JP2021004769A - 基板の検査装置、基板の検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板表面の凹凸を検出することが可能な基板の検査装置を提供することを目的とする。【解決手段】基板を設置する基板用ステージと、前記基板用ステージ上に設置した基板の第1の表面に対して線状の光を照射する光源と、前記基板の前記第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、前記光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像する撮像手段と、前記明領域の位置を変化させる明領域位置制御手段と、前記撮像手段により得られた画像を処理する画像処理手段と、を有する基板の検査装置を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、基板の検査装置、基板の検査方法に関する。
半導体デバイス等の製造のために各種基板が用いられているが、用途によっては基板の表面が平滑であることが求められるため、基板表面の凹凸を検出できる基板の検査装置や検査方法について従来から各種検討がなされていた。
例えば特許文献1には、基板の被検査面上に光を照射する光照射部と、前記被検査面上に映る前記光照射部の画像を取得する撮像部と、前記基板又は前記光照射部の位置を制御することで、前記被検査面上に映る前記光照射部の画像を移動させる移動部と、前記光照射部から照射された光が前記被検査面の欠陥部分で散乱することで形成された像であって前記光照射部の画像の輪郭線よりも外側に形成された像を検出することで、前記被検査面の検査を行う検査部と、を備える基板の検査装置が開示されている。
特開2016−020824号公報
しかしながら、特許文献1では、光照射部から照射された光が被検査面の欠陥部分で散乱することで形成された像であって光照射部の画像の輪郭線よりも外側に形成された像を検出する必要があるため、広い範囲に渡って画像を取得できる撮像手段が必要とされていた。また、検出した散乱光と、欠陥の位置や、大きさとを結びつける具体的な手段は開示されておらず、基板表面の凹凸を検出する検査装置として使用できるものではなかった。
そこで上記従来技術が有する問題に鑑み、本発明の一側面では、基板表面の凹凸を検出することが可能な基板の検査装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
基板を設置する基板用ステージと、
前記基板用ステージ上に設置した基板の第1の表面に対して線状の光を照射する光源と、
前記基板の前記第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、前記光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像する撮像手段と、
前記明領域の位置を変化させる明領域位置制御手段と、
前記撮像手段により得られた画像を処理する画像処理手段と、を有する基板の検査装置を提供する。
本発明の一態様によれば、基板表面の凹凸を検出することが可能な基板の検査装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る検査装置の模式図。 光源から基板表面に照射した線状の光により形成される明領域の説明図。 実施例1において、画像処理工程後に得られた基板表面の画像。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いながら説明するが、本発明は、下記の実施形態に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、下記の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
[基板の検査装置]
本発明の発明者らは、基板表面の凹凸を検出することが可能な基板の検査装置について鋭意検討を行った。検討を行う中で、基板の一方の表面である第1の表面に、光源から線状の光を照射した場合に、基板の第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、光源から照射された線状の光を透過した明領域において、基板表面の凹凸のコントラストが高まることに着目した。そして、基板表面のうちの、上記明領域を撮像(撮影)する操作を、明領域の位置を変化させながら繰り返し実施し、得られた画像をつなぎ合わせることで、基板表面の凹凸を明確にした画像が得られることを見出し、本発明を完成させた。
ここで、図1に本実施形態の基板の検査装置10の斜視図を示す。
