形成する手法では耐熱性が比較的低い材
質からなる物品上への成膜が困難である。
【0004】また、前記の熱処理やレーザアニール処理
を後処理として行い結晶性シリコン膜を得る方法は、直
接結晶性シリコン膜を形成する方法に比べて、1工程多
いため生産性が悪い。なお、レーザアニール処理はレー
ザ照射装置が高価であるとともに、大面積で均一性の良
い膜が得られないという欠点もある。このような問題
は、シリコン膜に限らず、結晶化度の高い膜を形成しよ
うとする場合に生じる問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この点、本発明者は、
被成膜物品を成膜原料ガスから得たプラズマに曝すとと
もに該物品表面にイオンビームを照射して膜を形成し、
この際該プラズマを該物品周縁部近傍に形成すること、
又は、該物品表面近傍の真空度を特に低くすること等に
より膜の結晶性を向上させ得ることを見いだし、結晶性
シリコン膜をこのようにして形成する方法及び装置等に
ついて、既に特許出願済みである(特願平8−0224
05号)。
【0006】しかし、その後の研究によると、このよう
な結晶性シリコン膜の形成に限らず、被成膜物品を成膜
原料ガスのプラズマに曝すとともに該物品にイオンビー
ムを照射する成膜では、成膜原料ガスをプラズマ化させ
るための電力とイオンビームを得るためにイオン原料ガ
スをプラズマ化させるための電力とはそれぞれ独立した
電源から投入されていたため、両電力の高周波の位相の
関係は、電力投入時点で決定され、成膜ごとに(成膜バ
ッチごとに)異なり、その結果、プラズマの安定化、成
膜バッチ間の膜質均一性等に難点が認められた。
【0007】そこで、本発明は、被成膜物品を成膜原料
ガスから発生させたプラズマに曝すとともに、該物品表
面にイオンビームを照射して膜形成する成膜方法及び装
置であって、プラズマを安定化させることができ、ま
た、成膜バッチ間での膜質の変動を抑制することができ
る成膜方法及び装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明者は研究を重ね、以下の知見、すなわち、成膜
原料ガスをプラズマ化し、該プラズマの下に被成膜物品
を曝すとともに、別途イオン原料ガスをプラズマ化し、
そこから引き出したイオンビームを該物品に照射する成
膜方法及び装置においては、成膜原料ガスプラズマ化の
ために供給する高周波電力及びイオン原料ガスプラズマ
化のために供給する高周波電力の両者の高周波の位相を
制御することで安定したプラズマを形成することがで
き、また、成膜バッチごとに両者の位相関係を同一にす
ることで成膜バッチ間で安定した膜質が得られるように
なることを見出した。
【0009】また、パルス電力の供給により成膜原料ガ
スのプラズマ化及びイオン原料ガスのプラズマ化をそれ
ぞれ行う場合においては、両パルス電力のパルスの位相
関係を制御することや、被成膜物品に到達するイオンビ
ーム電流の変動波形に対応して該変動波形の位相と成膜
原料ガスプラズマ化のために供給する高周波電力の高周
波の位相関係を制御することによっても同様に安定した
プラズマを形成することができ、また、成膜バッチごと
にこの位相関係を同一にすることで成膜バッチ間で安定
した膜質が得られるようになることを見出した。
【0010】前記知見に基づき本発明は、次のの成膜
方法及び(a) の装置を提供する。 プラズマ生成室に
おいて成膜原料ガスを高周波電力の供給によりプラズマ
化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上に成膜
する方法であって、該物品表面を該プラズマに曝すとと
もに、前記プラズマ生成室に接続されたイオン源におけ
イオン原料ガスへの高周波電力供給により得られたプ
ラズマから引き出したイオンビームを該物品表面に照射
し、この際、プラズマ生成室における成膜原料ガスプラ
ズマ化のための高周波電力及びイオン源におけるイオン
原料ガスプラズマ化のための高周波電力の両者の高周波
の位相関係を制御することを特徴とする成膜方法。 (a) 成膜原料ガス供給手段により供給される原料ガス
を、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段によ
る高周波電力の供給によりプラズマ化し、支持手段に支
持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に成
膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ化用高周
波電力供給手段を備えたイオン源と、該成膜原料ガスプ
ラズマ化用高周波電力供給手段により供給される高周波
電力及びイオン原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手
段により供給される高周波電力の両者の高周波の位相関
係を制御するための手段とを備えたことを特徴とする成
膜装置。
【0011】本発明の前記の成膜方法及び(a) の成膜
装置によると、安定したプラズマを形成することができ
るため、プラズマ不安定による気相反応及び異常放電に
よる不純物やパーティクルの発生を抑制することができ
る。また、イオンビームが成膜原料ガスのプラズマ中を
通過する際、該プラズマを形成するための制御された高
周波電界の影響を受けさせて被成膜物品に到達するイオ
ンビームのイオンエネルギ幅を小さくでき、それだけ安
定したエネルギのイオンビームを照射することができ
る。そして、これらのことから形成される膜の結晶性を
向上させたり、表面の凹凸を少なくしたり、膜中欠陥を
減少させる等でき、それだけ、膜質を向上させることが
できる。また、前記高周波の位相関係を成膜バッチ間で
揃えることができ、それにより成膜バッチ間での膜質の
変動を抑制することができる。
【0012】前記の方法において、成膜原料ガスプラ
ズマ化のための高周波電力の高周波の位相とイオン原料
ガスプラズマ化のための高周波電力の高周波の位相関係
を制御するには、イオン原料ガスプラズマ化のための高
周波電力供給手段の高周波波形信号を分岐検出し、その
信号を位相制御して得られた信号を成膜原料ガスプラズ
マ化のための高周波波形信号に同期させ出力すればよ
い。
【0013】また、前記(a) の装置において、前記位相
関係を制御するための手段は、イオン源に設けられた高
周波電力供給手段の高周波波形信号を分岐検出する手段
と、その検出信号を位相制御する手段と、位相制御した
信号を成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段の
高周波波形信号に同期させて出力する手段とからなるも
のが考えられる。この場合の配線は、信号検出、信号送
信による位相のずれが生じることを考慮したものとする
必要がある。また、イオン源の高周波電力供給手段の基
準電圧と成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段
の基準電圧とが異なる場合(又は電圧差が必要な場合)
は、両者の信号配線間に、直流的な絶縁を行える手段
(例えば絶縁素子)を備えればよい。
【0014】また、前記の方法において、これを実施
するための装置における、被成膜物品支持手段に支持さ
れる被成膜物品、高周波電極及びイオン源の位置関係等
のような装置各部の構造や被成膜物品の誘電率等を規定
する材質やその厚みによっては、成膜原料ガスプラズマ
