JP3191993B2 - アモルファス矩形鉄心自動成形方法及び装置 - Google Patents

アモルファス矩形鉄心自動成形方法及び装置

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憲二 田口
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アモルファス矩形鉄心
変圧器の矩形鉄心部の自動成形方法に係り、長方形アモ
ルファス薄板を芯の中心となる巻枠に巻付け両端を突き
合わせ環状にしたものを積層する際に、特に巻付け時の
緩みを防止するために、アモルファス薄板の軌跡を考慮
して巻付け、成形するアモルファス矩形鉄心自動成形方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としては、特開昭63-241911号
が知られている。この従来技術は、長方形のアモルファ
ス薄板を一度丸巻して円形に成形し、その円形の中心部
に枠をはめ込み、周囲から押しつぶし、矩形状に成形す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、長方形のアモルファス薄板を一度丸
巻して円形に成形し、その円形の中心部に枠をはめ込
み、周囲から押しつぶして矩形状に成形するものである
ため、アモルファス薄板に局部的にしわ(微小変形)や
位置ずれが誘起されて、密着させて積層させたアモルフ
ァスの矩形鉄心を得ることが難しく、その結果変圧器の
磁化特性が劣化して性能の低下が生じるという課題を有
するものであった。
【0004】即ち、従来技術においては、局部的なしわ
(微小変形)がなく、密着させて積層させた高性能のア
モルファス矩形鉄心を作成しようとする課題については
考慮されていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、高性能な変圧器のアモルファス矩形鉄心を自
動的に成形し得るアモルファス矩形鉄心自動成形方法及
び装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、所定長さの伸展したアモルファス薄板
を搬送して成形の中心形状を成す巻枠の上部に位置決め
し、該位置決めされたアモルファス薄板を前記巻枠の上
部にクランプし、その後前記巻枠の両側面に懸垂したア
モルファス薄板の各部を巻枠の側面の各々について巻枠
の上部から下部に向かって押し付けながら緩まないよう
に巻き付けて各々の端を仮止めして巻枠の下部において
オーバラップさせることを積層数繰返し、前記巻枠にア
モルファス矩形鉄心を成形するアモルファス矩形鉄心の
成形方法である。
【0007】また本発明は、成形の中心形状を成す巻枠
と、所定長さの伸展したアモルファス薄板を搬送して前
記巻枠の上部に位置決めする搬送手段と、該搬送手段に
より位置決めされたアモルファス薄板を前記巻枠の上部
にクランプするクランプ手段と、該クランプ手段によっ
てクランプされて前記巻枠の両側面に懸垂したアモルフ
ァス薄板の各部を巻枠の側面の各々について巻枠の上部
から下部に向かって押し付けながら緩まないように巻き
付けて各々の端を仮止めして巻枠の下部においてオーバ
ラップさせる巻付手段とを備え、前記巻枠に前記アモル
ファス薄板を積層数巻き付けてアモルファス矩形鉄心を
成形するように構成したアモルファス矩形鉄心の成形装
置である。即ち、本発明のアモルファス矩形鉄心自動成
形装置は、成形素材である長方形アモルファス薄板の搬
送ユニットと、巻枠ユニットと、ベースと、上部クラン
プユニットと、左右の巻付ローラユニットと、周囲押え
ユニットとこれらを制御する制御ユニットとから構成さ
れている。搬送ユニットは、長方形アモルファス薄板複
数枚を把持する把持手段と、把持確認手段と、把持手段
ごと長方形アモルファス薄板を所定位置に移動する移動
手段と、移動手段が正常に移動した事を検出する移動量
計測手段とから構成されている。
【0008】
【作用】上記構成により、アモルファス矩形鉄心成形時
において、アモルファス薄板を緩まない様に押し付けな
