JP3194728B2 - 重量変化測定用器具およびそれを用いた重量変化測定装置 - Google Patents

重量変化測定用器具およびそれを用いた重量変化測定装置

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JP3194728B2 JP08483199A JP8483199A JP3194728B2 JP 3194728 B2 JP3194728 B2 JP 3194728B2 JP 08483199 A JP08483199 A JP 08483199A JP 8483199 A JP8483199 A JP 8483199A JP 3194728 B2 JP3194728 B2 JP 3194728B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種物質の熱重量
分析などに用いられる重量変化測定用器具、およびそれ
を用いた重量変化測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種物質の質量の温度による変化の測
定、すなわち温度対質量の関係の測定(熱重量測定(熱
重量分析))は、対象物質の熱分解反応性、固相−気相
反応性、酸化や窒化などの各種反応性などの熱的特性を
分析、評価する上で重要である。熱重量測定は、実験室
レベルでの各種試料の熱的特性の分析、評価から、工業
材料の熱特性の評価まで、幅広い分野で使用されてい
る。
【0003】上述したような熱重量分析には、通常、熱
天秤が用いられている。熱天秤としては、電気炉などの
加熱炉内に配置された試料の質量変化を化学天秤や電子
天秤などにより直接測定するもの、試料の質量変化をス
プリングバランスにより直接測定するもの、あるいは試
料の質量変化に伴う天秤の変位を磁気的に吊り合せ、そ
の際の磁気的な変位量に基づいて質量の変化量を測定す
るものなどが知られている。
【0004】このような熱天秤はいずれの形式において
も、微量の試料の熱重量変化の測定を対象としており、
通常の熱天秤の測定スケールはmg単位である。このた
め、熱天秤は例えば各種耐火材料の熱特性を測定・評価
する場合のように、高負荷でかつ高重量物系の熱重量変
化の測定には適用することができない。また、触媒のよ
うに不均一物質系の熱重量変化を測定する場合には、あ
る程度の量の試料に対して測定を実施する必要がある
が、従来型の熱天秤はこのような測定にも適していな
い。
【0005】さらに、一般的な熱天秤は測定系の内部も
しくは極近傍に天秤部が常に存在するため、例えば反応
ガスを流通させながら熱重量変化を測定する場合、天秤
部に腐食などが生じやすく、これによって測定精度が低
下してしまうというような問題がある。また、測定試料
に反応ガスを強制的に流通させること自体が構造的に難
しいというような問題もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、熱重
量測定(熱重量分析)は工業材料を含む各種試料の熱的
特性を分析・評価する上で重要であるが、従来から熱重
量測定に用いられている熱天秤は、一般的に測定スケー
ルがmg単位であるため、高負荷でかつ高重量物系の測
定、あるいは不均一物質系のようにある程度以上の量に
対する測定には不向きであった。
【0007】工業用途などで熱重量測定を実施する場合
には、上記したような高負荷かつ高重量物系、あるいは
不均一物質系の測定を簡易にかつ精度よく実施する必要
があり、さらに触媒系や充填層系などの重量変化を測定
する場合には、反応ガスを強制流通させる必要がある。
このようなことから、高負荷かつ高重量物系の測定や不
均一物質系の重量変化の測定を高精度でかつ簡易に可能
にすること、さらには重量測定時に反応ガスなどの強制
流通を可能にすることが求められている。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、高負荷かつ高重量物系や不均一物質系
などの重量変化測定、特に熱重量測定を簡易にかつ精度
よく実施することを可能にした重量変化測定用器具、お
よびそれを用いた重量変化測定装置を提供することを目
的としている。本発明はさらに、触媒系や充填層系など
の重量変化を測定する際に、器具や測定精度に悪影響を
及ぼすことなく、反応ガスの強制流通などを可能にした
重量変化測定用器具、およびそれを用いた重量変化測定
装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の重量変化測定用