化のための高周波電力及びイオン原料ガスプラズマ化の
ための高周波電力の両者の高周波の波形を同期させる
と、前記効果を得る上で有利な場合もある。
【0015】この場合は、前記(a) の装置において、前
記位相関係を制御するための手段に代えて、前記両高周
波電力の高周波の波形を同期させる(周波数を同じく
し、位相を同相とする)ための手段を備えたものを用い
ればよい。成膜原料ガスプラズマ化のための高周波電力
の波形とイオン原料ガスプラズマ化のための高周波電力
の波形とを同期させるには、イオン原料ガスプラズマ化
のための高周波電力供給手段の高周波波形信号を分岐検
出し、その信号を成膜原料ガスプラズマ化のための高周
波波形信号に同期させて出力すればよい。これにより、
両者の周波数及び波形の位相を一致させることができ
る。
【0016】また、成膜原料ガスプラズマ化のための高
周波電力の波形とイオン原料ガスプラズマ化のための高
周波電力の波形とを同期させる場合、前記(a)の装置
を、前記位相関係を制御するための手段に代えて、成膜
原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段により供給さ
れる高周波電力の波形とイオン原料ガスプラズマ化用高
周波電力供給手段により供給される高周波電力の波形と
を同期させるための手段を備えたものとすることが考え
られる。
【0017】この場合の波形を同期させるための手段
は、イオン源に設けられた高周波電力供給手段の高周波
波形信号を分岐検出する手段と、その検出信号を成膜原
料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段の高周波波形信
号に同期させて出力する手段とからなるものが考えられ
る。これに代えて前記の位相制御装置を用いて位相差を
0°に制御することもできるが、波形同期手段を用いる
方が、装置構造を簡単にすることができる。また、信号
検出、信号送信による位相のずれを考慮した配線とする
こと、両高周波電力供給手段の基準電圧間に差を設ける
ことが必要な場合に両者間に絶縁装置を設ければよいこ
とは前記と同様である。
【0018】また、前記知見に基づき本発明は、次の
の成膜方法及び(b) の装置を提供する。 プラズマ生
成室において成膜原料ガスをパルス電力の供給によりプ
ラズマ化し、該プラズマに被成膜物品を曝して該物品上
に成膜する方法であって、該物品表面を該プラズマに曝
すとともに、前記プラズマ生成室に接続されたイオン源
におけるイオン原料ガスへのパルス電力供給により得ら
れたプラズマから引き出したイオンビームを該物品表面
に照射し、この際、プラズマ生成室における成膜原料ガ
スプラズマ化のためのパルス電力及びイオン源における
イオン原料ガスプラズマ化のためのパルス電力の両者の
パルスの位相関係を制御することを特徴とする成膜方
法。 (b) 成膜原料ガス供給手段により供給される原料ガス
を、成膜原料ガスプラズマ化用パルス電力供給手段によ
るパルス電力の供給によりプラズマ化し、支持手段に支
持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に成
膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ化用パル
ス電力供給手段を備えたイオン源と、成膜原料ガスプラ
ズマ化用パルス電力供給手段により供給されるパルス電
力及びイオン原料ガスプラズマ化用パルス電力供給手段
により供給されるパルス電力の両者のパルスの位相関係
を制御するための手段とを備えたことを特徴とする成膜
装置。
【0019】本発明の前記の成膜方法及び(b) の成膜
装置によると、前記の方法及び(a) の装置によると同
様の作用・効果が得られる。また、両パルスの位相関係
を制御する具体的な手順は前記の方法と同様にすれば
よく、また位相関係を制御するための手段についても前
記(b) の装置と同様に、イオン源に設けられたパルス電
力供給手段のパルス信号を分岐検出する手段と、検出さ
れた信号を位相制御する手段と、位相制御した信号を成
膜原料ガスプラズマ化用パルス電力供給手段のパルス信
号に同期させて出力する手段とからなるものが考えられ
る。
【0020】さらに、前記の方法において、両パルス
の波形を同期させることが効果的な場合があることは前
記の方法の場合と同じであり、その際の前記(b) の装
置における両パルス波形を同期させる(周波数を同じく
し、位相を同相とする)ための手段についても前記(a)
の装置と同様のものを用いることができる。また、前記
知見に基づき本発明は、次のの成膜方法及び(c) の装
置を提供する。 プラズマ生成室において成膜原料ガ
スを高周波電力の供給によりプラズマ化し、該プラズマ
に被成膜物品を曝して該物品上に成膜する方法であっ
て、該物品表面を該プラズマに曝すとともに、前記プラ
ズマ生成室に接続されたイオン源におけるイオン原料ガ
スへの高周波電力供給により得られたプラズマから引き
出したイオンビームを該物品表面に照射し、この際、該
被成膜物品に到達するイオンビーム電流の変動波形に
対応してプラズマ生成室における成膜原料ガスプラズマ
化のための高周波電力の高周波の位相を制御することを
特徴とする成膜方法。 (c) 成膜原料ガス供給手段により供給される原料ガス
を、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段によ
る高周波電力の供給によりプラズマ化し、支持手段に支
持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物品上に成
膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ化用高周
波電力供給手段を備えたイオン源と、被成膜物品に到達
するイオンビーム電流の変動波形を検出する手段と、該
イオンビーム電流変動波形検出手段により検出される変
動波形に対応して、前記成膜原料ガスプラズマ化用高周
波電力供給手段により供給される高周波電力の高周波の
位相を制御するための手段とを備えたことを特徴とする
成膜装置。
【0021】本発明の前記の成膜方法及び(c) の成膜
装置によると、前記の方法及び(a) の装置によると同
様の作用・効果が得られる。なお、被成膜物品に到達す
るイオンビーム電流の波形に変動が生じるのは、イオン
ビーム電流が、イオン原料ガスプラズマ化のために供給
する高周波電力の波形の影響、及び成膜原料ガスプラズ
マ化のために供給する高周波電力により電界を+−に変
動させて発生させたプラズマ中をイオンビームが通過す
ることの影響等を受けるからである。
【0022】前記の方法において、該被成膜物品に到
達するイオンビーム電流の変動波形に対応して成膜原料
ガスプラズマ化のための高周波電力の位相を制御するに
は、被成膜物品に到達するイオンビーム電流を検出し、
その信号を位相制御して得られた信号を成膜原料ガスプ
ラズマ化のための高周波波形信号に同期させ出力すれば
よい。
【0023】また、前記(c) の装置において、前記位相
を制御するための手段は、例えばファラデーカップのよ
うなイオンビーム電流変動波形検出手段にて検出される
検出信号を位相制御する手段と、該位相制御した信号を
成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段の高周波