本実施形態の基板の検査装置10は、基板を設置する基板用ステージ11と、光源12と、撮像手段13と、明領域位置制御手段14と、画像処理手段15と、を有することができる。
光源12は、基板用ステージ11上に設置した基板17の第1の表面17Aに対して線状の光を照射することができる。撮像手段13は、基板17の第1の表面17Aと反対側に位置する第2の表面17Bのうち、光源12から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像することができる。明領域位置制御手段14は、明領域の位置を変化させることができる。画像処理手段15は、撮像手段13により得られた画像を処理することができる。
各部材について以下に説明する。
(基板用ステージ)
基板用ステージ11は、検査を行う基板を設置できるステージであれば良く、その構成は特に限定されない。
ただし、本実施形態の基板の検査装置10においては、光源12から基板17の第1の表面17Aに対して線状の光を照射し、基板17の上記第1の表面17Aと反対側に位置する第2の表面17Bまで係る線状の光を透過させる。このため、基板17の第1の表面17Aに対して、光源からの光を照射できるように、例えば基板用ステージ11の少なくとも基板17を配置する部分は係る光源からの光を透過できるように構成しておくことが好ましい。具体的には、例えば基板用ステージ11の基板17を配置する箇所に開口部を設けたり、基板用ステージ11を光源12からの光を透過できる材料で構成することができる。
基板用ステージ11にはその他に任意の部材を設けておくこともできる。
例えば後述する明領域位置制御手段14により明領域を移動させるために基板用ステージ11上に配置した基板17側を移動させる場合、基板用ステージ11を水平方向に移動できるように、基板用ステージ11に移動機構を設けておくことができる。
また、基板用ステージ11には、例えば基板用ステージ11上に設置した基板17の傾きを補正し、水平にする手段、例えば後述する傾き補正手段を設けておくこともできる。
なお、本実施形態の基板の検査装置により検査を行う基板の種類は特に限定されず、各種基板を用いることができる。ただし、光源からの光の少なくとも一部を透過できる基板であることが好ましい。また、基板の形状も特に限定されないが、例えば円板形状の基板を用いることができる。
(光源)
光源12は、基板用ステージ11上に設置した基板17の第1の表面17Aに対して線状の光を照射できるように構成されていればよく、光源の種類等の具体的な構成については特に限定されない。
線状の光としては線状形状を有していればよく、その具体的な形状は特に限定されないが、例えば直線状の光、屈曲部を含む線状の光、および波線状の光等から選択されたいずれかの光とすることができる。なお、屈曲部を含む線状の光の屈曲部の形状は特に限定されず、例えば円弧形状や、所定の角度で屈曲したL字形状(くの字形状)等とすることができる。屈曲部を含む線状の光の屈曲部の数は特に限定されず、1または複数の屈曲部を有することもできる。屈曲部を含む線状の光が、複数の屈曲部を有する場合、屈曲部の形状は同じ形状であってもよいが、異なる形状の屈曲部を有していても良い。また、波線状の光は、波線となるように所定の間隔で向きを交互に変えながら屈曲部を配置した線状の光となる。線状の光としては特に直線状の光であることが好ましい。
線状の光は、一定の厚みを有する光であるため、帯状の光と言い換えることもできる。例えば直線状の光の場合であれば略四角形状の光となる。
線状の光の長手方向の長さは特に限定されないが、該線状の光の長手方向が検査を行う基板の幅方向に沿うように光を照射する場合、効率的に検査を行う観点から、例えば検査を行う基板の幅方向全体に渡って光を照射し、明領域を形成できるようにその長さを選択することができる。
光源の発光手段としては線状の光を形成できればよく、例えば蛍光灯や、有機または無機のエレクトロルミネッセンス(EL)、発光ダイオード等から選択された1種類以上を用いることができる。
また、光の波長も特に限定されず、評価を行う基板において少なくとも一部の光を透過し、撮像手段13により透過した光を撮像できるものであれば良い。このため、光源が発する光は、例えば赤外線光、可視光、紫外線光のいずれでも良いが、光の波長によっては撮像手段が高価になったり、そのサイズが大きくなる場合があるため、光源が発する光は、可視光を含むことが好ましい。
本実施形態の基板の検査装置では、基板の第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、光源から照射された線状の光が透過した領域である明領域を撮像手段13により撮像することができる。そして、明領域の位置を変化させながら、明領域を撮像することを、得られた明領域の画像をつなぎ合わせた場合に検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が得られるまで繰り返し実施することが好ましい。
