本考案の実施形態は、フラット基板を並行して走査する複数の光学検査モジュールを利用する検査システムを提供する。
従って、本考案の実施形態によると、フラット基板を、走査領域を通して走査方向に受けて、搬送するように構成されたテーブルを含む検査システムが提供される。走査ブリッジは、走査領域の上に取り付けられ、走査方向を横切るレール方向(横方向)に走査領域を渡って延びる2または3以上の平行レールを含む。第1の複数のマウントは、レールのそれぞれに沿って選択間隔だけ離間するそれぞれの位置でレールに固定され、位置および間隔は、レールに沿ってマウントをスライドすることにより調整することができる。第2の複数の光学検査モジュールは、それぞれの位置でマウントにそれぞれ固定されて、走査領域内でフラット基板のそれぞれの区域の画像を取り込む。
開示された実施形態では、2または3以上の平行レールは、少なくとも第1および第2レールを含み、第1レール上のマウントのそれぞれの位置は、第2レール上のマウントのそれぞれの位置に関して、横方向に互い違いに配置される。2または3以上の平行レールは、第3レールを含み、第3レール上のマウントのそれぞれの位置は、第1及び第2レール上のマウントのそれぞれの位置に関して、前記横方向に互い違いに配置される。更に又は代わりに、走査ブリッジは、第1及び第2レール上のマウントが第1間隔離間される第1の千鳥配置と、第1及び第2レール上のマウントが、少なくとも第1間隔の2倍である第2間隔離間される第2の千鳥配置と、を有する。
幾つかの実施形態では、走査ブリッジは、取付ピンを含み、各取付ピンは、マウントのうちの1つおよび光学検査モジュールのうちの対応する1つと係合して、光学検査モジュールのうちの1つをマウントのうちの1つに所定の位置で固定する。システムは調整ジグを含み、調整ジグは、レールの1つ上の対応する一対のマウントの取付ピンを係合し、マウントがレールの1つに固定される間、係合された取付ピンを選択間隔で保持するよう構成された一対のソケットを有する。
通常は、走査ブリッジは、フラット基板に対する走査ブリッジの高さおよび横位置のうちの少なくとも1つを調整するよう構成されるモーションアセンブリを含む。
開示された実施形態では、システムは、走査ブリッジに平行な配置で前記テーブルの上に取り付けられる少なくとも1つのビデオブリッジと、フラット基板の選択区域の走査領域外の画像を取り込む、横方向に可動な1または複数のカメラと、を含む。 少なくとも1つのビデオブリッジは、走査ブリッジの両側のそれぞれに、テーブルの上に、取り付けられた2つのビデオブリッジを含んでよい。
更にまたは代わりに、システムは、光学検査モジュールにそれぞれ整列してテーブルの表面の下に取り付けられて、テーブル内のギャップを介して基板を背面から照明するよう構成される複数のバックライト照明源を含む。
本考案は、以下の図面と共に、次の実施形態の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
上記の米国特許出願公開第2010/0309308号には、複数のカメラが、少なくとも、走査方向を横切る第1及び第2行に沿うそれぞれの位置に配置され、第1行内のカメラのそれぞれの位置は、第2行内のカメラの位置に関して横方向に互い違いに配置されたイメージングアセンブリが記載されている。この配置は、基板の検査において、高いサンプリング密度を達成するのに有用である。
本願明細書に記載される本考案の実施形態は、用途の要求に応じて変更される走査密度を可能にする、光学検査モジュールの調整可能アレイを有する検査システムを提供する。開示される実施形態では、検査システムは、フラット基板を、ある方向(走査方向と呼ぶ)に受けて、搬送するテーブル及びテーブル上の基板のある領域(走査領域と呼ぶ)の上に取り付けられた走査ブリッジを備える。走査ブリッジは、走査方向を横切る方向に走査領域を渡って延びる2または3以上の平行レールを含む。複数のマウントは、レールのそれぞれに沿って選択間隔だけ離間するそれぞれの位置でレールに固定される。光学検査モジュールは、マウントに固定されて、走査領域内で基板のそれぞれの区域の画像を取り込む。マウントの位置及び間隔、すなわち光学検査モジュール及びそれらが撮像する区域はレールに沿ってマウントをスライドすることにより調整することができる。
通常(必ずではない)、異なるレール上のマウントのそれぞれの位置は、互いに対して横方向に互い違いに配置(千鳥状に配置)される。走査ブリッジは、マウント及び光学検査モジュールの間の間隔が2または複数の因子により変わり得る異なる千鳥配置の範囲をサポートする。フラット基板に対する走査ブリッジの高さ及び場合により横位置も変化する。このように、複数の異なるレベルの解像度及び走査速度/時間がサポートされ得る。
