JP3193703B2 - アミジノ基置換芳香族化合物の製造中間体 - Google Patents

アミジノ基置換芳香族化合物の製造中間体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性化血液凝固第
X因子(以下FXaと略す)を可逆的に阻害して強力な
抗凝固作用を示す経口投与可能な新規なアミジノ基置換
芳香族化合物の製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血栓形成抑制剤としては抗トロン
ビン剤の開発が広く行なわれてきたが、この抗トロンビ
ン剤は、抗凝固作用とともにトロンビンによる血小板の
凝集作用も併せて抑制することから出血傾向をきたすこ
とが知られていた。そこで、トロンビン阻害作用以外の
作用に基づく抗凝固剤の開発が進められ、この中からF
Xa阻害作用に基づく抗凝固剤として次式(3)で表わ
される1,2−ビス(5−アミジノ−2−ベンゾフラニ
ル)エタン(以下DABEと略す)〔トロンボシスリサ
ーチ(THROMBOSIS RESEARCH)19
巻,339−349ページ,1980年〕が見い出され
た。
【0003】
【化1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この化
合物(3)はFXa阻害作用だけでなくトロンビン阻害
作用をも有し、これらの作用の分離が不充分な上、水溶
性が甚だ低く、経口投与では抗凝固作用を示さない等の
欠点を有する。従って、更にFXaに特異的で活性が高
く、かつ溶解性が良好で経口投与でも有効な薬剤の開発
が臨床上望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記実状に鑑み本発明者
らは、種々のアミジノ基置換芳香族化合物を合成し、そ
の薬理作用を鋭意検討した結果、新規のアミジノ基置換
芳香族化合物又はその塩が、良好な水溶性を有し、経口
投与においても強くFXaを特異的かつ可逆的に阻害し
て強力な抗凝固作用を示し、血栓・塞栓に基づく種々の
疾病の予防並びに治療薬として有用であることを見い出
した。更に、7−メチル−2−ナフタレンカルボキサミ
ド、7−(ブロモメチル)−2−ナフタレンカルボニト
リル、及び〔(7−シアノ−2−ナフチル)メチル〕ト
リフェニルホスホニウムブロミドが、その製造中間体と
して有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は7−メチル−2−ナフ
タレンカルボキサミド、7−(ブロモメチル)−2−ナ
フタレンカルボニトリル、及び〔(7−シアノ−2−ナ
フチル)メチル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の製造中間体を用いて製造
される目的化合物は、次の一般式(1)
【0008】
【化2】
【0009】〔式中、R1はカルボキシル基、アルコキ
シカルボニル基、カルボキシメチル基又はアルコキシカ
ルボニルメチル基を意味し、R2及びR3は各々独立して
水素原子、又はカルボキシル基もしくはアルコキシカル
ボニル基が置換していてもよい炭素数1〜6のアルキル
基を意味し、m及びnは各々独立して0〜3の整数を意
味する。X及びYは各々独立して酸素原子、イオウ原
子、エテニル基(−CH=CH−)又は下記の式(2)
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R4は水素原子、又はカルボキシ
ル基もしくはアルコキシカルボニル基が置換していても
よい炭素数1〜6のアルキル基を意味する)で示される
基を意味する〕で表わされるアミジノ基置換芳香族化合
物又はその塩である。
【0012】一般式(1)で表される化合物に於て、炭
素数1〜6のアルキル基としては直鎖状、及び分枝状の
いずれをも挙げることができ、具体例としてはメチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二級又は
第三級ブチル、ペンチル及びヘキシル基等が挙げられ
る。また、アルコシキカルボニル基又はアルコキシカル
ボニルメチル基中のアルコシキ基としては炭素数1〜6
のものを挙げることができ、具体例としてはメトキシ、
エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、第
二級又は第三級ブトキシ、ペンチルオキシ、あるいはヘ
キシルオキシ基等が挙げられる。
【0013】化合物(1)にはR1が結合する炭素に、
更にはR2あるいはR3に置換基として選択されることも
