JP2014021421A - 熱線遮蔽材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視領域の光の透過性が高く且つ近赤外領域の光の遮蔽を有効に向上せしめる熱線遮蔽材料を提供する。
【解決手段】フタロシアニン骨格のα位のうち少なくとも4個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表す。置換基A、Bは、炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表すフタロシアニン化合物を含む。
【選択図】図10

Description

本発明は、例えば近赤外領域の波長を有する光を有効に遮蔽することにより自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等に好適に使用される合わせガラスや樹脂製透光板、及び窓ガラス用貼着フィルムを構成する熱線遮蔽材料に関するものである。
太陽光は紫外線、可視光線、そして熱線と称される近赤外線からなり、そのエネルギー比率は、紫外線が5%、可視光線が45%、近赤外線が50%である。近年、温室効果ガスの削減と省エネルギー化を目的として太陽光からの熱線(赤外線)をカットするために、従来自動車、鉄道などの車両、住宅、ビルディング等の建築物のガラス面に遮熱薄膜を用いることが広く行われている。遮熱薄膜の一般的な形状としては、熱線遮蔽剤を含有した樹脂組成物をコーティングしたフィルム等が挙げられる。このようなフィルムには、アンチモンドープ酸化錫(ATO)や錫ドープ酸化インジウム(ITO)等の無機微粒子が熱線吸収剤として使用されてきた。これらは熱線遮蔽率、可視光透過率に優れているが、近赤外領域の吸収は800nm位の波長から波長が長くなるに従い徐々に上昇するという傾向であるため、800〜1000nmの近赤外領域の熱線遮蔽率に乏しい。
近年、温室効果ガスを削減する動きの一例として、米国のカリフォルニア大気資源委員会(CARB: California Air Board)が、温室効果ガスを削減するために自動車から排出される二酸化炭素量を低減することを提案している例を挙げることができる。具体的に説明すると上記CARBは、合わせガラスを透過して自動車内に流入する熱エネルギーを規制して、空調設備で消費される燃料を低減し、自動車の燃費を改善する、所謂クールカー規制の導入を検討している。斯かるクールカー規制は、2016年度には自動車に用いられる合わせガラスの全日射透過率(Trs : Total Solar Transmittance)が40%以下となることを要求している。さらに、当該クールカー規制は可視光透過率が70%以上となることも要求している。このような動きは、米国だけに留まらず、全世界的に広まると予想される。
一般的にはATOやITOのような無機系の熱線遮蔽剤を増量することも考えられるが、上記の通りATOやITO近赤外領域の吸収は800nm位の波長から波長が長くなるに従い徐々に上昇するという傾向であるため、ATOやITOを単に増量して800〜1000nmの波長の光を吸収させようとすれば含有量をこれまでよりも倍増させなければならない。またそうなると自動車ではこれらATOやITOは導電体であるために自動車では合わせガラスの内外の通信、すなわちカーナビゲーションやETC等と車外との通信が妨げられ、これらが正常に動作しないといった不具合も予想される。現状では他にも、酸化タングステン・セシウム系化合物を用いればこのような問題は解消されるが、加工性の面で課題を有している。
熱線遮蔽率をより高めた熱線カットフィルムを実現するためには、この800〜1000nmの波長領域に吸収のピークを有する有機化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしこれら有機化合物でも、可視領域の光を透過率が高くなければ製品の品質の低下を招来してしまう。またこのような有機化合物はピークから離れた波長に対する吸収は急に低下する傾向に有るため、上述の通り可視領域の光の透過率が高く且つ、800〜1000nmの波長領域における種々の波長にピークを有する有機化合物が提供されることが期待されている。
特開2012−31176号公報
本発明は、このような不具合に着目したものであり、可視領域の光の透過性が高く且つ近赤外領域の光の遮蔽を有効に向上せしめる熱線遮蔽材料を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次の(1)〜(12)のような手段を講じたものである。
(1):下記化学式1で示されるフタロシアニン化合物が含まれシート状に成形されてなることを特徴とする熱線遮蔽材料。
Figure 2014021421
