JP3195780B2

JP3195780B2 - 内燃機関用助燃剤供給装置

Info

Publication number: JP3195780B2
Application number: JP30940199A
Authority: JP
Inventors: 善春佐藤
Original assignee: 善春佐藤
Priority date: 1999-10-29
Filing date: 1999-10-29
Publication date: 2001-08-06
Anticipated expiration: 2019-10-29
Also published as: JP2001132551A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
へ混合気又は空気を導入する流路に助燃剤を供給するた
めの装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】内燃機関は気化燃料と空気との混合気を
燃焼室にて燃焼させる際に発生する爆発エネルギーを利
用するものであるが、様々な改良が主として出力向上の
ために試みられてきた。そして現代においては、環境汚
染の防止やそれに伴なう経済性の向上などに目標が向け
られている。ところで、発明者は研究の結果、燃焼室に
混合気と共に水が存在する場合、水分子つまり酸素と水
素の化合が解けて爆発しそれよりも遅れて混合気の爆発
が起こる、という知見を得た。即ち水を適当な形で燃焼
室へ供給することによってより大きい爆発エネルギーを
得ることができるという事実に接した。これによって燃
料消費量を減少させることができ、また排気ガス量も減
少することとなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、前記の知見及び事実に基づいて、内燃機関の運転
上、管理を必要とする、環境の保護や経済性の向上を達
成することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明は、助燃剤の流入口を有し、導入した助燃剤
を貯溜可能であり、また上部に空間を保持可能な容器
と、助燃剤中に空気を導入するための導気ヘッドを先端
に有し、空気取り入れ口を他端に有し、さらに中間に空
気量の調整弁を有する空気導入管と、容器上部の空間に
通じる配管より助燃剤と空気との混合体を前記流路に生
じた負圧により吸引し、霧化状態で分散供給するための
霧化ヘッドとから成り、霧化ヘッドは流路を流れる流体
の流線方向に配置された、流路径に対して十分小径の絞
り筒を有し、助燃剤と空気との混合体の配管を絞り筒に
接続することによって、絞り筒内を流れる負圧流に上記
混合体が吸引され、霧化されて流体中に分散供給するよ
うにされており、絞り筒の周囲には流路の断面積を絞る
形の開口を有する可撓板を設け、流路を流れる流体の速
度に応じて可撓片が変形し、絞り筒を囲む開口の断面積
を拡大、縮小可能とされている内燃機関用の助燃剤供給
装置を提供するものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】この発明の内燃機関用助燃剤供給
装置は、内燃機関の燃焼室へ混合気又は空気を導入する
流路に助燃剤を供給するためのものである。

【０００６】多くの例では予め燃料と空気との混合気を
作り、これを燃焼室へ供給するので（新気の導入）その
ために流路がある。しかし、燃焼室内に直接燃料を噴射
するケースも存在し、その場合には燃焼室には空気を導
入する流路が接続される。本発明において助燃剤はこれ
らのような流路に供給する。助燃剤は水とメタノールと
の混合物であることが望ましいが、その混合比は適宜変
更することができる。

【０００７】この液体から成る助燃剤を気泡化した空気
とともに流路中の流体に供給するために、助燃剤と空気
との混合容器が準備される。従ってこの容器は助燃剤の
流入口を有し、内部に助燃剤を貯溜可能であるととも
に、その上部には空間を保持可能なものとする。助燃剤
と空気泡との混合体は上記空間から吸い上げられ、流路
へ送給される。つまり空間は混合体の滞留に使われる。

【０００８】助燃剤中に空気を導入するための空気導入
管には、他端の空気取り入れ口から空気を取り入れる
が、取り入れ空気量は中間の調整弁により調整可能であ
る。取り入れた空気は先端の導気ヘッドを通して助燃剤
液中に導入される。助燃剤中で生じる気泡を可能な限り
微細なものとするためには、微小な噴気孔を霧気ヘッド
に多数形成することが望ましい。

【０００９】容器上部の空間と前記流路とは配管によっ
て連絡され、助燃剤と空気との混合体は流路に生じた負
圧によって吸引される。負圧は、従来の気化器に見られ
たベンチュリ管のような、絞り部若しくはのど部と呼ば
れる構成によって得ることができる。例えば、流路径に
対して十分小径の絞り筒を流路に平行に配置し、配管の
先端を絞り筒に接続して、絞り筒内を流れる負圧流に助
燃剤と空気との混合体が吸引され、その際に霧化して流
体中に分散供給されるように構成する。

【００１０】絞り筒を流れる流体の速度を十分高速化
し、負圧を安定にするために、絞り筒の周囲の流路断面
積を絞る形の開口を有する可撓板を設けることができ
る。この可撓板は流路を流れる流体の速度が速くなると
大きく撓んで断面積を大きくし速度が遅くなるとより小
さく撓んで断面積を小さくするので常に一定以上の負圧
を得ることができる。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照した実施例に基づき本発明を
より詳細に説明する。図１には本装置の容器１１に関連
する部分が示されており、容器１１は例えば４サイクル
エンジン１２の排気量等によって決まる量の助燃剤１３
を貯溜可能な容量を有し、助燃剤上には空間１４を確保
可能な形態を有する。１５は蓋部であり、助燃剤供給系
１６の流入口１７や、後述する空気導入管１８の取り付
け部等にもなっている。

