JP3194619B2 - 6bガス用副室式ガス機関 - Google Patents

6bガス用副室式ガス機関

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、6Bガスを常用燃料
として運転される副室式ガス機関に関するものである。
【0002】
【従来の技術】副室式ガス機関は燃料のみあるいは濃混
合気を副室に供給すると共に主室には希薄混合気を供給
し、副室の燃料に先に点火して主室内の燃料を燃焼させ
るものであり、燃費の向上や排気の浄化が容易になる利
点を備えている。特に燃料が13Aガスの場合は希薄混
合気を良好に燃焼させるのに副室式が適しており、副室
式機関が用いられることが多いが、燃料が6Bガスの場
合には、副室式でなくても希薄混合気を良好に燃焼させ
ることができるため、副室式の機関はこれまで使用され
ていなかった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】6Bガスを常用燃料として副室式ガス機関
を運転することは、今後の燃料事情の変化等に対する対
応性を向上するために必要と考えられる。しかし、従来
の6Bガスによる単室式機関の運転では、負荷投入時に
機関回転数が低下するという問題があり、また6Bガス
は混合気を希薄にしても失火しにくい反面、濃い場合に
は逆火しやすいという特性があるため、単に13Aガス
を用いている副室式ガス機関の燃料を6Bガスに置き換
えるだけでは安定した運転は望めず、6Bガスに適した
機関になるように改良する必要がある。この発明は上述
のような問題点に着目し、6Bガスで運転される副室式
ガス機関の実用性を向上することを課題としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、第1の発明では、6Bガスを燃料として運転され
る副室式ガス機関において、負荷状態を検出する負荷検
出手段と、急激な負荷投入が検出された時に吸気管内に
燃料を追加供給すると共に副室に供給する燃料を一時的
に遮断する燃料制御手段、とを設けている。また第2の
発明では、6Bガスを常用燃料として運転される副室式
ガス機関において、6Bガス用のミキサーの上流側に直
列に液化石油ガス用のミキサーを設けると共に、燃料を
6Bガスから液化石油ガスに切り替えるための燃料切替
手段を設けている。また第3の発明では、6Bガスを常
用燃料として運転される副室式ガス機関において、本体
内部が大容量部と小容量部に二分されたミキサーを用
い、燃料として6Bガスが用いられる場合には大容量部
と小容量部の両方に供給されるように配管し、また燃料
として液化石油ガスが用いられる場合には小容量部のみ
に供給されるように配管することにより、燃料が6Bガ
スの場合は大容量部と小容量部に設けられているガス供
給口の全部から混合部に燃料を供給すると共に、燃料が
液化石油ガスの場合は小容量部に設けられているガス供
給口から混合部に燃料を供給するように構成している。
【0005】
【作用】第1の発明においては、急激な負荷投入時に吸
気管内に燃料が追加供給されるので機関回転数の低下が
少なくなり、副室に供給する燃料が一時的に遮断される
ため逆火が防止される。また第2の発明においては、6
Bガスに対して理論空燃比が大きく、吸気量の多い液化
石油ガス用のミキサーを上流側に設けているので、何ら
かの事情で6Bガスの供給が停止されても液化石油ガス
に切り替えて運転でき、また6Bガス用のミキサーまで
の吸気管を太くできるためこの部分での圧力損失が低減
される。また第3の発明においては、燃料が液化石油ガ
スの場合にはガス供給口の一部から混合部に燃料が供給
されるので、同一のミキサーを理論空燃比が異なる6B
ガスと液化石油ガスの両方に使用でき、しかも燃料の切
り替え時におけるミキサーの切り替え操作は不要であ
る。
【0006】
【実施例】以下、図示の各実施例について説明する。図
1は第1の発明の実施例の構成を示す概略図であり、1
はガス機関、2は主室、3は副室、4は点火栓、5はチ
ェックバルブ、6は吸気弁、7は排気弁、8は吸気管、
9はスロットル弁、10はガバナ、11は過給機、12
はミキサー、15は燃料配管、16はコンプレッサ、1
7は副室3への燃料供給路、18は電磁弁、19はガス
