JP7163901B2 - 質量測定装置および質量測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、質量測定装置および質量測定方法に関する。
従来、物体の荷重(質量)を測定する装置の1つとして、ロードセルがある。ロードセルは、荷重変換器とも呼ばれ、荷重を電気信号に変換する装置であり、バネ式や圧電素子式、磁歪式、ジャイロ式、歪ゲージ式など、様々な方式のものが存在する。
上記様々な方式のロードセルの中でも、歪ゲージ式のロードセルがよく使用されているが、歪ゲージ式のロードセルを用いた質量測定では、熱によりロードセルを構成する金属が熱膨張し、測定値が大きく影響されることが知られている。そのため従来、熱による測定値への影響を低減する様々な技術が提案されてきた。
例えば、特許文献1には、ロードセル、ロードセルを支持する取付台およびロードセルに荷重を伝達するロッド下半部の各々をカバーで覆い、ロードセル、取付台およびロッド下半部の各々の温度を測温素子で測定し、これらの温度が一定となるように、カバーで覆った空間の温度を調整するように構成された荷重検出装置が記載されている。
また、特許文献2には、高温の測定対象物とロードセルとの間に断熱材を介在させることによって、高温の測定対象物の荷重測定を一般用のロードセルを用いて高精度に行うことを可能にする断熱荷重受座について記載されている。
特開平1-152317号公報 実開平5-59268号公報
ところで近年、試料を加熱した際に試料において生じる、蒸発や揮発などの化学反応を理解する需要がある。そのためには、試料を加熱しながら試料の質量の変化を高精度に測定することが必要である。
しかしながら、特許文献1および2に記載された装置は、いずれも天秤方式の測定装置であり、測定対象の試料を加熱しながら試料の質量を測定することは、装置設計上困難である。
そこで、本発明の目的は、測定対象の試料を加熱しながら測定対象の試料の質量を測定することができる質量測定装置および質量測定方法を提案することにある。
上記課題を解決する本発明は、以下の通りである。
[1]測定対象の試料を加熱しながら前記測定対象の試料の質量を測定する質量測定装置であって、
前記測定対象の試料を加熱するヒータを内部に備え、断熱材により構成された円筒状側壁部と底部と天井部とからなる加熱室と、
前記加熱室を収容する金属製チャンバと、
前記チャンバの上部に接続された、前記加熱室内に導入する前記測定対象の試料を交換するための試料交換室と、
前記試料交換室、前記チャンバおよび前記加熱室に亘って鉛直方向に昇降可能に配置された試料支持部材と、
前記測定対象の試料の質量を測定するロードセルと、
を備え、
前記ロードセルは前記試料支持部材の上端部に接続され、前記試料支持部材の下端部に懸垂状態で接続された前記測定対象の試料の質量を測定することを特徴とする質量測定装置。
[2]前記加熱室の前記天井部の上に輻射抑制板をさらに備える、前記[1]に記載の質量測定装置。
[3]前記試料支持部材における前記加熱室内に挿通される第1の部分が高温耐熱性材料で構成され、前記試料支持部材における前記第1の部分以外の第2の部分が金属で構成されている、前記[1]または[2]に記載の質量測定装置。
[4]前記第2の部分が前記試料支持部材内の熱伝導を抑制する熱伝導低減構造を有する、前記[3]に記載の質量測定装置。
[5]前記熱伝導低減構造は、前記第2の部分における他の部分に比べて小さな径を有する、前記[4]に記載の質量測定装置。
[6]前記熱伝導低減構造は、前記第2の部分における他の部分に比べて低い熱伝導率を有する材料で構成されている、前記[4]に記載の質量測定装置。
[7]前記断熱材は、炭素材料または酸化物系セラミックスで構成されている、前記[1]~[6]のいずれか1項に記載の質量測定装置。
[8]前記チャンバは、前記加熱室に連通して前記加熱室内にガスを導入するガス導入管と、前記加熱室内を流通した前記ガスを排出するガス排出管とを有する、前記[1]~[7]にいずれか1項に記載の質量測定装置。
