JP3194881B2 - 位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク - Google Patents

位相シフトマスクブランクおよび位相シフトマスク

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JP3194881B2
JP3194881B2 JP3067597A JP3067597A JP3194881B2 JP 3194881 B2 JP3194881 B2 JP 3194881B2 JP 3067597 A JP3067597 A JP 3067597A JP 3067597 A JP3067597 A JP 3067597A JP 3194881 B2 JP3194881 B2 JP 3194881B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相シフトマスク
ブランク、位相シフトマスクおよびそれを用いたリソグ
ラフィー方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、簡
単な膜構成により、マスクパターンを形成する際のレジ
ストへの電子線描画時における電荷蓄積や静電気による
帯電を防止しうるハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンク、該位相シフトマスクブランクを素材とするハーフ
トーン型位相シフトマスク、およびこの位相シフトマス
クを用いてパターン転写を行うリソグラフィー方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体LSI製造などにおいては、微細
パターンの転写を行うためのマスクであるフォトマスク
の1つとして位相シフトマスクが用いられる。この位相
シフトマスクのうち、特に単一のホール、ドット、又は
ライン、スペース等の孤立したパターン転写に適したも
のとして、ハーフトーン型位相シフトマスクが知られて
いる。
【0003】このハーフトーン型位相シフトマスクは、
透明基板の表面上に形成するマスクパターンを、実質的
に露光に寄与する強度の光を透過させる光透過部と、実
質的に露光に寄与しない強度の光を透過させる光半透過
部とで構成し、かつ、光透過部を通過してきた光の位相
と、光半透過部を通過してきた光の位相を異ならしめる
ことにより光透過部と光半透過部の境界部近傍で通過し
てきた光が互いに打ち消し合うようにして境界部のコン
トラストを良好に保持できるようにしたものであり、例
えば特開平5−127361号公報には、位相差を18
0°としたハーフトーン型位相シフトマスクが開示され
ている。
【0004】この公報記載のハーフトーン型位相シフト
マスクにおいては、透明基板上に光半透過部を構成する
光半透過膜は、CrOx、CrNx、CrOxy、CrO
xyz等の膜などの、均一な組成の材料からなる一層
の膜で構成されている。
【0005】このように一層の膜からなる光半透過膜を
素材として形成した光半透過部を有するハーフトーン型
位相シフトマスクは、光半透過部を、主に位相角を制御
する透過率の高い層(例えばSOG)と主に光半透過性
を制御する透過率の低い層(例えばクロム)との複数種
類からなる積層構造としたハーフトーン型位相シフトマ
スクと比較すると、製造工程の減少、簡略化、欠陥発生
率の低減といった利点を有する。
【0006】このCrOx、CrNx、CrOxy又はC
rOxyz等からなる光半透過膜の形成法に関して、
上記公報には、クロムをスパッタリングターゲットとし
て、蒸着雰囲気中に酸素、窒素などのガスを入れること
で透明基板上にクロムの酸化物、窒化物、酸窒化物、酸
窒炭化物を堆積する方法、すなわち、いわゆる反応性ス
パッタによる方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の方法(反応性スパッタ法)によって形成されるC
rOx、CrNx、CrOxy又はCrOxyz等から
なる光半透過膜については、露光に寄与しない程度の光
を透過する性質、すなわち露光光に対する透過率が4〜
20%という要件と、所定の位相差を与えるという光半
透過部の要件を同時に満たしたものは導電性が乏しい。
そのため、光半透過膜をパターニングするために行うレ
ジストへの電子線描画において、打ち込まれた電子がレ
ジスト中で帯電してしまい、正確なパターン形成ができ
ないという問題があった。
【0008】また、導電性の欠如は静電気の帯電へとつ
ながり、マスクの製造工程や使用時においてゴミが吸着
しやすいという問題があった。したがって、帯電現象を
防止するためには電気を伝導し、拡散させる導電層を例
えば透明基板上に設ける必要があり、そのためには製造
工程が増加するといった欠点があった。
【0009】さらに、透明基板と光半透過膜との間に導
電層を形成する場合には、短波長の露光光に対して透明
である必要があり、特に、近年における高解像度のパタ
ーンが要求されることに伴う露光光の短波長化に対して
は、そのような露光光に対して透明である導電層材料を
新たに開発しなければならないという問題もあった。
【0010】本発明は、上述のような背景のもとでなさ
れたものであり、簡単な膜構成により電子線描画時の電
荷蓄積や静電気による帯電を防止できるハーフトーン型
位相シフトマスクブランク、上記位相シフトマスクブラ
ンクを素材としたハーフトーン型位相シフトマスク、お
よびこの位相シフトマスクを用いてパターン転写を行う
リソグラフィー方法を提供することを目的としたもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡単な膜
構成により、電子線描画時の電荷蓄積や静電気による帯
電を防止しうるハーフトーン型位相シフトマスクブラン
