JP3193095B2 - 複合材料の製造方法 - Google Patents

複合材料の製造方法

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JP3193095B2 JP03648392A JP3648392A JP3193095B2 JP 3193095 B2 JP3193095 B2 JP 3193095B2 JP 03648392 A JP03648392 A JP 03648392A JP 3648392 A JP3648392 A JP 3648392A JP 3193095 B2 JP3193095 B2 JP 3193095B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性にすぐれかつ強
靭な炭素繊維多官能性マレイミド系複合材料の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維強化複合材料は、その比強度、
比弾性が優れているという特徴を活かしてスポーツ用品
を中心に各種の用途に広く使用されている。現在のとこ
ろ、そのマトリックス樹脂としてはエポキシ樹脂が主流
であるが、エポキシ樹脂は耐熱性が十分でなく、そのた
め炭素繊維強化エポキシ樹脂複合材料は航空・宇宙用品
の用途を中心に高まりつつある耐熱素材としての要求を
充分に満足することはできない。一方、耐熱性樹脂とし
て知られているポリイミドは、耐熱性は優れているもの
の、成形加工性の面で問題があるため、そのマトリック
ス樹脂への実用化は遅れている。
【0003】このような状況から耐熱性と成形性のバラ
ンスの優れたビスマレイミド系樹脂等の多官能性マレイ
ミド系樹脂が炭素繊維複合材料用マトリックス樹脂とし
て注目されている。しかし多官能性マレイミド系樹脂は
靭性が乏しいという欠点があり、そのためその用途はか
なり制限されている。多官能性マレイミド系樹脂のこの
欠点を改良する方法として、ゴム成分や熱可塑性樹脂を
配合する方法、他のモノマーを共重合する方法などが提
案されているが、耐熱性などの物性の低下が大きいわり
には靭性の向上が十分でなかったり、樹脂単体の破壊靭
性は一応向上しても炭素繊維複合材料としたときの靭性
の向上が十分でないなどの問題があった。また、インタ
ーリーフと呼ばれる一種の接着層ないしは衝撃吸収層を
層間に挿入する方法も提案されているが繊維含有率が上
げられなく、また取扱性も悪いなどの欠点があり、一般
に使用されるに至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、マトリック
ス樹脂として用いた多官能性マレイミド系樹脂の特性で
ある耐熱性を損なうことなく、炭素繊維強化多官能性マ
レイミド系樹脂複合材料に優れた靭性を付与することの
できる炭素繊維強化多官能性マレイミド系樹脂複合材料
の製造することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決すべく検討した結果、炭素繊維を特定のシラン
カップリング剤溶液で処理し、エポキシ樹脂処理液で処
理したのち、ビスマレイミド系樹脂組成物と複合化する
ことにより、得られる複合材料の靭性が著しく向上する
ことを見いだし本発明を完成した。
【0006】本発明は、炭素繊維をアミノシラン、エポ
キシシラン及びビニルシランから選ばれる少なくとも1
種のシランカップリング剤の溶液で処理し、次にエポキ
シ樹脂を10重量%以下含有する処理液で処理した後、
多官能性マレイミドが30重量%以上を占める樹脂組成
物と複合化することを特徴とする、複合材料の製造方法
である。
【0007】炭素繊維をアミノシランカップリング剤の
希薄溶液(カップリング剤濃度2.0%以下)で処理
し、次に多官能性エポキシ樹脂の低含有処理液で処理し
た場合は、その後多官能性マレイミド及びその共重合成
分としてアルケニルフェノールを用いた樹脂組成物と、
複合化することが好ましい。
【0008】本発明の特徴は、マトリックス樹脂とし
て、多官能性マレイミド樹脂組成物、強化材として炭素
繊維とでプリプレグ、複合材料を構成するにあたり、炭
素繊維としてアミノシラン、エポキシシラン及びビニル
シランから選ばれる少なくとも1種のシランカップリン
グ剤で処理し、次にエポキシ樹脂の低含有処理液で処理
したものを用いる点にある。このように特定のシランカ
ップリング剤で処理し、次にエポキシ樹脂で処理するこ
とにより得られたプリプレグを成形した炭素繊維複合材
料に著しく向上した靭性を付与できるのであって、未処
理の炭素繊維をそのままもちいたのではたとえ靭性の高