[9]前記[1]~[8]のいずれか1項に記載の質量測定装置を用い、前記試料支持部材を鉛直方向に移動させて前記試料支持部材の前記下端部を前記試料交換室内に移動させ、次いで前記試料交換室において前記下端部に測定対象の試料を支持させた後、前記試料支持部材を下方に移動させて前記測定対象の試料を前記加熱室内に収容し、前記ヒータにより前記測定対象の試料を加熱しながら、前記ロードセルによって前記測定対象の試料の質量を測定することを特徴とする質量測定方法。
[10]前記測定対象の試料の質量の測定は、前記ガス導入管から不活性ガスもしくは酸素含有ガスを前記加熱室内に流通させながら行う、前記[9]に記載の質量測定方法。
[11]前記測定対象の試料を前記試料支持部材の前記下端部へ直接取り付け、前記ヒータにより前記測定対象の試料を蒸発させながら前記測定対象の試料の質量を測定する、前記[9]または[10]に記載の質量測定方法。
[12]前記試料支持部材の前記下端部に前記測定対象の試料を保持する試料保持容器を取り付けて前記測定対象の試料を前記試料保持容器内に収容し、前記ヒータにより前記測定対象の試料を溶解させて前記測定対象の試料の質量を測定する、前記[9]または[10]に記載の質量測定方法。
[13]前記測定対象の試料を加熱する前記ヒータの温度を変更して前記測定対象の試料の質量の変化を測定する、前記[12]に記載の質量測定方法。
本発明によれば、測定対象の試料を加熱しながら測定対象の試料の質量を測定することができる。
本発明による質量測定装置の好適な一例を示す図である。 (a)試料支持部材の一例、および(b)熱伝導低減構造を有する試料支持部材の一例を示す図である。 発明例1および比較例について、測定された試料の質量の時間変化を示す図である。 発明例1~3および比較例について、測定された試料の質量の時間変化を示す図である。 発明例1~3および比較例について、質量ノイズの成分を示す図である。
(質量測定装置)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明による質量測定装置の好適な一例を示している。図1に示した質量測定装置1は、加熱室10と、金属製チャンバ20と、試料交換室30と、試料支持部材40と、ロードセル50とを備える。ここで、ロードセル50は、試料支持部材40は、試料支持部材40の下端部40aに懸垂状態で接続された測定対象の試料(以下、単に「試料」とも言う。)Sの質量を測定することを特徴とする。
加熱室10は、試料Sを加熱するヒータ11を内部に備え、断熱材により構成された円筒状側壁部10aと底部10bと天井部10cとで構成されている。ヒータ11は、チャンバ20の外部に設けられた電源12に接続されており、試料支持部材40の下端部40aに保持された試料Sを加熱する。ヒータ11としては、例えば抵抗加熱式のヒータを用いることができる。また、加熱室10の下方から、加熱室10内の温度を測定する熱電対13が挿入されている。
また、加熱室10の側壁部10a、底部10bおよび天井部10cを構成する断熱材としては、例えば、高温耐熱性を有する炭素材料や、酸化物系セラミックスなどで構成することが好ましい。ここで、炭素材料としては、黒鉛や、炭素成型材、炭素繊維材などを用いることができる。また、酸化物系セラミックスとしては、酸化ジルコニアや、酸化アルミニウム、耐火レンガなどを用いることができる。
このように構成された加熱室10によって、試料支持部材40の下端部40aに支持された試料Sを、所定の測定温度まで加熱して保持することができる。
なお、図1に示すように、加熱室10の天井部10cの上に輻射抑制板23を設けることが好ましい。後述する実施例に示すように、輻射抑制板23を設けることにより、加熱室10からの輻射熱がロードセル50に照射されて加熱されるのを抑制して、ロードセル50による質量測定のノイズを低減することができる。輻射抑制板23は、炭素系断熱材や多孔質セラミックスなどの熱伝導率が低い材料で構成することができる。
チャンバ20は、加熱室10を収容する金属製の容器であり、ガスを加熱室10の内部に導入するガス導入管21と、加熱室10の内部を流通したガスを排出するガス排出管22とを有する。
