JP3195724U - クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で紙等のシートを確実且つ安定して挟持、保持でき、嵩が低く、製造が容易で低コストであるクリップを提供する。【解決手段】基台片部10と押さえ片部20とを有し、シート状の被挟持体Wを差し入れて保持するクリップであって、押さえ片部20は屈曲に対する弾性復帰力を有する材料で構成し、押さえ片部20の先端部領域と基台片部10の先端部領域とによる接面接合部31を構成し、押さえ片部20の中途位置を下向きに折り返して折り返し片21を構成し、これによって接面接合部31から基台片部10と押さえ片部20とが分離する位置に被挟持体Wの先端部を挟持する先端部差入挟持部32を構成すると共に、折り返し片21が基台片部10に弾性当接する位置に中途部押圧挟持部33を構成してある。【選択図】図1

Description

本考案は、紙やその他のシートを仮止めするクリップに関する。
従来、メモ、ノートの一葉、チラシ、写真、その他のシートを挟んで仮止めするクリップが提供されている。このようなクリップの例として、下記特許文献1〜4がある。
特許文献1には、取付基板1と押さえ板4とによる合わせ面の所に差し込み用の隙間を設け、この隙間にシートを差し込むことで、該シートを挟持して仮止めする差し込み式クリップが開示されている。
一方、特許文献2には、下板3と背板1を介して略平行に構成した上板2に、挟着片4を屈曲させて設け、該挟着片4と前記下板3との間でシートを挟んで保持するようにしたクリップが開示されている。
また特許文献3には、立ち上がり部3を経て屈曲された挟み込み部4と基板部2の間で、シートを挟んで保持するようにしたクリップが開示されている。
更に特許文献4には、螺旋形状の外輪6の端を支台2で固定し、内輪7を支台2の上で保持して押圧させ、シートを差し込んで、外輪6の折り返し部5と押圧部11の2ヶ所で挟んで保持するようにしたクリップが開示されている。
実開平6−23782号公報 実開平7−4063号公報 特開2004−34684号公報 特開2004−34677号公報
上記特許文献1に示すクリップは、差し込んだシートをその先端位置の一箇所でのみ挟持することから、シートの保持能力があまり大きくなく、脱落しやすく、また保持できるシートの枚数も限られるという問題がある。
また特許文献2に示すクリップは、上板2を折り曲げてなる挟着片4によって、差し入れたシートの中途位置を押し付けるものであるが、円形凹部5の反転を行わない限りにおいては、シートの中途位置を一箇所でのみ挟持する程度の、脱落しやすく、またシートの保持可能枚数も限られるという問題がある。しかも円形凹部5を構成するには、金属製の材料を用いて、且つ円形凹部5の成形加工が必要となる等、製作が容易ではないという問題がある。
また特許文献3に示すクリップは、立ち上がり部3を経て屈曲された挟み込み部4によって、差し入れられたシートの中途位置を一箇所で挟持するものであるから、やはり本来的に脱落しやすく、またシートの保持可能枚数も限られるという問題がある。このため、この特許文献3のクリップでは当接部10と溝部6とを設けて挟持力を強化しているが、クリップの製作が容易ではなくなるとう問題がある。
特許文献4に示すクリップは、差し入れられたシートをその先端位置と中途位置との2ヶ所で挟持、保持する機能を備えている点で優れているといえる。しかし、螺旋形状の外輪6や内輪7を形成する必要がある。特に前記内輪7の存在によってクリップ自体の厚みが大きくなり、製品が嵩高くなるという問題がある。また外輪6や内輪7を備えた構造にするためには、かなり強力な弾性材料を素材として用いる必要があると共に、その素材を筒状体に形成したものを用いる必要があり、しかもこの筒状体から外輪6と内輪7とを形成してゆかねばならないという問題がある。このため総合的には、商品が嵩高なものとなると共に、製作に手間とコストがかかるという問題がある。
そこで本考案は上記従来における問題点を解決し、簡単な構成で紙等のシートを確実且つ安定して挟持、保持することができると共に、嵩が低く、製造が容易で低コストであるクリップの提供を課題とする。
本考案のクリップは、基台片部と押さえ片部とを有し、シート状の被挟持体を前記基台片部と押さえ片部との間に差し入れることで、前記シート状の被挟持体を前記基台片部と押さえ片部との間に挟持して保持するクリップであって、
前記押さえ片部は、屈曲に対する弾性復帰力を有する材料で構成し、