器具は、請求項1に記載したように、下部に開放部を有
する反応管本体と、前記反応管本体の下部開放部を密閉
するように、前記反応管本体と着脱可能に接合される反
応管基部と、一端が前記反応管本体内に位置し、かつ他
端が前記反応管基部の外側に位置するように、前記反応
管基部に挿入固定された支持管と、前記支持管の上端部
に前記支持管と着脱可能に配置され、かつ測定用試料が
収容される試料ホルダと、前記支持管内に移動可能なよ
うに挿入され、前記測定用試料の重量測定時に前記試料
ホルダを前記支持管から切り離す押上げ部材とを具備す
ることを特徴としている。
【0010】本発明の重量変化測定用器具は、さらに請
求項2に記載したように、前記反応管本体内にガスを供
給するガス供給部と、前記反応管本体内から前記ガスを
排出するガス排出部とをさらに具備することを特徴とし
ている。
【0011】上記した重量変化測定用器具におけるガス
供給部およびガス排出部の具体的な構成としては、請求
項3に記載したように、ガス供給部は支持管の外周側に
配置されると共に、反応管本体内にガス供給口が開口さ
れたガス供給管を有し、かつガス排出部は測定用試料の
周囲を通過したガスを排出するガス排出口を有する構成
が挙げられる。さらに、請求項4に記載したように、測
定用試料を試料ホルダ内に配置された通気部材上に載置
し、かつガスをガス供給口から供給すると共に、測定用
試料を強制的に通過した後に支持管内を介してガス排出
口から排出するように構成することが好ましい。
【0012】また、本発明の重量変化測定用器具におい
て、押上げ部材を上部が閉塞された管状体で構成するこ
とによって、その内部に測定用試料の温度を測定する温
度センサのような温度検出器を配置することができる。
【0013】本発明の重量変化測定装置は、請求項7に
記載したように、上記した本発明の重量変化測定用器具
と、前記重量変化測定用器具の前記反応管基部を保持す
る保持機構と、前記試料ホルダに収容された前記測定用
試料の重量を、前記重量変化測定用器具の前記押上げ部
材および前記押上げ部材により前記支持管から切り離さ
れた前記試料ホルダと共に測定する重量測定機構とを具
備することを特徴としている。
【0014】本発明の重量変化測定装置は、さらに請求
項8に記載したように、前記重量変化測定用器具の前記
試料ホルダに収容された前記測定用試料を加熱する加熱
機構をさらに具備することを特徴としている。
【0015】本発明において、試料の熱重量変化やガス
吸着量などを評価するための熱処理、あるいは常温下で
のガス吸着処理などは、重量変化測定用器具のみで実施
される。また、測定用試料の重量は試料ホルダを押上げ
部材で支持管から切り離し、この状態で押上げ部材およ
び試料ホルダの重量と共に測定される。このため、重量
測定機構は重量変化測定用器具とは別機構とすることが
でき、市販の上皿秤などを利用することができる。従っ
て、耐火物や触媒のように高負荷でかつ高重量物系の重
量変化測定、あるいは触媒や充填層などの不均一物質系
の重量変化測定を簡易にかつ精度よく実施することがで
きる。また、長時間を要する反応系の測定などに対して
も有効である。
【0016】また、重量測定機構を重量変化測定用器具
とは別機構とすることで、従来の熱天秤のように天秤部
の腐食による測定精度の低下などを生じることがない。
従って、上記したような各種試料の重量変化の測定を精
度よく実施することができる。反応ガスなどを流通させ
て行う重量変化の解析についても、器具や測定精度に悪
影響を及ぼすことなく実施することができる。
【0017】さらに、上述したようなガスの供給・排出
機構を適用した場合、反応ガスや雰囲気ガスなどを測定
用試料の周囲を通過させながら、上記したような各種試
料の重量変化を測定することができる。特に、反応ガス
などを試料ホルダ内の通気部材および支持管内を介して
排出することによって、測定用試料を強制的に通過させ
ることができる。これによって、測定に及ぼす拡散の影
響を排除することができるなど、より高精度な測定が可
能となる。これは充填層系などの反応と重量解析などに
有効であり、また常温付近での吸着試験などにも適用可
能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0019】図1は本発明の重量変化測定用器具の一実
施形態の概略構成を示す断面図である。同図に示す重量
変化測定用器具1は、下部2aが開放された反応管本体
2を有し、この反応管本体2は上部が開放された反応管
基部3に着脱可能に接合されている。すなわち、反応管
