JP3189993B2 - 多地点間音声通信端末 - Google Patents

多地点間音声通信端末

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JP3189993B2
JP3189993B2 JP25662993A JP25662993A JP3189993B2 JP 3189993 B2 JP3189993 B2 JP 3189993B2 JP 25662993 A JP25662993 A JP 25662993A JP 25662993 A JP25662993 A JP 25662993A JP 3189993 B2 JP3189993 B2 JP 3189993B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多地点間音声通信端末
に関するものである。更に詳しくは、それぞれ異なった
地点にある各端末をループ状に接続し、そのループ状の
伝送路上に、各端末からの音声信号を一方向に流し、そ
れぞれの端末で受信することにより、端末間の音声通信
を行うようにした多地点間音声通信システムにおける前
記各端末の中の任意の一つの端末(何れの端末も同じ構
成であるとして)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、上記多地点間音声通信システム
の接続例を示す説明図である。同図において、乃至
はそれぞれ端末であり、各端末は、ISDNの基本イン
タフェースを1回線収容し、該1回線により提供される
二つのチャネル(このチャネルをそれぞれBチャネルと
いう)を使い両端の端末と接続している。
【0003】つまり右隣りの端末と一つのBチャネルを
用いて接続したら、左隣りの端末とは、残りのもう一つ
のBチャネルを用いて接続するわけである。こうして全
体として四つの端末乃至が、Bチャネル1本のルー
プにより接続され、多地点間音声通信システムが構成さ
れる。このループ上を、音声信号が例えば、→→
→→の順に伝送されのである。
【0004】次に図1は、本発明の一実施例としての多
地点間音声通信端末の構成を示すブロック図であるが、
図3における端末の一般的構成例を説明するのにも役立
つ図であるので、以下、図1を参照して、図3における
端末の一般的構成例を説明する。
【0005】図1において、12は網インタフェース
部、13はトランスコーダ(1)、14は減算処理部、
15は加算処理部、16はトランスコーダ(2)、17
は音声復号化部、18は音声出力部、19は音声入力
部、20は音声符号化部、21は遅延処理部、である。
【0006】図1において、ループ(伝送路)上を流れ
る音声信号は、ISDNから網インタフェース部12を
介して取り込まれ、トランスコーダ(1)13、減算処
理部14、加算処理部15、トランスコーダ(2)1
6、を通り網インタフェース部12からISDNにより
ループ(伝送路)上に戻っていく。このとき、音声入力
部19から入力された自端末からの音声信号が、音声符
号化部20で符号化されて、加算処理部15で、減算処
理部14からの音声信号に加算されて、ループ(伝送
路)上に出ていく。
【0007】他方、減算処理部14では、トランスコー
ダ(1)13からの音声信号から、先に(つまりループ
一周前に)自端末からの音声信号として音声入力部1
9、音声信符号部20を介してループ(伝送路)上に送
出した音声信号を、遅延処理部21を介することにより
得て(つまり遅延処理部21における遅延時間がループ
一周に相当する遅延時間である)、減算を行うので、自
端末からの音声信号を含まない音声信号、つまり他端末
からの音声信号のみを出力することができ、これが音声
復号化部17で復号され、音声出力部18から出力され
る。
【0008】その結果、各端末では、他端末からの音声
信号が出力されるのを聞き、自端末からの音声信号を伝
送路に入力してやることができ、他端末との間で音声通
信が可能となるわけである。
【0009】以上、図3、図1を参照して説明した如き
多地点間音声通信システムは、(N−1)加算方式と呼
ばれ、複数地点をループ型に接続して音声通信を行う場
合、この(N−1)加算方式を用いることにより、全端
末が自由に会話を行うことができる。既に説明したよう
に、(N−1)加算方式は、ループ型に接続されたシス
テムで受信音声信号から、ループ周回時間前の自端末加