式中Y1〜Y8は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z1〜Z8はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ1〜Z8はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立に炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;Mは水素原子、2価の金属原子、3価あるいは4価の置換金属又はオキシ金属を表す。
(2):前記Mが、バナジルを表す(1)記載の熱線遮蔽材料。
(3):前記Z1〜Z8のうち、少なくとも4個がジメチルアミノ基を表す(1)又は(2)記載の熱線遮蔽材料。
(4):前記Z1〜Z8のうち、少なくとも4個がモノブチルアミノ基を表す(1)又は(2)記載の熱線遮蔽材料。
(5):前記フタロシアニン化合物が、化学式2で示されるフタロニトリル化合物を原料とする(1)、(2)、(3)又は(4)記載の熱線遮蔽材料。
Figure 2014021421
Y9及びY10は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z9及びZ10はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ9及びZ10はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立に炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表す。
(6):(1)〜(5)の何れかに記載のフタロシアニン化合物を有してなり、
透過スペクトルの測定において、750〜1050nmの最低値が5〜6%になるように前記フタロシアニン化合物の濃度を調整した溶液中において、可視光透過率が65%以上であることを特徴とする熱線遮蔽材料。
(7):前記フタロシアニン化合物が、シート状の樹脂に含まれている(1)〜(6)の何れかに記載の熱線遮蔽材料。
(8):前記フタロシアニン化合物の配合量は前記樹脂100質量部に対して0.0005〜20質量部であり、800〜1000nmの近赤外線を吸収することを特徴とする熱線遮蔽材料。
(9):前記シート状の樹脂が可撓性を有するものであり、合わせガラスの中間膜として用いられる(7)又は(8)記載の熱線遮蔽材料。
(10)前記シート状の樹脂が可撓性を有するものであり、ガラスに貼着されるフィルムとして用いられる(7)又は(8)記載の熱線遮蔽材料。
(11)前記シート状の樹脂が保形性を有する硬質のものである(7)又は(8)記載の熱線遮蔽材料。
(12)アンチモンドープ酸化錫又は錫ドープ酸化インジウムの微粒子を含むものである(1)〜(11)の何れかに記載の熱線遮蔽材料。
本発明によれば、可視領域の光の透過性が高く且つ近赤外領域の光の遮蔽を有効に向上せしめる熱線遮蔽材料を提供することができる。
本実施形態に係る化合物を表として示す図。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 本発明の第二実施形態に係る説明図。 図10に係る模式的な断面図。 本発明の第三実施形態に係る説明図。 同実施形態に係る模式的な構成説明図。 同実施形態に係る他の模式的な構成説明図。 合成実施例1に係る化合物の吸光度を示すグラフ。 合成実施例3に係る化合物の吸光度を示すグラフ。 合成実施例4に係る化合物の吸光度を示すグラフ。 合成実施例5に係る化合物の吸光度を示すグラフ。 材料実施例1に係る熱線遮蔽材料の透過率を示すグラフ。 材料実施例2に係る熱線遮蔽材料の透過率を示すグラフ。 材料実施例4に係る熱線遮蔽材料の透過率を示すグラフ。 材料実施例6に係る熱線遮蔽材料の透過率を示すグラフ。 材料比較例1に係る熱線遮蔽材料の透過率を示すグラフ。 材料実施例及び材料比較例の透過率並びに反射率を表として示す図。
<第一実施形態>
以下、本発明の第一実施形態について説明する。
(1):化学式1:
Figure 2014021421
(式中Y1〜Y8は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素数4〜6個の環状アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z1〜Z8はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ1〜Z8はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;Mは水素原子、2価の金属原子、3価あるいは4価の置換金属又はオキシ金属を表す。)で示されるフタロシアニン化合物又は
化学式2:
Figure 2014021421