波形信号に同期させて出力する手段とからなるものが考
えられる。
【0024】なお、前記の方法において、イオンビー
ム電流の変動波形に対応して、該変動波形に成膜原料ガ
スプラズマ化のための高周波電力の高周波の波形を同期
させることが効果的な場合があることは前記の方法の
場合と同様である。このとき、前記(c) の装置を、イオ
ンビーム電流変動波形検出手段により検出される変動波
形に対応して成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給
手段により供給される高周波電力の位相を制御するため
の手段に代えて、イオンビーム電流変動波形検出手段に
より検出される変動波形に対応して成膜原料ガスプラズ
マ化用高周波電力供給手段による高周波電力の高周波の
波形とイオンビーム電流の変動波形とを同期させるため
の手段を備えたものとすることが考えられる。
【0025】具体的には、例えばファラデーカップのよ
うな前記イオンビーム電流変動波形検出手段にて検出さ
れる検出信号を成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供
給手段の基準信号として出力する手段からなるものが考
えられる。これにより同期運転が可能となる。前記〜
の方法において、被成膜物品の周縁部近傍に成膜原料
ガスのプラズマを形成することが考えられる。このと
き、該プラズマからの高速イオン( 数100eV以上
のエネルギを持つイオン)や高速電子の被成膜物品への
直接入射が抑制され、結晶成長面に与えるダメージが抑
制されて、一層欠陥の少ない良質な結晶性を有する膜の
成長が促される。それとともにイオンビームのイオン種
及びイオン加速エネルギを適宜選択或いは調整すること
により、表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果
が得られ、膜構成原子の移動乃至マイグレーション(mi
gration)が促進されて、被成膜物品上に一層良好な結晶
性を有する膜が形成される。
【0026】この場合、比較的低温下で膜成分を結晶化
させることができる。また、1工程でこのような結晶性
を有する膜が得られるため、成膜後の熱処理を省略する
ことができ、生産性が良好である。また、この場合、前
記(a) 〜(c) の装置において、成膜原料ガスプラズマ化
用高周波電力供給手段として、被成膜物品の周縁部に対
向するリング状、筒状、コイル状等の高周波電極を含む
ものを採用し、前記イオン源を該高周波電極の開口部を
通して前記被成膜物品にイオンビームを照射できるもの
とすることが考えられる。
【0027】前記各高周波電極が被成膜物品の周縁部に
対向する状態には、それらが文字通り被成膜物品周縁部
に対向している場合だけでなく、被成膜物品の周縁部近
傍にプラズマを形成できるようにその周縁部に臨む位
置、その周縁部に関係する位置等に配置されている場合
も含まれる。この点については、以下同様である。ま
た、前記〜の方法において、成膜中の被成膜物品表
面近傍の真空度を1×10-3Torr〜1×10-8To
rr程度とすることが考えられ、この場合、前記(a) 〜
(c) の装置において、前記成膜原料ガス供給手段が被成
膜物品表面近傍の真空度が1×10-3Torr〜1×1
-8Torr程度となるように成膜原料ガスを供給でき
るものとした装置を用いればよい。
【0028】このように、被成膜物品表面近傍の真空度
を1×10-3Torr〜1×10-8Torrという高い
真空度(低圧)とすることにより、該物品表面へのイオ
ンビームの照射を可能とし、そのイオン種及びイオン加
速エネルギを適宜選択或いは調整することにより、表面
励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が得られ、膜
構成原子のマイグレーションが促進されて、被成膜物品
上に一層良質な結晶性を有する膜が形成される。
【0029】また、1×10-3Torr〜1×10-8
orr程度という高真空下でガスをプラズマ化させるた
め、気相反応が抑制されて不要なダストパーティクルの
生成が一層少なくなり、被成膜物品表面への不純物の付
着が一層抑制され、一層良質な結晶性膜が得られる。ま
た、高真空下でガスをプラズマ化させるため、膜形成に
寄与するラジカルの拡散域が広がり、それだけ大面積の
被成膜物品上にも良質の結晶性膜を形成することができ
る。さらに、結晶性膜形成工程において成膜を行う容器
内面等への膜付着が少なく、それだけクリーニング等の
メンテナンスが容易になる。
【0030】また、前記〜の方法において、成膜
中、成膜原料ガスのプラズマのポテンシャルを制御する
ことで被成膜物品表面に入射するイオンビームのエネル
ギを制御することが考えられ、この場合、前記(a) 〜
(c) の装置において、前記プラズマのポテンシャルを制
御するための手段を備えたものを用いることができる。
プラズマポテンシャル制御手段としては、成膜原料ガス
プラズマ化用高周波電力発生装置に接続された高周波フ
ィルター及び直流バイアス印加手段等が考えられる。
【0031】イオン源から100eV以下のイオンを引
き出すことは空間電荷の働きから非常に困難であるとこ
ろ、このように成膜原料ガスのプラズマのポテンシャル
を制御することにより、100eV以下の低エネルギの
イオンビームを制御性良く、且つ、効率良く被成膜物品
に照射することが可能となり、イオンビーム照射による
表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨げ
ず、膜構成原子のマイグレーションを促進し、被成膜物
品上に一層良質な結晶性を有する膜を得ることができ
る。
【0032】通常のイオンビーム照射において、イオン
源の加速電圧を例えば約100Vにしてイオンを引き出
す場合、イオン源の出口付近の正の空間電荷が低エネル
ギのイオンの引き出しを抑制し、十分な量のイオンを被
成膜物品に照射し難い。一方、前記の被成膜物品表面に
入射するイオンビームのエネルギを制御する方法及び装
置では、イオン源からのイオンの引き出しは加速電圧を
100V以上で行い(例えば100V〜200Vで引き
出し)、プラズマからの電子の供給により正の空間電荷
を緩和し、十分な量のイオンを被成膜物品に照射するこ
とともに、成膜原料ガスプラズマ化用電力供給手段(よ
り具体的には成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力発生
装置)に直流バイアスをかけることでプラズマポテンシ
ャルを正に持ち上げ、該プラズマ中を通過するイオンの
エネルギを減じ、被成膜物品に低エネルギのイオンビー
ムをエネルギの精度良く、且つ、効率良く大量に照射す
ることが可能になる。すなわち、イオン源の加速電圧と
プラズマポテンシャルの両者を制御することで、照射イ
オンのエネルギを低いレベルに制御してイオン照射効果
をあげることが可能となる。
【0033】また、前記〜の方法及び(a) 〜(c) の
装置において、前記イオンビームのイオン種として、不
活性ガス(ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガ
ス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、
キセノン(Xe)ガス等)、反応性ガス(水素(H2
ガス、フッ素(F2 )ガス、フッ化水素(HF)ガス