図1は、本考案の実施形態による検査システム20の概略図である。システム20は、特に、フラットパネルディスプレイのような大型のフラット基板の自動検査に好適であり、様々なレベルの解像度及び暗視野、明視野、有色照明、及び背面照明(バックライト)、並びにこれらの任意の組み合わせを含む様々な異なる照明モードで、基板上に形成されたパターン内の欠陥を観察及び検出するのに使用することができる。異なる照明システムが、任意の所望の組み合わせの照明モードを可能にするように、個別に制御されてよい。
検査中の基板22は、走査ブリッジ32の下の走査領域を通して基板を搬送するテーブル24上に置かれる。テーブル24は、基板22が最小限の摩擦及び振動でその上に浮くエアークッションを作り出す一組の平行中空バー28を支持するシャーシ26を備える。この目的のために、バー28は、通常、エアーを用いて加圧され、基板22の下の開口(不図示)を介してエアーを放出する。同時に、1又は複数のグリッパ30は、基板22を保持して、テーブルに沿って走査方向、すなわち、図1内の左下から右上に前進させる。グリッパ30はテーブル24の両側に位置するように図面に示されるが、他種のグリッパ又はコンベアを基板22を保持して移動するのに使用してもよい。代わりに又は更に、走査ブリッジ32は、基板22の上に搬送されてもよい。
走査ブリッジ32は、走査方向を横切る方向に走査ブリッジを渡って配列される複数の光学検査モジュール34を備える。光学検査モジュール及び走査ブリッジにおけるそれらの配置は、以下の図面を参照して詳細に説明される。走査ブリッジ32は、基板22に対する走査ブリッジの高さを調整するモーションアセンブリ35を備えてもよい。このように、光学検査モジュール34の視野のサイズが(通常、それらの光学倍率及びフォーカスの調節と組み合わせて)変更され得る。代わりに又は更に、光学検査モジュール34の高さは、個別に調整できてよい。更に又は代わりに、モーションアセンブリ35は、走査ブリッジ32上の光学検査モジュール34の横位置を調整するように構成されてよい。
システム20は、更に、走査ブリッジ32に平行な配置でテーブル24の上に取り付けられるビデオブリッジ36を備えてもよい。ビデオブリッジ36は、基板22の選択区域の画像を取り込むために横方向に可動な1又は複数のカメラ(この図面では図示されず)を備える。ビデオブリッジ36内のビデオカメラは、例えば、疑いのある欠陥が走査ブリッジ32内の光学検査モジュール34により識別された基板22の区域の高解像画像を取り込むように制御され得る高解像ビデオ顕微鏡を備えてよい。必要に応じて、システム20は、場合によっては、図7に示すような走査ブリッジ32の一側に1つのビデオブリッジで走査方向に沿って配列される2または3以上の並列ビデオブリッジを備えてよい。
1又は複数のコンピュータ化されたコントローラ38が、それらの動作を制御し、それらが出力するデータを処理するために、システム20の他の要素に接続される。コントローラ38は、通常、走査ブリッジ32及びビデオブリッジ36と同様に、グリッパ30を含むテーブル24の動作を制御する。また、コントローラ38は、基板22上の特徴及び欠陥を検出するために、光学検査モジュール34から及びビデオブリッジ36内のカメラから出力データを受信し、そのデータを処理して、さらに検査をするために適当なシステム要素に命令を提供し、検査レポート及びアラートを生成する。
図2は、本考案の実施形態による走査ブリッジ32の詳細を示す概略図である。走査ブリッジ32は、システム20の走査方向を横切る方向にフレームを渡って延びる2または3以上の平行レール42を有するフレーム40を備える。光学検査モジュール34のマウント44は、レールのそれぞれに沿って離間されたそれぞれの位置でレール42に固定される。マウント44の位置及びそれらの間の間隔は、レールに沿ってマウントをスライドすることにより調整できる。光学検査モジュール34は、それぞれのマウント44に固定され、それにより、走査領域内で基板22の異なるそれぞれの区域の画像を取り込む。
通常、まず、マウント44が所望の位置に位置決めされてレール42に固定され、そして、光学検査モジュール34がそれぞれのマウントに固定される。図2は、マウント44が所定の位置に固定された後のステージの走査ブリッジ32と、1つずつマウントに固定される光学検査モジュール34を示す。図示される構成では、光学検査モジュール34は、2つのレール42に沿って共にタイトに離間して配置され、一方、3つめのレールは未実装である。広範な異なる展開スキームを、1つ、2つ、又は3つすべてのレール上のモジュールを、様々な異なる間隔で、位置決めするために使用することができる。これらのスキームのいくつかが、図6A−図6Cに示され、これを参照して以下に記載される。