このため、同時に撮像できる明領域を多くし、撮像する回数を少なくすることで検査を効率化する観点から、光源12は、互いに平行な複数の線状の光を同時に照射できることが好ましい。そこで、光源12は、互いに平行な複数の線状の光を基板の第1の表面17Aに対して照射することが可能なように構成されていることが好ましい。この場合には、基板に照射した複数の線状の光を透過した複数の明領域の間に、暗領域が形成されるように、複数の線状の光の間隔を調整しておくことが好ましい。なお、複数の線状の光を基板の第1の表面に対して照射する場合、該線状の光は同じ形状であっても良く、異なる形状であっても良い。ただし、検査を容易に行えることから、複数の線状の光は同じ形状であることが好ましい。
光源12は例えば図1に示したように基板17を配置する基板用ステージ11の下方に配置しておくこともできる。ただし、係る形態に限定されず、基板17の第1の表面17Aに対して光源12から線状の光を照射し、基板17の第2の表面17B側での透過光を観察できるように各部材が配置されていればよい。このため、例えば図1に示した基板の検査装置10の場合とは、光源12と撮像手段13との位置が反対になるように配置しても良い。すなわち、基板用ステージ11の上方に光源12を配置し、撮像手段13を基板用ステージ11の下方に配置することもできる。
(撮像手段)
撮像手段13は、基板17の第1の表面17Aの反対側に位置する第2の表面17Bのうち、光源12から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像することができる。
ここで、図2を用いて撮像手段13により撮像する明領域について説明する。
図2は、基板17の第2の表面17B側を示しており、基板17の第2の表面17Bとは反対側、すなわち裏面が第1の表面17Aであり、第1の表面17Aが光源から線状の光が照射される面となる。そして、図2では光源から、第1の表面17Aに互いに平行な2本の線状の光が照射され、第2の表面17Bにこれに対応した明領域が形成された状態を示している。
光源から基板17の第1の表面17Aに線状の光が照射されると、基板17の第2の表面17Bには、光源からの光を透過した明領域20A、20Bが形成される。明領域20A、20Bは光源からの線状の光に対応した線状(帯状)の領域となる。
そして、明領域20A、20B以外の領域は、光源からの光の透過の程度が低いか、透過をしていないため、明領域20A、20Bと比較して暗い暗領域となり、基板17上には暗領域21A、21B、21Cが形成される。
この場合、撮像手段は明領域20A、20Bを撮像することができる。ただし、撮像手段は明領域20A、20Bをそれぞれ含む領域を撮像すればよく、明領域20A、20Bの周囲も併せて撮像することもできる。例えば、明領域20Aの長手方向に沿って、すなわち図中のX軸方向に沿って、明領域20Aを含む、点線で囲まれた撮像領域23Aを撮像することができる。また、明領域20Bを含む、点線で囲まれた撮像領域23Bを撮像することができる。各明領域20A、20Bを撮像する際に、その周囲の領域も併せて撮像した場合、後述する画像処理手段により目的とする明領域の画像を、撮像した画像から切り出すことができる。
撮像手段は、上述のように基板に形成された明領域を撮像できればよく、その構成は特に限定されない。撮像手段13としては、各種撮像素子を備えるカメラモジュールを用いることができる。撮像素子としては、例えばCMOS(complementary metal oxide semiconductor)センサや、CCD(Charge Coupled Device)センサなどの半導体撮像素子や光電管、撮像管等から選択された1種類以上を用いることができる。
撮像手段13が撮像する画像は、動画であっても静止画であっても良い。動画の場合、例えば後述する画像処理手段により、撮像した画像のうち任意のタイミングでの明領域の静止画を複数枚抽出して用いることができる。
また、撮像手段13は、明領域の形状等によっては、線状(帯状)の明領域を撮像できる手段であれば足りるため、撮像手段は、例えばラインスキャンカメラとすることもできる。ラインスキャンカメラとは、撮像素子が直線状に配列され、線状(帯状)の領域を撮像できるカメラモジュールを意味する。
撮像手段13は例えば図1に示したように基板の検査装置10に設置されたアーム18に固定しておくこともできる。ただし、係る形態に限定されず、撮像手段13は、他の部材とは別に三脚等を用いて固定しておくこともできる。また、明領域の移動に伴い、撮像手段13の位置が移動するように撮像手段用移動手段等を設けておくこともできる。