い樹脂組成物と組み合わせた場合でも、複合素材として
の靭性は十分に発揮されない。
【0009】本発明において「炭素繊維」の用語は、炭
素繊維及び黒鉛繊維の両方を意味する。この炭素繊維
は、通常「プレカーサー」と称されるポリアクリロニト
リル、ピッチ等の繊維状物を炭化するか、或はグラファ
イト温度に加熱することにより得られ、なかでも引張強
度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強度・高
伸度の炭素繊維が好適に用いられる。また、炭素繊維の
表面を電解酸化、オゾン酸化することにより、表面に水
酸基、カルボン酸基などの官能基を導入したものが好適
である。
【0010】本発明に用いられるシランカップリング剤
は次のようなものである。アミノシランはγ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピル−メチル−ジエトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−
アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等で
あり、エポキシシランはγ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキ
シシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エ
チルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン等であり、ビニルシランはビニル
トリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエト
キシ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン等である。
官能基がアミノ基である化合物が特に好ましい。またこ
れらのシランカップリング剤の部分縮合物を用いること
もできる。
【0011】炭素繊維をシランカップリング剤で処理す
る方法としては、通常用いられているいずれの処理方法
でもよいが、シランカップリング剤の低濃度溶液中を通
過させて処理する方法が特に好ましい。この場合、溶液
中のシランカップリング剤の濃度が高いと炭素繊維の集
束が強くなりすぎて均一な複合材が得られにくくなり、
複合材としての靭性が低下してしまうので、低濃度溶液
を用いることが重要である。溶液濃度は2.0重量%以
下特に0.001〜2.0重量%が好ましい。
【0012】シランカップリング剤の低濃度溶液を調製
する際の溶媒としては、シランカップリング剤を溶解
し、かつシランカップリング剤に対して実質的に不活性
な溶媒であれば、いかなる溶媒でもよいが、処理後の乾
燥工程を考えた場合、高沸点の有機溶媒は好ましくな
い。シランカップリング剤としてアミノシラン系のカッ
プリング剤を用いる場合の溶媒としてはエチルアルコー
ル等の低級アルコール、低級アルコールと水の混合溶
媒、酢酸等の酸成分を含有する水/アルコール混合溶媒
等が特に好ましい。
【0013】これらシランカップリング剤溶液で処理さ
れた炭素繊維は風乾及び/又は加熱処理により溶剤等の
揮発成分を除去したのち使用される。本発明に用いられ
るエポキシ樹脂としては、公知のエポキシ樹脂でよく、
例えば下記にあげる樹脂である。
【0014】ジフェニロールプロパン、ジフェニロール
エタン、ジフェニロールメタン等のジフェニロールアル
カンのポリグリシジルエーテル;ノボラック、クレゾー
ル、レゾール等の多価フェノールのポリグリシジルエー
テル;シクロヘキサン、シクロペンタジエン、ジシクロ
ペンタジエン等の脂環式化合物のエポキシ化により生成
されるエポキシ化合物、例えば3,4−エポキシ−6−
メチル−シクロヘキサン−カルボン酸の(3,4−エポ
キシ−6−メチル−シクロヘキサン)−メチルエステル
等;エチレングリコール、グリセリンなどの脂肪族ポリ
オキシ化合物のポリ(エポキシアルキル)エーテル;芳
香族又は脂肪族カルボン酸のグリシジルエステルなどの
カルボン酸のエポキシアルキルエステルなどである。ま
た例えば米国特許第3390037号明細書、同第29
70983号明細書及び同第3067170号明細書に
記載されているようなエポキシ化合物と硬化剤の予備反
応物であってもよく、単なる混合物であってもよい。
【0015】これらはエポキシ化合物は単独でも二種以
上配合して用いてもよい。好適なエポキシ樹脂として
は、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルビ
スフェノールFのジグリシジルエーテル、ジアミノジフ
ェニルメタンのテトラグリシジル化物、アミノフェノー
ルのトリグリシジル化物、トリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタンのトリグリシジル化物、ジヒドロキシナフタ
レンのグリシジルエーテル、ビス(ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンのジグリシジルエーテルをあげることが
できる。
【0016】シランカップリング剤で処理した炭素繊維
を次にエポキシ樹脂の低含有処理液で処理する方法とし
ては、前記エポキシ樹脂の低含有処理液中を通過させて
処理する方法が好ましい。処理液中のエポキシ樹脂含有
量が多いと炭素繊維上への付着量が多過ぎその後の扱い
性を低下させるだけでなく、さらに多官能性マレイミド
を主成分とする樹脂組成物との複合化し成形したものの
耐熱性を低下させてしまうため、低含有処理液を用いる
ことが重要である。処理液のエポキシ樹脂含有率として
は、10重量%以下好ましくは、0.01〜5.0重量
%が好ましい。
【0017】本発明に用いられるエポキシ樹脂の低含有
処理液に用いられる溶剤としては、エポキシ樹脂を溶解
あるいは一部溶解、あるいは均一分散懸濁し、かつエポ
キシ樹脂に対して実質的に不活性でかつ、シランカップ
リング剤処理した炭素繊維に悪影響を及ぼさないもので
あれば、いかなる溶剤でもよいが、処理後の乾燥工程を
考えた場合、高沸点の有機溶剤は好ましくない。通常ア
セトン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、エタノー
ルなどの低級アルコールが好ましく用いられる。これら
エポキシ樹脂処理液で処理された炭素繊維は、風乾及び
/または加熱処理により溶剤など揮発成分を除去し、あ
るいは炭素繊維に付着したエポキシ樹脂の反応を部分的
に行ったのち、多官能性マレイミドを主成分とする樹脂
組成物と複合化される。
【0018】本発明に用いられる多官能性マレイミドを
主成分とする樹脂組成物は、分子内に2個以上のマレイ
ミド基を有する化合物が30重量%以上好ましくは40
重量%以上を占める樹脂組成物である。耐熱性、靭性等
の物性を低下させない範囲内で単官能マレイミド化合物
を或は他の共重合可能な反応性化合物を含んでいても良
い。
【0019】多官能性マレイミドとしては、1,2−ビ
スマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサ
ン、1,12−ビスマレイミドドデカン、1,6−ビス
マレイミド−(2,2,4−トリメチル)ヘキサン、
1,6−ビスマレイミド−(2,4,4−トリメチル)
ヘキサン、1,3−又は1,4−ビスマレイミドベンゼ
ン、4,4′−又は3,3′−ビスマレイミドジフェニ
ルメタン、2,4−、2,6−又は3,4−ビスマレイ
ミドトルエン、3,3′−又は4,4′−ビスマレイミ
ドジフェニルスルホン、4,4′−又は3,4′−ビス
マレイミドジフェニルエーテル、4,4−ビスマレイミ
ドジシクロヘキシルメタン、4,4′−ビスマレイミド
ジシクロヘキサン、4,4′−ビスマレイミドジフェニ
ルシクロヘキサン、4,4′−ビスマレイミドジフェニ
ルスルフィド、N,N′−m−又はp−キシリレンビス
マレイミド、N,N′−m−フェニレンビス−シトラコ
ンイミド、N,N′−4,4′−ジフェニレンビス−シ
トラコンイミド、2,2−ビス〔4−(4−マレイミド
フェノキシ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(4−マ
レイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−
(3−マレイミドフェノキシ)フェニル〕スルホン、
1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、
N,N′−〔1,3−フェニレン−ジ−(2,2プロピ
リテン)−ジ−p−フェニレン〕ビスマレイミド等が挙
げられ、これらの混合物及びマレイミドとジアミンとか
らなるプレポリマーも使用できる。用いられるジアミン
としては、ジアミノジフェニルメタン等芳香族ジアミン
が好ましい。4,4′−ビスマレイミドジフェニルメタ
ン、この化合物と1,6−ビスマレイミド(2,2,4
−トリメチル)ヘキサン、及びビスマレイミドトルエン
の共融混合物が特に好ましい。
【0020】多官能性マレイミド化合物と共重合可能な
反応性化合物としては、例えばo,o′−ジアリルビス