がら巻付ける軌道上をならわせ巻付ける方法をとるため
巻付時の薄板間の緩みを防止することができると共に、
ならい位置がローラの移動によりずれた後も順次周囲よ
りアモルファス薄板を押し付け固定する方法をとるため
巻付完了後テープ仮止めに至る迄の間も緩みのない状態
を確保することができる様になり、密着させて積層させ
た高性能のアモルファス矩形鉄心を自動的に成形するこ
とができる。
【0009】
【実施例】まず、本発明の対象とする製品であるアモル
ファス矩形鉄心について図2により説明する。即ち、図
2はアモルファス矩形鉄心斜視図及びオーバラップ部拡
大図を示したものである。アモルファス矩形鉄心は、柱
上変圧器の低損失化を意図し、変圧器内鉄心材料を従来
使用してきた珪素鋼板からより効率の高いアモルファス
材料にかえて実用化されたものである。その外観は図2
に示す通りであって、アモルファス薄板12を矩形環状に
巻上げ、オーバラップ部で組み合わされた状態で積層し
た形状である。これは、アモルファス素材が25μmと非
常に薄いためにそのままでは積鉄心には適さないことか
ら巻鉄心構造となり、しかもコイル有磁界長を大きくと
り高電圧出力を得るために矩形構造となったものであ
る。これを焼鈍した後、オーバラップ部を拡げて1次側
と、2次側に巻コイル16L,16Rを装着し、その後オーバ
ラップ部を閉じて接着等で固定し、変圧器を完成させる
ものである。1次側コイルに電圧を加え電流を流してや
ると1次側コイル16Lによって発生した誘発磁界によ
り、2次側コイル16Rに電流が流れ始め、1次側と異っ
た電圧を得ることができ、変圧器の特性が得られるもの
である。
【0010】以下、本発明のアモルファス矩形鉄心自動
成形方法及び装置の実施例を図1〜図6に基づいて説明
する。即ち、図1は本発明のアモルファス矩形鉄心自動
成形装置の斜視図を、図2は対象製品であるアモルファ
ス矩形鉄心斜視図〔コイル挿入時〕及びオーバラップ部
拡大図を、図3はアモルファス薄板巻付け方法説明図
を、図4はアモルファス矩形鉄心自動成形方法説明図
を、図5はローラ軌跡計算図を、図6は周囲押えユニッ
トを設けたアモルファス矩形鉄心自動成形装置を示した
ものである。
【0011】本発明のアモルファス矩形鉄心自動成形装
置100は、成形素材である長方形アモルファス薄板12の
搬送ユニット100aと、巻枠ユニット100dと、ベース100e
と、上部クランプユニット100bと、左右の巻付ローラユ
ニット100c,100'cと、周囲押えユニット110a,110b,120
a,120bと、これらを制御する制御ユニット11とから構成
されている。
【0012】搬送ユニット(搬送手段)100aは、所定の
長さに切断された複数枚の長方形アモルファス薄板12の
先導端を把持手段14で把持してレール上を移動させて長
方形アモルファス薄板12の長さに応じて巻枠ユニット10
0dの上方まで搬送するものである。即ち、搬送ユニット
100aは、制御ユニット11の動作指令を受け、所定位置に
あった複数枚の長方形アモルファス薄板12を把持手段14
により把持すると共に、該把持手段14を移動させる移動
手段(図示せず)により巻付作業位置(巻枠ユニット10
0dの上方)まで把持手段ごとアモルファス薄板12を搬送
移動する。その際、把持手段14内に内蔵されたセンサ
(図示せず)により把持の確認が行われると共に、長方
形アモルファス薄板12の長さに応じて制御ユニット11か
ら指令される移動量に基づいて把持手段14を移動させる
移動手段が制御され、巻枠ユニット100dの上方において
オーバラップ代を考慮したアモルファス薄板12の高精度
位置決めを実現している。
【0013】巻枠ユニット(巻枠手段)100dは、矩形鉄
心内周面と同一形状をした巻枠2と、該巻枠をベース10
0eに取外し可能に装着固定する巻軸1とで構成してい
る。即ち巻枠ユニット100dは、巻枠2の外周面上を押し
付けならいながらアモルファス薄板12を環状積層化して
巻付け成形する芯となるものであり、巻軸(ベース結合
部)1を介しベース100eに取外し可能に設置している。