クについて鋭意研究を重ねた結果、透明基板上に、露光
光に対する透過率および可視光に対する透過率が、それ
ぞれ特定の範囲にある光半透過膜を有するハーフトーン
型位相シフトマスクブランクが、上記の好ましい性質を
有すること、そしてこの位相シフトマスクブランクに、
常法に従ってパターニング処理を施すことにより、所望
のマスクパターンを有するハーフトーン型位相シフトマ
スクが得られることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0012】 すなわち、本発明は、 (1)透明基板上に光半透過膜を有し、該光半透過膜は
遷移金属とケイ素、又は遷移金属とケイ素と窒素を構成
要素とし、遷移金属:ケイ素:窒素は、原子比で10〜
55%:15〜80%:70%以下の範囲で選定され、
前記光半透過膜の波長が248nmの露光光に対する
透過率が4〜20%であり、かつ可視光に対する透過率
が30〜70%であることを特徴とするハーフトーン型
位相シフトマスクブランク、 (2)上記位相シフトマスクブランクにおける光半透過
膜に、所定のパターンに従ってその一部を除去するパタ
ーニング処理を施すことにより、光透過部と光半透過部
とからなるマスクパターニングを形成してなることを特
徴とするハーフトーン型位相シフトマスク、および (3)上記ハーフトーン型位相シフトマスクブランクを
用いてパターン転写を行うことを特徴とするリソグラフ
ィー方法、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクは、透明基板上に光半透過膜を有する
ものであって、該透明基板の材料については特に制限は
なく、従来、位相シフトマスクブランクに慣用されてい
るもの、例えばソーダ石灰ガラスやホワイトクラウンの
ようなソーダライムガラス;ホウケイ酸ガラス、無アル
カリガラス、アルミノケイ酸ガラスのような低膨張ガラ
ス;合成石英のような石英ガラス、あるいはポリエステ
ルフィルムのようなプラスチックフィルムなどが用いら
れるが、LSIやLCD用マスクの基板材料としては、
ソーダ石灰ガラスおよび石英ガラスが好適である。
【0014】一方、上記透明基板上に設けられる光半透
過膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光を透過する
性質と、露光光の位相を所定量シフトさせる性質とを有
するとともに、マスクパターンを形成する際のレジスト
への電子線描画時に電荷が帯電しない程度以上の導電性
を有するものである。本発明においては、このような特
性を有する光半透過膜としては、露光光に対する透過率
および可視光に対する透過率が、後で説明するように、
それぞれ特定の範囲にあればよく、その材料については
特に制限はない。このような性状を有する光半透過膜と
しては、例えば遷移金属とケイ素とを主な構成要素とす
るもの、あるいは遷移金属とケイ素と酸素および/また
は窒素とを主な構成要素とするものなどを好ましく挙げ
ることができる。
【0015】上記遷移金属としては、特に制限はなく、
周期律表IVB族、VB族、VIB族に属する金属元素の中
から適宜選ぶのがよい。このような遷移金属の例として
は、チタニウム、ジルコニウム、バナジウム、ニオビウ
ム、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンなど
を挙げることができるが、これらの中で、チタニウム、
タンタル、クロム、モリブデン、タングステンが性能の
面などから好適である。これらの遷移金属は単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクにおける光半透過膜の成膜方法としては特に制
限はなく、従来公知の方法、例えばスパッタリング法、
遷移金属とケイ素の組成を調整したタブレットを用いる
EB蒸着法、イオンプレーティング法などの中から、状
況に応じて適宜選ぶことができるが、これらの中で、特
にスパッタリング法が好適である。例えばスパッタガス
中において、前記遷移金属とケイ素とを含有するターゲ
ットをスパッタリングすることにより、透明基板上に光
半透過膜を形成することができる。ここで、スパッタガ
スとしては、アルゴンなどの不活性ガスのみを用いても
よいし、酸素、窒素および窒素酸化物の中から選ばれる
少なくとも1種のガスとアルゴンその他の不活性ガスと
の混合ガスを用いてもよい。酸素ガスおよび窒素ガス
は、膜中にそれぞれ酸素(O)、窒素(N)を導入する
ためのものであり、一方、窒素酸化物ガスは、膜中に酸
素(O)と窒素(N)とを導入するためのものである。
この窒素酸化物ガスとしては特に制限はないが、一酸化
窒素(NO)ガスや二酸化窒素(NO2)ガスが好まし
い。
【0017】また、膜の透過率と導電率を制御するため
には、反応ガスとして酸素ガスのみを用いる場合には、
スパッタガス総流量の15〜60%程度の酸素ガスを導
入するのが望ましく、また反応ガスとして窒素ガスのみ
を用いる場合には、スパッタガス総流量の15〜100
%程度の窒素ガスを導入するのが望ましい。さらに、反
応ガスとして酸素ガスと窒素ガスを用いる場合には、ス
パッタガス総流量の15〜55%程度の酸素ガスおよび
15〜80%程度の窒素ガスを導入するのが望ましい。
なお、NやOの膜中への導入方法は、上記の酸素ガスや
窒素ガスや窒素酸化物ガスの使用に限られるものではな
く、上述のような効果が期待できる場合、他の酸素化合
物や窒素化合物(例えばNH3ガス)を使用してもよ
い。また、スパッタリング法としては特に制限はなく、
従来公知の方法、例えばDCスパッタリング法、RFマ
グネトロンスパッタリング法などが好ましく用いられ
る。なお、スパッタリング時の基板加熱や、成膜後のア
ニーリングなどを適宜行ってもよい。さらに、ターゲッ
ト組成としては、遷移金属とケイ素を用いる場合は、そ
