JP3195439B2 - 第xiii因子の精製方法 - Google Patents
第xiii因子の精製方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液凝固反応の最終段
階を行う酵素であって、医薬品にも応用可能な第XIII因
子の精製方法に関する。
階を行う酵素であって、医薬品にも応用可能な第XIII因
子の精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】第XIII因子は、トランスグルタミナーゼ
活性を有する、血液中では前駆体の形でフィブリノーゲ
ンと複合体を形成して存在する分子量約300kdの糖
タンパク質である。
活性を有する、血液中では前駆体の形でフィブリノーゲ
ンと複合体を形成して存在する分子量約300kdの糖
タンパク質である。
【0003】血液中に存在する第XIII因子は、a2b2
ダイマーの形で存在し、活性化に伴ってa’サブユニッ
トのホモダイマーに解離する。胎盤中にも第XIII因子が
存在するが、これはa2ホモダイマーの形であり、トロ
ンビンによって限定分解を受け、a’サブユニットのホ
モダイマーに変化する。いずれの場合も活性化された第
XIII因子は、カルシウムイオンの存在下で分子間ε−
(γ−グルタミル)リジン結合の形成を触媒し、フィブ
リンポリマーの架橋度を増し、安定化する作用を有して
いる(Chen and Doolittle, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 66, 472-479,1970., Pisano et al Ann. N.Y. Aca
d. Sci., 202, 98-113, 1972., Lorand etal Prog. Hem
ost. Thromb. 5, 245-290, 1980., Fork and Finlayso
n, Adv. Prot. Chem. 31, 1-133, 1977 )。
ダイマーの形で存在し、活性化に伴ってa’サブユニッ
トのホモダイマーに解離する。胎盤中にも第XIII因子が
存在するが、これはa2ホモダイマーの形であり、トロ
ンビンによって限定分解を受け、a’サブユニットのホ
モダイマーに変化する。いずれの場合も活性化された第
XIII因子は、カルシウムイオンの存在下で分子間ε−
(γ−グルタミル)リジン結合の形成を触媒し、フィブ
リンポリマーの架橋度を増し、安定化する作用を有して
いる(Chen and Doolittle, Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 66, 472-479,1970., Pisano et al Ann. N.Y. Aca
d. Sci., 202, 98-113, 1972., Lorand etal Prog. Hem
ost. Thromb. 5, 245-290, 1980., Fork and Finlayso
n, Adv. Prot. Chem. 31, 1-133, 1977 )。
【0004】第XIII因子はまた、α2−プラスミンイン
ヒビター及びフィブロネクチンへのフィブリンのγ鎖の
架橋を触媒する(Mosher, J. Biol. Chem., 250, 6614-
6621, 1975., Mosher and Chad, J. Chin. Invest., 6
4, 781-787, 1979 等)。
ヒビター及びフィブロネクチンへのフィブリンのγ鎖の
架橋を触媒する(Mosher, J. Biol. Chem., 250, 6614-
6621, 1975., Mosher and Chad, J. Chin. Invest., 6
4, 781-787, 1979 等)。
【0005】第XIII因子の欠乏は、血液凝固反応の初期
段階には影響を与えないが、結果として止血の遅延をも
たらす。第XIII因子欠失患者の治療は、血漿又は血漿誘
導体あるいは胎盤由来粗第XIII因子製剤で行われてい
