JP3192675B2 - 内燃機関のバルブタイミング調節装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調節装置

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JP3192675B2
JP3192675B2 JP11327391A JP11327391A JP3192675B2 JP 3192675 B2 JP3192675 B2 JP 3192675B2 JP 11327391 A JP11327391 A JP 11327391A JP 11327391 A JP11327391 A JP 11327391A JP 3192675 B2 JP3192675 B2 JP 3192675B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のバルブタイミ
ング調節装置に関し、詳細には、低負荷低回転時におけ
るポンピングロスの低減と広い運転条件下でのバルブタ
イミングの最適化とを図ることができる内燃機関のバル
ブタイミング調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】吸気管にスロットル弁を有する内燃機関
では、機関低負荷時にはスロットル弁が略全閉とされる
ためスロットル弁下流側の圧力が大きな負圧になる。こ
のため、気筒の吸気行程ではピストンはこの負圧に抗し
て作動することになり余分な出力損失、いわゆるポンピ
ングロスが生じ、燃費悪化の原因の一つとなっている。
【0003】このポンピングロスを低減するためには、
吸気弁の閉弁時期を可変化する手段を設け、機関低負荷
低回転時にスロットル弁開度は大きく保持したままで、
吸気弁の閉弁時期を吸気行程のピストン下死点より大き
く遅延させる方法が有効である。すなわち、吸気弁閉弁
遅延を行うことにより一旦気筒内に吸入された空気はピ
ストン上昇と共に吸気管内に吐出されることになり吸気
弁閉弁時期を変えることによって吸入空気量を増減する
ことができる。この場合、スロットル弁開度は大きく保
持されており、上記吸入、吐出は略大気圧で行われるた
めピストンの作動抵抗が減り、ポンピングロスが低減す
る。
【0004】ところで上記の吸気弁閉弁遅延を行った場
合、吸気行程下死点後のピストン上昇行程においては吸
気弁を早く閉じる程気筒内に留まる新気の量は多くな
る。従ってスロットル開度により機関負荷を制御する代
わりに吸気弁閉弁時期を変化させることにより機関負荷
を制御することができる。
【0005】この種のバルブタイミング調節装置の例と
しては例えば特開昭61-145310 号公報に記載されたもの
がある。同公報の装置では吸気弁駆動用のカムシャフト
の一端にヘリカルスプラインを介して円筒状の位相制御
部材を装着し、更に位相制御部材の外側に上記と逆方向
のねじれを有するヘリカルスプラインを介してタイミン
グプーリを取着している。タイミングプーリをクランク
軸からベルト、チェーン等により駆動するとタイミング
プーリと位相制御部材及び位相制御部材とカムシャフト
との間のヘリカルスプラインの噛合によりカムシャフト
がクランク軸に同期して回転される。また、前記位相制
御部材をカムシャフト軸線方向に移動させるとカムシャ
フトとタイミングプーリはそれぞれ位相制御部材との間
のヘリカルスプラインに噛合したままその歯すじに沿っ
てすべり位相制御部材に対して互いに逆方向に回転す
る。従って吸気弁のバルブタイミングを運転中に変更す
ることが可能になり、低負荷低回転時において吸気弁の
閉弁時期を任意に設定することができる。
【0006】上記のようにカムシャフトの位相を変えて
吸気弁の閉弁時期制御を行う場合吸気弁の開弁期間自体
は変化しない。このため、負荷の増大と共に吸気弁閉弁
時期を進角させて行くと吸気弁開弁時期も同時に進角す
ることになる。従ってある角度以上進角を行うと吸気弁
と排気弁とのバルブオーバラップが増大する問題が生じ
てしまう。低回転時にバルブオーバラップが増大すると
排気ガスの吹き返しにより吸気体積効率が低下する他、
内部EGR の増大等が生じ、出力の低下や燃焼状態が悪化
する問題が生じる。
【0007】前記特開昭61-145310 号公報の装置では吸
