JP3196532B2 - 帯電ロール - Google Patents

帯電ロール

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JP3196532B2
JP3196532B2 JP26982394A JP26982394A JP3196532B2 JP 3196532 B2 JP3196532 B2 JP 3196532B2 JP 26982394 A JP26982394 A JP 26982394A JP 26982394 A JP26982394 A JP 26982394A JP 3196532 B2 JP3196532 B2 JP 3196532B2
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隆史 山本
澄男 生沼
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真現像方式を利用した複
写機やプリンター等に用いられる帯電ロールに関するも
のである。
【0002】
【背景技術】従来より、電子写真現像方式を利用した複
写機やプリンター等においては、感光体(ドラム)に押
圧接触せしめられ、直流電圧と交流電圧とが重畳されて
印加されることにより、該感光体表面を帯電させる帯電
ロールが用いられている。而して、そのような帯電ロー
ルの一つとして、図3に示される如き構造のものが知ら
れている。即ち、この図3に示される帯電ロール24に
あっては、軸体12の外周面上に、所定厚さの基層14
が設けられ、該基層14の外周面上に、ロール径方向に
おいて内側から外側に、薄肉の電極層16と抵抗調整層
18と保護層20とが、コーティングにより、順次、積
層形成されている。
【0003】そして、かくの如き構造を有する帯電ロー
ル24にあっては、基層14が低硬度に調整された導電
性弾性体材料を用いて構成されていることによって、低
硬度乃至は柔軟性と導電性とが具備せしめられ得るよう
になっているのであり、またそのような基層14の外周
面上に電極層16が形成されていることによって、抵抗
の均一化が図られ得るようになっている。そして、ま
た、この帯電ロール24においては、半導電性を有する
抵抗調整層18と保護層20とによって、リーク防止と
感光体に対する固着等が防止され得るようになっている
のである。
【0004】一方、この電子写真現像方式の複写機やプ
リンター等における感光体としては、一般に、所定の軸
体の外周面上に、有機系材料にて構成された感光体層が
設けられてなる、所謂有機系(OPC)感光体が用いら
れているが、この有機系感光体にあっては、通常、感光
体層がディッピングにて形成されるために、コーティン
グ液中に浸漬した軸体の引上げ時において、感光体層を
与えるコーティング液が自重により下方へ流動し、塗布
開始側である、感光体の軸方向の上端部側における感光
体層の膜厚が、必然的に下端部側のそれよりも薄くなる
傾向がある。即ち、感光体の軸方向の一端側から他端側
に感光体層の厚さが漸次変化するような構造となるので
ある。
【0005】このため、そのような感光体層の膜厚が変
化する感光体に対して、前述した如き構造を有し、抵抗
の均一化が図られてなる帯電ロール24を押圧接触せし
めた状態で、電圧を印加した場合、前記感光体の上端部
側における感光体層の膜厚の薄い部位において、感光体
表面と帯電ロール24表面との間の交流電圧が、他の部
位よりも高くなり、それに伴って、交流電圧による感光
体の感光体層に対する電気的エッチング作用も大きくな
るといった現象が起きていた。そして、そのような状態
で、長期間使用すると、該感光体の上端部側における感
光体層の膜厚の薄い部位が、他の部位よりも優先的に削
り取られて、かかる上端部側の部位において、軸体が露
出せしめられ、それによって、帯電ロール24と感光体
とが短絡現象を起こし、その結果、帯電ロール24の表
面電位が、該感光体の上端部側の部位との接触部の近傍
で低下して、帯電不良(カブリ)が生ぜしめられるとい
った問題が惹起されていたのであり、また甚だしい場合
には、帯電ロール24が放電破壊してしまうことさえも
あったのである。
【0006】要するに、膜厚の変化する感光体層を有す
る感光体を帯電せしめるに際して、前述の如き従来の帯
電ロール24を用いた場合、それら感光体の感光体層に
おける薄肉部と帯電ロール24との間の交流電圧が部分
的に高くなってしまうことが避けられず、それによって
該感光体層の薄肉部が優先的に削り取られてしまい、そ
の結果として、帯電ロール24において、帯電不良や放