【0014】上部クランプユニット100bは、搬送ユニッ
ト100aの把持手段14で搬送して位置決めされた複数枚の
長方形アモルファス薄板12を、ベース100e上にあって巻
枠ユニット100aの上部から巻枠ユニットに押し付けクラ
ンプするためのものである。即ち上部クランプユニット
100bは、巻枠ユニット100dの上部のベース100e上に設け
られていて、制御ユニット11の動作指令を受けクランプ
ユニット100bが巻枠ユニット100d上のアモルファス薄板
12を固定する。その際、クランプユニット100b内に内蔵
するセンサによりクランプの確認を行い、制御ユニット
11にその動作が終了したことを知らせている。
【0015】巻付ローラユニット(巻付ローラ手段)10
0c,100'cは、上部クランプユニット100bで巻枠ユニット
100dの上部にクランプされ、垂れ下がった状態の複数枚
の長方形アモルファス薄板12を、巻枠ユニット100dある
いは、既に巻枠ユニット100dに巻かれた状態の矩形鉄心
に倣わせて張力を加えるように押し付けて緩むことなく
巻付けるためのローラ3L,3Rの軌跡をX−Y−θ軸の3
軸方向に移動しながら描くことのできるローラ移動制御
手段(Xテ−ブル5L,5RとXテ−ブル駆動モ−タ6L,
6RとYテ−ブル13L,13RとYテ−ブル駆動モ−タ15L,15
Rとθテ−ブル7L,7Rとθテ−ブル駆動モ−タ8L,8
R)を備えている。Yテ−ブル13L,13Rの各々は、y軸方
向にガイド14L,14Rの各々に沿ってYテ−ブル駆動モ−
タ15L,15Rの各々に接続された送りネジ19L,19Rの各々に
より移動できるように構成され、Yテ−ブル13L,13Rの
各々の移動はYテ−ブル駆動モ−タ15L,15Rの各々によ
って制御される。θテ−ブル7L,7Rの各々は、Yテ−
ブル13L,13Rの各々の上に回転できるように載置され、
θテ−ブル駆動モ−タ8L,8Rの各々によりθテ−ブル
7L,7Rの各々の回転量θが制御される。Xテ−ブル5
L,5Rの各々は、θテ−ブル7L,7Rの各々に設けられた
ガイド20L,20Rの各々に沿ってx軸方向にXテ−ブル駆
動モ−タ6L,6Rの各々に接続された送りネジ18L,18Rの
各々により移動できるように構成され、Xテ−ブル5L,
5Rの各々の移動はXテ−ブル駆動モ−タ6L,6Rの各々
によって制御される。ローラ3L,3Rの各々は、Xテ−ブ
ル5L,5Rの各々にx軸方向に微動できるように支持さ
れ、押し付けばね4L,4Rが取り付けられ、衝撃力がロ
ーラ3L,3Rの各々に印加されたとき逃げることもできる
ように構成されている。この押し付けばね4L,4Rのば
ね圧で押し付け力を付与しても良いことは明らかであ
る。またYテ−ブル駆動モ−タ15L,15R、θテ−ブル駆
動モ−タ8L,8R、およびXテ−ブル駆動モ−タ6L,6R
の夫れ夫れには、変位量を検出するエンコーダ17L,17R,
21L,21Rが備えられている。
【0016】巻付ローラユニット100c,100'cは巻枠ユニ
ット100dの左右両側よりアモルファス薄板を巻枠に押し
付けならわすため、対となってベース100e上に設置され
ている。即ち巻付ローラユニット100c,100'cは、巻枠ユ
ニット100dの上部に押し付け固定した後、アモルファス
薄板12を巻枠ユニット100dの周上に各ローラ3L,3Rで押
し付けならわせながら左右のローラ3L,3Rをオーバラッ
プ代を考慮して、矩形状に巻き付ける働きをする。ロー
ラ3L,3Rをならわせるべく軌跡を考慮して移動させるた
めにX−Y−θ軸方向を移動あるいは施回しうるローラ
移動制御手段が設けられており、各軸に設置したエンコ
ーダ17L,17R,21L,21R等のローラ軌跡計測手段でロ−ラ
位置情報をフィードバック制御してローラ3L,3Rによる
巻付け動作を行う。更に、巻き付けの際、緩みを生じさ
せることのない様に、ローラ3L,3Rを前記ローラ移動手
段で巻枠2の上部から下部へと倣わせながら押し付けて
巻き付け成形を行う。なお、巻枠2の巻き付けは、ロー
ラ3L,3Rをローラ移動手段で算出された軌跡に従って移