れらの原子比が30:1〜1:20の範囲にあるのが好
ましい。
【0018】このようにして形成された光半透過膜の膜
厚dは、位相シフト量をφ、屈折率をn、露光光の波長
をλとすると、次の(I)式で決定される。
【0019】 d=(φ/360)×{λ/(n−1)} …(1) (1)式において、位相シフト量φは180°であるこ
とが理想的であるが、実用的な位相シフト量は160°
≦φ≦200°であればよい。
【0020】本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
は、前記のようにして得られたハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクにおける光半透過膜に、所定のパター
ンに従ってその一部を除去するパターニング処理を施
し、光透過部と光半透過部とからなるマスクパターンを
形成することにより得られる。
【0021】図1は本発明のハーフトーン型位相シフト
マスクブランクおよびハーフトーン型位相シフトマスク
を示す図であり、更に具体的には図1(a)がハーフト
ーン型位相シフトマスクブランクの1例の断面図であ
り、図1(b)がハーフトーン型位相シフトマスクの1
例の断面図である。
【0022】ハーフトーン型位相シフトマスクブランク
は図1(a)に示されるように、透明基板1の上に光半
透過膜2aが形成されたものである。また、ハーフトー
ン型位相シフトマスクは図1(b)に示されるように、
図1(a)に示されるハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクの光半透過膜2aに所定のパターンにしたがっ
てその一部を除去するパターニング処理を施して、光半
透過部2と光透過部3とで構成されるマスクパターンを
形成したものである。
【0023】本発明の位相シフトマスクブランクにおけ
る光半透過膜としては、該膜が遷移金属とケイ素と酸素
および/または窒素とから構成されている場合、膜中の
遷移金属とケイ素が、酸化ケイ素および/または窒化ケ
イ素中に含有されているものが好ましい。また、該光半
透過膜の露光光に対する透過率は4〜20%の範囲にあ
ることが必要であり、特に5〜15%の範囲が好まし
い。これは、光透過率が4%未満の場合は、図1(b)
において、光半透過部2と光透過部3との境界部を通過
する光同士の位相ずれによる相殺効果が充分得られず、
また、20%を超える場合は、光半透過部2を通過して
きた光によってもレジストが感光してしまう恐れがある
ためである。この光半透過膜2a、光半透過部2の単位
膜厚当たりの光透過率は、遷移金属とケイ素、あるいは
遷移金属とケイ素と酸素および/または窒素の含有率な
どを選定することにより、選ぶことができる。
【0024】また、本発明のハーフトーン型位相シフト
マスクブランクにおいては、光半透過膜の可視域におけ
る透過率が30〜70%の範囲にあることが必要であ
る。このような可視域における透過率を有することによ
り、マスクの位置合わせ(アライメント)のために、新
たにアライメントマークを形成するための膜を形成する
必要がなくなる。
【0025】さらに、本発明のハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクにおいては、光半透過膜のシート抵抗
が5×107Ω/□以下が好ましい。その理由は、シー
ト抵抗が5×107Ω/□を超えると、電子線照射によ
り打ち込まれた電子を充分に導電しがたいためである。
この導電性を得るためには、酸素(O)や窒素(N)の
含有率を選定することによって選ぶことができる。この
場合、先に述べたように酸素(O)や窒素(N)の含有
率を増せば光透過率は増加するが、反面、導電率は低下
する傾向にある。また屈折率、反射率、吸収係数等の特
性を遷移金属、Si、O、Nの組成により好適に選ぶこ
とができる。
【0026】本発明のハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクにおいて、光半透過膜における各構成元素の比
率については、該光半透過膜が前記した特性を有するよ
うに適宜選べばよく、特に制限はないが、構成元素が遷
移金属、ケイ素、酸素および/または窒素である場合、
一般的には、遷移金属:ケイ素:酸素および/または窒
素との割合が、原子比で10〜55%:15〜80%:
70%以下の範囲で選定される。
【0027】次に、本発明のハーフトーン型位相シフト
マスクの製造方法の好適な例について、図2を参照しな
がら説明する。
【0028】図2は、本発明のハーフトーン型位相シフ
トマスクの製造工程の1例の説明図であって、まず、透
明基板1の表面に上記のように光半透過膜2aを形成し
て得られた位相シフトマスクブランクを用意する[図2
(a)参照]。次いで、この位相シフトマスクブランク
の光半透過膜2a上に、4000〜6000オングスト
ローム程度の厚さの電子線レジスト膜を形成し[(図2
(b)参照]、所定のパターンに従って電子線を照射し
たのち、レジストの現像処理を行ってレジストパターン
4を形成する[(図2(c)参照]。次に、レジストパ
ターン4をマスクとして、光半透過膜2aをドライエッ
チング処理したのち[(図2(d)参照]、残存レジス
トパターン4を剥離することにより、光半透過部2aお
よび光透過部3を有する本発明のハーフトーン型位相シ
フトマスクが得られる[(図2(e)参照]。
【0029】このようにして得られた本発明のハーフト
ーン型位相シフトマスクは、図3の説明図で示されるよ
うに、露光光L0が照射された場合、この露光光L0が、
光半透過部2を通過して図示していない被転写体に達す
る光L1と光透過部3を通過して同じく被転写体に達す
る光L2とに別れる。この場合、光半透過部2を通過し
た光L1の強度は、実質的にレジストの露光に寄与しな