(Y9及びY10は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z9及びZ10はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ9及びZ10はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表す。)で示されるフタロニトリル化合物を原料とするフタロシアニン化合物である。
以下、上記化学式1で示されるフタロシアニン化合物について説明する。
まず、上記化学式1中、Y1〜Y8は、同一であっても異なるものであってもよく、mが2以上、すなわちY1〜Y8が複数存在する場合には、同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。
また、Z1〜Z8及び置換基A及びBについても、同一であっても異なるものであってもよい。
上記化学式1、2中の「炭素原子数1〜10個のアルキル基」とは、炭素原子数1〜10個の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、シクロヘキシルメチル基、2-エチルヘキシル基などを挙げることができる。
上記化学式1、2中の「炭素原子数1〜10個のアルコキシ基」とは、炭素原子数1〜10個の直鎖、分岐鎖又は環状のアルコキシ基である。具体的には、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、sec-ブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、アミルオキシ基、イソアミルオキシ基、tert-アミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、tert-ヘプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、tert-オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基などを挙げることができる。
上記化学式1、2中の「炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基」及び「炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基」とは、先に例示したような炭素原子数1〜10個の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基を有するジアルキルアミノ基及びモノアルキルアミノ基である。
上記化学式1、2中の「炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基」とは、具体的には、ピロリジノ基、ピぺリジノ基、ホモピペリジノ基などを挙げることができる。
このようなものであれば、当該フタロシアニン化合物が耐久性に優れ、日射強度の強い800〜1000nmの波長領域を選択的に吸収し、さらに可視光線透過率も高いという特徴を有している。従って、本実施形態によれば、燃費の向上や省エネルギー化に伴う温暖化ガスの抑制を実現し得る熱線遮蔽材を提供できる。しかも800〜1000nmの波長領域を選択的に吸収することでATO、あるいはITOのような金属酸化物微粒子を多く使用せずとも遮熱効果が得られる。これにより、自動車の合わせガラスに用いた場合には導電性を有する上記ATO、ITOの仕様を抑えることでカーナビゲーションシステムやETC機器といった車載されている無線機器の通信を導電体により阻害することを確実に回避し得る。
上記化学式1、3中の「M」で表されるのは、「水素原子、2価の金属原子、3価あるいは4価の置換金属又はオキシ金属」のうち、なかでも好ましいものとしては、バナジル、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト及び亜鉛を挙げることができる。また最も好ましいものとしてはバナジルを挙げることができる。
そして、前記Z1〜Z8のうち、少なくとも4個がジメチルアミノ基、又はモノブチルアミノ基を表すものであれば、より好ましい。
そして本発明に係る熱線遮蔽材料は、フィルタへの適用性を担保するために上記のフタロシアニン化合物を有してなり、透過スペクトルの測定において、750〜1050nmの最低値が5〜6%になるように前記フタロシアニン化合物の濃度を調整した溶液中において、可視光透過率が65%以上であることを特徴とするものである。
そして本発明に係る熱線遮蔽材料は、近赤外線を好適に吸収し得るという上記フタロシアニン化合物の特性を活かすべく、当該フタロシアニン化合物の配合量は前記樹脂100質量部に対して0.0005〜20質量部であることを特徴とするものである。
そして、上述したフタロシアニン化合物は例えば、下記化学式(一般式)3に示すフタロシアニン骨格において、α位であるR1、R4及びβ位であるR2、R3、そして中心金属Mを、図1〜図9に示した各表に化合物No.1〜No.91として示される化合物を一例として挙げることができる。