動させることにより得ることができる。即ち巻枠2の側
面への巻き付けは、図3および図5に示すように、+θ
の角度を付与した状態で、x軸方向に押し付け力を付与
してy軸方向に下降させることによって所定の押付け力
を付与して緩みにない状態で成形することができる。巻
枠2の下部においては、α:巻枠の円弧部(r部)のセ
ンタとローラ3L,3Rの中心を結んだ線の水平線となす
角、およびθ:水平線とx軸の軸心とのなす角を巻枠の
側面部においては一定の値にして巻枠の下部に行くに従
って順次変化させて付与し、後述する(数4)式および
(数5)式に従って算出される軌跡をとるようにローラ
3L,3Rのx軸およびy軸を制御することにより緩みにな
い状態で成形することができる。
【0017】周囲押えユニット(周囲押え手段)110a,1
10b,120a,120bは、図6に示すように、巻付ローラユニ
ット100c,100'cにより巻枠ユニット100dに緩むことなく
倣いながら巻付けられた複数枚のアモルファス薄板が、
巻付ローラユニット100c,100'cの移動に伴い緩み始める
のを防止するためのものである。即ち複数ある周囲押え
ユニット110a,110b,120a,120bは、巻付ローラユニット1
00c,100'cによる巻枠ユニット100dの周上でのアモルフ
ァス薄板の巻付けを終了した後も緩みのない状態を確保
するために、巻付ローラユニット100c,100'cのローラ3
L,3Rの移動が済んだ個所から遂一巻枠ユニット100dの周
上に巻かれたアモルファス薄板12の上を、巻付ローラユ
ニット100c,100'cにより制御ユニット11の動作指令の
後、押し付ける動作をする。複数ある押付け動作を遂一
行ってゆくため、周囲押えユニット110a,110b,120a,120
b内に内蔵されたセンサから押し付け動作状況を押付け
確認信号として制御ユニット11に知らせている。
【0018】制御ユニット(制御手段)11は、図6に示
すように、既知の値であるa:θ軸センタから巻枠2の
円弧(r)のセンタまでの距離、b:巻枠2のセンタか
ら巻枠円弧(r)のセンタまでの距離、c:巻枠2の直
線部と円弧部(r部)の変曲点から巻枠円弧部(r)の
センタまでの距離、r:巻枠円弧部(r部)の曲率半
径、R:ローラの曲率半径、X0:θ軸センタとX軸原
点との距離、y0:巻枠センタとY軸原点との距離、
α0:巻枠の直線部とR部の変曲点におけるαの角度が
入力され、更にt:板厚、β:すきま厚が与えられ、
α:巻枠の円弧部(r部)のセンタとローラ3L,3Rの中
心を結んだ線の水平線となす角、およびθ:水平線とx
軸の軸心とのなす角を巻枠の側面部においては一定の値
にして巻枠の下部に行くに従って順次変化させて付与
し、後述する(数4)式および(数5)式に従ってx軸
およびy軸の制御量x,yを算出する軌跡算出部と、該
軌跡算出部で算出されたx,y,θに基づいて、巻付ロ
ーラユニット100c,100'cを制御すると共に他のユニット
についても制御するコントローラとから構成されてい
る。そして制御ユニット11は、これらユニットを制御す
ることにより、アモルファス矩形鉄心を自動成形するこ
とで、成形時発生しうる緩みを低減しそのばらつきを抑
えると共に、タクト短縮を図ることで高性能なアモルフ
ァス矩形鉄心を成形可能とし、組立コスト低減を図るこ
とができる。制御ユニット(制御手段)11は、これら各
ユニットからの動作確認信号をもとに、コントローラ部
により動作指令を与えると共に、ローラ軌跡を正しく算
出してやるため軌跡算出部により矩形形状寸法及びアモ
ルファス薄板枚数のデータから演算する働きをする。軌
跡算出部より算出されたローラ軌跡データはコントロー
ラ部に送られる。コントローラ部は、ローラ軌跡データ
をもとに巻付ローラユニット100c,100'cのX−Y−θ軸
移動の制御を行う。
【0019】本発明におけるアモルファス矩形鉄心自動
成形装置100は、以上の構成により自動的に、巻枠ユニ
ット100d周上に巻付けるアモルファス薄板12の軌跡を考
慮した上で巻付けるとともに、巻付け後も周囲を押えな