電破壊等の問題が惹起せしめられていたのである。しか
も、そのような感光体層の削れ量は、印加される交流電
圧の周波数に大きく依存するため、高速複写機や高速プ
リンター等、周波数の大きな交流電圧が印加されるもの
において、上述の如き感光体層の膜厚の変化する感光体
への帯電によって生ずる、帯電ロール24の帯電不良や
放電破壊等の問題が、特に深刻なものとなっているので
ある。
【0007】なお、それらの問題の解決策としては、デ
ィッピング法にて感光体層が形成される感光体の軸方向
長さを長くして、その中間部位、即ち感光体層の膜厚が
略一定となる領域のみを帯電ロール24に対して接触さ
せるようにすることが考えられるが、そうすると、複写
機やプリンター等の装置全体が必然的に大型化されるこ
ととなって、現実的な対策とは、到底、言い得るもので
はないのである。
【0008】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、電圧印加時において、感光体の感光体層におけ
る局所的な薄肉部との間で生ずる交流電圧の上昇を抑制
せしめることにより、該感光体層の薄肉部で生ぜしめら
れる優先的な削れ現象を効果的に抑制せしめ、以て該感
光体層の薄肉部との接触部における帯電不良や放電破壊
の発生を有効に防止し得るようにした帯電ロールの改良
された構造を提供することにある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、軸体の外周面上に、所定の基層が設けら
れると共に、該基層の外周面上に、ロール径方向におい
て内側から外側に、薄肉の電極層と抵抗調整層と保護層
とが順次設けられてなる帯電ロールにおいて、前記基層
が、イオン導電剤の配合によって体積抵抗率が106
109 Ωcmとされたイオン導電系弾性体材料により構成
されている一方、前記電極層が、電子導電剤の配合によ
って体積抵抗率が104 Ωcm以下とされた電子導電系合
成樹脂材料にて構成され、且つ軸方向における長さが該
基層よりも短くされて、該基層の軸方向における少なく
とも一方の端部の所定長さに亘って、該電極層が設けら
れていない部分を形成せしめてなる帯電ロールを、その
特徴とするものである。
【0010】なお、かくの如き本発明に従う帯電ロール
の好ましい態様の一つによれば、前記基層が、ロール軸
方向の全長に亘って、同一の厚さをもって形成されるこ
ととなる。
【0011】
【作用・効果】すなわち、本発明に従う帯電ロールにあ
っては、体積抵抗率が106 〜109Ωcmのイオン導電
系弾性体材料にて構成された基層の外周面上において、
該基層の軸方向の少なくとも一方の端部を除いた部位
に、体積抵抗率が104 Ωcm以下の電子導電系合成樹脂
材料にて構成された電極層が設けられていると共に、か
かる少なくとも一方の端部の所定長さに亘って、そのよ
うな電極層が設けられていない部分が形成されて、構成
されているところから、該電極層が設けられている部分
では、基層から電極層に流れた電流が、抵抗の低い電極
層中を流れることにより、感光体に対する接触部に向か
って全周から集中せしめられて、かかる接触部を通じて
感光体に流れるようになっている一方、前記電極層が設
けられていない部分では、そのような電極層による集電
作用が生じないようにされているのであり、それによっ
て、電極層が設けられていない部分の電気抵抗が、電極
層が設けられている部分のそれに比して、実質的に高く
なるように構成され得、以て感光体への押圧接触による
電荷の付与が、電極層が設けられていない部分におい
て、電極層が設けられている部分よりも低く抑えられ得
ることとなるのである。
【0012】従って、そのような本発明に従う帯電ロー
ルを用いて、ロール軸方向における少なくとも一方の端
部の電極層が設けられていない部分と、感光体の感光体
層における膜厚の薄い部位とが対応するように、それら
帯電ロールと感光体とを押圧接触せしめて、電圧印加を
行なうようにすれば、かかる感光体の感光体層における
薄肉部において、感光体表面と帯電ロール表面との間の
交流電圧が、他の部位よりも上昇するようなことが有利
に阻止され得るのであり、それによって、該感光体層の
薄肉部が優先的に削り取られてしまうことも有効に防止
され得、以て帯電ロールにおける帯電不良や放電破壊の
発生が効果的に防止され得るのである。そして、その結
果、かかる帯電ロールにあっては、その耐久性が効果的
に向上され得るばかりでなく、周波数の大きな交流電圧
が印加される高速複写機や高速プリンター等の高速機に
対しても、極めて有利に適用され得るのであり、更には
感光体の使用寿命の延命化に対しても大きく寄与し得る