Figure 2014021421
<第二実施形態>
本実施形態では図10に示すように、上記第一実施形態に示した熱線遮蔽材料を、自動車Cに用いられる合わせガラス1の中間膜10に適用した一例について説明する。この自動車CはフロントガラスC1、ドアガラスC2及び図示しないリアガラスに本実施形態に係る合わせガラス1を適用しているものである。
合わせガラス1は、図11に示すように、二枚のガラス本体11間に中間膜10を配した構造をなす。
ガラス本体11は、フロントガラスC1、リアガラス又はドアガラスC2といった使用箇所にもよるが、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラス、複層ガラス等の無機ガラスや、ポリカーボネート板、ポリメチルメタクリレート板のような有機ガラスが挙げられる。これらガラスは、着色されたガラスであってもよい。上記ガラスの形状は、自動車Cの形状等によって適宜選択されればよく、平面であってもよいし、湾曲した形状であってもよい。また、ガラスの厚みは、通常必要とされる耐貫通性を考慮すれば、0.5mm以上5mm以下であることが好ましい。
中間膜10は、同図では単層としているが当該単層の中間膜10であってもよいし、また複層構造を有する中間膜10であってもよい。
この中間膜10は、シート状に成形された中間膜用樹脂中に熱線遮蔽剤として上記実施形態に係るフタロシアニン化合物を、中間膜用樹脂100質量部に対して0.0005〜20質量部混合したものとしている。
フタロシアニン化合物は、例えば下記化学式4、5、6、7、8及び9で表され、上記実施形態の化合物No.に対応した化合物例3、化合物例66、化合物例67、化合物例77、化合物例79及び化合物例91として示されるフタロシアニン化合物の何れか又は複数組み合わせて含まれてなるものである。
Figure 2014021421
Figure 2014021421
Figure 2014021421
Figure 2014021421
Figure 2014021421
Figure 2014021421
そして当該フタロシアニン化合物の特性としては上述した通り、透過スペクトルの測定において、750〜1050nmの最低値が5〜6%になるように濃度を調整した溶液中において、可視光透過率が65%以上であるものが使用されている。また中間膜10には、上記フタロシアニン化合物の他、熱線遮蔽剤としてアンチモンドープ酸化錫(ATO)及び錫ドープ酸化インジウム(ITO)の微粒子も含まれている。
中間膜用樹脂としては、可撓性及び伸縮性を有する樹脂であれば、特に限定されないが、ポリビニルアルコール樹脂、可塑化ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、硫黄元素を含有するポリウレタン樹脂等が挙げられる。なかでも、フタロシアニン化合物以外の種々のイオンを水和した状態で導入することができるため、ポリビニルアルコール樹脂といった水溶性の高分子が好ましい。中間膜10は、本実施形態の効果、つまり熱線遮蔽効果を阻害しない範囲でさらに、酸化防止剤、劣化防止剤、熱安定剤、寸法安定剤、接着力調整用の金属塩、接着力調整用のシリコンオイル、接着力調整用のシランカップリング剤、ブロッキング防止剤、顔料、染料、着色剤、光拡散剤、光拡散性粒子、耐電防止剤、中間膜10の吸湿による白化防止に対して効果のある無機微粒子、微粒子系添加剤を分散させるための界面活性剤、遊離金属イオンをトラップするためのキレート剤、低分子化合物の中間膜10内での移行を防止するための吸着剤、可塑剤、有機溶剤、可塑剤や有機溶剤の極性を調整するための添加剤、粘着性付与剤、中間膜用樹脂の結晶化によるヘーズ上昇を防ぐための結晶核剤、架橋剤、難燃剤を含有していてもよい。
合わせガラス1では、ガラス本体11、中間膜10以外に、一層以上の層を追加で設けることも可能である。追加される層としては、例えばガラス本体11と中間膜10との接着力を強化するためのプライマー層、紫外線吸収剤を含有する紫外線吸収層、合わせガラス1が燃焼することを防止するための難燃層、各種模様や文字が印刷された装飾層、耐貫通性向上を目的としたポリエステルフィルム層、ハードコート層、誘電体層、蒸着金属層、偏光板層等が挙げられる。また中間膜10内に紫外線吸収剤を含有させることで、有害な紫外線の大部分を遮蔽することができる。上記紫外線吸収剤としては、有機系紫外線吸収剤や、酸化亜鉛微粒子、酸化チタン微粒子、酸化セリウム微粒子等の紫外線を吸収する無機微粒子を用いることができる。