る。加えて、第XIII因子は、手術後の傷の治療、潰瘍性
大腸炎等の治療にも用いられ、クモ膜下出血患者の再出
血の防止にも用いられている。
段階には影響を与えないが、結果として止血の遅延をも
たらす。第XIII因子欠失患者の治療は、血漿又は血漿誘
導体あるいは胎盤由来粗第XIII因子製剤で行われてい
る。加えて、第XIII因子は、手術後の傷の治療、潰瘍性
大腸炎等の治療にも用いられ、クモ膜下出血患者の再出
血の防止にも用いられている。
【0006】第XIII因子はまた、人体にとって害のない
組織接着剤の成分としても使用されており、近年需要が
伸びている。
組織接着剤の成分としても使用されており、近年需要が
伸びている。
【0007】第XIII因子の精製方法については多くの報
告があるが、(Chung and Folk, J.Biol. Chem. 247, 27
98-2807, 1972., Cook and Holdbrook, Biochem. J. 14
1.79-84, 1974 等)、その殆どは実験室規模にて、血
漿、血清あるいはそれらをアルコール等で分画したもの
を原料として行われてきた。
告があるが、(Chung and Folk, J.Biol. Chem. 247, 27
98-2807, 1972., Cook and Holdbrook, Biochem. J. 14
1.79-84, 1974 等)、その殆どは実験室規模にて、血
漿、血清あるいはそれらをアルコール等で分画したもの
を原料として行われてきた。
【0008】また、胎盤からの第XIII因子の精製につい
ては、硫酸アンモニウムによる分画とクロマトグラフィ
ーを用いたSkrzynia(Blood, 60, 1089-1095, 1985)の
方法や、治療組成物に許容されない薬物である乳酸ジア
ミノ−エトキシ−アクリジンを用いたBohn等の方法(米
国特許第3,931,399号)や、Zwislerr等の方法
(米国特許第3,904,751号)、アルコールを用
いたFalkの方法(特開昭60−258123号)が知ら
れている。
ては、硫酸アンモニウムによる分画とクロマトグラフィ
ーを用いたSkrzynia(Blood, 60, 1089-1095, 1985)の
方法や、治療組成物に許容されない薬物である乳酸ジア
ミノ−エトキシ−アクリジンを用いたBohn等の方法(米
国特許第3,931,399号)や、Zwislerr等の方法
(米国特許第3,904,751号)、アルコールを用
いたFalkの方法(特開昭60−258123号)が知ら
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の胎盤からの第XIII因子の精製方法は、完全除去が困
難な薬物を用いたり、引火性の有機溶剤を用いているの
で、特別の施設が必要であるなど実施困難な面が多分に
あった。
来の胎盤からの第XIII因子の精製方法は、完全除去が困
難な薬物を用いたり、引火性の有機溶剤を用いているの
で、特別の施設が必要であるなど実施困難な面が多分に
あった。
【0010】また、最近になってビショップ等が酵母を
用いて遺伝子組み替えで生産した第XIII因子を精製する
方法を報告しているが(特開平2−500450号)、
胎盤抽出物は酵母抽出物より複雑であり、この方法を胎
盤由来の第XIII因子の精製に応用することはできない。
用いて遺伝子組み替えで生産した第XIII因子を精製する
方法を報告しているが(特開平2−500450号)、
胎盤抽出物は酵母抽出物より複雑であり、この方法を胎
盤由来の第XIII因子の精製に応用することはできない。
【0011】したがって、本発明の目的は、比較的簡単
な設備及び工程で、胎盤から第XIII因子を効率よく大量
に精製する方法を提供することにある。
な設備及び工程で、胎盤から第XIII因子を効率よく大量
に精製する方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による第XIII因子の精製方法は、ヒト胎盤よ
