JP3190005U - 傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイ時に商品を前方に滑走させるよう傾斜した底面板を形成できる傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱を提供する。
【解決手段】傾斜底形成シート10は、一枚のシートからなり、略方形の底面板11と、この底面板の後端縁から延設される背面板12とを備え、底面板に、始端及び終端が底面板の後端縁である舌片形成用切込線13、及びこの舌片形成用切込線の前方に連続する舌片引出開口14が形成されている。包装資材セットは、傾斜底形成シート10と、この傾斜底形成シートを収容可能な箱体に組み立てられる箱用シート20とを備え、傾斜底形成シートの底面板が、箱用シートを組み立てた箱体の底面と略等しい長さ及び幅を有する。箱用シート20が、少なくとも組み立て状態における天面及び背面の上部を除去可能な切断容易部を有するとよい。
【選択図】図5

Description

本考案は、傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱に関する。
輸送時に商品を収容する箱をディスプレイ(陳列台)としても使用できるようデザインしたディスプレイ兼用箱が多種使用されている。一般のディスプレイの中には、コンビニエンスストアの飲料用冷蔵棚のように、最前列の商品を取り出すと後方の商品が前方に滑走するような傾斜を有するものがある。これと同様に、ディスプレイ兼用箱においても、商品が前方に滑走するよう底面板に傾斜を設けたものがある(特開2000−109054号公報参照)。
しかしながら、上記公報に記載のディスプレイ兼用箱のように、最初から底面板を傾斜させると底面板の下方にデッドスペースが生じるので、嵩高くなって輸送や保管のためのコストが増大する等の不都合を生じるおそれがある。
特開2000−109054号公報
上記不都合に鑑みて、本考案は、ディスプレイ時に商品を前方に滑走させるよう傾斜した底面板を形成できる傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた考案は、一枚のシートからなり、略方形の底面板と、この底面板の後端縁から延設される背面板とを備え、上記底面板に、始端及び終端が底面板の後端縁である舌片形成用切込線、及びこの舌片形成用切込線の前方に連続する舌片引出開口が形成されている傾斜底形成シートである。
当該傾斜底形成シートは、底面板に対して背面板を上方に折り曲げるとともに、舌片形成用切込線によって形成される舌片を下方に伸ばし、この舌片を上部が開口した箱体の背面の上端に係止することにより、箱体の内部に底面板を傾斜した状態に保持できる。この底面板の上に商品を前後に並べてディスプレイすれば、前方の商品を取り出したときに、後方の商品が底面板上を前方に滑走するので、自動的に前出し(商品を棚の前側に寄せること)ができる。
上記課題を解決するためになされた別の考案は、上記傾斜底形成シートと、この傾斜底形成シートを収容可能な箱体に組み立てられる箱用シートとを備え、上記傾斜底形成シートの底面板が、上記箱用シートを組み立てた箱体の底面と略等しい長さ及び幅を有する包装資材セットである。
当該包装資材セットを組み立てたディスプレイ兼用箱は、箱体の底面及び背面の内側に沿うよう傾斜底形成シートを収容し、この傾斜底形成シートの底面板の上に商品を収容できるので、デッドスペースが生じない。また、上述のように、傾斜底形成シートによって、ディスプレイ時には商品を前方に滑走させるよう傾斜した底面板を形成できるので、自動的に商品を前出しでき、販売促進効果を向上できる。
上記箱用シートが、少なくとも組み立て状態における天面及び背面の上部を除去可能な切断容易部を有するとよい。このように箱体の天面及び背面の上部を除去可能とすることによって、ディスプレイ状態における底面板の傾斜角度を最適化できる。
上記傾斜底形成シートが上記背面板に開口する把持穴を有し、上記背面板の前端縁から上記把持穴の遠位側端縁までの距離が、上記箱用シートの組み立て状態における底面から上記切断容易部までの距離よりも大きいとよい。このような把持穴を形成することによって、当該包装資材セットを組み立てたディスプレイ兼用箱を切断容易部を切断して開函したとき、少なくとも部分的に把持穴が露出するので、把持穴に指をかけて背面板を容易に持ち上げることができ、ディスプレイ兼用箱を底面板が傾斜するディスプレイ状態に容易に組み立て直せる。