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る合わせガラス1用及び合わせガラス1用の中間膜10は、日射強度が強く且つ既存のATOやITOでは十分に遮蔽することができなかった800〜1000nmの波長領域を選択的に吸収し、さらに可視光線透過率も高いという特徴を有している。その結果、従来に比べてATO、ITOを増量せずとも従来以上に熱線を遮蔽することで、合わせガラス1内部つまり自動車C内の温度上昇が有効に抑えられる。またATO、ITOの増量を回避しているので、車載されているカーナビゲーションやETCシステムの通信に干渉することもない。その結果、米国において過去に提案されたクールカー規制、或いは米国以外におけるこれと類似する規制にも対応することが可能となる。
特に本実施形態では、ATO、ITOを併用することにより、800〜1000nmの波長領域の光も、1000nm以上の波長領域の光も有効に遮蔽することで、より全日射透過率を下げて車内の温度上昇を抑え得る合わせガラス1を実現している。
<第三実施形態>
上記第二実施形態では、自動車Cの合わせガラス1の中間膜10として適用される、可撓性や伸縮性を有する熱線遮蔽材料を開示したが勿論、本発明に係る熱線遮蔽材料は合わせガラス1の中間膜10に限られず、フィルム状の樹脂素材や、保形性を有する硬質の樹脂素材としても良い。
図12は、本実施形態に係る熱線遮蔽材料が適用されている一例として、住宅のテラス周りを図示している。同図では通常の住宅と同じく、住宅の出入り口である窓W上部に雨よけ兼日よけとして設置されたテラス屋根Tが設置されている態様を図示している。
テラス屋根Tは、屋外に立設された支柱T1と、当該支柱T1及び建築物の一部に取付けられた屋根フレームT2と、この屋根フレームT2に固定された透明又は透光性を有する樹脂ボード2とを有している。この樹脂ボード2は、屋根フレームT2に上下から挟持されることによって当該屋根フレームT2に強固に保持されている。また当該テラス屋根Tには屋根フレームT2及び支柱T1に亘って設けられる雨樋等も具備しているが、その詳細な説明は省略する。
窓Wは、建築物に設けられた通常の態様をなすものであり、建築物の開口に取付けられた矩形枠形状のサッシW1と、サッシW1内を引き違い可能にスライド動作し得る窓枠W2と、この窓枠W2に取付けられた窓ガラス3とを有している。
しかして本実施形態では、同図に示す中で、テラス屋根Tの樹脂ボード2が本実施形態に係る熱線遮蔽板20を有しているとともに、窓ガラス3が、本実施形態に係る熱線遮蔽フィルム30を有するものとなっている。
樹脂ボートは、図13に示すように、表裏及び中間に配された例えば透明の樹脂素材からなる透明板21と、これら透明板21間に配された熱線遮蔽板20とを有している。
熱線遮蔽板20は、保形性を有する硬質の樹脂に対し上記実施形態同様にフタロシアニン化合物を溶融混練により混合させたものである。ここで、透明板21及び熱線遮蔽板20を構成する樹脂素材は同じ素材であっても異なる素材であっても良い。また保形性を有する硬質の樹脂とは、例えばアクリルを始めポリカーボネート樹脂やポリプロピレン樹脂等、ABS樹脂等、既存の種々の樹脂素材を挙げることができる。
窓ガラス3は、図14に示すように、通常の窓ガラス3に使用され得るガラス素材からなるガラス本体31とこのガラス本体31の、屋外側又は屋内側に貼付された熱線遮蔽フィルム30とを有している。そして熱線遮蔽フィルム30は、可撓性を有する樹脂素材中に上記同様にフタロシアニン化合物を混合させるか或いは適宜コーティングを施したフィルム層32と、このフィルム層32をカラス本体に密着させるための粘着剤層33とを有している。フィルム層32を構成し得る樹脂素材としては種々の樹脂素材が考えられるが、その一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)等のプラスチックフィルムを挙げることができる。また粘着剤層33に関してはガラス本体31同様に可視領域の光を透過し得る粘着剤からなるものであれば良く、勿論上記同様に本実施形態に係るフタロシアニン化合物を混合する態様も妨げない。当該粘着剤の一例としては、アクリル系重合体やスチレン系重合体からなるホットメルト粘着剤や溶剤系の粘着剤等、既存の種々の粘着剤を適用することができる。
また本実施形態においても熱線遮蔽板20及び熱線遮蔽フィルム30は、上記第二実施形態の中間膜10同様に、熱線遮蔽剤として上記フタロシアニン化合物の他、ATO、ITOも同様に混合させたものとしている。また勿論、その他前記中間膜10同様に種々の化合物を混合したり、別異の機能を有する格別な層を併存させたりしても良い。
これらのようなものであっても上記実施形態同様、近赤外光を有効に遮蔽することで全日射透過率を下げ、上記実施形態同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態において用いられるフタロシアニン化合物は、単一とは限られない。すなわち、吸収極大を示す波長が互いに異なる複数のフタロシアニン化合物を用いて熱線遮蔽材料を構成しても良い。また上記実施形態では本発明を自動車の合わせガラスやテラス屋根、窓ガラスに適用した態様を開示したが、勿論、船舶や航空機や他の車両に適用したものであってもよい。また熱線遮蔽材料の寸法や形状といった具体的な態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