ガス導入管21から導入するガスとしては、例えばアルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスや、酸素含有ガスが挙げられる。ガス導入管21から不活性ガスを加熱室10内に導入することにより、例えば、試料Sの加熱による試料Sからの蒸発物を不活性ガスとともにチャンバ20の外部に排出し、蒸発物が試料支持部材40などに付着するのを抑制して、試料Sの質量の測定精度を向上させることができる。
また、ガス導入管21から酸素含有ガスを導入することにより、例えば、金属の複雑な酸化反応での微量の質量変化を計測することができる。
試料交換室30は、加熱室10に試料Sを導入するための部屋であり、チャンバ20とロードセル50との間に配置されている。図1に示した試料交換室30は、下部にゲートバルブ31が設けられており、ゲートバルブ31を開いて試料Sを試料交換室30内に導入し、試料支持部材40の下端部40aに試料Sを支持させることができるように構成されている。この構成により、加熱室10を高温に保持したまま、試料Sのみを交換することができるため、熱処理のサイクル時間を短縮することができる。
試料支持部材40は、下端部40aにて試料Sを支持する部材であり、その上端部40bはロードセル50に接続されている。また、試料支持部材40は、加熱室10の天井部10c、輻射抑制板23、チャンバ20の天井部20aおよび試料交換室30の天井部30aに設けられた開口部10h、23h、20h、30hに挿通され、鉛直方向に昇降可能に配置されている。
試料支持部材40は、例えば、図2(a)に示すような棒状の部材とすることができる。試料支持部材40の断面形状は、円形や多角形など、適切な形状とすることができる。また、試料支持部材40の径(図2(a)に示した例においては、φ18)についても、試料支持部材40を構成する材料や強度などに応じて適切に設計することができる。
試料支持部材40を構成する材料は、加熱室10内に挿通される部分(第1の部分)40cについては、加熱室10内の高温に対する高い耐熱性を有する耐熱性を有する材料(例えば、石英ガラスやセラミックスなど)で構成されていることが好ましい。一方、上記加熱室10内に挿通される第1の部分40c以外の部分(第2の部分)40dについては、高強度かつ容易に加工ができる金属(例えば、SUSなどの合金)で構成することが好ましい。
また、上記試料支持部材40の第2の部分40dが、該第2の部分40d内の熱伝導を抑制する熱伝導低減構造40eを有することが好ましい。これにより、試料支持部材40の下端部40aからロードセル50への熱伝導を抑制して、試料Sの質量測定におけるノイズを抑制して、測定精度を向上させることができる。
上記熱伝導低減構造40eは、例えば、図2(b)に示すように、第2の部分40dにおける他の部分に比べて小さな径を有する構造(図2(b)に示した例においては、φ3、長さ120)として構成することができる。
また、熱伝導低減構造40eは、第2の部分40dにおける他の部分に比べて、低い熱伝導率を有する材料(例えば、石英ガラスやセラミックスなど)で構成することができる。
なお、図1に示した装置1においては、試料支持部材40の下端部40aには、試料保持容器41が取り付けられており、その内部に試料Sを収容するように構成されている。このような試料保持容器41を用いることによって、ヒータ11により試料保持容器41の内部で試料Sを溶解し、溶解した試料Sの質量を測定することができる。
また、試料保持容器41を用いずに、試料Sを試料支持部材40の下端部40aに直接取り付け、ヒータ11によって試料Sを加熱することによって、試料Sが蒸発する際の質量を測定することができる。
ロードセル50は、試料支持部材40の上端部40bに接続されており、試料支持部材40は、上述のように、加熱室10の天井部10c、輻射抑制板23、チャンバ20の天井部20cおよび試料交換室30の天井部30aに非接触の状態で、試料Sを支持する。そのため、ロードセル50は、試料支持部材40の下端部40aに支持された試料Sの質量を懸垂状態で測定する。本発明においては、ロードセル50としては、歪ゲージ式のロードセルを用いる。