算音声信号を差し引き、その信号を自端末のマン・マシ
ンに出力する。それと共に、そのマン・マシンに出力し
た信号に、新たに自端末の音声信号を加算して、送信す
ることにより、ループ上の複数端末間で会話を行えるよ
うにする方式である。
【0010】(N−1)加算を行う端末では、通常μ−
law方式等の非直線形量子化方式による高能率圧縮符
号が使われている受信音声信号を、リニア符号に変換す
る(受信音声信号にはループ上の各端末の音声信号が加
算されている)。その信号から、自端末のT時間前の入
力信号を振幅調整して減算する(Tは音声信号がループ
上を一周するのに要する時間であり、振幅調整する理由
は後述)。
【0011】この減算して得られた信号は、自端末以外
のループ上の端末の音声信号が加算された信号である
(自端末の信号が無いのは、引いたから)。従って、こ
の信号をマン・マシンに出力すれば、ループ上にある端
末の音声を聞くことができる。また、自端末に入力した
音声を、この信号に加算し、その後高能率圧縮符号に変
換してループ(伝送路)上に送出する。ループ上の他の
端末でも同様な処理を行う。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】各端末で行われる上記
処理のうち、減算処理、加算処理は、リニア符号で行う
必要があるので、伝送路符号(高能率圧縮符号)をリニ
ア符号に変換するための伸長処理と、更に減算処理、加
算処理の後、リニア符号を伝送路符号(高能率圧縮符
号)に変換するための圧縮処理を行う必要がある。かか
る圧縮/伸長処理が各端末で繰り返されると、量子化誤
差が蓄積されることになる。また、伝送路上で起こり得
る信号の誤りでも、誤差が生じる。
【0013】これらの誤差により、各端末で、伝送路か
ら受信した受信音声信号から、T時間前の自端末音声信
号(もちろん、この信号には誤差はないと考えている)
を減算する時、完全に消し切れない(減算し切れない)
ことがある。その時、その完全に消し切れていない(減
算し切れていない)音声信号を音声として出力すると、
雑音や衝撃音が生じて端末のユーザに不快感を与える。
【0014】ループ(伝送路)上で、このような雑音が
蓄積していくことを防ぐため、端末から伝送路に音声信
号を送出する時に、減衰要素を挿入しておき、これを介
して送出することがある。減算するときに振幅調整した
信号を引いたのは、このためである。この減衰により、
雑音はループ(伝送路)内を周回していくたびに小さく
なっていく。
【0015】しかし、マン・マシンに出す音声信号に減
衰を入れると、雑音や衝撃音は小さくなるが、主信号
(音声信号)自体も小さくなるので意味がない。さら
に、大きな問題として、何らかの原因で処理端末および
その両隣以外の端末で、ループが切断される場合があ
る。その場合、処理端末はループが切断され、入力音声
信号信号に異常があることを認識できず、T時間前の自
端末音声信号を減算する処理を続けてしまう。このよう
な場合でも大きな雑音や衝撃音が生じる。
【0016】本発明の目的は、上記問題点を解決し、
(N−1)加算方式を採る多地点間音声通信システムに
おいて、(N−1)加算方式を実行することによる減算
誤差に基づいて発生することのある衝撃音を、マン・マ
シンに出力しないで済む多地点間音声通信端末を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、伝送路から受信した受信音声信号から、それ
がそのループ一周前に自端末を出るときに、自端末から
入力した音声信号の分を減算して、他端末から入力され
た音声信号だけを取り出す減算手段と、該減算手段から
の出力音声信号に、新たに自端末から入力する音声信号
を加えて伝送路に送出してやるための加算手段と、前記
減算手段からの出力音声信号を取込み復号して出力する
音声復号化手段と、該音声復号化手段からの復号された
音声信号を取込み音声として出力する音声出力手段と、
を少なくとも有する多地点間音声通信端末において、
【0018】前記減算手段の入力側信号と出力側信号と
を取込み両信号のレベル比較を行う行うレベル比較手段
と、比較の結果、出力側信号が入力側信号より大きいと
き、前記音声復号化手段又は音声出力手段の動作を停止
させて音声が外部に出力されるのを阻止する音声出力停
止手段と、を具備することとした。
