JP3191271B2 - 熱線遮蔽ガラス複合体 - Google Patents

熱線遮蔽ガラス複合体

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  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱線遮蔽性を有するガラ
ス複合体に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、熱線吸収性板ガラスとして着色
板ガラスが知られており、ビル,マンション,レストラ
ン,病院,工場,研究所,住宅,鉄道車両などの窓,室
内装飾に広く使用されている。このガラスは近赤外領域
の日射を適度に吸収し、冷房負担の軽減と防眩性に有効
であり、また板ガラスの色彩による装飾性に優れてい
る。しかし、普通光による照明効果が欲しい時はこのよ
うな着色ガラスによる熱線遮蔽効果を期待することはで
きない。更に、このような着色板ガラスは原料中に微量
の金属を添加したものなので、この板ガラスを得るため
は大掛かりな製造設備が必要であると同時に大量の原料
を仕込み、大量の板ガラスを製造することになり、した
がって手軽に少量で多品種の熱線吸収板ガラスを製造で
きないという問題点がある。
【0003】遮光性ガラスとしてアルミニウム等の金属
化合物を蒸着した熱遮断性フィルムをガラス表面に貼着
したものがよく知られている。しかし、金属化合物を蒸
着したフィルムは鏡のように作用し、反射によるギラツ
キがあるという問題がある。他の形の遮光性ガラスとし
ては、特開平03-141138 号公報に開示されているよう
な、2枚の透明ガラス間に紫外線の励起で可視光を発す
る有機蛍光体を狭持させることにより、夜間は透明で昼
間は明るさに応じて遮光するタイプのものが知られてい
る。この形のものは熱線だけを効率良く遮蔽するもので
はなく、照射される光量を一様に減少させるだけのもに
すぎないので、可視光は十分必要とするが熱線は遮蔽し
たいような場合には使用できない。
【0004】ガラス複合体の中間膜としては、特開平02
-22151号公報及び特開平02-22152号公報に可塑化ポリビ
ニルブチラ−ルにベンゾトリアゾ−ル誘導体を含有させ
たものが知られているが、この中間膜は波長400nm 以下
の紫外線遮断性には優れているものの450nm 以上の波長
の光は透過させるので、実質的な熱線遮断性を有するも
のではない。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】そこで、本発明は可視
領域の光はほぼ均一に透過するが、熱線である近赤外領
域の光を特定の波長領域全体にほぼ均一に遮蔽すること
ができ、反射によるギラツキがなく、破壊時の破片の飛
散性が少なく、防音効果があり、かつそのような効果が
欲しい時に経済的にも安価で、少量でも簡単に作成する
ことができる熱線遮蔽性ガラス複合体を提供することを
課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意研究した結果、ガラス破壊時の破片の飛散が少なく、
高い防音効果を得るには、接着剤として紫外線硬化樹脂
を挟持したガラス複合体が適当であることを見出だし
た。そこで、このガラス複合体に、反射が少なく、経済
的にも安価で少量でも簡単に作成することができるにも
拘らず、優れた熱線遮蔽効果を付与する手段について研
究を重ねた。上記従来技術の問題点は、金属の微量添加
あるいは金属化合物の蒸着等いずれも無機材料を使用す
るところから生じているものと考え、無機質材料でなく
有機質の使用について検討した。
【0007】その結果、特に熱線遮蔽効果のあると考え
られる一般の近赤外線吸収色素は、まず紫外線硬化樹脂
に溶解し難く、そのため透明なものが得られない上に、
紫外線硬化性に悪影響があり紫外線硬化樹脂に添加でき
ないことが明かとなった。また、基本的にこれらの色素
は近赤外線吸収であるが同時に強い可視紫外域にも強い
吸収があり、硬化のための紫外線もカットして硬化を阻