フェノールA、o,o′−ジアリルビスフェノールF、
トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼン、N−
ビニルピロリドン及びエチレングリコールジメタクリレ
ートなどが挙げられる。これらの共重合可能な反応性化
合物は単独或は混合して樹脂組成物中70重量%以下、
好ましくは50重量%以下の範囲で用いられる。これら
の共重合可能な反応性化合物のうち、o,o′−ジアリ
ルビスフェニルA、o,o′−ジアリルビスフェニルF
等のアルケニルフェノール、これらのアルケニルフェノ
ールと通常のエポキシ樹脂との予備反応物及びこれらの
混合物は樹脂組成物の靭性向上、加工性向上にも効果が
あり、樹脂組成物中10〜50重量%の範囲で用いるこ
とが好ましい。
【0021】また、多官能性マレイミドを主成分とする
樹脂組成物は、熱により容易に硬化させることができる
が、硬化物に所望の特性を付与したり硬化特性を調整す
る目的で触媒を添加してもよい。触媒としてはオルガノ
ホスフィン類、オルガノホスホニウム塩或はそれらの錯
体、イミダゾール類、第3級アミン、第4級アンモニウ
ム塩、三弗化ホウ素アミン塩などのイオン触媒及び有機
過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重
合触媒を用いることができる。触媒の添加量は目的に応
じて決定すればよいが、樹脂組成物の安定性の面から全
樹脂成分に対して0.01〜5重量%が好ましい。
【0022】更にカルボキシル基末端ブタジエン−アク
リロニトリル共重合体、カルボキシル基末端ポリブタジ
エン、アクリロイルオキシ基末端ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体などの反応性エラストマー、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリ
コーン樹脂、トリアジン樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケ
トン、熱可塑性ポリイミド、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリアミドイミド等の熱可塑性樹脂を添加してもよ
い。特にエポキシ樹脂は、樹脂の取り扱い性、炭素繊維
とのなじみ性を向上させるために好ましく、その添加量
は30%以下とすることが好ましい。30重量%を越え
て用いた場合には系の粘度が高くなり過ぎ、プリプレグ
化時の含浸不良の原因となるだけでなくプリプレグのタ
ック特性、ドレープ特性低下の原因にもなる。また微粉
末シリカなどの無機質微粒子を少量添加混合することも
可能である。
【0023】本発明を実施するに際しては、まず炭素繊
維を前記のシランカップリング剤の溶液で処理し、次に
エポキシ樹脂の低含有処理液で処理する。処理方法とし
ては、浸せき法が好ましい。ついで処理した炭素繊維
を、樹脂組成物と複合化すると目的の複合材料が得られ
る。
【0024】処理した炭素繊維と多官能性マレイミドを
主成分とする樹脂組成物の比率はその目的により適宜設
定することが可能であるが、重量比で処理した炭素繊維
/多官能性マレイミドを主成分とする樹脂組成物=50
/50〜75/25の範囲が好ましい。
【0025】処理した炭素繊維と多官能性マレイミドを
主成分とする樹脂組成物とからなる複合材料は、公知の
方法で製造することができる。たとえば、まずホットメ
ルト法あるいは溶剤法で樹脂組成物をフィルム状に賦形
し、次いで加熱含浸法により炭素繊維と樹脂組成物の予
備含有物(いわゆるプリプレグ)を製造し、これを真空
バッグ/オートクレーブ法で硬化する方法をもちいるこ
とができる。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 (実施例1、2)シランカップリング剤処理溶液として
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを水/エタノー
ル(水/エタノール=1/9重量比)混合溶媒と混合
し、0.05重量%の溶液を調整した。この溶液に高強
度中弾性炭素繊維(三菱レイヨン社製、MR−50K、
引張強度5600MPa,弾性率300GPa)を浸せ
き、通過させた。120℃で2分間熱風乾燥し、風乾
後、巻き取った。つぎに、エポキシ樹脂低含有処理液と
してトリス(ヒドロキシフェニル)メタンのトリグリシ
ジルエーテル(ダウ社製、Tactix742)のメチルエチ
ルケトン1.0重量%の溶液を調整し、さらに上記シラ
ンカップリング処理炭素繊維を浸せき、通過し、120