こととなるのである。
【0013】また、本発明に係る帯電ロールにあって
は、ロール軸方向の端部の所定長さに亘って、電極層が
設けられていない部分が形成されていることから、かか
るロール軸方向の端面において、低抵抗の電極層が露出
せしめられるようなことがなく、中抵抗の基層、抵抗調
整層、保護層のみが露出せしめられ得ることとなり、以
てロール軸方向の端面からの放電が有効に防止され得る
のである。
【0014】それ故、かかる帯電ロールにおいては、そ
のような放電防止のために、基層の軸方向における端部
をわざわざC面やR面形状とする必要がなくなって、基
層を、ロール軸方向の全長に亘って、同一の厚さとなる
ように形成することが可能となるのであり、またそうし
た場合には、基層の端部をC面やR面形状と為すために
要される手間が有利に省かれ得るばかりでなく、かかる
端部において、C面やR面とされた外周面上に形成され
ることによって生ずる電極層、抵抗調整層、保護層の各
層の膜厚の不均一さが効果的に解消乃至は緩和され得る
こととなるのであり、その結果として、放電破壊検査で
の歩留りも有効に高められ得ることとなるのである。
【0015】
【具体的構成】ところで、図1には、本発明に従う構造
を有する帯電ロールの一例が示されている。かかる図か
らも明らかなように、この帯電ロール10は、金属製の
丸棒からなる軸体12の外周面上に、所定厚さの基層1
4が設けられており、該基層14の外周面上に、ロール
径方向の内側から外側に、薄肉の電極層16と抵抗調整
層18と保護層20とが、順次、積層形成されて、構成
されている。
【0016】より具体的には、基層14は、所定の弾性
体材料にイオン導電剤が配合されてなるイオン導電系弾
性体材料を用いて、構成されている。これによって、導
電剤が良好に分散せしめられ得た、均質な基層14が得
られるようになっているのである。
【0017】そして、そのようなイオン導電系弾性体材
料を構成する弾性体材料としては、例えば、ウレタンゴ
ム、エピクロルヒドリン系ゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム、水素添加アクリロニトリル−ブタジエン
ゴム等のゴム材料が、用いられ得、またイオン導電剤と
しては、トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロ
レート、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の
第4級アンモニウム塩や過塩素酸リチウム、過塩素酸カ
リウム等の過塩素酸塩等が使用され得る。因みに、本発
明者らの詳細な検討によれば、エピクロルヒドリン−エ
チレンオキサイドの共重合ゴムに、イオン導電剤として
トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレートを
配合したものが、優れた特性を示し、本発明において、
基層14を与えるイオン導電系弾性体材料として、特に
好適に使用され得ることが確認された。
【0018】また、かかるイオン導電系弾性体材料にあ
っては、その体積抵抗率が106 〜109 Ωcmとなるよ
うに調整されていなければならない。けだし、そのよう
な体積抵抗率とされた材料を用いて、半導電性を有する
基層14を形成して、初めて本発明の目的が有利に達成
され得るからである。従って、前記弾性体材料に対する
イオン導電剤の配合量は、得られるイオン導電系弾性体
材料の体積抵抗率が、上記範囲内となるように、適宜に
決定されるところであるが、通常、弾性体材料の100
重量部に対して、0.05〜5重量部程度の割合となる
量とされることとなる。
【0019】なお、かかるイオン導電系弾性体材料にお
いては、従来より公知の加硫剤、加硫助剤、充填剤、等
の各種配合剤や添加剤等が、必要に応じて、通常の配合
比率をもって、添加、混合せしめられることとなる。ま
た、特に、目的とする帯電ロール10の低硬度化を図る
上で、このイオン導電系弾性体材料に対して、プロセス
オイルや液状ポリマー等、公知の各種軟化剤を所定の配
合比率で配合しても良い。更に、それらのものに加え
て、所定の発泡剤を所定の配合比率をもって配合せしめ
ても良く、それによって、基層14が発泡体層として形
成され得て、軟化剤の配合に頼ることなく、該基層1
4、ひいては帯電ロール10自体の低硬度化が有利に図
られ得、以てブリード現象の発生が有効に抑制されつ
つ、感材接触性の向上が効果的に図られ得て、より優れ
たロール性能が得られることとなるのである。
【0020】一方、前記電極層16は、所定の合成樹脂