い程度の弱い光である。一方、光透過部3を通過した光
2は実質的に露光に寄与する強い光である。したがっ
て、これによりパターン露光が可能となる。この際、回
折現象によって光半透過部2と光透過部3との境界を通
過する光が互いに相手の領域に回り込みをおこすが、両
者の光の位相はほぼ反転した関係になるため、境界部近
傍では互いの光が相殺し合うことで実質的な光強度が減
衰する。これによって、境界が極めて明確となり解像度
が向上する。
【0030】本発明はまた、前記ハーフトーン型位相シ
フトマスクを用いてパターン転写を行うリソグラフィー
方法をも提供するものである。
【0031】このリソグラフィー方法については、マス
クとして本発明のハーフトーン型位相シフトマスクを用
いる方法であれば、特に制限されず、従来LSIなどの
製造において慣用されている方法を用いることができ
る。
【0032】例えば、被加工層を表面に形成した基板上
にレジスト層を設けたのち、本発明のハーフトーン型位
相シフトマスクを介して、該レジスト層に紫外線、g
線、i線、Deep UV、エキシマレーザー光、エッ
クス線などを選択的に照射する。次いで現像工程におい
て不必要な部分のレジスト層を除去し、基板上にレジス
トパターンを形成させたのち、このレジストパターンを
マスクとして被加工層をエッチング処理し、次いで該レ
ジストパターンを除去することにより、マスクパターン
に忠実なパターンを基板上に形成することができる。
【0033】
【作用】上述の本発明のハーフトーン型位相シフトマス
クブランクは、光半透過部を形成するための光半透過膜
を有し、この光半透過膜は、露光光および可視光に対す
る透過率が、それぞれ特定の範囲にあって、実質的に露
光に寄与しない強度の光を透過する性質と、露光光の位
相を所定量シフトさせる性質とを有するとともに、電子
線描画の際に電荷が帯電しない程度以上の導電性を有
し、かつ導電性の幅広い制御性をも兼ね備えたものであ
ることから、単純な膜構成により電子線描画時の電荷蓄
積や静電気の帯電による影響を防止しつつ再現性の高い
パターニングが可能となった。
【0034】また、本発明のハーフトーン型位相シフト
マスクブランクを用いることにより、好適な位相シフト
マスクを得ることができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。
【0036】(実施例1) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 図1(a)に示すハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを次のようにして製造した。
【0037】透明基板1として、主表面を鏡面研磨した
石英ガラス基板を用い、この基板上に、ターゲット組成
比がタングステン(W)とケイ素(Si)との原子比で
1:1、スパッタガスの組成がアルゴンと酸素との容量
比で1:1である条件にて、RFマグネトロンスパッタ
リング法により、膜厚1240オングストロームの光半
透過膜を形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは
2.0、λ=248nmのときの透過率は8.0%、
W:Si:Oの原子比は26:29:45、シート抵抗
は3.0×106Ω/□未満であった。
【0038】図4は、このようにして得られたハーフト
ーン型位相シフトマスクブランクの光半透過膜の波長に
対する光透過率の依存関係を示す図である。
【0039】また、この光半透過膜について、その膜表
面からの深さ方向への原子の分布を、ESCA(Elect
ron Spectroscopy for Chemical Analysis)により
分析した。その結果を図5に示す。図5において、X軸
が結合エネルギー(BINDING ENERGY)
(eV)、Y軸が原子数に対応する量、Z軸がサイクル
数(CYCLES)(膜表面からの深さに対応し、数字
が小さいほど初期の膜表面に近い)を示す。この図よ
り、膜中にSiO2が含まれていることが分かる。
【0040】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、図2の工程図に従って、ハーフトーン
型位相シフトマスクを製造した。
【0041】まず、位相シフトマスクブランクの光半透
過膜2a上に電子線レジスト膜4a(東ソー社製:CM
S−M8)を6000オングストロームの厚さに形成し
(図2(b)参照)、所定のパターンにしたがって電子
線を照射した後、レジストの現像処理を行なってレジス
トパターン4を形成した(図2(c)参照)。
【0042】次に、レジストパターン4をマスクとして
光半透過膜2aを反応性ドライエッチング方式(RI
E)平行平板型ドライエッチング装置を用いて、ドライ
エッチング処理した(図2(d)参照)。
【0043】ドライエッチング処理後、残存レジストパ
ターン4を剥離することにより、光半透過部2および光
透過部3を有する位相シフトマスクを得た(図2(e)
参照)。
【0044】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように3.0×
106Ω/□未満のシート抵抗を有するため、位相シフ
トマスクブランクの作成においてレジストパターンの形
成のために行なう電子線照射によって打ち込まれた電子
が帯電することを充分に防止できるものであった。
【0045】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であるため、適宜な条件でのエ
ッチングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷
つけずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことがで
きた。
【0046】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0047】また、図4に示すように、可視域における
透過率が42%程度であり、実施例1と同様にマスクの
位置合わせ(アライメント)のために新たにアライメン
トマークを形成するための膜を形成する必要がない。
【0048】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0049】(実施例2) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例1(1)において、ターゲット組成比をW:Si
原子比=1:2とした以外は、実施例1(1)と同様に
して、RFマグネトロンスパッタリング法により、透明
基板上に、膜厚1078オングストロームの光半透過膜
2aを形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブラン
クを製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは2.
15、λ=248nmのときの透過率は7.0%、W:
Si:Oの原子比は13:33:54、シート抵抗は
4.0×106Ω/□未満であった。
【0050】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0051】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように4.0×
106Ω/□未満のシート抵抗を有するので、位相シフ
トマスクの作成においてレジストパターンの形成のため
に行なう電子線照射によって打ち込まれた電子が帯電す
ることを充分に防止できるものであった。
【0052】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であり、適宜な条件でのエッチ
ングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷つけ
ずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことができ
た。
【0053】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0054】また、可視域における透過率が41%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0055】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0056】(実施例3) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 図1(a)に示すハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを次のようにして製造した。
【0057】透明基板1として、主表面を鏡面研磨した
石英ガラス基板を用い、この基板上に、ターゲット組成
比がタングステン(W)とケイ素(Si)との原子比で
1:1、スパッタガスの組成がアルゴンと窒素との容量
比で1:3である条件にて、RFマグネトロンスパッタ
リング法により、膜厚1033オングストロームの光半
透過膜を形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは
2.2、λ=248nmのときの透過率は7.5%、
W:Si:Nの原子比は29:30:41、シート抵抗
は3.8×104Ω/□未満であった。
【0058】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0059】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように3.8×
104Ω/□未満のシート抵抗を有するため、位相シフ
トマスクブランクの作成においてレジストパターンの形
成のために行なう電子線照射によって打ち込まれた電子
が帯電することを充分に防止できるものであった。
【0060】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であるため、適宜な条件でのエ
ッチングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷
つけずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことがで
きた。
【0061】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0062】また、可視域における透過率が52%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0063】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0064】(実施例4) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例3(1)において、ターゲット組成比をW:Si
原子比=1:2とした以外は、実施例3(1)と同様に
して、RFマグネトロンスパッタリング法により、透明
基板上に、膜厚954オングストロームの光半透過膜2
aを形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブランク
を製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは2.
5、λ=248nmのときの透過率は6.5%、W:S
i:Nの原子比は14:30:56、シート抵抗は5.