気弁の開弁期間を変更することによりこの問題を解決し
ている。すなわち、同公報の装置では、カムシャフトか
らロッカーアームを用いて吸気弁を押動するようにし
て、ロッカアームの湾曲形成した背面を揺動自由に設け
たレバーに支点接触させるようにしている。レバーを揺
動させることによりレバーとロッカアームの接触位置が
変化し、ロッカアームの支点位置が変わるため吸気弁の
開弁期間を変化させることができる。吸気弁閉弁時期を
進角させる際に上記装置を用いて吸気弁開弁期間を短縮
することによりバルブオーバラップが過大になることが
防止される。
【0008】特開平1-134013 号公報には別のバルブタ
イミング調節装置が開示されている。同公報の装置も上
記特開昭61-145310 号公報と同様な手段を用いてタイミ
ングプーリとカムシャフトの回転位相を変化させている
が吸気弁の開弁期間の調節を異なる方法で行っている。
すなわち、同公報の装置ではロッカアームを介さずカム
シャフトのカムで吸気弁駆動用のピストンを押圧するよ
うにしている。このピストンは油圧室の一端に設けられ
ており油圧室他端には吸気弁を押動するピストンが設け
られている。カムにより駆動用ピストンが押動される
と、油圧室に充満した油を介して他端のピストンも押動
され吸気弁が開弁する。同公報の装置ではこの油圧室の
圧力を抜く逃がし弁を設け、油圧を逃がすタイミングを
制御することにより吸気弁の開弁期間を調節している。
すなわち、吸気弁の押動開始後逃がし弁を早く開弁する
程吸気弁の開弁期間が短縮されるのである。これにより
前記特開昭61-145310 号公報の装置と同様に低回転時の
バルブオーバラップを小さくすることが可能となってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の従来技
術においてはいずれも吸気弁の開弁期間を短縮すると同
時にバルブリフトも減少してしまう問題が生じる。すな
わち特開昭61-145310 号公報の装置も、特開平1-13401
3 号公報の装置もカム軸のカムプロファイルは一定であ
りカムプロファイルの一部分のみを使用して開弁動作を
行わせるようにすることで開弁期間の短縮を行っている
ため、バルブリフトも同時に減少してしまうのである。
【0010】しかし、吸気弁の開弁期間の短縮は負荷の
増大に伴って行うものであるから、本来は開弁期間が短
縮された分だけバルブリフトを大きくして吸入空気量を
確保しなければならないのに対し、上記従来技術では開
弁期間とバルブリフトとが両方とも減少する結果になっ
ている。このため上記従来技術では高負荷時に吸入空気
量が低下して充分な出力が得られない問題が生じる恐れ
がある。本発明は、上記課題を解決し低負荷時のポンピ
ングロスの低減と高負荷時の出力確保との両方を図るこ
とのできる内燃機関のバルブタイミング調節装置を提供
することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1 に記載の発明に
よれば、内燃機関の吸気弁の開弁期間とバルブリフト量
とを同一に保持したまま、吸気弁開閉時期のみを連続的
に変更する開閉時期変更手段と、複数の駆動カムを備
え、該駆動カムを切り換えて前記吸気弁を駆動すること
により前記吸気弁の開弁期間を変更する開弁期間変更手
段と、を備え、前記開閉時期変更手段は、機関負荷増大
とともに吸気弁開閉時期を進角させることにより吸気弁
閉弁時期を進角させ、前記開弁期間変更手段は、前記開
閉時期変更手段により吸気弁閉弁時期が所定時期より進
角側にされたときに、前記吸気弁駆動カムを、前記所定
時期より遅角側にあるときに較べて吸気弁開弁期間が短
く、バルブリフト量が少なくとも同等以上となる開弁期
間短縮用駆動カムに切り換えて駆動する、内燃機関のバ
ルブタイミング調節装置が提供される。 また、請求項2
に記載の発明によれば、前記開弁期間短縮用駆動カム
は、切り換え前と較べて吸気弁開弁時期を遅角させる形
状を有する請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミン
グ調節装置が提供される。
【0012】
【作用】すなわち、請求項 1の発明では、開閉時期変更