ロードセル50には、例えばパーソナルコンピュータ(PC)で構成された解析装置51が接続されており、ロードセル50の動作を制御するとともに、ロードセル50によって測定された試料Sの質量を解析装置51における、ハードディスク(HD)や固体記憶媒体(SSD)などで構成された記憶部(図示せず)に格納するように構成されている。
こうして、本発明による質量測定装置によって、測定対象の試料を加熱しながら、測定対象試料の質量を測定することができる。
(質量測定方法)
本発明による質量測定方法は、上述した本発明による質量測定装置を用い、試料支持部材40を鉛直方向に移動させて試料支持部材40の下端部40aを試料交換室30内に移動させ、次いで試料交換室30において上記下端部40aに測定対象の試料Sを支持させた後、試料支持部材40を下方に移動させて試料Sを加熱室10内に収容し、ヒータにより試料Sを加熱しながら、ロードセル50によって試料Sの質量を測定することを特徴とする。
上述のように、本発明による質量測定装置1によって、試料Sを加熱しながら、試料Sの質量を測定することができる。具体的には、試料Sを試料支持部材の下端部41aへ直接取り付けることによって、ヒータ11により試料Sを蒸発させながら、試料Sの質量を測定することができる。
一方、図1に示したように、試料支持部材40の下端部40aに試料Sを保持する試料保持容器41を取り付けて試料Sを試料保持容器41内に収容することによって、ヒータ11により試料Sを溶解させて、溶解した試料Sの質量を測定することができる。
上記試料Sの質量の測定は、チャンバ20のガス導入管21から不活性ガスもしくは酸素含有ガスを加熱室10内に流通させながら行うことが好ましい。ガス導入管21からアルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスを導入することにより、例えば、試料Sの加熱による試料Sからの蒸発物を不活性ガスとともにチャンバ20の外部に排出し、蒸発物が試料支持部材40などに付着するのを抑制して、試料Sの質量の測定精度を向上させることができる。
また、ガス導入管21から酸素含有ガスを導入することにより、例えば、金属の複雑な酸化反応での微量の質量変化を計測することができる。
また、試料Sを加熱するヒータ11の温度を変更して、試料Sの質量の変化を測定することによって、試料Sの質量の温度依存性を調べることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
(発明例1)
図1に示した質量測定装置1において、輻射抑制板23を有していない装置を用いて、試料Sの質量を測定した。まず、測定対象の試料Sとして、黒鉛材を380g用意した。次いで、装置1における試料支持部材40を鉛直方向に移動させて試料支持部材40の下端部40aを試料交換室30内に移動させ、ゲートバルブ30bを開いて、試料Sを試料交換室30の内部に導入し、試料支持部材40の下端部40aに取り付けた。続いて、試料支持部材40を下方に移動させて試料Sを加熱室10内に収容した後、ガス導入管21からアルゴンガスを導入して加熱室10内の圧力を20Torrとした。そして、ロードセル50(規格値:3kg)による試料Sの質量測定を開始するとともに、ヒータ11により試料Sを1600℃まで加熱して4時間保持した後、ヒータ11の電源をオフにした。なお、上記測定に使用したロードセル50の規格は3kgである。測定された試料Sの質量の時間変化を図4に示す。
(発明例2)
発明例1と同様に、測定対象の試料Sの質量を測定した。ただし、図1に示したように、加熱室の天井部の上に輻射抑制板(材料:炭素成型断熱材)を配置した状態で行った。その他の条件は、発明例1と全て同じである。測定の結果、測定ノイズは69mgであった。測定された試料Sの質量の時間変化を図4に示す。
(発明例3)
発明例2と同様に、測定対象の試料Sの質量を測定した。ただし、図1に示したように、試料支持部材40として、図2(b)に示した熱伝導低減構造を有するものを用いた。その他の条件は、発明例2と全て同じである。測定された試料Sの質量の時間変化を図4に示す。