材料にカーボンブラックや金属粉等の公知の電子導電剤
が配合されてなる電子導電系合成樹脂材料を用いて、構
成されている。そして、そのような電子導電系合成樹脂
材料としては、従来の帯電ロールにおいて電極層の形成
材料として用いられるものと同様なものが何れも使用さ
れ得るが、中でも、N−メトキシメチル化ナイロン等の
ナイロン系の合成樹脂材料に、電子導電剤としてカーボ
ンブラックを配合せしめたものが、好適に用いられ得
る。それによって、前記基層14からの軟化剤の移行を
防止するバリア効果が、有効に発揮され得るのである。
【0021】また、かかる電子導電系合成樹脂材料は、
その体積抵抗率が104 Ωcm以下に調整されている必要
がある。何故なら、そのような低抵抗の電子導電系合成
樹脂材料により電極層16が形成されることによって、
該電極層16中を電流が流れ易くされ得て、前述した如
き基層14から流れ込んだ電流の集電作用、即ち電極層
16の全周から感光体に対する接触部に向かって集中的
に流通せしめられる電流の流れが効果的に確保され得、
以て前記した如き効果が有効に享受され得ることとなる
からである。それ故、前記合成樹脂材料に対する電子導
電剤の配合量も、得ようとする電子導電系合成樹脂材料
の体積抵抗率の値(104 Ωcm以下)に応じて、適宜に
決定されるところであるが、通常、合成樹脂材料の10
0重量部に対して、30〜60重量部程度の割合となる
量とされることとなる。なお、この電極層16を与える
電子導電系合成樹脂材料においても、一般に使用される
各種の配合剤等が適宜に配合せしめられ得ることは、言
うまでもない。また、かかる電極層16は、単層で構成
しても、複数層で構成しても良い。
【0022】さらに、抵抗調整層18及び保護層20
も、従来の帯電ロールにおいて、それらの層の形成材料
として使用されるものと同様なものが用いられて、構成
されている。なお、それら抵抗調整層18と保護層20
とにおいては、体積抵抗率が、それぞれ107 Ωcmと1
8 Ωcmになるように、調整されることが望ましい。ま
た、抵抗調整層18も、単層で構成しても、複数層で構
成しても、何れでも良い。
【0023】そして、帯電ロール10にあっては、上述
の如き形成材料が各々用いられて、軸体12の外周面上
に、各層(14,16,18,20)が設けられている
のであるが、図1からも明らかなように、特に電極層1
6の軸方向長さが基層14のそれよりも短くされてお
り、それによって、該基層14の軸方向における両端部
の所定長さに亘って、電極層16が設けられていない部
分が形成されるようになっている。
【0024】なお、この電極層16が設けられていない
部分の長さ(図1中、n1 ,n2 )は、特に限定される
ものではないが、好ましくはかかる部分が、感光体(図
示せず)との接触部において、感光体の複写紙やプリン
ト用紙等に対応する部位に接触せしめられる部分に重複
しないような長さとされる。換言すれば、電極層16が
設けられている部分の長さ(図1中、m)が、感光体の
複写紙やプリント用紙等に対応する部位に接触せしめら
れる部分の幅よりも大きな寸法とされていることが望ま
しいのである。何故なら、前述の如く、基層14にあっ
ては、電極層16が設けられていない部分の電気抵抗
が、電極層16が設けられている部分のそれよりも実質
的に高くなるように構成されており、しかもそれに加え
て、その形成材料として、イオン導電系弾性体材料が用
いられているが故に、その電気抵抗の環境依存性が大き
く、低温低湿下において電気抵抗が高められる傾向があ
るため、電極層16が設けられていない部分において
は、電極層16が設けられている部分に比して帯電不足
が生じ易く、従ってそのような帯電ロール10の電極層
16が設けられていない部分が、感光体の複写紙やプリ
ント用紙等に対応する部分との接触部に重複するような
長さをもって構成されている場合には、画像上、カブリ
が発生する恐れが大となるからである。
【0025】また、図1に示される帯電ロール10にあ
っては、基層14の軸方向の両端部に形成された、電極
層16の設けられていない部分の長さ:n1 ,n2 が同
一寸法となるように構成されているが、それらの長さ:
1 ,n2 は、何等これに限定されるものではなく、n
1 がn2 よりも大きくなるように構成しても良いのであ
り、更にはn1 とn2 の何れか一方が0となるように、
即ち電極層16が設けられていない部分が、基層14の
軸方向における一方の端部のみに形成されるように、構
成しても何等差し支えないのである。ただし、電極層1
6が設けられていない部分を基層14の軸方向における