(明領域位置制御手段)
既述の様に、本実施形態の基板の検査装置では、基板の第2の表面のうち、明領域を撮像手段13により撮像することができる。そして、明領域の位置を変化させながら、明領域を撮像することを、得られた明領域の画像をつなぎ合わせた場合に検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が得られるまで繰り返し実施することが好ましい。
そこで、本実施形態の基板の検査装置は、基板の第1の表面に光源から照射する線状の光の位置を変化させることで、基板の第2の表面に形成した明領域の位置を変化させる明領域位置制御手段14を有することができる。
明領域位置制御手段14は、例えば明領域を該明領域の長手方向と直交する方向、すなわち図2中のY軸方向に移動させることができる。この場合、例えば明領域位置制御手段14は、基板用ステージ11と光源12とのうち、少なくとも一方の移動を制御することができる。
例えば光源12が照射する線状の光の長手方向が、図1中の矢印Aと直交する方向の場合、基板用ステージ11を、図1中の矢印Aの方向に、もしくは矢印Aと反対の方向に移動させることで、基板用ステージ11上に設置した基板を移動させることができる。これにより、基板の第1の表面上の、光源から照射する線状の光の位置を移動させ、基板の第2の表面上に形成した明領域の位置を、明領域の長手方向と直交する方向に移動することができる。
また、明領域位置制御手段14は、光源12の位置を移動させる等することで、光源12からの線状の光の照射位置を変化させ、明領域の位置を移動させることができる。
そこで、例えば基板用ステージ11、および光源12から選択された少なくとも1つの部材に、各部材を移動させるための駆動手段、例えばモーター等を設けておくことができる。そして、明領域位置制御手段14は、係る駆動手段と接続しておき、その変位量や変位の方向を制御することができる。
なお、明領域の移動に伴い、撮像手段13もあわせて移動できるように構成することもできる。
明領域の移動方向は明領域の長手方向と直交する方向に限定されるものではなく、例えば明領域が、基板の周方向に沿って回転するように構成することもできる。この場合、基板用ステージ11を、水平面内で回転するように、モーター等の駆動手段を配置し、該駆動手段に明領域位置制御手段14を接続しておくことができる。
明領域位置制御手段14が基板の表面に形成した明領域を移動させ、これにあわせて撮像手段13により明領域を撮像し、明領域を撮像した画像をつなぎ合わせた場合に、検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が形成できることが好ましい。このため、例えば基板17の第2の表面17Bの任意の端部である第1の端部に明領域を形成後、該明領域を、該明領域の長手方向と直交する方向に沿って、第1の端部の反対側、すなわち第1の端部と基板の中心とを通る直線が基板の端部と直交する第2の端部まで移動させることが、効率的かつ基板表面を隙間なく撮像できるため好ましい。
明領域位置制御手段14により明領域を移動させる際、例えば明領域を一定量移動させる毎に撮像手段13により明領域を撮像し、後述する画像処理手段15によりつなぎ合わせることができる。そして、撮像手段13により撮像した複数枚の明領域の画像をつなぎ合わせることで検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像を形成することが好ましい。このため、撮像手段によりn回目に明領域を撮像した後、n+1回目に明領域を撮像するまでに明領域位置制御手段により明領域を移動させる距離と、つなぎ合わせる画像の幅、すなわち明領域の幅とが一致するように明領域を移動させることが好ましい。
このように、線状の光を発する光源と、明領域位置制御手段とを用いることで、大きな平板状の光源を用いる必要がないため、基板の検査装置全体を小型化し、コストを抑制できる。
(画像処理手段)
画像処理手段15は、撮像手段13で撮像した画像を処理することができる。
画像処理手段15は、ASIC(application specific integrated circuit:特定用途向け集積回路)などであって、撮像手段13で撮像した画像の処理を担当する。
画像処理手段15では、撮像手段13が撮像した画像から、必要に応じて明領域に対応する例えば短冊状の画像を切り出し、明領域の移動方向に沿って並べ、つなぎ合わせることで、基板の第2の表面全体の画像を形成することができる。この際、必要に応じて画像中のコントラスト等を補正することもできる。
撮像手段13で動画を撮像した場合には、画像処理手段15は所定のタイミングでの明領域の静止画を複数枚抽出することもできる。
