JP3191127B2 - 脂肪族、環状脂肪族または芳香脂肪族第一または第二アルコールのグリシジルエーテルの製造方法 - Google Patents

脂肪族、環状脂肪族または芳香脂肪族第一または第二アルコールのグリシジルエーテルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学的方法、特に脂肪族
または環状脂肪族第一または第二アルコールのグリシジ
ル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】グリシジル化合物を製造するためのアル
コールとエピクロロヒドリンとの反応は十分に公知であ
る。不所望の副生成物の生成を避けて、所望のグリシジ
ル化合物の収率を高めるために基本的反応の多くの変形
が行われてきた。1つの公知の変法は、過剰のエピクロ
ロヒドリンを用いる反応を行うこと、そして該反応をア
ルカリ、典型的には水酸化アルカリ金属、例えば水酸化
ナトリウムおよび相間移動触媒の存在下で行うことを包
含する。相間移動触媒の例はテトラアルキルアンモニウ
ムハライド、例えばメチルトリオクチルアンモニウムク
ロリド、メチルトリデシルアンモニウムクロリドおよび
テトラメチルアンモニウムクロリド、および第三アミン
または第四アンモニウム塩基、例えばベンジルトリメチ
ルアンモニウムヒドロキシドである。しかしながら、こ
の方法技術は低い収率(エピクロロヒドリンに基づい
て)およびポリマー性副生成物の形成という欠点を有す
る。もう一つの公知技術はルイス酸触媒の存在下でアル
コール/エピクロロヒドリン反応を操作するものであ
る。この場合、アルコールはわずかに過剰のエピクロロ
ヒドリンと通常処理される。使用され得るルイス酸触媒
の例は三フッ化ホウ素、またはその錯体、または塩化第
二スズである。このルイス酸法は、得られるグリシジル
生成物が不所望の非常に高い塩素含量を有するという欠
点を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
2つの方法の欠点を解決した、第一または第二アルコー
ルとエピクロロヒドリンとからグリシジルエーテルを製
造する新規方法の提供を課題とする。さらに、本発明は
上記新規方法により得られる生成物、その硬化生成物お
よび該硬化生成物を含む複合材料の提供をも課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記従来
の2つの方法を組み合わせることにより、驚くべきこと
に各方法の欠点が解消され、そして改良された方法が第
一または第二アルコールとエピクロロヒドリンとからグ
リシジルエーテルの製造のために遂行されることを今見
出した。
【0005】従って、本発明は、以下の段階: A)エピクロロヒドリンとモル過剰の脂肪族、環状脂肪
族または芳香脂肪族第一または第二アルコールをルイス
酸触媒の存在下で反応させ、場合により、 B)そのようにして得られた生成物を脱塩化水素化し、
そして C)段階A)またはB)からの生成物をモル過剰のエピ
クロロヒドリンとアルカリおよび相間移動触媒の存在下
で反応させ、次いでそのようにして得られたグリシジル
エーテル生成物を単離する、からなる脂肪族、環状脂肪
族または芳香脂肪族第一または第二アルコールのグリシ
ジルエーテルの製造方法を提供する。
【0006】段階A)において使用されるアルコール反
応体の量は使用されるエピクロロヒドリンのモル当量あ
たり1.1ないし5モル当量、特に1.3ないし2.2
モル当量の範囲であることが好ましい。一価アルコー
ル、例えば炭素原子数1ないし12の直鎖または分岐鎖
第一または第二脂肪族一価アルコール、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘキサノー
ル、n−オクタノール、n−デカノールまたはn−ドデ