上記課題を解決するためになされた別の考案は、上記包装資材セットを組み立ててなるディスプレイ兼用箱である。
当該ディスプレイ兼用箱は、開函前にはデッドスペースなく商品を収容でき、ディスプレイ時には商品を前方に滑走させるよう傾斜した底面板を形成できる。
上述のように、本考案の傾斜底形成シートは、ディスプレイ時に商品を前方に滑走させるよう傾斜した底面板を容易に形成できるので、効果的な商品陳列を可能にする。
本考案の一実施形態の傾斜底形成シートを示す模式的平面図である。 図1の傾斜底形成シートと共に本考案の一実施形態の包装資材セットを構成する箱用シートの模式的平面図である。 図1の傾斜底形成シート及び図2の箱用シートからなる包装資材セットを組み立てて商品を収容したディスプレイ兼用箱の模式的断面図である。 図3のディスプレイ兼用箱を開函した状態を示す模式的断面図である。 図4のディスプレイ兼用箱を組み立て直したディスプレイ状態を示す模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本考案の実施の形態を詳説する。
[包装資材セット]
本考案の一実施形態の包装資材セットは、図1の傾斜底形成シート10と、図2の箱用シート20とを備える。
<傾斜底形成シート>
図1の傾斜底形成シート10は、一枚の段ボールシートからなり、略方形の底面板11と、この底面板11の後端縁から延設される略方形の背面板12とを備える。なお、図1において、太い実線は段ボールシートを切断したエッジを示し、細い実線は段ボールシートを型押しして形成した折り曲げ容易線(罫線)を示す。
当該傾斜底形成シート10において、段ボールシートの中芯は、その稜線が前後方向(底面板11の後端縁に垂直な方向)になるよう配向されている。
上記底面板11には、始端及び終端が底面板11の後端縁である略コの字状の舌片形成用切込線13、及びこの舌片形成用切込線13の前方に連続し、舌片形成用切込線13の中央部を周縁の一部とする舌片引出開口14が形成されている。舌片形成用切込線13及び舌片引出開口14は、底面板11の左右方向(底面板11の後端縁に平行な方向)中央に形成されている。
舌片形成用切込線13は、底面板11から切り離され、背面板12の前端縁から延出する略方形の舌片15を形成する。
上記背面板12の後端縁近傍の左右方向中央には、この後端縁に略平行な端縁を有し、この端縁を長辺とする略長方形で4つの角がそれぞれ円弧状に面取りされた把持穴16が開口している。また、上記背面板12の後端縁と両側の側端縁との角は、それぞれ円弧状に面取りされている。
傾斜底形成シート10における舌片15の幅(底面板11の後端縁に平行な方向の長さ)の下限としては、底面板11の後端縁の幅の10%が好ましく、20%がより好ましい。一方、舌片15の幅の上限としては、底面板11の後端縁の幅の60%が好ましく40%がより好ましい。舌片15の幅が上記下限に満たない場合、舌片15の強度が不足し、当該傾斜底形成シート10を箱体に傾斜して係合させた状態を保持できないおそれがある。また、舌片15の幅が上記上限を超える場合、底面板11と背面板12との接続長が小さくなるので、底面板11と背面板12との間が破断するおそれがある。
傾斜底形成シート10における舌片引出開口14の幅(底面板11の後端縁に平行な方向の長さ)の下限としては15mmが好ましく、20mmがより好ましい。一方、舌片引出開口14の幅の上限としては、50mmが好ましく30mmがより好ましい。舌片引出開口14の幅が上記下限に満たない場合、舌片引出開口14に指を差し込むことが容易ではなく、舌片15を底面板11から引き出す作業が難しくなるおそれがある。また、舌片引出開口14の幅が上記上限を超える場合、底面板11の残部の幅が小さくなり底面板11の強度が不足するおそれがある。
