JP3190291B2 - インクジェットプリンタに用いられるインク組成物 - Google Patents

インクジェットプリンタに用いられるインク組成物

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    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒューレット・パ
ッカード・カンパニー製のDeskJet(登録商標)プリン
タのようなプリンタでのサーマルインクジェット・プリ
ンティングに使用するインク組成物に関する。
【0002】
【従来技術】サーマルインクジェット・プリンタは、コ
ンピュータと併用される他方式のプリンタに比べ、低コ
スト、高品質、及び比較的ノイズの無いオプションを与
えるものである。このようなプリンタは、プレナム(pl
enum)から入ったインクの出口を備えたチャンバ内に設
けられた抵抗素子を採用している。プレナムは、インク
を格納する貯蔵器に接続される。複数の該抵抗素子は、
プリントヘッドにおいて1つのパターンを形成する。こ
のパターンは、プリミティブ(primitive)と呼ばれるも
のである。各抵抗素子は、ノズルプレートのノズルと一
列に並べられており、それを通してインクがプリント媒
体の方へ噴射される。プリントヘッドと貯蔵器の組立体
全体がインクジェットペンを構成する。
【0003】動作において、各抵抗素子が導電トレース
を介してマイクロプロセッサに接続されており、この状
態で、電流搬送信号が選択された1つ以上の素子を発熱
させる。この加熱によってチャンバにインクのバブルが
生成され、これがノズルを通してプリント媒体の方へ噴
射される。与えられたプリミティブにおいて、特定順で
複数の該抵抗素子を点火して、英数字を形成し、塗りつ
ぶしを行い、その他のプリント機能を媒体上に実現す
る。
【0004】サーマルインクジェット・プリンティング
に用いられるインクジェット・インクは、典型的には、
着色剤とベヒクルから成り、そのベヒクルはしばしば水
と他の比較的低表面張力の液体を含有する。
【0005】インクがノズルを詰まらせないためには、
ノズルの厳しい公差(tight tolerances)(典型的に、直
径50μm)が必要である。さらに、インクカートリッジ
の寿命を越える約1000万回の発射に耐えなければならな
い抵抗素子の反復点火のため、抵抗素子の汚れる結果と
なる。コゲーション(kogation)は、この種の汚れに関し
て用いる用語である。インク組成物は、プリント媒体、
特に紙と相互作用して過度に拡がらずにそこに浸透でき
なければならない。最後に、インク組成物は、紙上で耐
汚れ及び耐水性(water-resistant)でなければならな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする技術的課題】多くのインク
は、上述の特性の1またはそれ以上を有している。しか
し、これらの特性の全てを有するインク組成物はほとん
どない。何故なら、1つの特性の改善によって、しばし
ば、別の特性が失われるからである。従って、市販され
いるインクは、前述のそれぞれの特性において少なくと
も適切な性能を明示するインクを得ようとする試みの妥
協を象徴するものである。
【0007】従って、諸研究は、コゲーションが少なく
且つクラスト形成(crusting)が少ない(即ち、改善され
たデキャップ特性)等の諸特性が改良されたインク調合
を開発するべく継続されている。改良しようとしている
その他の特性には、全て他の必要な特性の性能を犠牲に
しないで得られる、高いエッジ尖鋭性、高い光学濃度、
速い乾燥時間、十分な耐水性及び優れた耐汚れ性が含ま
れる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ベヒク
ルと、顔料粒子から成る1以上のイオン性着色剤を含
み、該粒子表面は処理によってイオン性官能基と置換す
ることにより、エッジ尖鋭性、光学濃度、乾燥時間、耐
水性及び耐汚れ性を改善し、コゲーションとクラス
成を軽減することを特徴とする、インクジェットプリン
ティングのためのインクが提供される。この処理によっ
て、巨大またはマクロ分子の顔料粒子が水溶性となる。
そのように処理した粒子は、マクロ分子発色団(MM
C)と呼ぶ。イオン性着色剤は、アニオン着色剤粒子と
カチオン着色剤粒子とから成る群から選ばれ、その対イ
オンは、得られるインクに対して改良された諸特性を与
える別の対イオンとイオン交換処理によって置換され
る。オン)も参照。