本体2の下部開放部2aは反応管基部3により密閉され
ており、これらによって閉鎖系の反応室4が形成されて
いる。
【0020】反応管本体2および反応管基部3は透明石
英ガラス管などにより構成する。反応管本体2には、例
えば上端を封じた直径40mm×長さ 300mm程度の透明石英
ガラス管などが用いられる。これらの接合部5は摺り合
せとされている。このように、反応管本体2と反応管基
部3との接合部5を摺り合せ構造とすることによって、
閉鎖系の反応室4を容易にかつ繰り返し形成することが
でき、さらに反応管本体2の垂直を容易に出すことがで
きる。なお、反応管基部3は図示を省略したクランプや
ホルダなどにより固定されている。また、反応管基部3
内には冷却水を流通させることが可能とされている。
【0021】反応管本体2と反応管基部3とにより構成
される反応室4内には、支持管6が挿入配置されてい
る。支持管6は透明石英ガラス管などからなり、その上
端部6aは反応管本体2内に位置し、かつ下端部6bは
反応管基部3の外側に位置している。支持管6は反応管
基部3の下側から差し込まれ、その状態で反応管基部3
に固着されている。
【0022】支持管6の上端部6aには、測定用試料が
収容される試料ホルダ7が支持管6と着脱可能に配置さ
れている。試料ホルダ7は透明石英ガラス管などからな
り、その内部には石英などからなるフィルタ8が配置さ
れている。図示を省略した測定用試料はフィルタ8上に
載置される。フィルタ8に代えてメッシュ状皿などを使
用することもできる。このように、測定用試料はフィル
タ8やメッシュ状皿などの通気部材上に載置される。支
持管6と試料ホルダ7との接合部9は摺り合せとされて
おり、試料ホルダ7を下側から後述する押上げ部材10
で突上げることによって、支持管6から切り離すことが
可能とされている。
【0023】石英管やアルミナ管などからなる押上げ部
材10は、支持管6内を移動可能なように、支持管6内
に挿入配置されている。この押上げ部材10は測定用試
料の重量を測定する際に、図2に示すように試料ホルダ
7を下側から押上げ(図中矢印Aで示す)、試料ホルダ
7を支持管6から切り離してフリーな状態とするもので
ある。押上げ部材10で試料ホルダ7を支持管6から切
り離すと、押上げ部材10には試料ホルダ7とその内部
に収容された測定用試料の重量のみが掛ることになるた
め、この状態で後に詳述するように測定用試料の重量が
測定される。
【0024】また、押上げ部材10にアルミナ管や石英
管などを使用した場合、その内部には熱電対のような温
度センサ、すなわち測定用試料の温度を測定する温度検
出器11を配置することができる。この温度検出器11
は後述する電気炉などの温度制御用としても使用するこ
とができる。温度検出器11が配置された押上げ部材1
0は、その閉塞された上端部がフィルタ8にほぼ接触す
る位置で固定される。具体的には、押上げ部材10の下
端には台座12が設けられており、この台座12を図示
を省略した作業台上に載置することで押上げ部材10は
固定される。
【0025】上述した重量変化測定用器具1において、
測定用試料の重量は試料ホルダ7を押上げ部材10で支
持管6から切り離し、この状態で押上げ部材10および
試料ホルダ7の重量と共に測定される。このため、重量
測定機構は重量変化測定用器具1とは別機構とすること
ができ、後述するように市販の上皿秤などを使用するこ
とができる。
【0026】言い換えると、試料の熱重量変化やガス吸
着量などを評価するための熱処理、あるいは常温下での
ガス吸着処理などの重量変化試験は、重量変化測定用器
具1のみを用いて実施することができる。従って、耐火
物や触媒のように高負荷でかつ高重量物系の測定を簡易
にかつ精度よく行うことが可能となる。また、触媒や充
填層などの不均一物質系ではある程度以上の量に対して
測定・評価を実施する必要があるが、このような試料の
重量変化も簡易にかつ精度よく測定することができる。
長時間を要する反応系の測定などに対しても有効であ
る。
【0027】反応室4(反応管本体2)の上部は閉鎖系
であるため、熱のゆらぎによる重量測定の誤差などを避
けることができる。さらに、重量測定機構を重量変化測
定用器具1とは別機構とすることによって、従来の熱天
秤のように天秤部の腐食による測定精度の低下などを生
じることがない。従って、上記したような各種試料の重
量変化測定を精度よく実施することができる。
【0028】上述した本発明の重量変化測定用器具1
は、反応室4内(反応管本体2内)に例えば反応ガスや