傾斜底形成シート10における背面板12の後端縁から把持穴16までの距離の下限としては、8mmが好ましく、12mmがより好ましい。一方、背面板12の後端縁から把持穴16までの距離の上限としては、50mmが好ましく、30mmがより好ましい。背面板12の後端縁から把持穴16までの距離が上記下限に満たない場合、背面板12の後端縁と把持穴16との間の部分の強度が不足して、把持穴16に指を入れて底面板11に載置された商品Pごと傾斜底形成シート10を持ち上げると背面板12が破断するおそれがある。また、背面板12の後端縁から把持穴16までの距離が上記上限を超える場合、背面板12が無用に大きくなるか、開函時に指をかけられる位置に把持穴16を形成することができなくなるおそれがある。
傾斜底形成シート10における把持穴16の幅(背面板12の前端縁に平行な方向の長さ)の下限としては15mmが好ましく、20mmがより好ましく、50mmがさらに好ましい。一方、把持穴16の幅の上限としては、100mmが好ましく70mmがより好ましい。把持穴16の幅が上記下限に満たない場合、把持穴16に指(好ましくは複数の指)を差し込むことが容易ではなく、傾斜底形成シート10を持ち上げることが難しくなるおそれがある。また、把持穴16の幅が上記上限を超える場合、傾斜底形成シート10を持ち上げる際に背面板12の把持穴16より後ろ側の部分が応力集中により破断し易くなるおそれがある。
傾斜底形成シート10における把持穴16の前後方向の長さの下限としては15mmが好ましく、25mmがさらに好ましい。一方、把持穴16の前後方向の長さの上限としては、100mmが好ましく70mmがより好ましい。把持穴16の長さが上記下限に満たない場合、把持穴16に指を差し込むことが容易ではなく、傾斜底形成シート10を持ち上げることが難しくなるおそれがある。また、把持穴16の長さが上記上限を超える場合、背面板12が破断し易くなるおそれがある。
<箱用シート>
図2の箱用シート20は、一枚の段ボールシートからなり、一般にA式と呼ばれるミカン箱タイプの箱体を形成するものである。図2においても、太い実線は段ボールシートを切断したエッジを示し、細い実線は段ボールシートを型押しして形成した折り曲げ容易線(罫線)を示す。
具体的には、この箱用シート20は、一対の側面パネル21,22と、この側面パネル21,22の側縁間を接続する正面パネル23と、側面パネル22のもう一つの側縁から延設され、正面パネル23と対をなす背面パネル24と、各側面パネル21,22の上縁から延出する一対の上外フラップ25と、側面パネル21,22の下縁から延出する一対の下外フラップ26と、正面パネル23及び背面パネル24の上縁から延出する一対の上内フラップ27と、正面パネル23及び背面パネル24の下縁から延出する一対の下内フラップ28と、側面パネル21のもう一つの側縁から延設され、背面パネル24に接着される貼着片29とを備える。
箱用シート20において、段ボールシートの中芯は、その稜線が上下方向、つまり側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24の側縁と平行になるよう配向されている。
さらに、図2の箱用シート20は、側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24を横断するよう、一定の幅で対向するよう間欠的に設けられた切断用切込線によって形成される帯状の切断容易部30を有する。この切断容易部30は、側面パネル22に設けられた横向きH字状の切込みにより形成される切断開始部31を有する。
このような切断容易部30は、箱用シート20から容易に切除することができ、それにより側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24の上部を上外フラップ25及び上内フラップ27と共に他の部分から切り離すことができる。
当該包装資材セットにおいて、傾斜底形成シート10の底面板11の前後方向の長さは、箱用シート20の側面パネル21,22の横方向の長さ(上縁及び下縁の長さ)と略等しく、上記底面板11の左右方向の幅は、箱用シート20の正面パネル23及び背面パネル24の横方向の長さ(上縁及び下縁の長さ)と略等しい。より詳しくは、上記底面板11の長さ及び幅は、側面パネル21,22の長さ及び正面パネル23及び背面パネル24の長さよりも段ボールシートの厚さ2枚から5枚分程度小さい。