【0009】加えて、開示したインクを使用し且つその
インクの諸特性を活用するインクジェットプリンティン
グの方法を提供する。
【0010】最後に、イオン交換された対イオンを有す
るインクの調整方法を提供する。
【0011】溶性染料の対イオン置換は、これらの置
換染料を用いるインクの性能とプリント特性に根元的に
影響するということは、十分立証されていることであ
る。例えば、Direct Black 199におい
てナトリウムイオンの代わりにテトラメチルアンモニウ
ムを置換すれば、ナトリウムイオンを用いている染料以
上にデキャップ特性が改善された(米国特許第5,02
6,425号参照)。水溶性染料における他の対イオン
置換の例としては、米国特許第4,994,110号
(リチウム陽イオン);第5,069,718号(カリ
ウム陽イオン);及び第4,761,180号(テトラ
メチルアンモニウム陽イオン)も参照。
【0012】
【発明の実施の形態】 本願発明の実施において、対イオ
ンの置換は、0.005〜12μmの範囲の有効平均直
径を有するイオン性着色剤粒子に適用される。着色剤粒
子がこれより大きい場合、それらは、本発明の実施にお
いて十分使える程度に溶液中に残らない。同様に、着色
剤粒子が小さ過ぎると、本発明において有用となる適切
な諸特性を欠くことになる。この種類の着色剤は、溶媒
結合可能(solvent−accessible)官
能基が誘導されて着色剤を水溶性にする可溶化基を生成
する化学反応から生成される。この生成された巨大分子
の発色団(MMC)は水溶性であり、その溶解度は、周
知の且つ業務上使用されている水溶性の酸性及び塩基性
染料のそれと類似している。
【0013】選択するプロセスに依存して、MMCは、性
質上、アニオン性でもカチオン性でもよい。例えば、ス
ルホン酸官能基化のような酸性の官能性は、発煙硫酸を
使った徹底的なスルホン化から生じ、一方、カルボン酸
基は、化学的又は触媒酸化的反応の何れかから生ずる。
逆に、アンモニウムを含有する塩基性MMCは、還元的ア
ミド化反応から生ずる。MMCの酸性又は塩基性特性には
関係なく、相容できる対イオンとの適切な置換によっ
て、デキャップ特性、コゲーション、ひげ形成(beardi
ng)及び耐水性のようなプリント特性の改良が実現され
るのである。出力の一般のプリント品質も対イオン置換
によって改善される。
【0014】本発明における使用に適している着色剤
は、全て、化学的に改質された、水溶性顔料(ブラック
及びカラー)を含む。化学的改質によって、全ての有機
顔料を包含する顔料前駆体が水溶性となる。代表的化学
プロセスの下では、得られる表面は、アニオン発色団と
してのカルボン酸塩及び/又はスルホン酸塩の官能基と
カチオン発色団としてのアンモニウム官能基とから成
る。市販されているような、アニオン発色団は、通常、
ナトリウム陽イオンと会合され、一方、カチオン発色団
は、通常、塩化物イオン又は硫酸イオンと会合される。
【0015】これらの水溶性ブラック発色団は、Cabot
Corp.及びOrient Chemicalのような着色剤販売業者から
市販されている。顔料の多くは、本発明の実施に有用で
ある。次の顔料は発明の実施に有用である;但し、この
一覧は発明を限定しようとするものではない。次の顔料
は、BASFから入手できるものである:Paliogen(商標)
Orange, Heliogen(商標) Blue L 6901F, Heliogen
(商標) Blue NBD 7010, Heliogen(商標) Blue K 70
90, Heliogen(商標)Blue L 7101F, Paliogen(商標)
Blue L 6470, Heliogen(商標) Green K 8683, 及びHe
liogen(商標)Green L 9140。次の顔料はCabotから入
手可能:Monarch(商標) 1400, Monarch(商標) 130
0, Monarch(商標)1100, Monarch(商標)1000, Monar
ch(商標) 900, Monarch(商標)880, Monarch(商
標)800, 及びMonarch(商標)700。次の顔料はCiba-Ge
igyから入手可能:Chromophtal(商標)Yellow 3G, Chr
omophtal(商標)Yellow GR, Chromophtal(商標) Yel
low 8G, Igrazin(商標) Yellow5GT, Igrazin(商標)
Rubine 4BL, Manastral(商標) Magenta, Monastral