害する。更に、これらの色素は高価な上、耐久性や近赤
外部に幅広い波長吸収性がないため熱線遮蔽効果の上で
難点があり、建築用窓材として使用し得るほどの熱線遮
蔽性の耐久性が得られないことが判明した。
【0008】そこで、本発明者らは更に研究を進めた結
果、下記一般式(1) R1 −NH−CS−NH−R2 (1) (式中R1 ,R2 は水素,アルキル基,アリール基,ア
ラルキル基,アルケニル基,5員環及び6員環の複素環
残基からなる群から選ばれた一価基を表わし、各基は一
個以上の置換基を有してもよい)に示すチオ尿素化合物
と有機銅化合物とを併用することによって、本発明の課
題を解決することができることを見出だし、本発明を完
成した。即ち、上記一般式(1)のチオ尿素誘導体と有
機銅化合物を紫外線硬化樹脂に溶解し、2枚の透明ガラ
スの間に設けた一定のスペ−スに充填し、透明ガラスを
通して紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂部を硬化させ、
ついで加熱処理してチオ尿素誘導体と有機銅化合物を反
応させ近赤外線吸収性を発現せしめて、熱線遮蔽ガラス
複合体とする。あるいは、2枚の透明ガラスの間に紫外
線効果樹脂を挟持したガラス複合体の、少なくとも1枚
のガラス表面に一般式(1)で示されるチオ尿素化合物
と有機銅化合物を含有する被覆層を設け、加熱処理して
近赤外吸収層を設けたガラス複合体であってもよい。
【0009】このようにして得られたものは、ほぼ無色
かわずかに着色した透明なガラス複合体であり、展示品
のショ−ケ−ス用材料として使用することもできるが、
特にビル,車、鉄道車輌等の窓材として好適に使用する
ことができる。
【0010】本発明に使用する上記一般式(1)のチオ
尿素化合物は、本願発明者らの出願になる特開平2-3493
号公報に記載されているチオ尿素化合物である。また有
機銅化合物は前記特開平2-3493号公報に記載されている
ものと、同じく本願発明者らが出願した特願平2-25863
に記載のアクリル基を有するフタル酸誘導体の銅塩を使
用することができる。特に、特願平2-25863 に記載のア
クリル基を有するフタル酸誘導体の銅塩が好ましい。
【0011】本発明の特徴は、元来色素でないチオ尿素
誘導体と有機銅化合物という2成分からなる素材を使用
する点にある。この2成分の化合物の加熱により生成し
た反応生成物は、可視光の吸収が少ないにも拘らず、80
0nm 〜2600nmの近赤外域全体に均一で強い吸収を有して
いる。又、他の一般的近赤外吸収色素と異なり、紫外線
硬化樹脂に混合しても硬化性を殆ど損なわないというき
わだった特徴を有する。この2成分の化合物はもともと
紫外線の吸収が比較的少ない上に、後に述べるようにそ
の使用量が極めて少量で良いから、この2成分により照
射した紫外線がカットされにくい。したがって、紫外線
硬化樹脂の硬化性に殆ど悪影響を及ぼすことなく熱線遮
蔽効果を得ることができる。
【0012】本発明に使用するガラスは紫外域及び可視
域に透明で有ればよい。厚さは2mm〜8mm の範囲が望ま
しく、3mm 〜6mm が好ましい。又この熱線遮蔽ガラスを
使用して断熱効果を高めるため空気層を設けた構造は窓
材として好適である。
【0013】本発明に使用する紫外線硬化樹脂はガラス
との密着性または接着性が高い紫外線硬化樹脂または電
子線硬化樹脂が望ましい。また硬化樹脂の光透過性が高
いことも重要である。又数mmの厚さで硬化することが必
要である。これらの条件に合致するガラス複合体のガラ
ス板接着用紫外線硬化樹脂としては、特開昭54-71134に
開示されている(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アク
リル系アルコキシラン,有機スズ化合物がある。これら
のなかでは(メタ)アクリル系アルコキシランを主成分
とするものが好適である。
【0014】一般に硬化樹脂に添加物を加えると硬化性
は悪くなるから、硬化性を著しく阻害する物質を紫外線
硬化樹脂加えることはできない。これに対し、本発明の
チオ尿素化合物と有機銅化合物特にアクリル基を有する