【0019】
【作用】減算処理前後の音声信号のレベルを比較し、減
算処理後の音声信号のレベルが減算処理前の音声信号の
レベルよりも大きい場合(これは明らかに入力音声信号
に異常があるわけであるから)、マン・マシンへの出力
を停止するようにしたので、衝撃音がマン・マシンから
出力されることはなく、端末のユーザに対する不快感を
取り除くことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を、伝送路としてIS
DN基本インタフェースを用いる通信システムについて
図を参照して説明する。図1は、既に述べたように、本
発明の一実施例としての多地点間音声通信端末の構成を
示すブロック図である。同図において、50はレベル比
較部であり、本実施例の要点は、このレベル比較部50
を設けた点にある。
【0021】図1を参照する。音声符号化部20は、音
声入力部19より入力された音声信号をリニアの符号化
信号に変換する。音声復号化部17は、入力されたリニ
アの符号化信号を音声信号に変換する。トランスコーダ
(1)13は、伝送に使用している高能率符号を内部処
理で使用するリニアの符号化信号に変換する。例えば、
伝送符号に、μ−law方式により高能率符号化された
符号を使用している場合、トランスコーダ(1)13
は、このμ−law符号化信号をリニア符号化信号に変
換する。
【0022】トランスコーダ(2)16は、内部処理で
使用するリニアの符号化信号を、伝送に使用する高能率
符号に変換する。例えば、伝送符号にμ−law方式に
より高能率符号化された符号を使用している場合、トラ
ンスコーダ(2)16は、リニア符号化信号をμ−la
w符号化信号に変換する。トランスコーダ(1)13と
トランスコーダ(2)16は、それぞれお互いに逆変換
を行うこととなっている。
【0023】遅延処理部21は、音声信号がループを1
周するのに必要な群遅延時間Tが設定され、音声符号化
部20からの受信信号を時間Tだけ遅らせて減衰処理部
14に送信する。群遅延時間Tの測定は、適当な公知の
手段で行うことができる。減算処理部14は、トランス
コーダ(1)13からの音声信号から、遅延処理部21
からの音声信号(自端末に過去に入力された信号に相当
する)を減算する。
【0024】減算して得られる音声信号を、音声復号化
部17、レベル比較部50および加算処理部15に、そ
れぞれ送信する。なお、ループ上に減衰要素を挿入して
いる端末が存在している場合、減算処理部14は、遅延
処理部21からの受信音声信号を振幅調整した後に減算
する。
【0025】加算処理部15は、音声符号化部20から
の受信音声信号(自端末の現在の入力信号)と減算処理
部14からの受信音声信号を加算する。加算した音声信
号をトランスコーダ(2)16に送信する。
【0026】レベル比較部50は、トランスコーダ
(1)13から受信した音声信号と、減算処理部14か
ら受信した音声信号と、の各レベルを比較し、後者の方
が大きかった場合、音声復号化部17に、音声出力部1
8への信号の送信を停止するように制御信号を送って指
示する
【0027】網インタフェース部12は、ISDNとの
インタフェースをとる。本実施例では音声信号の流れは
1方向であるので、網インタフェース部12では、端末
(図3)と接続しているチャネルを受信チャネルと
し、端末(図3)と接続しているチャネルを送信チャ
ネルとする。
【0028】音声出力部18は、音声復号化部17から
受信した音声信号を出力するマン・マシンインタフェー
ス手段である。音声入力部19は、音声信号の入力を行
うマン・マシンインタフェース手段である。
【0029】ところで、図3における四端末のうちで、
或る端末を端末nとし、この端末nは、図1において、
ある時間tにRin(n,t)という音声信号を伝送路
から受信し、Sout(n,t)という音声信号を伝送
路へ送出するとする。それらをリニア符号化信号に変換
したものをRin´(n,t),Sout´(n,t)
とすると、リニア符号化信号に変換後の受信音声信号R
in´(n,t)と、音声復号化部17への入力信Ro
ut´(n,t)の関係は Rout´(n,t)=Rin´(n,t)−α*Si
n´(n,t−T) である。
【0030】ここでαは減衰係数で、ループ上で減衰要
素を挿入している端末が存在する場合、そこでの減衰に
相当する値とする。ループ上で減衰要素を挿入している