一方の端部のみに形成する場合には、帯電ロール10を
感光体に押圧接触せしめる際に、かかる電極層16が設
けられていない部分を、感光体の感光体層における膜厚
の薄い部位に接触させるようにする必要がある。
【0026】また、かかる帯電ロール10にあっては、
基層14の軸方向の端部において、その膜厚が、端縁に
向かうに従って次第に薄肉となるように、即ち、かかる
端部外周面がC面形状を呈するように構成されていた
が、図2に示される如く、基層14の端部外周面をその
ような形状とすることなく、該基層14を、軸方向の全
長に亘って、同一の厚さとなるように形成しても良い。
このような構成とされた帯電ロール22においては、前
述した如き構成を有する電極層16が設けられているこ
とによって、前記した本発明の効果が良好に享受され得
るのであり、更にそれに加えて、基層14の軸方向端部
に対して、C面形状と為す加工を施すことが不要となる
ところから、前述した如き数々の優れた特徴が有効に発
揮され得ることとなるのである。
【0027】ところで、この図1に示される如き帯電ロ
ール10は、有利には、以下の如くして、作製されるこ
ととなる。
【0028】すなわち、先ず、前記イオン導電系弾性体
材料を用いて、金型成形等の公知の成形手法によって、
軸体12の外周面上に基層14を成形する。なお、その
際、かかるイオン導電系弾性体材料として、所定の発泡
剤が配合せしめられてなるものを用いる場合には、金型
成形時における加熱によって、かかる弾性体材料の加硫
と発泡操作を同時に行なう等して、該基層14を発泡体
として、成形せしめるようにする。
【0029】次いで、前記電子導電系合成樹脂材料を用
いて、ディッピング等の公知のコーティング手法によ
り、基層14の外周面上に、電極層16を形成する。そ
して、その際、基層14の軸方向端部の所定長さに亘っ
て、電極層16が形成されないように為すのであるが、
それには、例えば、予め基層14の軸方向端部を、所定
寸法に亘ってマスキングした後、コーティングを行なっ
て、基層14の外周面上の全面に電極層16を形成し、
その後かかるマスクを除去することによって、基層14
の軸方向端部の電極層16を取り除くようにする方法
や、そのようなマスキングを何等施すことなく、基層1
4の外周面上の全面に、コーティングにより電極層16
を形成し、その後、かかる電極層16を、基層14の軸
方向端部の所定長さに亘って除去する方法等が採用され
ることとなる。
【0030】そして、その後、抵抗調整層18の形成材
料と保護層20の形成材料とを用いて、公知のコーティ
ング手法により、電極層16とロールの軸方向端部にお
いて剥き出し状態とされた基層14の各外周面上に、ロ
ール径方向において内側から外側に、抵抗調整層18と
保護層20とを、順次、積層形成する。これによって、
目的とする導電性ロール10を得るのである。
【0031】なお、かくして得られる帯電ロール10の
各層の厚みは、その用途等によって適宜に決定されると
ころであるが、通常、基層14は1〜5mm程度の厚さで
形成され、そして電極層16は3〜30μm程度の厚さ
で形成される。また、抵抗調整層18は0.05〜1mm
程度の厚さで、更に保護層20は3〜20μm程度の厚
さで、形成されることとなる。
【0032】また、ロール軸方向の全長に亘って同一の
厚さとされた基層14を有する、図2に示される如き帯
電ロール22を得る際には、先ず、軸体12の外周面上
に、基層14を、所望の軸方向長さよりも長く形成した
後、図1に示される帯電ロール10と同様にして、かか
る基層14の外周面上に、電極層16、抵抗調整層1
8、保護層20をディッピング等のコーティング手法に
より形成し、その後、それら各層(14,16,18,
20)を所望の軸方向長さに切断するようにすることが
望ましい。何故なら、一般に、帯電ロールにあっては、
電極層、抵抗調整層、保護層の各層をコーティングによ
り形成する際、コーティング液中に浸漬した軸体の引上
げ時において、各層を与えるコーティング液が自重によ
り下方へ流動し、塗布開始側であるロール軸方向の上端
側から下端側に向かって、各層の厚さが漸次変化するよ
うな構造となってしまうことが避けられないのである
が、上述の如き作製手法を採用すれば、電極層16、抵
抗調整層18、保護層20の各層の膜厚の薄い上端部側
と膜厚の厚い下端部側のそれぞれの部位が効果的に除去
され得て、それら各層(16,18,20)の軸方向に
おける膜厚均一性に優れた帯電ロール22が有利に得ら
れることとなるからである。
【0033】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0034】先ず、エピクロルヒドリン−エチレンオキ