カノールが段階A)において使用され得るが、好ましく
はアルコール反応体は分子あたり2個またはそれ以上の
ヒドロキシル基を含む。好ましいポリヒドロキシ反応体
は次式I: Q(OH)m (I) (式中、mは2ないし10、好ましくは2ないし6の整
数を表し、そしてQはm価の脂肪族、環状脂肪族または
芳香脂肪族残基を表す)で表される化合物である。Qが
2価の残基である場合、それは例えば直鎖または分岐し
たアルキレン残基、または環が場合により例えばアルキ
ル基により置換されているか、または異原子例えばOも
しくはS原子により、または場合により橋員を介して一
緒に結合されていてもよい、いくつかのシクロアルキル
残基により中断されていてもよいシクロアルキレン残基
であってよい。Qが3価またはそれ以上の原子価である
場合、Qは脂肪族、環状脂肪族または芳香脂肪族構造単
位を有する有機残基であってよい。Qは官能基で置換さ
れていてもよいが、該官能基はルイス酸触媒を不活性化
せず、そしてエピクロロヒドリンと拮抗反応しないもの
である。適当な官能基は例えばポリカプロラクトン中に
含まれているようなエステル基および不飽和基、例えば
ヒドロキシル末端ポリブタジエンまたはポリブタジエン
コポリマー中に含まれるようなものである。式Iで表さ
れる好ましい脂肪族ジオール反応体の特定の例はジエチ
レングリコール、トリエチレングリコールおよび高級ポ
リオキシエチレングリコール;プロパン−1,2−ジオ
ール、プロパン−1,3−ジオールおよび高級ポリオキ
シプロピレングリコール;ネオペンチルグリコール;ブ
タン−1,4−ジオールおよび高級ポリ(オキシテトラ
メチレン)グリコール;ペンタン−1,5−ジオール;
ヘキサン−1,6−ジオール;およびオクタン−1,8
−ジオールを包含する。式Iで表される好ましい脂肪族
トリオール反応体の例は1,1,1−トリメチロールプ
ロパン、グリセロールおよび1,1,1−トリメチロー
ルエタンである。市販されており、そして本発明におけ
る使用のために好ましい式Iで表されるその他のトリオ
ールは、単純ポリオール例えばグリセロール、ヘキサン
−1,2,5−トリオール、ヘキサン−1,2,6−ト
リオールまたはヘキサン−2,4,6−トリオールとプ
ロピレンオキシドおよび/またはエチレンオキシドとの
付加物を包含する。好ましい四官能価脂肪族アルコール
はペンタエリトリトールおよび3,3,7,7−テトラ
(ヒドロキシメチル)−5−オキサノナンを包含する。
好ましい高級脂肪族ポリヒドロキシ化合物はジペンタエ
リトリトール、トリペンタエリトリトール、マンニトー
ル、ソルビトール、ポリビニルアルコール、部分加水分
解ポリビニルエステルまたはアセタールおよびヒドロキ
シアルキルアクリレート、メタクリレートもしくはイタ
コネートポリマーおよびコポリマーを包含する。式Iで
表される好ましい環状脂肪族アルコールは、レゾルシト
ール、キニトール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパン、シクロヘキサンジメタノールおよび
1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキソ−3−
オンを包含する。その他の官能基を含む好ましい式Iで
表されるアルコールはポリカプロラクトンジオールおよ
びポリオールおよびポリ(エピクロロヒドリン)の誘導
体を包含する。
【0007】本発明の方法の段階A)で使用されるルイ
ス酸は、例えば三フッ化ホウ素もしくはその錯体、また
は塩化第二スズであってよいが、しかし好ましくはトリ
フルオロメタンスルホン酸または過塩素酸と元素の周期
表(IUPAC 1970会議)のIIIA族の金属と
の塩である。好ましくはIIIA族の金属はセリウム、
イッテルビウム、イットリウムまたは特にランタンであ
る。アルコール/エピクロロヒドリン反応混合物中に存
在するルイス酸触媒の量はアルコール反応体100重量