図3は、本考案の実施形態による光学検査モジュール34の概略側面図である。照明アセンブリ50は、光を生成して、基板22に向ける。通常は、照明アセンブリは、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、又はレーザのような1又は複数の線源を備える。先に述べたように、照明アセンブリ50は、通常、パルス又は連続動作で、狭い又は広い波長帯域のいずれかにおいて、分光的に選択された光を使って、明視野又は暗視野照明に対して構成され得る。(用語「光(light)」は、本明細書の文脈及び実用新案登録請求の範囲において使われるように、赤外、可視、及び紫外帯域のいずれ又はすべてにおける放射を含む任意の種の光放射を指す。)代わりに又は更に、光源(不図示)は基板22のバックライトを提供するために、テーブル24の表面の下に配置されてよい。対物光学系52は、画像データをコントローラ38に出力するイメージセンサ54に、基板からの光を集めてフォーカスする。イメージセンサ54は、センサ要素のCCD又はCMOSマトリックスアレイ、又は代わりに、時間遅延積分(TDI)センサのリニアアレイを備えてよい。光学検査モジュール34のコンポーネントは、むしろ、ここでは断面図に示される保護ケース56に含まれる。
光学検査モジュール34は、その構造と機能の幾つかの面において、上記の米国特許出願公開第2010/0309308号に記載の検査カメラと同様であってよいし、これらの検査カメラの特徴は、光学検査モジュール34の設計と動作において、必要な変更を加えて、適用されてよい。
光学検査モジュール34は、光学検査モジュールをそのマウント44に固定するために取付ブラケット58を備える。光学検査モジュールの精密な位置決めを容易にするために、光学検査モジュール34をマウント44に明確な位置において固定するように、取付ピン60がマウント44内のソケット及びブラケット58内の対応するソケットに係合する。
図4は、本考案の実施形態による、走査ブリッジ32上の光学検査モジュール34の取付を示す概略・詳細図である。マウント44は、レール42に沿って所望の位置にスライドされ、ネジ62を締めることにより所定の位置に固定される。マウント44は、上記の通り、その上にブラケット58を位置決めするためにピン60を用いて合わせられる。従って、光学検査モジュール34は、ピン60の上にブラケット58を合せることにより、そのマウント44上に位置決めされる。そして、光学検査モジュールは、ネジ66を、ブラケット58を通してマウント44内のねじ込みソケット64に入れることにより、所定の位置に固定される。
代わりの実施形態(図面には示されない)では、まず、光学検査モジュールがそれぞれのマウントに固定され、そして、マウントがレール上の所定の位置に位置決めされて、固定される。
図5は、本考案の実施形態による、走査ブリッジ32内の光学検査モジュール34の位置を調節するための治具70の概略図である。治具70は、対応する一対のマウント44の取付ピン60をレール42の1つに係合するために適当な幅のそれぞれのソケット74を含む一対のホルダ72を備える。ホルダ72は、緩めてホルダ間の距離を調整し、そして締めてホルダを所望の離間距離で固定することができるそれぞれのクリップ78により、間隔バー76に接続される。この距離は、光学検査モジュール34間の選択間隔に応じて、図5に示すそれより小さくても大きくてもよい。マウント44を配置する間、ソケット74は、レール42上の一対の隣接マウント44内の取付ピン60の上に合わせられ、それにより選択間隔で取付ピンを保持し、マウントが、ネジ62を締めることによりレールに固定される。この手順は、光学検査モジュールが取り付けられるレールのそれぞれの長さにわたって繰り返される。
図6A−図6Cは、本考案の実施形態による、走査ブリッジ内の光学検査モジュール34の異なるそれぞれの配置構成を示す走査ブリッジ32の概略上面図である。基板22を走査ブリッジ32の下を搬送しながら光学検査モジュールのそれぞれにより取り込まれる画像は、走査方向に沿った基板のそれぞれの区画をカバーする。通常、走査ブリッジ32の高さと光学検査モジュール34の光学系はモジュール間隔に対して調節され、(通常、異なるレール42に取り付けられる光学検査モジュールにより取り込まれる)隣接する区画はそれらの端でわずかに重なり合う。このようにまとめることで、区画は、走査領域を通るシングルパス内の基板22の全区域をカバーすることができる。