手段は吸気弁閉弁時期を負荷の増大とともに進角するた
め、低負荷運転時にはポンピングロスが低減するととも
に、負荷の増大とともに気筒に吸入される空気量が増大
する。 しかし、閉弁時期変更手段により吸気弁閉弁時期
が進角されると、同時に吸気弁閉弁時期も進角されるた
め、吸気弁閉弁時期がある程度以上進角するとバルブオ
ーバラップが増大し、気筒の吸気体積効率が低下する。
請求項1の発明では、開弁時期変更手段とは別に開弁期
間変更手段が設けられており、開弁時期変更手段により
吸気弁閉弁時期が所定時期より進角側になったときには
開弁期間を短縮してバルブオーバラップを小さくする。
この場合、バルブリフトは開弁期間短縮前と同等或いは
それ以上に保持されるため、開弁期間の短縮により吸気
量が減少することが防止される。 なお、負荷増大時であ
っても機関回転数が高い場合には、排気脈動による吸い
出し効果が生じるためバルブオーバラップが大きいほう
が吸気体積効率が増大する場合がある。このため、機関
負荷増大時であっても機関回転数が所定回転数以上であ
る場合には開弁期間短縮手段による吸気弁開弁期間の短
縮を行わないようにしても良い。
【0013】また、請求項2の発明では請求項1の発明
において、開弁期間変更手段は、吸気弁駆動カムを、吸
気弁開弁時期を遅角させる形状を有する短縮用駆動カム
に切り換えることにより吸気弁開弁期間を短縮する。こ
れにより、確実にバルブオーバラップが縮小する。ま
た、吸気弁閉弁時期は吸気弁開弁期間の短縮により影響
を受けないため、開弁機関短縮時においても機関負荷に
応じた吸気体積効率を確保することが可能となる。
【0014】
【実施例】図1に本発明のバルブタイミング調節装置の
実施例の構成を示す。本実施例では吸気弁の遅角制御装
置5としては特開昭61-279713 号公報に開示されたもの
と同様の装置が用いられ、タイミングプーリ12とカム
シャフト3との間の位相を変更するようになっている。
【0015】また、バルブリフトを変えずに吸気弁の開
弁期間のみを変更するため本実施例ではカムシャフト3
に各吸気弁毎に2種類のカム1,2が設けられており、
ロッカアーム14をカムシャフト3に平行に移動させて
カム1又はカム2と係合させることにより吸気弁の開弁
期間を変更するようになっている。この方式のカム切換
機構は特開昭57-179314 号公報に開示されている。本実
施例ではカム1は吸気弁開弁期間を長くするカムプロフ
ァイルを有しており、カム2は開弁期間を短くするよう
なプロファイルを有している。
【0016】図2はそれぞれのカム1,2による吸気弁
の開弁特性を示しており、Iはカム1による特性、IIは
カム2による特性を示している。カム1とカム2は吸気
弁の閉弁時期が一致するように配置され、カム2による
バルブリフトはカム1による場合より大きくなるように
カムプロファイルが設定されている。図1に6で示した
のはクランク位相を検出するクランク角センサ、7はカ
ム軸位相を検出するカム角センサである。
【0017】本実施例ではクランク軸駆動の潤滑油ポン
プ13が設けられており、エンジン各部分に潤滑油を供
給すると共に油圧切換弁(OSV)9〜11を介して吸気弁
遅角制御装置5及びロッカアーム14の移動機構の油圧
シリンダ60に圧力油を供給している。
【0018】また、8で示すのはエンジンの燃料噴射や
点火時期制御等の基本制御を行う電子制御装置(ECU)で
ある。 ECU8はディジタルコンピュータから構成され、
上記エンジンの基本制御以外に本発明のバルブタイミン
グ制御を行っている。この目的で ECU8にはクランク角
センサ6、カム角センサ7の出力が入力されている他、
エンジンの吸入空気量や冷却水温等の基本制御に必要な
パラメータが各種センサ(図示せず)から入力してい
る。また ECU8は OSV9〜11のアクチュエータに図示
しない駆動回路を介して接続され OSV9〜 OSV11の切
換を制御している。
【0019】図3は本実施例で使用する前述の特開昭61
-279713 号公報の吸気弁遅角制御装置5の構造を示す断
面図である。図において21はカム軸3に同心に固定さ
れ一体に回転するスリーブ、23はタイミングプーリ1
2と一体に回転する円筒形ハウジング、25は円筒状の
ピストンである。ピストン25はその外周面と内周面と