等)及び膜構成元素を含むガスのうち少なくとも一種の
ガスのイオンを用いることができる。
【0034】前記不活性ガスイオンを照射するときに
は、結晶化のための物理的励起制御が可能となる。ま
た、前記反応性ガス及び前記膜構成元素含有ガスのうち
水素(H)又は(及び)フッ素(F)を含むものを用い
るときには、水素原子、フッ素原子が膜中のアモルファ
ス相の膜構成原子と結合してこれを気化し、結晶化が促
進されるとともに、ダングリングボンドや膜中欠陥が低
減され、一層良質な結晶性を有する膜を形成することが
できる。
【0035】また、前記〜の方法及び(a) 〜(c) の
装置において、前記イオンビームを被成膜物品に対し1
0eV〜100eV程度、より好ましくは20eV〜1
00eV程度の低エネルギで照射することが考えられ、
このとき、イオンビームを被成膜物品に照射することに
よる表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果を妨
げることなく一層良質な結晶性を有する膜を形成するこ
とができる。この値のイオンビームエネルギは例えば結
晶性シリコン膜の形成に好ましいものである。
【0036】また、前記〜の方法及び(a) 〜(c) の
装置において、前記成膜原料ガスとして、膜構成元素含
有ガスのうち少なくとも一種のガス、又は膜構成元素含
有ガスのうち少なくとも一種のガスと前記反応性ガスの
うち少なくとも一種のガスとを用いることができる。な
お、イオン源内からイオンの原料ガスが成膜を行う容器
内に拡散してくるため、イオンビーム照射に用いるイオ
ンの原料ガスとして膜構成元素含有ガスを用いるときに
は、成膜原料ガスとして別途同様のガスを成膜容器内に
導入することを省略することができる。
【0037】なお、前記〜の方法及び(a) 〜(c) の
装置においては、イオン源を用い、イオン原料ガスへの
高周波電力又はパルス電力供給により得られたプラズマ
に適当な電圧を印加して該プラズマ中のイオンを引き出
すが、該プラズマに電圧印加しない場合は該プラズマ中
のイオンだけでなく、ラジカル等の粒子も成膜領域に拡
散してくる。この場合も、前記〜の方法及び(a) 〜
(c) の装置と同様の制御又は波形の同期を行うことがで
き、前記と同様の効果が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る成膜装置の
1例の概略構成を示す図である。この装置は、プラズマ
生成室Cを有し、室Cには真空排気部18が接続される
とともに、原料ガス供給部12が接続されている。成膜
原料ガス供給部12には原料ガス源、マスフローコント
ローラ等が含まれるが、これらについては図示を省略し
ている。また室C内には被成膜物品保持部材11が設置
され、保持部材11は被成膜物品10を搬入搬出すべく
図示しない駆動部により水平往復動可能で、室C内では
被成膜物品加熱用ヒータ9上に配置される。また、保持
部材11に保持される被成膜物品10周縁部に対向する
位置には、リング状対向電極14aが設置される。該電
極14aの開口部は図1中15aで示してある。電極1
4aには整合器16を介して高周波電源17aが接続さ
れている。また、リング状対向電極14aを挟み、保持
部材11に対向する位置にはイオン源2が設けられてい
る。イオン源2にはイオン源用ガス供給部1が接続され
ているとともに、ガスプラズマ化のために整合器22を
介して高周波電源23aが接続されている。なお、ガス
供給部1にもガス源等が含まれるが、これらは図示を省
略している。また、イオン源2は、イオンを引き出すた
めのここでは3枚の電極(プラズマ生成室側から加速電
極、減速電極、接地電極)からなるレンズ電極系21を
有している。レンズ電極系21とイオン源2との間には
加速電源24及び減速電源25が接続されている。な
お、レンズ電極系は3枚電極構造に限定されず他の数の
電極からなるものでよい。
【0039】また、この装置は位相制御用回路3Aを有
している。図1中、回路3A中の配線30a、30a
´、30b、30b´、30c、30c´、30d、3
0d´は位相可変運転用信号配線であり、31aは位相
制御装置、32a、32b、32c、32dは絶縁素子
である。各高周波電源17a、23aと整合器16、2
2に位相制御装置31aから絶縁素子を介して信号入力
用(整合器側)と信号出力用(電源側)の信号配線を接
続しある。但し、位相のずれを防ぐため、絶縁素子32
a、32b、32c、32dは全て同じものを用い、各
装置又は素子を結ぶ配線30a、30a´、30b、3
0b´、30c、30c´、30d、30d´は全て同
じ長さの同一のものを用いる。イオン源には加速電源2
4で決定される電圧がかかるため、絶縁素子32a、3
2cで絶縁をとる必要がある。また、プラズマ成膜源用
電源17aは高圧にはならないが位相ずれを防ぐため、
絶縁素子32b、32dで絶縁をとる必要がある。この
位相制御用回路3Aによると、電源23aで発生させる
高周波電力の高周波の位相に対して電源17aで発生さ
せる高周波電力の高周波の位相を−180°〜+180
°まで制御することができる。
【0040】この装置を用いて本発明方法を実施するに
あたっては、被成膜物品10を保持部材11により保持
してプラズマ生成室C内に搬入しヒータ9上の所定の成
膜位置に設置するとともに、室C内を真空排気部18の
運転にて所定真空度とする。また、原料ガス供給部12
からプラズマ生成室C内に成膜原料ガスを導入するとと
もに、整合器16を介して高周波電源17aからリング
状対向電極14aに高周波電力を供給して前記導入した
ガスをプラズマ化し、図中13で示す位置すなわち被成
膜物品10の周縁部の近傍位置にプラズマを形成する。
原料ガスとしては、膜構成元素含有ガスのうち少なくと
も一種のガス又は膜構成元素含有ガスのうち少なくとも
一種のガスと反応性ガスのうち少なくとも一種のガスを
用いる。
【0041】それとともにイオン源2にイオン源用ガス
供給部1からイオンの原料ガスを導入し、これに整合器
22を介して電源23aから高周波電力を供給して、図
中8で示すイオン源内の位置にプラズマを発生させ、レ
ンズ電極系21に電源24、25により適当な電圧を印
加することによりプラズマ8から加速エネルギ10eV
〜500eV、より好ましくは20eV〜300eVで
イオンを引き出し、リング状対向電極14aの開口部1
5aを通して被成膜物品10に該イオンビームを照射す
る。イオンの原料ガスとしては不活性ガス、反応性ガス
及び膜構成元素含有ガスのうち少なくとも一種のガスの
イオンを用いる。
【0042】また、高周波電源23a及び17aの運転
にあたっては、電源23aで発生させた高周波信号波形
を運転用信号配線30a、30a´を用いて分岐検出し
てその信号を位相制御装置31aに入力し、装置31a
で位相を制御した信号を配線30d、30d´を用いて
電源17aで発生させる波形信号に同期させ出力する。
これにより、電源23aで発生させた高周波波形信号と
電源17aで発生させた高周波波形信号との位相差を制
御して成膜を行う。
【0043】成膜中は、被成膜物品10表面近傍の真空
度が1×10-3Torr〜1×10-8Torrの範囲内
になるようにプラズマ生成室内の真空度を調整する。こ
れにより、被成膜物品10上に結晶性膜(例えば結晶性
シリコン膜)が形成される。また、被成膜物品10の温
度はヒータ9によりRT(室温)〜600℃に保つ。
【0044】以上説明した方法及び装置によると、プラ