(比較例)
発明例1と同様に、測定対象の試料Sの質量を測定した。ただし、質量の測定は、試料Sを試料交換室30内に配置した状態で行った。その他の条件は、発明例1と全て同じである。測定された試料Sの質量の時間変化を図4に示す。
<ロードセルによる質量測定への熱の影響>
ロードセル50による質量測定への熱の影響を調べた。図3は、発明例1および比較例について、測定された試料Sの質量の時間変化を示している。図3において、三角プロットは、熱電対13によって測定された加熱室10内の温度を示している。
図3から、試料Sを試料交換室30内に配置した状態で試料Sの質量を測定した比較例については、加熱室10内の温度が変化しても、質量の測定値は変化せず、ほぼ一定である。これに対して、試料Sを加熱室10内に配置した状態で試料Sの質量を測定した発明例1については、加熱室10内の温度が変化すると、質量の測定値が大きく変化することが分かる。
図4は、発明例1~3および比較例について、測定された試料の質量の時間変化を示している。図4から、試料Sを試料交換室30内に配置した状態で質量測定を行った比較例については、質量の測定値の時間変化は小さいことが分かる。これに対して、輻射抑制板23が設けられていない装置1を用いて質量測定を行った発明例1については、質量の測定値は、時間の経過とともに大きく変化することが分かる。これに対して、輻射抑制板23が設けられた装置1を用いて質量測定を行った発明例2については、質量の測定値の時間変化が大きく低減されていることが分かる。そして、輻射抑制板23が設けられ、かつ試料支持部材40に熱伝導低減構造40eが設けられた装置1を用いて質量測定を行った発明例3については、質量の測定値の時間変化がさらに低減されており、比較例に匹敵する程度まで質量変化が低減されていることが分かる。
また、発明例1~3および比較例について、測定された質量の時間変化から、質量ノイズを求めた。その際、「質量ノイズ」は、測定中に温度が安定していた3時間の中での質量測定値の最大値と最小値との差として定義した。得られた結果を表1に示す。
Figure 0007163901000001
図5は、発明例1~3および比較例について、質量ノイズの成分を示している。図5から、質量測定の際にヒータ11からの熱輻射に対して対策を施していない発明例1については、熱輻射による質量ノイズが大きいことが分かる。これに対して、輻射抑制板23を設けてヒータ11からの熱輻射に対して対策を施した発明例2については、熱輻射による質量ノイズはほぼ完全に除去されていることが分かる。さらに、熱伝導低減構造40eを設けて試料支持部材40を介した熱伝導に対して対策を施した発明例3については、さらに熱伝導による質量ノイズが大きく低減されていることが分かる。
なお、図5における点線は、ロードセル規格値の5万分の1の時間変化に対応する質量ノイズの値(60mg)を示している。近年、従来のロードセル規格値の1万分の1の時間変化よりも、さらに小さい時間変化を伴う化学反応(例えば、シリコン融液表面での酸化シリコンの蒸発反応や、重金属の揮発反応など)を理解する需要が多数存在する。これらの化学反応での質量変化を把握するためには、質量ノイズのレベルをロードセル規格値の5万分の1に抑制する必要があるが、従来の装置においてこれを実現するものはなかった。これに対して、図5から明らかなように、発明例3については、質量ノイズが上記ロードセル規格値の5万分の1未満に抑制できていることが分かる。
なお、発明例1の質量ノイズは、発明例3よりも大きいが、ロードセル規格値の1万分の1の時間変化に対応するノイズ値300mgよりも小さく、加熱による質量変化が300mgよりも大きな反応については測定可能である。
本発明によれば、測定対象の試料を加熱しながら測定対象の試料の質量を測定することができるため、半導体産業などにおいて有用である。
1 質量測定装置
10 加熱室
10a 側壁部
10b 底部
10c,20a,30a 天井部
10h,20h,23h,30h 開口部