にヘリカルスプライン27a,29aがそれぞれ形成されて
おりヘリカルスプライン27aはハウジング23内周面に
形成されたヘリカルスプライン27bと、またヘリカルス
プライン29aはスリーブ21外周面に形成されたヘリカ
ルスプライン29bとそれぞれ噛合している。従ってタイ
ミングプーリ12の回転はハウジング23、スプライン
27b,27a、ピストン25、スプライン29a,29b及び
スリーブ21を介してカムシャフト3に伝達され、タイ
ミングプーリ12とカムシャフト3とは一体に回転す
る。
【0020】円筒状ピストン25の軸端側端面とハウジ
ング23との間には環状の油圧室31が形成されてお
り、この油圧室31はカムシャフト内に形成される油圧
通路33を介して図1の油圧切換弁 OSV9, OSV10に
接続されている。 OSV9は油ポンプ13から油圧室31
への油の供給を制御し、 OSV10は油圧室31からドレ
ーンへの油の排出を制御している。また図3に35で示
すのはピストン25を油圧室31側に押圧付勢する圧縮
ばねである。
【0021】OSV9を開(ON)にして OSV10を閉(OFF)
にするとポンプ13からの圧力油は OSV9、油圧通路
33を介して油圧室31に供給され、ピストン25はば
ね35を圧縮しながら図の右方向に移動する。ピストン
25が軸方向に移動するとハウジング23とスリーブ2
1はそれぞれピストン25に対してヘリカルスプライン
27a,bと29a,bの歯すじに沿って相対的に回転する
ためプーリ12とカムシャフト3の位相が変化する。こ
の状態で OSV9と OSV10の両方をOFF にするとピスト
ン25の位置は一定に保持されるため、所定の位相が保
たれる。また OSV9をOFF にしたままで OSV10をON
にすればピストン25は圧縮ばね35に押されて図の左
方向に移動し、油圧室31内の油が OSV10を通って排
出される。従って ECU8によりクランク角センサ6とカ
ム角センサ7との出力を基に OSV9, OSV10を切換制
御することにより所望の吸気弁閉弁時期を得ることがで
きる。
【0022】次に図4に本実施例のカム切換機構を示
す。この機構は特開昭57-179314 号公報に記載されたも
のと同様の構成であり、図において41はカムシャフト
3に平行に延設された中空のロッカシャフトである。ロ
ッカアーム14はブッシュ43を介してロッカシャフト
41に取付けられている。ブッシュ43はロッカシャフ
ト41に対して回動及び軸方向に摺動可能に取付けられ
ている。ロッカアーム14はカム1又は2と摺接するカ
ムフォロワ45を備え、カム1,2の回転と共にロッカ
シャフト41回りを揺動し他端側で吸気弁のバルブリフ
タ16を押圧し吸気弁の開閉を行う。
【0023】ロッカシャフト41内には軸方向に摺動可
能なシャフト49が挿通されている。ブッシュ43には
ピン51が固定されており、ピン51はその先端がシャ
フト49周面に接し、軸方向に摺動可能となっている。
またシャフト49のピン51の両側部分には、シャフト
49に固定されたリング53a,53bとピン51との間に
それぞれ圧縮ばね55a,55bが装着されている。すなわ
ちシャフト49が図の左右方向に移動すると、その動き
は圧縮ばね55a又は55bを介してピン51に伝達され、
ブッシュ43をロッカシャフト41の軸線に沿って移動
させることになる。
【0024】図に57で示したのはブッシュ43の位置
決めを行うラチェット装置であり、ブッシュ内部に設け
られたスプリングにより鋼球をロッカシャフト41外周
面に押圧し、外周面所定位置に設けられた円周溝に嵌合
させて位置決めする構造になっている。ラチェット57
の位置決め用円周溝はカムフォロワー45がカム1と摺
接する位置、及びカム2と摺接する位置の2個所に設け
られている。シャフト49の一端には油圧シリンダ60
が設けられており、シャフト49に連結されたピストン
61両側の油圧室60a,60bに圧力油を導入することに
よりシャフト49の移動を行う。油圧室60a,60bは O
SV11に接続されており OSV11の切換により油圧を60
a又は60bに切替導入することができるようになってい
る。
【0025】いま、 OSV11から切換えられてシャフト