ズマ生成室C内で発生させた成膜のためのプラズマ13
は安定したものになるため、室C内でのプラズマ不安定
による気相反応及び異常放電による不純物やパーティク
ルの発生を抑制することができる。また、イオンビーム
がリング状対向電極14aの開口部15aを通過する
際、位相制御された高周波電界の影響を受けて被成膜物
品10に到達するそのイオンビームのエネルギ幅が小さ
くなり、安定したエネルギのイオンビームを照射するこ
とができる。そして、これらのことから形成される膜の
結晶性を向上させ、膜表面の凹凸を少なくし、膜中欠陥
を減少させることができる等膜質を向上させることがで
きる。また、成膜バッチ間で、電源23aで発生させる
高周波波形信号と電源17aで発生させる高周波波形信
号との位相差を揃えることができるので、成膜バッチ間
での膜質の変動が抑制される。
【0045】また、被成膜物品10表面近傍の真空度が
低く、且つ、プラズマ13は主に物品10の周縁部に対
向する位置に形成されるため、プラズマ中の高速イオン
及び高速電子の物品10への入射量が少なく、しかも直
接入射が抑制され、結晶成長面にダメージを与えず一層
欠陥の少ない良質の膜の成長が促される。また、物品1
0にイオンビームを照射し、その照射のエネルギが10
0eV以下の低レベルに制御され、イオンビーム照射に
よる表面励起、結晶性向上、結晶配向制御等の効果が妨
げられず膜構成原子のマイグレーションが促進されて、
物品10上に一層良質な結晶性を有する膜が形成され
る。また、成膜中は膜を結晶化させるために物品10の
温度を例えば600℃以上の高温にする必要はない。こ
のことから、例えば液晶表示装置用のガラス基板として
比較的低融点の安価なガラスを用い、その上にTFT用
等のシリコン膜を形成できる。
【0046】また、1工程で結晶性膜が得られるため、
成膜後の熱処理を省略することができ、生産性が良好で
ある。また、1×10-3Torr〜1×10-8Torr
という高真空度下で原料ガスをプラズマ化させるため、
気相反応が抑制されて不要なパーティクルの生成が抑制
され、被成膜物品10への不純物の付着が抑制されて一
層良質な結晶性膜が得られる。また、前記のとおり高真
空下で原料ガスをプラズマ化するため、成膜に寄与する
ラジカルの拡散域が広くなり、大面積の被成膜物品10
上にも良質な結晶性膜を形成することができる。さらに
プラズマ生成室C内面等への膜付着が少なく、従って室
C内のクリーニングの頻度が少なくて済む。
【0047】図2は本発明に係る成膜装置の他の例の概
略構成を示す図である。この装置は、図1に示す装置に
おいて、リング状対向電極14aに代えて円筒状対向電
極14bを採用したものである。その他の構成及び成膜
動作は図1の装置と同様であり、同じ部品には同じ参照
符号を付してある。この装置によると、図1に示す装置
と同様の効果が得られる。
【0048】また、図3は本発明に係る成膜装置のさら
に他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図1
に示す装置において、リング状対向電極14aに代えて
コイル状対向電極14cを採用したものである。その他
の構成及び成膜動作は図1の装置と同様であり、同じ部
品には同じ参照符号を付してある。この装置によると、
図1に示す装置と同様の効果が得られる。
【0049】なお、これらの装置において、電極の外周
からプラズマ安定維持のための磁場を入れる磁石100
(図中二点鎖線で示す)を設けてもよい。また、図4は
本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構成を示す
図である。この装置は、図1の装置において、整合器2
2及び高周波電源23a、整合器16及び高周波電源1
7aに代えて、それぞれパルス電源23b、17bを備
え、位相制御用回路3Aに代えて回路3Bを備えたもの
である。回路3Bは、両パルス電源23b及び17bを
同期(位相制御)運転用信号配線で接続し、該配線に絶
縁素子300で絶縁をとったものである。この場合、絶
縁素子により位相はずれるが、各配線の長さ(絶縁素子
から各電源までの配線の長さ)を調整することで両電源
のパルスの波形を同期させることが可能である。また、
各配線の長さを調整することで、両電源のパルスの位相
を所定のものにすることもできる。その他の構成は図1
に示す装置と同様であり、同様の目的のための部品には
同じ参照符号を付してある。
【0050】この装置を用いて本発明方法を実施するに
あたっては、成膜原料ガスのプラズマ化をパルス電源1
7bによるパルス電力の供給により行い、イオン原料ガ
スのプラズマ化を同様にパルス電源23bによるパルス
電力の供給により行い、両パルス電力のパルス波の波形
を回路3Bにより同期させるか、配線長の調整により両
パルスの位相を所定のものに制御して成膜を行う。その
他の成膜動作は、図1の装置を用いたと同様にして被成
膜物品10上に成膜を行う。この装置によっても、図1
に示す装置によると同様の効果が得られる。
【0051】なお、図2及び3の装置において、同様に
高周波電源17a、23a及び位相制御用回路3Aに代
えてパルス電源17b、23b及び回路3Bを備えた装
置も考えられ、それぞれ、図1に示す装置によると同様
の効果が得られる。また、図5は、本発明に係る成膜装
置のさらに他の例の概略構成を示す図である。この装置
は、図1の装置において、保持部材11近傍に例えばフ
ァラデーカップ等のイオン電流測定器4を備え、位相制
御用回路3Aに代えて回路3Cを備えたものである。回
路3Cは、イオン電流測定器4を含み、電圧変換/高周
波信号発生装置33を信号配線30g、30g´にてイ
オンビーム電流測定器4と高周波電源17aとに接続し
たものである。この回路においては、配線30g、30
g´の長さを調整することで、被成膜物品10に到達す
るイオンビーム電流の変動波形に対応して、該変動波形
に電源17aの高周波波形を同期させたり、被成膜物品
に到達するイオンビーム電流の変動波形に対応して、該
波形と電源17aの高周波の波形との位相を所定のもの
に制御することができる。その他の構成は図1の装置と
同様であり、同様の目的のための部品には同じ参照符号
を付してある。
【0052】この装置を用いて本発明方法を実施するに
あたっては、図1の装置の場合と同様に、成膜原料ガス
のプラズマ化及びイオンビーム照射により被成膜物品1
0上に成膜を行う。成膜中はイオンビーム電流測定器4
により被成膜物品10に到達するイオンビーム電流をモ
ニタしてその変動波形を検出し、その信号を電圧変換/
高周波信号発生装置33へ入力し、高周波電源17aで
発生させる波形信号に同期させ出力する。これにより、
被成膜物品10に到達するイオンビーム電流の変動波形
に対応して、該変動波形に電源17aの高周波の波形を
同期させるか、該変動波形と電源17aの高周波の波形
の位相ずれを所定のものに制御して成膜を行う。この装
置によると、図1に示す装置によると同様の効果が得ら
れる。
【0053】なお、図5に示す装置において、電圧変換
/高周波信号発生装置33に代えて位相制御装置を採用
してもよい。図2、3の装置において、同様にイオン電
流測定器4を備え、位相制御用回路3Aに代えて回路3
C又は回路3Cに代わる位相制御回路を備えた装置も考
えられ、それぞれ、図1に示す装置によると同様の効果
が得られる。
【0054】また、図6は、本発明に係る成膜装置のさ