(商標)Scarlet, Monastral(商標)Violet R, Monast
ral(商標) Red B,及びMonastral(商標)Violet Maro
on B。次の顔料はColumbianから入手可能:Raven 7000,
Raven 5750, Raven 5250, Raven 5000及びRaven 350
0。次の顔料はDegussaから入手可能:Color Black FW 2
00, Color Black FW 2, Color Black FW 2V, Color Bla
ck FW 1, Color Black FW 18, Color Black S 160, Col
or Black S 170, Special Black 6, Special Black 5,
Special Black 4A, Special Black 4, Printex U, Prin
tex V, Printex 140U及びPrintex 140V。次の顔料はDuP
ontから入手可能:Tipure(商標)R-101。次の顔料はHe
ubachから入手可能:Dalamar(商標)Yellow YT-858-D
とHeucophthal(商標) Blue G XBT-583D。次の顔料はH
oechstから入手可能:Permanent Yellow GR, Permanent
Yellow G, Permanent Yellow DHG, Permanent Yellow
NCG-71, Permanent Yellow GC, Hansa Yellow RA,Hansa
Brilliant Yellow 5GX-02, Hansa Yellow-X, Novoperm
(商標) YellowHR, Novoperm(商標) Yellow FGL, Ha
nsa Brilliant Yellow 10GX, PermanentYellow G3R-01,
Hostaperm(商標) Yellow H4G, Hostaperm(商標)Ye
llow H3G, Hostaperm(商標) Orange GR, Hostaperm
(商標) Scarlet GO,及びPermanent Rubine F6B。次の
顔料はMobayから入手可能:Quindo(商標) Magenta, I
ndofast(商標)Brilliant Scarlet, Quindo(商標) R
ed R6700, Quindo(商標) Red R6713,及びIndofast
(商標)Violet。次の顔料はSun Chemから入手可能:L7
4-1357 Yellow, L75-1331 Yellow及びL75-2577 Yello
w。
【0016】市販の着色剤と会合されている対イオン
を、これらの着色剤から作られるインクに改良された諸
特性を与える対イオンと置換することは望ましいことで
ある。
【0017】一般にアンモニウムベースのイオン(第四
イオンを含む)であれば、アニオンMMCに置換される
対イオンとして本発明の実施に用いることができる。本
発明の実施の形態に用いられるこれらのイオンのいくつ
かの種類としては、限定するものではないが、N,
N’,N’’−置換及び未置換アンモニウムイオン;
1,ω−アミノ酸のN,N’,N’’,N’’’−置換
及び未置換アミド、1,ω−アミノ酸のN,N’−置換
及び未置換ラクタム、1,ω−アミノ酸のN,N’,
N’’−置換及び未置換エステル及び1,ω−アミノ酸
のN,N’−置換及び未置換ラクトンから誘導される陽
イオンがある。1つの好ましい対イオンは、ジプロピル
アンモニウムである。
【0018】用語N,N',N''-置換及び未置換アンモニウ
ムイオンは、3個以下の異なった(置換又は未置換)ア
ルキル及び/又はアリール置換を有する任意の置換又は
未置換アンモニウムを包含するものとする。各アルキル
又はアリール基に関する好ましい炭素原子数は、1〜30
個の間である。
【0019】用語1,ω-アミノ酸のN,N',N'',N'''-置換
及び未置換アミドは、1〜20個の炭素原子から成るカー
ボンブラックと4個以下の異なった置換又は未置換アル
キル及び/又はアリール置換とを有する任意のω-アミ
ノ酸の置換及び未置換アミドを包含するものとする。4
個の全てのR基について合計した炭素原子数は、1〜40個
の間である。
【0020】用語1,ω-アミノ酸のN,N'-置換及び未置換
ラクタムは、1〜20個の炭素原子から成るカーボンバッ
クボーンと、1〜20個の炭素原子から成るラクタム環
と、2個以下の異なった置換又は未置換アルキル及び/