がらオーバラップ部にテープを仮固定して成形を行うこ
とで、緩みのない巻付け成形を行うことができる。
【0020】アモルファス矩形鉄心は前述した様に巻鉄
心構造であり、鉄心間にすき間があくなどの様に磁路に
欠陥があると磁気損による変圧器の効率が低下してしま
う。このため、アモルファス矩形鉄心を巻く時はすき間
を作らない様にできる限り緩ませないことが必要になっ
てくる。そして一層分を巻き付けた後はテープによる仮
止めを行い、次の層を巻く際に緩まない様にしている。
又、焼鈍後のアモルファス薄板12は若干巻きぐせは残る
ものの弾性変形が可能なため、コイル16L,16Rを挿入す
ることができる。
【0021】アモルファス矩形鉄心は、一度矩形形状に
複数枚を巻付けた状態にして一定方向の磁界を与えなが
ら焼鈍した後、矩形端面を開放して1次側及び2次側の
変圧器コイル16R,16Lを挿入し、これを再度閉じて接合
する。そして、図2に示すようにアモルファス矩形鉄心
では、開放する側の矩形端面にオーバラップ部を設けて
いるから、巻付けの際のアモルファス薄板12の供給位置
決めにおいてはこのオーバラップ代を十分考慮しておく
必要がある。
【0022】以上、アモルファス矩形鉄心の成形は、オ
ーバラップ代を考慮してアモルファス薄板12の位置決め
を正確に行うとともに、緩むことのないように巻付けを
行う必要がある。
【0023】次に、アモルファス矩形鉄心の一連の自動
成形について図4に基づいて具体的に説明する。
【0024】搬送ユニット(搬送手段)100a(図4中に
図示せず)は、図4(1)に示すように、各種長さのアモ
ルファス薄板12を、巻枠ユニット100dへのオーバラップ
を考慮して搬送及び位置決めを行う。次に図4(2)に示
すように、上部クランプユニット100bによる巻枠ユニッ
ト100dへの押付け固定を行い、搬送ユニット100aの把持
手段14を開放してアモルファス薄板12端面を解放してや
る。この時アモルファス薄板12は焼鈍前は非常に柔らか
いから、重力の影響を受け下方にだれる。
【0025】次に制御ユニット11で算出された軌跡通り
にローラ3L,3Rが移動するように、エンコーダ17L,17R,2
1L,21Rの各々から検出される変位量に基づいてYテーブ
ル駆動モータ15L,15R、θテーブル駆動モータ8L,8R、X
テーブル駆動モータ6L,6Rの各々を制御して、図4(3)に
示すように、左右の対となった巻付ローラユニット100
c,100c'が左右同時に上部クランプユニット100b押付け
部根元から巻枠ユニット100dの周上を動き、先端部のロ
ーラ3L,3Rを押し当てながらアモルファス薄板12の軌跡
をならって巻き付け成形を行う。更にローラ3L,3Rは、
ローラ押し付け手段である押しばね4L,4Rの一定圧縮力
を加えた状態でアモルファス薄板12をならし、巻枠ユニ
ット100dあるいは既にアモルファス薄板12を巻いたアモ
ルファス矩形鉄心上に緩みなくアモルファス薄板12を巻
付け成形し、緩みのない状態で巻付けが可能となる。
【0026】次に図4(4)に示すように、片側の巻付ロ
ーラユニット100′cから始端(オーバラップ部の下側に
あたる部分)の巻付けを行いテープ20仮止め固定〔図中
矢印方向〕を行う。同様にして図4(5)に示すように、
反対側の巻付ローラユニット100cによる終端(オーバラ
ップ部上側にあたる部分)の巻付けを行ってテープ20仮
止め固定を行う。
【0027】以上図4(1)〜(5)の一連の動作を制御ユニ
ット11の制御指令のもと自動的に所定積層数になるまで
繰返し、図4(6)の様な巻付成形を終了する。
【0028】尚、図4(3)〜(5)の巻付け動作の最中に
も、ローラ押付け位置の移動により緩みが発生する可能
性があるため、ローラ移動に際し複数の巻枠ユニット10
0d周囲に配置された周囲押付けユニット100eによる緩み
止めを行っている。
【0029】図6は、本発明の一実施例であるアモルフ
ァス矩形鉄心自動成形装置100において左肩,右肩,左
側,右側の4方向からの周囲押付けユニット100a,110b,
120a,120bを設けたものである。