あるアルキル基に由来する光学異性体あるいは立体異性
体が存在するが、これらの光学異性体、立体異性体及び
これらの混合物のいずれも本発明に含まれる。
【0014】化合物(1)の塩としては、医薬的に許容
し得る塩であれば特に限定されないが、具体的には、塩
酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、燐酸塩、硝酸
塩、硫酸塩等の鉱酸塩類;メタンスルホン酸塩、2−ヒ
ドロキシエタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸
塩等の有機スルホン酸塩類;並びに酢酸塩、プロパン酸
塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸
塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸
塩、マンデル酸塩等の有機カルボン酸塩類が挙げられ
る。
【0015】化合物(1)は、例えば以下の反応式に従
って製造することができる。
【0016】
【化4】
【0017】(式中、X、Y、m、n、R1、R2及びR
3は前記に同じであり、pは0〜1の整数を意味し、R5
は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基を意味し、
6は炭素数1〜6のアルキル基を意味する)
【0018】すなわち、式(4)で表わされるニトリル
体にハロゲン化水素の存在下アルコール(R6OH)を
反応させ、得られるイミノエーテル体(5)にアンモニ
アを反応させることにより、アミジノ基置換芳香族化合
物(1a)が製造される。さらに当該化合物(1a)を
加水分解することにより、カルボン酸誘導体(1b)を
製造することができる。
【0019】ニトリル体(4)とアルコール(R6
H)との反応は、例えば塩化水素、臭化水素等のハロゲ
ン化水素の存在下、等量〜大過剰のメタノール、エタノ
ール、プロパノール等の炭素数1〜6のアルコール(R
6OH)を作用させることにより行なわれる。必要なら
ば溶媒として、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル
類、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化
水素類、ベンゼン等の非プロトン性溶媒、又はこれらの
混合溶媒を使用してもよい。反応は通常零下10℃〜摂
氏60℃の温度で3〜120時間行なわれる。好ましく
は大過剰のメタノール、あるいはエタノール存在下クロ
ロホルム又はジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を
溶媒として摂氏0〜30℃で10〜70時間行なわれ
る。
【0020】得られたイミノエーテル体(5)とアンモ
ニアとの反応は、例えばイミノエーテル体(5)にエタ
ノール、プロパノール等の炭素数1〜6のアルコール
類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン等の非プロト
ン性溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルス
ルホキシド等の溶媒中あるいはこれらの混合溶媒中アン
モニアを作用させることにより行なわれる。この反応は
通常、零下10℃〜摂氏140℃の温度で0.5〜20
0時間行なわれる。好ましくはエタノール中摂氏10〜
30℃で10〜40時間行なわれる。
【0021】さらに得られたアミジノ基誘導体(1a)
の加水分解反応は、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸あるいは
トシル酸等の有機酸の水溶液中0℃〜加熱還流の条件下
処理することにより行なわれる。
【0022】かくして得られるアミジノ基置換芳香族化
合物(1)及びその塩は、特異的かつ優れたFXa阻害
作用を有し、血液凝固抑制剤、血栓・塞栓の予防・治療
剤として有用である。この化合物(1)は経口でも効果
を発揮するため、経口、非経口のいずれでも投与するこ
とができる。化合物(1)の投与量は患者の症状、年
齢、体重等により適宜増減してもよい。一般的には経口
投与の場合成人1人当り10〜600mg/日、より好ま
しくは50〜300mg/日が適当である。投与剤型とし
ては錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が挙げられる。
これらは通常の賦形剤、滑沢剤、結合剤等の添加物と共
に、公知の製剤技術により製造できる。又、非経口投与