らに他の例の概略構成を示す図である。この装置は、図
1の装置において、位相制御用回路3Aに代えて回路3
Dを有するものである。回路3Dは、両高周波電源17
a、23aを同期(位相制御)運転用信号配線30h、
30h´で接続し、該配線に絶縁素子32gで絶縁をと
ったものである。この場合も、絶縁素子32gにより電
源23aで発生させる高周波電力及び電源17aで発生
させる高周波電力の両高周波の位相はずれるが、配線3
0h、30h´の長さを調節することで該両者の高周波
の波形を同期させることが可能になる。また、配線30
h、30h´の長さを調節することで該両高周波電源の
高周波の位相を制御することもできる。
【0055】この装置を用いて本発明方法を実施するに
あたっては、図1の装置の場合と同様に、成膜原料ガス
のプラズマ化及びイオンビーム照射により被成膜物品1
0上に成膜を行う。但し、高周波電源23a及び17a
の運転にあたっては、配線30h、30h´の長さを調
節することで、電源23aで発生させた高周波信号波形
を分岐検出してその信号を基準電圧として電源17aへ
出力し、波形同期運転を行うか、該両高周波電源の高周
波の位相を制御して成膜を行う。その他の成膜動作は、
図1の装置を用いたと同様にして被成膜物品10上に成
膜を行う。この装置によっても、図1に示す装置による
と同様の効果が得られる。
【0056】なお、両電源の波形を同期させる場合、図
6の装置や図4の装置を用いて両高周波電力の波形や両
パルス電力の波形を同期させるのに代えて、図1の装置
の位相制御用回路3A等を用いて両高周波電力や両パル
ス電力の波形信号を同期させることもできるが、図6の
装置や図4の装置を用いる方が装置構成が簡単に済む。
【0057】図2、図3の装置において、同様に回路3
Aに代えて回路3Dを備えた装置も考えられ、それぞ
れ、図1に示す装置によると同様の効果が得られる。ま
た、図7は本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略
構成を示す図である。この装置は、図1に示す装置にお
いて、リング状対向電極14aに整合器16及び高周波
電源17aからなる直列回路に並列して高周波フィルタ
F及び直流バイアス電源Bからなる直列回路を接続した
ものである。その他の構成は図1の装置と同様であり、
同様の目的の部品には同じ参照符号を付してある。
【0058】この装置を用いて本発明方法を実施するに
あたっては、図1に示す装置によると同様にし、但し、
プラズマ励起のためにリング状対向電極14aに高周波
電源17aより高周波電力を供給する際、これに加えて
高周波フィルタFを介してバイアス電源Bより正の直流
バイアスを印加する。これにより、プラズマポテンシャ
ルを正に持ち上げ、該プラズマ中を通過するイオンのエ
ネルギを減じ、被成膜物品10に十分な量の低エネルギ
のイオンを照射することができる。また、高周波フィル
タF及びバイアス電源Bを採用しない場合には通常困難
である100eV以下の低エネルギのイオンビームの照
射をエネルギ精度よく行うことができ、良質な結晶性を
有する膜を効率良く形成することができる。その他は図
1に示す装置を用いた場合と同様の効果が得られる。
【0059】なお、図2〜図6の装置においても、この
ように高周波フィルタ及びバイアス電源を用いた装置が
考えられ、これによりプラズマポテンシャルを制御する
ことで被成膜物品10に照射されるイオンビームのエネ
ルギを低レベルに制御することができる。次に、図4〜
図7の装置を用いて、結晶性シリコン膜を形成した本発
明方法実施の具体例及びその結果得られた結晶性シリコ
ン膜の諸特性について説明する。 実施例1(図6の装置による) 被成膜物品 シリコン基板、ガラス基板、石英基板のそれぞれ 成膜原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 成膜原料ガス SiH4 50% H2 50% 成膜真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン イオン加速エネルギ 10eV〜500eV イオン原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 位相制御 −180°〜+180° (イオン源の電源23aを標準とした位相差) 成膜温度 300℃ 実施例2(図4の装置による) 被成膜物品 シリコン基板、ガラス基板、石英基板のそれぞれ 成膜原料ガスプラズマ化 のためのパルス電力 周波数500kHz 成膜原料ガス SiH4 50% H2 50% 成膜真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン イオン加速エネルギ 10eV〜500eV イオン原料ガスプラズマ化 のためのパルス電力 周波数500kHz 位相制御 −180°〜+180° (イオン源の電源23bを標準とした位相差) 成膜温度 300℃ 実施例3(図5の装置による) 被成膜物品 シリコン基板、ガラス基板、石英基板のそれぞれ 成膜原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 成膜原料ガス SiH4 50% H2 50% 成膜真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン イオン加速エネルギ 10eV〜500eV イオン原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 位相制御 −180°〜+180° (イオンビーム電流変動波形を標準とした 位相差) 成膜温度 300℃ 実施例4(図7の装置による) 被成膜物品 シリコン基板、ガラス基板、石英基板のそれぞれ 成膜原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 バイアス電圧 10〜100V 成膜原料ガス SiH4 50% H2 50% 成膜真空度 1×10-4Torr イオンビームイオン種 H2 ガスイオン イオン加速エネルギ 10eV〜500eV イオン原料ガスプラズマ化 周波数13.56MHz のための高周波電力 位相制御 −180°〜+180° (イオン源の電源23aを標準とした位相差) 成膜温度 300℃ 次に、前記実施例1〜4により位相制御を行うことで得
られた各シリコン膜について、フーリエ交換赤外分光分
析(FT−IR)、X線回折分析(XRD)及びレーザ
ラマン分光分析により水素濃度測定及び結晶性評価を行
い、表面粗さ計を用いて膜表面の凹凸を評価した。ま
た、ホール移動度測定を行うことでデバイス特性を評価
した。 ・FT−IR 波数2000cm-1のSi−H(Stretching-band) 吸収
ピーク積分強度から膜中の水素濃度を定量分析したとこ
ろ、実施例1〜4により位相差を制御して膜中水素濃度
が最も低くなるようにして得られた膜サンプルは、いず
れも3×1020cm-3以下であるのに対し、各実施例に
おいて、水素濃度が最も高い膜サンプルは5×1020
-3程度であった。このように、位相差を制御すること
により膜結晶性が向上した。 ・XRD 実施例1〜4により位相差を制御して膜の結晶化度が最
も高くなるようにして得られた膜サンプルは、いずれも
111面(2θ=28.2°)及び220面(2θ=4
7.2°)からのピークが検出され、シリコン(cubic)