レギュレータ、21は吸気管8への追加燃料供給路、2
2は電磁弁である。6Bガス25はミキサー12で空気
26と混合されて希薄混合気となり、過給機11で圧縮
して吸気管8から主室2に供給される。また副室用の6
Bガスは、コンプレッサ16で圧縮された後レギュレー
タ19で調圧され、チェックバルブ5を経て副室3に供
給される。上記のミキサー12は6Bガスの理論空燃比
に対応した仕様のものが使用されている。
【0007】追加燃料供給路21はコンプレッサ16の
出口と吸気管8の間に設けられており、先端のガス投入
口21aは吸気管8のスロットル弁9より上流の部分に
開口し、その途中に電磁弁22が設けられている。電磁
弁18及び22はガバナ10から出力される駆動信号S
1によって作動するもので、急激な負荷投入によってス
ロットル弁9の開度が急増した場合に、一時的に電磁弁
18が閉じ、電磁弁22が開くようになっている。な
お、ガバナ10としては機械式、電子式のいずれでも使
用可能であり、電子ガバナの場合は図示は省略してある
が吸気圧センサや回転数センサを設けて負荷を検出し、
コントローラから電磁弁の駆動信号を出力するように構
成される。
【0008】この実施例は上述のような構成であり、6
Bガスによって副室運転が行われるが、急激な負荷投入
時には電磁弁22が開いてコンプレッサ16で圧縮され
た燃料が追加燃料供給路21から吸気管8に供給され、
同時に電磁弁18が閉じて燃料供給路17からの副室3
への燃料供給が停止される。このため、機関の出力が一
時的に増大して負荷投入による機関回転数の低下が抑え
られ、また副室3に濃い燃料が供給されることが停止さ
れるので逆火の発生は防止される。なお、6Bガスは失
火しにくいので副室3に燃料が供給されなくても失火は
生じない。
【0009】図2はこの負荷投入時のタイムチャートで
あり、追加燃料供給路21から吸気管8に燃料が供給さ
れない場合には、機関回転数の変動が破線で示すように
大きくなるのに対して、実施例では実線のように変動が
小さく、速やかに定常状態に戻る。従って、機関が発電
機駆動用に用いられた場合でも周波数変動が少なくな
り、安定した運転が可能となるのである。
【0010】図3は第2の発明の実施例の構成を示す概
略図である。この実施例は6Bガスを常用燃料として、
また液化石油ガスを非常用燃料として使用すると共に、
それぞれ空燃比制御を行う構成となっている。図におい
て、31は6Bガス用のミキサー12より上流側に配置
された液化石油ガス用のミキサー、32はその空燃比制
御弁、33は電磁弁、34は6Bガス用の空燃比制御
弁、35は電磁弁、36はガスレギュレータ、37はプ
ロパンなどの液化石油ガスのボンベ、38及び39は電
磁弁、41は回転数センサ、42は吸気圧センサ、43
はコントローラであり、その他は図1中の対応するもの
と同一の符号でそれぞれ示してある。上記のミキサー3
1は液化石油ガスの理論空燃比に対応した仕様のものが
使用されており、燃料配管15はレギュレータ36の下
流で枝管15aと15bの二つに分かれてミキサー12
と31にそれぞれ接続されている。
【0011】この実施例は上述のような構成であり、常
時は電磁弁35及び39を開き、電磁弁33及び38を
閉じており、6Bガス25をガスレギュレータ36で調
圧した後、ミキサー12で空気26と混合して主室2に
供給すると共に、副室3にも供給して6Bガスによる運
転を行う。また、6Bガス25の供給に支障が生じた場
合には非常信号44がコントローラ43に入力され、電
磁弁35及び39が閉じられると共に電磁弁33及び3
8が開かれ、液化石油ガス45がガスレギュレータ36
で調圧され、ミキサー31で空気26と混合されて主室
2に供給されると共に、副室3にも液化石油ガス45が
供給されて液化石油ガスによる運転が行われる。
【0012】これらの運転の際には、回転数センサ41
で検出した機関回転数と吸気圧センサ42で検出したス
ロットル下流の圧力を基にしてステップモータ32aあ
るいは34aの駆動ステップ数をコントローラ43で演
算し、空燃比制御弁32あるいは34の開度を制御する
ことにより空燃比制御が実施される。各ステップモータ
32a及び34aの駆動ステップ数はそれぞれマップの
形であらかじめコントローラ43のメモリに記憶させて