0×104Ω/□未満であった。
【0065】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0066】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように5.0×
104Ω/□未満のシート抵抗を有するので、位相シフ
トマスクの作成においてレジストパターンの形成のため
に行なう電子線照射によって打ち込まれた電子が帯電す
ることを充分に防止できるものであった。
【0067】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であり、適宜な条件でのエッチ
ングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷つけ
ずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことができ
た。
【0068】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0069】また、可視域における透過率が40%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0070】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0071】(実施例5) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 図1(a)に示すハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを次のようにして製造した。
【0072】透明基板1として、主表面を鏡面研磨した
石英ガラス基板を用い、この基板上に、ターゲット組成
比がタングステン(W)とケイ素(Si)との原子比で
1:1、スパッタガスの組成がアルゴンと酸素と窒素と
の容量比で1:1:2である条件にて、RFマグネトロ
ンスパッタリング法により、膜厚1097オングストロ
ームの光半透過膜を形成し、ハーフトーン型位相シフト
マスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の屈
折率nは2.13、λ=248nmのときの透過率は
7.8%、W:Si:O:N=19:22:37:2
2、シート抵抗は5.2×105Ω/□未満であった。
【0073】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0074】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のようにシート抵抗5.2×105Ω/□未満である
ため、レジストパターンの形成のために行なう電子線照
射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に防
止できるものであった。
【0075】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0076】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0077】また、可視域における透過率が45%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0078】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0079】(実施例6) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例5(1)において、ターゲット組成比をW:Si
原子比=1:2とした以外は、実施例5(1)と同様に
して、RFマグネトロンスパッタリング法により、透明
基板上に、膜厚992オングストロームの光半透過膜2
aを形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブランク
を製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは2.2
5、λ=248nmのときの透過率は6.8%、W:S
i:O:N=13:26:40:21、シート抵抗1.
3×106Ω/□未満であった。
【0080】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0081】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように1.3×
106Ω/□未満のシート抵抗を有するので、位相シフ
トマスクの作成においてレジストパターンの形成のため
に行なう電子線照射によって打ち込まれた電子が帯電す
ることを充分に防止できるものであった。
【0082】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であり、適宜な条件でのエッチ
ングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷つけ
ずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことができ
た。
【0083】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0084】また、可視域における透過率が43%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0085】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0086】(実施例7) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例1(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:1とした以外は、実施例1
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚1127オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.1、λ=248nmのときの透過率は
9.5%、Ta:Si:Oの原子比は25:30:4
5、シート抵抗は2.5×106Ω/□未満であった。
【0087】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0088】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のようにシート抵抗2.5×106Ω/□未満である
ため、レジストパターンの形成のために行なう電子線照
射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に防
止できるものであった。
【0089】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0090】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0091】また、可視域における透過率が55%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0092】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0093】(実施例8) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例1(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:2とした以外は、実施例1
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚1097オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.13、λ=248nmのときの透過率は
7.7%、Ta:Si:Oの原子比は12:35:5
3、シート抵抗は3.2×106Ω/□未満であった。
【0094】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0095】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のように、シート抵抗3.2×106Ω/□未満であ
るため、レジストパターンの形成のために行なう電子線
照射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に
防止できるものであった。
【0096】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0097】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0098】また、可視域における透過率が45%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0099】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0100】(実施例9) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例3(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:1とした以外は、実施例1
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚992オングストローム
の光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフト
マスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の屈
折率nは2.25、λ=248nmのときの透過率は