図6A及び図6Bにおいて、光学検査モジュール34は、他方のレール上のマウントに対して横方向に互い違いに配置される位置において、各レール上のマウント44を用いて、レール42の2つに沿って配列される。(正式に言うと、本明細書の文脈及び実用新案登録請求の範囲において使われる用語「互い違いに配置(千鳥配置(staggered))」は、レールの1つに沿った横方向におけるモジュール34のそれぞれの位置が、他のレール上のモジュールのそれぞれの位置の間にインターリーブされることを意味する。)しかし、図6Aの構成におけるモジュール34は、図6B内のモジュールのおよそ2倍遠く離れて離間されている。様々な中間間隔だけでなく狭い及び広い間隔も、用途の要求に応じて、モジュール位置の適当な調節により可能である。
いくつかの実施形態では、光学モジュール34は、検査される基板22の全幅が(光学モジュールの視野の間を重ね合せる又は重ね合せないで)カバーされるように配置され、それにより、1回のパスで基板全体の検査が可能になる。他の実施形態では、光学モジュール34は、検査される基板22の幅の一部(例えば右側)のみが(光学モジュールの視野の間を重ね合せる又は重ね合せないで)カバーされるように配置され、それにより、基板全体の走査のために1より多い回数のパスを必要とする。このあとの種の実施形態は、利用できる光学モジュール34の数が検査される基板の全幅をカバーするのに十分でないときに必要である。
さらに他の実施形態では、光学モジュール34間の間隔が、基板22に沿った別個のストライプが、それらの間に未走査ストライプを介在して、走査されるような間隔となる「ゼブラ走査」構成が利用される。これらの実施形態では、多数のインターレース走査が、検査中の基板の全幅をカバーするために実行される。
図6Cでは、光学検査モジュール34が3つめのレール42にも沿って配列される。この場合、3つ目のレール上のマウントのそれぞれの位置は、他の2つのレール上のマウントのそれぞれの位置に対して横方向に互い違いに配置される。このような光学検査モジュール34の千鳥配置は、光学検査モジュールが、狭く密集した画像区画を高解像度で取り込むように、走査ブリッジ32とモジュール34を調節することを可能にする。光学検査モジュールのそれら自体の物理的幅により、光学検査モジュール34を千鳥配置しないで単一行内に配置する場合、そのような緊密な間隔は達成され得ない。
説明した実施形態では、マウント44と光学検査モジュール34は走査ブリッジ32の全幅に渡って配列され、代わりの実施形態(図面には示されず)では、狭い基板又は広い基板の狭い区域の検査に使用するために、光学検査モジュールは走査ブリッジの一部の幅のみに渡って取り付けられてよい。レール42上の光学検査モジュール34の他の配置は、当業者に明らかであろうし、本考案の範囲内であると考えられる。
図7は、本考案の別の実施形態による検査システム80の概略上面図である。この実施形態におけるシステム80は、走査ブリッジに平行な配置で、走査ブリッジ32の両側のそれぞれに、テーブル24の上に取り付けられるビデオブリッジ82及び84を備える。各ビデオブリッジ82及び84は、基板22の選択区域の画像を取り込むために横方向に可動な1又は複数のカメラ86を備える。カメラ86は、例えば、疑いのある欠陥が走査ブリッジ32内の光学検査モジュール34により識別された基板22の区域の高解像画像を取り込むように制御され得る高解像ビデオ顕微鏡を備えてよい。その他の点において、システム80は、上記のように、その設計と動作においてシステム20と同様である。
図8は、本考案の実施形態による検査システム20又は80の詳細を示す概略断面図である。この実施形態では、バックライト照明源90が、基板22を支持するテーブル24の表面の下に取り付けられる。各照明源90は、対応する光学検査モジュール34に合わせられて、テーブル24のバー28の間にギャップを介して基板22の区域(この図面には示されず)を背面から照明する。照明源90は、基板の明視野又は暗視野背面照明のいずれを提供するために傾けられてよい。バー28の間のギャップ間の照明源90の数と位置は、上記の通り、走査ブリッジ32内のモジュール34の構成におけるシフトに応じて、シフトしてもよい。
従って、上述の実施形態は例として引用され、本考案は、具体的に示し、上述したものに限定されないものと理解される。むしろ、本考案の範囲は、上述した様々な特徴のコンビネーション及びサブコンビネーションの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者が想到し得る、先行技術文献に開示されていない、それらの変形及び修正も含む。