ある。
【0013】以上のように、燃料を切り替えることによ
って非常時に液化石油ガスを燃料として運転することが
できるので、非常用機関を別に準備する必要がなく設備
が合理化される。また各ガス用のミキサーを直列に配置
しているので全体として小形化することができ、液化石
油ガス用のミキサー31を上流側に設置してあるので圧
力損失が小さくなり、6Bガスによる運転時の出力ダウ
ンを小さく抑えることができる。なお、実施例のように
別々に空燃比制御弁とミキサーを設けることにより、空
燃比制御を適切に行うことが容易となる。
【0014】図4は第3の発明の実施例の構成を示す概
略図である。この実施例は、図3の場合と同様に6Bガ
スを常用燃料として、また液化石油ガスを非常用燃料と
して使用すると共に、それぞれ空燃比制御を行う構成と
なっており、図5に示すような構造のミキサーを理論空
燃比が異なる6Bガスと液化石油ガスの両方に使用して
運転するようになっている。図4において、50はミキ
サーであり、その他は図1あるいは図3中の対応するも
のと同一の符号でそれぞれ示してある。
【0015】図5のように、ミキサー50はベンチュリ
型のものであり、中空の環状本体51の内径が小さくな
った部分に複数個のガス供給口52を等間隔に配列した
構造となっている。図の(b)に示すように、環状本体5
1の内部は仕切られて大容量部51aと小容量部51b
に二分され、それぞれに燃料配管15a及び15bから
燃料が送り込まれるようになっており、大容量部51a
と小容量部51bは全周をほぼ3対1の割合で分割した
大きさで形成されている。なお、6Bガス側の枝管15
aには電磁弁35が設けられているが、液化石油ガス側
の枝管15bには図3の電磁弁33に相当する電磁弁は
設けられていない。
【0016】この実施例は上述のような構成であって、
常時は電磁弁35及び39を開き、電磁弁38を閉じて
運転されており、6Bガス25はガスレギュレータ36
で調圧された後、ミキサー50の大容量部51aと小容
量部51bの両方に各枝管15a及び15bから供給さ
れる。従って、大容量部51aと小容量部51bのすべ
てのガス供給口52から燃料が空気通路53に噴出して
混合気が生成されるのであり、ミキサー50はこの状態
の時に6Bガスに適した所定の混合比が得られるように
ガス供給口52の大きさなどの諸元が選定されている。
【0017】また、液化石油ガス45が使用される場合
には電磁弁35及び39が閉じられると共に電磁弁38
が開かれ、液化石油ガス45がガスレギュレータ36で
調圧された後、枝管15bから小容量部51bのみに供
給されるが、小容量部51bは上述のように全周の1/
4に設けられてガス供給口52の個数が全体の1/4と
なっているので、空気通路53に噴出する燃料の量も1
/4となる。6Bガスと液化石油ガスの理論空燃比はほ
ぼ1対4であるあるから、上述のように空気通路53に
噴出する燃料量が1/4になることにより液化石油ガス
に適した所定の混合比が自動的に得られ、液化石油ガス
による運転が可能となるのである。
【0018】以上のように、燃料を切り替えることによ
って非常時に液化石油ガスを燃料として運転することが
でき、図3の実施例と同様に非常用機関が不要になるほ
か、ミキサーが1個で済むため小形化できると共に、圧
力損失が小さくなって機関出力の低下を専用機関と同程
度に保持することができる。この場合、副室3は最初か
ら液化石油ガスに対応した仕様にしておけばよく、6B
ガスの場合でも特に支障なく運転することができる。ま
た、空燃比制御は燃料が6Bガスでも液化石油ガスでも
図3の実施例に準じて同様に実施される。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、この出
願の発明は運転特性を改善し、あるいは非常時に液化石
油ガスを燃料として運転できるようにすることにより、
6Bガスで運転される副室式ガス機関の実用性を向上し
たものである。特に第1の発明は、急激な負荷投入時に
吸気管内に燃料を追加供給すると共に副室に供給する燃
料を一時的に遮断するようにしたものであり、負荷投入
時の機関回転数の低下が少なく、また逆火が防止されて
安定した運転が可能となる。
【0020】また第2の発明は、6Bガス用のミキサー