部に基づいて一般的に0.1ないし10重量部、好まし
くは0.1ないし2重量部の範囲である。
【0008】本発明に係る方法は、はじめにアルコール
反応体およびルイス酸触媒の混合物を、好ましくは攪拌
しながら、液体溶液が得られるまで加熱することにより
通常行われる。溶液の温度が50℃ないし200℃の範
囲の温度、特に100℃ないし150℃の範囲の温度に
達したとき、エピクロロヒドリンは好ましくは反応混合
物を攪拌しながら通常添加される。起こるあらゆる発熱
反応は制御され得、そして反応温度は慣用の方法で外部
から冷却を行うことにより好ましい範囲内に維持され
る。エピクロロヒドリンは延長された期間、例えば10
分から10時間の期間にわたり、何回かに分けて添加さ
れるのが好ましい。アルコール/エピクロロヒドリン反
応は好ましくは不活性溶媒の不在下で行われる。好まし
くはアルコール反応体とエピクロロヒドリンとのモル比
は1.1ないし5の範囲である。
【0009】段階A)のアルコール/エピクロロヒドリ
ン反応が完了したと判断されたら(通常1ないし5時間
必要とされる)、もし必要ならば30℃ないし100℃
の範囲の温度まで反応混合物を冷却する。反応生成物の
脱塩化水素(段階B)は慣用の方法で行われる。脱塩化
水素は、例えばアルコール/エピクロロヒドリン付加物
にアルカリ金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムまたは
水酸化カリウムを、場合により触媒として第四アンモニ
ウムハライド、例えば第四アンモニウムクロリドまたは
ベンジルトリメチルアンモニウムクロリドと一緒に添加
することにより行われ得る。所望するならば、脱塩化水
素反応は溶媒、例えば2−メトキシエタノール、イソデ
カノール、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、ベン
ジルアルコール、ジブチルフタレート、メチルエチルケ
トンまたはトルエンの存在下で行われ得る。脱塩化水素
剤は何回かに分けて、好ましくは固体の形態で、延長さ
れた期間、例えば10分ないし6時間の範囲の期間にわ
たり添加されるのが好ましい。脱塩化水素反応混合物は
慣用の方法で、例えば水で洗浄し、そして所望のグリシ
ジル化アルコール生成物を含む有機相を例えば蒸留によ
り分離および精製することにより、仕上げられても、ま
た、不純な脱塩化水素反応生成物は本発明方法の段階
C)において直接使用されてもよい。
【0010】本発明の方法の段階C)は段階A)または
B)の生成物を段階A)またはB)の生成物のヒドロキ
シル含量に基づいてモル過剰のエピクロロヒドリンおよ
び水溶液として通常添加される相間移動触媒とをはじめ
に接触させることにより通常行われる。そのように添加
されたあらゆる水は次に慣用手段、例えば共沸蒸留法に
より除去される得る。アルカリは次いで、好ましくは水
溶液として、そして徐々に添加され得、その間、形成さ
れる、および/または添加される水は連続的に除去され
る。反応が完了したら、グリシジル化生成物は慣用の方
法で、例えば濾過および分別蒸留により単離され得る。
方法の段階C)において使用されるエピクロロヒドリン
の量は本発明の方法の段階A)において使用されるエピ
クロロヒドリンを越えるアルコールのモル当量過剰あた
り、3ないし8モル当量、特に4ないし6モル当量の範
囲であることが好ましい。本方法の段階A)または段階
B)において使用されるアルカリ物質は例えばアルカリ
金属水酸化物、特に水酸化ナトリウムであってよい。段
階B)において使用されるアルカリの量は段階A)にお
いて使用されるエピクロロヒドリンのモルあたり0.9
ないし1.3モルの範囲であることが好ましい。段階
C)が出発物質として段階A)からの生成物を含む場
合、段階C)において使用されるアルカリの量は、段階
A)において使用されるヒドロキシルのモルあたり0.