また、当該包装資材セットにおいて、傾斜底形成シート10の背面板12の前後の長さは、箱用シート20の背面パネル24の高さ(側縁の長さ)よりも小さい。傾斜底形成シート10における背面板12の前端縁(底面板11の後端縁)から把持穴16の近位側端縁(背面板12の前端縁に最も近い端縁)までの距離は、箱用シート20における背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離よりも大きい。よって、背面板12の前端縁から把持穴16の遠位側端縁(背面板12の前端縁から最も遠い端縁)までの距離は、それよりもさらに大きい。
箱用シート20における背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離の下限としては、傾斜底形成シート10の底面板11の前後方向の長さの15%が好ましく、20%がより好ましい。一方、背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離の上限としては、底面板11の前後方向の長さの40%が好ましく、35%がより好ましい。背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離が上記下限に満たない場合、後述するように傾斜底形成シート10の底面板11によって形成される傾斜した中底の傾斜角度が小さ過ぎて、底面板11上に載置した商品を前方に滑走させられないおそれがある。また、背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離が上記上限を超える場合、後述するように傾斜底形成シート10の底面板11によって形成される傾斜した中底の傾斜角度が大き過ぎて、底面板11上に載置した商品が転倒するおそれや、陳列スペースが無用に大きくなるおそれがある。
<ディスプレイ兼用箱>
図1の傾斜底形成シート10及び図2の箱用シート20からなる当該包装資材セットは、図3乃至図5に示すディスプレイ兼用箱の形態に組み立てられる。図3は、当該ディスプレイ兼用箱が複数の商品Pを収容して封函されている状態を示し、図4は、当該ディスプレイ兼用箱を開函した状態を示し、図5は、当該ディスプレイ兼用箱を使用して商品Pを陳列する状態を示す。
(ディスプレイ兼用箱の組み立て)
ここで、当該ディスプレイ箱の組み立て手順を説明する。
先ず、当該包装資材セットの箱用シート20は、貼着片29が背面パネル24に接着されることにより、側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24によって平面視で長方形の四角筒状部を形成する。通常、当該包装資材セットは、貼着片29が背面パネル24に接着されて箱用シート20が四角筒状部を形成している状態で、ユーザーに提供される。
続いて、箱用シート20の上記四角筒状部の下端開口が、一対の下内フラップ28を内向きに折り曲げてから一対の下外フラップ26をそれらの先端縁を突き合わせるよう折り重ねることによって封止される。つまり、一対の下外フラップ26は、箱用シート20を組み立てた箱体の底面を形成する。
下外フラップ26は、先端縁の合わせ目に沿って粘着テープが貼着されることや、下内フラップ28に対して糊付けされることによって、四角筒状部を封止する底面を形成した状態に保持される。
このように四角筒状部の下端開口を封止して有底筒状に形成された箱用シートの内側底部に、傾斜底形成シート10が収容される。このとき傾斜底形成シート10は、図3に示すように、底面板11と背面板12とが略直角をなすよう折り曲げられ、底面板11が箱用シート20を組み立てた箱体の底に沿うよう配置されると共に、背面板12が箱用シート20を組み立てた箱体の背面、つまり背面パネル24に沿うよう配置される。この時、舌片15は、底面板11と一体に背面板12に対して折り曲げられる。
そして、複数の商品Pが、箱用シート20を組み立てた箱体の内部で底面板11の上に、前後方向に列をなすよう並べて収容される。
商品Pを収容したなら、一対の上内フラップ27を内向きに折り曲げて、その上に一対の上外フラップ25を先端縁を突き合わせるよう折り重ねることによって、四角筒状部の上端開口を封止して直方体状のディスプレイ兼用箱が形成される。つまり、一対の上外フラップ25は、側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24からなる四角筒状部の上端開口を封止する天面を形成する。