以下、本発明の実施例、具体的には上記フタロシアニン化合物を合成した合成実施例1及び3乃至5について説明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定されるものではない。
<合成実施例1>
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を付した反応フラスコに下記化学式10で示される化合物35.2g、ホルムアミド4.40g、カリウムtert-ブトキシド11.0g、及び1−ヘキサノール90mlを仕込み、100℃に昇温し、この温度で三塩化バナジウム4.40gを投入した。次いでtert-ブタノールを反応系外に流出させながら145℃まで昇温し、この温度で8時間攪拌した。放冷後、反応化合物をメタノール350mlで希釈し、析出色素をろ集、メタノールで洗浄、100℃で乾燥して粗製色素を得た。これをトルエン展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで生成して図15及び上記化学式4に示した化合物例3のフタロシアニン化合物14.5gを得た。クロロホルム溶液中で分光特性を測定した結果、λmaxは875nm、モル吸光係数は、1.14×105l/mol・cmであった。
Figure 2014021421
<合成実施例3>
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を付した反応フラスコに下記化学式11で示される化合物46.2g、ホルムアミド4.40g、カリウムtert-ブトキシド11.0g、及び1−ヘキサノール90mlを仕込み、100℃に昇温し、この温度で三塩化バナジウム4.40gを投入した。次いでtert-ブタノールを反応系外に流出させながら145℃まで昇温し、この温度で9時間攪拌した。放冷後、反応化合物をメタノール350mlで希釈し、析出色素をろ集、メタノールで洗浄、100℃で乾燥して粗製色素を得た。これをトルエン展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで生成して図16及び上記化学式6に示した化合物例67のフタロシアニン化合物11.1gを得た。クロロホルム溶液中で分光特性を測定した結果、λmaxは909nm、モル吸光係数は、1.07×105l/mol・cmであった。
Figure 2014021421
<合成実施例4>
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を付した反応フラスコに下記化学式12で示される化合物45.4g、ホルムアミド4.40g、カリウムtert-ブトキシド11.0g、及び1−ヘキサノール90mlを仕込み、100℃に昇温し、この温度で三塩化バナジウム4.40gを投入した。次いでtert-ブタノールを反応系外に流出させながら145℃まで昇温し、この温度で9時間攪拌した。放冷後、反応化合物をメタノール350mlで希釈し、析出色素をろ集、メタノールで洗浄、100℃で乾燥して粗製色素を得た。これをトルエン展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで生成して図17及び上記化学式7に示した化合物例77のフタロシアニン化合物18.6gを得た。クロロホルム溶液中で分光特性を測定した結果、λmaxは962nm、モル吸光係数は、1.35×105l/mol・cmであった。
Figure 2014021421
また当該化合物例77に係るフタロシアニン化合物は、特に青色を呈する400nm付近の吸光度が顕著に低いという特性も合わせ持っており、当該特性により、例えばディスプレイのバックライトとしての青色の光を有効に透過し得るものと考えられる。
<合成実施例5>
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を付した反応フラスコに下記化学式13で示される化合物29.8g、ホルムアミド4.40g、カリウムtert-ブトキシド11.0g、及び1−ヘキサノール90mlを仕込み、100℃に昇温し、この温度で三塩化バナジウム4.40gを投入した。次いでtert-ブタノールを反応系外に流出させながら145℃まで昇温し、この温度で10時間攪拌した。放冷後、反応化合物をメタノール350mlで希釈し、析出色素をろ集、メタノールで洗浄、100℃で乾燥して粗製色素を得た。これをトルエン展開溶媒としたシリカゲルクロマトグラフィーで生成して図18及び上記化学式8に示した化合物例79のフタロシアニン化合物14.5gを得た。クロロホルム溶液中で分光特性を測定した結果、λmaxは978nm、モル吸光係数は、9.24×104l/mol・cmであった。