前記押さえ片部の先端部領域の下面を前記基台片部の先端部領域の上面に接面状態に接合させることで接面接合部を構成すると共に、前記押さえ片部の中途位置を下向きに折り返すことで折り返し片を構成し、これによって前記接面接合部から前記基台片部と押さえ片部とが分離する位置には、被挟持体の先端部の差し入れを許容して挟持する先端部差入挟持部を構成すると共に、前記押さえ片部の折り返し片が前記基台片部に弾性当接する位置には、被挟持体の中途位置を抜け止め方向に押圧して挟持する中途部押圧挟持部を構成したことを第1の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第1の特徴に加えて、基台片部と押さえ片部とは1枚の帯状シートを第1の折り曲げ部で折り曲げて構成すると共に、前記第1の折り曲げ部を一定の幅に亘って相互に接面状態に接合することで接面接合部を構成し、前記1枚のシートの第2の折り曲げ部を第1の折り曲げ部と同方向に折り曲げることで前記押さえ片部の折り返し片を構成してあることを第2の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第1又は第2の特徴に加えて、基台片部には、その下面に、壁面等の被取り付け面に対して着脱自在に接面して取り付くことができる接面取り付け部を設けてあることを第3の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第3の特徴に加えて、接面取り付け部は、吸着層で構成してあることを第4の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第3の特徴に加えて、接面取り付け部は、粘着剤を担持させた吸着層で構成してあることを第5の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第3の特徴に加えて、接面取り付け部は、非移行性の粘着層で構成してあることを第6の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第3の特徴に加えて、接面取り付け部は、強磁性を有する軟質層で構成してあることを第7の特徴としている。
また本考案のクリップは、上記第1〜第7の何れかの特徴に加えて、少なくとも押さえ片部と折り返し片とは透明又は半透明体であることを第8の特徴としている。
請求項1に記載のクリップによれば、押さえ片部を屈曲に対する弾性復帰力を有する材料で構成し、接面接合領域から基台片部と押さえ片部とが分離する位置に先端部差入挟持部を構成したことにより、シート状の被挟持体を差し入れることで、該被挟持体の先端部を前記先端部差入挟持部によって確実に受け入れて挟持することができる。
加えて、押さえ片部の折り返し片が基台片部に弾性当接する位置に中途部押圧挟持部を構成したことにより、シート状の被挟持体を差し入れることで、該被挟持体の中途位置を前記中途部押圧挟持部によって確実に抜け止め方向に押圧して挟持することができる。
よって、シート状の被挟持体をその2ヶ所で挟持、保持することができ、簡単な構成にもかかわらず、シート状の被挟持体の1乃至複数枚を確実且つ安定して仮止めすることができる。
また請求項1に記載のクリップによれば、クリップは基台部片と、押さえ片部と、その両者を接合させた接面接合部と、前記押さえ片部を折り返してなる折り返し片とで構成できるので、構成を十分に簡素化することができると共に、面倒な加工や組み立て作業を十分に減じることがでる。よって製造コストも十分に下げることが可能となる。
また請求項2に記載のクリップによれば、上記請求項1の構成による作用効果に加えて、1枚の帯状シートを用いて、これを第1の折り曲げ部で折り曲げることで基台片部と押さえ片部とが簡単に構成される。そして第1の折り曲げ部を一定の幅に亘って相互に接面状態に接合することで接面接合部が簡単に構成される。更に第2の折り曲げ部で折り曲げることで前記押さえ片部の折り返し片が簡単に構成される。
従って請求項2に記載のクリップによれば、1枚の帯状シートを折り曲げるだけで、ほぼ全体の構成を得ることが可能となり、非常に簡単な構成からなるクリップを得ることができる。そして折り曲げ以外の作業としては、接面接合部における接合作業だけとなり、製造が簡単で低コストのクリップの提供が可能となる。
請求項3に記載のクリップによれば、上記請求項1又は2の構成による作用効果に加えて、基台片部の下面には接面取り付け部を設けているので、
壁面やその他の面にクリップを取り付けた状態で種々のシートを仮止めすることができる。