そして、画像処理手段15で作成した画像は出力手段16に出力することができ、得られた画像中のコントラストの違いにより、得られた画像から目視で凹凸を検出できる。また、本実施形態の基板の検査装置10では透過光を用いていることから、基板の第2の表面17Bに含まれる凹凸だけではなく、第1の表面17Aに含まれる凹凸も、得られた画像から併せて検出することができる。
なお、出力手段16の構成は特に限定されず、例えば各種ディスプレイ等の表示手段や、プリンター等の印刷手段とすることができる。
また、画像処理手段15は、例えばAI(artificial intelligence)を備えておくことができ、上述のようにして得られた基板表面の画像から、基板表面の凹部や、凸部を検出し、通知するように構成することもできる。
なお、画像処理手段15は、1つのASIC内で、ソフトウェア的に実現することもできるが、例えば複数のASICを設ける等して、一部または全部をハードウェアで実現してもよい。
本実施形態の基板の検査装置は、上述の各部材以外にも任意の部材をさらに有することもできる。
本実施形態の基板の検査装置は、例えば基板を水平にする傾き補正手段をさらに有することもできる。傾き補正手段は例えば既述の基板用ステージや、本実施形態の基板の検査装置の躯体に設けておき、光源に対して、検査を行う基板の表面が水平になるように、傾きを補正するように構成することができる。
以上に説明した本実施形態の基板の検査装置によれば、光源、撮像手段、基板用ステージを備えたシンプルな装置構成により、容易に基板表面の凹凸を検出することが可能になる。
また、本実施形態の基板の検査装置においては、線状の光を発する光源であれば足り、例えば大きな平板状の光源を用いる必要がない。このため、基板の検査装置全体を小型化することができ、コストも抑制することができる。
さらに、本実施形態の基板の検査装置によれば、透過光を用いて、基板表面の凹凸を検出するため、検査の際に撮像する面とは反対側の裏面側の凹凸も併せて検出することができる。このため、基板の両面について効率よく基板表面の凹凸を検査することが可能になる。
[基板の検査方法]
次に、本実施形態の基板の検査方法について説明する。なお、本実施形態の基板の検査方法は、既述の基板の検査装置を用いて好適に実施することができる。このため、既に説明した事項については一部説明を省略する。
本実施形態の基板の検査方法は、以下の工程を有することができる。
基板用ステージ上に設置された基板の第1の表面に対して、光源から線状の光を照射する光照射工程。
基板の第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像手段により撮像する撮像工程。
明領域の位置を変化させる明領域位置移動工程。
撮像工程と明領域位置移動工程とを繰り返し実施する繰り返し工程。
撮像工程で得られた画像を処理する画像処理工程。
以下、各工程について説明する。
(光照射工程)
光照射工程では、基板用ステージ上に設置された基板の一方の表面である第1の表面に対して、光源から線状の光を照射することができる。これにより、基板の第1の表面とは反対側に位置する第2の表面に、光源からの線状の光に対応する明領域を形成することができる。
光源や、線状の光の形状等については既述のため詳細な説明は省略するが、光源としては既述の様に線状の光を照射できる手段を用いることができ、その構成は特に限定されない。ただし、特に検査の効率化の観点から、光源は互いに平行な複数の線状の光を、基板の第1の表面に対して照射することが可能であることが好ましい。この場合には、基板に照射した複数の線状の光を透過した複数の明領域の間に、暗領域が形成されるように、複数の線状の光の間隔を調整しておくことが好ましい。
なお、後述する明領域位置移動工程において、基板の第2の表面に形成した明領域を移動させ、明領域を撮像した画像をつなぎ合わせた場合に検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が形成できることが好ましい。このため、例えば光照射工程では、まず基板の第2の表面の任意の端部である第1の端部に明領域を形成できるように光源から光を照射することが好ましい。そして、後述する繰り返し工程を含む明領域位置移動工程では、明領域を、該明領域の長手方向と直交する方向に沿って、上記第1の端部と反対側の端部、すなわち第1の端部と基板の中心とを通る直線が基板の端部と直交する第2の端部まで移動させることが効率的かつ基板の第2の表面を隙間なく撮像できるため好ましい。
(撮像工程)