フタル酸誘導体の銅塩は、紫外線硬化樹脂に数%添加し
ても2枚のガラス間で硬化させることができる。
【0015】しかし、予めガラスをチオ尿素化合物と有
機銅化合物を含有させた被覆物を加熱処理して近赤外線
吸収性化したものを使用する場合は硬化性に影響はな
く、また硬化後の加熱処理も必要がないので通常の合わ
せガラスを製造する条件でガラス複合体体を作成でき
る。この場合、硬化のための紫外線透過性の上で、2枚
のガラスの一面のみを近赤外線吸収性被覆物で被覆する
ことが好ましい。
【0016】本発明の近赤外線吸収性化のための加熱処
理条件はオーブンにて130 〜180 ℃の範囲で10〜20分が
望ましい。又赤外線ランプなどを使用することも可能で
ある。 本発明の2枚のガラス間の中間層すなわち紫外
線硬化層の厚さは、窓用ガラスとして全体の最適の厚さ
に依存しており、ガラス/硬化層/ガラスの厚さ(mm)
は、用途により4/2/3,4/1.5/4,6/1/3,5/2/4程度が考え
られる。
【0017】熱線遮蔽の程度は、JIS規格のR 3106に規
定される日射透過率で評価できる。例えば、日射透過率
70%であれば、熱線は30%遮蔽されたと考えてよ
い。勿論、黒色フルタ−を使用すれば日射透過率を非常
に小さくすることができるが、それでは可視光も同時に
遮蔽されて全体に暗くなってしまう。そこで、本発明で
は可視光透過率50%以上、日射透過率60%以下を望まし
い範囲とした。
【0018】本発明の一般式(1)で表わされるチオ尿
素誘導体と有機銅化合物と併用できる色素としては、紫
外線硬化樹脂への溶解性があり、紫外線硬化性を消失さ
せないものであればよい。従来公知の広い波長範囲で近
赤外線吸収性があるインモニウム,ジインモニウム,ア
ミニウム化合物は、全く紫外線硬化性が消失してまうの
で使用できない。また、シアニン系色素,フタロシアニ
ン系,ジチオールNi錯体系などの近赤外線吸収色素
は、溶解性が悪く,紫外線硬化性に悪影響があり、特に
シアニン色素は紫外線で構造が破壊され熱線遮蔽効果が
生じないので、使用することができない。しかもこれら
の色素は広い波長範囲で近赤外線吸収性がないことやサ
ンシャインウエザーメーターを使用した耐候試験(500
時間)では分解するなどの問題点が有る。
【0019】本発明の上記の中間層の紫外線硬化樹脂に
対するチオ尿素誘導体と有機銅化合物の基本組成は、紫
外線硬化樹脂100 重量部に対して上記2成分が0.05から
1重量部程度が望ましく、チオ尿素誘導体と有機銅化合
物の割合は、1:1 程度が好ましい。
【0020】ガラス表面に近赤外吸収性被覆を設けるに
は、プラスチックなどの表面保護被覆剤として使用され
るハードコート剤100 重量部に対して10〜50重量部の上
記2成分を添加した組成物中にガラスを浸積するか、又
はこの組成物をガラス表面に塗布乾燥後、加熱してハ−
ドコ−ト剤を硬化すると同時に上記2成分を反応させ
る。
【0021】
【作用】それ自体が色素でない一般式(1)のチオ尿素
化合物と有機銅化合物は、いずれも紫外線吸収能が小さ
く、紫外線硬化樹脂に溶解するにも拘らず紫外線硬化樹
脂の硬化性を阻害しないという性質を有しており、か
つ、これらを加熱反応させると着色が殆どなく少量で広
い範囲の近赤外領域の熱線を吸収する反応生成物とな
る。そこで、2枚の透明なガラスの中間に、これら2つ
の成分を少量溶解した紫外線硬化樹脂を充填して紫外線
照射すると、樹脂は硬化し、その後加熱すると殆ど着色
がなく透明であるが近赤外線の遮蔽性能に優れたガラス
複合体が得られる。このようにして得られた本発明の熱
線遮蔽ガラス複合体は、800nm 〜2600nmの近赤外線光を
幅広く吸収し、又可視光の多くは透過して、熱線遮蔽を
行う。吸収した光エネルギーの大部分は熱エネルギーに
変換され、風などで冷却、拡散することにより、効率的
な熱線遮蔽が行なわれるものと考えられる。又、チオ尿
素化合物と有機銅化合物を溶解することにより、紫外線
硬化樹脂の粘弾性は殆ど変化しないので、紫外線硬化樹
脂を中間膜とするガラス複合体の防音性や破壊時のガラ