6.8%、Ta:Si:Nの原子比は27:31:4
2、シート抵抗は3.8×104Ω/□未満であった。
【0101】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0102】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のようにシート抵抗3.8×104Ω/□未満である
ため、レジストパターンの形成のために行なう電子線照
射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に防
止できるものであった。
【0103】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0104】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0105】また、可視域における透過率が43%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0106】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0107】(実施例10) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例3(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:2とした以外は、実施例3
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚1181オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.05、λ=248nmのときの透過率は
6.0%、Ta:Si:Nの原子比は13:30:5
7、シート抵抗は5.0×104Ω/□未満であった。
【0108】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0109】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のように、シート抵抗5.0×104Ω/□未満であ
るため、レジストパターンの形成のために行なう電子線
照射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に
防止できるものであった。
【0110】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0111】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0112】また、可視域における透過率が40%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0113】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0114】(実施例11) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例5(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:1とした以外は、実施例5
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚1051オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.18、λ=248nmのときの透過率は
7.2%、Ta:Si:O:Nの原子比は17:23:
37:23、シート抵抗は4.8×105Ω/□未満で
あった。
【0115】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0116】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のようにシート抵抗4.8×105Ω/□未満である
ため、レジストパターンの形成のために行なう電子線照
射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に防
止できるものであった。
【0117】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0118】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0119】また、可視域における透過率が44%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0120】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0121】(実施例12) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例5(1)において、遷移金属としてタングステン
の代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成比
をTa:Si原子比=1:2とした以外は、実施例5
(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリング
法により、透明基板上に、膜厚1117オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.21、λ=248nmのときの透過率は
6.5%、Ta:Si:O:Nの原子比は13:27:
39:21、シート抵抗は9.2×105Ω/□未満で
あった。
【0122】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0123】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のように、シート抵抗9.2×105Ω/□未満であ
るため、レジストパターンの形成のために行なう電子線
照射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に
防止できるものであった。
【0124】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0125】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0126】また、可視域における透過率が40%程度
であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アライ
メント)のために新たにアライメントマークを形成する
ための膜を形成する必要がない。
【0127】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0128】(実施例13) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 図1(a)に示すハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを次のようにして製造した。
【0129】透明基板1として、主表面を鏡面研磨した
石英ガラス基板を用い、この基板上に、ターゲット組成
比がタングステン(W)とケイ素(Si)との原子比で
1:1、スパッタガスとしてアルゴンのみを用いる条件
にて、RFマグネトロンスパッタリング法により、膜厚
810オングストロームの光半透過膜を形成し、ハーフ
トーン型位相シフトマスクブランクを製造した。形成さ
れた光半透過膜の屈折率nは2.53、λ=248nm
のときの透過率は5.1%、W:Siの原子比は47:
53、シート抵抗は1.5×10-3Ω/□未満であっ
た。
【0130】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0131】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように1.5×
10-3Ω/□未満のシート抵抗を有するため、位相シフ
トマスクブランクの作成においてレジストパターンの形
成のために行なう電子線照射によって打ち込まれた電子
が帯電することを充分に防止できるものであった。
【0132】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であるため、適宜な条件でのエ
ッチングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷
つけずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことがで
きた。
【0133】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0134】また、可視域における透過率が35〜40
%であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アラ
イメント)のために新たにアライメントマークを形成す
るための膜を形成する必要がない。
【0135】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0136】(実施例14) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例13(1)において、ターゲット組成比をW:S
i原子比=1:2とした以外は、実施例13(1)と同
様にして、RFマグネトロンスパッタリング法により、
透明基板上に、膜厚775オングストロームの光半透過
膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクを製造した。形成された光半透過膜の屈折率nは
2.60、λ=248nmのときの透過率は5.5%、
W:Siの原子比は28:72、シート抵抗は2.0×
10-3Ω/□未満であった。
【0137】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0138】本実施例によれば、位相シフトマスクブラ