撮像工程では、基板用ステージ上に設置した基板の、上記第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像することができる。撮像工程では、少なくとも明領域を撮像すればよく、明領域の周辺も併せて撮像しても良い。明領域の周囲の領域も併せて撮像した場合、後述する画像処理工程において、目的とする明領域を撮像した画像から切り出すことができる。
明領域等については図2を用いて既に説明したため、ここでは説明を省略する。
なお、撮像工程においては同時に複数の明領域を撮像することもできる。図2に示した基板17の様に、複数の明領域20A、20Bが形成されている場合、例えば明領域20A、及び明領域20Bを同時に撮像することもできる。このように撮像工程で同時に複数の明領域を撮像することで、より少ない撮像工程の回数で検査を行う部分の画像、例えば基板表面全体の画像を得ることができ、効率性の観点から好ましい。
撮像工程で撮像する画像は、動画であっても静止画であっても良い。動画の場合、例えば後述する画像処理工程において、撮像した画像のうち任意のタイミングでの明領域の静止画を複数枚抽出してつなぎ合わせることができる。
なお、上述のように撮像工程では、例えば明領域を撮像すればよく、明領域の形状等によっては、必要な画像は線状(帯状)の画像となる。このため、撮像手段としてラインスキャンカメラを用いることもできる。
(明領域位置移動工程)
明領域位置移動工程では、基板の第1の表面に、光源から照射する線状の光の位置を変化させることができる。これにより、基板の第2の表面に形成される明領域の位置も変化させることができる。例えば既述の様に明領域位置制御手段により光源から照射する線状の光の位置を移動させることができる。
明領域位置移動工程では、既述の様に、基板を設置した基板用ステージ11と、光源12とのうち少なくとも一方を移動させることができる。
明領域位置移動工程において光源から照射する線状の光の位置は連続的に移動させてもよく、間欠的に移動させることもできる。例えば撮像手段の性能等に応じて光源から照射する線状の光の位置の移動条件を選択することができる。
光源から照射する線状の光の位置を連続的に移動させるとは、後述する繰り返し工程を含めて、例えば光源から照射する線状の光の位置を止めることなく連続的に移動させることを意味する。この場合、後述する繰り返し工程での撮像工程は、任意のタイミング、間隔で明領域の撮像を行うことができる。
また、光源から照射する線状の光の位置を間欠的に移動させる場合、後述する繰り返し工程においては明領域位置移動工程と、撮像工程とを交互に実施できる。すなわち、明領域位置移動工程において光源から照射する線状の光の位置を一定距離移動させ、停止させた後に撮像工程を実施し、再び明領域位置移動工程を実施した後、撮像工程を実施できる。
明領域位置移動工程における光源から照射する線状の光の位置の移動速度、もしくは1回の移動距離は特に限定されず、検出すべき基板表面の凹凸のサイズや、検査の効率等に基いて任意に選択することができる。
明領域位置移動工程において光源から照射する線状の光の位置を移動させる際、例えば光源から照射する線状の光の位置を一定量移動させる毎に撮像工程を実施し、明領域を撮像し、後述する画像処理工程においてつなぎ合わせることができる。そして、撮像工程で撮像した複数枚の明領域の画像をつなぎ合わせることで検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像を形成することが好ましい。このため、明領域位置移動工程では、n回目の撮像工程で明領域を撮像した後、n+1回目の撮像工程で明領域を撮像するまでに光源から照射する線状の光の位置を移動させる距離と、つなぎ合わせる画像の幅、すなわち明領域の幅とが一致するように光源から照射する線状の光の位置を移動させることが好ましい。
(繰り返し工程)
繰り返し工程では撮像工程および明領域位置移動工程とを繰り返し実施することができる。これにより、光源から照射する線状の光の位置の移動方向に沿って、複数の明領域の画像を取得することができる。
既述の様に本実施形態の基板の検査方法では、基板の第1の表面に照射する線状の光の位置を移動させることで、基板の第2の表面に形成される明領域を移動させることができる。そして、明領域を撮像した画像をつなぎ合わせた場合に、検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が形成できることが好ましい。このため、繰り返し工程では得られた複数の明領域の画像をつなぎ合わせた場合に、検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像となるように実施することが好ましい。
繰り返し工程においても、既述の手順に従い、撮像工程および明領域位置移動工程とを実施できるため、ここでは説明を省略する。
(画像処理工程)
画像処理工程では、撮像工程で得られた画像を処理することができる。