サイド共重合ゴムの100重量部に対して、イオン導電
剤としてトリメチルオクタデシルアンモニウムパークロ
レートの15重量部を配合して、体積抵抗率が106 Ω
cmとされたイオン導電系の基層形成用材料(イオン導電
系弾性体材料)を調製した。一方、SBRの100重量
部に対して、電子導電剤としてカーボンブラックの30
重量部を配合して、体積抵抗率が103 Ωcm以下の電子
導電系の基層形成用材料(電子導電系弾性体材料)を調
製した。そして、それら2種類の基層形成用材料と、所
定の丸棒鋼材(SUM22)の表面に無電解ニッケルメ
ッキを施してなる軸体(直径:6mm)とを用いて、金型
成形を行ない、軸体の外周面上にイオン導電系弾性体材
料により構成された基層が設けられてなる2つのベース
ロールと、軸体の外周面上に電子導電系弾性体材料にて
構成された基層が形成されてなる1つのベースロール
の、計3つのベースロールを作製した。なお、各ベース
ロールの基層の厚さは、それぞれ3mmとした。
【0035】次いで、下記配合組成に従って、体積抵抗
率が103 Ωcm以下の電極層形成用材料と、体積抵抗率
が108 Ωcmの保護層形成用材料とを調製し、その後、
それらを所定粘度のコーティング液に調製した。更に、
抵抗調整層形成用材料として、前記イオン導電系の基層
形成用材料を用意し、それぞれ、所定粘度のコーティン
グ液に調製した。
【0036】電極層形成用材料 N−メトキシメチル化ナイロン 100重量部 導電性カーボンブラック 15重量部
【0037】保護層形成用材料 N−メトキシメチル化ナイロン 100重量部 酸化スズ 54重量部
【0038】そして、かくして得られた各コーティング
液と先に得られた3つのベースロールとを用い、以下の
如くして、各ベースロールの外周面上に、電極層と抵抗
調整層と保護層とを形成した。
【0039】すなわち、先ず、イオン導電系弾性体材料
よりなる基層を有するベースロールの1つに対して、そ
のロール軸方向の両端部に、各端縁部から5〜10mmの
長さに亘ってマスキングを施した。次いで、前記電極層
形成材料よりなるコーティング液を用いて、かかるベー
スロールの外周面上に、公知のディッピング手法によ
り、厚さ10μmの電極層を形成した。その後、マスク
を除去して、該ベースロールの基層の外周面上におい
て、その軸方向の両端縁から5〜10mmまでの部位に形
成された電極層を取り除いた。引き続いて、該基層と同
じ組成の抵抗調整層形成用材料よりなるコーティング液
を用いて、該電極層とマスクを除去した部位において剥
き出し状態とされた基層の各外周面上に、厚さ0.16
mmの抵抗調整層を形成し、更に、前記保護層形成用材料
よりなるコーティング液を用いて、該抵抗調整層の外周
面上に厚さ10μmの保護層を形成した。かくして、ロ
ール軸方向の両端部の所定長さに亘って、電極層が設け
られていない部分が形成された、図1に示される如き帯
電ロール(実施例1)を得た。
【0040】また、前記電極層形成用材料よりなるコー
ティング液を用いて、イオン導電系弾性体材料からなる
基層を有するベースロールの残りの1つのものと、電子
導電系弾性体材料にて構成された基層を有するベースロ
ールとに対して、各基層の外周面上に、全周に亘って、
それぞれ厚さ10μmの電極層を形成し、更に該電極層
の外周面上に、前記実施例1と同様にして、抵抗調整層
と保護層とを形成して、図3に示される如き2つの帯電
ロールを得た。そして、イオン導電系弾性体材料よりな
る基層を有するものを比較例1とし、また電子導電系弾
性体材料にて構成された基層を有するものを比較例2と
した。
【0041】かくして得られた3種類の帯電ロール(実
施例1、比較例1、比較例2)において、7点(図4及
び図5中、A〜G)の各電流値を測定して、各ロール表
面の軸方向における電流値の分布を調べた。その結果を
グラフ化して、図4及び図5に示した。なお、この電流
値は、23℃×53%RHの温湿環境下において、各帯
電ロールに対して、外部電源よりxVp-p 1000Hz
−500Vの電圧を与えた際の電流を測定したものを示
した。
【0042】それら図4及び図5からも明らかなよう
に、基層の外周面上に、全周に亘って電極層が設けられ
てなる比較例1及び比較例2においては、その軸方向に
おけるロール表面の電流値の分布が略均一となっている
のに対して、ロール軸方向の両端部の所定長さに亘っ
て、電極層が設けられていない部分が形成された実施例
1においては、かかるロール軸方向の両端部におけるロ
ール表面の電流値が、他の部位に比して、明らかに低く