49が一方に移動すると移動開始後しばらくはラチェッ
ト57により位置決めされているためブッシュ43は移
動しない。従ってピン51とリング53a又は53bとの間
でばね55a又は55bが圧縮されることになる。シャフト
49が移動を続けこの圧縮ばねによる押圧力がラチェッ
ト57の保持力より大きくなるとラチェット57の鋼球
は一方の円周溝から外れ、ブッシュ43はばねの力に押
されて他のラチェット用円周溝位置まで急速に移動す
る。従ってロッカアーム14はカム1,2の一方から他
方へ瞬時に移動し、カム切換が即座に完了する。(な
お、ラチェット57が外れてもロッカアーム14がカム
1,2の共通するベース円上でしか移動しないようにす
る安全機構(図示せず)が設けられている。)
【0026】次に図5を用いて本実施例のバルブタイミ
ング設定について説明する。図5は排気弁(EX)及び
吸気弁(IN)のバルブリフト(縦軸)及びバルブタイ
ミングを示したものである。図5の曲線Aは低負荷時の
吸気弁のバルブタイミングを示している。低負荷時には
ロッカアーム14(図4)はカム1と係合しており遅角
調節装置5(図1)は吸気弁の開閉タイミングを遅らせ
るため、吸気弁は吸気行程の途中から開弁し、下死点
(BDC)後の圧縮行程後期になってから閉弁する。
【0027】図5Ta はこのときの吸気弁閉弁時期(ク
ランク角)を示す。従ってこの状態ではBDC からTa ま
での行程(図5,区間I)では一旦気筒内に吸込んだ吸
気を吸気管内に逆流させていることになるが、これによ
り吸気絞りを行わずに吸気量を調節できるためポンピン
グロスが低減される。次に図5の曲線Bはこの状態から
負荷が増大して吸気弁閉弁時期がTc まで進角した状態
を示す。
【0028】閉弁時期が進角した結果、吸気管内に逆流
する空気量(図5,区間II) が減少するため、気筒内に
残留する吸気量が増加し、出力が増大する。しかし、こ
の状態では吸気弁の進角により排気弁とのオーバラップ
領域も拡大してしまっており、(図5、区間III)、低速
運転の場合には内部EGR の増大により燃焼不安定や出力
の低下が生じる。このため、本実施例では機関回転数が
所定値以下で吸気弁閉弁時期が所定値Tc より進角され
た場合には、カム1からカム2への切換を行い曲線Cの
吸気弁開弁特性に変更する。曲線Cの特性に切換えるこ
とにより吸気弁開弁期間は短縮され、バルブオーバラッ
プを減少させることができる(図5,区間IV) 。これに
より低速運転時の出力向上と燃焼安定性の確保を図るこ
とができる。なお、高回転高負荷の条件下ではバルブオ
ーバラップは大きい方が好ましいのでカム2への切換は
行わない。
【0029】次に図6に ECU8による本発明のバルブタ
イミング制御動作の実施例のフローチャートを示す。本
ルーチンは一定時間毎(例えば16ミリ秒毎)の繰返し
ルーチンとして実行される。図6においてルーチンがス
タートするとステップ100 ではエンジン回転数N、エン
ジン負荷、現在の吸気弁の閉弁時期(クランク角)Tが
算出される。ここでエンジン回転数Nはクランク角セン
サ6の出力から、閉弁時期Tはクランク角センサ6及び
カム角センサ7の出力からそれぞれ算出される。またエ
ンジン負荷を表わすパラメータとしてはエンジン1回転
当たりの吸入空気量Q/Nが用いられる。
【0030】次にステップ105 ではエンジン負荷Q/N
から図7の関係を用いて吸気弁の目標閉弁時期To を算
出する。図7を参照すると目標閉弁時期To は極低負荷
では遅延設定され(クランク角To が大)、負荷が増大
するにつれて進角設定(Toが小) される。次にステッ
プ110 では現在のエンジン回転数が所定値Nc より低い
か否かが判定され、エンジン回転数が高い場合(N≧N
c)にはステップ125 に進み OSV11を切換えてカム1を
選択し、開弁時期の短縮は行わない。エンジンが高回転
であれば負荷が増大してオーバラップが増加しても出力
の低下は生じないからである。エンジン回転数NがNc
より低い場合、次にステップ115 で現在の閉弁時期Tが
所定値Tc 以下(Tc より進角側) か否かを判定し、T
c より遅角側であればステップ125 に進みカム1を選択
し、Tc より進角側であればステップ120 に進み OSV1