℃で2分間熱風乾燥、風乾後巻き取った。さらに80℃
で12時間15mmHgの減圧下で乾燥した。処理すること
により、炭素繊維は、2.0重量%の重量増加があっ
た。次に、表1に示す樹脂組成物と、上記処理を施した
炭素繊維とから一方向プリプレグをホットメルト法によ
り製造した。プリプレグの炭素繊維目付145g/m2
樹脂含有率は36重量%であった。 〔耐衝撃性〕は、このプリプレグを、所定の寸法の小片
に切断し、(+45/0/−45/90)4Sに積層し、
オートクレーブ成形(180℃で6時間、6kg/cm2 )
し、さらにポストキュアー(232℃で6時間)し、衝
撃損傷後圧縮強度試験用の試験片を作成した。この試験
片をもちいてSACMA(Suppliers ofAdvanced Compo
sites Materia Is Asociation)Recommended Method S
RM2−88に準拠して1500 in−1b/inの
衝撃後の圧縮強度を測定した。 〔耐熱性〕は、このプリプレグを0°16層に積層し上
記の成形条件で成形し、ASTMD−2344に準拠し
て、177℃、232℃で層間剪断強度(ILSS)を
測定することにより判定した。これら評価結果を表1に
示した。
【表1】
【0027】(比較例1)アミノシラン処理、エポキシ
樹脂処理をしていない炭素繊維を用い、実施例1と同様
にして複合材料をえた。その評価結果を表1に示した。
【0028】(実施例3)エポキシ樹脂の低含有処理液
として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン
(東都化成社製、YH434L)のアセトン1.5重量
%溶液を用い炭素繊維の重量増加が2.5重量%であっ
た以外は実施例1と同様にして複合材料を得た。その評
価結果を表1に示した。
【0029】(実施例4)γ−ウレイドプロピルトリエ
トキシシランを水−エタノール(0.5/9.5重量
比)混合溶剤に溶解し、0.05重量%の溶液をシラン
カップリング剤処理溶液として用いる以外は、実施例1
と同様にして、複合材料を得た。その評価結果を表1に
示した。
【0030】(実施例5)3−グリシドキシプロピル−
トリメトキシシランを水−エタノール(1/9重量比)
に酢酸を少量添加した溶剤に混合し、1.0重量%溶液
をシランカップリング剤処理溶液として用いる以外は、
実施例1と同様にして、複合材料をえた。その評価結果
を表1に示した。
【0031】(実施例6)ビニルトリエトキシシランを
水−アセトン(1/50重量比)に少量酢酸を添加した
溶剤に溶解し0.2重量%溶液をシランカップリング剤
処理溶液として用いる以外は、実施例1と同様にして複
合材料を得た。その評価結果を表1に示した。これらの
結果から、本発明の方法により得られた複合材料は、優
れた耐熱性と耐衝撃性を有することが知られる。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法により得られた複合材料
は、優れた耐熱性、耐衝撃性及び機械的性質を有し、成
形材料特に航空・宇宙用耐熱材料として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 尚 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 審査官 村上 騎見高 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/06 CFG C08L 79:08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維をアミノシラン、エポキシシラ
    ン及びビニルシランから選ばれる少なくとも1種のシラ
    ンカップリング剤の溶液で処理し、次にエポキシ樹脂
    10重量%以下含有する処理液で処理した後、多官能性
    マレイミドが30重量%以上を占める樹脂組成物と複合
    化することを特徴とする、複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素繊維をアミノシランカップリング剤
    の希薄溶液(カップリング剤濃度2.0%以下)で処理
    し、次に多官能性エポキシ樹脂を10重量%以下含有す
    処理液で処理した後、多官能性マレイミドが30重量
    %以上を占め、かつアルケニルフェノールを含有する樹
    脂組成物複合化することを特徴とする、複合材料の製
    造方法。
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