の場合成人1人当り0.1〜100mg/日、好ましくは
1〜30mg/日を皮下、静脈内注入、点滴静脈内注入す
るのが適当である。
【0023】本発明の製造中間体は、例えば後記実施例
1に示す方法により製造することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の化合物は、化合物(1)の製造
中間体として有用なものである。化合物(1)は特異的
なFXa阻害作用に基づく優れた抗血液凝固作用を示
す。従って、化合物(1)は何ら血小板には作用するこ
となく、血栓並びに塞栓によって引き起こされる各種疾
病例えば脳梗塞、脳塞栓、心筋梗塞、肺梗塞、肺塞栓、
バージャー病、深部静脈血栓症、汎発性血管内凝固症候
群、人工弁置換後の血栓形成、血行再建術後の再閉塞、
及び血液体外循環時の血栓形成などを治療又は予防する
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、参考例、実施例及び試験例を挙げて本
発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって
限定されるものではない。
【0026】参考例1 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−2−オキソ
酢酸 メチルエステル a)ダン等の方法〔リービッヒ・アンナーレン・デア・
ケミエ,1982年,1836−1869ページ〕によ
り得た2−アセチル−5−ベンゾフランカルボニトリル
21.0gをジクロロメタン300mlに溶解したもの
に、撹拌下零下10℃で臭素18.2gのジクロロメタ
ン30ml溶液を滴下した。氷冷まで昇温し、反応液にク
ロロホルムを加えたものを、10%チオ硫酸ナトリウム
水溶液で洗浄した。有機層を乾燥後濃縮乾固して得た粗
結晶をベンゼンとn−ヘキサンの混合物より再結晶して
無色結晶の2−(2−ブロム−1−オキソエチル)−5
−ベンゾフランカルボニトリル21.0gを得た。 mp 156-158℃1 H-NMR(CDCl3)δ:4.44(2H,s),7.60-7.90(3H,m),8.11(1
H,s) FD MS(m/z):263(M+),265(M+) b)二酸化ゼレン444mgを乾燥メタノール10mlに熱
時溶解したものに、a項で得た2−(2−ブロム−1−
オキソエチル)−5−ベンゾフランカルボニトリル1.
056gを加え、12時間加熱還流した。冷後不溶物を
ろ去し、濃縮乾固して得た残留物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し、トルエンと酢酸エチルエステ
ルの混合溶媒で流出し、無色針状晶の標題化合物129
mgを得た。 mp 196-199℃1 H-NMR(CDCl3)δ:4.03(3H,s),7.66-7.96(2H,m),8.17(2
H,s) FD MS(m/z):229(M+)
【0027】実施例1 〔(7−シアノ−2−ナフチル)メチル〕トリフェニル
ホスホニウム ブロミド
【0028】
【化5】
【0029】a)アドコック等の方法〔オーストラリア
ン・ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアティ,19
65年,18巻,1351−1364〕により得た7−
メチル−2−ナフタレンカルボン酸11.0gを塩化チ
オニル70mlと混合し4時間加熱還流した。反応液を濃
縮乾固して得た残渣に、冷却下濃アンモニア水300ml
を加え溶解して室温にて3時間攪拌した。反応液を酢酸
エチルにて抽出し、水、飽和食塩水にて洗浄し、乾燥後
溶媒を留去して無色針状晶の下記式で表わされる7−メ
チル−2−ナフタレンカルボキサミド8.5gを得た。
【0030】
【化6】
【0031】mp 210-212℃1 H-NMR(DMSO-d6):2.50(3H,s), 7.40-8.50(6H,m)
【0032】b)a項で得た7−メチル−2−ナフタレ
ンカルボキサミド8.0gをテトラヒドロフラン100
mlに懸濁したものに、室温でトリフェニルホスフィン2
2.66gの四塩化炭素100ml溶液を加えた。室温に
て30分攪拌後浴温60℃にて40時間攪拌した。室温
まで冷却し不溶物をろ去、ろ液を減圧濃縮した。得られ
た残留物28.35gをシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに付し、n−ヘキサンと酢酸エチルエステルの混
合溶媒で流出し、無色鱗片状晶の7−メチル−2−ナフ
タレンカルボニトリル5.73gを得た。 mp 134-136℃1 H-NMR(CDCl3):2.54(3H,s), 7.40-8.20(6H,m)