11 ヒータ
12 電源
13 熱電対
20 チャンバ
21 ガス導入管
22 ガス排出管
23 輻射抑制板
30 試料交換室
30b ゲートバルブ
40 試料支持部材
40a 下端部
40b 上端部
40c 第1の部分
40d 第2の部分
40e 熱伝導低減構造
41 試料保持容器
50 ロードセル
51 解析装置
60 昇降手段
70 支持手段
S 測定対象の試料

Claims (13)

  1. 測定対象の試料を加熱しながら前記測定対象の試料の質量を測定する質量測定装置であって、
    前記測定対象の試料を加熱するヒータを内部に備え、断熱材により構成された円筒状側壁部と底部と天井部とからなる加熱室と、
    前記加熱室を収容する金属製チャンバと、
    前記チャンバの上部に接続された、前記加熱室内に導入する前記測定対象の試料を交換するための試料交換室と、
    前記試料交換室、前記チャンバおよび前記加熱室に亘って鉛直方向に昇降可能に配置された試料支持部材と、
    前記測定対象の試料の質量を測定するロードセルと、
    を備え、
    前記ロードセルは前記試料支持部材の上端部に接続され、前記試料支持部材の下端部に懸垂状態で接続された前記測定対象の試料の質量を測定することを特徴とする質量測定装置。
  2. 前記加熱室の前記天井部の上に輻射抑制板をさらに備える、請求項1に記載の質量測定装置。
  3. 前記試料支持部材における前記加熱室内に挿通される第1の部分が高温耐熱性材料で構成され、前記試料支持部材における前記第1の部分以外の第2の部分が金属で構成されている、請求項1または2に記載の質量測定装置。
  4. 前記第2の部分が前記試料支持部材内の熱伝導を抑制する熱伝導低減構造を有する、請求項3に記載の質量測定装置。
  5. 前記熱伝導低減構造は、前記第2の部分における他の部分に比べて小さな径を有する、請求項4に記載の質量測定装置。
  6. 前記熱伝導低減構造は、前記第2の部分における他の部分に比べて低い熱伝導率を有する材料で構成されている、請求項4に記載の質量測定装置。
  7. 前記断熱材は、炭素材料または酸化物系セラミックスで構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の質量測定装置。
  8. 前記チャンバは、前記加熱室に連通して前記加熱室内にガスを導入するガス導入管と、前記加熱室内を流通した前記ガスを排出するガス排出管とを有する、請求項1~7にいずれか1項に記載の質量測定装置。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の質量測定装置を用い、前記試料支持部材を鉛直方向に移動させて前記試料支持部材の前記下端部を前記試料交換室内に移動させ、次いで前記試料交換室において前記下端部に測定対象の試料を支持させた後、前記試料支持部材を下方に移動させて前記測定対象の試料を前記加熱室内に収容し、前記ヒータにより前記測定対象の試料を加熱しながら、前記ロードセルによって前記測定対象の試料の質量を測定することを特徴とする質量測定方法。
  10. 前記測定対象の試料の質量の測定は、前記ガス導入管から不活性ガスもしくは酸素含有ガスを前記加熱室内に流通させながら行う、請求項9に記載の質量測定方法。
  11. 前記測定対象の試料を前記試料支持部材の前記下端部へ直接取り付け、前記ヒータにより前記測定対象の試料を蒸発させながら前記測定対象の試料の質量を測定する、請求項9または10に記載の質量測定方法。
  12. 前記試料支持部材の前記下端部に前記測定対象の試料を保持する試料保持容器を取り付けて前記測定対象の試料を前記試料保持容器内に収容し、前記ヒータにより前記測定対象の試料を溶解させて前記測定対象の試料の質量を測定する、請求項9または10に記載の質量測定方法。
  13. 前記測定対象の試料を加熱する前記ヒータの温度を変更して前記測定対象の試料の質量の変化を測定する、請求項12に記載の質量測定方法。
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