り緩衝液を用いて第XIII因子を抽出する抽出工程と、該
抽出工程で得られた抽出液にポリエチレングリコール又
は硫安を加えて第XIII因子を沈殿分画する沈殿分画工程
と、該沈殿分画工程で得られた沈殿分画物を緩衝液に溶
解させると共に、塩化セチルピリジニウムを用いてムコ
多糖類を沈殿させて除去するムコ多糖沈殿除去工程と、
該ムコ多糖沈殿除去工程で得られた上清を疎水クロマト
グラフィーに供して第XIII因子を吸着分離する吸着分離
工程とを含むことを特徴とする。
め、本発明による第XIII因子の精製方法は、ヒト胎盤よ
り緩衝液を用いて第XIII因子を抽出する抽出工程と、該
抽出工程で得られた抽出液にポリエチレングリコール又
は硫安を加えて第XIII因子を沈殿分画する沈殿分画工程
と、該沈殿分画工程で得られた沈殿分画物を緩衝液に溶
解させると共に、塩化セチルピリジニウムを用いてムコ
多糖類を沈殿させて除去するムコ多糖沈殿除去工程と、
該ムコ多糖沈殿除去工程で得られた上清を疎水クロマト
グラフィーに供して第XIII因子を吸着分離する吸着分離
工程とを含むことを特徴とする。
【0013】以下、本発明の好ましい態様を挙げて更に
詳細に説明する。本発明では、まず、第XIII因子を含む
ヒト組織、特に末期分娩後の胎盤から緩衝液を用いて抽
出液を調製する。緩衝液としては、アルカリ金属塩を5
0mM〜1M程度含有するものが用いられ、例えば15
0mMの塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液
(pH7.2)が好ましく用いられる。抽出は、例え
ば、胎盤を細切りし、これに緩衝液を加え、ホモゲナイ
ザー等で粉砕した後、遠心分離して上清を採取すること
によりなされる。
詳細に説明する。本発明では、まず、第XIII因子を含む
ヒト組織、特に末期分娩後の胎盤から緩衝液を用いて抽
出液を調製する。緩衝液としては、アルカリ金属塩を5
0mM〜1M程度含有するものが用いられ、例えば15
0mMの塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液
(pH7.2)が好ましく用いられる。抽出は、例え
ば、胎盤を細切りし、これに緩衝液を加え、ホモゲナイ
ザー等で粉砕した後、遠心分離して上清を採取すること
によりなされる。
【0014】次に、この抽出液をポリエチレングリコー
ル又は硫安で沈殿分画する。ポリエチレングリコールの
場合は、好ましくは濃度2〜10%の間で沈殿する画分
(すなわち、濃度2%では溶解し、濃度10%では沈殿
する画分)が採取される。また、硫安の場合は、好まし
くは濃度20〜40%の間で沈殿する画分(すなわち、
濃度20%では溶解し、濃度40%では沈殿する画分)
が採取される。
ル又は硫安で沈殿分画する。ポリエチレングリコールの
場合は、好ましくは濃度2〜10%の間で沈殿する画分
(すなわち、濃度2%では溶解し、濃度10%では沈殿
する画分)が採取される。また、硫安の場合は、好まし
くは濃度20〜40%の間で沈殿する画分(すなわち、
濃度20%では溶解し、濃度40%では沈殿する画分)
が採取される。
【0015】本発明では、上記沈殿分画工程の後、塩化
セチルピリジニウムでムコ多糖類を沈殿除去する工程を
行う。すなわち、上記沈殿を適当な緩衝液に再び溶解
し、この緩衝液に塩化セチルピリジニウムの粉末を加え
て撹拌した後、遠心してムコ多糖類を除いた上清を得
る。
セチルピリジニウムでムコ多糖類を沈殿除去する工程を
行う。すなわち、上記沈殿を適当な緩衝液に再び溶解
し、この緩衝液に塩化セチルピリジニウムの粉末を加え
て撹拌した後、遠心してムコ多糖類を除いた上清を得
る。
【0016】本発明では、上記塩化セチルピリジニウム
によるムコ多糖類の沈殿除去工程を行った後に、疎水ク
ロマトグラフィーによる吸着分離工程を行うことが必要
である。疎水クロマトグラフィーの吸着剤としては、例
えばフェニルセファロース、ブチルセルロファイン(商
品名、チッソ株式会社製)、フェニルセルロファイン
(商品名、チッソ株式会社製)、フェニルトヨパール