【0033】c)b項で得た7−メチル−2−ナフタレ
ンカルボニトリル5.7gを四塩化炭素100mlに懸濁
したものにN−ブロムコハク酸イミド6.37g、2,
2−アゾジ−iso−ブチロニトリル(30mg)を加え
2時間加熱還流した。反応液をジクロロメタンにて希釈
したものを、水、飽和食塩水にて洗浄し乾燥した。溶媒
を留去し、下記式で表わされる7−(ブロモメチル)−
2−ナフタレンカルボニトリル8.34gを淡黄色針状
晶として得た。
【0034】
【化7】
【0035】1 H-NMR(CDCl3)δ:4.65(2H,s), 7.55-8.28(6H,m)
【0036】d)c項で得た7−(ブロモメチル)−2
−ナフタレンカルボニトリル8.34gをキシレン20
0mlに溶解したものにトリフェニルホスフィン11.6
gを加え、16時間加熱還流した。ジエチルエーテルを
加え析出晶をろ取、乾燥して標題化合物12.10gを
得た。1 H-NMR(CDCl3)δ:5.96(2H,d,J=15.3Hz), 7.10-8.00(21
H,m)
【0037】参考例2 (6−シアノ−1−メチル−2−インドリル)メチルト
リフェニルホスホニウムブロミド a)ダン等の方法〔リービッヒ・アンナーレン・デア・
ケミエ,1986年,438−455ページ〕により得
た6−シアノ−2−インドールカルボン酸 メチルエス
テル1.5gをN,N−ジメチルホルムアミド20mlに
溶解したものに、氷冷撹拌下60%水素化ナトリウム3
20mgを加え、室温にて10分間撹拌した。ついで、ヨ
ウ化メチル0.47mlを加え室温にて2時間撹拌した。
反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え析出晶をろ
取、メタノールにて洗浄した。得られた結晶をジクロロ
メタンとメタノールの混合物より再結晶して6−シアノ
−1−メチル−2−インドールカルボン酸 メチルエス
テル1.4gを得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.92(3H,s),4.10(3H,s),7.42(1H,
s),7.52(1H,dd),7.98(1H,d),8.38(1H,br) b)a項で得た6−シアノ−1−メチル−2−インドー
ルカルボン酸 メチルエステル5.7gをテトラヒドロ
フラン120mlに溶解したものに、氷冷撹拌下触媒量の
炭酸水素ナトリウム、ヨウ化カルシウム5.6g及び水
素化ホウ素ナトリウム1.8gを加え5時間撹拌した。
反応液に氷水と酢酸を加え、減圧下にテトラヒドロフラ
ンを留去して得られる残留物を酢酸エチルにて抽出し乾
燥した。溶媒留去して得られた残渣をジクロロメタン5
0mlに溶解したものに、氷冷撹拌下三臭化リン1mlのジ
クロロメタン10ml溶液を滴下し、同温にて2時間撹拌
し、さらに室温で2時間撹拌した。反応液に氷水を加え
たものを、炭酸ナトリウム水溶液にて洗浄後乾燥した。
有機層を約半分に減圧濃縮後、トリフェニルホスフィン
15gを加えて12時間加熱還流した。析出物をろ取す
ることにより、標題化合物10.5gを得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.33(3H,s),5.55(2H,d),6.26(1H,
s),7.20-8.10(18H,m)
【0038】参考例3 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6−
シアノ−2−ベンゾフラニル)プロパン酸 メチルエス
テル a)(6−シアノ−2−ベンゾフラニル)メチルトリフ
ェニルホスホニウムクロリド1.91g及び2−(5−
シアノ−2−ベンゾフラニル)−2−オキソ酢酸 メチ
ルエステル0.91gをテトラヒドロフラン50mlとメ
タノール50mlの混液に懸濁して撹拌した中へ、室温で
1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセ
ン740mg加えた。2時間撹拌した後、析出晶をろ取す
ることにより黄色粉末の2−(5−シアノ−2−ベンゾ
フラニル)−3−(6−シアノ−2−ベンゾフラニル)
プロペン酸 メチルエステル1.45gをE,Z体の混
合物として得た。 mp 254-256℃1 H-NMR(CDCl3)δ:4.08(3H,s),6.96-7.96(9H,m) b)a項で得たE体とZ体の混合物の2−(5−シアノ
−2−ベンゾフラニル)−3−(6−シアノ−2−ベン
ゾフラニル)プロペン酸 メチルエステル1.3gを
N,N−ジメチルホルムアミド100mlに懸濁した中