の上流側に直列に液化石油ガス用のミキサーを設けると
共に燃料の切替手段を設けたものであり、6Bガスの供
給が停止されても液化石油ガスに切り替えて運転するこ
とができるので非常用機関が不要になり、吸気管での圧
力損失が小さいので6Bガス使用時の出力低下を小さく
抑えることができる。また第3の発明は、ミキサーの構
造を改良して同一のミキサーを6Bガスと液化石油ガス
の両方に使用して燃料を切り替えることができるように
したものであり、非常用機関が不要になるほか、小形化
や機関出力の低下を小さくすることができ、燃料の切り
替えの際にミキサーの切り替え操作は不要なため、燃料
の切り替えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例の概略構成図である。
【図2】同実施例の動作を説明するためのタイムチャー
トである。
【図3】第2の発明の一実施例の概略構成図である。
【図4】第3の発明の一実施例の概略構成図である。
【図5】同実施例のミキサーの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 副室式ガス機関 3 副室 8 吸気管 10 ガバナ 12,31,50 ミキサー 18,22,33,35,38,39 電磁弁 21 追加燃料供給路 25 6Bガス 32,34 空燃比制御弁 37 液化石油ガスのボンベ 43 コントローラ 45 液化石油ガス 51a 大容量部 51b 小容量部 52 ガス供給口
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 21/02 301 F02M 21/02 301Q 37/00 341 37/00 341D (56)参考文献 特開 昭60−145452(JP,A) 特開 平3−275970(JP,A) 特開 昭64−24155(JP,A) 特開 平2−81925(JP,A) 特開 昭63−186925(JP,A) 特開 昭49−1917(JP,A) 特開 昭64−24154(JP,A) 特開 昭60−252152(JP,A) 特開 平5−156974(JP,A) 特開 平3−145524(JP,A) 特開 昭63−246460(JP,A) 実開 平3−89967(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 19/00 - 19/10 F02B 19/10 F02M 21/00 - 21/04 F02M 37/00 341

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 6Bガスを燃料として運転される副室式
    ガス機関であって、負荷状態を検出する負荷検出手段
    と、急激な負荷投入が検出された時に吸気管内に燃料を
    追加供給すると共に副室に供給する燃料を一時的に遮断
    する燃料制御手段、とを備えたことを特徴とする6Bガ
    ス用副室式ガス機関。
  2. 【請求項2】 6Bガスを常用燃料として運転される副
    室式ガス機関であって、6Bガス用のミキサーの上流側
    に直列に液化石油ガス用のミキサーを設けると共に、燃
    料を6Bガスから液化石油ガスに切り替えるための燃料
    切替手段を設けたことを特徴とする6Bガス用副室式ガ
    ス機関。
  3. 【請求項3】 6Bガスを常用燃料として運転される副
    室式ガス機関であって、本体内部が大容量部と小容量部
    に二分されたミキサーを用い、燃料として6Bガスが用
    いられる場合には大容量部と小容量部の両方に供給され
    るように配管し、また燃料として液化石油ガスが用いら
    れる場合には小容量部のみに供給されるように配管する
    ことにより、燃料が6Bガスの場合は大容量部と小容量
    部に設けられているガス供給口の全部から混合部に燃料
    を供給すると共に、燃料が液化石油ガスの場合は小容量
    部に設けられているガス供給口から混合部に燃料を供給
    するように構成したことを特徴とする6Bガス用副室式
    ガス機関。
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