(商品名、東ソー株式会社製)等が好ましく用いられ、
溶離剤としては、例えば40%エチレングリコールを含
む緩衝液が好ましく用いられる。
によるムコ多糖類の沈殿除去工程を行った後に、疎水ク
ロマトグラフィーによる吸着分離工程を行うことが必要
である。疎水クロマトグラフィーの吸着剤としては、例
えばフェニルセファロース、ブチルセルロファイン(商
品名、チッソ株式会社製)、フェニルセルロファイン
(商品名、チッソ株式会社製)、フェニルトヨパール
(商品名、東ソー株式会社製)等が好ましく用いられ、
溶離剤としては、例えば40%エチレングリコールを含
む緩衝液が好ましく用いられる。
【0017】上記疎水クロマトグラフィーによる吸着分
離工程によって、医薬品としては十分な純度の第XIII因
子を得ることができるが、更にハイドロオキシアパタイ
トによる吸着分離工程及び/又は陰イオン交換樹脂によ
る吸着分離工程を施すことによって、更に高純度に精製
された第XIII因子を得ることができる。ハイドロオキシ
アパタイトによる吸着分離は、ハイドロオキシアパタイ
トに吸着させた後、溶離剤のリン酸イオンの濃度を上げ
て溶出させることによりなされる。また、陰イオン交換
樹脂による吸着分離は、例えば、MonoQ(商品名、
ファルマシア社製)、TSK−DEAE−5PW(商品
名、東ソー株式会社製)などの陰イオン交換樹脂に吸着
させた後、溶離剤の塩化ナトリウムの濃度を上げて溶出
させることによりなされる。
離工程によって、医薬品としては十分な純度の第XIII因
子を得ることができるが、更にハイドロオキシアパタイ
トによる吸着分離工程及び/又は陰イオン交換樹脂によ
る吸着分離工程を施すことによって、更に高純度に精製
された第XIII因子を得ることができる。ハイドロオキシ
アパタイトによる吸着分離は、ハイドロオキシアパタイ
トに吸着させた後、溶離剤のリン酸イオンの濃度を上げ
て溶出させることによりなされる。また、陰イオン交換
樹脂による吸着分離は、例えば、MonoQ(商品名、
ファルマシア社製)、TSK−DEAE−5PW(商品
名、東ソー株式会社製)などの陰イオン交換樹脂に吸着
させた後、溶離剤の塩化ナトリウムの濃度を上げて溶出
させることによりなされる。
【0018】
【作用】本発明の方法によって精製された第XIII因子
は、医薬品として十分な純度を有しており、トランスグ
ルタミナーゼ活性を有している。なお、このものは、抗
血漿型第XIII因子のb2サブユニット抗体とは反応しな
い。
は、医薬品として十分な純度を有しており、トランスグ
ルタミナーゼ活性を有している。なお、このものは、抗
血漿型第XIII因子のb2サブユニット抗体とは反応しな
い。
【0019】本発明の方法によれば、少ないステップ
で、活性を失うことなく大量の第XIII因子の精製を行う
ことができる。また、透析などの煩雑な操作も含まない
ため、精製に要する時間も短く製造作業性がよい。加え
て、高価な試薬を用いることもないので、コスト的に従
来の方法に比べ低く抑えることができる。
で、活性を失うことなく大量の第XIII因子の精製を行う
ことができる。また、透析などの煩雑な操作も含まない
ため、精製に要する時間も短く製造作業性がよい。加え
て、高価な試薬を用いることもないので、コスト的に従
来の方法に比べ低く抑えることができる。
【0020】
実施例1 (抽出工程)凍結保存されていた胎盤を融解させて、そ
のまま細切した。この細切した胎盤1.4kgに、同量
の150mM塩化ナトリウム及び5mMEDTAを含む
10mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)1.
4L(リットル)を加え、ホモゲナイザーで30秒間ず
つ、3回粉砕した。これを3,500xg、30分、4
℃で遠心し、上清をガーゼに通して得た。
のまま細切した。この細切した胎盤1.4kgに、同量
の150mM塩化ナトリウム及び5mMEDTAを含む
10mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)1.