【００１２】空気導入管１８は助燃剤中へ延びた管端に
設けられた微小な噴気孔１９を多数有する導気ヘッド２
１を先端に有し、他端に空気取り入れ口としてのエアク
リーナー２２を有し、かつそれらの中間に空気量の調整
弁２３を有している。２４は気泡を示す。蓋部１５には
配管２５の基端２６が取り付けられていて空間１４と通
じており、助燃剤１３と空気との混合体を燃焼室に通じ
た流路２７へ供給する構成になっている。

【００１３】なおエンジン１６には、燃料タンク２８か
らフューエルパイプを通って導かれた燃料とエアクリー
ナー２２から導かれた空気とが混合器２９で混合された
上で供給されるものとする。配管２５は混合器２９、又
は混合気の流路２７、若しくはエンジン１２の燃焼室へ
直かに接続された空気の流路２７′に接続される（図
５）。

【００１４】実施例において、流路２７、２７′に配置
される霧化ヘッドは流路方向の、小径な絞り筒３１を開
口部内に配置した支持腕３２が配管２５の末端部２５ａ
を兼ねている座板３３と、その開口部とほぼ同面積の部
分に可撓板３４を設けたパッキング３５とを有している
（図３）。可撓板３４は絞り筒３１が収まる小径の開口
３６を有し、かつこの開口３６から放射状に形成された
切れ目により複数の可撓片３７に分離した構成を有す
る。絞り筒３１は流路２７、２７′の中心に位置しても
良いが図示の例のように中心からずれて位置しても良
い。

【００１５】斯くして、エンジン１２を始動すると、流
路２７に混合気が流れ（或いは燃焼室への直接噴射の場
合には流路２７′に空気が流れ、燃焼室内にて燃料との
混合気が形成され）、その気流がベンチュリ管と同等の
効果を奏する可撓板３４の部分において加速され、絞り
筒３１内の流れは高い負圧流となって、配管２５を通じ
て容器１１の空間１４より助燃剤１３と空気との混合体
が絞り筒３１内に霧化供給されることとなる。この気流
の速度が遅いときの可撓片３７の状態は図４に実線で、
また気流速度が早いときの状態は同じく２点鎖線で示し
てある。

【００１６】故に低速であれば流路断面積はより小さく
なって局部の流速を高め、一方、高速のときは弾性変形
により撓んで流路断面積を拡大して流速を高めず、流速
の如何に拘ず、所定の吸引力を発揮するように作用す
る。他方、容器内では、助燃剤と空気との混合体が流出
するにつれて空間１４内の気圧が低下し、助燃剤１３か
らの蒸発分と気泡とが低下傾向の空間１４の内圧を補充
する。混合気流体、或いは空気流中に上記のようにして
霧化分散された助燃剤は燃焼室内に流入後、爆発工程に
おいてまず水素、酸素が燃焼しそれに続く化石燃料の燃
焼と一体となって大きな爆発エネルギーを発生する。従
って総エネルギーを一定とすれば助燃剤の爆発燃焼で得
られる分だけ燃量消費量を節減できることとなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、燃焼室に混合気と共に水を供給する
ことにより爆発工程において水分子成分の爆発と燃料混
合気の爆発による大きなエネルギーを得ることができ、
燃料消費量を減少させ、発生する排気ガス量も減少する
こととなり、環境破壊の抑制と経済性の向上に顕著な効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る内燃機関用助燃剤供給装置の実施
例を示す斜視図。

【図２】同上の容器部を示す断面図。

【図３】同じく霧化ヘッド部分を示す斜視図。

【図４】霧化ヘッド部分における作用説明図。

【図５】内燃機関の燃料供給系を示す説明図。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】内燃機関の燃焼室へ混合気又は空気を導
入する流路に助燃剤を供給するための装置であって、助
燃剤の流入口を有し、導入した助燃剤を貯溜可能であ
り、また上部に空間を保持可能な容器と、助燃剤中に空
気を導入するための導気ヘッドを先端に有し、空気取り
入れ口を他端に有し、さらに中間に空気量の調整弁を有
する空気導入管と、容器上部の空間に通じる配管より助
燃剤と空気との混合体を前記流路に生じた負圧により吸
引し、霧化状態で分散供給するための霧化ヘッドとから
成り、霧化ヘッドは流路を流れる流体の流線方向に配置
された、流路径に対して十分小径の絞り筒を有し、助燃
剤と空気との混合体の配管を絞り筒に接続することによ
って、絞り筒内を流れる負圧流に上記混合体が吸引さ
れ、霧化されて流体中に分散供給するようにされてお
り、絞り筒の周囲には流路の断面積を絞る形の開口を有
する可撓板を設け、流路を流れる流体の速度に応じて可
撓片が変形し、絞り筒を囲む開口の断面積を拡大、縮小
可能とされていることを特徴とする内燃機関用助燃剤供
給装置。
【請求項２】可撓板は絞り筒が収まる小径の開口を有
し、かつこの開口から放射状に形成された切れ目により
複数の可撓片に分離した構成を有する請求項１記載の内
燃機関用助燃剤供給装置。