又はアリール置換とを有する任意のω-アミノ酸の置換
及び未置換ラクタムを包含するものとする。各置換に関
する好ましい炭素原子数は、1〜20個の間である。
【0021】用語1,ω-アミノ酸のN,N',N''-置換及び未
置換エステルは、1〜20個の炭素原子から成るカーボン
バックボーンと3個以下の異なった置換又は未置換アル
キル及び/又はアリール置換とを有する全てのω-アミ
ノ酸の置換及び未置換エステルを包含するものとする。
全ての置換について合計した炭素原子数は、1〜30個の
間である。耐水性を改善するためには、この種類の分子
のN-置換の1つは、Hを包含すべきである。
【0022】用語1,ω-アミノ酸のN,N'-置換及び未置換
ラクトンは、1〜20個の炭素原子から成るカーボンバッ
クボーンと、1〜20個の炭素原子から成るラクトン環
と、2個以下の異なった置換又は未置換アルキル及び/
又はアリール置換とを有する全てのω-アミノ酸の-置換
及び未置換ラクトンを包含するものとする。全ての置換
について合計した炭素原子数は、1〜20個の間である。
【0023】マクロ分子顔料の表面改質によってその粒
子の表面にカチオン官能基が形成される時、その対イオ
ンはアニオンでなければならない。本発明の実施に用い
られるアニオン対イオンは、限定するものではないが、
ハライド、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、
カルボン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、四ホウ
酸塩、テトラフルオロホウ素酸塩、メタンスルホン酸
塩、メチルベンゼンスルホン酸塩、亜リン酸塩、ホスホ
ン酸塩、ヘキサフルホロホスホン酸塩、ホスフィン、フ
ェノラート、過塩素酸塩、タングステン酸塩、モリブデ
ン酸塩及びケイ酸塩から誘導される陰イオンが含まれ
る。
【0024】本明細書における濃度は、別途指定されな
い限り、全て重量パーセントで表示する。全成分の純度
は、インクジェット・インクとして通常の商業上実施に
用いられるものである。
【0025】共溶媒は、化学的に改質された顔料と会合
されている望ましくない対イオンを所望の対イオンとイ
オン交換することによって調製される。イオン交換を達
成するには逆浸透又はカラムクロマトグラフィーの何れ
かを使って望ましくないイオンを所望のものと置き換え
る。
【0026】インクは、ベヒクルに加えて、上述で処理
したような着色剤を含有する。発明の実施において有用
なインクの代表的調合は、着色剤(約0.5〜20 wt%)、
1つ以上の共溶媒(0〜約50 wt%)、1つ以上の水溶性
界面活性剤/両親媒性物質(0〜約40 wt%)、1つ以上
の高分子量コロイド(0〜約3 wt%)及び水(バランスを
とる量)を含むものである。
【0027】1つ以上の共溶媒は、インク調合に際して
媒質に付加してよい。本発明の実施に使用される共溶媒
の種類としては、限定するものではないが、脂肪族アル
コール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエー
テル、ポリ(グリコール)エーテル、カプロラクタム、
ホルムアミド、アセトアミド及び長鎖アルコールがあ
る。本発明の実施に用いられる化合物の例としては、限
定するものではないが、30炭素またはそれ以下の第一級
脂肪族アルコール、30炭素またはそれ以下の第一級芳香
族アルコール、30炭素またはそれ以下の第二級脂肪族ア
ルコール、30炭素又はそれ以下の第二級芳香族アルコー
ル、30炭素またはそれ以下の1,2-アルコール、30炭素ま
たはそれ以下の1,3-アルコール、30炭素またはそれ以下
の1,ω-アルコール、エチレングリコールアルキルエー
テル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリ
(エチレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(エチ
レングリコール)アルキルエーテルの比較的高い同族
体、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテル、
ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテルの比較
的高い同族体、N-アルキルカプロラクタム、未置換カプ
ロラクタム、置換ホルムアミド、未置換ホルムアミド、
置換アセトアミド及び未置換アセトアミドがある。本発