4L(リットル)を加え、ホモゲナイザーで30秒間ず
つ、3回粉砕した。これを3,500xg、30分、4
℃で遠心し、上清をガーゼに通して得た。
【0021】(沈殿分画工程)得られた上清1.75L
に、ポリエチレングリコール#6000の粉末を2%に
なるように加えて4℃で1時間撹拌し、3,500x
g、30分、4℃で遠心し、上清1.7Lを得た。この
上清に、更にポリエチレングリコール#6000の粉末
を10%になるように加え、4℃で1時間撹拌した後、
3,500xg、30分、4℃で遠心して、沈殿を得
た。
に、ポリエチレングリコール#6000の粉末を2%に
なるように加えて4℃で1時間撹拌し、3,500x
g、30分、4℃で遠心し、上清1.7Lを得た。この
上清に、更にポリエチレングリコール#6000の粉末
を10%になるように加え、4℃で1時間撹拌した後、
3,500xg、30分、4℃で遠心して、沈殿を得
た。
【0022】(ムコ多糖類の沈殿除去工程)この沈殿を
5倍に希釈するように前記緩衝液350mlで溶解し、
3,500xg、30分、4℃で遠心し、上清をガーゼ
に通して得た。この上清に0.1%になるように塩化セ
チルピリジニウムの粉末を加え、4℃で1時間撹拌した
後、10,000xg、30分、4℃で遠心し、ムコ多
糖類を除いた上清を得た。
5倍に希釈するように前記緩衝液350mlで溶解し、
3,500xg、30分、4℃で遠心し、上清をガーゼ
に通して得た。この上清に0.1%になるように塩化セ
チルピリジニウムの粉末を加え、4℃で1時間撹拌した
後、10,000xg、30分、4℃で遠心し、ムコ多
糖類を除いた上清を得た。
【0023】(疎水性クロマトグラフィーによる吸着分
離工程)次に、上記上清を、1Mの硫酸アンモニウムで
平衡化したフェニセファロース100mlに吸着させた
後、硫酸アンモニウムを含まない緩衝液で色素が出なく
なるまでカラムを充分に洗浄した。次いで、40%エチ
レングリコールを含む前記緩衝液で第XIII因子を溶出
し、A280 のピークを回収した。
離工程)次に、上記上清を、1Mの硫酸アンモニウムで
平衡化したフェニセファロース100mlに吸着させた
後、硫酸アンモニウムを含まない緩衝液で色素が出なく
なるまでカラムを充分に洗浄した。次いで、40%エチ
レングリコールを含む前記緩衝液で第XIII因子を溶出
し、A280 のピークを回収した。
【0024】(ハイドロオキシアパタイトによる吸着分
離工程)更に、上記ピーク画分をハイドロオキシアパタ
イト(50ml)に吸着させ、0−200mMのリン酸
イオン濃度勾配で溶出し、第XIII因子を回収した。
離工程)更に、上記ピーク画分をハイドロオキシアパタ
イト(50ml)に吸着させ、0−200mMのリン酸
イオン濃度勾配で溶出し、第XIII因子を回収した。
【0025】(陰イオン交換樹脂による吸着分離工程)
上記回収液を水で2倍に希釈し、更に陰イオン交換樹脂
「MONO−Q」(商品名、ファルマシア社製)に吸着
させ、0−300mMの塩化ナトリウム濃度勾配で溶出
し、200mM付近のピークを回収した。
上記回収液を水で2倍に希釈し、更に陰イオン交換樹脂
「MONO−Q」(商品名、ファルマシア社製)に吸着
させ、0−300mMの塩化ナトリウム濃度勾配で溶出
し、200mM付近のピークを回収した。
【0026】こうして得られた最終精製物は、SDS−
PAGEにより単一のバンドとして確認された。また、
このものは、抗第XIII因子a2サブユニット抗体と反応
し、血液中にある抗第XIII因子b2サブユニット抗体と
反応しない。ELISA法により回収率は20%以上で
あり、第XIII因子a2サブユニット30mgを得た。
PAGEにより単一のバンドとして確認された。また、
このものは、抗第XIII因子a2サブユニット抗体と反応
し、血液中にある抗第XIII因子b2サブユニット抗体と
反応しない。ELISA法により回収率は20%以上で
あり、第XIII因子a2サブユニット30mgを得た。
【0027】実施例2 実施例1における陰イオン交換樹脂による吸着分離工程
を行わずに、ハイドロオキシアパタイトによる吸着分離
工程までを行って、第XIII因子を精製した。この精製物
も、医薬品としては十分な純度を有するものであった。
を行わずに、ハイドロオキシアパタイトによる吸着分離
工程までを行って、第XIII因子を精製した。この精製物
も、医薬品としては十分な純度を有するものであった。
【0028】実施例3 実施例1におけるハイドロオキシアパタイトによる吸着
分離工程を行わずに、疎水性クロマトグラフィーによる