【0030】これにより本実施例においては図4(3)に
際しては左肩あるいは右肩の周囲押付けユニット110a,1
10bを作動させ、図4(4)に際しては4つの周囲押付けユ
ニット100a,110b,120a,120bを作動させる。
【0031】次に、本発明の一実施例に用いたローラ軌
跡算出方法について、図5により説明する。
【0032】移動に際しては、前述したようにX,Y,
θ3軸移動するローラ移動手段であるDCモータの周期
制御により行われる。
【0033】ローラ3Rの一定押付け力での巻付けを行う
ためには、ローラの正しい軌跡を知っておく必要があ
る。即ちローラ3Rはアモルファス薄板12の巻付けを1回
行うたびに位置が変化するため、繰返しその位置を算出
しながら移動を行う。
【0034】計算方法は、ローラ3Rの通るべき軌跡を数
十ポイントに細かく分割し、なめらかな動きに対応でき
るようにする。そのポイントは、計算の難しくなる巻枠
2下部の円弧の中心の水平からの角度αで表すのが望ま
しい。
【0035】また、θは、前述した第3図の動きにする
ため、あらかじめαの角度に対応したθの変化角度を考
える。よって、あるαのポイントでのX,Yの指令値は
次の式で表わされる。
【0036】
【数1】 r’=r+R+D (数1)
【0037】
【数2】 D =(t+D’)n−D’ (数2)
【0038】
【数3】 D’=(β/(90°−α0))(α−α0) (数3) 巻枠の側面においてはα=α0とする。
【0039】
【数4】 x =((a−r’・cosα)/cosθ)−x0 (数4)
【0040】
【数5】 y =y0−(b−c+r’・sinα−(a−r’・cosα)tanθ) (数5) n :積層数 D′:積層数の増加につれて巻枠の下部において角度変
化に応じたすきま厚相当分 D :積層数の増加につれて変化するローラ位置の増分 a :θ軸センタから巻枠円弧部(r部)のセンタまで
の距離 b :巻枠のセンタから巻枠円弧部(r部)のセンタま
での距離 c :巻枠の直線部と巻枠円弧部の変曲点から巻枠円弧
部のセンタまでの距離 r :巻枠円弧部の曲率半径 α :巻枠円弧部のセンタとローラの中心を結んだ線の
水平線となす角 θ :水平線とx軸の軸心との成す角(巻枠の側面の場
合、一定値) x0 :θ軸サンタとX軸原点との距離 y0 :巻枠センタとY軸原点との距離 t :板厚 β :すきま厚 α0 :巻枠の直線部と円弧部の変曲点におけるαの角度 以上説明したように、巻枠の側面におけるローラの軌跡
(x,y)はα=α0、θを一定の値にして(数4)式
および(数5)式から算出することができる。
【0041】更に巻枠の下部においては、ローラの軌跡
(x,y)は、αおよびθを変化させながら、(数4)
式および(数5)式から算出することができる。このよ
うに制御ユニット11において算出された軌跡(x,y)
の通りにローラ3L,3Rが移動するように、エンコーダ17
L,17R,21L,21Rの各々から検出される変位量に基づいて
Yテーブル駆動モータ15L,15R、θテーブル駆動モータ8
L,8R、Xテーブル駆動モータ6L,6Rの各々を制御するこ
とにより、巻枠ユニット100dあるいは既にアモルファス
薄板12を巻いたアモルファス矩形鉄心上に緩みなくアモ
ルファス薄板12を巻付け成形し、緩みのない状態で巻付
けが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アモル
ファス矩形鉄心成形時において、アモルファス薄板を緩
まない様に押し付けながら巻付ける軌道上をならわせ巻
付ける方法をとるため巻付時の薄板間の緩みを防止する
ことができると共に、ならい位置がローラの移動により
ずれた後も順次周囲よりアモルファス薄板を押し付け固
定する方法をとるため巻付完了後テープ仮止めに至る迄
の間も緩みのない状態を確保することができる様にな
り、緩みによって発生していた変圧器の性能低下を防止
できる。更に、従来作業者の勘に依存していた緩みのば
らつきを上記作業の自動化によりなくすことができ、製
品の信頼性を向上することができる。また、巻付けの一