の結晶性が確認された。また、ピーク強度は、いずれも
各実施例において結晶化度が最も低い膜サンプルの2倍
以上であり、位相差を制御することにより、膜結晶性が
向上した。 ・レーザラマン分光分析 実施例1〜4により位相差を制御して膜の結晶化度が最
も高くなるようにして得られた膜サンプルは、いずれも
結晶化シリコンを示すピーク(ラマンシフト=515〜
520cm-1)のピークを検出し、このピーク強度は、
いずれも各実施例において結晶化度が最も低い膜サンプ
ルの2倍以上であり、位相差を制御することにより、膜
結晶性が向上した。 ・表面粗さ 実施例1〜4により位相差を制御して膜表面の凹凸が最
も少なくなるようにして得られた膜サンプルは、いずれ
も50Å程度であるのに対し、各実施例において、膜表
面の凹凸が最も高い膜サンプルは、100〜200Å程
度であった。このように、位相差を制御することによ
り、膜表面の凹凸が減少した。また、膜表面に付着する
パーティクルの量も1/100に低減した。 ・ホール移動度 実施例1〜4により位相差を制御してホール移動度が最
も高くなるようにして得られた膜サンプルは、いずれも
70cm2 /V・s以上のホール移動度を示したのに対
し、各実施例において、ホール移動度が最も低い膜サン
プルは、いずれも50cm2 /V・s程度のホール移動
度を示した。このように、位相差を制御することによ
り、ホール移動度が向上した。
【0060】以上の結果から、本発明実施例1〜4によ
り、位相差を制御することにより、制御しない場合に比
べて良質の結晶性膜が低温度下で得られたことが分か
る。なお、前記実施例1において、図6の装置を用いて
結晶性シリコン膜を形成したときの、前記位相差に対し
て結晶性相対値(最も高い結晶化度/最も低い結晶化
度)をプロットしたグラフを図8に示す。これによる
と、図6の装置を用いた本実施例では、イオン源の電源
23aで発生させた高周波電力の位相を標準として成膜
源料ガスプラズマ化用電源17aで発生させた高周波電
力の位相との差が−90°のときに最も高い結晶性が得
られたことが分かる。
【0061】
【発明の効果】本発明によると、成膜バッチ間での膜質
の変動を抑制することができる成膜方法及び装置を提供
することができる。さらに説明すると、本発明によると
次のような効果が得られる。 安定したプラズマを形成することができるため、プ
ラズマ不安定による気相反応及び異常放電による不純物
やパーティクルの発生を抑制することができる。 イオンビームが成膜原料ガスのプラズマ中を通過す
る際、該プラズマを形成するための制御された高周波電
界の影響を受けさせて被成膜物品に到達するイオンビー
ムのイオンエネルギ幅を小さくでき、それだけ安定した
エネルギのイオンビームを照射することができる。 これらのことから、形成される膜の結晶性を向上さ
せたり、表面の凹凸を少なくしたり、膜中欠陥を減少さ
せる等でき、それだけ膜質を向上させることができる。 成膜原料ガスプラズマ化のための電力及びイオンビ
ーム形成のための電力の位相差を成膜バッチ間で揃える
ことができ、成膜バッチ間での膜質の変動を抑制でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成膜装置の1例の概略構成を示す
図である。
【図2】本発明に係る成膜装置の他の例の概略構成を示
す図である。
【図3】本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構
成を示す図である。
【図4】本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構
成を示す図である。
【図5】本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構
成を示す図である。
【図6】本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構
成を示す図である。
【図7】本発明に係る成膜装置のさらに他の例の概略構
成を示す図である。
【図8】本発明実施例における、成膜原料ガスプラズマ
化のための高周波電力及びイオン原料ガスプラズマ化の
ための高周波電力の両者の高周波の位相差と結晶性との
関係の1例を示す図である。
【符号の説明】
1 イオン源用ガス導入口 2 イオン源 21 レンズ電極系 22、16 整合器 23a、17a 高周波電源 23b、17b パルス電源 24 加速電源 25 減速電源 3A、3B、3C 位相制御用回路 3D 波形同期用回路 30a、30a´、30b、30b´、30c、30c
´、30d、30d´、30g、30g´、30h、3
0h´ 運転用信号配線 31a 位相制御装置 32a、32b、32c、32d、32g 300 絶
縁素子 33 電圧変換/高周波信号発生装置 4 イオン電流測定器 8 イオン源内プラズマ 9 被成膜物品加熱用ヒータ 10 被成膜物品 11 被成膜物品保持部材 12 原料ガス供給部 13 原料ガスプラズマ 14a リング状対向電極 14b 円筒状対向電極 14c コイル状対向電極 15a リング状対向電極14aの開口部 18 真空排気部 F 高周波フィルタ B バイアス電源 C プラズマ生成室
フロントページの続き (72)発明者 緒方 潔 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電 機株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−209339(JP,A) 特開 昭60−187675(JP,A) 特開 平2−247380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C23C 16/00 - 16/56

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ生成室において成膜原料ガスを
    高周波電力の供給によりプラズマ化し、該プラズマに被
    成膜物品を曝して該物品上に成膜する方法であって、該
    物品表面を該プラズマに曝すとともに、前記プラズマ生
    成室に接続されたイオン源におけるイオン原料ガスへの
    高周波電力供給により得られたプラズマから引き出した
    イオンビームを該物品表面に照射し、この際、プラズマ
    生成室における成膜原料ガスプラズマ化のための高周波
    電力及びイオン源におけるイオン原料ガスプラズマ化の
    ための高周波電力の両者の高周波の位相関係を制御する
    ことを特徴とする成膜方法。
  2. 【請求項2】 前記成膜原料ガスプラズマ化のための高
    周波電力及び前記イオン原料ガスプラズマ化のための高
    周波電力の両者の高周波の波形を同期させる請求項1記
    載の成膜方法。
  3. 【請求項3】 プラズマ生成室において成膜原料ガスを
    パルス電力の供給によりプラズマ化し、該プラズマに被
    成膜物品を曝して該物品上に成膜する方法であって、該
    物品表面を該プラズマに曝すとともに、前記プラズマ生
    成室に接続されたイオン源におけるイオン原料ガスへの
    パルス電力供給により得られたプラズマから引き出した
    イオンビームを該物品表面に照射し、この際、プラズマ
    生成室における成膜原料ガスプラズマ化のためのパルス
    電力及びイオン源におけるイオン原料ガスプラズマ化の