請求項4に記載のクリップによれば、上記請求項3の構成による作用効果に加えて、接面取り付け部は、吸着層で構成してあることにより、
ガラス壁、金属壁、樹脂壁、その他の材料からなる壁、デスクの上面等、少なくとも平滑な表面を備えた被取り付け面に対して、繰り返し、着脱自在に接面して取り付けることができる。よってシート等の被挟持体をクリップを介して壁面等に容易に仮止めすることができる。
請求項5に記載のクリップによれば、上記請求項3の構成による作用効果に加えて、接面取り付け部は、粘着剤を担持させた吸着層で構成してあることにより、
粘着剤を担持させた吸着層により、ガラス壁、金属壁、樹脂壁、その他の材料からなる壁の、少なくとも平滑な表面を備えた壁面やデスク上面等の被取り付け面に対して、繰り返し、着脱自在に接面して取り付けることができる。加えて、粘着剤が吸着層に担持されているので、その粘着剤が消耗しない状態では、吸着に粘着が加わって、一層確実に壁面等の被取り付け面に取り付けることができる。また平滑性に多少劣る壁面にも取り付けることができる。なお、粘着剤は吸着層に含浸させた状態で担持させることで、比較的長期に亘ってその粘着効果を持続させることができる。
請求項6に記載のクリップによれば、上記請求項3の構成による作用効果に加えて、接面取り付け部は、非移行性の粘着層で構成してあることにより、
非移行性の粘着層により、ガラス壁面、その他の壁面やデスク上面の被取り付け面に接面して取り付けることができる。そして前記粘着層は非移行性の粘着層としているので、使用後にガラス壁面等の被取り付け面に粘着層がこびりつくことも予防できる。勿論、複数回数に亘って着脱を繰り返すことができる。
請求項7に記載のクリップによれば、上記請求項3の構成による作用効果に加えて、接面取り付け部は、強磁性を有する軟質層で構成してあることにより、
磁石が吸着できる壁面やデスク上面等の被取り付け面に対して、簡単に接面して取り付けることができる。
請求項8に記載のクリップによれば、上記請求項1〜7の構成による作用効果に加えて、少なくとも押さえ片部と折り返し片とは透明又は半透明体であることにより、
仮止めされたシートの一部が押さえ片部や折り返し片によって隠れてしまうことがない。
本考案の実施形態に係るクリップの斜視図である。 本考案の実施形態に係るクリップの側面図である。 本考案の実施形態に係るクリップの、折り曲げによる製造前の状態を示す裏面図である。
以下、図面を用いて本考案の実施形態に係るクリップを説明し、本考案の理解に供する。しかし、以下の説明は実用新案登録請求の範囲に記載の本考案を限定するものではない。
図1〜図3を参照して、本考案の実施形態に係るクリップは、基台片部10と押さえ片部20とを有する。シート状の被挟持体Wは基台片部10と押さえ片部20及び折り返し片21との間において、2ヶ所で挟持されて保持される。
前記基台片部10は、その下面10bで壁面や机上等の被取り付け面Fに対して着脱自在に取り付けるためのものである。またその上面10aに前記シート状の被挟持体Wを着座させるものである。
基台片部10の下面10bには接面取り付け部11が設けられている。この接面取り付け部11によって、基台片部10を壁面や机上等の被取り付け面Fに対して接面状態に且つ着脱自在に取り付けることができる。
基台片部10は、プラスチックスの他、紙、金属等で構成することが可能である。
基台片部10は、被取り付け面Fの多少の曲面変化に対しても接面取り付け部11による取り付けが確実に行えるよう、被取り付け面Fの凹凸に対する適当な柔軟性を有するものが好ましい。具体的には、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)を用いることで、強度と屈曲弾力性を備えた基台片部10を容易に構成することができる。
前記押さえ片部20は、屈曲に対する弾性復帰力を有する材料で構成する。素材としてはプラスチックスの他、紙、金属等を用いることができる。
押さえ片部20は、例えば厚みが0.5〜数ミリ厚のポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)を用いることで、屈曲に対する良好な弾性復帰力を備えると共に、簡単に破損しないものとすることが出来る。
押さえ片部20の先端部領域の下面20bを、基台片部10の先端部領域の上面10aに対して接面状態に接合させることで、クリップの先端部領域に一定の幅で接面接合部31が構成される。接合は接着剤を用いる他、基台片部10と押さえ片部20の材料がプラスチックスの場合は溶着によっても行うことができる。