に、ハース等の方法〔アンゲバンデット・ケミエ,19
55年,67巻,785ページ〕により得た酸化パラジ
ウム・1水和物・硫酸バリウム1.2gを加え3時間常
圧接触還元した。触媒をろ去し、溶媒を留去して得られ
た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、クロロホルムにより流出し無色粉末の標題化合物
1.09gを得た。 mp 163-166℃1 H-NMR(CDCl3)δ:3.60(2H,t),3.76(3H,s),4.44(1H,t),
6.52(1H,s),6.72(1H,s),6.52-6.92(6H,m)
【0039】参考例3と同様の方法に従い、参考例4〜
7の化合物を合成した。 参考例4 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6−
シアノ−1−メチル−2−インドリル)プロパン酸 メ
チルエステル1 H-NMR(CDCl3)δ:3.42-3.80(2H,m),3.70(3H,s),3.72(3
H,s),4.35(1H,t),6.30(1H,s),6.70(1H,s),7.16-7.90(6
H,m) 参考例5 2,3−ビス(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)プロ
パン酸 メチルエステル無色粉末 mp 145-147℃1 H-NMR(CDCl3)δ:3.52(2H,t),3.76(3H,s),4.40(1H,t),
6.52(1H,s),6.72(1H,s),7.52-7.92(6H,m) 参考例6 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(7−
シアノ−2 −ナフチル)プロパン酸 メチルエステル1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.60-3.80(2H,m),3.70(3H,s),4.00-
4.20(1H,m),6.83(1H,s),7.50-8.20(8H,m) 参考例7 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6−
シアノ−2 −インドリル)プロパン酸 メチルエステル1 H-NMR(CDCl3)δ:3.45-3.85(2H,m),3.77(3H,s),4.40(1
H,t),6.37(1H,s),6.70(1H,s),7.20-7.85(6H,m),9.45(1
H,s)
【0040】参考例8 2−(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(7
−アミジノ−2−ナフチル)プロパン酸 二塩酸塩 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(7−
シアノ−2−ナフチル)プロパン酸 メチルエステル5
70mgをエタノール50mlに溶解したものに、氷冷撹拌
下塩酸ガスを吹き込み飽和させ室温まで昇温後24時間
放置した。溶媒を減圧留去して得られた残渣をアンモニ
アを13%(w/v)含有するエタノール溶液50mlに
溶解して24時間放置した。溶媒を留去して2−(5−
アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(7−アミジノ
−2−ナフチル)プロパン酸 エチルエステル 二塩酸
塩を得た。これを2規定塩酸100mlに溶解し30分加
熱還流し溶媒を減圧留去した。得られた残渣をハイポー
ラス ポリマー型合成吸着剤(ジビニルベンゼン重合
体:ダイヤイオン HP−20)のカラムクロマトグラ
フィー付し、水とアセトニトリルの混合溶媒で流出し
た。目的物を含む部分を濃縮して得られる残渣を、オク
タデシル基化学結合型シリカゲルを充填剤とする逆相系
高速液体クロマトグラフィーに付し、水とアセトニトリ
ルの混合溶媒で流出し、目的物のフラクションに希塩酸
を加えて乾固することにより淡黄色固体の標題化合物3
52mgを得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:4.30-4.60(1H,m),6.95(1H,s),7.60-
8.20(7H,m),8.40(1H,br),9.20-9.60(8H,m) FAB MS(m/z):401(M+1)
【0041】参考例8と同様の方法に従い、参考例9〜
12の化合物を合成した。 参考例9 2−(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6