明の実施において好ましく用いられる共溶媒の特定例に
は、限定するものではないが、1,5-ペンタンジオール、
2-ピロリドン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロ
パンジオール、ジエチレングリコール、3-メトキシブタ
ノール及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンがある。
共溶媒の濃度は、0〜約50 wt%の範囲にあってよく、好
ましくは約0.1〜15 wt%である。
【0028】インク調合に際して水溶性界面活性剤をベ
ヒクルに付加してよい。便宜上、界面活性剤の例は2つ
の範疇に分ける:(1)非イオン性と両性及び(2)イオン
性。前者の種類には、Union Carbideから入手できるア
ルキルポリエチレンオキシドである、TERGITOLs;Rohm
& Haas Co.から入手可能なアルキルフェニルポリエチレ
ンオキシドの界面活性剤である、TRITONs;BRIJs;PLUR
ONICs(ポリエチレンオキシドのブロック共重合体);S
URFYNOLs(Air Productsから入手できるアセチレン系ポ
リエチレンオキシド);PEO(ポリエチレンオキシド)
エステル;PEOジエステル;PEOアミン;プロトン化PEO
アミン;PEOアミド;及びジメチコン共重合体がある。
置換アミンオキシドのようなイオン性界面活性剤は、本
発明の実施において有用である。米国特許第5,106,416
号には、上に挙げたほとんどの界面活性剤をさらに詳し
く開示している。非イオン性両親媒性物質/界面活性剤
は、イオン性界面活性剤よりさらに好ましいものであ
る。本発明の実施において好ましく用いられる両親媒性
物質/界面活性剤の特定例としては、限定するものでは
ないが、イソーヘキサデシルエチレンオキシド20、SURF
YNOL CT-111、TERGITOL15-S-7及びN,N-ジメチル-N-ドデ
シルアミンオキシド、N,N-ジメチル-N-テトラデシルア
ミンオキシド、N,N-ジメチル-N-ヘキサデシルアミンオ
キシド、N,N-ジメチル-N-オクタデシルアミンオキシ
ド、及びN,N-ジメチル-N-(Z-9-オクタデセニル)-N-アミ
ンオキシドのようなアミンオキシドがある。両親媒性物
質/界面活性剤の濃度は、0〜約40 wt%の範囲にあって
よく、好ましくは2.5 wt%である。
【0029】光学濃度を改良するために、天然又は合成
資源から誘導した0から約3 wt%の間の少なくとも1つの
高分子量コロイドを随意にインク調合に付加してよい。
高分子量コロイドの付加により、プリント品質が改善さ
れる。本発明の実施において用いられる高分子量コロイ
ドの例としては、限定するものではないが、アルギン酸
塩、マンヌロン酸、カラジーナン(carageenan)、グア
ーガム(guar gum)、キサンタンガム(Xanthan gu
m)、デキストラン、キチン、キトサン、カルボキシメ
チルセルロース、ニトロメチルセルロース及びそれらの
全ての誘導体がある。これらのコロイドは、米国特許第
5,133,803号に開示されている。本発明の実施に使われ
る好ましい高分子量コロイドには、限定するものではな
いが、低粘度のアルギン酸ナトリウムが含まれる。本発
明のインクにおける高分子量成分コロイドの好ましい濃
度は、約0.25 wt%である。
【0030】本発明の要件に矛盾しないで、様々な種類
の添加剤をインクに採用して、特定用途に使えるようイ
ンク組成物の諸特性を最適化してよい。例えば、熟練し
た当業者に周知のように、殺生物剤をインク組成物に入
れて微生物の成長を阻害してよく、EDTAのような金属イ
オン封鎖剤を含有させて重金属不純物の有害な影響を排
除してよく、さらに緩衝液を用いてインクのpHを制御し
てもよい。粘度調節剤及び他のアクリル又は非アクリル
系高分子のようなその他の既知添加剤を添加してインク
組成物の各種特性を思うように改善してもよい。
【0031】インクは、本明細書に開示したように対イ
オンを交換後、ベヒクルの種々の成分を結合し且つそれ
らをマクロ分子の発色団と混ぜ合わせて調製する。
【0032】ここに開示したように対イオン置換された
着色剤を含有するインクは、高いエッジ尖鋭度、高い光
学濃度、速い乾燥時間、高い耐水性及び高い耐汚れ性を
立証するものである。
【0033】実例 インクは、2wt%のBRIJ76(10単位のエチレ
ンオキシドを含有するポリエチレンオキシド・ステアリ
ールエーテル(stearyl ether)、8wt
%の1,5−ペンタンジオール、(ナトリウム陽イオン