そして前記接面接合部31から前記基台片部10と押さえ片部20とが分離する位置に、両者間の隙間が徐々に拡がる先端部差入挟持部32が構成される。この先端部差入挟持部32の存在によって、シート状の被挟持体Wの先端部の差し入れが許容され、且つ被挟持体Wが差し入れられた状態で、前記押さえ片部20の有する弾性復帰力によって、被挟持体Wが上から押圧を受け、挟持される。
前記押さえ片部20には、その中途位置が下向きに折り返されることによって、折り返し片21が構成されている。
前記基台片部10と押さえ片部20と折り返し片21の長さは、基台片部10、押さえ片部20、折り返し片21の順で短くなるようにしている。基台片部10に対して押さえ片部20を少し短くすることで、被挟持体Wの差し入れを基台片部10上を案内しながら行うことができるので、差し入れが容易となる。
また押さえ片部20に対する折り返し片21の長さは、その折り返し片21の先端部21aが前記接面接合部31から適当に離間した位置において前記基台片部10に当接するような長さにしている。この場合において、前記先端部21aの基台片部10の上面への当接は弾性を持った当接状態となる。なぜなら、押さえ片部20と前記基台片部10とによる前記接面接合部31の存在により、押さえ片部20全体には前記基台片部10へ当接する方向に弾性復帰力が働く。この弾性復帰力により前記折り返し片21の先端部21aは基台部片10の上面に当接することになる。一方、折り返し片21にも前記押さえ片部20の折り返しに対する弾性復帰力が働き、折り返し角度を拡げようとする。よって折り返し片21の先端部21aは、基台片部10の上面に対して、前記2つの弾性復帰力が加算された状態で弾性当接することになるのである。
また前記折り返し片21の先端部21aには、その折り返し構造が有する機能として、該先端部21aを通過して差し入れられたシート状の被挟持体Wに対して、その被挟持体Wが元の方向へ抜け出ようとするのを防止しようとする抜け止め力も働くことになる。
以上のようにして、押さえ片部20の折り返し片21が前記基台片部10に弾性当接する位置、即ち折り返し片21の先端部21aと基台片部10とが弾性当接する位置には、被挟持体Wの中途位置を抜け止め方向に押圧して挟持する中途部押圧挟持部33が構成される。
前記接面取り付け部11は、吸着層によって積層状態に構成することができる。吸着層の表面を全面で壁面等の被取り付け面Fに押し当てることで、被取り付け面Fへの吸着がなされ、これによって基台片部10が接面状態に被取り付け面Fに取り付けられる。また吸着層を被取り付け面Fから剥がすことで、基台片部10を被取り付け面Fから取り外すことができる。何回も繰り返して使用することができる。
吸着層を接面取り付け部11として用いたクリップの場合は、吸着を利用した取り付けであることから、平滑な表面を持つ壁面等の被取り付け面Fに好ましく使用することができる。取り付けは着脱自在に繰り返して行うことができる。例えばガラス表面、金属表面、樹脂表面、その他表面粗さの小さい材料表面に好適である。
前記吸着層としては、少なくとも被取り付け面Fに対面する吸着層表面の全面に吸着特性を保有する材料を用いている。
前記接面取り付け部11は、例えば吸着層を備えた両面テープを用いて構成することができる。即ち、両面テープの一方のテープ面(粘着剤や接着剤を施している)で基台片部10の下面に、容易に剥離しないように接合、積層して接面取り付け部11とする。両面テープの他方のテープ面が壁等の被取り付け面Fに対する接面部となって、着脱自在に吸着する。
更に前記接面取り付け部11は、粘着剤を担持させた吸着層によって積層状態に構成することができる。粘着剤を担持させることで、吸着力に加えて粘着力を発揮し、被取り付け面Fへの取り付けが一層確実に行える。また平滑性に多少劣る壁面にも取り付けることができる。
前記粘着剤の担持は、例えば非移行性の粘着剤を吸着層に含浸させることによって行うことができる。含浸させることで、長期に亘って粘着の効果を持続させることができる。
前記接面取り付け部11は、粘着層によって積層状態に構成することができる。この粘着層は複数回繰り返して使用できるものとする。また粘着層は非移行性の粘着剤を用いて、クリップを壁面等の被取り付け面Fから取り外す際に、粘着剤が被取り付け面F側に残留しないようにしている。
この粘着層からなる接面取り付け部11は、粘着層を備えた両面テープを用いて、上記吸着層を備えた接面取り付け部11の場合と同様に構成することができる。