雰囲気ガスとしての不活性ガスなどを供給するガス供給
部と、反応室4内(反応管本体2内)から上記したガス
を排出するガス排出部とを具備している。なお、図1に
おいて、矢印Bはガスの流れを示している。
【0029】具体的には、支持管6の外周側にはガス供
給管13が配置されている。すなわち、支持管6はガス
供給管13との二重管構造とされている。ガス供給管1
3の反応管本体2内に位置する部分には、反応管本体2
内に開口されたガス供給口14が設けられており、ガス
供給管13の下部側に設けられたガス導入管15から導
入されたガスは、反応室4内(反応管本体2内)に供給
される。
【0030】反応室4内に供給されたガスは反応管本体
2内に充満した後、例えば試料ホルダ7のフィルタ8を
介して支持管6内に排出される。支持管6の下端部6b
側にはガス排出口16が設けられており、このガス排出
口16は図示を省略した排気装置に接続されているた
め、フィルタ8を通過したガスは支持管6内を介してガ
ス排出口16から排出される。支持管6の下端部6bは
開放されている。
【0031】このようなガス供給・排出機構によれば、
測定用試料の周囲を反応ガスや雰囲気ガスを強制的に通
過させることができる。反応ガスなどの強制通過は、例
えば充填層系の吸着試験や触媒の性能試験などを実施す
る上で重要であり、これにより常温下もしくは高温下で
の充填層系の重量変化や触媒による重量変化などを精度
よく測定することが可能となる。さらに、反応ガスを強
制通過させることによって、測定に及ぼす拡散の影響を
除外することができる。
【0032】また、支持管6の下端部6bが開放されて
いるため、サクションポンプなどの排気装置を用いて反
応室4内のガスを強制的に排気しても、反応室4内のガ
ス圧はほぼ一定に保たれる。従って、ガス圧を変動させ
ることなく、大気圧下で測定を行うことができる。これ
によって、各種試料の重量変化に対する圧力の影響を排
除することができ、より正確な測定が可能となる。
【0033】上述したような本発明の重量変化測定用器
具1は、図3および図4に示すような重量変化測定装置
に用いられる。図3は本発明の重量変化測定装置を熱重
量測定(熱重量分析)に適用した一実施形態の構成を示
す図である。
【0034】測定用試料21が収容された試料ホルダ7
は、支持管6の上端部6aに接合されており、これらは
反応管本体2で覆われている。重量変化測定用器具1の
主要部は、反応管基部3を保持するクランプ22などの
保持機構により固定されている。また、内部に温度検出
器11が配置された押上げ部材10は、その上端部がフ
ィルタ8にほぼ接触するように作業台23上に載置され
ている。
【0035】このような状態で、重量変化測定用器具1
は電気炉24などの加熱装置内に配置される。具体的に
は、測定用試料21が電気炉24内に位置し、かつ反応
管基部3などは電気炉24の外部に位置するように、重
量変化測定用器具1の高さが調整されている。
【0036】試料21の熱重量分析を行う場合、まず図
4に示すように、試料ホルダ7を下側から押上げ、試料
ホルダ7を支持管6から切り離してフリーな状態とし、
押上げ部材10の台座12を上皿秤25上に静かに載
せ、試料ホルダ7と測定用試料21と押上げ部材10の
重量を測定する。そして、予め測定しておいた試料ホル
ダ7と押上げ部材10の重量を引いて、測定用試料21
の初期重量を求める。なお、測定用試料21の初期重量
は別途測定しておいた値を用いてもよい。
【0037】次に、図3に示したように、重量変化測定
用器具1の上部を電気炉24内に配置し、必要に応じて
ガス供給管13から反応ガスや雰囲気ガスなどを反応室
4内に供給し、測定用試料21の周囲を強制的に通過さ
せつつ、測定用試料21の温度を設定温度まで上昇させ
る。このような温度下で所定時間保持した後、室温まで
冷却する。
【0038】室温まで冷却した後、測定用試料21の初
期重量測定と同様に、試料ホルダ7を下側から押上げて
支持管6から切り離し、押上げ部材10の台座12を上
皿秤25上に静かに載せて、試料ホルダ7と測定用試料
21と押上げ部材10の重量を測定する。この測定結果
から予め測定しておいた試料ホルダ7と押上げ部材10
の重量を引くことによって、熱処理もしくは熱反応後の
測定用試料21の重量を求める。そして、この値から測
定用試料21の初期重量を引くことによって、熱重量変
化量が求まる。
【0039】上述したような重量変化測定装置では、重
量測定機構としての上皿秤25を重量測定時のみ使用し
ており、熱処理もしくは熱反応は金属部品を必要としな