を有する)5wt%の市販着色剤、及びバランスをとる
量の水を使って調製した。着色剤のナトリウム陽イオン
の全てを実質的にジプロピルアンモニウムイオンと置き
換えることにより、耐水性とデキャップ性能が改善され
たインクとなった。
【0034】産業上の利用可能性 本発明のインク組成物は、サーマルインクジェット・イ
ンクとして、特に、高いエッジ尖鋭度、高い光学濃度、
速い乾燥時間、耐水性及び耐汚れ性のようなインク特性
の改善が求められる所において、その用途を見出すこと
が期待される。
【0035】以上、その上にイオン性官能基を置換すべ
く着色剤粒子の表面を処理することによって誘導された
イオン性着色剤を含有するインクジェット・インクを開
示した。自明の改良及び種々の変更並びに修正を行って
よく、該変更及び修正の全ては、本発明の範囲内に帰属
するものと考えられるということは、熟練した当業者に
は明らかである。
【0036】以上、本発明の実施例について詳述した
が、以下、本発明の各実施態様の例を示す。 (実施態様1)ベヒクルと、少なくとも1つの水溶性の
イオン着色剤と対応する対イオンとを含み、前記イオン
着色剤は陰イオン官能基化着色剤粒子と陽イオン官能基
化着色剤粒子とから成る群から選択されるものであるこ
とを特徴とするインクジェットプリンタに用いられるイ
ンク組成物。 (実施態様2)前記イオン着色剤がその表面に陰イオン
を有する着色剤粒子から成り、前記陰イオンがスルホン
酸塩又はカルボン酸塩から成る群から選択されるもので
あることを特徴とする前項(1)記載のインク組成物。 (実施態様3)前記の対応する対イオンが、N,N',N''-
置換アンモニウムイオン、N,N',N''-未置換アンモニウ
ムイオン、1,ω-アミノ酸のN,N',N'',N'''-置換アミド
及び1,ω-アミノ酸のN,N',N'',N'''-未置換アミド、1,
ω-アミノ酸のN,N'-置換ラクタム、1,ω-アミノ酸のN,
N'-未置換ラクタム、1,ω-アミノ酸のN,N',N''-置換エ
ステル、1,ω-アミノ酸のN,N',N''-未置換エステル、1,
ω-アミノ酸のN,N'-置換ラクトン、及び1,ω-アミノ酸
のN,N'-未置換ラクトンから成る群から選択されるもの
であることを特徴とする前項(2)記載のインクジェット
プリンタに用いられるインク組成物。 (実施態様4)前記の対応する対イオンがジメチルアン
モニウム、トリメチルアンモニウム、及びジプロピルア
ンモニウムから成る群から選択されるものであることを
特徴とする前項(3)記載のインクジェットプリンタに用
いられるインク組成物。 (実施態様5)前記のイオン着色剤がその表面に陽イオ
ンを有する着色剤粒子であり、前記陽イオンがアンモニ
ウムイオンであることを特徴とする前項(1)記載のイン
クジェットプリンタに用いられるインク組成物。 (実施態様6)前記イオン着色剤が陽イオン官能基化着
色剤粒子を包含し、前記の対応する対イオンが、ハライ
ド、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、カルボ
ン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、
テトラフルオロホウ素酸塩、メタンスルホン酸塩、メチ
ルベンゼンスルホン酸塩、亜リン酸塩、ホスホン酸塩、
ヘキサフルオロホスホン酸塩、ホスフィン、フェノラー
ト、過塩素酸塩、タングステン酸塩、モリブデン酸塩及
びケイ酸塩イオンから成る群から選択される陰イオンで
あることを特徴とする前項(1)記載のインクジェットプ
リンタに用いられるインク組成物。 (実施態様7)請求項1記載のインク組成物を使って媒
体上にプリントするステップを包含するインクジェット
プリント方法。 (実施態様8)次の(イ)から(ニ)の工程を有する請
求項1記載のインク組成物を調製する方法。 (イ)着色剤粒子を生成し、(ロ)前記着色剤粒子を官
能基化して陰イオン官能基又は陽イオン官能基の何れか
を有する巨大分子発色団を形成し、(ハ)イオン交換技
術を使って前記巨大分子発色団に相容性のある対イオン
を添加し、(ニ)前記巨大分子発色団及び結合対イオン
を前記ベヒクルと混合してインク組成物を形成する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・アール・モファット アメリカ合衆国オレゴン州コーバリス ノースウエスト・パインコーン・ウエイ ナンバー7 4120 (56)参考文献 特開 昭63−66270(JP,A) 特開 昭62−132979(JP,A) 特開 昭62−149770(JP,A) 特開 平7−11157(JP,A) 特開 平3−160070(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 B41J 2/01 B41M 5/00 C09B 69/00 - 69/06