−アミジノ−1−メチル−2−インドリル)プロパン酸
二塩酸塩 固体1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.82(3H,s),4.40-4.70(1H,m),6.40
(1H,s),7.10(1H,s),7.40-8.40(6H,m),8.80-9.70(8H,m) 参考例10 2,3−ビス(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)プ
ロパン酸 二塩酸塩 固体1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.60(2H,m),4.56(1H,t),6.84(1H,
s),7.08(1H,s),7.72-8.16(6H,m),9.36(8H) 参考例11 2−(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6
−アミジノ−2−ベンゾフラニル)プロパン酸 二塩酸
塩 固体1 H-NMR(DMSO-d6)δ:3.60(2H,m),4.56(1H,t),6.84(1H,
s),7.08(1H,s),7.82-8.16(6H,m),9.28(8H) 参考例12 2−(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(6
−アミジノ−2−インドリル)プロパン酸 二塩酸塩 固体 FAB MS (m/z):390(M+1)1 H-NMR(DMSO-d6)δ:4.60(1H,t),6.36(1H,s),7.01(1H,
s),7.36-8.00(5H,m),8.15(1H,s),8.90-9.60(8H,m),11.9
5(1H,s)
【0042】参考例13 2−(5−アミジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(5
−アミジノ−2−インドリル)プロパン酸 二塩酸塩 (5−シアノ−2−インドリル)メチルトリフェニルホ
スホニウムブロミド4g及び2−(5−シアノ−2−ベ
ンゾフラニル)−2−オキソ酢酸 メチルエステル2g
をテトラヒドロフラン30mlとメタノール100mlの混
液に溶解したものに、氷冷撹拌下1,8−ジアザビシシ
クロ(5.4.0)−7−ウンデセン1.6mlを加え
た。室温に戻し、2時間撹拌後溶媒を留去して得られる
残留物にクロロホルムを加え析出晶をろ取した。更に、
ろ液を濃縮して得た残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付し、クロロホルムとアセトンの混合溶媒
で流出し目的物を含む部分を濃縮乾固し、先にろ取した
結晶と合わせ2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)
−3−(5−シアノ−2−インドリル)プロペン酸メチ
ルエステルをE,Z体の混合物として2.7g得た。 IR(KBr)cm-1:3300,2224,1713 2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−3−(5−
シアノ−2−インドリル)プロペン酸 メチルエステル
のE,Z体混合物をN,N−ジメチルホルムアミド10
mlとメタノール100mlの混液に溶解したものに酸化パ
ラジウム・1水和物・硫酸バリウム3gを加え3時間常
圧接触還元した。触媒をろ去し、ろ液より溶媒を留去し
て得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
て精製し、2−(5−シアノ−2−ベンゾフラニル)−
3−(5−シアノ−2−インドリル)プロパン酸 メチ
ルエステルを得た。ついでこれをエタノール100mlと
ジクロロメタン50mlの混液に溶解したものに、氷冷撹
拌下塩酸ガスを吹き込み飽和させ、摂氏5℃で2日間放
置した。溶媒を減圧留去して得た残渣を、アンモニアを
13%(w/v)含有するエタノール溶液50mlに溶解
して24時間放置した。溶媒を留去して2−(5−アミ
ジノ−2−ベンゾフラニル)−3−(5−アミジノ−2
−インドリル)プロパン酸 エチルエステル 二塩酸塩
を得た。これを2規定塩酸100mlに溶解したものを、
30分加熱還流し溶媒を減圧留去した。得られた残留物
をハイポーラス ポリマー型合成吸着剤(ジビニルベン
ゼン重合体:ダイヤイオン HP−20)のカラムクロ
マトグラフィーに付し水とアセトニトリルの混合溶媒に
て流出、目的物を含むフラクションに希塩酸を加えて乾
固することにより固体の標題化合物1.2gを得た。1 H-NMR(DMSO-d6)δ:4.40-4.70(1H,m),6.35(1H,s),7.02