い重量変化測定用器具1のみを使用して実施している。
従って、重量測定機構の腐食などによる精度低下などを
防止することができ、また反応ガスなどを良好に流通さ
せることができる。特に、本発明の重量変化測定用器具
1はガスの強制通過を可能としているため、測定に及ぼ
す拡散の影響などを除外することができる。
【0040】さらに、重量測定機構として上皿秤25な
どを使用することによって、高負荷でかつ高重量物系の
測定や、ある程度以上の量を必要とする不均一物質系の
測定などを簡易にかつ精度よく実施することができる。
本発明の重量変化測定装置によれば、数10g 程度の試料
の測定を正確に行うことができる。重量変化測定用器具
1の大きさに応じて試料の重量を増大させることができ
る。さらに、長時間を要する反応系の測定においても、
熱処理もしくは熱反応は重量変化測定用器具1のみを使
用して実施されるために何等問題はない。
【0041】このような重量変化測定装置は、例えば紛
体試料の各種気流中での重量変化の測定に対して有効で
あり、また紛体試料に限らず、棒状、粒状、板状などの
各種試料の重量変化の測定に対しても効果を発揮する。
【0042】また、上記した実施形態では、本発明の重
量変化測定用器具1および重量変化測定装置を、熱重量
測定(熱重量分析)に適用した例について説明したが、
本発明はこれに限られるものではなく、例えば充填層の
常温付近での吸着試験などにも適用することができる。
【0043】すなわち、試料ホルダ7内に測定用試料2
1として充填層の構成物質などを入れ、これに反応室4
内にて常温付近で吸着用のガスを流通させる。所定時間
吸着用のガスを流通させた後、熱重量測定と同様にして
測定用試料21の重量を測定し、初期重量から吸着量を
求める。このようにすることによって、常温付近での充
填層系の吸着試験を簡易にかつ精度よく実施することが
できる。
【0044】なお、本発明の重量変化測定用器具および
重量変化測定装置は、上記した例以外にも各種試料の重
量変化の測定に適用することができる。また、重量測定
機構は上皿秤25に限られるものではなく、種々装置を
使用することができる。
【0045】次に、本発明の重量変化測定用器具および
重量変化測定装置を用いた具体的な測定例について述べ
る。ここでは、炭素材料の酸化に対する鉄などの触媒作
用を調べるために、鉄を含む炭素材料の高温下での二酸
化炭素との反応による重量変化(減少)を測定した。
【0046】具体的には、まず炭素材料としてピッチコ
ークスを10〜20メッシュに粉砕し、これを硝酸鉄水溶液
に浸漬した後に乾燥させることによって、鉄を吸着させ
た。このような試料10g を試料ホルダ7に入れ、支持管
6の上端部6aに配置した後、これらは反応管本体2で
覆った。
【0047】次に、上記した試料を 900℃まで昇温し、
この温度で所定時間保持した。この際、初めは反応室4
内に窒素を流し、 900℃に到達したところで反応ガスと
して二酸化炭素を 1dm3 /minの流速で流した。反応ガス
は試料の周囲を強制的に通過させた後、支持管6内を介
して排出した。支持管6の下端部6bは開放されている
ため、反応室4内は1atmに保たれている。
【0048】上記した温度で所定時間保持した後、試料
ホルダ7を下側から押上げ、試料ホルダ7を支持管6か
ら切り離してフリーな状態とし、押上げ部材10の台座
12を上皿秤25上に静かに載せ、試料ホルダ7と測定
用試料21と押上げ部材10の重量を測定した。そし
て、予め測定しておいた試料ホルダ7と押上げ部材10
の重量を引いて反応後の試料の重量を求め、さらに試料
の初期重量を引くことによって、熱重量変化量を求め
た。
【0049】上述した測定方法によれば、 10gの炭素材
料の二酸化炭素との反応による重量減少を正確に測定す
ることが可能であった。このように、本発明の重量変化
測定用器具および重量変化測定装置を用いることによっ
て、各種試料(高重量物系など)の重量変化測定を簡易
にかつ精度よく実施することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の重量変化
測定用器具および重量変化測定装置によれば、高重量物
系や不均一物質系などの重量変化測定、特に熱重量測定
を簡易にかつ精度よく実施することが可能となる。さら
に、器具や測定精度に悪影響を及ぼすことなく、反応ガ
スなどを容易に流通させることができるため、触媒系や
充填層系などの重量変化も正確に測定することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の重量変化測定用器具の一実施形態の