この上外フラップ25も、上述の下外フラップ26と同様に、先端縁の合わせ目に沿って粘着テープを貼着することや、上内フラップ27に対して糊で接着することにより、四角筒状部の上端開口を封止する状態に保持される。
(ディスプレイ兼用箱の開函)
上述のように、傾斜底形成シート10及び箱用シート20からなる包装資材セットを組み立ててなる当該ディスプレイ兼用箱は、切断容易部30の切断開始部31を把持して引っ張ることにより、切断容易部30を帯状に切り取ることができる。これにより、側面パネル21,22、正面パネル23及び背面パネル24の上部が、上外フラップ25及び上内フラップ27、つまり箱用シート20を組み立てた箱体の天面と共に他の部分から切り離すことができる。
これにより、当該ディスプレイ兼用箱は、図4に示すように、箱用シート20が形成する箱体の天面並びに正面、両側面及び背面の上部を容易に除去して開函(開封)することができる。
上述のように背面板12の前端縁(から把持穴16の近位側端縁までの距離が背面パネル24の下縁から切断容易部30までの距離よりも大きいので、切断容易部30を切除することにより開函したとき、当該ディスプレイ兼用箱の背面には傾斜底形成シート10の把持穴16が露出する。
(ディスプレイ兼用箱によるディスプレイ)
当該ディスプレイ兼用箱は、図4に示すように開函された状態から、把持穴16に指をかけて背面板12を持ち上げることにより、多数の商品Pを載せたまま底面板11の後端側が持ち上げられる。
底面板11の後端縁を当該ディスプレイ兼用箱から露出させるまで背面板12を持ち上げ、この状態で舌片引出開口14に指を差し込むことにより、舌片15を底面板11の下方に突出するよう引き出す。
そして、図5に示すように、箱用シート20を組み立てた箱体の背面パネル24の外面側に舌片15配置し、底面板11の後端縁を背面パネル24の切断容易部30を切除して形成された切断縁の上に載置する。
これにより、当該ディスプレイ兼用箱は、内部に商品Pを載置する中底であって、前側に向かって傾斜する底面板11を備えるものとなる。
この傾斜した底面板11上に載置した商品Pは、この傾斜に沿って前方に滑走する。従って、消費者が前側の商品を購入するために当該ディスプレイ兼用箱から取り出すと、後ろ側に収容されていた商品が底面板11上を前方に向かって滑り降りる。つまり、商品を陳列棚の前方に詰めて陳列してディスプレイ効果を高める前出しが自動で行われ、その商品の販売が促進される。
<利点>
当該傾斜底形成シート10は、上述のように、底面板11に対して背面板12を上方に折り曲げるとともに、舌片形成用切込線13によって形成される舌片15下方に伸ばし、この舌片15を、箱用シート20を組み立ててなり、トレー状に開函した箱体の背面パネル24の背面に上記舌片15を係止することによって、底面板11の後端縁を背面パネル24の切断縁上に保持できる。これにより、当該ディスプレイ兼用箱は、箱体の内部に底面板11によって前側が低くなるように傾斜した中底を形成できる。この底面板11上に傾斜方向に並べて配置された商品は、底面板11の傾斜によって正面パネル23に当接するまで前方に滑走する。従って、当該傾斜底形成シート10を備えるディスプレイ兼用箱を用いて商品を陳列すれば、前方の商品を取り出したときに後方の商品が底面板上を前方に滑走するので、自動的に前出しされ、消費者に対する訴求力が高く、店員の作業を軽減できる。
また、当該包装資材セットでは、傾斜底形成シート10の底面板11が、箱用シート20組み立てた箱体の底面と略等しい長さ及び幅を有する。これによって、傾斜底形成シート10を箱用シート20組み立てた箱体の中に効率よく収容できると共に、ディスプレイ状態に組み立て直したとき、底面板11の前端縁と正面パネル23との傾斜ができない隙間が小さくなるので、商品を正面パネル23に当接する位置まで確実に滑走させられる。これにより、ディスプレイ効果をより向上できる。
また、当該包装資材セットを組み立てたディスプレイ兼用箱は、箱用シート20を組み立てた箱体の底面及び背面の内側に沿うよう傾斜底形成シート10を収容し、この傾斜底形成シート10の底面板11の上に商品を収容するので、デッドスペースが生じない。このため輸送や保管のためのコストが大きくならない。
また、当該ディスプレイ兼用箱は、箱用シート20を組み立てた箱体の天面及び背面パネル24の上部を除去可能な切断容易部30を有するので、この切断容易部30を切断するだけで、箱体の上部を開放する共に、傾斜底形成シート10の底面板11によって形成される中底の傾斜を最適化するよう背面パネル24の高さを調節できる。