(1H,s),7.52(2H,s),7.81(2H,s),8.10(3H,d),8.80-9.60
(8H,m)
【0043】試験例1水に対する溶解性の測定 試料の一定量に、水の一定量を加えて25℃で10分間
振盪した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】試験例2抗凝固作用の測定 ヒト血液から、遠心分離器にて血漿を分離させた。その
血漿100μlに検体の生理食塩水溶液100μlある
いは生理食塩液100μlを加え37℃で2分間静置し
た。これにあらかじめ37℃に保温した塩化カルシウム
の0.02モル溶液100μlを加え、クロテック(三
光純薬社製)を用いて凝固時間を測定した。生理食塩液
のみ加えた場合の凝固時間をコントロールとし、コント
ロールの凝固時間を二倍に延長する検体の濃度(CT2
と略す)を求め、これを抗凝固作用の指標とした。代表
的な化合物の抗凝固作用を表2に示す。
【0046】試験例3活性化血液凝固第X因子(FXa)阻害作用の測定 検体の生理食塩水溶液180μl、pH8.4のトリス−
塩酸緩衡液200μl及び1ミリモルS−2222(第
一化学薬品社製)水溶液を混合し、37℃でインキュベ
ートした中に、0.6ユニット/mlのヒト活性化血液凝
固第X因子のpH7.45のトリス−塩酸緩衡液20μl
を加え15分間おく。60%酢酸100μlを加えたの
ち吸光度を測定した。検体の代わりに生理食塩液のみを
加えたものをブランクとし、60%酢酸を活性化血液凝
固第X因子より先に加えたものをコントロールとした。
50%阻害する時の検体濃度(IC50と略す)を求め、
活性化血液凝固第X因子阻害作用の指標とした。代表的
な化合物の抗活性化血液凝固第X因子作用を表2に示
す。
【0047】試験例4トロンビン阻害作用の測定 フィブリノーゲン(タイプ1:第一化学薬品社製)の6
mg/ml pH7.45のトリス−塩酸緩衡液溶液100μ
l及び生理食塩液100μlに37℃で各種濃度のトロ
ンビン(トロンビン局所用:三共社製)のpH7.45ト
リス−塩酸緩衡液溶液100μlを加え凝固時間をクロ
テック(三光純薬社製)を用いて測定し検量線を作成し
た。生理食塩液の代わりに検体の生理食塩水溶液100
μlを加え凝固時間を測定し、阻害%を求めた。阻害%
並びに検体濃度より50%阻害する時の検体濃度(IC
50と略す)を求め、トロンビン阻害作用の指標とした。
代表的な化合物のトロンビン阻害作用を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2に示すごとく、従来知られていたDA
BEに比べ、アミジノ基置換芳香族化合物(1)はFX
aを特異的に阻害して強い抗凝固作用を示した。
【0050】試験例5経口投与での抗凝固作用の測定 麻酔下の雄ラットに体重1Kg当り10mlの水に溶解した
検体を投与し、経時的に採血して血漿を分離、活性化部
分トロンボプラスチン時間(APTT)を測定した。同
様に水だけを投与した場合のAPTTを測定しコントロ
ールとした。検体投与時とコントロールのAPTTの比
を抗凝固作用の指標とした。代表的な化合物の経口投与
での抗凝固作用を表3に示す。
【0051】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 7/02 A61P 7/02 C07D 209/18 C07D 209/18 307/84 307/84 333/60 333/60 333/68 333/68 405/06 405/06 409/06 409/06 (72)発明者 金谷 直明 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬株式会社東京研究開発センター 内 (72)発明者 横山 幸夫 東京都江戸川区北葛西1丁目16番13号 第一製薬株式会社東京研究開発センター 内 (56)参考文献 J.Med.Chem.,Vol. 34,No.10(October 1991) p.3105−3114 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7−メチル−2−ナフタレンカルボキサ
    ミド。
  2. 【請求項2】 7−(ブロモメチル)−2−ナフタレン
    カルボニトリル。
  3. 【請求項3】 〔(7−シアノ−2−ナフチル)メチ
    ル〕トリフェニルホスホニウム ブロミド。
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