端末がない場合、αは1である。また、Tは音声信号が
ループを1周するのに要する時間である。
【0031】また、送出音声信号Sout´(n,t)
と音声符号化部20からの出力信号Sin´(n,t)
の関係は Sout´(n,t)=Sin´(n,t)+Rin´
(n,t)−α*Sin´(n,t−T) である。
【0032】レベル比較部50では、Rin´(n,
t)とRout´(n,t)とのレベルを比較し、後者
のレベルが前者のレベルよりも大きい場合に、音声復号
化部17に音声出力部18への信号の送信を停止するよ
う指示を送る。量子化誤差や伝送誤りが全く無い理想的
な状態においては、減算処理により、レベルは同等か低
下する。
【0033】図2は、本発明の別の実施例としての多地
点間音声通信端末の構成を示すブロック図である。同図
に示す実施例が図1に示す実施例と相違する点は、レベ
ル比較部50が、レベル比較の結果、減算処理部14の
出力側信号のレベルが入力側信号のレベルより高いと判
断したとき、音声復号化部17ではなく、音声出力部1
8に対し、マン・マシンインタフェースへの出力を停止
するように指示する点である。図2の実施例について、
これ以上説明することは不要であろう。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多地点間音声通信端末において、自端末音声の減算処理
前後の音声信号のレベルを比較し、処理後の方がレベル
が高い場合に、マン・マシンへの出力を行わないので、
ユーザに対して生じる不快感を取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての多地点間音声通信端
末の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施例としての多地点間音声通信
端末の構成を示すブロック図である。
【図3】多地点間音声通信システムの接続例を示す説明
図である。
【符号の説明】
〔図面の簡単な説明〕
【符号の説明】
12…網インタフェース部、13…トランスコーダ
(1)、14…減算処理部、15…加算処理部、16…
トランスコーダ(2)、17…音声復号化部、18…音
声出力部、19…音声入力部、20…音声符号化部、2
1…遅延処理部、50…レベル比較部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−131241(JP,A) 特開 平6−189005(JP,A) 特開 平7−99505(JP,A) 特開 平7−111539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 12/42 H04L 3/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ異なった地点にある各端末をル
    ープ状に接続し、そのループ状の伝送路上に、各端末か
    らの音声信号を一方向に流し、それぞれの端末で受信す
    ることにより、端末間の音声通信を行うようにした多地
    点間音声通信システムにおける前記各端末の中の任意の
    一つの端末であって、 伝送路から受信した受信音声信号から、それがそのルー
    プ一周前に自端末を出るときに、自端末から入力した音
    声信号の分を減算して、他端末から入力された音声信号
    だけを取り出す減算手段と、該減算手段からの出力音声
    信号に、新たに自端末から入力する音声信号を加えて伝
    送路に送出してやるための加算手段と、前記減算手段か
    らの出力音声信号を取込み復号して出力する音声復号化
    手段と、該音声復号化手段からの復号された音声信号を
    取込み音声として出力する音声出力手段と、を少なくと
    も有する前記端末において、 前記減算手段の入力側信号と出力側信号とを取込み両信
    号のレベル比較を行う行うレベル比較手段と、比較の結
    果、出力側信号が入力側信号より大きいとき、前記音声
    復号化手段又は音声出力手段の動作を停止させて音声が
    外部に出力されるのを阻止する音声出力停止手段と、を
    具備したことを特徴とする多地点間音声通信端末。
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