前記接面取り付け部11は、強磁性を有する軟質層で積層状態に構成することができる。この強磁性を有する軟質層は、例えば強磁性の磁石粉を分散させたゴムや軟質のプラスチックとすることができる。このような強磁性を有する接面取り付け部11を用いることで、金属製の壁面やその他、磁石が吸着できるようにした壁面等の被取り付け面Fに対して複数回繰り返して使用することができる。
この強磁性を備えた接面取り付け部11は、強磁性を有する軟質層を備えた両面テープを用いて、上記吸着層を備えた接面取り付け部11の場合と同様に構成することができる。
前記押さえ片部20、折り返し片21は透明又は半透明体で構成することができる。透明又は半透明とすることで、クリップに仮止めされた被挟持体Wが押さえ片部20や折り返し片21によって隠れてしまうことがなくなる。
また前記基台片部10と前記押さえ片部20と折り返し片は、図面上においては、その幅が狭く、長さが長いもの、即ち細長く構成されているが、幅をもっと大きくして、幅と長さが同程度、或いは幅の方が長さよりも大きいものにすることも可能である。
上記において、基台片部10と押さえ片部20とを別体で構成することも出来るが、基台片部10と押さえ片部20とを別体とせず、1枚の帯状シートを用いてクリップ全体を構成することができる。
使用する1枚の帯状シートは、屈曲に対する弾性復帰力を有する材料を用いることができる。好ましくは、上記した0.5〜数ミリ厚のポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニール(PVC)等のプラスチックスを用いることができる。
1枚の帯状シートを用いてクリップを製作することで、非常に簡単にクリップを構成することが可能である。
1枚の帯状シートを用いてなるクリップを、その製造方法を説明しながら説明する。
先ず、図3に示すように、屈曲に対する弾性復帰力を有する1枚の帯状シートを用意する。
なお、図3は1枚の帯状シートの裏面(下面)を示している。この図3においては、接面取り付け部11が既に設けられているが、後で形成するようにしてもよい。
前記用意した1枚の帯状シートを、第1の折り曲げ部Tと第2の折り曲げ部Tで折り曲げる折り曲げ工程を施す。折り曲げは何れも同方向に折り曲げる。図3に示す裏面においては、第1の折り曲げ部Tと第2の折り曲げ部Tは何れも山折りとなる。
上記第1の折り曲げ部Tと第2の折り曲げ部Tでの折り曲げにより、基台片部10と押さえ片部20と折り返し片21とが構成される。この場合、基台片部10の長さに比べて、押さえ片部20の長さが少し短くなるようにし、押さえ片部20の末端(第2の折り曲げ部Tの位置)が基台片部10の末端よりも内側の上面に対向するようしている。また折り返し片21の長さは押さえ片部20の長さよりも更に短くなるようにし、折り返し片21の先端部21aが後述する接面接合部31から適当に離間した位置に来るようにしている。
次に前記第1の折り曲げ部Tで折り曲げることによって、相互に対向する基台片部10と押さえ片部20とを、前記第1の折り曲げ部Tの位置で、一定の幅に亘って相互に接面状態に接合する接合工程を施す。これにより前記基台片部10と前記押さえ片部20との先端部領域に接面接合部31が形成される。
接面接合部31はプラスチックスの帯状シートを用いる場合は、溶着にて形成することができる。勿論、接着剤による接着により形成してもよい。
接面接合部31から分離する位置である先端部差入挟持部32においては、押さえ片部20は屈曲された状態となるので、その屈曲状態を元に戻そうとする弾性復帰力が基台片部10方向に働き、差し入れられたシート等の被挟持体Wの先端部を押圧して挟持することになる。
また接面接合部31から分離された押さえ片部20は基台片部10方向に弾性復帰力が働くので、押さえ片部20から折り返された折り返し片21の先端部21aは、基台片部10の上面に当接し、中途部押圧挟持部33を構成する。この中途部押圧挟持部33の位置は、折り返し片21の長さを前記押さえ片部20の長さよりも短くしているため、前記接面接合部31から後方に適当に離間した位置となる。
前記中途部押圧挟持部33においては、折り返し片21が、前記第1の折り曲げ部Tと第2の折り曲げ部Tとの2ヶ所での屈曲によって生じる弾性復帰力によって、基台片部10の上面に弾性押圧状態で当接する。このため差し入れられたシート等の被挟持体Wは、その先端部から少し離間した中途位置においても、折り返し片21によって押圧、挟持される。
