JP3190212B2 - 光学ガラス - Google Patents

光学ガラス

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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/11Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing halogen or nitrogen
    • C03C3/112Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing halogen or nitrogen containing fluorine
    • C03C3/115Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing halogen or nitrogen containing fluorine containing boron

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SiO2−B23−N
25−R’2O(R’はアルカリ金属元素)−F系の
組成を有し、環境上問題になる有害なPbO、As23
成分を含有せず、屈折率(Nd)が1.52〜1.6
5、アッベ数(νd)が35〜50の範囲の光学恒数を
有し、低い転移温度特性を付与してモールドプレス成形
性を改善しつつ、かつ、耐失透性と光線透過性に優れた
新規な光学ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記の光学恒数を有するガラスと
して、SiO2−PbO−R’2O系、SiO2−TiO2
−R’2O系およびSiO2−TiO2−R’2O−F系の
ものが知られている。しかし前者のガラスは、環境に有
害なPbOを含有しており、後二者のガラスは、いずれ
も光線透過性に劣る欠点を有している。また、特開昭5
2−25812号公報にはSiO2−TiO2−Nb25
−R’2O系ガラスが、また、特開昭52−45612
号公報にはSiO2−Nb25−R”O(R”は2価金
属元素)−R2O系のガラスが開示されているが、これ
らのガラスはいずれも光線透過性が十分とは言い難い。
【0003】また米国特許第4719186号公報に
は、SiO2−B23−TiO2含有アルカリ珪酸塩ガラ
スが開示されているが、このガラスは低い転移温度(以
下Tgという)を有するものの光線透過性が十分でな
い。さらに特開昭58−135151号公報にはSiO
2−B23−CaO−Li2O含有珪酸塩ガラスが開示さ
れているが、このガラスも低い転移温度を有するものの
耐失透性が十分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ガラスが有する諸欠点を総合的に改善し、環境上問題に
なる有害なPbOおよびAs23成分を含有せず、前記
光学恒数を有し、モールドプレスに適合する低Tg特性
を維持しつつ、耐失透性が一段と改善され、かつ、光線
透過性や化学的耐久性の優れた光学ガラスを提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意試験研究を重ねた結果、従来から具
体的に開示されていない特定組成範囲のSiO2−B2
3−Nb25−R’2O(R’はアルカリ金属元素)−F
系のガラスにおいて、上記の有害な成分を含有せず、前
記所定の光学恒数とモールドプレスに適した低Tg特
性、すなわち低いTgを維持しつつ、ガラスの光線透過
性と耐失透性が一段と改善された量産可能な所期のガラ
スが得られることをみいだし、本発明をなすに至った。
【0006】本発明にかかる光学ガラスの特徴は、重量
%で、SiO2 40〜70%、B23 0.5〜20
%、Al23 0〜15%、Nb25 6〜35%、T
iO20〜15%、ZrO2 0〜10%、Li2O 0
〜10%、Na2O 0〜20%、K2O 0〜20%、
ただし、Li2O+Na2O+K2O 10〜35%、Z
nO+MgO+CaO+SrO+BaO 0〜14%、
ただし、CaO+MgO 0〜5%および上記金属元素
の1種または2種以上の酸化物の一部または全部と置換
した弗化物の弗素(F)としての合計量が0.1〜10
%の範囲の各成分から成り、かつ、屈折率(Nd)が
1.52〜1.65、アッベ数(νd)が35〜50の
範囲の光学恒数を有することにある。
【0007】上記各成分の組成範囲を限定した理由は、
次のとおりである。すなわちSiO2成分は、ガラスを
形成させるのに必須の成分であるが、その量が40%未
満であると、ガラスの光線透過性および化学的耐久性が
悪化し、また70%を超えるとガラスの溶融が困難にな
る。B23成分は、後述のR’2O成分と共に含有させ
ることによってガラスの溶融性および安定性、さらに低
Tg特性を与える効果が大きい重要な成分であるが、
0.5%より少ないと上記効果が不十分であり、20%
を超えると化学的耐久性が悪くなる。好ましくは0.5
〜9%にすべきである。
【0008】Al23成分は、ガラスの耐失透性と化学
的耐久性の改善および光学恒数の調整に有効であるが、
その量が15%を超えるとガラスの溶融性や耐失透性が
悪くなる。Nb25成分は、本発明のガラスにおいて高
分散性、耐失透性および光線透過性を高める効果がある
ため重要な成分であるが、その量が6%未満では目標の
光学恒数が得られず、また35%を超えるとガラスの失
透傾向が大きくなる。
【0009】TiO2成分はガラスの屈折率を高め、ア
ッベ数を小さくするのに有効であるので適宜添加し得る