9ないし1.3モルの範囲であることが好ましい。段階
C)が出発物質として段階B)からの生成物を含む場
合、段階C)において使用されるアルカリの量は、段階
A)において使用されるエピクロロヒドリンを越えるア
ルコールのモル過剰あたり0.9ないし1.3モルの範
囲であることが好ましい。
【0011】本発明の方法の段階C)において使用され
る相間移動触媒は第三アミンまたは第四アンモニウム塩
基、例えばベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシ
ドであってよいが、しかしテトラアルキルアンモニウム
ハライド、例えばメチルトリオクチルアンモニウムクロ
リド、メチルトリデシルアンモニウムクロリドそして特
にテトラメチルアンモニウムクロリドが好ましい。本発
明の方法の段階C)において使用される相間移動触媒の
量は本発明の方法の段階A)の生成物100重量部に基
づいて一般的には0.1ないし10重量部、好ましくは
0.2ないし2重量部の範囲である。
【0012】本発明の方法に従って得られるグリシジル
化エーテルエポキシド樹脂は慣用の方法で硬化されて
も、またはそれらはそのようにして硬化されるその他の
エポキシ樹脂の希釈剤として使用されてもよい。使用さ
れ得る硬化剤は脂肪族アミン;ジシアンアミド;芳香族
アミン、例えばビス(3−アミノフェニル)−およびビ
ス(4−アミノフェニル)スルホンおよびビス(4−ア
ミノフェニル)メタン、これらは促進剤、例えばBF3
−アミン錯体と一緒に通常使用される;カルボン酸;ま
たはポリカルボン酸無水物、例えば無水フタル酸、シク
ロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルビシ
クロ〔2.2.1〕ヘプテ−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物またはベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸二無水物を包含する。
【0013】本発明はまた、本発明に係る方法により製
造されたグリシジル化エーテルエポキシド樹脂を硬化さ
せることにより得られる材料からなる硬化生成物、例え
ば注型または繊維強化複合材料を提供する。
【0014】本発明の方法により得られる生成物は、本
発明の段階A)の操作を行い(その際、エピクロロヒド
リンとアルコールとのモル比は通常1.0:1.2〜1
の範囲であろう)、次に段階B)を行うだけで得られる
生成物に比べ、より高いエポキシ価およびより低い塩素
含量を有する。温かいエピクロロヒドリン中にわずかに
可溶性であるアルコール反応体が用いられる場合、生成
するグリシジル化合物のエポキシ価および全塩素含量の
両方が、本発明の段階A)の操作を行い(その際、エピ
クロロヒドリンとアルコールとのモル比は通常1.0:
1.2〜1の範囲であろう)、次に段階B)を行うか、
または反応体として第一もしくは第二アルコールを用い
て段階C)を行うことにより得られる生成物のエポキシ
価および全塩素含量に比べより優れている。本発明方法
の段階C)のポット収率は、段階C)が単独で操作され
る場合に得られるものに比べより高い。最後に、本発明
の方法において使用されるエピクロロヒドリンの量およ
び結果的に本方法を行う場合のエピクロロヒドリンの減
少量は、本発明における段階A)またはB)およびC)
を進める出発物質としてアルコールを用いて、段階B)
が単独で行われる方法と比較して、低下される。
【0015】
【実施例】以下の実施例は本発明をさらに説明する。 実施例1 段階A)クロロヒドリンの調製 シクロヘキサンジメタノール(216.0g,1.5モ
ル)を窒素入口、攪拌機、温度計および冷却器を備えた
3つ口フラスコ中に入れる。触媒としてのランタントリ
フルオロメタンスルホネート(0.8g)を添加し、そ
して触媒が溶解するまで混合物を温めながら攪拌する。
この混合物を120〜130℃まで加熱し、そして必要
である場合に冷却しながら約1時間かけてエピクロロヒ
ドリン(185g,2.0モル)を添加する。130℃
でさらに2時間後、混合物のエポキシ価は0である。 段階B)閉環 閉環は、NaOH(83.3g,2.08モル)を10
回に分けて、最初の1回を50%水溶液として添加し、
40〜45℃で約1時間かけて添加することにより行わ
れる。さらに1時間攪拌した後、塩を濾過して除き、そ
してトルエンで洗浄する。真空下100℃で樹脂を取り
出すと、エポキシ価5.49モル/kgおよび全塩素含
量1.5%の生成物が得られる。 段階C)残留ヒドロキシル基のグリシジル化 段階B)で調製された樹脂の一部(111.4g=0.