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベヒクルと、顔料粒子から成る少なくとも
    一つのアニオン着色剤粒子と対イオンを含み、前記アニ
    オン着色剤粒子と結合する対イオンは、N,N',N''‐置換
    アンモニウムイオンまたはN,N',N''−未置換アンモニ
    ムイオンであることを特徴とするインクジェットプリン
    タに用いられるインク組成物。
  2. 【請求項2】前記対イオンはジメチルアンモニウム、ト
    リメチルアンモニウム及びジプロピルアンモニウムから
    成る群から選択されるものであることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェットプリンタに用いられるインク
    組成物。
  3. 【請求項3】前記対イオンはジプロピルアンモニウムで
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェットプ
    リンタに用いられるインク組成物。
  4. 【請求項4】前記置換アンモニウムイオンの置換基はア
    ルキル基またはアリール基であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェットプリンタに用いられるインク
    組成物。
  5. 【請求項5】前記対イオンは、前記アニオン着色剤粒子
    に予め結合している対イオンとイオン交換方法によって
    置換されることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
    ットプリンタに用いられるインク組成物。
  6. 【請求項6】ベヒクルと、顔料粒子から成る少なくとも
    一つのアニオン着色剤粒子と対イオンを含み、前記アニ
    ン着色剤粒子に結合する対イオンは、1,ω−アミノ酸
    のN,N',N'',N'''−置換アミド、1,ω-アミノ酸のN,N',
    N'',N'''−未置換アミド、1,ω−アミノ酸のN,N'−置換
    ラクタム、1,ω-アミノ酸のN,N'−未置換ラクタム、1,
    ω−アミノ酸のN,N',N''−置換エステル、1,ω-アミノ
    酸のN,N',N''−未置換エステル、1,ω−アミノ酸のN,N'
    −置換ラクトン及び1,ω-アミノ酸のN,N'−未置換ラク
    トンからなる群から選択されるものから誘導される陽イ
    オンであることを特徴とするインクジェットプリンタに
    用いられるインク組成物。
  7. 【請求項7】前記置換アミドから誘導される陽イオンの
    置換基はアルキル基またはアリール置換基であることを
    特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタに用
    いられるインク組成物。
  8. 【請求項8】前記置換ラクタムから誘導される陽イオン
    の置換基はアルキル基またはアリール基であることを特
    徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタに用い
    られるインク組成物。
  9. 【請求項9】前記置換エステルから誘導される陽イオン
    の置換基は、アルキル基またはアリール基であることを
    特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタに用
    いられるインク組成物。
  10. 【請求項10】前記置換ラクトンから誘導される陽イオ
    ンの置換基は、アルキル基またはアリール基を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタ
    に用いられるインク組成物。
  11. 【請求項11】前記対イオンは、前記アニオン着色剤粒
    子に予め結合している対イオンとイオン交換方法によっ
    て置換されることを特徴とする請求項6記載のインクジ
    ェットプリンタに用いられるインク組成物。
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