スの飛散性が少ないという性質をそのまま保持している
もの考えられる。
【0022】以下に、この発明の実施例を記載してより
具体的に説明する。なお、以下において部は重量部であ
る。
【0023】
【実施例】実施例1 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S20;UCB社製)100 部に、ジフ
ェニルチオ尿素0.15部とフタル酸水素アクリロイルオキ
シエチル銅塩0.15部を溶解して熱線遮蔽用中間層溶液を
調整し、この中間層溶液を1.5mm のスペーサーを組み込
んだ2枚ガラスの間に充填して、400Wの水銀灯を15分
間照射して硬化した。この硬化したガラス複合体を150
℃のオーブンに10分間加熱処理して淡い鶯色の透明な熱
線遮蔽ガラス複合体を得た。
【0024】得られた熱線遮蔽ガラス複合体の熱線遮蔽
能を、直記分光光度計UV3100(島津製作所製)で近紫
外,可視,および近赤外光の透過率を測定してJIS規格
のR 3106に沿って可視光透過率および日射透過率を計算
した。可視光透過率が76%、日射透過率が58%であっ
て、可視光の透過性が良いにも拘らず優れた熱線遮蔽性
を示した。又このガラス複合体の熱線遮蔽性の耐候性試
験を、サンシャインウエザーメーターで500 時間行なっ
たところ熱線遮蔽性にほとんど変化が見られなかった。
【0025】実施例2 ハードコート剤(大八化学製S801A)100 部に、ジフェ
ニルチオ尿素10部とフタル酸水素アクリロイルオキシエ
チル銅塩10部を溶解して熱線遮蔽用ガラス被覆溶液を調
整した。透明な4mm 厚さの2枚ガラス(20mm×20mm)の
一枚をこの溶液に浸積して乾燥し、オーブンで150℃加
熱処理して熱線遮蔽性被覆とした。この熱線遮蔽被覆を
有するガラスと、このような被覆を有しない透明な4mm
厚さの1枚ガラスを1.5mmのスペーサーを組み込んで間
隙を作り紫外線硬化樹脂(UVEKOL S15;UCB社製)を充填
して、400Wの水銀灯を30cmの距離から12分間照射して
硬化した。
【0026】得られた熱線遮蔽ガラス複合体の熱線遮蔽
性を、直記分光光度計UV3100(島津製作所製)で近紫
外,可視,および近赤外光の透過率を測定してJIS規格
のR 3106に沿って可視光透過率および日射透過率を計算
した。可視光透過率が78%、日射透過率が55%であって
優れた熱線遮蔽性を示した。又この熱線遮蔽ガラス複合
体の熱線遮蔽性の耐候性試験を、サンシャインウエザー
メーターで500 時間行なったところ、熱線遮蔽性にほと
んど変化が見られなかった。
【0027】比較例1 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S20;UCB社製)100 部のみを中
間層溶液として、この中間層溶液を1.5mmのスペーサー
を組み込んだ2枚ガラスの間に充填し、400Wの水銀灯を
30cmの距離から15分間照射して硬化した。
【0028】得られた熱線遮蔽ガラス複合体を直記分光
光度計UV3100(島津製作所製)で近紫外,可視,および
近赤外光の透過率を測定し、JISR 3106に沿って可視光
透過率および日射透過率を計算した。可視光透過率が8
7.85 %で、日射透過率が82.4%であり、ほとんど熱線
遮蔽性が見られなかった。
【0029】比較例2 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S20;UCB社製)100 部に、近赤
外線光吸収色素IRG002(ジインモニウム系色素;日本火
薬製)0.3 部溶解し中間層溶液を調整した。この中間層
溶液を、1.5mmのスペーサーを組み込んだ4mm 厚さの2
枚ガラス(20mm×20mm)の間に充填して、400Wの水銀灯
を30cmの距離から15分間照射したが全く硬化しなかっ
た。
【0030】比較例3 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S20;UCB社製)100 部に対して
近赤外線光吸収色素NK-2014(シアニン色素;日本感光