Figure 2014021421
以上のように、これら各合成例に係るフタロシアニン化合物は、800〜1000nmの近赤外線をそれぞれ有効に吸収し得るとともに、可視光に該当する波長の光を透過し易いという特性も併せ備えている。これらのことから、上記の各合成実施例であるフタロシアニン化合物は、熱線遮蔽材料を好適に構成し得ることが明らかとなった。
続いて、上記第一実施形態にて開示した化合物を用い、上記第二実施形態及び第三実施形態に係る熱線遮蔽材料を材料実施例として作成した。また上記第一実施形態に係る化合物を用いない熱線遮蔽材料を材料比較例として作成した。そしてこれら材料実施例及び材料比較例の透過率をグラフとして図19乃至図23に示すとともに、可視光並びに日射に対する透過率及び反射率を、図24に表として示した。
<材料実施例1>
ポリメチルメタクリレート(以下、PMMA)7.5g、クロロベンゼン15.3g、トルエン6g、酢酸エチル6.3gおよびアセトン5.5gを混合し、PMMA調製液を得た。この調製液1gをトルエン0.6mLおよびクロロホルム0.6mLで希釈した溶液に、図1に化合物No.3、つまり上記化学式4として示されるフタロシアニン化合物を溶解させ、得られた溶液をITOが蒸着されたガラス板よりなるITO層上にスピンコートし、乾燥してフタロシアニン系化合物含有層を形成した。得られた熱線遮蔽材料の透過スペクトル、透過率、反射率を分光光度計(日本分光製:V−570)で測定した。透過率の分光チャートを図19に、透過率および反射率のデータを図24に示した。また、可視光透過率、可視光反射率(380nm〜780nm)および日射透過率、日射反射率(300nm〜2500nm)の値は、JIS A 5759の規格に準拠して測定した。
<材料実施例2>
塗布溶液を調製する際に、フタロシアニン化合物を、図7に化合物No.66つまり上記化学式5として示されるフタロシアニン化合物に変更したこと以外は上記材料実施例1と同様にして、塗布溶液を得、熱線遮蔽材料を作製した。なお当該化合物の吸収極大すなわちλmaxは、894nmである。得られた熱線遮蔽材料による透過率チャートを図20に、透過率および反射率データを図24に示した。
<材料実施例4>
塗布溶液を調製する際に、フタロシアニン化合物を、図8に化合物No.77、つまり上記化学式7として示されるフタロシアニン化合物に変更したこと以外は上記材料実施例1と同様にして、塗布溶液を得、熱線遮蔽材料を作製した。得られた熱線遮蔽材による透過率チャートを図21に、透過率および反射率データを図24に示した。
<材料実施例6>
塗布溶液を調製する際に、フタロシアニン化合物を、図9に化合物No.91、つまり上記化学式9として示されるフタロシアニン化合物に変更したこと以外は上記材料実施例1と同様にして、塗布溶液を得、熱線遮蔽材料を作製した。なお当該化合物の吸収極大すなわちλmaxは、830nmである。得られた熱線遮蔽材料による透過率チャートを図22に、透過率および反射率データを図24に示した。
<材料比較例1>
フタロシアニン化合物を添加しない以外は、上記材料実施例1と同様に操作して熱線遮蔽材料を得た。得られた熱線遮蔽材料による透過率チャートを図23に、透過率および反射率データを図24に示した。
以上のように、図19乃至図23から、上記各材料実施例ではともに材料比較例1と比較して遜色が無い程に、可視領域の透過率が高く維持されている。図24では、上記各材料実施例の可視光透過率は何れも70%以上という高い値を示している。特に上記各材料実施例では、800nm〜1000nmの波長領域にて透過率が低くなる極値が現れているのに対し、上記材料比較例1では当該波長領域では同様の極値が現れていない。すなわち図19乃至図22に示された材料実施例1、材料実施例2、材料実施例4及び材料実施例6による前記極値の存在が、図24で示されるように、日射吸収率が材料比較例1よりも倍近い値を示している原因となっていることは明らかである。
また上記の極値が何れも急峻な曲線により現れているにも拘わらす日射の吸収率が大きく上昇しているのは、日射において最も強いとされる900nm周辺の波長の光を上記各材料実施例に係る化合物が有効に遮蔽していることに起因すると考えられる。してみると、上記各材料実施例により、可視光の透過率を高く維持しながら有効に熱線を遮蔽し得る熱線遮蔽材料を提供し得ることが明らかとなった。
ここで、図19乃至図23において1000nm以上の透過率が減少しているのはガラスに蒸着されたITOによるものと考えられる。してみると上記実施形態に係る熱線遮蔽材料は、以前より熱線遮蔽剤として用いられているITO等をより増量することを回避しながら、より有効に熱線を遮蔽し得ることが明らかである。