35モル−OH)を、倒立ディーン・アンド・スターク
水トラップを有し、共沸蒸留のために備えられた、3つ
口丸底フラスコ中に入れる。エピクロロヒドリン(9
8.1g,1.06モル)をテトラメチルアンモニウム
クロリド触媒(0.95g,50%水溶液)と一緒に添
加し、そして混合物を真空下55〜60℃まで加熱して
添加された水を除去する。水酸化ナトリウム(15.5
g,0.39モル,50%水溶液)を約3時間かけて滴
下して添加し、この間、形成された水および添加された
水をトラップ中に連続的に分離し、温度を55〜60℃
に維持する。添加操作が終わったら、反応を完了するま
で3.5時間進行させる。生成物を濾過し、そして10
0℃、真空下で取り出すと、エポキシ価6.91モル/
kgおよび全塩素含量1.1%の物質が得られる。
【0016】実施例2 段階A)実施例1を繰り返すが、1,4−ブタンジオー
ル(500g,5.55モル)、ランタントリフレート
(3.0g)およびエピクロロヒドリン(685g,
7.41モル)を用いる。 段階B)閉環はNaOH(287.3g,7.18モ
ル)を用いて25〜30℃で約1.5時間かけて、2時
間の後反応時間を設けて行われ、エポキシ価7.36モ
ル/kgおよび全塩素含量2.1%の物質が得られる。 段階C)実施例1の方法を繰り返すが、上記段階B)で
調製された樹脂の一部(100g=0.403モル−O
H)を用い、そしてこれをエピクロロヒドリン(112
g,1.21モル)およびNaOH(17.7g,0.
443モル)とテトラメチルアンモニウムクロリド触媒
(1.1g)を用いて反応させる。反応時間は50〜5
6℃で約4時間、後反応時間は1.5時間である。エポ
キシ価8.76モル/kgおよび全塩素含量2.1%の
生成物が得られる。
【0017】実施例3 シクロヘキサンジメタノール(78.1g,0.543
モル)、ランタントリフルオロメタンスルホネート
(0.29g)、エピクロロヒドリン(66.7g,
0.723モル)およびNaOH(28.1g,0.7
02モル)を用いて実施例1を繰り返すが、粗製樹脂、
塩および水副生成物は段階A)の後、反応容器中に残さ
れている。エピクロロヒドリン(100.4g,1.0
8モル)を添加し、そして形成された水および添加され
た水は倒立ディーン・アンド・スターク水トラップを用
いて共沸蒸留により除去される。テトラメチルアンモニ
ウムクロリド(1.0g,50%水溶液)を添加し、そ
して残留アルコール(0.364モル−OH)を実施例
1の段階Cの場合のように、NaOH(16.0g,
0.401モル)を用いて反応させる。エポキシ価6.
91モル/kgおよび全塩素含量1.4%の生成物が得
られる。
【0018】実施例4 段階A)実施例1を繰り返すが、3,3,7,7−テト
ラ(ヒドロキシメチル)−5−オキサノナン(300
g,1.2モル)、ランタントリフレート(1.3g)
およびエピクロロヒドリン(296g,3.2モル)を
用いる。 段階C)実施例1の方法を繰り返すが、上記段階A)で
調製されたクロロヒドリン樹脂の一部(100g=0.