色素研究所製)0.3 部を溶解しようと試みたが、完全に
溶解しなかった。この中間層溶液を1.5mm のスペーサー
を組み込んだ4mm厚さの2枚ガラス(20mm×20mm)の間
に充填して、400Wの水銀灯を30cmの距離から15分間照
射したが完全に硬化せず、不透明で且つ、色素が破壊さ
れ緑色の色調が黄色に変化した。
【0031】比較例4 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S20;UCB社製)100 部に、近赤
外線光吸収色素として0.3 部のトルエンジチオールNi
錯体を溶解しようと試みたが完全に溶解しなかった。こ
の中間層溶液を1.5mm のスペーサーを組み込んだ4mm 厚
さの2枚ガラス(20mm×20mm)の間に充填して、400Wの
水銀灯を30cmの距離から15分間照射したが完全に硬化
せず、不透明なものしか得られなかった。また緑色の色
調が黄色に変化した。
【0032】比較例5 紫外線硬化樹脂(UVEKOL S15;UCB社製)100 部に、近赤
外線光吸収色素として0.3 部のNIR-13(フタロシニン系
色素;山本化成工業製)を溶解操作したが、完全に溶解
しなかった。この中間層溶液を1.5mm のスペーサーを組
み込んだ4mm 厚さの2枚ガラス(20mm×20mm)の間に充
填して、400Wの水銀灯を30cmの距離から15分間照射し
たが完全に硬化せず、不透明なものしか得られなかっ
た。また割れ目が入る。
【0033】
【発明の効果】本発明よって、可視光はほぼ均一に透過
するが、熱線である近赤外領域の光を波長領域全体にほ
ぼ均一に遮蔽し、反射によるギラツキがなく、破壊時の
破片の飛散性が少なく、防音効果があり、かつそのよう
な効果が欲しい時に経済的にも安価で、少量でも簡単に
作成することができる熱線遮蔽性ガラス複合体で、これ
までの熱線遮蔽ガラスでは得られなかった耐久性の高い
熱線遮蔽ガラス体を得ることができた。そのためこの熱
線遮蔽ガラス複合体は、ショ−ケ−ス用材料として使用
することもできるが、特に熱線遮蔽能の耐久性を必要と
する一般建築窓用はもちろん車輌用窓材として好適に利
用できるといった効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 27/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の透明ガラスの間に紫外線硬化樹脂
    を挟持したガラス複合体において、紫外線硬化樹脂に下
    記一般式(1) R1-NH−CS−NH−R2 (1) (式中R1 ,R2 は水素,アルキル基,アリール基,ア
    ラルキル基,アルケニル基,5員環及び6員環の複素環
    残基からなる群から選ばれた一価基を表わし,各基は一
    個以上の置換基を有してもよい)で示されるチオ尿素化
    合物と有機銅化合物を溶解し、この紫外線硬化樹脂を紫
    外線照射により硬化し、ついで加熱処理して近赤外線吸
    収性樹脂層としたことを特徴とする熱線遮蔽ガラス複合
    体。
  2. 【請求項2】 2枚の透明ガラスの間に紫外線効果樹脂
    を挟持したガラス複合体において、少なくとも1枚のガ
    ラス表面に一般式(1)で示されるチオ尿素化合物と有
    機銅化合物を含有する被覆層を設け、加熱処理して近赤
    外吸収層を設けたことを特徴とする熱線遮蔽ガラス複合
    体。
  3. 【請求項3】 紫外硬化樹脂が、アクリル系アルコキシ
    ランあるいはメタクリル系アルコキシランを含む紫外線
    硬化樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の熱線遮蔽ガラス複合体。
  4. 【請求項4】 有機銅化合物が紫外線硬化樹脂に溶解す
    るアクリル基を有する有機銅塩である請求項1、2、又
    は3記載の熱線遮蔽ガラス複合体。
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