    ためのパルス電力の両者のパルスの位相関係を制御する
    ことを特徴とする成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記成膜原料ガスプラズマ化のためのパ
    ルス電力及び前記イオン原料ガスプラズマ化のためのパ
    ルス電力の両者のパルスの波形を同期させる請求項3記
    載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 プラズマ生成室において成膜原料ガスを
    高周波電力の供給によりプラズマ化し、該プラズマに被
    成膜物品を曝して該物品上に成膜する方法であって、該
    物品表面を該プラズマに曝すとともに、前記プラズマ生
    成室に接続されたイオン源におけるイオン原料ガスへの
    高周波電力供給により得られたプラズマから引き出した
    イオンビームを該物品表面に照射し、この際、該被成膜
    物品に到達するイオンビーム電流の変動波形に対応し
    プラズマ生成室における成膜原料ガスプラズマ化のた
    めの高周波電力の高周波の位相を制御することを特徴と
    する成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記被成膜物品に到達するイオンビーム
    電流の変動波形に対応して、該変動波形に前記成膜原料
    ガスプラズマ化のための高周波電力の高周波の波形を同
    期させる請求項5記載の成膜方法。
  7. 【請求項7】 成膜原料ガス供給手段により供給される
    原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給
    手段による高周波電力の供給によりプラズマ化し、支持
    手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物
    品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ
    化用高周波電力供給手段を備えたイオン源と、該成膜原
    料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段により供給され
    る高周波電力及びイオン原料ガスプラズマ化用高周波電
    力供給手段により供給される高周波電力の両者の高周波
    の位相関係を制御するための手段とを備えたことを特徴
    とする成膜装置。
  8. 【請求項8】 成膜原料ガス供給手段により供給される
    原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供給
    手段による高周波電力の供給によりプラズマ化し、支持
    手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物
    品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ
    化用高周波電力供給手段を備えたイオン源と、該成膜原
    料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段により供給され
    る高周波電力及びイオン原料ガスプラズマ化用高周波電
    力供給手段により供給される高周波電力の両者の高周波
    の波形を同期させるための手段とを備えたことを特徴と
    する成膜装置。
  9. 【請求項9】 成膜原料ガス供給手段により供給される
    原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用パルス電力供給
    手段によるパルス電力の供給によりプラズマ化し、支持
    手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該物
    品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズマ
    化用パルス電力供給手段を備えたイオン源と、該成膜原
    料ガスプラズマ化用パルス電力供給手段により供給され
    るパルス電力及びイオン原料ガスプラズマ化用パルス電
    力供給手段により供給されるパルス電力の両者のパルス
    の位相関係を制御するための手段とを備えたことを特徴
    とする成膜装置。
  10. 【請求項10】 成膜原料ガス供給手段により供給され
    る原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用パルス電力供
    給手段によるパルス電力の供給によりプラズマ化し、支
    持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該
    物品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズ
    マ化用パルス電力供給手段を備えたイオン源と、該成膜
    原料ガスプラズマ化用パルス電力供給手段により供給さ
    れるパルス電力及びイオン原料ガスプラズマ化用パルス
    電力供給手段により供給されるパルス電力の両者のパル
    スの波形を同期させるための手段とを備えたことを特徴
    とする成膜装置。
  11. 【請求項11】 成膜原料ガス供給手段により供給され
    る原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供
    給手段による高周波電力の供給によりプラズマ化し、支
    持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該
    物品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズ
    マ化用高周波電力供給手段を備えたイオン源と、被成膜
    物品に到達するイオンビーム電流の変動波形を検出する
    手段と、該イオンビーム電流変動波形検出手段により検
    出される変動波形に対応して、前記成膜原料ガスプラズ
    マ化用高周波電力供給手段により供給される高周波電力
    の高周波の位相を制御するための手段とを備えたことを
    特徴とする成膜装置。
  12. 【請求項12】 成膜原料ガス供給手段により供給され
    る原料ガスを、成膜原料ガスプラズマ化用高周波電力供
    給手段による高周波電力の供給によりプラズマ化し、支
    持手段に支持される被成膜物品を該プラズマに曝して該
    物品上に成膜する装置であって、イオン原料ガスプラズ
    マ化用高周波電力供給手段を備えたイオン源と、被成膜
    物品に到達するイオンビーム電流の変動波形を検出する
    手段と、該イオンビーム電流変動波形検出手段により検
    出される変動波形に対応して、該変動波形に前記成膜原
    料ガスプラズマ化用高周波電力供給手段により供給され
    る高周波電力の高周波の波形を同期させるための手段と
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
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