前記接面取り付け部11は、既述したように、吸着層や粘着層や強磁性を有する軟質層を備えた両面テープを用いて、前記1枚の帯状シートに折り曲げを行う前の段階で、その基台片部10に対応する領域の裏面(下面)に、積層して形成することができる。また折り曲げや接面接合部31を形成した後に形成してもよい。
以上の構成からなるクリップによれば、クリップをその接面取り付け部11で壁面や机上面等の被取り付け面Fに、着脱自在に接面状態に取り付けることができる。そしてその状態で、シート状の被挟持体Wを基台片部10の上面に沿って、該基台片部10と折り返し片21との開口から、差し入れることで、被挟持体Wの先端部を前記先端部差入挟持部32で挟持し、且つ被挟持体Wの中途位置を前記中途部押圧挟持部33で挟持することができる。2ヶ所での挟持ができること及び基台片部10に対する押さえ片部20と折り返し片21の差し入れ許容度が大きいことから、被挟持体Wを複数枚差し入れても十分に挟持することができる。
本考案は簡単な構成で紙等のシートを確実且つ安定して挟持、保持することができるクリップとして、産業上の利用性が高い。
10 基台片部
10a 上面
10b 下面
11 接面取り付け部
20 押さえ片部
20a 上面
20b 下面
21 折り返し片
21a 先端部
31 接面接合部
32 先端部差入挟持部
33 中途部押圧挟持部
W 被挟持体
F 被取り付け面
第1の折り曲げ部
第2の折り曲げ部

Claims (8)

  1. 基台片部と押さえ片部とを有し、シート状の被挟持体を前記基台片部と押さえ片部との間に差し入れることで、前記シート状の被挟持体を前記基台片部と押さえ片部との間に挟持して保持するクリップであって、
    前記押さえ片部は、屈曲に対する弾性復帰力を有する材料で構成し、
    前記押さえ片部の先端部領域の下面を前記基台片部の先端部領域の上面に接面状態に接合させることで接面接合部を構成すると共に、前記押さえ片部の中途位置を下向きに折り返すことで折り返し片を構成し、これによって前記接面接合部から前記基台片部と押さえ片部とが分離する位置には、被挟持体の先端部の差し入れを許容して挟持する先端部差入挟持部を構成すると共に、前記押さえ片部の折り返し片が前記基台片部に弾性当接する位置には、被挟持体の中途位置を抜け止め方向に押圧して挟持する中途部押圧挟持部を構成したことを特徴とするクリップ。
  2. 基台片部と押さえ片部とは1枚の帯状シートを第1の折り曲げ部で折り曲げて構成すると共に、前記第1の折り曲げ部を一定の幅に亘って相互に接面状態に接合することで接面接合部を構成し、前記1枚のシートの第2の折り曲げ部を第1の折り曲げ部と同方向に折り曲げることで前記押さえ片部の折り返し片を構成してあることを特徴とする請求項1に記載のクリップ。
  3. 基台片部には、その下面に、壁面等の被取り付け面に対して着脱自在に接面して取り付くことができる接面取り付け部を設けてあることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリップ。
  4. 接面取り付け部は、吸着層で構成してあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  5. 接面取り付け部は、粘着剤を担持させた吸着層で構成してあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  6. 接面取り付け部は、非移行性の粘着層で構成してあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  7. 接面取り付け部は、強磁性を有する軟質層で構成してあることを特徴とする請求項3に記載のクリップ。
  8. 少なくとも押さえ片部と折り返し片とは透明又は半透明体であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のクリップ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5866653B1 (ja) * 2015-03-07 2016-02-17 倉三 桜井 シート状物類差込み保持具および差込み保持器具
JP2016182975A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 プラスワン株式会社 シート蓋開け用クリップ
JP2019136379A (ja) * 2018-02-14 2019-08-22 株式会社ジーコム 腕時計展示具

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