具体的には撮像工程および繰り返し工程での撮像工程で撮像した画像を、必要に応じて図2に示した明領域20Aのような線状(帯状)に加工し、明領域の移動方向に沿ってに並べ、つなぎ合わせることで、基板表面の全体の画像とすることができる。この際、必要に応じて画像中のコントラスト等を補正することもできる。
なお、撮像手段13としてラインスキャンカメラを用い、線状(帯状)の画像を取得した場合には、取得した画像を加工せずにそのまま並べてつなぎ合わせることもできる。
また、撮像工程で動画を撮像した場合には、画像処理工程においては所定のタイミングでの明領域の静止画を複数枚抽出することもできる。
画像処理工程により、例えば図3に示すような画像を取得することができ、基板表面の凹凸が他の部分とのコントラストから目視で確認できるようになる。
このため、画像処理工程で得られた画像を出力装置に出力し、目視、または画像処理を行うことで、基板表面の凹凸を検出することができる。なお、本実施形態の基板の検査方法では透過光を用いていることから、基板の第2の表面17Bに含まれる凹凸だけではなく、第1の表面17Aに含まれる凹凸も、得られた画像から併せて検出することができる。
また、画像処理工程では、例えばAI(artificial intelligence)を用い、上述のようにして得られた基板表面の画像から、基板表面の凹部や、凸部を検出し、通知するように構成することもできる。
本実施形態の基板の検査方法は他にも任意の工程をさらに有することもできる。
例えば、基板用ステージ上に配置された基板を水平にする傾き補正工程をさらに有することもできる。
基板を水平に調整する具体的な方法は特に限定されないが、例えば基板用ステージ11や、基板の検査装置10の躯体に水平度を調整する傾き補正手段を設けておき、自動または手動により水平度を調整することができる。
また、基板表面に形成された凹凸が、明領域位置移動工程における明領域の移動方向と同じ場合、係る凹凸を検出できない場合がある。
そこで、本実施形態の基板の検査方法は、光照射工程から画像処理工程までを、基板の第2の表面全体について実施した後、基板を周方向に沿って180度未満の角度回転させ、光照射工程から前記画像処理工程までを再度実施することもできる(再検査工程)。
すなわち、明領域を移動させ、明領域を撮像した画像をつなぎ合わせた場合に、検査を行う部分の画像、例えば基板の第2の表面全体の画像が形成できるまで、繰り返し実施した後に、基板を一定の角度回転させ、再度同様にして検査を行うこともできる。
このように基板を回転させることで、基板の第2の表面における明領域の移動方向を変化させ、複数回検査を行うことで、基板の表面の凹凸をより確実に検出することができ、好ましい。
なお、基板を回転させる角度は0度より大きく180度未満であれば良いが、1回目の検査と、基板の第2の表面における明領域の移動方向を十分に変化させるため、例えば30度以上150度以下であることが好ましい。
また、2回目の検査を行う際には、検査前に基板を回転させた点以外は1回目と同じ条件で検査を行うことが好ましい。
以上に説明した本実施形態の基板の検査方法によれば、光源、撮像手段、基板用ステージを備えたシンプルな装置構成により、容易に基板表面の凹凸を検出することが可能になる。
また、本実施形態の基板の検査方法においては、線状の光を発する光源であれば足り、例えば大きな平板状の光源を用いる必要がない。このため、基板の検査方法に用いる装置全体を小型化することができ、コストも抑制することができる。
さらに、本実施形態の基板の検査方法によれば、透過光を用いて、基板表面の凹凸を検出するため、検査の際に撮像する面とは反対側の裏面側の凹凸も併せて検出することができる。このため、基板の両面について効率よく基板表面の凹凸を検査することが可能になる。
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した基板の検査装置10を用いて基板表面の検査を行った。以下、各部材について説明する。
図1に示した基板の検査装置10のうち、基板用ステージ11は、基板用ステージ11上に設置した基板を固定できるように構成されており、図1中の矢印Aの方向、または矢印Aと反対の方向に移動できるように構成した。また、基板用ステージ11は、光源12からの線状の光を透過できるように、透明なプラスチック部材により形成した。
光源12は、基板用ステージ11上に配置した基板17の第1の表面17Aに互いに平行な2本の直線状の光を照射でき、該直線状の光の長手方向の長さが基板の幅方向(図2中のX軸方向)の長さよりも長くなるように、可視光領域の光を発する2本の蛍光灯から構成した。そして、基板の第1の表面に照射し、基板の第1の表面と反対側に位置する第2の表面まで透過することで形成される2つの明領域20A、20Bの間に十分な幅の暗領域21Bが形成されるように、その配置を調整しておいた。