ンクにおける光半透過膜2aが、前述のように2.0×
10-3Ω/□未満のシート抵抗を有するので、位相シフ
トマスクの作成においてレジストパターンの形成のため
に行なう電子線照射によって打ち込まれた電子が帯電す
ることを充分に防止できるものであった。
【0139】また、本実施例の位相シフトマスクブラン
クにおける光半透過膜2aは、透明基板1とのエッチン
グ選択比(光半透過膜のエッチング速度/透明基板のエ
ッチング速度)が3以上であり、適宜な条件でのエッチ
ングを行なうことにより、透明基板1をほとんど傷つけ
ずに光半透過膜2aのエッチングを行なうことができ
た。
【0140】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0141】また、可視域における透過率が35〜40
%であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アラ
イメント)のために新たにアライメントマークを形成す
るための膜を形成する必要がない。
【0142】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0143】(実施例15) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例13(1)において、遷移金属としてタングステ
ンの代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成
比をTa:Si原子比=1:1とした以外は、実施例1
3(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリン
グ法により、透明基板上に、膜厚800オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.55、λ=248nmのときの透過率は
5.1%、Ta:Siの原子比は49:51、シート抵
抗は1.6×10-3Ω/□未満であった。
【0144】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0145】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のようにシート抵抗1.6×10-3Ω/□未満である
ため、レジストパターンの形成のために行なう電子線照
射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に防
止できるものであった。
【0146】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0147】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0148】また、可視域における透過率が35〜40
%であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アラ
イメント)のために新たにアライメントマークを形成す
るための膜を形成する必要がない。
【0149】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0150】(実施例16) (1)ハーフトーン型位相シフトマスクブランクの製造 実施例13(1)において、遷移金属としてタングステ
ンの代わりにタンタル(Ta)を用い、ターゲット組成
比をTa:Si原子比=1:2とした以外は、実施例1
3(1)と同様にして、RFマグネトロンスパッタリン
グ法により、透明基板上に、膜厚765オングストロー
ムの光半透過膜2aを形成し、ハーフトーン型位相シフ
トマスクブランクを製造した。形成された光半透過膜の
屈折率nは2.62、λ=248nmのときの透過率は
5.7%、Ta:Siの原子比は33:67、シート抵
抗は2.3×10-3Ω/□未満であった。
【0151】(2)ハーフトーン型位相シフトマスクの
製造 上記(1)で得られたハーフトーン型位相シフトマスク
ブランクを用い、実施例1(2)と同様にして、ハーフ
トーン型位相シフトマスクを製造した。
【0152】本実施例によれば、光半透過膜2aが、前
述のように、シート抵抗2.3×10-3Ω/□未満であ
るため、レジストパターンの形成のために行なう電子線
照射によって打ち込まれた電子が帯電することを充分に
防止できるものであった。
【0153】また、本実施例において、光半透過膜2a
は、透明基板1とのエッチング選択比(光半透過膜のエ
ッチング速度/透明基板のエッチング速度)が3以上で
あり、適宜な条件でのエッチングを行なうことにより、
透明基板1をほとんど傷つけずに光半透過膜2aのエッ
チングを行なうことができた。
【0154】また、本実施例において、光半透過膜2a
(光半透過部2)は、透明基板1との充分な付着性を有
しており、通常のフォトマスク作成の洗浄工程で行なわ
れる超音波洗浄やスクラブ洗浄にも耐えることができ、
さらに耐酸性に優れているため、上記洗浄工程で行なわ
れる熱濃硫酸洗浄あるいは過酸化水素と濃硫酸との混合
液による洗浄に充分耐え得るものであった。
【0155】また、可視域における透過率が35〜40
%であり、実施例1と同様にマスクの位置合わせ(アラ
イメント)のために新たにアライメントマークを形成す
るための膜を形成する必要がない。
【0156】本実施例の位相シフトマスクを使用したと
ころ、従来の位相シフトマスクと同様の焦点深度が得ら
れた。
【0157】上述した実施例1〜16における位相シフ
トマスクブランクの製造条件および物性を表1〜表4に
まとめて示す。
【0158】
【表1】
【0159】
【表2】
【0160】
【表3】
【0161】
【表4】
【0162】(実施例17)上記実施例の試料について
365nmでの屈折率を測定し、ハーフトーン型位相シ
フトマスクブランクとしての条件を満たす膜厚において
光半透過膜を作成しその透過率を測定したところ、いず
れも5〜15%の範囲であり、365nm波長において
もハーフトーン型シフトマスクブランクおよびハーフト
ーン型位相シフトマスクとして使用できることを確認し
た。
【0163】(実施例18)上記実施例においてガス導
入条件の内、酸素ガスおよび/または窒素ガスの導入量
を総量に対し各々5〜10%程度減少させ光半透過膜を
作成し、436nmにおける屈折率よりハーフトーン型
位相シフトマスクブランクとしての条件を満たす膜厚に
おいて透過率を測定したところ、いずれも5〜15%の
範囲であり、導電率を含む他の特性についてもすべて充
分な特性値を満たした状態で436nm波長においても
ハーフトーン型シフトマスクおよびハーフトーン型位相
シフトマスクブランクとして使用できることを確認し
た。
【0164】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のハーフト
ーン型位相シフトマスクブランク及びハーフトーン型位
相シフトマスクは、透明基板上に光透過部を形成するた
めの光半透過膜を有し、この光半透過膜が、実質的に露
光に寄与しない強度の光を透過する性質と露光光の位相
を所定量シフトさせる性質とを有すると同時に、電子線
描画の際に電荷が帯電しない程度以上の導電性をも兼ね
備え、自由に制御できるものであることから、単純な膜
構成により電子線描画時の電荷蓄積や静電気による帯電
を防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハーフトーン型位相シフトマスクブラ
ンクおよび本発明のハーフトーン型位相シフトマスクを
示す図であり、図1(a)がハーフトーン型位相シフト
マスクブランクの1例の断面図、図1(b)がハーフト
ーン型位相シフトマスクの1例の断面図である。
【図2】本発明のハーフトーン型位相シフトマスクの製
造工程の1例を示す説明図である。
【図3】ハーフトーン型位相シフトマスクの作用説明図
である。
【図4】実施例1で得られたハーフトーン型位相シフト
マスクブランクの光半透過膜の波長に対する光透過率の
依存関係を示す図である。
【図5】実施例1で得られたハーフトーン型位相シフト
マスクブランクにおける光半透過膜の膜表面から深さ方
向への原子の分布をESCAによって分析した結果を示
す図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 光半透過部 2a 光半透過膜 3 光透過部 4 レジストパターン 4a レジスト膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−140635(JP,A) 特開 平7−104457(JP,A) 特開 平7−20624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に光半透過膜を有し、該光半
    透過膜は遷移金属とケイ素、又は遷移金属とケイ素と窒
    素を構成要素とし、遷移金属:ケイ素:窒素は、原子比
    で10〜55%:15〜80%:70%以下の範囲で選
    定され、 前記 光半透過膜の波長が248nmの露光光に対する
    透過率が4〜20%であり、かつ可視光に対する透過率
    が30〜70%であることを特徴とするハーフトーン型
    位相シフトマスクブランク。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の位相シフトマスクブラ
    ンクにおける光半透過膜に、所定のパターンに従ってそ
    の一部を除去するパターニング処理を施すことにより、
    光透過部と光半透過部とからなるマスクパターンを形成
    してなることを特徴とするハーフトーン型位相シフトマ
    スク。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のハーフトーン型位相シ
    フトマスクを用いてパターン転写を行うことを特徴とす
    るリソグラフィー方法。
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