吸着分離工程の後、陰イオン交換樹脂による吸着分離工
程だけを行って、第XIII因子を精製した。この精製物
も、医薬品としては十分な純度を有するものであった。
分離工程を行わずに、疎水性クロマトグラフィーによる
吸着分離工程の後、陰イオン交換樹脂による吸着分離工
程だけを行って、第XIII因子を精製した。この精製物
も、医薬品としては十分な純度を有するものであった。
【0029】実施例4 実施例1におけるハイドロオキシアパタイトによる吸着
分離工程及び陰イオン交換樹脂による吸着分離工程を行
わずに、疎水性クロマトグラフィーによる吸着分離工程
までを行って、第XIII因子を精製した。この精製物も医
薬品としては十分な純度を有するものであったが、やや
着色が認められた。
分離工程及び陰イオン交換樹脂による吸着分離工程を行
わずに、疎水性クロマトグラフィーによる吸着分離工程
までを行って、第XIII因子を精製した。この精製物も医
薬品としては十分な純度を有するものであったが、やや
着色が認められた。
【0030】試験例 実施例1、2で得られた標品のトランスグルタミナーゼ
活性をダンシルカダベリン−カゼイン法(Lorand L. et
al., J. Clin. Invest., 48, 1054, 1969) を用いて測
定したところ、十分な活性が認められた。その結果を表
1に示す。
活性をダンシルカダベリン−カゼイン法(Lorand L. et
al., J. Clin. Invest., 48, 1054, 1969) を用いて測
定したところ、十分な活性が認められた。その結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ヒト胎盤から、簡単な工程で、効率よく、大量に第XIII
因子を精製することができる。このため、第XIII因子を
安価に提供することができる。
ヒト胎盤から、簡単な工程で、効率よく、大量に第XIII
因子を精製することができる。このため、第XIII因子を
安価に提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 9/10 C07K 1/14 - 1/36 C07K 14/47 - 14/825 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)
Claims (4)
- 【請求項1】 ヒト胎盤より緩衝液を用いて第XIII因子
を抽出する抽出工程と、該抽出工程で得られた抽出液に
ポリエチレングリコール又は硫安を加えて第XIII因子を
沈殿分画する沈殿分画工程と、該沈殿分画工程で得られ
た沈殿分画物を緩衝液に溶解させると共に、塩化セチル
ピリジニウムを用いてムコ多糖類を沈殿させて除去する
ムコ多糖沈殿除去工程と、該ムコ多糖沈殿除去工程で得
られた上清を疎水クロマトグラフィーに供して第XIII因
子を吸着分離する吸着分離工程とを含むことを特徴とす
る第XIII因子の精製方法。 - 【請求項2】 前記疎水クロマトグラフィーによる吸着
分離工程の後、更にハイドロオキシアパタイトに吸着さ
せ、リン酸イオンの濃度を上げて溶出させる工程を行う
請求項1記載の第XIII因子の精製方法。 - 【請求項3】 前記疎水クロマトグラフィーによる吸着
分離工程の後、更に陰イオン交換樹脂に吸着させ、塩濃
度を上げて溶出させる工程を行う請求項1記載の第XIII
因子の精製方法。 - 【請求項4】 前記ハイドロオキシアパタイトによる吸
着分離工程の後、更に陰イオン交換樹脂に吸着させ、塩
濃度を上げて溶出させる工程を行う請求項2記載の第XI
II因子の精製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28232792A JP3195439B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 第xiii因子の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28232792A JP3195439B2 (ja) | 1992-09-28 | 1992-09-28 | 第xiii因子の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06105683A JPH06105683A (ja) | 1994-04-19 |
JP3195439B2 true JP3195439B2 (ja) | 2001-08-06 |
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