概略構造を示す断面図である。
【図2】 図1に示す重量変化測定用器具の試料重量測
定時の状態を示す図である。
【図3】 本発明の重量変化測定装置の一実施形態の熱
処理時の状態を示す図である。
【図4】 図3に示す重量変化測定装置の試料重量測定
時の状態を示す図である。
【符号の説明】
1……重量変化測定用器具 2……反応管本体 3……反応管基部 6……支持管 7……試料ホルダ 10……押上げ部材 13……ガス供給管 16……ガス排出口 21……測定用試料 24……電気炉 25……上皿秤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 5/00 - 5/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に開放部を有する反応管本体と、 前記反応管本体の下部開放部を密閉するように、前記反
    応管本体と着脱可能に接合される反応管基部と、 一端が前記反応管本体内に位置し、かつ他端が前記反応
    管基部の外側に位置するように、前記反応管基部に挿入
    固定された支持管と、 前記支持管の上端部に前記支持管と着脱可能に配置さ
    れ、かつ測定用試料が収容される試料ホルダと、 前記支持管内に移動可能なように挿入され、前記測定用
    試料の重量測定時に前記試料ホルダを前記支持管から切
    り離す押上げ部材とを具備することを特徴とする重量変
    化測定用器具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重量変化測定用器具にお
    いて、 さらに、前記反応管本体内にガスを供給するガス供給部
    と、前記反応管本体内から前記ガスを排出するガス排出
    部とを具備することを特徴とする重量変化測定用器具。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の重量変化測定用器具にお
    いて、 前記ガス供給部は前記支持管の外周側に配置されると共
    に、前記反応管本体内にガス供給口が開口されたガス供
    給管を有し、かつ前記ガス排出部は前記測定用試料の周
    囲を通過した前記ガスを排出するガス排出口を有するこ
    とを特徴とする重量変化測定用器具。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の重量変化測定用器具にお
    いて、 前記測定用試料は前記試料ホルダ内に配置された通気部
    材上に載置され、かつ前記ガスは前記ガス供給口から供
    給されると共に、前記測定用試料を強制的に通過した後
    に前記支持管内を介して前記ガス排出口から排出される
    ことを特徴とする重量変化測定用器具。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の重量変化測定用器具にお
    いて、 前記ガス排出口は前記支持管の下部側に設けられ、かつ
    前記支持管の下端部は開放されていることを特徴とする
    重量変化測定用器具。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の重量変化測定用器具にお
    いて、 前記押上げ部材は上部が閉塞された管状体からなり、前
    記管状体内には前記測定用試料の温度を測定する温度検
    出器が配置されていることを特徴とする重量変化測定用
    器具。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の重量変化測定用器具と、 前記重量変化測定用器具の前記反応管基部を保持する保
    持機構と、 前記試料ホルダに収容された前記測定用試料の重量を、
    前記重量変化測定用器具の前記押上げ部材および前記押
    上げ部材により前記支持管から切り離された前記試料ホ
    ルダと共に測定する重量測定機構とを具備することを特
    徴とする重量変化測定装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の重量変化測定装置におい
    て、 さらに、前記重量変化測定用器具の前記試料ホルダに収
    容された前記測定用試料を加熱する加熱機構を具備する
    ことを特徴とする重量変化測定装置。
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