連の協調動作を自動的にコントロールして行わせること
で、作業効率を上げることができ、タクト短縮に伴う組
立コスト低減を図ることが可能となる等効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアモルファス矩形鉄心自動成形装置の
一実施例を示す概略斜視図である。
【図2】本発明に係るアモルファス矩形鉄心斜視図(コ
イル挿入時)及びオーバラップ部拡大図である。
【図3】本発明に係るアモルファス薄板巻付けを説明す
るための図である。
【図4】本発明に係るアモルファス矩形自動鉄心成形方
法を説明するための図である。
【図5】本発明に係るローラ軌跡を説明するための図で
ある。
【図6】本発明に係る周囲押えユニットを設けたアモル
ファス矩形鉄心自動成形装置の一実施例を示した図であ
る。
【符号の説明】
1…巻枠ユニットベース結合部(軸部)、 2…巻枠 100…本発明のアモルファス矩形鉄心自動成形装置、 1
00a…搬送ユニット、100b…上部クランプユニット、 1
00c…左巻付けローラユニット 100c’…右巻付けローラユニット、 11…制御ユニッ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 輝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 田口 憲二 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所中条工場内 (72)発明者 伊東 和美 東京都調布市西つつじケ丘二丁目4番1 号東京電力株式会社 技術研究所内 (72)発明者 江連 正一郎 東京都調布市西つつじケ丘二丁目4番1 号東京電力株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−293605(JP,A) 特開 昭57−45215(JP,A) 特許3098570(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 41/02 H01F 27/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定長さの伸展したアモルファス薄板を搬
    送して成形の中心形状を成す巻枠の上部に位置決めし、
    該位置決めされたアモルファス薄板を前記巻枠の上部に
    クランプし、その後前記巻枠の両側面に懸垂したアモル
    ファス薄板の各部を巻枠の側面の各々について巻枠の上
    部から下部に向かって押し付けながら緩まないように巻
    き付けて各々の端を仮止めして巻枠の下部においてオー
    バラップさせることを積層数繰返し、前記巻枠にアモル
    ファス矩形鉄心を成形することを特徴とするアモルファ
    ス矩形鉄心の成形方法。
  2. 【請求項2】成形の中心形状を成す巻枠と、所定長さの
    伸展したアモルファス薄板を搬送して前記巻枠の上部に
    位置決めする搬送手段と、該搬送手段により位置決めさ
    れたアモルファス薄板を前記巻枠の上部にクランプする
    クランプ手段と、該クランプ手段によってクランプされ
    て前記巻枠の両側面に懸垂したアモルファス薄板の各部
    を巻枠の側面の各々について巻枠の上部から下部に向か
    って押し付けながら緩まないように巻き付けて各々の端
    を仮止めして巻枠の下部においてオーバラップさせる巻
    付手段とを備え、前記巻枠に前記アモルファス薄板を積
    層数巻き付けてアモルファス矩形鉄心を成形するように
    構成したことを特徴とするアモルファス矩形鉄心の成形
    装置。
  3. 【請求項3】前記巻付手段は、ローラ押付け手段を有す
    ることを特徴とする請求項2記載のアモルファス矩形鉄
    心の成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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