撮像手段13としてはCCDを備えたカメラモジュールを用いた。
そして、基板用ステージ11上に直径が約100mmの円板形状のタンタル酸リチウム基板を設置し、基板用ステージ11に設けた傾き補正手段により基板の傾きを補正した(傾き補正工程)。
次いで、該基板の第2の表面の任意の端部に明領域が形成されるように、光源12から線状の光を基板の第1の表面に照射した(光照射工程)。
この際、基板の第2の表面のうち、光源から照射された線状の光を透過した明領域を撮像手段13により撮像した。なお、基板17の第2の表面17B上には図2に示したように2つの明領域20A、20Bが形成されていることから、該明領域20Aと、明領域20Bとについて撮像を行った(撮像工程)。
この際、明領域20A、明領域20Bの厚さ、すなわち図2中のY軸方向の長さは1cmとした。
そして、基板用ステージ11を図1中の矢印Aに沿って1cm移動させることで、基板の第2の表面上の明領域20A、20Bの位置を、該明領域20A、20Bの長手方向と直交する方向に移動させた(明領域位置移動工程)。
移動させた後、上記撮像工程と同様にして、明領域20Aと、明領域20Bとを撮像した。撮像後、明領域位置移動工程を上述の場合と同じ条件で実施することを、撮像した明領域をつなぎ合わせた場合に基板の第2の表面全体の画像となるまで繰り返し実施した(繰り返し工程)。
次いで、複数回の撮像工程で得られた明領域の画像をつなぎ合わせることで、基板の第2の表面全体の画像を取得した(画像処理工程)。この際得られた画像を図3に示す。
図3に示すように、基板の表面の丸で囲った領域31に凹部があることが確認できた。
10 基板の検査装置
11 基板用ステージ
12 光源
13 撮像手段
14 明領域位置制御手段
15 画像処理手段
17 基板
17A 第1の表面
17B 第2の表面
20A、20B 明領域

Claims (9)

  1. 基板を設置する基板用ステージと、
    前記基板用ステージ上に設置した基板の第1の表面に対して線状の光を照射する光源と、
    前記基板の前記第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、前記光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像する撮像手段と、
    前記明領域の位置を変化させる明領域位置制御手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を処理する画像処理手段と、を有する基板の検査装置。
  2. 前記撮像手段がラインスキャンカメラである請求項1に記載の基板の検査装置。
  3. 前記基板を水平にする傾き補正手段をさらに有する請求項1または請求項2に記載の基板の検査装置。
  4. 前記光源は、互いに平行な複数の前記線状の光を、前記基板の前記第1の表面に対して照射することが可能である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の基板の検査装置。
  5. 基板用ステージ上に設置された基板の第1の表面に対して、光源から線状の光を照射する光照射工程と、
    前記基板の前記第1の表面と反対側に位置する第2の表面のうち、前記光源から照射された線状の光を透過した領域である明領域を撮像手段により撮像する撮像工程と、
    前記明領域の位置を変化させる明領域位置移動工程と、
    前記撮像工程と前記明領域位置移動工程とを繰り返し実施する繰り返し工程と、
    前記撮像工程で得られた画像を処理する画像処理工程と、を有する基板の検査方法。
  6. 前記撮像手段がラインスキャンカメラである請求項5に記載の基板の検査方法。
  7. 前記基板を水平にする傾き補正工程をさらに有する請求項5または請求項6に記載の基板の検査方法。
  8. 前記光源は、互いに平行な複数の前記線状の光を、前記基板の前記第1の表面に対して照射することが可能である請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の基板の検査方法。
  9. 前記光照射工程から前記画像処理工程までを、前記基板の第2の表面全体について実施した後、
    前記基板を周方向に沿って180度未満の角度回転させ、前記光照射工程から前記画像処理工程までを再度実施する請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の基板の検査方法。
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