また、上記極値が急峻な曲線で表されているということは、極値が示される波長が異なる複数の化合物を用いることで日射の内強く照射される上記900nm周辺の波長の光をより効果的に吸収し得る可能性も示唆される。
本発明は近赤外領域の波長を有する光を有効に遮蔽することにより自動車、鉄道車両、航空機、船舶、建築物等に好適に使用される合わせガラスや樹脂製透光板、及び窓ガラス用貼着フィルムを構成する熱線遮蔽材料として利用することができる。
10…熱線遮蔽材(中間膜)
20…熱線遮蔽材、樹脂(熱線遮蔽板)
30…フィルム(熱線遮蔽フィルム)

Claims (12)

  1. 下記化学式1で示されるフタロシアニン化合物が含まれシート状に成形されてなることを特徴とする熱線遮蔽材料。
    Figure 2014021421
    (式中Y1〜Y8は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z1〜Z8はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ1〜Z8はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも4個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立に炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;Mは水素原子、2価の金属原子、3価あるいは4価の置換金属又はオキシ金属を表す。)
  2. 前記Mが、バナジルを表す請求項1記載の熱線遮蔽材料。
  3. 前記Z1〜Z8のうち、少なくとも4個がジメチルアミノ基を表す請求項1又は2記載の熱線遮蔽材料。
  4. 前記Z1〜Z8のうち、少なくとも4個がモノブチルアミノ基を表す請求項1又は2記載の熱線遮蔽材料。
  5. 前記フタロシアニン化合物が、下記化学式2で示されるフタロニトリル化合物を原料とする請求項1、2、3又は4記載の熱線遮蔽材料。
    Figure 2014021421
    (Y9及びY10は、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表し;mは1〜5の整数を表し;Xは酸素原子又は硫黄原子を表し;Z9及びZ10はXが酸素原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基であるか、或いはZ9及びZ10はXが硫黄原子の場合、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、置換基Aを有していてもよいフェニルオキシ基又は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表し、少なくとも1個は置換基Bを有していてもよいフェニルチオ基を表すか又は炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基を表し;置換基A及びBは、それぞれ独立して炭素原子数1〜10個のアルキル基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するモノアルキルアミノ基、炭素原子数1〜10個のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、炭素原子数4〜6個の環状アルキルアミノ基、モルホリル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はエステル基を表す。)
  6. 前記フタロシアニン化合物が、透過スペクトルの測定において、750〜1050nmの最低値が5〜6%になるように濃度を調整した溶液中において、可視光透過率が65%以上である請求項1、2、3、4又は5記載の熱線遮蔽材料。
  7. 前記フタロシアニン化合物が、シート状の樹脂に含まれている請求項1、2、3、4、5又は6記載の熱線遮蔽材料。
  8. 前記フタロシアニン化合物の配合量は前記樹脂100質量部に対して0.0005〜20質量部であることを特徴とする請求項7記載の熱線遮蔽材料。
  9. 前記シート状の樹脂が可撓性を有するものであり、合わせガラスの中間膜として用いられる請求項7又は8記載の熱線遮蔽材料。
  10. 前記シート状の樹脂が可撓性を有するものであり、ガラスに貼着されるフィルムとして用いられる請求項7又は8記載の熱線遮蔽材料。
  11. 前記シート状の樹脂が保形性を有する硬質なものである請求項7又は8記載の熱線遮蔽材料。
  12. アンチモンドープ酸化錫又は錫ドープ酸化インジウムの微粒子を含むものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の熱線遮蔽材料。
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