が、その量が15%を超えるとガラスの着色が増大す
る。ZrO2成分はガラスの化学的耐久性向上のため適
宜添加し得るが、その量が10%を超えるとガラスは失
透しやすくなる。
【0010】Li2O、Na2OおよびK2Oの各成分
は、上記のとおりB23成分と共に含有させることによ
って、ガラスの溶融性および低Tg特性を与える効果が
あるので任意に添加し得るが、それらの量がそれぞれ1
0%、20%および20%を超えるとガラスの屈折率が
低下する。しかし、これらの成分の1種または2種以上
の合計量が10%未満であると上記効果が不十分とな
り、また35%を超えると化学的耐久性が劣化する。Z
nO、MgO、CaO、SrOおよびBaOの各成分
は、ガラスの溶融性改善に効果があるので任意に添加し
得るが、これらの成分の1種または2種以上の合計量が
14%を超えると、目標の光学恒数を維持し難くなる。
ただし、CaOおよびMgO成分の合計量は、上記効果
を得るには5%で十分である。
【0011】弗素(F)成分は、本発明のガラスにおい
て屈折率に対する高分散性を大きくし、かつ、光線透過
性能を高める効果があるため重要な成分であるが、その
量が0.1%未満では上記効果が得られず、また溶融の
際、脈理等を発生し、均質なガラスを得難くなるので1
0%以下、好ましくは7%以下が適切である。なお本発
明のガラスは、上記成分の他にSb23等の公知の脱泡
剤を1%程度まで含有させることができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の光学ガラスの実施例について説
明する。表1に、本発明の光学ガラスの実施組成例(N
o.1〜No.10)および従来のガラスの比較組成例
(No.AおよびNo.B)を、これらのガラスの屈折
率(Nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移温度
(℃)、液相温度(℃)および厚さ10mmの対面研磨
試料の透過率80%(T80)を与える光線波長(nm)
と共に示した。ここで液相温度は、得られた各ガラスの
破砕片を白金板に設けた小穴上に置き、温度傾斜炉内で
融解し、30分間保持した後炉外へ取り出し、結晶の発
生状況を顕微鏡で観察して求めた結果を示したものであ
る。
【0013】
【表1】
【表1】
【表1】
【0014】表1に見られるように、本発明の好適な実
施組成例のガラスNo.2およびNo.10は、それぞ
れのほぼ同一の光学性能を有する従来のガラスNo.A
ならびにNo.Bと比較していずれもT80が短波長側へ
シフトしており、着色が少なく、光線透過性能が一段と
優れており、また液相温度が低く耐失透性が一段と優れ
ており、その改善効果は顕著である。本発明の他の好適
な実施組成例のガラスも同様に一段と優れた光線透過性
能および耐失透性を示している。またこれらのガラスは
いずれも光線透過性と耐失透性に優れ、また均質化し易
い。このため、上記実施例のガラスは製造が容易であ
り、モールドプレスに適している上、化学的耐久性も良
好である。
【0015】本発明の上記実施組成例のガラスはいずれ
も硝酸塩、炭酸塩、燐酸塩、酸化物および弗化物等の通
常の光学ガラス原料を用いて秤量、混合し、これを白金
坩堝に用い、約1000〜1250℃、約2〜5時間で
溶融脱泡し、攪拌均質化した後、金型に鋳込み、徐冷す
ることにより得ることができる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の光学ガラス
は特定範囲量のSiO2−B23−Nb25−R’2O−
F系組成の光学ガラスであるため、屈折率(Nd)が
1.52〜1.65、アッベ数(νd)が35〜50の
光学恒数と低いTgとを有し、環境上問題になるPbO
およびAs23成分を含有せず、しかも従来のガラスに
比べて着色が少なく、光線透過性と耐失透性に優れ、量
産に適しているので有用である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 SiO 40 〜70% B 0.5〜20% Al 0 〜15% Nb 6 〜35% TiO 0 〜15% ZrO 0 〜10% LiO 0 〜10% NaO 0 〜20% KO 0 〜20% ただし、LiO+NaO+KO 10 〜35% ZnO+MgO+CaO+SrO+BaO 0 〜14% ただし、CaO+MgO 0 〜5% および上記金属元素の1種または2種以上の酸化物の一
    部または全部と置換した弗化物の弗素(F)としての合
    計量が0.1〜10%の範囲の各成分から成り、かつ屈
    折率(Nd)が1,52〜1.65、アッベ数(νd)
    が35〜50の範囲の光学恒数を有することを特徴とす
    る光学ガラス。
  2. 【請求項2】重量%で、弗素(F)としての合計量が
    0.1〜7%であることを特徴とする請求項1に記載の
    光学ガラス。
  3. 【請求項3】重量%で、B 0.5〜9%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  4. 【請求項4】重量%で、B 0.5〜9%、およ
    び弗素(F)としての合計量が0.1〜7%であること
    を特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  5. 【請求項5】上記光学ガラスの転移温度(Tg)が55
    0℃以下であることを特徴とする請求項1、2、3また
    は4に記載の光学ガラス。
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