また、傾斜底形成シート10の背面板12の前端縁から把持穴16のまでの距離が、箱用シート20の組み立て状態における底面から切断容易部30までの距離よりも大きいので、箱用シート20の組み立てた箱体を開函するだけで把持穴16が露出し、傾斜底形成シート10の背面板12を容易に持ち上げて、底面板11を傾斜させて保持するディスプレイ状態に容易に組み立て直せる。
また、当該傾斜底形成シート10を構成する段ボールシートは、中芯の稜線が前後方向配向されているので、底面板11が前後方向にたわみにくく、底面板11の傾斜角度を略一定にできる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲によって示され、実用新案登録請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、当該箱用シートの切断容易部は、組み立て状態における天面及び背面の上部を除去可能であればよく、例えば、ディスプレイ状態における傾斜底形成シートの底面板と平行な切断縁を形成するよう側面パネルを斜めに切断してもよい。
また、当該箱用シートの切断容易部は、開函時に把持穴全体を露出させる必要はなく、少なくとも把持穴の背面板前端縁に対する遠位側端縁を露出させるように形成されることが好ましい。
また、当該傾斜底形成シートは、背面部に把持穴が形成されたものに限らない。背面板の持ち上げを容易にする代案として、背面板の後端縁からさらに延出し、当該ディスプレイ兼用箱の封函状態において、商品の上側に折り曲げて配置される把持片を設けてもよい。さらにこの把持片に把持穴を形成して背面板の持ち上げを容易にしてもよい。
また、当該傾斜底形成シートは、複数の舌片を形成するよう、複数の舌片形成用切込線及び舌片引出開口が形成されてもよい。特に、当該傾斜底形成シートの幅が大きい場合には、複数の舌片を設けることにより、底面板の安定性を高めることができる。
さらに、当該包装資材セットにおける箱用シートは、上述のようなA式以外のタイプの箱体を形成するものであってもよい。
本考案の傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱は、特に傾斜面上に自立する商品の包装及び陳列に好適に使用できる。
10 傾斜底形成シート
11 底面板
12 背面板
13 舌片形成用切込線
14 舌片引出開口
15 舌片
16 把持穴
20 箱用シート
21,22 側面パネル
23 正面パネル
24 背面パネル
25 上外フラップ
26 下外フラップ
27 上内フラップ
28 下内フラップ
29 貼着片
30 切断容易部
31 切断開始部

Claims (5)

  1. 一枚のシートからなり、
    略方形の底面板と、
    この底面板の後端縁から延設される背面板とを備え、
    上記底面板に、始端及び終端が底面板の後端縁である舌片形成用切込線、及びこの舌片形成用切込線の前方に連続する舌片引出開口が形成されている傾斜底形成シート。
  2. 請求項1に記載の傾斜底形成シートと、この傾斜底形成シートを収容可能な箱体に組み立てられる箱用シートとを備え、
    上記傾斜底形成シートの底面板が、上記箱用シートを組み立てた箱体の底面と略等しい長さ及び幅を有する包装資材セット。
  3. 上記箱用シートが、少なくとも組み立て状態における天面及び背面の上部を除去可能な切断容易部を有する請求項2に記載の包装資材セット。
  4. 上記傾斜底形成シートが上記背面板に開口する把持穴を有し、
    上記背面板の前端縁から上記把持穴の遠位側端縁までの距離が、上記箱用シートの組み立て状態における底面から上記切断容易部までの距離よりも大きい請求項3に記載の包装資材セット。
  5. 請求項2、請求項3又は請求項4に記載の包装資材セットを組み立ててなるディスプレイ兼用箱。
JP2014000415U 2014-01-28 傾斜底形成シート、包装資材セット及びディスプレイ兼用箱 Expired - Lifetime JP3190005U (ja)

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