なっていることが認められる。このことから、実施例1
においては、その軸方向の両端部に電極層が設けられて
いない部分が形成されていることによって、かかる部分
の電気抵抗が、電極層が設けられている部分のそれより
も、実質的に高くなっていることが確認され得る。
【0043】また、各帯電ロールを、実機(横河ヒュー
レットパッカード株式会社製『YHP レーザージェッ
トIII si』)にそれぞれ取り付け、32℃×85%R
Hの温湿環境下において、外部電源よりxVp-p 100
0Hz−600Vの電圧を与えて、画像をプリントアウ
トした。そして、このプリントアウト操作を1枚毎に停
止させ、各帯電ロールが取り付けられた実機の感光体に
おける軸方向の端部の状態を観察して、かかる部位にお
いて削れの発生が確認された時点のプリント枚数を調べ
た。その結果を、下記表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】かかる表1の結果から明らかなように、イ
オン導電系弾性体材料により構成された基層を有し、且
つ該基層の軸方向の端部の所定長さに亘って、電極層が
設けられていない部分が形成された実施例1では、15
000枚もの多量の枚数のプリント後においても、感光
体の軸方向端部に、削れの発生が何等認められなかった
のに対して、基層の形成材料が同じではあるものの、電
極層が、該基層の軸方向の全長に亘って設けられてなる
比較例1と、基層の形成材料も異なり、且つ比較例1と
同様に、電極層の構成も異なる比較例2とにおいては、
何れも、9000枚程度のプリントの後において、感光
体の軸方向端部に、削れの発生が確認された。これは、
本発明に係る帯電ロールにおいて、感光体の端部の削れ
の発生が効果的に抑制され得ることを如実に示している
のである。
【0046】従って、図4及び図5や表1より認められ
る上述の如き事実から極めて明らかな如く、本発明に従
う帯電ロールを用いることによって、感光体における感
光体層の膜厚の薄い部位が、優先的に削り取られてしま
うことが有効に防止され得るのであり、その結果とし
て、帯電ロールにおける帯電不良や放電破壊の発生が効
果的に防止され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う帯電ロールの一例を示す縦断面説
明図である。
【図2】本発明に従う帯電ロールの別の例を示す、図1
に対応する図である。
【図3】従来の帯電ロールの一例を示す、図1に対応す
る図である。
【図4】図1に示される帯電ロールにおけるロール表面
の電流値の軸方向分布を示すグラフである。
【図5】図3に示される帯電ロールにおけるロール表面
の電流値の軸方向分布を示すグラフである。
【符号の説明】
10,22,24 帯電ロール 12 軸体 14 基層 16 電極層 18 抵抗調整層 20 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 三郎 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−175465(JP,A) 特開 平7−261507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 - 15/02 103 G03G 21/06 G03G 15/16 - 15/16 103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸体の外周面上に、所定の基層が設けら
    れると共に、該基層の外周面上に、ロール径方向におい
    て内側から外側に、薄肉の電極層と抵抗調整層と保護層
    とが順次設けられてなる帯電ロールにおいて、 前記基層が、イオン導電剤の配合によって体積抵抗率が
    106 〜109 Ωcmとされたイオン導電系弾性体材料に
    より構成されている一方、前記電極層が、電子導電剤の
    配合によって体積抵抗率が104 Ωcm以下とされた電子
    導電系合成樹脂材料にて構成され、且つ軸方向における
    長さが該基層よりも短くされて、該基層の軸方向におけ
    る少なくとも一方の端部の所定長さに亘って、該電極層
    が設けられていない部分が形成されていることを特徴と
    する帯電ロール。
  2. 【請求項2】前記基層が、ロール軸方向の全長に亘っ
    て、同一の厚さをもって形成されている請求項1に記載
    の帯電ロール。
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