1を切換えてカム2を選択する。次いでステップ130 か
らステップ140 を実行しステップ105 で目標閉弁時期に
なるように OSV9, OSV10を操作してルーチンを終了
する。
【0031】なお、本実施例では吸気弁の遅角制御装置
と吸気弁の開弁期間短縮を行う機構について一例を示し
たが、これらの装置、機構は本実施例で示す形のものに
限定されるわけではない。特に開弁期間短縮のための機
構としてはバルブリフトの減少を伴わないものであれば
種々の形のものが変えられ、例えば開弁時期をわずかに
ずらした2つの吸気弁を用いて、一方の弁を休止、又は
作動させる機構を設け、全体としてバルブリフトを減少
せずに開弁期間を短縮するような機構を採用することが
できる。
【0032】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、低負荷
運転時には吸気弁閉弁時期を遅延し負荷の増大とともに
吸気弁閉弁時期を進角させることにより、低負荷運転時
のポンピングロスを低減するとともに、高負荷運転時に
はバルブリフトの減少を伴わずに吸気弁開弁期間を短縮
するようにしてバルブオーバラップの増大を防止するこ
とにより、広い運転範囲で燃費の向上と出力の増大とを
得ることが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルブタイミング調節装置の実施例を
示す略示図である。
【図2】図1の実施例の吸気弁開度特性を説明する図で
ある。
【図3】図1の実施例に用いる吸気弁遅角制御装置を示
す断面図である。
【図4】図1の実施例に用いるカム切換機構を示す略示
断面図である。
【図5】図1の実施例のバルブタイミング制御を説明す
る図である。
【図6】本発明のバルブタイミング調節装置の制御動作
の実施例を示すフローチャートである。
【図7】図6の実施例におけるエンジン負荷と吸気弁閉
弁時期との関係を示す図である。
【符号の説明】
1,2…カム 3…カムシャフト 5…吸気弁遅角制御装置 6…クランク角センサ 7…カム角センサ 8…電子制御装置(ECU) 9,10, 11…油圧切換弁(OSV) 12…タイミングプーリ 13…油ポンプ 14…ロッカアーム 16…バルブリフタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−69715(JP,A) 特開 昭62−10411(JP,A) 特開 昭61−145310(JP,A) 特開 平2−271017(JP,A) 特開 平3−113273(JP,A) 実開 昭58−90338(JP,U) 実開 昭58−167706(JP,U) 実開 昭61−114019(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/02 F01L 1/34 F01L 13/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気弁の開弁期間とバルブリ
    フト量とを同一に保持したまま、吸気弁開閉時期のみを
    連続的に変更する開閉時期変更手段と、 複数の駆動カムを備え、該駆動カムを切り換えて前記吸
    気弁を駆動することにより前記吸気弁の開弁期間を変更
    する開弁期間変更手段と、を備え、 前記開閉時期変更手段は、機関負荷増大とともに吸気弁
    開閉時期を進角させることにより吸気弁閉弁時期を進角
    させ、 前記開弁期間変更手段は、前記開閉時期変更手段により
    吸気弁閉弁時期が所定時期より進角側にされたときに、
    前記吸気弁駆動カムを、前記所定時期より遅角側にある
    ときに較べて吸気弁開弁期間が短く、バルブリフト量が
    少なくとも同等以上となる開弁期間短縮用駆動カムに切
    り換えて駆動する、内燃機関のバルブタイミング調節装
    置。
  2. 【請求項2】 前記開弁期間短縮用駆動カムは、切り換
    え前と較べて吸気弁開弁時期を遅角させる形状を有する
    請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング調節装
    置。
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