258モル−OH,クロロヒドリン0.533モル)を
用い、そしてこれをエピクロロヒドリン(74.4g,
0.804モル)およびNaOH(33.3g,0.8
32モル)とテトラメチルアンモニウムクロリド触媒
(0.73g)を用いて反応させる。エポキシ価6.6
9モル/kgおよび全塩素含量1.7%の生成物が得ら
れる。
【0019】実施例5 段階A)実施例1を繰り返すが、トリス(2−ヒドロキ
シエチル)イソシアヌレート(130.5g,0.50
モル)、ランタントリフレート(1.3g)およびエピ
クロロヒドリン(92.5g,1.00モル)を用い、
該エピクロロヒドリンは34時間かけて添加する。 段階C)実施例1の方法を繰り返すが、上記段階A)で
調製された樹脂、エピクロロヒドリン(277.5g,
3.0モル)、テトラメチルアンモニウムクロリド
(1.3g)を用い、そしてNaOH(66g,1.6
5モル)を36〜48℃で2時間かけて添加し、後反応
を14時間行う。水(300ml)を添加する。水相を
捨て、有機相をリン酸二水素ナトリウム10%水溶液で
洗浄し、そして減圧下での蒸留により溶媒を除去する
と、エポキシ価5.05モル/kgおよび全塩素含量
3.9%の液体生成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マイケル ロバート ゾーズバイ イギリス国 ケンブリッジ デフレビレ アベニュー 29 (72)発明者 クリストファー マイケル アンドリュ ース イギリス国 ケンブリッジ バイナリー ロード 192 (56)参考文献 特開 昭50−37831(JP,A) 特開 昭59−130231(JP,A) 特公 昭52−17006(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 301/00 - 301/28 C07D 303/00 - 303/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の段階: A)エピクロロヒドリンとモル過剰の脂肪族、環状脂肪
    族または芳香脂肪族第一または第二アルコールをルイス
    酸触媒の存在下で反応させ、場合により、 B)そのようにして得られた生成物を脱塩化水素化し、
    そして C)段階A)またはB)からの生成物をモル過剰のエピ
    クロロヒドリンとアルカリおよび相間移動触媒の存在下
    で反応させ、次いでそのようにして得られたグリシジル
    エーテル生成物を単離する、 からなる脂肪族、環状脂肪族または芳香脂肪族第一また
    は第二アルコールのグリシジルエーテルの製造方法。
  2. 【請求項2】 段階A)において使用されるアルコール
    反応体の量が使用されるエピクロロヒドリンのモル当量
    あたり1.1ないし5モル当量の範囲である請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 アルコール反応体が炭素原子数1ないし
    12の直鎖または分岐鎖第一または第二脂肪族一価アル
    コールである請求項1または2のいずれか1項に記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 アルコール反応体が次式I: Q(OH)m (I) (式中、mは2ないし10の整数を表し、そしてQはm
    価の脂肪族、環状脂肪族または芳香脂肪族残基を表す)
    で表される化合物である請求項1または2のいずれか1
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 段階A)で使用されるルイス酸が三フッ
    化ホウ素もしくはその錯体、塩化第二スズまたはトリフ
    ルオロメタンスルホン酸もしくは過塩素酸の塩である請
    求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 段階A)のアルコール/エピクロロヒド
    リン反応混合物中に存在するルイス酸触媒の量がアルコ
    ール反応体100重量部に基づいて0.1ないし10重
    量部の範囲である請求項1ないし5のいずれか1項に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】 段階C)において使用されるエピクロロ
    ヒドリンの量が段階B)の生成物のヒドロキシル含量の
    モル当量あたり、または段階A)において使用されるエ
    ピクロロヒドリンを越えるアルコールのモル過剰あた
    り、3ないし8モル当量の範囲である請求項1ないし6
    のいずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 段階C)において使用される相間移動触
    媒が第三アミン、第四アンモニウム塩基またはテトラア
    ルキルアンモニウムハライドである請求項1ないし7の
    いずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 段階C)において使用される相間移動触
    媒の量が段階A)の生成物の重量に基づいて0.1ない
    し10重量部の範囲である請求項1ないし8のいずれか
    1項に記載の方法。
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